JP2012090970A - 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ - Google Patents

内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2012090970A
JP2012090970A JP2011212928A JP2011212928A JP2012090970A JP 2012090970 A JP2012090970 A JP 2012090970A JP 2011212928 A JP2011212928 A JP 2011212928A JP 2011212928 A JP2011212928 A JP 2011212928A JP 2012090970 A JP2012090970 A JP 2012090970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
strand
bending
operation wire
endoscope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011212928A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5931388B2 (ja
Inventor
Nobuyuki Suda
信行 須田
Atsushi Yagi
厚志 八木
Akihiro Shimazu
明宏 島津
Keiichi Arai
敬一 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Olympus Medical Systems Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Olympus Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp, Olympus Medical Systems Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2011212928A priority Critical patent/JP5931388B2/ja
Publication of JP2012090970A publication Critical patent/JP2012090970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5931388B2 publication Critical patent/JP5931388B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)
  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)

Abstract

【課題】内視鏡において、操作を繰り返しても伸びが生じにくく、かつ屈曲に対する耐久性にも優れるようにする。
【解決手段】管腔内に挿入する挿入部と、この挿入部の内部に配置した操作ワイヤ11と、操作ワイヤ11を牽引することにより操作される湾曲部5を備えた内視鏡1であって、操作ワイヤ11は、第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、第1素線の金属材料の破断伸びが、第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤに関する。
医療機器の一例として、一般に、内視鏡は所要の観察・処置を行ったり挿入性を高めたりするために、挿入部先端側に湾曲部や鉗子起上機構などの機能部位を形成し、この機能部位を手元側の操作部から遠隔操作により操作させ得るようにしている。
機能部位は、挿入部内に挿通された操作ワイヤを介して、操作部にある操作ノブあるいはレバーに加えられた力量により駆動する。
ところで、操作ワイヤには内視鏡の使用時に、引張力と曲げ応力といった複数の負荷が使用環境に応じて同時に加わる。
実例として、以下に内視鏡先端の湾曲部および湾曲部を操作するための湾曲操作ワイヤについて記載する。
湾曲部は、複数の湾曲コマから構成されており、各湾曲コマは隣り合う湾曲コマと2方向に回動可能な状態で長手方向に一列に接続されている。
ところで、一般的な内視鏡の湾曲機構の構成にあっては、湾曲部の先端に湾曲操作ワイヤを固定し、操作部内にある操作ノブあるいはレバーと連動するプーリーによって湾曲操作ワイヤを牽引することで湾曲部を湾曲させる方式が採用されている。
プーリーによって牽引された湾曲操作ワイヤは、挿入部内を長手方向に往復動作し、湾曲部先端の湾曲コマに牽引力を伝える。伝えられた牽引力は、湾曲コマ同士を接続する接続部によって一部が曲げモーメントに変換され、湾曲操作ワイヤの牽引量が湾曲部の湾曲量に反映される。このため、湾曲操作ワイヤの性能が、内視鏡の湾曲性能すなわち内視鏡の操作性・処置性に大きく影響する。
ところで、内視鏡が湾曲操作される際、湾曲操作ワイヤには牽引による引張力量が加わるだけでなく、湾曲コマ内面等に設けられたワイヤ挿通用のガイドによる挙動の規制も加わり、湾曲部の湾曲形状に沿った形に従った曲げ応力が加わることになる。
また、内視鏡は使用時に挿入部が体腔に沿って蛇行したり、体腔内を縫うように挿入されたりするため、使用状況に応じて湾曲操作ワイヤの動作距離やワイヤに加わる負荷が変化する。また、蛇行した状態で湾曲操作ワイヤが牽引されるため、湾曲操作ワイヤに対して曲げ応力およびワイヤを相通しているシースとの摩擦力が働く。
さらに、内視鏡の挿入手技の一環として、例えば大腸へ挿入する場合など、湾曲部を湾曲させたまま内視鏡の先端を体腔のヒダに引っ掛けた状態で、術者が内視鏡の挿入部を引張り手繰り寄せることによって、体腔内の更なる深部へ内視鏡を挿入するといった操作も行われる。この場合、湾曲操作ワイヤには通常の湾曲操作時以上の引張力量と曲げ応力が加わる。
以上のように、湾曲操作ワイヤには内視鏡の使用時に、引張力量と曲げ応力といった複数の負荷が使用環境に応じて同時に加わる。このような負荷が加わっても破断せず、しなやかに屈曲し、かつ内視鏡の限られた内部空間に収まるよう、内視鏡には細い金属素線を複数本撚り合わせた撚り線ワイヤが湾曲操作ワイヤとして用いられている。
具体的には、内視鏡の湾曲操作ワイヤとして、複数の金属素線を一括で拠り上げたワイヤ(特許文献1に記載のように7本を寄り合わせた1×7や、19本を寄り合わせた1×19など)と、複数の金属素線を1つのストランドに撚り、さらにそのストランドを1本のワイヤに撚りあげた複合ワイヤ(7本の素線からなるストランドを7本撚り合わせた7×7、3本の素線からなるストランドを7本撚り合わせた7×3など)が一般に用いられている。
なお、複合ワイヤでは、寄り合わせたストランドの素線が使用環境下で解けないよう、中心に位置する芯ストランドと芯ストランの周囲に位置する側ストランドの撚り方が逆向きに、ストランド同士の撚り方が芯ストランドと同じ向きになるようそれぞれ撚られている。
また、特許文献2に記載のように、ワイヤの強度を向上させるため、素線の材料に非結晶性金属を使用することも考えられる。
特開2000−152911号公報 特公平7−103439号公報
ところで、繰り返し加わる引張力量や曲げ応力といった負荷に対して破断耐性を持つよう撚られている内視鏡の操作ワイヤだが、操作ワイヤによる被操作部である機能部位が繰り返し操作されることで発生する断続的な負荷によって、ワイヤを構成する金属素線に塑性変形が発生し、長手方向に素線が伸びると同時に素線間の密着度も上昇することで、操作ワイヤ全体で見た場合にも経時的な伸びが発生する。
操作ワイヤに経時的な伸びが発生した場合、機能部位と操作部の間でワイヤに遊びが発生するため、操作ノブあるいはレバーを一定量牽引した場合の操作ワイヤの牽引量が減少する。
先にも述べたとおり、操作ワイヤの牽引量は、機能部位の操作量と相関を持つ。このように、操作ワイヤに経時的な伸びが生じる事が原因で、内視鏡の湾曲角度の低下および、観察性・処置性の低下といった問題が存在する。
従来の製品においても、経時的な伸びが発生しにくいワイヤを操作ワイヤとして採用してきたが、内視鏡の操作性・観察性・処置性の経時的な低下という課題を解決するには至っていない。
また、経時的な伸びが発生しないよう操作ワイヤの素線を塑性変形の少ない、例えば上記特許文献2のような非結晶性金属のような材料に単に置き換えることも考えられるが、そのような場合、伸びは減少するものの、湾曲部や挿入部の湾曲・蛇行などに適応するための必要な繰り返し屈曲耐性の低下や、ワイヤのしなやかさの低下等が発生し、またワイヤの成形性の悪化などといった問題が発生する。
本発明は、操作ワイヤに引張りや曲げといった負荷が繰り返し加わる内視鏡等の医療機器特有の事情を鑑み、操作ワイヤのしなやかさ、つまりは小さな曲げ半径で屈曲し、かつ繰返しの屈曲耐性の高さと、成形性を損なうことなく、繰り返し使用環境下で伸びにくさを両立することで、操作性・観察性・処置性の経時的な性能低下が起こりにくい耐久性に優れた内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の内視鏡は、管腔内に挿入する挿入部と、該挿入部の内部に配置した操作ワイヤと、該操作ワイヤを牽引することにより操作される被操作部を備えた内視鏡であって、前記操作ワイヤは、第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい構成とする。
また、本発明の内視鏡では、前記操作ワイヤは、前記第1素線と前記第2素線とが撚り合わせられて形成されるストランドを少なくとも一つ含み、該ストランドの中心部には、前記第1素線が配置され、前記ストランドの外周面の少なくとも一部には、前記第2素線が配置されることが好ましい。
また、本発明のストランドを含む操作ワイヤを備える内視鏡では、前記操作ワイヤは、単一の前記ストランドから構成され、該ストランドは、最外周に前記第2素線が配置されたことが好ましい。
また、本発明のストランドを含む操作ワイヤを備える内視鏡では、前記操作ワイヤは、前記ストランドが複数撚り合わせて構成され、該ストランドは、それぞれ最外周に前記第2素線が配置されたことが好ましい。
また、本発明の内視鏡では、前記第1素線の金属材料は、20K以上のガラス遷移領域を有する非晶質合金である金属ガラスであることが好ましい。
また、本発明の内視鏡では、前記第2素線の金属材料は、ステンレスまたはニッケル−チタン合金であることが好ましい。
また、本発明の内視鏡では、前記第1素線の金属材料は、ジルコニウム(Zr)系金属ガラスであることが好ましい。
また、本発明のストランドを含む操作ワイヤを備える内視鏡では、前記ストランドの外周面は、前記第1素線及び前記第2素線よりも剛性が小さい被覆材によって被覆されたことが好ましい。
また、本発明の内視鏡では、端部に一体成形された金属製の成形部品を有し、該成形部品に一体化された前記金属素線の端部において、前記第1素線の線端が前記第2素線の線端よりも先端側に突出していることが好ましい。
本発明の医療用マニピュレータは、管腔内に挿入する挿入部の先端側に、前記挿入部内に配置した操作ワイヤと接続されるとともに該操作ワイヤを牽引することにより操作される被操作部を備えた医療用マニピュレータであって、前記操作ワイヤは、第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい構成とする。
本発明の操作ワイヤは、医療機器の被操作部を牽引することにより該被操作部を操作する操作ワイヤであって、第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい構成とする。
本発明の内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤによれば、破断伸びの異なる第1素線と第2素線とを撚り合わせて操作ワイヤを構成することで、操作ワイヤがしなやかさ、つまりは小さな曲げ半径で屈曲し、かつ繰返しの屈曲耐性が高い性質を有し、成形性に優れ、かつ繰り返し使用環境下における操作ワイヤの伸びを低減することが出来き、結果内視鏡の挿入性・操作性の低下を防ぐことが出来る。
本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の湾曲部の主要部の構成を示す模式的な断面図、そのA−A断面図、および操作部の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な正面図、そのB−B断面図、およびC−C断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの評価に用いた屈曲試験方法を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの評価に用いた屈曲試験方法を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第3〜第5変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第6、第7変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第8〜第10変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第11、第12変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第13変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第14〜第16変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第17、第18変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第19変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の第20、第21変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の湾曲部と挿入管との接続部の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の硬度可変機構の基端側の構成を示す図16におけるF−F断面図、およびこのF−F断面図におけるG−G断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の操作部の主要部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る内視鏡および医療用マニピュレータの構成を示す模式的な正面図である。 本発明の第5の実施形態に係る医療用マニピュレータの主要部の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤにワイヤ固定部を形成する際の他の構成例を示す模式的な断面図、およびそのD−D断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の湾曲部の主要部の構成を示す模式的な断面図である。図2(b)は、図2(a)におけるA−A断面図である。図2(c)は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の操作部の斜視図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な正面図である。図3(b)、(c)は、図3(a)におけるB−B断面図、およびC−C断面図である。
