JP6458807B2 - 高炉への原料装入方法 - Google Patents

高炉への原料装入方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6458807B2
JP6458807B2 JP2016551538A JP2016551538A JP6458807B2 JP 6458807 B2 JP6458807 B2 JP 6458807B2 JP 2016551538 A JP2016551538 A JP 2016551538A JP 2016551538 A JP2016551538 A JP 2016551538A JP 6458807 B2 JP6458807 B2 JP 6458807B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coke
blast furnace
raw material
outer peripheral
central
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016551538A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016051773A1 (ja
Inventor
寿幸 廣澤
寿幸 廣澤
渡壁 史朗
史朗 渡壁
和平 市川
和平 市川
佐藤 道貴
道貴 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JPWO2016051773A1 publication Critical patent/JPWO2016051773A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6458807B2 publication Critical patent/JP6458807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21BMANUFACTURE OF IRON OR STEEL
    • C21B5/00Making pig-iron in the blast furnace

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture Of Iron (AREA)

Description

本発明は、高炉内への原料装入を、旋回シュートで行う高炉への原料装入方法に関するものである。
高炉は、一般的に、焼結鉱や、ペレット、塊状鉱石等の鉱石類原料と、コークスとを炉頂より層状に装入したのち、羽口よりガスを流して、銑鉄を得るための設備である。装入された原料であるコークスと鉱石類原料は、炉頂より炉下部へと降下し、鉱石類原料の還元と装入原料の昇温が起こる。そして、鉱石類原料層は、昇温と、上方からの荷重によって、その空隙を埋めながら徐々に変形し、高炉のシャフト部の下方においては、極めて通気抵抗が大きくガスが殆ど流れない融着層となっている。
従来、高炉への原料装入方法は、鉱石類原料とコークスとを交互に装入しており、炉内では鉱石類原料層とコークス層とが交互に層状となっている。また、高炉内下部には、融着帯、すなわち鉱石類原料が軟化融着した通気抵抗の大きな鉱石類原料層と、コークス由来の比較的通気抵抗が小さいコークススリットが存在する。そして、この融着帯の通気性が、高炉全体の通気性に大きく影響を及ぼし、高炉における生産性を律速している。
ここで、融着帯の通気抵抗を改善するためには、鉱石類原料層にコークスを混合することで、コークスが混合された鉱石類原料層由来の融着帯とすることが有効であることが知られている。そして、高炉内の鉱石類原料層の適切な混合状態を得るために、多くの発明が報告されている。
例えば、特許文献1では、ベルレス高炉において、下流側の鉱石ホッパーにコークスを装入して、コンベア上で鉱石の上にコークスを積層したのち、炉頂バンカーに装入し、鉱石とコークスとを旋回シュートを介して高炉内に装入する方法が開示されている。
また、特許文献2では、異なる炉頂バンカーに鉱石とコークスとを別々に貯留して、コークスと鉱石を同時に混合装入することで、コークスの通常装入用バッチ、コークスの中心装入用バッチ、および混合装入用バッチを形成し、当該バッチを用いた3通りの装入を同時に行う方法が開示されている。
さらに、特許文献3では、高炉操業における融着帯形状の不安定性および炉内の中心部付近におけるガス利用率の低下を防止し、安全操業と熱効率の向上を図るために、全鉱石と全コークスを完全混合した後、炉内に装入する方法が開示されている。
特開平3−211210号公報 特開2004−107794号公報 特公昭59−10402号公報
