JP2012087910A - 変速機の暖機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の停車状態において変速機の効率的な暖機が行えるように制御することで、冷間時の変速機の運転を最小限に抑えながら、燃費などの効率の改善を図ることができる変速機の暖機制御装置を提供する。
【解決手段】多段式の自動変速機10の暖機を行うための暖機制御装置1であって、自動変速機10に対する暖機動作として、車両が停車状態のときに、発進用の変速段である1速段を形成するための第1クラッチC1とは異なる高速段用の第2クラッチC2を係合させる制御を行うことで、第2クラッチC2の差回転により自動変速機10の内部で発生する摩擦熱で、自動変速機10内の作動油の油温を上昇させるようにした。これにより、エンジンの冷却水で自動変速機10を暖機する場合と異なり、エンジンが暖まることを待たずに自動変速機10の暖機が行えるようになる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載された変速機内の作動油の温度が所定温度よりも低い場合に当該変速機に対する所定の暖機動作を行う変速機の暖機制御装置に関する。
車両には、変速機内の作動油(ATF)の温度が所定温度よりも低い場合に当該変速機に対する所定の暖機運転を行う手段を備えたものがある。そして、冷間時の変速機に対する従来の一般的な暖機運転としては、エンジンの冷却水と変速機の作動油を熱交換させるATFウォーマーを用いた暖機運転が行われている。エンジンの冷却水を用いた暖機では、エンジンを冷却することで昇温した冷却水を用いて変速機の暖機が行われる。しかしながら、このようなエンジンの冷却水を用いた暖機運転では、エンジンの冷却水が変速機の暖機に必要な温度まで昇温した後でないと、変速機の効果的な暖機を行うことができない。そのため、エンジンがある程度暖まってから変速機の暖機が行われるようになる。したがって、実際には、エンジンの始動直後などの冷間時に変速機の運転が行われることが多くなっている。
また、車両に搭載された変速機の暖機運転に関する従来技術として、特許文献1、2に記載された車両駆動系の昇温制御装置がある。特許文献1、2の装置は、いずれも変速機内の作動油の温度が所定温度よりも低い場合に変速機に対する暖機動作を行い、作動油の温度が所定温度に達すると暖機動作を終了して車両走行用の通常運転に切り替える制御を行うものである。そして、これら特許文献1,2に記載の昇温制御装置による変速機の暖機運転の具体的な動作は、エンジン回転数を通常運転時よりも上昇させることや、変速機に供給する作動油のライン圧を通常運転時よりも高くすることや、トルクコンバータのスリップ制御を行うことなどであり、これらの動作を行うことによって、変速機内の作動油の温度を早期に上昇させるものである。
しかしながら、特許文献1,2の昇温制御装置が行う上記のような暖機運転の動作は、燃費の悪化など効率の低下につながる要因となる。そのため、効率の低下につながり難い他の手法で暖機運転を行えるようにすれば、車両の燃費など効率を改善することができる。
また、車両の始動直後において、冷間時の変速機の運転を極力抑制するためには、車両が発進する前の停車状態を含む所定以下の車速状態において、エンジンの運転状態に関わらず変速機の暖機が可能となるような制御を行うことが必要である。
特開2009−47184号公報 特開2009−46990号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンなどの運転状態に関わらず変速機の効率的な暖機が可能となるような制御を行うことで、冷間時の変速機の運転を最小限に抑えることができ、かつ、燃費などの効率の改善を図ることができる変速機の暖機制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、車両に搭載され、複数の摩擦係合要素(C1〜C3,B1,B2)の係合を切り替えることで変速段を形成する多段式の変速機(10)と、前記変速機(10)内の作動油の温度(Tm)を測定する温度測定手段(25)と、前記変速機(10)の動作を制御するための制御手段(21)と、を備え、前記制御手段(21)によって、前記変速機(10)内の作動油の温度(Tm1)が所定温度(Tm0)よりも低い場合に前記変速機(10)に対する所定の暖機動作を行い、前記作動油の温度(Tm1)が所定温度(Tm0)に達すると前記暖機動作を終了して車両走行用の通常運転に切り替える制御を行う変速機(10)の暖機制御装置であって、前記制御手段(21)は、前記変速機(10)に対する暖機動作として、車両が停車状態のときに、発進用の変速段(L)を形成するための摩擦係合要素(C1)とは異なる摩擦係合要素(C2)を係合させる制御を行うことを特徴とする。