本実施形態の内視鏡1の概略構成は、図1に示すように、細長の挿入部2の基端部に操作部3が連設されている。
以下では、内視鏡1の長手方向に沿う相対位置を参照する場合、特に断らない限りは、挿入部2の先端の方を先端側、操作部3の基端の方を基端側と称する。
挿入部2は、先端側から、対物光学系等を備えた硬性の先端部4と、複数の湾曲駒が連結され所望の角度に湾曲可能な湾曲部5と、可撓性を有する挿入管6とが連結された構成を有する。
操作部3には、挿入管6に接続する筒状の筐体からなる操作部枠体9を備える。操作部枠体9の中央部には、術者が把持するための把持部7が設けられている。操作部枠体9において把持部7よりも基端側には、湾曲部5を湾曲させる操作を行うための湾曲操作ノブ8A、8Bが設けられている。
内視鏡1では、術者は、操作部3の湾曲操作ノブ8A、8Bを用い、湾曲部5(被操作部)を操作対象として操作入力を行うことができる。この操作入力は、後述するように、内視鏡1に内蔵された本実施形態の操作ワイヤ(図1では不図示)を介して、操作入力に応じた変位、荷重等として操作対象に伝達され、これにより、湾曲部5の挙動が操作される。
湾曲部5を湾曲させる構成について説明する。
湾曲部5は、図2(a)に示すように、先端側には先端部4を外嵌して先端部4を連結する連結管20と、環状に形成された複数の湾曲駒22A、22Bとを有する湾曲駒連結体22とを備える。
湾曲駒連結体22において、湾曲駒22A、22Bは、回動ジョイント24a、24bによって互いに回動可能な状態で先端側から基端側に向かって直列に連結されている。
また、図2(a)では図示を省略しているが、湾曲駒連結体22の外周側は、可撓性を有する被覆チューブ5a(図1参照)によって覆われている。
本実施形態では、湾曲駒連結体22は、最も先端側に連結管20と回動ジョイント24aを介して連結する湾曲駒22Aが配置され、最も基端側に挿入管6の最も先端側に設けられた連結管23と回動ジョイント24aを介して連結する湾曲駒22Aが配置されている。
回動ジョイント24aは、連結管20および湾曲駒連結体22の先端の湾曲駒22A、または湾曲駒22Aおよび湾曲駒22B、または湾曲駒連結体22の基端の湾曲駒22Aおよび連結管23を、それぞれ図示の紙面垂直軸を中心に回動可能に連結するものである。
本実施形態では、連結管20の基端側の端部、各湾曲駒22Aの先端側の端部、各湾曲駒22Bの先端側の端部、および連結管23の先端側の端部において、それぞれの端部から軸方向に沿って突片部が延ばされ、各突片部同士が重ね合わされた状態で連結ピンによって回動可能に連結された構成を採用している。
なお、図2(a)は断面図のため、紙面奥側に位置する回動ジョイント24aのみが図示されているが、図示の紙面手前側となる湾曲駒等の径方向に対向する位置に、これらと対をなして、それぞれ1つずつの回動ジョイント24a(図示略)が設けられている。
回動ジョイント24bは、湾曲駒22Aおよび湾曲駒22Bを、回動ジョイント24aの回動中心軸と直交する軸線を中心に回動可能に連結するものである。
本実施形態では、回動ジョイント24aと同様に、互いに連結される湾曲駒22A、22Bの端部において、それぞれの端部から軸方向に沿って突片部が延ばされ、各突片部同士が重ね合わされた状態で連結ピンによって回動可能に連結された構成を採用している。
ただし、回動ジョイント24bは、各湾曲駒において回動ジョイント24aが設けられたのと反対側の端部において、対をなす回動ジョイント24aの対向方向と直交する方向に、1組ずつ対向して設けられている点が異なる。
なお、図2(a)の図示例では、回動ジョイント24a、24bが交互に連結されていることにより、2方向に湾曲が可能な構成を図示しているが、本実施形態の湾曲部5は、一部に1方向に湾曲する湾曲駒同士が連続する構成を有していてもよい。
このような構成の湾曲駒連結体22は、図2(a)の紙面内およびこれに直交する2軸方向に湾曲可能な管状体を構成している。
各湾曲駒22Bの内周部には、図2(a)、(b)に示すように、回動ジョイント24bの近傍の位置において、回動ジョイント24aを回動させて湾曲操作を行うための操作ワイヤ11a、11cを軸方向に挿通させる1対のワイヤ挿通部22bが、径方向に対向する位置関係に設けられている。
また、各湾曲駒22Aの内周部には、回動ジョイント24aの近傍の位置において、回動ジョイント24bを回動させて湾曲操作を行うための操作ワイヤ11b、11dを軸方向に挿通させる1対のワイヤ挿通部22aが径方向に対向する位置関係に設けられている。
1対のワイヤ挿通部22a、22bのそれぞれの対向方向は、互いに直交する方向になっている。
本実施形態では、操作ワイヤ11a、11b、11c、11dは、共通の構成を採用している。そこで、特に互いを区別する必要がない場合には、操作ワイヤ11と称する。また、操作ワイヤ11a、11b、11c、11dの全体を表す場合に各操作ワイヤ11と称する場合がある。
連結管20の基端側の内周部には、内周面を等分する4箇所の位置に、操作ワイヤ11a、11b、11c、11dの先端部を挿通させてそれぞれの軸方向の位置を固定するワイヤ挿通部20aが設けられている。ただし、図2(a)は断面図のため、操作ワイヤ11bを挿通するワイヤ挿通部20aの図示は省略している。
各ワイヤ挿通部20aには、操作ワイヤ11a、11b、11c、11dの先端部が挿通され、これら各操作ワイヤの先端部に形成されたワイヤ固定部21によって、ワイヤ挿通部20aと固定されている。本実施形態では、一例として、ろう付けによって、ワイヤ固定部21を形成している。
ワイヤ固定部21を介してワイヤ挿通部20aに先端部が固定された操作ワイヤ11a、11cは、連結管20の内周部および湾曲駒連結体22の内周面に沿って基端側に延ばされ、各ワイヤ挿通部22bに挿通され、湾曲駒連結体22の基端側まで延ばされている。
また、ワイヤ固定部21を介してワイヤ挿通部20aに先端部が固定された操作ワイヤ11b、11dは、連結管20の内周部および湾曲駒連結体22の内周面に沿って基端側に延ばされ、各ワイヤ挿通部22aに挿通され、湾曲駒連結体22の基端側まで延ばされている。
挿入管6および操作部3の内部には、操作ワイヤ11a、11b、11c、11dをそれぞれ進退可能に挿通させるコイルパイプ25Aが配置されている。
コイルパイプ25Aは、金属線が操作ワイヤ11a、11b、11c、11dの外径とほぼ同一の内径を有する管状に密巻きされたコイル状部材である。このため、コイルパイプ25Aは、可撓性を有するものの、挿通された操作ワイヤの進退によって全長が変化することはない。
コイルパイプ25Aの一方の端部は、連結管23の先端側の内周部において内周面を等分する4箇所に設けられたコイルパイプ固定部26Aによって固定されている。
また、コイルパイプ25Aの他方の端部は、図2(c)に示すように、操作部枠体9の内部におけるコイルパイプ固定部26Bに固定されている。なお、図2(c)では、図示を省略しているが、操作ワイヤ11b、11dが挿通されたコイルパイプ25Aにもそれぞれ同様なコイルパイプ固定部26Bによって固定されている。
コイルパイプ25Aに挿通されて、操作部枠体9の内部に導かれた操作ワイヤ11a、11cの基端側の各端部は、図2(c)に示すように、連結部13を介して、1本のチェーン12の一方の端部と他方の端部とに連結されている。連結部13は、チェーン12の端部に連結された適宜の連結部材に操作ワイヤをかしめたり、溶接したりすることで形成することができる。
チェーン12は、湾曲操作ノブ8Aの回転軸8cを中心に回転するチェーンスプロケット8aに係合され、たるみを防止するため、図示略のテンショナによって適宜の張力が印加されている。
また、図2(c)では図示を書略しているが、コイルパイプ25Aに挿通されて、操作部枠体9の内部に導かれた操作ワイヤ11b、11dの基端側の各端部も、操作ワイヤ11a、11cと同様に、それぞれ連結部13を介して他のチェーンの一方の端部と他方の端部とに連結されている。
操作ワイヤ11b、11dが連結されたチェーンは、湾曲操作ノブ8Bと同軸に回転するチェーンスプロケット(図示略)に係合され、チェーンスプロケット8aに係合されたチェーン12と同様にして適宜の張力が印加されている。
次に、各操作ワイヤ11の構成について説明する。
各操作ワイヤ11は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、7本のストランドSを撚り合わせて形成した撚り線ワイヤである。
操作ワイヤ11の中心部には、ワイヤ本体の芯部ストランドを構成する1本のストランドSが配置され、このストランドSの外周に外層部ストランドを構成する6本のストランドSが螺旋状に撚り合わされている。
操作ワイヤ11の外周面は、外層部ストランドを構成する各ストランドSの外層部34A、すなわち、第2素線33によって形成されている。
また、操作ワイヤ11の撚り方は、Z撚りでもS撚りでもよい。
図3(a)では、好ましい例として、芯部ストランドがZ撚り、外層部ストランドがS撚り、ワイヤ本体がZ撚りである場合を示している。このような撚り方によれば、芯部ストランドと、芯部ストランドの外周を覆う外層部ストランドとの撚り方向が反対となるため、ほどけにくくなり、さらに耐久性が向上される。
各ストランドSは、金属素線からなる第1素線32を芯線(ワイヤ芯線)として中心に配置し、この第1素線32の外周に、第1素線32とは材質の異なる金属素線からなる6本の第2素線33を螺旋状に撚り合わせて外層部34Aを構成した撚り線ワイヤである。
各第2素線33は、周方向に隣接する他の第2素線33と密着されている。このため、外層部34Aは、第1素線32を側方から隙間なく覆っている。したがって、ストランドSの外周面は、第2素線33のみによって構成されている。
第1素線32および第2素線33の線径は、使用時に受ける荷重に応じて適宜選定することができる。
以下では、撚り線ワイヤの構成を、ストランド数をN、1ストランドを構成する素線数をMとしたときに、N×Mで表すことにする。本実施形態の操作ワイヤ11は、7×7ワイヤになっている。また、ストランドSは、1×7ワイヤになっている。
なお、図3(a)では、構成が見易いように、操作ワイヤ11の端部から中心部のストランドSが突出し、第1素線32が外層部34Aの端部から突出した形態を示している。
操作ワイヤ11の端部形状は、用途に応じて適宜形状を採用することができる。
例えば、第1素線32および各第2素線33が、1つの端面に整列するように切り揃えられていてもよいし、図示しない端部部品が溶接等によって固定されていたり、一体成形されていたりしてもよい。
第1素線32および第2素線33の材質は、第1素線32の破断伸びが、第2素線33の破断伸びよりも小さくなる材質を選定する。ここで、破断伸びは、JIS Z2241によって規定される試験方法によって求められ、百分率で表される。
破断伸びが小さい金属材料は、破断伸びがより大きい金属材料に比べて、塑性変形を起こしにくい。
一般に非晶質合金(非結晶性の金属材料)は、結晶質金属(結晶性の金属材料)に比べて塑性変形を起こしにくく、破断伸びが小さくなっている。特に、金属ガラスとして知られる非晶質合金は、高弾性を有し、高強度であるため、細線化が可能となり、操作ワイヤ11における第1素線32として好適な材料である。
第2素線33として好適な金属材料は、例えば、SUS304等のステンレス鋼線材、ニッケル−チタン(Ni−Ti)合金などの例を挙げることができる。
金属ガラスとは、非晶質合金のうち昇温時にガラス転移点が明瞭に観察されるもので、ガラス転移点から結晶化温度までの間の過冷却液体領域の温度幅、すなわちガラス遷移領域が20K以上ある合金のことである。
金属ガラスの材質としては、ジルコニウム(Zr)基合金、鉄(Fe)基合金、チタン(Ti)基合金、マグネシウム(Mg)基合金、銅(Cu)基合金などを挙げることができる。
金属ガラスは、一定組成を有する金属の母材料を溶融して、母材料合金の溶湯を形成し、この溶湯を母材料合金の臨界冷却速度以上の冷却速度で母材料合金のガラス転移点以下に冷却して非晶質化することにより形成される。
具体的には、例えば、組成(atm%)が、Zr55Cu30Al10Niや、Zr60Cu20Al10Ni10などの例を挙げることができる。これらの非晶質合金材料は、Zrを主成分とするため、成形転写性に優れ複雑形状の成形が容易である。また、これらは、ニッケル(Ni)を添加しているため、耐薬品性にも優れる。
また、例えば、チタン(Ti)を主成分とする非晶質合金材料も好適である。例えば、Ti40Zr10Cu36Pd14を挙げることができる。この材料は、生体適合性が特に優れており、人体に直接接触して用いる内視鏡部品に好適な材料である。
Cu基合金としては、例えば、組成(atm%)が、Cu60Zr30Ti10などの例を挙げることができる。
下記の表1には、第1素線32または第2素線33として好適な金属材料の具体例を、破断伸び(%)、破断応力(MPa)の数値とともに示す。なお、MGは金属ガラスを表す。例えば、「MG(Zr基)」は、Zr基合金の金属ガラスを意味する。
Figure 2012090970
表1に示すように、金属ガラスである、Zr基合金(Zr55Cu30Al10Ni)、Fe基合金(ユニチカ(株)製ボルファ(登録商標))、Cu基合金(Cu60Zr30Ti10)の(破断伸び,破断応力)は、それぞれ、(1.8%,1800MPa)、(3%,3500MPa)、(4.3%,3500MPa)である。