ここで、近年の高炉操業では、低コークス操業を行う必要性が増えてきている。しかしながら、低コークス操業を行う場合には、使用されるコークス量が減少することから、その対策として、コークススリットを従来以上に薄くする必要がある。そのため、コークススリットの存在比率はますます低下し、融着帯の通気性は、さらに高炉全体の通気性に大きく影響を及ぼすようになる。
一方、融着帯の通気抵抗を改善するためには、前述した特許文献3に記載された例のように、鉱石層にコークスを混合することが有効であることが知られている。
しかしながら、前述した特許文献3の記載では、コークススリットがない高炉について記載されてはいるものの、高炉に対する具体的な原料装入方法については言及されていない。
本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたものである。
本発明は、混合層でコークススリットを存在させることなく、効果的に混合層の通気抵抗を低減させることができる高炉への原料装入方法を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.旋回シュートを使って高炉内にコークスおよび鉱石類原料を装入する高炉への原料装入方法であって、
前記高炉内の軸心から炉内壁に向かって所定の距離以下の中心領域には、前記コークスを装入して中心コークス層を形成する第1工程と、
前記中心コークス層の外周に位置する外周領域には、前記コークスと前記鉱石類原料との混合原料を装入して、外周混合層を形成する第2工程と、
を有し、
前記第2工程は、前記外周混合層中のコークス比が、前記高炉の半径方向に、連続的にまたは段階的に異なるように行い、かつ
前記第2工程は、前記混合原料を前記外周領域の前記中心領域側から前記炉内壁側に向かって装入する逆傾動装入により行い、
前記外周領域の内周端を、前記軸心から前記高炉の半径の40%以下の位置とし、前記外周領域の外周端を、前記軸心から前記高炉の半径の80%以上の位置とする、高炉への原料装入方法。
2.前記外周領域の内周端を、前記軸心から前記高炉の半径の25%以下とする、前記1に記載の高炉への原料の装入方法。
3.前記第1工程および前記第2工程を1回ずつ行う1チャージで装入されるコークスの量の5〜25質量%が、該1チャージの前記第1工程で装入される、前記1または2に記載の高炉への原料装入方法。
4.前記1チャージで装入されるコークスの量の15〜25質量%が、該1チャージの前記第1工程で装入される、前記1または2に記載の高炉への原料の装入方法。
5.前記高炉の半径方向に関する前記高炉内の一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスの濃度の分布を測定し、
前記濃度分布からガス利用率分布を求め、
前記ガス利用率分布から、前記高炉の半径方向に関する前記高炉内の還元率分布を求め、
前記還元率分布に応じて、前記第2工程における、前記コークス比の前記高炉の半径方向の分布を設定する、前記1〜4のいずれかに記載の高炉への原料装入方法。
6.前記高炉の内部を、前記軸心から前記炉内壁に向かって前記高炉の半径方向に、中心部と、該中心部の外周に位置する中間部と、該中間部の外周に位置する周辺部とに区画するとき、前記中心コークス層を少なくとも前記中心部に形成し、前記外周混合層を少なくとも前記中間部および前記周辺部に形成し、
前記中心部または、前記中心部および前記中間部に形成された、前記中心コークス層に対して隣接する領域の前記外周混合層中のコークス比と、前記周辺部での前記外周混合層中のコークス比とを、前記中間部(ただし、前記隣接する領域を除く)での前記外周混合層中のコークス比よりも小さくする、前記1〜5のいずれかに記載の高炉への原料装入方法。
7.前記外周混合層の原料装入開始点を、中心コークス層隣接部とし、各炉頂バンカーから、コークスと、鉱石類原料および/または混合原料とを排出し、集合ホッパーで混合したのち、旋回シュートに供給することによって、前記コークス比を変化させる前記1〜6のいずれかに記載の高炉への原料装入方法。
本発明によれば、混合層でコークススリットが形成されることがなく、融着帯で、分散しているコークスによって、高炉内の通気改善を行うことができる。
本発明に用いる高炉上部の模式図である。 高炉における鉱石類原料とコークスとの混合原料の装入範囲と混合歩留まりとの関係を示した図である。 従来のガス利用率分布の一例を示す図である。 従来の高炉内位置における鉱石還元率の一例を示す図である。 充填層圧力損失評価装置を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
本発明は、旋回シュートを使って、高炉内へ、焼結鉱や、ペレット、塊状鉱石などの高炉操業に当たり一般的に用いられる鉱石類原料と、コークスを、装入する際に用いる高炉への原料装入方法である。