本発明にかかる変速機の暖機制御装置によれば、車両が停車状態の際に発進用の変速段を形成するための摩擦係合要素とは異なる摩擦係合要素を係合させる制御を行うことで、摩擦係合要素の差回転によって発生する摩擦熱や、発進用の変速段の形成では本来回転しない部材が回転することによって生じる部材の摩擦熱あるいは作動油の攪拌で発生する熱などで、変速機内の作動油の油温を上昇させるようにしている。これにより、エンジンの冷却水で変速機を暖機する場合と異なり、エンジンが暖まることを待たずに変速機の暖機が行えるようになる。したがって、車両及びエンジンの始動直後に変速機の暖機を開始できるので、冷間時の変速機の運転を最小限に抑えることが可能となる。また、この暖機制御装置では、変速機の暖機動作としてエンジンの回転数を通常運転時よりも上昇させたり、ライン圧を通常運転時よりも高くしたり、トルクコンバータのスリップ制御を行ったりする従来技術と比較して、燃費の悪化など効率の低下を最小限に抑えることができるので、変速機の暖機を効率良く行うことが可能となる。
また、本発明にかかる暖機制御装置では、前記制御手段(21)による制御で係合させる摩擦係合要素(C2)は、前記変速機(10)内で回転を増速して出力する増速部(4)の下流側に配置された摩擦係合要素(C2)であるとよい。この構成によれば、変速機の暖機動作において、増速部で増速された高回転の摩擦係合要素を係合させるので、大きな差回転によって多くの摩擦熱を発生させることができる。また、変速機内の部材を高速で回転させることで、作動油の攪拌による発熱効果を高めることができる。これらによって、変速機内の作動油の油温を効果的に上昇させることができる。したがって、変速機の暖機を短時間で効率的に行うことが可能となる。また、この場合、前記増速部(4)は、入力部材(Sz)に入力された回転を増速して出力部材(Rz)から出力する増速型の遊星歯車機構(4)であってよい。
また、本発明にかかる暖機制御装置では、前記制御手段(21)は、走行レンジ検出手段(28)で検出した前記変速機(10)の走行レンジ(D,N,P)と、車速検出手段(24)で検出した車速(V)と、制動装置の作動状態を検出する手段(27)で検出した制動装置の作動状態と、アクセル開度検出手段(26)で検出したアクセル開度(AP)のうち少なくとも一つの要素をパラメータとして用い、当該パラメータに基づいて前記自動変速機(10)の暖機動作を開始するとよい。これによれば、車両の運転状態によって変化するパラメータに応じて自動変速機10の暖機動作を開始できるので、自動変速機10の作動油を昇温可能な条件として、車両の運転状態に即した適切な条件を設定できる。
さらにこの場合、前記変速機(10)は、各変速段を形成するために少なくとも二つの摩擦係合要素を係合させる構造であり、前記制御手段(21)は、前記走行レンジ検出手段(28)で検出した前記変速機(10)の走行レンジ(D,N,P)が車両の発進が可能な走行レンジ(D)であって、かつ、前記車速検出手段(24)で検出した車速(V)が停車状態とみなせる車速(V=0)である場合、前記変速機(10)の暖機制御として、車両の発進時の変速段(L)で使用するいずれかの摩擦係合要素(C1)を解放し、それに代えて、車両の発進時の変速段(L)で使用しない摩擦係合要素(C2)を係合させるようにしてよい。これによれば、車両の発進時の変速段で使用しない摩擦係合要素を係合させることで、当該摩擦係合要素に差回転を生じさせ、作動油を昇温させて変速機の暖機を行う一方、暖機動作を伴う停車状態から走行状態に遷移する際には、解放していた一の摩擦係合要素を係合させることで発進用の変速段の形成が可能となる。したがって、暖機動作を伴う停車状態から走行動作への応答性を良好にすることができるので、車両の始動直後などに変速機の暖機を効果的に行いながらも、車両の発進性能を確保することが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる変速機の暖機制御装置によれば、エンジンなどの運転状態に関わらず変速機の効率的な暖機が可能となるような制御を行うことで、冷間時の変速機の運転を最小限に抑えることができ、かつ、燃費などの効率の改善を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる暖機制御装置を備えた車両駆動系の概略全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる暖機制御装置の暖機対象である自動変速機のスケルトン図である。 