これに対して結晶性の金属材料であるSUS304、Ni−Ti合金の超弾性材、Ni−Ti合金の焼鈍材の(破断伸び,破断応力)は、それぞれ、(40%,520MPa)、(20%,1600MPa)、(60%,1000MPa)である。
このように金属ガラスは、結晶性の金属材料に比べて格段に破断伸びが小さく、破断応力も大きいことが分かる。
また、本実施形態では、第1素線32および第2素線33の線径は、操作用途に応じて適宜に大きさを採用することができる。例えば、本実施形態のように、湾曲操作に用いられるため伝達すべき荷重が小さい操作ワイヤ11の場合、第1素線32の金属材料としてZr基合金の金属ガラスを採用することにより、例えば、直径0.05mm〜0.07mmとすることができる。
次に、内視鏡1の湾曲動作および操作ワイヤ11の作用について説明する。
内視鏡1の湾曲部5を湾曲させるには、湾曲量に応じて湾曲操作ノブ8A、8Bを回転させる。
例えば、図2(c)において湾曲操作ノブ8Aを図示時計回りに回転すると、チェーンスプロケット8aが時計回りに回転するため、操作ワイヤ11aに接続されたチェーン12の一方の端部が操作部3の基端側(図示右側)に牽引されるとともに、操作ワイヤ11cに接続されたチェーン12の他方の端部が操作部3の先端側に繰り出される。
これにより、操作ワイヤ11a、11cは、それぞれが挿通されたコイルパイプ25A、ワイヤ挿通部22a、22b内を摺動移動し、それぞれの牽引量、繰り出し量に応じて、湾曲駒連結体22内に挿通される操作ワイヤ11a、11cの長さが変化する。このため、ワイヤ固定部21が変位するとともに、湾曲駒連結体22が連結管23の中心軸線に対して、矢印RCWの方向(時計回り方向)に湾曲される。
湾曲操作ノブ8Aを逆方向に回転すると、同様にして、湾曲駒連結体22が連結管23の中心軸線に対して、矢印RCCWの方向(反時計回り方向)に湾曲される。
また同様にして、湾曲操作ノブ8Bを操作すると、操作ワイヤ11b、11dによって、湾曲駒連結体22が湾曲される。この場合、湾曲駒連結体22内において、操作ワイヤ11b、11dは、操作ワイヤ11a、11cの対向方向と直交する方向に配置されたワイヤ挿通部22bによって支持されているため、紙面に直交する方向に向かって湾曲する。
このようにして、湾曲操作ノブ8A、8Bを操作することで、湾曲駒連結体22を2軸方向に湾曲操作することができる。
また、湾曲駒連結体22の湾曲に伴って被覆チューブ5aも容易に湾曲するため、湾曲部5が湾曲されることになる。
このため、湾曲部5は、操作ワイヤ11を牽引することにより湾曲量が操作される被操作部を構成している。
このような湾曲操作が行われる際、各操作ワイヤ11には湾曲部5の湾曲量に応じて曲げ応力が作用する。また、湾曲部5に湾曲動作に抵抗する外力が作用すると、各操作ワイヤ11の張力が増大し、各操作ワイヤ11には引張応力や圧縮応力が発生する。また、張力が増大すると、各操作ワイヤ11がワイヤ挿通部22a、22bやコイルパイプ25A内を摺動移動する際の摩擦力も増大する。
また、このような湾曲操作が繰り返されることで、各操作ワイヤ11には、これらの曲げ応力、引張応力、圧縮応力、摩擦力も繰り返し負荷として作用することになる。
各操作ワイヤ11を構成するストランドSは、芯線である第1素線32の金属材料が外層部34Aを構成する第2素線33の金属材料よりも破断伸びが小さい材質からなるため、長手方向に沿う圧縮力や引張力に対しては、第1素線32によってほぼ弾性的に抵抗することができる。また塑性変形するとしても第2素線33のみからなる場合に比べて塑性変形量は小さくなる。
このため、ストランドSおよび操作ワイヤ11は、破断伸びが大きい金属素線のみから構成される撚り線ワイヤに比べて、内視鏡1の操作を繰り返しても伸びにつながる長手方向の塑性変形量を低減することができる。
このように、操作ワイヤ11によれば、複数のストランドSが撚り合わされているため、伸びが生じにくく、かつ屈曲に対する耐久性にも優れる。
また、ストランドSが受ける繰り返しの曲げ応力は、曲げの中立軸に配置された第1素線32では小さく、外層部34Aを構成する第2素線33の方により顕著に作用する。
ところが、第2素線33は、第1素線32に比べて塑性変形が容易であるため、撚られた状態において、ある程度塑性変形して、第1素線32および隣接する他の第2素線33に密着している。このため、ストランドSに曲げ応力が作用すると、外層部34Aにおいて一体性の高い複数の第2素線33によって抵抗することができる。
このため、外層部34Aを破断伸びが小さい金属材料からなる素線によって構成する場合に比べて、屈曲に対する耐久性を向上することができる。
次に、このようなストランドSおよび操作ワイヤ11の作用について、具体的な実施例および比較例のストランドSおよび操作ワイヤ11を製作して、繰り返しの屈曲試験を行った評価結果に基づいて説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの評価に用いた屈曲試験方法を説明する模式図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤの評価に用いた屈曲試験方法を説明する模式図である。
下記の表2に、この屈曲試験に用いた操作ワイヤの素線材料および評価結果を示す。
Figure 2012090970
評価に用いた操作ワイヤの構成は、いずれも、操作ワイヤ11と同様、7×7ワイヤ、Z撚りである。また、素線径は、第1素線32が直径0.05mm、第2素線33が直径0.05mmである。
実施例1〜3と、比較例1〜6とは、それぞれ、芯線、および外層部を構成する素線(以下、外層部素線)の材質のみが異なる。それぞれの材質としては、上記表1に示す材質から選択した。
実施例1は、操作ワイヤ11の一実施例であり、第1素線32の材質がMG(Zr基)、第2素線33の材質がSUS304である。
実施例2は、操作ワイヤ11の一実施例であり、第1素線32の材質がMG(Fe基)、第2素線33の材質がSUS304である。
実施例3は、操作ワイヤ11の一実施例であり、第1素線32の材質がMG(Cu基)、第2素線33の材質がNi−Ti超弾性材である。
比較例の操作ワイヤは、いずれも、芯線の材質と外層部素線の材質とを一致させた7×7構成のワイヤである。
比較例1〜6は、金属素線の材質が、それぞれ、MG(Zr基)、MG(Fe基)、MG(Cu基)、SUS304、Ni−Ti超弾性材、Ni−Ti焼鈍材からなる。
したがって、比較例1〜3は、破断伸びが小さいため塑性変形しにくい材質のみで構成されており、比較例4〜6は、破断伸びが大きいため塑性変形しやすい材質のみで構成されている。
これら実施例1〜3、比較例1〜6の各操作ワイヤ(以下、供試ワイヤWと称する)を、図4に示す屈曲試験機104を用いて屈曲試験を行い、小さな曲げ半径での屈曲に対する耐久性(屈曲耐久性)と伸びとを評価した。
屈曲試験機104は、牽引部107に掛け回した供試ワイヤWに錘105による負荷荷重をかけて、繰り返しの屈曲を与える装置である。
このため、供試ワイヤWは、その一端が錘105に接続され、供試ワイヤWを直径Dのプーリー106に半周掛け回すことで錘105を吊り下げている。供試ワイヤWの他端は、鉛直下方に延ばされて、牽引部107の保持部107aによって鉛直方向に昇降可能に保持されている。
試験条件は、プーリー106のプーリー径DをD=15(mm)、錘105の質量を5kgとし、保持部107aをストローク100mmで、60往復/分の頻度で繰り返し往復駆動した。
これにより、供試ワイヤWの100mmの範囲が、真直状態からプーリー106の曲率半径7.5mmの間で繰り返し屈曲される。また、供試ワイヤWの張力は、錘105によるオフセット荷重49Nを中心として繰り返し変化する繰り返しの引張力が作用する。
屈曲耐久性の評価は、破断することなく10万回の往復ができたかどうかで判定した。ここで、「破断」の判定は、素線が1本でも破断した場合を「破断」と判定している。表2において、○は、破断することなく10万回の往復ができたことを意味し、×は、10万回未満で破断したことを意味する。
伸びの評価は、屈曲試験終了後の伸び量の大きさで評価した。具体的には、内視鏡の操作性が悪化する経験値に基づいて、伸び量の大きさが、10%未満を○、10%以上を×とした。屈曲試験で破断が生じたものは、破断時の状態で測定した。
表2に示すように、実施例1〜3は、いずれも、屈曲耐久性、伸びともに○の評価が得られた。したがって、内視鏡の操作を繰り返すことによって、繰り返しの曲げや引張りを受けても、伸びが生じにくく、かつ良好な屈曲耐久性が得られることが分かる。
一方、比較例1〜3では、金属素線全部が金属ガラスで構成されているため、伸びが生じにくくなっているものの、外層部素線が塑性変形しにくく一体性に欠けるため、屈曲耐久性が、実施例1〜3に比べて劣っている。
また、比較例4〜6では、金属素線全部が結晶性の金属材料構成されているため、塑性変形しやすく、屈曲耐久性は良好であるものの、塑性変形にしやすいため、伸びにおいては、実施例1〜3に比べて劣っている。
このように、操作ワイヤ11は、撚り合わされた各ストランドSが、第1素線32と第2素線33とを撚り合わせ、第2素線33に比べて破断伸びの小さい第1素線32を芯線とし、第1素線32に比べて破断伸びの大きい第2素線33によって外層部34Aを構成しているため、曲げ応力、引張力、圧縮力が作用する操作を繰り返しても、操作ワイヤ11の伸びが生じにくくなっている。また、金属素線全部が破断伸びの小さい金属材料で構成されている場合に比べて、屈曲に対する耐久性を向上することができる。
また、本実施形態のストランドSによれば、破断伸びの異なる第1素線32と第2素線33とを撚り合わせてストランドSを構成することで、しなやかさ、つまりは小さな曲げ半径で屈曲し、かつ繰返しの屈曲耐性が高い性質を有し、成形性に優れ、かつ繰り返し使用環境下における操作ワイヤ11の伸びを低減することができ、結果内視鏡の挿入性・操作性の低下を防ぐことが出来る。
また、操作ワイヤ11によれば、各ストランドSの第1素線32の外周が第2素線33によって覆われているため、万一、内視鏡1の操作中に第1素線32が屈曲状態で破断した場合でも、第1素線32が屈曲に対する耐久性に優れる第2素線33で覆われている。このため、第1素線32の破断された先端が第2素線33を突き抜けて側方に突出しにくい構造となっている。したがって、第1素線32が内視鏡の内部で破断しても、内視鏡1を突き抜けて体腔などに露出することが起こりにくくなっている。
また、芯線となる第1素線32は、塑性変形しにくいため、ねじれにも強くなっている。
操作ワイヤとしての評価は、上記実施例1と上記比較例4との供試ワイヤWを用いて上記とは別の屈曲試験により行った。
本屈曲試験では、図5に示すように、内視鏡1の湾曲操作を行う操作ワイヤに、供試ワイヤWを装着して、中心軸を水平に配置した半径Rの円柱部材108に内視鏡1の挿入管6を上方から係止した。半径Rは、R=20(mm)とした。
これにより、挿入管6が内視鏡1の自重により円柱部材108の外周面に沿ってU字状に湾曲された状態となった。さらに、湾曲操作ノブ8Aを操作して、湾曲部5を一定の形状に湾曲させた。
この状態で、内視鏡1の基端側を、ストローク300mm、周期20秒で、上下方向に繰り返し往復移動させた。
このような屈曲試験によれば、挿入管6の内部のコイルパイプ25A内に挿通された供試ワイヤWは、湾曲操作に伴う張力Tが発生した状態で、円柱部材108の曲率に沿って繰り返しの曲げ応力を受けることになる。
また、湾曲部5内の供試ワイヤWには、湾曲部5の湾曲形状に沿って湾曲され、負荷に応じて各種の応力が発生しており、周期的な上下運動に伴って外力として繰り返しの慣性力を受ける。このため、各供試ワイヤWは、周期的に変動する各種の応力を受ける。
評価は、往復回数が、100回、200回、300回、600回に達した際に供試ワイヤWの変形の状態を観察し、外力を加えない場合に残存する変形の程度を評価した。
下記の表3に、本屈曲試験の評価結果を示す。
Figure 2012090970
上記表3において、○は、残存する変形が見られなかったことを、△は、変形の兆候が見られたことを、×は、完全に変形していたことを、それぞれ意味する。
表3に示すように、実施例1の供試ワイヤWは、300往復まで変形が見られず、600往復で変形の兆候が見られる程度であった。一方、比較例4の供試ワイヤWは、200往復で変形の兆候が見られ、300往復以上で完全に変形していた。
このように、実施例1の供試ワイヤWは、内視鏡1の内部に挿通された実使用に近い繰り返しの負荷を受けた場合に、比較例4の供試ワイヤWに比べて格段に変形しにくくなっており、耐久性が向上していることが分かる。
このように、本実施形態の内視鏡1によれば、湾曲動作の操作機構に、操作を繰り返しても伸びが発生しにくく、屈曲に対する耐久性に優れる操作ワイヤ11を用いるため、操作量に応じた湾曲形状が経時的に安定し、安定した操作性と、優れた耐久性が得られる。
操作ワイヤ11によれば、7×7のワイヤ構成を備えるため、金属素線の素線径が細くても高強度を得ることができ、しなやかさと伸び辛さを両立させることができることができる。このため、内視鏡1の湾曲操作の操作ワイヤとして好適である。
以下では、操作ワイヤ11の変形例について、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。各変形例は、素線径や金属素線の材質を適宜選択することにより、いずれも内視鏡1の湾曲操作の操作ワイヤとして用いることが可能である。
[第1変形例]
本実施形態の第1変形例の操作ワイヤについて説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の操作ワイヤ40は、図6に示すように、上記第1の実施形態のストランドSを3本撚り合わせて構成した3×7ワイヤである。以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ストランドSは、第2素線33によって外周面が形成された第2素線被覆ストランドを構成している。このため、操作ワイヤ40の外周面は、各ストランドSの外層部34A、すなわち、第2素線33によって形成されている。
また、操作ワイヤ40の撚り方は、Z撚りでもS撚りでもよい。第1素線32および第2素線33の線径は、使用時に受ける荷重に応じて適宜選定することができる。
操作ワイヤ40によれば、上記第1の実施形態と同様のストランドSで構成されるため、操作ワイヤ11と同様に、伸びが生じにくく、かつ屈曲に対する耐久性にも優れる。
また、ストランドSを3本撚り合わせているため、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11に比べて線径を細くすることが可能である。このため、細径化が要求される内視鏡1の湾曲操作の操作ワイヤとして特に好適である。