本発明に用いる高炉は、図1に示したようなベルレス式装入装置5を備える。当該装置5は、高炉1の炉頂に配設した複数の炉頂バンカー2a〜2cと、各炉頂バンカーの排出口に配設され、当該炉頂バンカーから排出される原料を混合する集合ホッパー4と、上記集合ホッパーから供給されるコークスや混合原料を受けて高炉内に装入する旋回シュート6を備えている。炉頂バンカー2a〜2cと集合ホッパー4との間には、各炉頂バンカーからの原料の流量を調整する流量調整ゲート3が配設される。
なお、上記ベルレスタイプの高炉は、旋回シュート6により混合原料等を炉頂より層状に装入し、高炉羽口よりガスを流し、鉄鉱石を還元して銑鉄を得るための一般的な高炉でよい。
本発明では、図1に示したように、前記高炉の内部を、前記軸心から前記炉内壁に向かって、高炉の半径方向に、中心部13と、該中心部の外周に位置する中間部14と、該中間部の外周に位置する周辺部15とに区画する。
また、高炉内の軸心から炉内壁までの距離をRとし、Rを無次元半径:1と規定する。すなわち、本発明で、高炉内無次元半径(または単に、無次元半径という)とは、高炉内の軸心からの距離をr0とすれば、r0/Rの式で導き出される数値である。
本発明で、中心部13は無次元半径で0以上0.2〜0.3以下の領域、中間部は、中心部より外周であって無次元半径で0.2超〜0.4以上0.6〜0.8以下の領域、周辺部は、無次元半径で0.8超1以下の領域とする。
本発明は、高炉1内の軸心から炉内壁に向かって所定の距離以下の中心領域に、コークスを装入して中心コークス層11を形成する第1工程と、中心コークス層の外周に位置する外周領域に、コークスと鉱石類原料との混合原料を装入して、外周混合層12(以下、単に「混合層12」ともいう。)を形成する第2工程と、を有するものである。
図1に示した複数の炉頂バンカー2a〜2cは、例えば、炉頂バンカー2aに、コークスを貯留し、炉頂バンカー2bには鉱石類原料を、炉頂バンカー2cには鉱石類原料とコークスとを混合させた混合原料を貯留する。そして、混合層12を形成する際には、各炉頂バンカーから、コークス、鉱石類原料または混合原料を適宜排出し、集合ホッパーで混合して旋回シュートに供給する。
さらに、混合原料を貯留する炉頂バンカーを設けない場合でも、コークスと鉱石類原料とを個別に貯留する炉頂バンカー(例えば、上記炉頂バンカー2aおよび炉頂バンカー2b)から集合ホッパーに排出することにより、混合層12を形成することができる。
まず、中心コークス層11を形成する第1工程について説明する。この第1工程は、例えば、コークスの装入開始時に、旋回シュート6が垂直傾動状態に制御され、その後徐々に外周側に向かってコークス層を形成するように制御されることが好ましい。また、中心コークス層を形成してからその周囲に前記外周混合層を形成することが好ましい。中心コークス層内に混合層の鉱石類原料が混入することを防止して、中心コークス層を正確に形成することができるからである。なお、旋回シュート6の先が中心部13上にあるときに、上記炉頂バンカー2aからコークスのみを排出して、効率よく中心コークス層11を形成することができる。
本発明で、中心コークス層11は、高炉内無次元半径で、0(高炉中心)から、0.2〜0.3程度までの間に形成するのが好ましい。すなわち、中心コークス層11の外周は、高炉内無次元半径で、0.2〜0.3程度までとなる。また、本発明において、中心コークス層隣接部16とは、中心コークス層の外周から所定の距離の部分であって、中心コークス層の外周から、高炉内無次元半径:0.3〜0.4程度までの部分を言う。
次に、外周混合層12を形成する第2工程について説明する。外周混合層12は、中心コークス層11の外周に形成される。このため、外周混合層12は、高炉内無次元半径で、0.2以上1以下までの間、すなわち中間部14および周辺部15に形成するのが好ましい。
本発明に従うと、高炉の中心部13に中心コークス層11を形成して、この中心コークス層11で中心部13の通気性を確保することができる。また、この中心コークス層11の外周側に、鉱石類原料とコークスとを混合した混合層12を形成することができる。それ故、この混合層12でコークススリットが形成されることはなく、高温ガスが、直接、鉱石類原料間を通過して上昇することができるので、高炉内の通気性と伝熱性とを改善することができる。さらに、本発明では、融着帯の下部にある融着帯中の鉱石類原料と、高温ガスとの接触面積が拡大されて、鉱石類原料の浸炭を効果的に促進することが可能となる。