自動変速機の各変速段でのクラッチ及びブレーキの係合・解放状態を示す一覧表である。 自動変速機の暖機制御を行うための手順を示すフローチャートである。 自動変速機の暖機動作の手順(サブルーチン)を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる暖機制御装置を備えた車両駆動系の概略全体構成を示すブロック図である。同図に示す車両駆動系は、駆動源としてのエンジン30と、エンジン30からの駆動力を変速して出力する自動変速機(変速機)10とを備えている。自動変速機10からの出力は、ファイナルギヤ(図示せず)を介して車両の駆動輪(図示せず)に出力されるようになっている。なお、エンジン30の代わりに、モータなどを駆動源として備えてもよい。エンジン30のクランク軸(図示せず)は、トルクコンバータ(図示せず)を介して自動変速機10の入力軸2(図2参照)に連結されている。ここでの自動変速機10は、その詳細構成については後述するが、複数の摩擦係合要素と遊星歯車機構とを備えた多段式の自動変速機である。
自動変速機10には、作動油の油圧が供給されるようになっており、当該作動油の油圧で複数の摩擦係合要素の係合を切り替えることで複数の変速段を形成する。すなわち、自動変速機10に設けたコントロールバルブ(図示せず)でライン圧が調整され、この調整されたライン圧で自動変速機10の変速動作に必要な油圧制御が行われる。
また、上記の車両駆動系には、エンジン30及び自動変速機10を制御するためのコントローラ(制御手段)21が設けられている。コントローラ21は、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」と記す。)22と、変速機コントロールユニット(以下、「TCU」と記す。)23を備えている。コントローラ21には、車速Vを検出する車速センサ24からの信号と、自動変速機10内の作動油の油温Tmを検出する油温センサ25からの信号と、運転者が操作するアクセルペダル(図示せず)のアクセル開度APを検出するアクセル開度センサ26からの信号と、運転者が操作する図示しないフットブレーキ(制動機構)の作動の有無を検出するブレーキスイッチ27からの信号と、運転者のシフト操作によるシフトポジションで選択される自動変速機10の走行レンジを検出するシフトポジションセンサ28からの信号とがそれぞれ入力されるようになっている。上記の走行レンジは、車両に搭載された一般的な自動変速機の走行レンジであって、車両の発進が可能なDレンジのほか、停車用のPレンジやNレンジなどが含まれる。なお、ここでいう車両の発進が可能な走行レンジには、上記のDレンジのほか、1レンジや2レンジなどの走行レンジがある場合は、それらの走行レンジも含まれる。
コントローラ21は、上記の各種入力信号をもとに車両の現在の運転状態を判断し、当該運転状態に対応する目標駆動力を算出する。そして、この目標駆動力に対応する目標エンジントルクおよび目標変速比を算出する。この算出結果はECU22及びTCU23に入力される。ECU22は、上記の目標エンジントルクを実現するようにエンジン30の出力制御を行う。一方、TCU23は、上記の目標変速比を実現するように自動変速機10の変速制御を行う。また、コントローラ21は、車速Vに応じてトルクコンバータのロックアップクラッチの係合・解放の制御やスリップ制御を行うこともできる。以下では、これらの制御を車両走行用の通常運転制御と称す。
さらに、コントローラ21は、上記の車両走行用の通常運転制御のほか、自動変速機10内の作動油の温度が所定温度より低い場合、自動変速機10の暖機制御を行うことができる。したがって、コントローラ21は、暖機制御装置1において自動変速機10の暖機制御を行うための制御手段として機能する。
ここで、暖機制御装置1の暖機対象である自動変速機10の構成を詳細に説明する。図2は、自動変速機10のスケルトン図である。なお、図2では、自動変速機10の上半分のみを図示している。同図に示す自動変速機10は、エンジン30からの駆動力が入力される入力軸2と、入力軸2と同心上に配置された出力ギヤ3とを備えている。また、自動変速機10には、入力用の単式プラネタリギヤ8と変速用の複式プラネタリギヤ9とが設けられている。
単式プラネタリギヤ8は、サンギヤSzと、リングギヤRzと、サンギヤSz及びリングギヤRzに噛合するピニオンPzを自転及び公転自在に軸支するキャリアCzとからなるシングルピニオン型のプラネタリギヤ(遊星歯車機構)で構成されている。単式プラネタリギヤ8のキャリアCzは、入力軸2に連結され、サンギヤSzは、自動変速機10のケース10aに固定されている。従って、単式プラネタリギヤ8のキャリアCzは入力要素であり、サンギヤSzは固定要素であり、リングギヤRzは出力要素である。