また、3本のストランドSが撚り合わされることによって、各外層部34Aが他のストランドSの外層部34Aと密着して当接しているため、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11と同様に、屈曲に対する抵抗を向上することができる。
また、ストランドSは第1素線32を含むことにより全体として破断応力も高いため、操作ワイヤ40がねじれた場合でもねじれによる圧縮力または引張力の負荷にほぼ弾性変形の範囲で抵抗することができる。このため、操作ワイヤ40はねじれにも強くなっている。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例の操作ワイヤについて説明する。
本変形例の操作ワイヤ41は、図3(c)に示すように、上記第1の実施形態のストランドSと同様の1×7ワイヤである。
操作ワイヤ41によれば、従来構成の1×7ワイヤに比べて、屈曲に対する耐久性を向上することができる。
また、操作ワイヤ41によれば、操作ワイヤ11に比べて素線数が少ないため、細径の操作ワイヤを構成することができる。また、第1素線32、第2素線33の素線径を適宜の寸法とすることで、強度の変更が可能である。例えば操作による湾曲の曲率半径があまり小さくない用途において、第1素線32の線径を太くすることで、高強度かつ経時的な伸びが小さい操作ワイヤを構成することができる。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例の操作ワイヤについて説明する。
図7(a)は、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の操作ワイヤ42は、図7(a)に示すように、上記第1の実施形態のストランドSの外層部34Aに代えて、外層部34Bを備え、上記第2変形例と同様に1×7ワイヤの操作ワイヤを構成したものである。
外層部34Bは、操作ワイヤ42の芯線である第1素線32の外周に、周方向に沿って、合計3本の第1素線32と、合計3本の第2素線33とを、1本ずつ交互に配置して撚り合わせたものである。このため、操作ワイヤ42は、外周面の一部に第1素線32が露出した1×7ワイヤになっている。
操作ワイヤ42の撚り方は、特に限定されない。
操作ワイヤ42によれば、外層部34Bにも第1素線32が含まれているため、伸びに対する抵抗がより強固となり、上記第1の実施形態の操作ワイヤ1に比べて、さらに伸びを低減することができる。
また、外層部34Bにおいて、第1素線32は、塑性変形し易い第2素線33に挟まれた状態で撚られている。このため、第1素線32は、ワイヤ本体の周方向の両側から、第2素線33に挟まれているため、第2素線33によって周方向の位置が拘束されている。この結果、外層部が第1素線32のみから構成される場合に比べて、屈曲に対する耐久性を向上することができる。
また、操作ワイヤ42は、芯線および外層部34Bに塑性変形しにくい第1素線32を含むため、上記第1の実施形態のストランドS、および上記第2変形例の操作ワイヤ41に比べて、さらにねじれにも強くなっている。
[第4、第5変形例]
次に、本実施形態の第4、第5変形例の操作ワイヤについて説明する。
図7(b)、(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態の第4、第5変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第4変形例の操作ワイヤ43は、図7(b)に示すように、上記第1変形例の操作ワイヤ40の3本のストランドSに代えて、上記第3変形例の操作ワイヤ42と同様の構成を有する3本のストランドSを備える3×7ワイヤである。
また、第5変形例の操作ワイヤ44は、図7(c)に示すように、上記第2変形例の操作ワイヤ11の7本のストランドSに代えて、7本のストランドSを備える7×7ワイヤである。
操作ワイヤ43、44によれば、各ストランドSが上記第3変形例の操作ワイヤ42と同様の構成を有するため、操作ワイヤ42と同様に、伸びが生じにくく、かつ屈曲に対する耐久性にも優れる。
また、伸びに強いストランドSを3本または7本撚り合わせているため、上記第3変形例の操作ワイヤ42に比べて高荷重が作用する操作用途に用いることができる。
また、3本または7本のストランドSが撚り合わされることによって、それぞれ操作ワイヤ43、44の内部側でも、第1素線32が第2素線33と当接するため、内部側の第1素線32が第2素線33によって拘束され、屈曲に対する抵抗をより向上することができる。
[第6変形例]
次に、本実施形態の第6変形例の操作ワイヤについて説明する。
図8(a)は、本発明の第1の実施形態の第6変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の操作ワイヤ45は、図8(a)に示すように、上記第1の実施形態のストランドSの外周に12本の第2素線33を撚り合わせたのと同様の断面構成を有する1×19ワイヤである。すなわち、芯線である第1素線32の外周に6本の第2素線33からなる中間層部35Aが形成され、その外周に12本の第2素線33からなる外層部34Cが形成されている。このため、操作ワイヤ45の外周面は第2素線33のみによって構成されている。
中間層部35Aおよび外層部34Cの撚り方向は、適宜の撚り方向とすることができるが、よりほどけにくくするためには、中間層部35Aの撚り方向と外層部34Cの撚り方向とは互いに反対方向であることが好ましい。
操作ワイヤ45によれば、第1素線32の外周に第2素線33のみからなる中間層部35A、外層部34Cが形成された2層構造を有するため、上記第2変形例の操作ワイヤ41に比べて、第2素線33同士の密着性が向上する。また、曲げ応力を、より多くの第2素線33で負荷することができるため、屈曲に対する耐久性を向上することができる。
また、操作ワイヤ45によれば、第1素線32の外周が第2素線33によって2重に覆われているため、万一、内視鏡の操作中に第1素線32が屈曲状態で破断した場合でも、操作ワイヤ41に比べて、第1素線32の破断した先端がより突出しにくい構造となっている。
[第7変形例]
次に、本実施形態の第7変形例の操作ワイヤについて説明する。
図8(b)は、本発明の第1の実施形態の第7変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の操作ワイヤ46は、図8(b)に示すように、上記第3変形例の操作ワイヤ42の外周に12本の第2素線33を撚り合わせたのと同様の断面構成を有する1×19ワイヤである。すなわち、芯線である第1素線32の外周に操作ワイヤ1と第2素線33とが交互に配置された合計6本の中間層部35Bが形成され、その外周に外層部34Cが形成されている。このため、操作ワイヤ46の外周面は第2素線33のみによって構成されている。
本変形例は、上記第6変形例の中間層部35Aに代えて、中間層部35Bを備える構成にもなっている。以下、上記第3、第6変形例と異なる点を中心に説明する。
中間層部35Bおよび外層部34Cの撚り方向は、適宜の撚り方向とすることができるが、よりほどけにくくするためには、中間層部35Aの撚り方向と外層部34Cの撚り方向とは互いに反対方向であることが好ましい。
操作ワイヤ46によれば、中間層部35Bの一部を構成する第1素線32が、周方向のみならず径方向外側からも第2素線33によって覆われる構成を有する。このため、上記第3変形例の操作ワイヤ42に比べて、第1素線32に対する拘束が強まっているため、屈曲に対する耐久性をより向上することができる。
[第8〜第10変形例]
次に、本実施形態の第8〜第10変形例の操作ワイヤについて説明する。
図9(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態の第8〜第10変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第8〜第10変形例は、それぞれ、7本構成のストランドを撚り合わせて、ワイヤ本体の外周面が第2素線33のみから形成された7×7ワイヤを構成した場合の一例になっている。
第8変形例の操作ワイヤ47は、図9(a)に示すように、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11の芯部ストランドであるストランドSに代えて、上記第4変形例のストランドSを備える。
操作ワイヤ47によれば、芯部ストランドに、より伸びにくいストランドSを採用しているため、操作ワイヤ11に比べて伸びが発生しにくくなっている。
第9変形例の操作ワイヤ48は、図9(b)に示すように、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11の外層部ストランドである6本のストランドSに代えて、6本のストランドSを備える。
ストランドSは、ストランドSのストランド芯線である第1素線32を第2素線33に代えたものである。このため、ストランドSは7本の第2素線33のみからなるストランドになっている。
操作ワイヤ48によれば、外層部ストランドに、より屈曲耐久性に優れるストランドSを採用しているため、操作ワイヤ11に比べて屈曲に対する耐久性を向上することができる。
また、第1素線32は、第2素線33によって多重に囲まれているため、破断時に側方に突出するおそれがさらに少なくなる。
第10変形例の操作ワイヤ49は、図9(c)に示すように、上記第8変形例の操作ワイヤ47の外層部ストランドである6本のストランドSに代えて、6本のストランドSを備える。
操作ワイヤ49によれば、芯部ストランドに伸びが発生しにくいストランドSを採用し、外層部ストランドに屈曲耐久性に優れるストランドSを採用しているため、伸びの抑制と屈曲耐久性の向上とが両立し易くなっている。
また、第1素線32は、芯部ストランドのみに配置され、外層部ストランドを構成するストランドSによって囲まれているため、操作ワイヤ47に比べて、破断時に側方に突出する可能性をさらに低減することができる。
[第11、第12変形例]
次に、本実施形態の第11、第12変形例の操作ワイヤについて説明する。
図10(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第11、第12変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第11、第12変形例は、それぞれ、第1素線32のみからなる芯部ストランドと、第2素線33のみからなる外層部ストランドとを撚り合わせて、ワイヤ本体の外周面が第2素線33のみから形成されたワイヤを構成した場合の一例になっている。
第11変形例の操作ワイヤ50は、図10(a)に示すように、第1素線32を3本撚り合わせたストランドSを芯部ストランドとして、この外周に3本の第2素線33を撚り合わせたストランドSを6本撚り合わせて形成した7×3ワイヤである。ストランドSは、操作ワイヤ50のワイヤ本体の外周面を構成する外層部ストランドになっている。
また、ストランドSは、第1素線32のみから構成されるストランドである第1素線ストランドを構成している。
操作ワイヤ50の撚り方向は、特に限定されないが、例えば、ストランドSがZ撚り、ストランドSがS撚り、ワイヤ本体がZ撚りの構成を採用することができる。
操作ワイヤ50によれば、芯部ストランドに伸びの発生しにくい第1素線32のみからなるストランドSを採用し、外層部ストランドに、屈曲耐久性に優れる第2素線33のみからなるストランドSを採用しているため、伸びの抑制と屈曲耐久性の向上とが両立し易くなっている。
第12変形例の操作ワイヤ51は、図10(b)に示すように、上記第10変形例の操作ワイヤ49の芯部ストランドであるストランドSに代えて、ストランドSを備える。
ストランドSは、ストランドSの外層部34Bの第2素線33をすべて第1素線32に代えたものである。このため、ストランドSは7本の第1素線32のみからなる第1素線ストランドを構成している。
操作ワイヤ51によれば、芯部ストランドに伸びの発生しにくい第1素線32のみからなるストランドSを採用し、外層部ストランドに、屈曲耐久性に優れる第2素線33のみからなるストランドSを採用しているため、伸びの抑制と屈曲耐久性の向上とが両立し易くなっている。
[第13変形例]
次に、本実施形態の第13変形例の操作ワイヤについて説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態の第13変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
本変形例の操作ワイヤ52は、図11に示すように、上記第8変形例の操作ワイヤ47の芯部ストランドであるストランドSに代えて、第2素線33よりも破断伸びが小さい金属材料からなり、ストランドSの第1素線32よりも大径に形成された第1素線32aを備える。第1素線32aの線径は、6本のストランドSを第1素線32aの外周を密着して覆うように撚り合わせることができる線径であれば特に限定されない。
また、第1素線32aの材質は、第1素線32と同じでもよいし、異なっていてもよい。
操作ワイヤ52によれば、ワイヤ芯線に伸びの発生しにくい単線ワイヤである第1素線32aを採用しているため、上記第8変形例の操作ワイヤ47に比べて簡素な構成となり、安価に製造することができる。
また、塑性変形しにくいため撚り合わせにくい第1素線32のみからなる撚り線ワイヤの代わりに、単線の第1素線32aを用いるため、製造が容易となる。
[第14〜第16変形例]
次に、本実施形態の第14〜第16変形例の操作ワイヤについて説明する。
図12(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態の第14〜第16変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第14〜第16変形例は、上記第1の実施形態、各変形例に説明した操作ワイヤのうち、それぞれ、1×7ワイヤ、3×7ワイヤ、7×7ワイヤの構成においてさらに金属素線の線径を変えた変形例である。ただし、図示では分かりにくいため、断面のハッチングの種類をのみを変えて径を変えていることを示している場合がある。
第14変形例の操作ワイヤ53は、1×7ワイヤに適用可能な変形例であり、例えば、上記第2変形例の操作ワイヤ41、上記第3変形例の操作ワイヤ42に対して適用可能である。