ここで本発明は、外周混合層12中のコークス比(コークス質量/鉱石類原料質量)(以下、単に、コークス比と言った場合は、外周混合層中のコークスの質量比を意味する)を、高炉の半径方向に対し、連続的にまたは階段状に異なるように、第2工程を行うことを特徴としている。高炉操業に関し、発明者らが鋭意検討した結果、コークス比を、高炉の半径方向に対して、連続的にまたは階段状に異なるようにすると、高炉内の通気改善が効率的にできることを突き止めたからである。
混合層12のコークス比が高炉の半径方向に連続的にまたは階段状に異なるように、第2工程を行う手順は、具体的には、コークスの貯留された炉頂バンカー2aからのコークス切り出し量を変化させることによって集合ホッパー4内での混合原料のコークス比を調整し、この混合原料を旋回シュート6で高炉内の所定の無次元半径の位置に順次供給すれば良い。
本発明において、コークス比が階段状に異なる一例を示せば、無次元半径:0.05〜0.30の幅でコークス比を一定とし、この一定のコークス比を階段状に異なるように行うことができる。
ここで、上記コークス比の高炉半径方向の分布は、高炉内の通気抵抗が、20,000(Pa/m3/min)程度となるように、鉱石温度が1400度の時の、鉱石類原料の収縮率(以下、鉱石1400度収縮率という)の高炉内ばらつきΔρが10%未満となるように制御すればよい。なお、Δρは、より好ましくは6%以下で、さらに好ましくは2%以下である。また、Δρが6%では、高炉内の通気抵抗が、19,700(Pa/m3/min)程度、Δρが2%では、高炉内の通気抵抗が、19,400(Pa/m3/min)程度である。
本発明において、鉱石1400度収縮率の高炉内ばらつきΔρとは、荷重軟化試験装置を用い、高炉内を模擬した温度、ガス組成および荷重の条件下で、圧力損失を測定する方法に従って求める。なお、Δρは、中心部13、中間部14および周辺部15において、それぞれ求めた鉱石1400度収縮率の最高値から最低値を引いたものである。
コークス比の高炉半径方向の分布の決定方法としては、ガス利用率分布から求められる還元率分布に応じて決定することも好ましい。通気性の一層の向上効果が得られるからである。
まず、高炉内の一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスの濃度を高炉の半径方向に複数箇所で測定する。各箇所での「ガス利用率」は、CO2/(CO2+CO)×100と定義される。なお、この値は、CO2+COガス中のCOがどれだけ利用されたかを示す指標である。そして、このガス利用率を縦軸に、高炉半径方向を横軸に取り、それぞれの測定値をプロットすることでガス利用率分布を求めることができる。なお、かかる式に用いるCO2およびCO濃度(体積%)は、水平ゾンデと呼ばれる、高炉内の中心部〜周辺部までの稼動式のガス分布を測定する機器を用いて測定する。
図3は、従来のガス利用率分布の一例を示している。一見、中間部は中心部、周辺部と比較してガス利用率は大きく見える。しかしながら、中間部に存在する鉱石量の多くは、完全には還元が進行していない。そのため、さらにガス利用率を増大させる必要がある。
また、図4に、従来の高炉内位置における鉱石還元率を原料粒子の温度との関係で示す。図4に示したように、中間部は、周辺部よりも原料粒子の温度を上げないと鉱石還元率が上がらないことから、中間部に存在する鉱石量の多くが、完全には還元が進行していない傾向が確認できる。
第2工程は、混合原料を外周領域の中心領域側から炉内壁側に向かって装入する逆傾動装入により行うことができる。すなわち、旋回シュートの混合原料装入開始点を中心コークス層隣接部16とし、その後、混合原料中のコークス比を変化させながら、旋回シュート6を炉内壁側に順次移動させて、混合層12を形成する。
そして、上記コークス比の高炉半径方向の分布としては、中心コークス層隣接部16の外周混合層中のコークス比Aと、周辺部15での外周混合層中のコークス比Bとを、中間部14(ただし、中心コークス層隣接部16を除く)での外周混合層中のコークス比Cよりも、小さくすることが好ましい。コークスや鉱石類原料の変更毎に原料装入の調整をしなくても、通気性の向上効果が簡便に得られるからである。
ここで、コークス比Cは160〜300kg/tの範囲内とすることが好ましい。また、コークス比A,Bは、コークス比Cよりも、7/10程度に小さくすることが好ましい。より好ましくは、1/2程度である。
また、コークス比Aとコークス比Bとは、同じであっても、どちらか一方が大きくても良いが、Aに対するBの量が1.2倍程度差を設けるのも好ましい。
また、本発明では、外周領域の内周端を無次元半径で0.4以下(高炉の半径の40%以下の位置)とし、外周領域の外周端を無次元半径で0.8以上(高炉の半径の80%以上の位置)として混合層の装入範囲を広くすることが重要である。
逆傾動装入の開始位置を外周領域の内周端より炉中心側とすると、混合層中のコークスの偏析による高炉内部の通気性の悪化を防止することができるからである。