ここで、単式プラネタリギヤ8のギヤ比(リングギヤRzの歯数/サンギヤSzの歯数)をiとした場合、キャリアCzの回転速度が入力軸2の回転速度と等速度である「1」、サンギヤSzの回転速度が「0」となり、リングギヤRzの回転速度N1は、(i+1)/iとなる。これにより、キャリアCzへの入力回転が増速されてリングギヤRzから出力される。したがって、単式プラネタリギヤ8は、自動変速機10内の増速部として機能する。
複式プラネタリギヤ9は、第1サンギヤSSと、第2サンギヤSLと、リングギヤRrと、互いに噛合すると共に一方が第1サンギヤSSに噛合し、他方が第2サンギヤSL及びリングギヤRrに噛合する一対のピニオンPS,PLと、これら一対のピニオンPS,PLを自転及び公転自在に軸支するキャリアCrとからなるラビニヨ型のプラネタリギヤ(遊星歯車機構)で構成されている。第1サンギヤSSは、入力軸2に回転自在に軸支される第1中空軸6に連結されている。第2サンギヤSLは、第1中空軸6に回転自在に軸支される第2中空軸7に連結されている。
また、この自動変速機10は、摩擦係合要素として、第1サンギヤSSと入力軸2とを第1中空軸6を介して係脱可能に連結する第1クラッチC1と、キャリアCrと単式プラネタリギヤ8のリングギヤRzとを係脱可能に連結する第2クラッチC2と、第2サンギヤSLと入力軸2とを第2中空軸7を介して係脱可能に連結する第3クラッチC3と、第2サンギヤSLをケース10aに対して係脱可能に固定する第1ブレーキB1と、キャリアCrをケース10aに対して係脱可能に固定する第2ブレーキB2とを備えている。
図3は、自動変速機10の各変速段における第1乃至第3クラッチC1〜C3及び第1、第2ブレーキB1,B2の係合・解放状態を示す一覧表であり、表中の「●」印は、係合状態を示している。本実施形態の自動変速機10では、摩擦係合要素である第1乃至第3クラッチC1〜C3及び第1、第2ブレーキB1,B2のうちいずれか2つを選択的に係合させることで、前進6速段・後進1速段の変速段を形成することができる。すなわち、第1クラッチC1と第2ブレーキB2を係合させると1速段が形成され、第1クラッチC1と第1ブレーキB1を係合させると2速段が形成され、第1クラッチC1と第3クラッチC3を係合させると3速段が形成され、第1クラッチC1と第2クラッチC2を係合させると4速段が形成され、第2クラッチC2と第3クラッチC3を係合させると5速段が形成され、第3クラッチC3と第1ブレーキB1を係合させると6速段が形成される。また、第3クラッチC3と第2ブレーキB2を係合させると後進段が形成される。
ここで、運転者によるシフトレバー操作で設定される自動変速機10の走行レンジ(D,N,Pレンジ)と、第1乃至第3クラッチC1〜C3及び第1、第2ブレーキB1,B2の係合状態との関係について説明する。本実施形態の自動変速機10では、後述する暖機制御が行われていない場合、車両が停車状態で、かつ、走行レンジがDレンジのときは、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が係合していることで、発進用の変速段である1速段が準備されている。なお、このときは、1速段形成用の第1クラッチC1及び第2ブレーキB2が係合しているため、自動変速機10内で入力軸2から出力ギヤ3へ駆動力が伝達される状態になっているが、フットブレーキが作動していることで、トルクコンバータをストール状態にして車両を強制的に停車させている。
また、本実施形態の自動変速機10では、後述する暖機制御が行われていない場合、車両が停車状態で、かつ、走行レンジがPレンジ又はNレンジのときは、第1乃至第3クラッチC1〜C3及び第1、第2ブレーキB1,B2のいずれも係合しておらず、自動変速機10内のすべての摩擦係合要素が解放状態になっている。