操作ワイヤ53は、図12(a)に示すように、1×7ワイヤの7本の金属素線のうち、中心部に配置されたワイヤ芯線である大径素線38の線径が、大径素線38の外周に撚り合わされて外層部を構成する6本の金属素線である小径素線39の線径よりも大きくなっているものである。すなわち、大径素線38、小径素線39の線径を、それぞれ、d、dと表すと、d>dである。
すなわち、操作ワイヤ41に適用した場合、第1素線32の線径をdとし、外層部34Aを構成する第2素線33の線径をdとする。
また、操作ワイヤ42に適用した場合、芯線を構成する第1素線32の線径をdとし、外層部34Bを構成する第1素線32および第2素線33の線径をdとする。
このように、大径素線38、小径素線39は、線径の違いのみを表し、各金属素線の材質は適用する変形例の構成に準じる(以下の変形例でも同じ)。
操作ワイヤ53によれば、芯線の線径に比べて外層部の線径が小さくなることで、線径が同じ場合に比べて、ワイヤ本体の小径化を図ることができるとともに、外層部を構成する金属素線による屈曲に対する抵抗が低下するため、よりしなやかなワイヤとなり屈曲耐久性を向上することができる。また、芯線の線径が相対的に大きくなることで、ワイヤ本体の外径の割に伸びにくいワイヤとなる。
第15変形例の操作ワイヤ54は、3×7ワイヤに適用可能な変形例であり、例えば、上記第1変形例の操作ワイヤ40、上記第4変形例の操作ワイヤ43に対して適用可能である。
操作ワイヤ54は、図12(b)に示すように、上記第14変形例の操作ワイヤ53を1つのストランドSt1として、このストランドSt1を3本撚り合わせて構成した3×7ワイヤである。
第16変形例の操作ワイヤ55は、7×7ワイヤに適用可能な変形例であり、例えば、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11、上記第5変形例の操作ワイヤ44、上記第8〜第10変形例の操作ワイヤ47〜49、上記第12変形例の操作ワイヤ51に対して適用可能である。
操作ワイヤ55は、図12(c)に示すように、上記第14変形例の操作ワイヤ53を1つのストランドSt1として、このストランドSt1を7本撚り合わせて構成した7×7ワイヤである。
ただし、ストランドSt1内における第1素線32と第2素線33との配分は、適用する変形例の構成に準じる。したがって、ストランドSt1と記載されていてもそれぞれの材質の構成は、例えば芯部ストランドと外層部ストランドとで異なる場合がある。
[第17、第18変形例]
次に、本実施形態の第17、第18変形例の操作ワイヤについて説明する。
図13(a)、(b)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態の第17、第18変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第17、第18変形例は、上記各変形例に説明した操作ワイヤのうち、それぞれ、7×3ワイヤ、7×7ワイヤの構成においてさらに金属素線の線径を変えた変形例である。
第17変形例の操作ワイヤ56は、7×3ワイヤに適用可能な変形例であり、例えば、上記第11変形例の操作ワイヤ50に対して適用可能である。
操作ワイヤ56は、図13(a)に示すように、操作ワイヤ50のストランドSの各金属素線をすべて大径素線38で構成したストランドSt2とし、操作ワイヤ50のストランドSの各金属素線をすべて小径素線39で構成したストランドSt3としたものである。
また、第18変形例の操作ワイヤ57は、7×7ワイヤに適用可能な変形例であり、例えば、上記第2変形例の操作ワイヤ11、上記第5変形例の操作ワイヤ44、上記第8〜第10変形例の操作ワイヤ47〜49、上記第12変形例の操作ワイヤ51に対して適用可能である。
操作ワイヤ57は、図13(b)に示すように、芯部ストランドをすべて大径素線38からなるストランドSt4とし、外層部ストランドをすべて小径素線39からなる7本のストランドSt5として構成した7×7ワイヤである。
ただし、ストランドSt4および各ストランドSt5内における第1素線32と第2素線33との配分は、適用する変形例の構成に準じる。
操作ワイヤ56、57によれば、いずれも、芯部ストランドが複数の大径素線38からなり、外層部ストランドが複数の小径素線39からなることで、線径が同じ場合に比べて、ワイヤ本体の小径化を図ることができるとともに、芯部ストランドの外径が相対的に大きくなることで、ワイヤ本体の外径の割に伸びにくいワイヤとなる。
[第19変形例]
次に、本実施形態の第19変形例の操作ワイヤについて説明する。
図14は、本発明の第1の実施形態の第19変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第19変形例は、上記各変形例に説明した操作ワイヤのうち、7×7ワイヤの構成においてさらに金属素線の線径を変えた他の変形例である。
第19変形例の操作ワイヤ58は、例えば、上記第1の実施形態の操作ワイヤ11、上記第5変形例の操作ワイヤ44、上記第8〜第10変形例の操作ワイヤ47〜49、上記第12変形例の操作ワイヤ51に対して適用可能である。
操作ワイヤ58は、図14に示すように、芯部ストランドとしてストランドSt6を備え、外層部ストランドとして7本のストランドSt7を備える7×7ワイヤである。
ストランドSt6は、そのストランド芯線(芯部ストランド芯線)が、線径d8aを有する第1大径素線38aからなり、この第1大径素線38aの外周に、第1大径素線38aの線径よりも小径の線径d8bを有する第2大径素線38bが6本撚り合わされて配置されたものである。
ストランドSt7は、そのストランド芯線(外層部ストランド芯線)が、第2大径素線38b以下の線径d9aを有する第1小径素線39aからなり、この第1小径素線39aの外周に、第1小径素線39aの線径よりも小径の線径d9bを有する第2小径素線39bが6本撚り合わされて配置されたものである。
すなわち、本変形例の金属素線の線径は、d9b<d9a≦d8b<d8aの関係を満足している。
ただし、ストランドSt6および各ストランドSt7内における第1素線32と第2素線33との配分は、適用する変形例の構成に準じる。
このように操作ワイヤ58では、上記第16変形例と同様に、ストランド芯線の線径よりも外層部を構成する金属素線の線径が小さくなっている。また、上記第18変形例と同様に、芯部ストランドを構成する金属素線の線径が、外層部ストランドを構成する金属素線の線径を超えない構成となっている。
このため、ワイヤ本体の小径化を図ることができるとともに、相対的に伸びの発生を抑えつつ、屈曲耐久性を向上することができる。
[第20、第21変形例]
次に、本実施形態の第20、第21変形例の操作ワイヤについて説明する。
図12(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の第20、第21変形例に係る操作ワイヤの構成を示す模式的な断面図である。
第20、第21変形例は、いずれも、上記第1の実施形態および上記各変形例に説明した操作ワイヤの外周面を被覆材で覆うようにした変形例である。以下では、一例として、上記第2変形例の操作ワイヤ41に適用した場合の例で説明する。
第20変形例の操作ワイヤ41Aは、図15(a)に示すように、芯線である第1素線32と、6本の第2素線33からなる外層部34Aとで構成される操作ワイヤ41の外周面に樹脂材料からなる被覆材60をコーティングしたものである。
被覆材60の材質としては、内視鏡内で操作ワイヤ41Aが当接する部材に対して、良好な摺動特性が得られる樹脂材料、例えばフッ素樹脂などを好適に採用することができる。
第21変形例の操作ワイヤ41Bは、図15(b)に示すように、操作ワイヤ41の外周面に固体潤滑材料からなる被覆材61をコーティングしたものである。
被覆材61の材質としては、例えば、二硫化モリブデン(MoS)などを好適に採用することができる。
操作ワイヤ41A、41Bでは、それぞれ被覆材60、61によって操作ワイヤ41の外周面が保護されるとともに内視鏡1内で当接する部材に対して良好に摺動することができる。このため、操作ワイヤ41A、41Bの耐久性を向上することができる。
また、被覆材60、61は、第1素線32や第2素線33に比べて剛性が小さいため、操作ワイヤ41の変形の妨げとなることはない。したがって、操作ワイヤ41A、41Bの伸びや屈曲に対する耐久性は操作ワイヤ41と同等である。
また、これらの操作ワイヤ41A、41Bは、それぞれストランドとして用いることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡について説明する。
図16は、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。図17は、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の湾曲部と挿入管との接続部の構成を示す模式的な断面図である。図18(a)は、本発明の第2の実施形態に係る内視鏡の硬度可変機構の基端側の構成を示す図16におけるF−F断面図である。図18(b)は、図18(a)におけるG−G断面図である。
図16に示すように、本実施形態の内視鏡1Aは、上記第1の実施形態の内視鏡1の挿入管6に代えて、挿入管6Aを備え、硬度調整操作ノブ10を追加したものである。
挿入管6Aの内部に、挿入管6Aの硬度(可撓性)を調整する挿入管硬度調整機構6aが設けられている。
硬度調整操作ノブ10は、挿入管硬度調整機構6aを操作する操作部材であり、操作部枠体9において把持部7よりも先端側において、操作部枠体9の中心軸回りに回転可能に設けられた環状部材からなる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
内視鏡1Aの挿入管6Aの先端側の端部には、図17に軸方向に沿う断面を示すように、湾曲部5の湾曲駒連結体22の最も基端側に位置する湾曲駒22Bの回動ジョイント24aを介して回動可能に連結する連結管23が設けられている。
連結管23の基端側には、挿入管6の外皮を構成する樹脂チューブからなる軟性管6bが内嵌して固定されている。
本実施形態では、挿入管硬度調整機構6aを操作して、軟性管6bの硬度、すなわち挿入管6の可撓性を可変するため、一例として、上記第1の実施形態の第6変形例の操作ワイヤ45を用いる。
挿入管硬度調整機構6aの概略構成は、硬度調整用コイルパイプ25B、円筒管75、カムリング72、移動リング74、牽引部材73、および移動ピン78を備える。
操作ワイヤ45は、軟性管46bの内周面に沿って移動可能に配置され、操作ワイヤ45の外径と略同径の内径を有する硬度調整用コイルパイプ25Bの内部に進退可能に挿通されている。
硬度調整用コイルパイプ25Bの先端部は、連結管23の内周面にろう付けなどによって固定された接続用パイプ70に接続されている。
また、硬度調整用コイルパイプ25Bに挿通された操作ワイヤ45の先端部は、例えばろう付けなどにより形成されたワイヤ固定部71を介して連結管23の内部および接続用パイプ70の先端部に固定されている。
硬度調整用コイルパイプ25Bの構成は、上記第1の実施形態におけるコイルパイプ25Aと同様の構成を採用することができる。
図18(b)に示すように、硬度調整操作ノブ10の近傍の操作部枠体9の内部には、硬度調整用コイルパイプ25Bの基端側の端部を操作部枠体9と接続するための環状の後端口金6cが設けられている。
後端口金6cは、操作部枠体9の先端部を構成する円筒部75に連結されている。
後端口金6cの内周面には、軟性管6b内を挿通された硬度調整用コイルパイプ25Bの基端側の端部を固定するコイルストッパ77が取り付けられている。
硬度調整用コイルパイプ25Bの基端側の端部は、コイルストッパ77に対して、例えばろう付けなどによって固定されている。さらに、円筒管75内の後端口金6cに隣接する部分には移動リング74が配置されており、この移動リング74に操作ワイヤ45の基端側を軸方向に牽引する牽引部材73が取り付けられている。
操作ワイヤ45の基端は、コイルストッパ77に形成されている透孔及び牽引部材73に形成されている溝73aを通って操作部3内に突出している。そして、この突出した操作ワイヤ45の後端部に抜け止めとなる金属製のワイヤストッパ76がろう付け等によって固定されている。なお、ワイヤストッパ76は、操作ワイヤ45の端部に一体成形によって形成することも可能である。
円筒管75の内周側には、図18(a)、(b)に示すように、牽引部材73を内周側に固定し、牽引部材73を軸方向に移動させる移動リング74が移動可能に嵌め込まれている。移動リング74には、円筒管75の軸方向に延ばして開口された長孔部75aに貫通する2本の移動ピン78が取り付けられている。
この移動ピン78は、円筒管45の外周面に被せられたカムリング72に螺旋状に設けられているカム溝72aに嵌まっている。そして、カムリング72の上には硬度調整操作ノブ10が被せられており、不図示の凹凸部によって、硬度調整操作ノブ10の回転方向への固定がなされている。
このような構成により、術者が硬度調整操作ノブ10を回転操作すると、硬度調整操作ノブ10に固定されたカムリング72が回転し、移動ピン78がカムリング72のカム溝72aに円筒管75の長孔部75a内を移動する。これにより、移動リング74およびこれに固定された牽引部材73が円筒管75の軸方向に移動する。
図18(b)に実線で示すように、牽引部材73とワイヤストッパ76とが離間している状態では、硬度調整用コイルパイプ25Bには外力が作用しないため、硬度調整用コイルパイプ25Bは容易に湾曲される。このため、軟性管6bも容易に湾曲され、挿入管6は可撓性に富んだ低硬度の状態になる。
術者が、硬度調整操作ノブ10を回転させて移動リング74および牽引部材73を基端側に移動させると、牽引部材73の端部がワイヤストッパ76に係止され、図18(b)に二点鎖線で示すように、操作ワイヤ45を基端側に牽引する。これにより、硬度調整用コイルパイプ25Bが、コイルストッパ77によって軸方向に圧縮力を受ける。この結果、硬度調整用コイルパイプ25Bが湾曲しにくくなる。このため、軟性管6bを曲げようとする外力が作用しても湾曲しにくくなり、挿入管6は可撓性の少ない高硬度の状態になる。
このように、本実施形態では、硬度調整操作ノブ10を回転させる操作によって、操作ワイヤ45を牽引し、硬度調整用コイルパイプ25Bに軸方向の圧縮力を作用させることで、挿入管硬度調整機構6aを操作し、挿入管6の硬度を調整することができる。
本実施形態の内視鏡1Aによれば、このように挿入管6の硬度を調整する操作に、操作を繰り返しても伸びが発生しにくく、屈曲に対する耐久性に優れる操作ワイヤ45を用いるため、経時的に操作量に応じた硬度の変化量が安定し、安定した操作性と、優れた耐久性が得られる。