なお、逆傾動装入の開始位置は、無次元半径で0.25以下とするのがより好ましい。より炉中心側から装入することで、より安定的な堆積形状の形成することと、混合層中のコークスの偏析を防止することができるからである。
また、逆傾動装入の開始位置は、中心コークス層が効果的に機能するために、無次元半径で0.2程度が好ましい。
一方、逆傾動装入の終了位置を外周領域の外周端より炉壁側としたのは、軸心側へ流れやすい混合層中のコークスを、炉壁側へ堆積させることができ、混合層中のコークスの偏析による高炉内部の通気性の悪化を防止することができるからである。また、逆傾動装入の終了位置は無次元半径で1であっても良いが、設備効率の点からは、0.95程度が好ましい。
逆傾動装入の終了位置から炉内壁までは、コークス層のみでも良いが、通気性の確保が可能であれば原料の粒度に応じてコークス層と鉱石層と混合層の層厚を適宜調整したものでも良い。
この逆傾動装入によると、高炉の中心領域に中心コークス層を形成して、この中心コークス層で中心領域の通気性を確保することができる。それ故、本発明では、この外周混合層でコークススリットが形成されなくても、高温ガスが直接鉱石類原料間を通過して上昇することにより、通気性と伝熱性とを改善することができる。
前掲した図2を用いて、上記のように逆傾動装入による混合原料の装入範囲を広くするにより通気性および伝熱性を改善できることを説明する。図2は、以下の実機試験を行った結果である。炉内の中心領域にコークス層を形成し、その後、逆傾動装入により外周領域に混合層を形成した。混合現状の装入範囲を種々変更して、それぞれ場合の混合歩留まりを求めた。
図2において、Δrは、混合原料を装入する範囲、すなわち外周混合層の形成範囲を示している。ここで、混合原料の装入開始位置、混合原料の装入終了位置の高炉軸心からの距離を各々r1、r2とすると、Δrはr2−r1を意味するから、横軸は(r2−r1)/Rを示している。そして、図2からΔrが大きいほど混合歩留まりが良好であることが分かる。すなわち、混合原料の装入が、r2が大きくなる炉の周辺部に行くほど、コークスと鉱石類原料との偏析が少なくなることを表している。
なお、混合歩留まりは、半径方向においてコークスの偏析状況を示しており、数値が大きい程コークスが均一に混合されたことを示している(100であれば全く偏析がないことを意味する。)。
ここで、上記混合歩留まりは、以下の式により求めることができる。
混合歩留まり(%) =(平均投入量 − σ混合量)/平均投入量×100
平均投入量は、装入シュートで装入する際の投入量(質量%)、σ混合量は、投入箇所の各点におけるコークスの混合量から求められるΔr内の標準偏差を表す。
本発明では、中心コークス層の形成のために装入されるコークス量を、1チャージ当たりのコークス装入量の5〜25質量%の範囲とすることが好ましい。これにより、混合層中のコークスの中心領域への流入(中心流という)の抑制を回避することができるからである。
また、上記1チャージ当たりのコークス装入量の下限比率は、15質量%がより好ましい。上記中心流を維持できかつ、安定した混合層を形成できるからである。
なお、本発明における1チャージとは、前記第1工程および前記第2工程を1回ずつ行う行為のことを意味する。
さらに、本発明では、高炉の中心領域にコークスを投入するコークス専用シュート(図示せず)を、前掲した図1の旋回シュート6の旋回領域外に設け、該コークス専用シュートからコークスを中心部に装入することにより、中心コークス層を中心領域に形成するようにすることもできる。
この手法を用いると、コークス専用シュートによってコークスを高炉の中心部に投入することで、中心コークス層を正確に形成することができるという利点がある。
[実施例1]
本実施例は、前掲図1に示した高炉を用いて実施した。また、本実施例に用いた装入原料としては、以下に示すものを用いた。
コークス・・・嵩密度:0.5g/cm3
鉱石 ・・・嵩密度:2.0g/cm3
中心部にコークス層を形成し、その後、逆傾動装入により、本発明に従う外周領域である、中間部および周辺部に外周混合層を形成した。このとき、外周混合層中のコークス比の高炉半径方向分布を以下のとおりとした。
発明例1−1では、表1に示しめすように、コークス比を、高炉の半径方向に対し、階段状に変化させたものとした。
発明例1−2では、表1に示したように、コークス比を、ガス利用率分布から求められる還元率分布に応じて設定した。
発明例1−3は、表1に示したように、コークス比を、中間部では大きく、中心コークス層隣接部および周辺部では小さくした。
比較例1−1は、コークス比を無次元半径方向に一定とした。
Figure 0006458807