次に、暖機制御装置1による自動変速機10の暖機制御の手順について説明する。図4は、自動変速機10の暖機制御を行うための手順を示すフローチャートである。自動変速機10の暖機制御を行うためには、コントローラ21は、油温センサ25からの信号に基づいて自動変速機10内の現在の作動油温Tm1を検出する。そして、当該作動油温Tm1が暖機運転のON/OFFを切り替えるための閾値である作動油温Tm0以下、すなわちTm1≦Tm0であるか否かを判断する(ステップST1)。その結果、作動油温Tm1が閾値温度Tm0以下でない場合、すなわちTm1>Tm0の場合(NO)は、自動変速機の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う(ステップST2)。その一方で、作動油温Tm1が閾値温度Tm0以下、すなわちTm1≦Tm0の場合(ステップST1でYES)は、続けて、シフトポジションセンサ28からの信号を検出することで、走行レンジがPレンジであるか否かを判断する(ステップST3)。その結果、走行レンジがPレンジであれば(YES)、直ちに自動変速機10の暖機制御を行う(ステップST4)。自動変速機10の暖機制御の具体的な内容については後述する。一方、走行レンジがPレンジで無ければ(ステップST3でNO)、走行レンジがDレンジとNレンジのいずれかである否かを判断する(ステップST5)。その結果、走行レンジがDレンジとNレンジのいずれでも無ければ(NO)、自動変速機10の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う(ステップST2)。一方、走行レンジがDレンジ又はNレンジであれば(ステップST5でYES)、続けて、車速センサ24からの信号を検出して、車速V=0(停車状態)であるか否かの判断を行う(ステップST6)。その結果、車速V=0(停車状態)で無ければ(NO)、自動変速機10の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う(ステップST2)。一方、車速V=0(停車状態)であれば(ステップST6でYES)、続けて、ブレーキスイッチ27からの信号を検出して、フットブレーキがONであるか否かの判断を行う(ステップST7)。その結果、フットブレーキがONで無ければ(NO)、自動変速機10の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う(ステップST2)。一方、フットブレーキがONであれば(ステップST7でYES)、続けて、アクセル開度センサ26からの信号を検出してアクセルOFFであるか否かの判断を行う(ステップST8)。その結果、アクセルOFFで無ければ(NO)、自動変速機10の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う(ステップST2)。一方、アクセルOFFであれば(ステップST8でYES)、自動変速機10の暖機制御を行う(ステップST4)。
以上の手順をまとめると、コントローラ21は、現在の作動油温Tm1が暖機運転のON/OFFを切り替えるための閾値温度である作動油温Tm0以下であり、かつ、自動変速機10の走行レンジがPレンジであれば、自動変速機10の暖機制御を行う。あるいは、現在の作動油温Tm1が作動油温Tm0以下であり、かつ、走行レンジがDレンジ又はNレンジで、車速V=0(停車状態)で、フットブレーキONで、アクセルOFFである場合には、自動変速機10の暖機制御を行う。その一方で、上記の各要素の条件のうちいずれか1つでも当てはまらないものがある場合には、自動変速機10の暖機制御を行わずに車両走行用の通常運転制御を行う。
図5は、暖機制御の手順(サブルーチン)を示すフローチャートである。上記のように、自動変速機10の暖機制御は、走行レンジがPである場合(先のステップST3でYES)、又は走行レンジがDレンジ又はNレンジであって車両が停車している場合(先のステップST6でYES)に行われる。この場合、自動変速機10の走行レンジがDレンジの場合と、Pレンジ又はNレンジの場合とで動作が異なるため、まず、走行レンジがDレンジであるか否かを判断する(ステップST4−1)。その結果、走行レンジがDレンジであれば、1速段(L)形成用の第1クラッチC1を解放し、その代わりに高速段用の第2クラッチC2を係合する(ステップST4−2)。一方、自動変速機10の走行レンジがPレンジ又はNレンジであれば、すべての摩擦係合要素が解放されている状態から第2クラッチC2を係合する(ステップST4−3)。このように、エンジン30のアイドリング中などに車両が停車している状態で、自動変速機10内の高速段用の第2クラッチC2を係合して内部の部材に差回転を生じさせることで、作動油を昇温させるようになっている。