なお、硬度調整に用いる操作ワイヤは特に限定されないが、引っ張り強度や伸び難さが特に重視されるため、操作ワイヤ45のような1×19ワイヤが特に好適である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る内視鏡について説明する。
図19は、本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の構成を示す模式的な斜視図である。図20は、本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。図21は、本発明の第3の実施形態に係る内視鏡の操作部の主要部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。
図19に示すように、本実施形態の内視鏡1Bは、上記第1の実施形態の内視鏡1の先端部4、操作部3に代えて、それぞれ、先端部4A、操作部3Aを備える。
操作部3Aは、上記第1の実施形態の操作部3にズーム操作レバー8Cを追加したものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
先端部4Aは、図20に示すように、先端部4Aの先端側に開口した処置具チャンネル86を備え、この処置具チャンネル86と並行して、先端部4Aの前方の像を取得するための対物光学系80が設けられている。
対物光学系80は、先端側から順に、第1固定レンズ群80A、移動レンズ群80B、第2固定レンズ群80Cが配置されている。第1固定レンズ群80Aおよび第2の固定レンズ群80Cは、それぞれが、レンズ枠81、83に収容されて、先端部本体84に固定されている。
移動レンズ群80Bは、本実施形態では、1枚構成のズームレンズLからなり、レンズ枠81、83の間で移動可能に支持された移動レンズ枠82(被操作部)によって保持されている。本実施形態では、移動レンズ枠82の先端側の外周面がレンズ枠81の基端側の内周面に移動可能に嵌合され、移動レンズ枠82の基端側の内周面がレンズ枠83の先端側の外周面に移動可能に嵌合されている。これにより、移動レンズ群80Bは、第1固定レンズ群80A、第2固定レンズ群80Bの光軸と同軸を保って移動できるようになっている。
移動レンズ枠82の側部には、径方向外側に突出するワイヤ接続部82aが設けられている。
対物光学系80の側方における先端部本体84の内側には、上記第1の実施形態の操作ワイヤ41を内部に挿通させたコイルパイプ25Cが配置され、その先端が先端部本体84に、例えばろう付けなどによって固定されている。
コイルパイプ25Cは、上記第1の実施形態のコイルパイプ25Aと同様の構成を採用することができる。ただし、コイルパイプ25Cの内径は、本実施形態に用いる操作ワイヤ41の外径と略同径であって、操作ワイヤ41を摺動可能に挿通できる内径とする。
図21に示すように、コイルパイプ25Cは、挿入管6の内部を通って、操作部3Aのズーム操作レバー8Cの近傍まで延ばされている。コイルパイプ25Cの基端側の端部は、操作部枠体9の内周面に設置された固定板91に固定されている。
操作ワイヤ41の基端部は、固定板91から基端側に延ばされた管状のガイド部材89の内部を挿通して延ばされ、最も基端側で、ガイド部材89の内部を摺動移動するスライダ90が固定されている。
また、操作ワイヤ41の先端側は、コイルパイプ25Cの先端側の端部から延出され、移動レンズ枠82のワイヤ接続部82aに、ワイヤ固定部86を介して接続されている。なお、ワイヤ固定部86は、上記第1の実施形態のワイヤ固定部21と同様の構成を採用することができる。
ズーム操作レバー8Cは、操作部枠体9の内部に配置された端部8aにおいて、回転軸87によって回動可能に支持されている。端部8aの外周側には、ズーム操作レバー8Cの回動支軸87を中心とする回動運動を操作ワイヤ41に伝達するためのアーム部8bが設けられている。
そして、アーム部8bとスライダ90とには、それぞれ回動支点88a、88bを介してリンク88が連結されている。
このような構成により、例えば、術者がズーム操作レバー8Cを先端側に倒して、回動支軸87に対して図21の反時計回りに回動させる操作を行うと、アーム部8bの回動によって、リンク88が基端側に移動され、リンク88の先端側に連結されたスライダ90がガイド部材89に沿って基端側に移動する。
これにより、操作ワイヤ41の基端側の端部が基端側に牽引される。
また、逆に術者がズーム操作レバー8Cを基端側に倒すと、操作ワイヤ41の基端側の端部が先端側に押し出される。
このようにして、ズーム操作レバー8Cの操作により、操作ワイヤ41を進退させて、先端部4Aにおけるコイルパイプ25Cからの操作ワイヤ41の突出長さを可変できるようになっている。この結果、操作ワイヤ41の進退に伴って、操作ワイヤ41の先端に固定された移動レンズ枠82およびこれに固定された移動レンズ群80bを対物光学系80の光軸に沿って変位させることができる。これにより、対物光学系80のズーム変倍を行うことができる。
このため、本実施形態では、移動レンズ枠82は、操作ワイヤ41を牽引することにより操作される被操作部を構成している。
本実施形態の内視鏡1Bによれば、対物光学系80のズーム変倍の操作に、操作を繰り返しても伸びが発生しにくく、屈曲に対する耐久性に優れる操作ワイヤ41を用いるため、経時的に操作量に応じた移動レンズ群80bの移動量が安定して正確なズーム変倍を行うことができるため、安定した操作性と、優れた耐久性が得られる。
ズーム変倍の操作は、変位量が微小であるとともに、低荷重で移動させることができるため、例えば、操作ワイヤ41のような1×7ワイヤ等の細径のワイヤが特に好適である。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る内視鏡について説明する。
図22は、本発明の第4の実施形態に係る内視鏡の先端部の構成を示す軸方向に沿う模式的な断面図である。
図19に示すように、本実施形態の内視鏡1Cは、上記第1の実施形態の内視鏡1の先端部4、操作部3に代えて、それぞれ、先端部4B、操作部3Bを備え、処置具を挿通させて、先端部4Bの外部に導く処置具チャンネル65(図22参照)を追加したものである。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図22に示すように、処置具チャンネル65は、操作部枠体9の側方に設けられた処置具挿入口69から挿入管6の内部を通り先端部4Bまで連通して、先端部4Bの開口部65aにおいて外部に開口されている。
先端部4Bは、開口部65aの近傍に、処置具チャンネル65内を挿通された処置具の突出方向を変更する起上台66(被操作部)を備える。
処置具チャンネル65に挿通させる処置具の例としては、例えば、鉗子などを挙げることができる。
起上台66は、外形が略直角三角形状のブロック部材であり、その斜辺を構成する側面に処置具を案内する案内溝66aが形成されている。案内溝66aの一端側の近傍には、起上台66の厚さ方向(図示紙面奥行き方向)に貫通する孔部66bが設けられている。開口部65aの近傍の先端部4Bには図示の紙面手前側に回動支軸67が突設された固定部4aが設けられ、起上台66の孔部66bが回動支軸67に回動可能に係合されている。
起上台66の厚さ方向の側面には、孔部66bから離間した位置に、起上台66の回動位置を操作するため、上記第1の実施形態の第1変形例の操作ワイヤ41の端部を接続するワイヤ接続部66cが設けられている。
ただし、起上台66の操作力は、例えば、上記第3の実施形態のズーム変倍の操作力よりも大きくなるため、第1素線32、第2素線33の線径は、いずれも上記第3の実施形態に用いる操作ワイヤ41よりは、太めに設定することが好ましい。
また、先端部4Bの基端部、図22には図示しない挿入部管6および操作部3Bの内部には、処置具チャンネル65と略平行して、操作ワイヤ41を挿通させるコイルパイプ25Dが設置されている。コイルパイプ25Dは、操作部3内において起上台操作レバー8Dの近傍まで延ばされている。
コイルパイプ25Dは、挿入部2が湾曲してもパイプ径やパイプ長が変化しないように、例えば、操作ワイヤ41のワイヤ外径よりもわずかに大径とされ、上記第1の実施形態のコイルパイプ25Aと同様な構成を採用することができる。このため、コイルパイプ25D内に挿通される操作ワイヤ41は、コイルパイプ25D内で座屈することなく牽引したり、押し出したりすることが可能である。
起上台66のワイヤ接続部66cに接続された操作ワイヤ41は、起上台66の厚さ方向の側方に配回されてからコイルパイプ25D内に挿入され、コイルパイプ25Dを通して、起上台操作レバー8Dの近傍まで案内される。
操作部3Bは、図21に示すように、上記第3の実施形態の操作部3Aのズーム操作レバー8Cに代えて、起上台操作レバー8Dを備える。ただし、固定板91には、コイルパイプ25Cに代えてコイルパイプ25Dが固定されている。
このため、操作部3Bによれば、術者が、ズーム操作レバー8Cと同様にして、起上台操作レバー8Dを操作することにより、起上台操作レバー8Dの操作量に応じて、先端部4Bにおけるコイルパイプ25Dからの操作ワイヤ41の突出長さを可変できるようになっている。
このように、本実施形態では、操作部3Bの起上台操作レバー8Dの操作によって先端部4B内における操作ワイヤ41の長さを可変することができるため、操作ワイヤ41を基端側に牽引または先端側に押し出すことにより、回動支軸67を中心にして起上台66を回動させ、実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で、起上台66の向きを変えることができる。これにより、案内溝66a上に配置された処置具の向きを先端部4Bの斜め前方に向かう方向から先端部4Bの側方に向かう方向までの間で向きを変更することができる。
本実施形態の内視鏡1Cによれば、起上台66の回動動作の操作に、操作を繰り返しても伸びが発生しにくく、屈曲に対する耐久性に優れる操作ワイヤ41を用いるため、経時的に操作量に応じた回動量が安定し、処置具の向きを所望の方向に正確に向けることができるため、安定した操作性と、優れた耐久性が得られる。
起上台66の操作は、起上台66とともに処置具を動かす操作であり高荷重がかかるため、操作ワイヤ41のように、線径を増大させて容易に高強度が得ることが可能な1×7ワイヤが特に好適である。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態に係る内視鏡および医療用マニピュレータについて説明する。
図23は、本発明の第5の実施形態に係る内視鏡および医療用マニピュレータの構成を示す模式的な正面図である。図24は、本発明の第5の実施形態に係る医療用マニピュレータの主要部の構成を示す模式的な断面図である。
図23に示すように、本実施形態のマニピュレータアーム113R、113Lは、互いに平行に延ばされた2つのチャンネル110A、110Bを先端側に有する内視鏡110において、チャンネル110A、110B内を進退可能に挿通して用いられる医療用マニピュレータであり、本実施形態では、内視鏡110の一部を構成するものである。
以下では、方向参照の便宜のため、図23、24に示すXYZ直角座標系を用いる場合がある。XYZ座標系は、原点がチャンネル110A、110Bの基端側に配置され、Z軸がチャンネル110A、110Bの当接する軸線Cに沿う方向に延ばされ、X軸は、Z軸と直交するとともに、チャンネル110A、110Bが並列する方向に延ばされている。このため、ZX平面は、図23、24の紙面に一致している。また、Y軸は、ZX平面に直交する軸であり、図示の紙面垂直方向に延ばされている。Z軸の正方向は、チャンネル110A、110Bの基端側から先端側に向かう方向である。X軸の正方向は、チャンネル110Bからチャンネル110Aに向かう方法である。また、Y軸の正方向は、図示の紙面手前側から紙面奥側に向かう方向である。
チャンネル110A(110B)の先端部には、マニピュレータアーム113R(113L)を、外部に延出させるための開口部110a(110b)が設けられている。
開口部110a(110b)は、Z軸正方向側に開口されるとともに、少なくともX軸正方向(負方向)側に一部が開口している。このため、開口部110a(110b)から外部に延出されたマニピュレータアーム113R(113L)は、開口部110a(110b)の近傍で、X軸正方向(負方向)側に湾曲することが容易になっている。
マニピュレータアーム113Rは、チャンネル110Aの内径よりわずかに小さい外径を有し、内部には、例えば、鉗子等の処置具130が挿通可能な貫通孔を有する管状部材からなる。
マニピュレータアーム113Rの概略構成は、基端側から先端側に向かって、直管部112、第1湾曲部115(被操作部)、連結部116、第2湾曲部117(被操作部)、および先端シース118がこの順に連結されている。
直管部112は、チャンネル110A内を進退する円筒状の管状部であり、基端側において、マニピュレータアーム113Rの操作を行う操作部111と連結されている。
直管部112の先端部には、図24に示すように、第1湾曲部115の基端側と連結する連結管112aが設けられている。
また、直管部112の内部には、上記第1の実施形態のコイルパイプ25Aと同様の構成を有するコイルパイプ122a、122b、120a、120b、120c、120dが挿通されている。
コイルパイプ122a、122b、120a、120b、120c、120dは、第1湾曲部115、第2湾曲部117が湾曲した場合にも、湾曲した部分の長さの変化に追従して先端側に移動できる程度の長さの余裕を有している。
コイルパイプ122a、122bの内部には、それぞれ第1湾曲部115の湾曲を操作する操作ワイヤ121a、121bが進退可能に挿通されている。
操作ワイヤ121a、121bは、上記第1の実施形態の内視鏡1の湾曲操作に用いる操作ワイヤ11と同様の構成を採用することができる。
コイルパイプ122a、122bの基端部は、特に図示しないが操作部111の内部に固定されている。
コイルパイプ122a、122bの先端部は、それぞれ連結管112aの中心軸線を挟んで、X軸方向において互いに対向する位置に配置されている。
ただし、コイルパイプ122aの先端部は、連結管112aに設けられた固定部112bに固定されている。また、コイルパイプ122bは、連結管112aに設けられたコイルパイプ122bの外径よりわずかに大きな内径を有するパイプ挿通孔112cに進退可能に挿通され、第1湾曲部115の内部まで延ばされている。