なお、発明例1−2では、ガス利用率は、既述の方法で求めた。また、CO2はCO2濃度(体積%)、COはCO濃度(体積%)である。
さらに、ガス利用率分布を、CO2/(CO2+CO)×100の値を無次元半径との関係で求めた。
〔鉱石1400度収縮率〕
上記発明例1−1〜1−3および比較例の鉱石1400度収縮率:Srを以下の式より求めた。
Sr = (1.80×R ―2.59)×M ― 23.3×R + 85.7
R:モデル推定される1200 ℃還元率 [%]
M:コークス混合量 [質量%]
上記試験の結果を表1に併記する。なお、表中、Sr値については表1に示した比較例の中間の値を100に換算して比較した。
発明の条件を満足する発明例1−1〜1−3は、何れも、Δρが、5%以下となっている。特に、発明例1−2は、Δρが、0.3%であった。なお、Δρは、鉱石1400℃収縮率の(最大―最小)で示した。
また、Δρが4.0%では、高炉内の通気抵抗は、19550(Pa/m3/min)程度である。Δρが0.3%では、高炉内の通気抵抗は、19273(Pa/m3/min)程度である。Δρが4.9%では、高炉内の通気抵抗は、19618(Pa/m3/min)程度である。Δρが10.5%では、高炉内の通気抵抗は、20038(Pa/m3/min)程度である。
以上の結果から、中心コークス層の外側に、鉱石類原料とコークスとの混合層を装入する際に、混合層中のコークス比を高炉の半径方向に変化させ、さらに逆傾動装入の開始位置を無次元半径で0.4以下とし、かつ該逆傾動装入の終了位置を0.8以上とすることで、高炉内の通気抵抗を低滅できることが実証された。特に、コークス比の半径方向分布を、ガス利用率分布から求められる還元率分布に応じて設定したり、高炉中間部では増加させ、中心コークス層隣接部および高炉周辺部では低下させたりすることで、高炉内の通気抵抗を低滅できることが実証された。
[実施例2]
本発明の効果を実証するために、図5に示す実験装置を用いて、高炉内の高炉塊状帯を模擬して、その充填層圧力損失を調べた。
この実験装置は、図5に示したように直径:10cmの円筒形のステンレス鋼製の筒であって、下部から所定量の空気(AIR)を吹きこむことができる。そして、上記筒の上端部および下端部には、筒内部の圧力を測定するための開孔部が設けられ、圧力計にチューブでつながっている。
ここで、以下の実施例に用いた装入原料としては、以下に示すものを用いた。
コークス・・・嵩密度:0.5g/cm3
鉱石 ・・・嵩密度:2.0g/cm3
発明例2−1は、逆傾動で混合コークス装入の開始位置を無次元半径で0.2とし、混合コークス装入の終了位置を無次元半径で0.9とした場合の高炉内の原料装入状態を模擬するべく、外周混合層の範囲を筒内の無次元半径0.2〜0.9の範囲として、本発明に従う外周領域内とした。
発明例2−2〜2−7は、高炉の半径方向に対してコークス比を階段状に変化させた状態を模擬するために、表2に示したコークス比を本発明に従う外周領域内で変化させた。また、1チャージで装入されるコークスのうち該チャージで中心コークス層の形成のために装入されるコークス量の比率を、表2に併記している。
他方、比較例2−1は、混合コークス装入の開始位置を、0.5とし、比較例2−2は、混合コークス装入の終了位置を、0.7として、混合コークス装入の位置を、本発明に従う外周領域外とした。
表2中、通気性指標A(Pa/m3/min)は、筒内での通気抵抗を指数化した指標であり、次式により算出する。
A=(BP−TP)/BGV
ここで、BPは送風圧力[Pa]
TPは筒頂圧力[Pa]
BGVはボッシュガス量[m3(標準状態)/min]
また、表2中、還元性指標Bは、ガス利用率である。ガス利用率は、実施例1と同様の手順で求めた。
Figure 0006458807
表2の結果から、混合層中のコークス比を、高炉の半径方向に対して階段状に変化させ、さらに逆傾動装入の開始位置を無次元半径で0.4以下とし、かつ該逆傾動装入の終了位置を0.8以上とすることで、高炉内の通気抵抗を低滅しつつ、良好な還元性指標を実現できることが実証された。また、1チャージで装入されるコークスのうち該チャージで中心コークス層の形成のために装入されるコークス量の比率を5〜25質量%とすれば、高炉内の通気抵抗を一層低滅できることが実証された。
1 高炉
2a〜2c 炉頂バンカー
3 流量調整ゲート
4 集合ホッパー
5 ベルレス式装入装置
6 旋回シュート
11 中心コークス層
12 外周混合層
13 中心部
14 中間部
15 周辺部
16 中心コークス層隣接部

Claims (7)

  1. 旋回シュートを使って高炉内にコークスおよび鉱石類原料を装入する高炉への原料装入方法であって、
    前記高炉内の軸心から炉内壁に向かって所定の距離以下の中心領域には、前記コークスを装入して中心コークス層を形成する第1工程と、