すなわち、自動変速機10の暖機制御を行わない場合は、エンジン30のアイドリング中に車両が停車している状態で、1速段(L)形成用の第1クラッチC1を係合して待機している。これに対して、暖機制御装置1で自動変速機10の暖機が必要と判断する場合には、自動変速機10の暖機動作として、第1クラッチC1に代えて高速段用の第2クラッチC2を係合して待機する。このような暖機用の制御を行うことで、エンジン30のアイドリング中に、第2クラッチC2に差回転による摩擦熱が発生する。また、本来の1速段の形成では回転しない部材が高速で回転するようになるため、作動油が攪拌されて熱が発生する。これらによって、作動油の温度を上昇させて自動変速機10の暖機を行うことができる。また、自動変速機10内の作動油に発生するフリクションが増加することで、エンジン30の引き摺り要素が増えるため、アイドリング中のエンジン30の回転数を低く抑えることができ、不快な振動の低減も期待できる。このような暖機制御を行うことによって、車両の始動直後に自動変速機10の暖機を早期に行えるので、車両の燃費を改善することができる。そして、車両の発進時には、第2クラッチC2を解放して代わりに第1クラッチC1を係合することで1速段を形成する。
以上説明したように、本実施形態の暖機制御装置1では、車両が停車状態の際に、発進用の変速段である1速段(L)を形成するための第1クラッチC1とは異なる第2クラッチC2を係合させる制御を行うことで、第2クラッチC2の差回転による摩擦熱や、第2クラッチC2の係合で高速回転する部材による作動油の攪拌などで、自動変速機10内の作動油を昇温させるようにしている。これにより、従来のように、エンジンの冷却水で自動変速機を暖機する場合と異なり、エンジンが暖まることを待たずに自動変速機の暖機が行えるようになる。したがって、エンジン30の始動直後に自動変速機10の暖機を開始できるので、冷間時の自動変速機10の運転を最小限に抑えることが可能となる。また、この暖機制御装置1では、自動変速機の暖機動作としてエンジンの回転数を通常運転時よりも上昇させたり、ライン圧を通常運転時よりも高くしたり、トルクコンバータのスリップ制御を行ったりする従来技術と比較して、燃費の悪化など効率の低下を最小限に抑えることができるので、自動変速機10の暖機を効率良く行うことが可能となる。
また、この暖機制御装置1では、自動変速機10の暖機制御で係合させる摩擦係合要素は、自動変速機1内の増速部である単式プラネタリギヤ8の下流側に配置された第2クラッチC2である。この構成によれば、自動変速機10の暖機動作において、単式プラネタリギヤ8で増速された第2クラッチC2を係合させるので、より大きな差回転によって多くの摩擦熱を発生させることができ、自動変速機10内の作動油の油温を効果的に上昇させることができる。また、自動変速機10内の部材を高速で回転させることで、作動油の攪拌による発熱効果を高めることができる。したがって、自動変速機10の暖機を短時間で効率的に行うことが可能となる。
また、この暖機制御装置1では、コントローラ21は、シフトポジションセンサ28で検出した自動変速機10の走行レンジと、車速センサ24で検出した車速Vと、ブレーキスイッチ27で検出したフットブレーキの作動状態と、アクセル開度センサ26で検出したアクセルベダル開度APの各要素をパラメータとして用い、当該パラメータに基づいて自動変速機10の暖機動作を開始するようにしている。これによれば、車両の運転状態を示すパラメータに応じて自動変速機10の暖機動作を開始できるので、自動変速機10の作動油を昇温可能な条件として、車両の運転状態に即した適切な条件を設定できる。
また、本実施形態では、自動変速機10は、単式プラネタリギヤ8と複式プラネタリギヤ9とを備えた多段式の自動変速機10であって、各変速段を形成するために二つの摩擦係合要素を同時に係合させる構造である。そして、コントローラ21は、シフトポジションセンサ28で検出した自動変速機10の走行レンジがDレンジ(車両の発進が可能なレンジ)であって、かつ、車速センサ24で検出した車速V=0(停車状態とみなせる車速以下)の場合、自動変速機10の暖機制御として、発進用の1速段(L)で使用する第1クラッチC1を解放し、1速段(L)で使用しない第2クラッチC2を係合させるようになっている。これによれば、第1クラッチC1を解放して第2クラッチC2を係合することで、第2クラッチC2に大きな差回転を生じさせ、自動変速機10内の作動油を昇温させて暖機を行う一方、暖機動作を伴う停車状態から走行状態に遷移する際には、第2クラッチC2に代えて第1クラッチC1を係合するだけで1速段の形成が可能となる。したがって、暖機動作を伴う停車状態から走行動作への応答性を良好にすることができるので、エンジン30の始動直後などに自動変速機10の暖機を効果的に行いながらも、車両の発進性能を確保することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で示す変速機の具体的な構成は一例であり、本発明にかかる暖機制御装置の制御対象である変速機は、複数の摩擦係合要素の係合・開放を切り替えて変速段を形成する多段式の変速機であれば、上記実施形態に示す自動変速機10以外の構成の変速機であってもよい。