コイルパイプ120a、120b、120c、120dの内部には、それぞれ第2湾曲部117の湾曲を操作する操作ワイヤ119a、119b、119c、119dが進退可能に挿通されている。
操作ワイヤ119a、119b、119c、119dは、上記第1の実施形態の内視鏡1の湾曲操作に用いる操作ワイヤ11と同様の構成を採用することができる。
コイルパイプ120a、120b、120c、120dの基端部は、特に図示しないが操作部111の内部に固定されている。
また、コイルパイプ120a、120b、120c、120dは、連結管112aの内部に挿通され、連結部116まで延ばされている。
第1湾曲部115は、ZX平面内で、2方向に湾曲可能に設けられた管状部であり、可撓性を有する外皮の内部に、図24に示すように、基端側湾曲駒連結体115Aと先端側湾曲駒連結体115Cと、これらの間を連結する連結駒115Bとを備える。
基端側湾曲駒連結体115Aは、上記第1の実施形態の湾曲駒連結体22の湾曲駒22A、22B、回動ジョイント24a、24bに対応して、略同様の構成を有する湾曲駒124A、124B、回動ジョイント125a、125bを複数備える。図24では、一例として、湾曲駒124A、124Bがそれぞれ2個ずつ合計4個配置された構成を図示している。
ただし、湾曲駒連結体22におけるワイヤ挿通部22aの対に代えて、操作ワイヤ121aを挿通させるワイヤ挿通部124aと、コイルパイプ122bを挿通させるパイプ挿通部124bと、を備える。
また、上記第1の実施形態の対をなすワイヤ挿通部22bは削除されている。
先端側湾曲駒連結体115Cは、上記第1の実施形態の湾曲駒連結体22の湾曲駒22A、22B、回動ジョイント24a、24bに対応して、略同様の構成を有する湾曲駒126A、126B、回動ジョイント125a、125bを複数備える。図24では、一例として、湾曲駒126A、126Bがそれぞれ2個ずつ合計4個配置された構成を図示している。
ただし、上記第1の実施形態の対をなすワイヤ挿通部22aに代えて、X軸負方向側に操作ワイヤ121bを挿通させるワイヤ挿通部126bを備える。
連結駒115Bは、基端および先端に、それぞれ基端側湾曲駒連結体115Aの最も先端側の湾曲駒124Bおよび先端側湾曲駒連結体115Bの最も基端側の湾曲駒124Aとそれぞれ回動可能に連結する回動ジョイント125aを備えた円筒状の部材である。
連結駒115Bの内周部の先端側には、連結駒115Bの中心軸をZ軸に沿わせた際にX軸負方向側となる方に、コイルパイプ122bの先端部が、例えば、ろう付けなどによって固定されている。
また、連結駒115Bの内周部には、連結駒115Bの中心軸をZ軸に沿わせた際にX軸正方向側となる方にワイヤ固定部123aが形成されている。ワイヤ固定部123aは、連結駒115B内に延ばされた操作ワイヤ121aの先端部を固定するものである。ワイヤ固定部123aは、例えば、ろう付けなどによって形成することができる。
連結部116は、第1湾曲部115の最も先端側の湾曲駒126Bと第2湾曲部117の最も基端側とを、回動ジョイント125aを介して回動可能に連結する管状部材である。
連結部116の先端側の内周部には、コイルパイプ120a、120b、120c、120dの先端部が、例えば、ろう付けなどによって固定されている。図24は模式図のためそれぞれの固定位置が模式的に描かれているが、本実施形態では、連結部116の中心軸をZ軸に沿わせた際に、X軸方向に対向する位置に、コイルパイプ120a、120cが固定され、Y軸方向に対向する位置に、コイルパイプ120b、120dが固定されている。
また、連結部116の内周部には、連結部116の中心軸をZ軸に沿わせた際にX軸不方向側となる方にワイヤ固定部123bが形成されている。ワイヤ固定部123bは、連結部116内に延ばされた操作ワイヤ121bの先端部を固定するものである。ワイヤ固定部123bは、例えば、ろう付けなどによって形成することができる。
第2湾曲部117は、Y軸回りと、これに直交する方向回りの2軸方向の湾曲とが可能とされた管状部であり、可撓性を有する外皮の内部に、図24に示すように、湾曲駒連結体117Aを備える。
湾曲駒連結体117Aは、上記第1の実施形態の湾曲駒連結体22の湾曲駒22A、22B、回動ジョイント24a、24bに対応して、略同様の構成を有する湾曲駒127A、127B、回動ジョイント125a、125bを複数備える。図24では、一例として、基端側から先端側に向かって、湾曲駒127B、127A、127B、127A、127Bが配置された構成を図示している。
ただし、図24は模式図のため、詳細は図示しないが、湾曲駒連結体22におけるワイヤ挿通部22aの対に代えて、操作ワイヤ119a、119cを進退可能に挿通させる一対のワイヤ挿通部と、操作ワイヤ119b、119dを進退可能に挿通させる一対のワイヤ挿通部とを備える。
このため、湾曲駒連結体117Aの内周部には、湾曲駒連結体117AをZ軸に沿う方向に延ばしたときに、Z軸を挟んで、操作ワイヤ119a、119cがX軸方向に対向し、操作ワイヤ119b、119dがY軸方向に対向するように、各ワイヤ挿通部に挿通されている。
各操作ワイヤ119a、119b、119c、119dの先端部は、先端シース118の内部に延ばされ、先端シース118の内周面に湾曲駒連結体117Aの内部と同様にX軸方向、Y軸方向に対向する位置関係に設けられた4箇所のワイヤ固定部128によって固定されている。ワイヤ固定部128は、例えば、ろう付けなどによって形成することができる。
先端シース118は、基端側が回動ジョイント125aを介して湾曲駒連結体117Aの最も先端側の湾曲駒127Bと連結された管状部材である。
先端シース118の先端側の外周部は、先端側に向かって縮径するテーパ部118aが設けられている。
先端シース118の先端側の内周部には、少なくとも処置具130、131が進退可能な開口部118bが設けられている。
先端シース118の基端側の内周部には、操作ワイヤ119a、119b、119c、119dの先端部がワイヤ固定部128によって固定されている。
マニピュレータアーム113Lは、チャンネル110Bの内径よりわずかに小さい外径を有し、内部には、例えば、鉗子等の処置具131が挿通可能な貫通孔を有する管状部材からなる。
本実施形態におけるマニピュレータアーム113Lは、図23に示すように、マニピュレータアーム113Rと同様に、直管部112、第1湾曲部115、連結部116、第2湾曲部117、および先端シース118を備える。
ただし、マニピュレータアーム113Lの構成は、上記に説明したマニピュレータアーム113Rの構成を、YZ平面を対称面として、面対称に配置した構成になっている。このため、内部構成は省略するが、マニピュレータアーム113Rと同様に、コイルパイプ122a、122b、120a、120b、120c、120d、および操作ワイヤ121a、121b、119a、119b、119c、119dが挿通され、面対称な位置にそれぞれが固定されている。
次に、本実施形態の内視鏡110におけるマニピュレータアーム113R、113Lの動作について説明する。
内視鏡110を用いて、体腔内の処置を行うには、まず、マニピュレータアーム113R、113Lをチャンネル110A、110Bの内部に収容した状態で、内視鏡110の先端部を体腔に挿入する。
次に、マニピュレータアーム113R、113Lを、開口部110a、110bの外部に繰り出して、以下の湾曲動作を行う。湾曲動作は、マニピュレータアーム113Rにおける湾曲動作を中心にして説明する。
操作部111によって、マニピュレータアーム113Rの121aを牽引すると、図24に示すように、ワイヤ固定部123aと、連結管112aに固定されたコイルパイプ122aの先端部との間のワイヤ121aの突出長さが短縮されるため、基端側湾曲駒連結体115Aが、ZX平面内で、X軸正方向側に湾曲する。このとき、操作ワイヤ121aに対向する位置に配置されたコイルパイプ122bは、パイプ挿通部124b内を摺動し、湾曲によって基端側湾曲駒連結体115Aの外周が伸びた分だけ、直管部112から先端側に繰り出される。このため、コイルパイプ122bは、湾曲の抵抗負荷にはならない。
また、操作部111によって、マニピュレータアーム113Rの121bを牽引すると、ワイヤ固定部125bと、連結駒115Bに固定されたコイルパイプ122bの先端部との間のワイヤ121bの突出長さが短縮されるため、先端側湾曲駒連結体115Cが、ZX平面内で、X軸負方向側に湾曲する。
このようにして、第1湾曲部115は、逆S字状に湾曲される。
同様にして、マニピュレータアーム113Lを操作すると、マニピュレータアーム113Lの第1湾曲部115が、図23に示すように、S字状に湾曲される。
このようにして、一対の先端シース118がX軸方向において離間した状態で前方に延出される。
マニピュレータアーム113R、113Lの各第2湾曲部117を湾曲させるには、操作部111によって、操作ワイヤ119a、119b、119c、119dの牽引量と押し出し量とを調整して、湾曲動作を行う。このような2軸方向の湾曲操作は、上記第1の実施形態の湾曲部5の操作と同様であるため、詳細の説明は省略する。
このように、内視鏡110によれば、マニピュレータアーム113R、113Lを備えるため、内視鏡110の先端において、2つの処置具130、131を適宜の位置、姿勢に操作し、処置部位にそれぞれの処置具を異なる方向からアプローチさせる動作を行うことができる。また、必要に応じて、複数の処置部位で独立して、または同一の処置部位に対して2つの処置具130、131を協働させて、種々の処置を行うことができる。
このようなマニピュレータアーム113R、113Lは、3箇所において、それぞれ異なる湾曲操作が可能であり、各操作ワイヤには、それぞれの湾曲量に応じて、湾曲負荷が発生するが、操作ワイヤ119a、119b、119c、119d、121a、121bは、操作を繰り返しても伸びが発生しにくく、屈曲に対する耐久性に優れる上記第1の実施形態の操作ワイヤ11を用いるため、安定した操作性と、優れた耐久性が得られる。
なお、上記の第1の各実施形態、および第1〜第19変形例の説明では、特に好ましい例として、第1素線32の金属材料が金属ガラス、第2素線33の金属材料がSUSやNi−Ti合金の場合の例で説明したが、破断伸びの異なる金属材料同士であれば、適宜の金属材料を組み合わせて、複合させた構成とすることができる。
また、上記の第1の各実施形態、および第1〜第19変形例の説明では、操作ワイヤが、1×7ワイヤ、3×7ワイヤ、7×7ワイヤ、7×3ワイヤ、1×19ワイヤの場合の例で説明したが、ストランド数および素線数は、これらの組合せに限定されるもののではなく、他の構成を採用してもよい。
また、上記の第1の実施形態およびその各変形例の説明では、屈曲耐久性を評価するための代表的な試験方法を例示したが、他の評価方法でも屈曲耐性の評価は可能である。
また、本評価は、7×7ワイヤのワイヤ構成に限定して本願発明の実施例と比較例とを相対比較した評価であり、比較例に比べて本願発明の実施例の屈曲耐久性が優れていることを具体的に示したものである。ここで、本試験方法における10万回という屈曲耐久性の許容値は、特定用途の操作ワイヤを想定した許容値の一例であり、操作ワイヤの使用用途や使用部位等が異なる場合には、異なる許容値を設定することができることは言うまでもない。
このため、他の使用用途や使用部位、またこれらに応じたワイヤ構成では、例示した試験方法で破断することなく10万回往復ができなくても、これによりただちに本願発明の効果を奏しないということにはならない。
また、上記の第2の実施形態、および第22変形例の説明では、本発明に係る操作ワイヤが、内視鏡の湾曲部を湾曲させる操作や、内視鏡の先端部に設けられた起上台を回動させる操作や、内視鏡の軟性部における硬度を調整する操作や、内視鏡の先端部に設けられたズームレンズのズーム変倍機構を駆動する操作に用いられる場合の例で説明したが、本発明の操作ワイヤの操作用途はこれには限定されず、従来の内視鏡の操作に用いられている他の操作用途にも用いることができる。
また、上記各実施形態および各変形例に説明したすべての構成要素は、本発明の技術的思想の範囲で適宜組み合わせたり削除したりして実施することができる。
例えば、上記第1の実施形態および第1〜第19変形例の各操作ワイヤの外周面に、上記第20、第21変形例の被覆材60、61をコーティングしてもよい。
また、被覆材60、61は、上記の各変形例の操作ワイヤに適用することが可能である。
すなわち、被覆材60、61は、複数のストランドが撚り合わされたワイヤ本体の外周面にコーティングすることもできる。ただし、被覆材60、61は、ワイヤ本体の外周面に限らず、ストランドの外周面に設けてもよい。
また、被覆材60、61を外周面にコーティングしたストランドを撚り合わせたワイヤ本体の外周面に、被覆材60、61を被覆してもよい。
また、上記第2〜第5の実施形態の説明では、一例として、特定構成の操作ワイヤを用いた場合の例で説明したが、上記第1の実施形態および各変形例に説明したすべての操作ワイヤを用いることができる。
また、上記各実施形態および各変形例では、第1素線と第2素線のみからなる操作ワイヤの例を記載したが、操作ワイヤは、第1素線と第2素線以外の金属材料からなる素線を含んでもよい。
また、上記の第1の実施形態の第3変形例の説明では、ワイヤ12の外層部34Bが、第1素線32の外周に、周方向に沿って、合計3本の第1素線32と、合計3本の第2素線33とを、1本ずつ交互に配置して撚り合わせた場合の例で説明したが、外層部34Bは、1本以上あれば、ワイヤ1あるいはストランドSに比べて伸びに対する抵抗がより強固となるため、第2素線33と第1素線32とをそれぞれ1本以上含むワイヤ構成に変形してもよい。またこのようなワイヤをストランドして用いてもよい。
また、上記の第1の実施形態の説明では、ストランドを撚り合わせたワイヤ本体については、ストランドの組合せとして、ストランドS、S、S、S、S、S等のうちからいくつかのストランドを組み合わせた場合の例を示したが、これらは可能な組合せのうちの一部を示したに過ぎず、ストランドの組合せはこれらに限定されない。すなわち、本発明に係る操作ワイヤは、すべてストランドとして用いることが可能であり、これらのストランドのうちから2本以上を含むストランドを撚り合わせて適宜のワイヤ本体を構成することができる。
また、上記第1の実施形態の説明では、ワイヤ固定部21は、ろう付けで形成した場合の例で説明したが、ワイヤ固定部21は、ワイヤ端部に一体成形やかしめによって金属部材を固定し、この金属部材をろう付けなどによって固定した構成としてもよい。
また、ワイヤ固定部21を一体成形による金属部材として形成する場合に、図25(a)、(b)に示す構成としてもよい。