    前記中心コークス層の外周に位置する外周領域には、前記コークスと前記鉱石類原料との混合原料を装入して、外周混合層を形成する第2工程と、
    を有し、
    前記第2工程は、前記外周混合層中のコークス比(コークス質量/鉱石類原料質量)が、前記高炉の半径方向に、連続的にまたは段階的に異なるように行い、かつ
    前記第2工程は、前記混合原料を前記外周領域の前記中心領域側から前記炉内壁側に向かって装入する逆傾動装入により行い、
    前記外周領域の内周端を、前記軸心から前記高炉の半径の40%以下の位置とし、前記外周領域の外周端を、前記軸心から前記高炉の半径の80%以上の位置とし、
    前記高炉の半径方向に関する前記高炉内の一酸化炭素ガスおよび二酸化炭素ガスの濃度分布を測定し、
    前記濃度分布からガス利用率分布を求め、
    前記ガス利用率分布から、前記高炉の半径方向に関する前記高炉内の還元率分布を求め、
    前記還元率分布に応じて、前記第2工程における、前記コークス比の前記高炉の半径方向の分布を設定する、高炉への原料装入方法。
  2. 旋回シュートを使って高炉内にコークスおよび鉱石類原料を装入する高炉への原料装入方法であって、
    前記高炉内の軸心から炉内壁に向かって所定の距離以下の中心領域には、前記コークスを装入して中心コークス層を形成する第1工程と、
    前記中心コークス層の外周に位置する外周領域には、前記コークスと前記鉱石類原料との混合原料を装入して、外周混合層を形成する第2工程と、
    を有し、
    前記第2工程は、前記外周混合層中のコークス比(コークス質量/鉱石類原料質量)が、前記高炉の半径方向に、連続的にまたは段階的に異なるように行い、かつ
    前記第2工程は、前記混合原料を前記外周領域の前記中心領域側から前記炉内壁側に向かって装入する逆傾動装入により行い、
    前記外周領域の内周端を、前記軸心から前記高炉の半径の40%以下の位置とし、前記外周領域の外周端を、前記軸心から前記高炉の半径の80%以上の位置とし、
    前記高炉の内部を、前記軸心から前記炉内壁に向かって前記高炉の半径方向に、中心部と、該中心部の外周に位置する中間部と、該中間部の外周に位置する周辺部とに区画するとき、前記中心コークス層を少なくとも前記中心部に形成し、前記外周混合層を少なくとも前記中間部および前記周辺部に形成し、
    前記周辺部での前記外周混合層中のコークス比を、前記中間部(ただし、前記中心コークス層に対して隣接する領域を除く)での前記外周混合層中のコークス比よりも小さくする、高炉への原料装入方法。
  3. 前記外周領域の内周端を、前記軸心から前記高炉の半径の25%以下とする、請求項1または2に記載の高炉への原料装入方法。
  4. 前記第1工程および前記第2工程を1回ずつ行う1チャージで装入されるコークスの量の5〜25質量%が、該1チャージの前記第1工程で装入される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高炉への原料装入方法。
  5. 前記1チャージで装入されるコークスの量の15〜25質量%が、該1チャージの前記第1工程で装入される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高炉への原料装入方法。
  6. 前記高炉の内部を、前記軸心から前記炉内壁に向かって前記高炉の半径方向に、中心部と、該中心部の外周に位置する中間部と、該中間部の外周に位置する周辺部とに区画するとき、前記中心コークス層を少なくとも前記中心部に形成し、前記外周混合層を少なくとも前記中間部および前記周辺部に形成し、
    前記中心部または、前記中心部および前記中間部に形成された、前記中心コークス層に対して隣接する領域の前記外周混合層中のコークス比と、前記周辺部での前記外周混合層中のコークス比とを、前記中間部(ただし、前記隣接する領域を除く)での前記外周混合層中のコークス比よりも小さくする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高炉への原料装入方法。
  7. 前記外周混合層の原料装入開始点を、中心コークス層隣接部とし、各炉頂バンカーから、コークスと、鉱石類原料および/または混合原料とを排出し、集合ホッパーで混合したのち、旋回シュートに供給することによって、前記コークス比を変化させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の高炉への原料装入方法。


JP2016551538A 2014-09-29 2015-09-29 高炉への原料装入方法 Active JP6458807B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014199482 2014-09-29