また、本発明にかかる車両の発進が可能な走行レンジとは、上記実施形態に示すDレンジのみではなく、他にも1レンジや2レンジなど発進が可能な走行レンジが設定されている場合は、当該走行レンジであってもよい。また、本発明にかかる車両発進用の変速段は、上記実施形態に示す1速段(L)には限らず、実際に車両の発進が可能な変速段であれば、2速段など他の変速段とすることも可能である。また、変速機の暖機制御を開始するためのパラメータは、上記実施形態に示す複数のパラメータのうちいずれかのみであってもよく、必ずしもすべてのパラメータを用いていなくてもよい。
1 暖機制御装置
2 入力軸
3 出力ギヤ
6 中空軸
7 中空軸
8 単式プラネタリギヤ(遊星歯車機構:増速部)
9 複式プラネタリギヤ(遊星歯車機構)
10 自動変速機(変速機)
10a ケース
21 コントローラ(制御手段)
22 ECU(エンジンコントロールユニット)
23 TCU(変速機コントロールユニット)
24 車速センサ(車速検出手段)
25 油温センサ(温度検出手段)
26 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
27 ブレーキスイッチ(制動装置の作動状態を検出する手段)
28 シフトポジションセンサ(走行レンジ検出手段)
30 エンジン
C1 第1クラッチ(摩擦係合要素)
C2 第2クラッチ(摩擦係合要素)
C3 第3クラッチ(摩擦係合要素)
B1 第1ブレーキ(摩擦係合要素)
B2 第2ブレーキ(摩擦係合要素)

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、複数の摩擦係合要素の係合を切り替えることによって変速段を形成する多段式の変速機と、
    前記変速機内の作動油の温度を測定する温度測定手段と、
    前記変速機の動作を制御するための制御手段と、を備え、
    前記制御手段によって、前記変速機内の作動油の温度が所定温度よりも低い場合に前記変速機に対する所定の暖機動作を行い、前記作動油の温度が所定温度に達すると前記暖機動作を終了して車両走行用の通常運転に切り替える制御を行う変速機の暖機制御装置であって、
    前記制御手段は、前記変速機に対する暖機動作として、車両が停車状態のときに、発進用の変速段を形成するための摩擦係合要素とは異なる摩擦係合要素を係合させる制御を行う
    ことを特徴とする変速機の暖機制御装置。
  2. 前記制御手段による制御で係合させる摩擦係合要素は、前記変速機内で回転を増速して出力する増速部の下流側に配置された摩擦係合要素である
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の暖機制御装置。
  3. 前記増速部は、入力部材に入力された回転を増速して出力部材から出力する増速型の遊星歯車機構である
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機の暖機制御装置。
  4. 前記変速機は、二以上の摩擦係合要素と一又は複数の遊星歯車機構とを備えた多段式の自動変速機であり、
    前記制御手段は、走行レンジ検出手段で検出した前記変速機の走行レンジと、車速検出手段で検出した車速と、制動装置の作動状態を検出する手段で検出した制動装置の作動状態と、アクセル開度検出手段で検出したアクセル開度のうち少なくとも一つの要素をパラメータとして用い、当該パラメータに基づいて前記自動変速機の暖機制御を開始する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変速機の暖機制御装置。
  5. 前記変速機は、各変速段を形成するために少なくとも二つの摩擦係合要素を係合させる構造であり、
    前記制御手段は、前記走行レンジ検出手段で検出した前記変速機の走行レンジが車両の発進が可能な走行レンジであって、かつ、前記車速検出手段で検出した車速が停車状態とみなせる車速である場合、前記変速機の暖機制御として、車両の発進時の変速段で使用するいずれかの摩擦係合要素を解放し、それに代えて、車両の発進時の変速段で使用しない摩擦係合要素を係合させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の変速機の暖機制御装置。
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