図25(a)は、本発明の第1の実施形態に係る操作ワイヤにワイヤ固定部を形成する際の他の構成例を示す模式的な断面図である。図25(b)は、図25(a)におけるD−D断面図である。
例えば、ワイヤ固定部21が形成される端部では、図25(a)、(b)に示すように、各ストランドSから各第1素線32を突出させて、ワイヤ固定部21が第1素線32と直接固定される構成とすることが可能である。このような構成によれば、例えば、第2素線33よりも第1素線32の方が、ワイヤ固定部21の材料と密着性が良好な場合に、ワイヤ固定部21との固定を強固にすることができる。
以上より、本発明に係る操作ワイヤによれば、湾曲動作、曲げ動作、引っ張りなどの力が繰返し加わる環境下での使用にも耐えることから、内視鏡の操作ワイヤに求められる「しなやかさ」を維持しつつ、内視鏡の湾曲角度の低下等の原因となる、経時的な伸びを低減しうる操作ワイヤを実現することができる。
また、上記のような操作ワイヤを用いた内視鏡であれば、経時的な操作性・観察性・処置性の低下を低減することができ、従来より使い易さを長期間に亘り維持できる内視鏡とすることができる。
1、1A、1B、1C、1D、110 内視鏡
2 挿入部
3、3A、3B 操作部
4、4A、4B 先端部
5 湾曲部(被操作部)
6、6A 挿入管
6a 挿入管硬度調整機構(被操作部)
8A、8B 湾曲操作ノブ
8C ズーム操作レバー
8D 起上台操作レバー
10 硬度調整操作ノブ
11、11a、11b、11c、11d、40、41、41A、41B、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、119a、119b、119c、119d、121a、121b 操作ワイヤ
22 湾曲駒連結体
25B 硬度調整用コイルパイプ
32、32a 第1素線
33 第2素線
34A、34B、34C 外層部
38 大径素線
38a 第1大径素線
38b 第2大径素線
39 小径素線
39a 第1小径素線
39b 第2小径素線
60、61 被覆材
65 処置具チャンネル
66 起上台
113R、113L マニピュレータアーム(医療用マニピュレータ)
115 第1湾曲部(被操作部)
117 第2湾曲部(被操作部)
、S、S、S、S、S、S、S、St1、St2、St3、St4、St5、St6、St7 ストランド

Claims (11)

  1. 管腔内に挿入する挿入部と、該挿入部の内部に配置した操作ワイヤと、該操作ワイヤを牽引することにより操作される被操作部を備えた内視鏡であって、
    前記操作ワイヤは、
    第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい
    ことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記操作ワイヤは、
    前記第1素線と前記第2素線とが撚り合わせられて形成されるストランドを少なくとも一つ含み、
    該ストランドの中心部には、前記第1素線が配置され、前記ストランドの外周面の少なくとも一部には、前記第2素線が配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記操作ワイヤは、
    単一の前記ストランドから構成され、
    該ストランドは、最外周に前記第2素線が配置された
    ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記操作ワイヤは、
    前記ストランドが複数撚り合わせて構成され、
    該ストランドは、それぞれ最外周に前記第2素線が配置された
    ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  5. 前記第1素線の金属材料は、20K以上のガラス遷移領域を有する非晶質合金である金属ガラスである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡。
  6. 前記第2素線の金属材料は、ステンレスまたはニッケル−チタン合金である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡。
  7. 前記第1素線の金属材料は、ジルコニウム(Zr)系金属ガラスである
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡。
  8. 前記ストランドの外周面は、前記第1素線及び前記第2素線よりも剛性が小さい被覆材によって被覆された
    ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
  9. 端部に一体成形された金属製の成形部品を有し、該成形部品に一体化された前記金属素線の端部において、前記第1素線の線端が前記第2素線の線端よりも先端側に突出している
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内視鏡。
  10. 管腔内に挿入する挿入部の先端側に、前記挿入部内に配置した操作ワイヤと接続されるとともに該操作ワイヤを牽引することにより操作される被操作部を備えた医療用マニピュレータであって、
    前記操作ワイヤは、
    第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい
    ことを特徴とする医療用マニピュレータ。
  11. 医療機器の被操作部を牽引することにより該被操作部を操作する操作ワイヤであって、
    第1素線と第2素線とをそれぞれ含む複数の金属素線を撚り合わせてなるとともに、前記第1素線の金属材料の破断伸びが、前記第2素線の金属材料の破断伸びよりも小さい
    ことを特徴とする操作ワイヤ。
JP2011212928A 2010-09-29 2011-09-28 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ Active JP5931388B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011212928A JP5931388B2 (ja) 2010-09-29 2011-09-28 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010219099 2010-09-29
JP2010219099 2010-09-29
JP2011212928A JP5931388B2 (ja) 2010-09-29 2011-09-28 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012090970A true JP2012090970A (ja) 2012-05-17
JP5931388B2 JP5931388B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=46385003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011212928A Active JP5931388B2 (ja) 2010-09-29 2011-09-28 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5931388B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014073219A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Gunze Ltd 内視鏡
JP2017023799A (ja) * 2016-10-13 2017-02-02 キヤノン株式会社 医療器具
US11986163B2 (en) 2018-12-28 2024-05-21 Hoya Corporation Endoscope and endoscope system controlled by pair of cable bundles

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0467830A (ja) * 1990-07-06 1992-03-03 Toshiba Corp 内視鏡
JPH04224727A (ja) * 1990-12-26 1992-08-14 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡用操作ワイヤ
JPH0675403U (ja) * 1993-04-02 1994-10-25 株式会社町田製作所 操作ワイヤーの案内管
JPH08224247A (ja) * 1995-02-22 1996-09-03 Olympus Optical Co Ltd 医療用マニピュレータ
JP2001226888A (ja) * 2000-02-10 2001-08-21 Asahi Optical Co Ltd ミニチュアロープ
JP2007325748A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Pentax Corp 内視鏡

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0467830A (ja) * 1990-07-06 1992-03-03 Toshiba Corp 内視鏡
JPH04224727A (ja) * 1990-12-26 1992-08-14 Olympus Optical Co Ltd 内視鏡用操作ワイヤ
JPH0675403U (ja) * 1993-04-02 1994-10-25 株式会社町田製作所 操作ワイヤーの案内管
JPH08224247A (ja) * 1995-02-22 1996-09-03 Olympus Optical Co Ltd 医療用マニピュレータ
JP2001226888A (ja) * 2000-02-10 2001-08-21 Asahi Optical Co Ltd ミニチュアロープ
JP2007325748A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Pentax Corp 内視鏡

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015020840; 櫻庭 健一郎: 'ステンレス鋼における最適疲労設計基準の確立' 東京都立産業技術研究センター研究報告 第4号, 20091222, pp.66, 東京都立産業技術研究センター *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014073219A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Gunze Ltd 内視鏡
JP2017023799A (ja) * 2016-10-13 2017-02-02 キヤノン株式会社 医療器具
US11986163B2 (en) 2018-12-28 2024-05-21 Hoya Corporation Endoscope and endoscope system controlled by pair of cable bundles

Also Published As

Publication number Publication date
JP5931388B2 (ja) 2016-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1849396B1 (en) Endoscope flexible tube, and endoscope device
CN103732161B (zh) 带有软爪和/或柔性腕机构的医疗器械
JP5137664B2 (ja) 可撓性内視鏡用ワイヤスプリングガイド
JP5364255B2 (ja) 医療用マニピュレータ
JP5827396B2 (ja) 外科用のシャフト器具
JPH0560752B2 (ja)
JP5701626B2 (ja) 処置具
WO2012147443A1 (ja) 内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡
JP5931388B2 (ja) 内視鏡、医療用マニピュレータ、および操作ワイヤ
JPWO2015083644A1 (ja) 内視鏡
US20180035870A1 (en) Endoscope
EP1961368B1 (en) Wire member for controlling a flexible endoscope and method for manufacturing the same
JP2008220972A (ja) 処置具
JP4145309B2 (ja) 処置具
JP2008500841A (ja) 網膜硝子体手術用剛性軸付き器具
JP6482101B2 (ja) 屈曲処置具用操作部
JP2015137428A (ja) 撚線及びその撚線を用いたガイドワイヤ
JP7212427B1 (ja) 処置具ユニット
JPH08308637A (ja) 歯間ブラシ用線材ならびに歯間ブラシ
JP2015128536A (ja) 屈曲処置具用操作部
JP2013247991A (ja) 医療用ワイヤおよびその製造方法、ならびに医療器具
CN114786598B (zh) 手术器具
JP2005131358A (ja) Ti−Ni系超弾性合金線材
JPH10104530A (ja) 内視鏡
US20190390403A1 (en) Wire rope with enhanced wire wrap

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140826

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20150422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20151201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160427

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5931388

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250