JP2014199481 2014-09-29
JP2014199481 2014-09-29
JP2014199482 2014-09-29
PCT/JP2015/004943 WO2016051773A1 (ja) 2014-09-29 2015-09-29 高炉への原料装入方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016051773A1 JPWO2016051773A1 (ja) 2017-07-06
JP6458807B2 true JP6458807B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=55629841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016551538A Active JP6458807B2 (ja) 2014-09-29 2015-09-29 高炉への原料装入方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6458807B2 (ja)
WO (1) WO2016051773A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5966608B2 (ja) * 2012-05-18 2016-08-10 Jfeスチール株式会社 高炉への原料装入方法
WO2013172045A1 (ja) * 2012-05-18 2013-11-21 Jfeスチール株式会社 高炉への原料装入方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2016051773A1 (ja) 2017-07-06
WO2016051773A1 (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5522331B2 (ja) 高炉への原料装入方法
CN101896627B (zh) 高炉用自熔性球团矿及其制造方法
JP5910735B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5574064B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5861392B2 (ja) 高炉操業方法
JP5601426B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JPWO2013172044A1 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6458807B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5751037B2 (ja) 高炉操業方法
JP5515288B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5871062B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6260751B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP2018024914A (ja) 高炉への原料装入方法
JP2012188744A (ja) 高炉操業方法
JP6070131B2 (ja) 還元鉄の製造方法
WO2019187997A1 (ja) 高炉の原料装入方法
JP6627718B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP6269549B2 (ja) 高炉操業方法
JP6558519B1 (ja) 高炉の原料装入方法
JP5884208B1 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5966608B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5056563B2 (ja) 高炉操業方法
JP6627717B2 (ja) 高炉への原料装入方法
JP5842738B2 (ja) 高炉操業方法
JP5731274B2 (ja) ペレットの成型方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6458807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250