JP2015175401A - 自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】切換機構を迅速に切り換えることができると共に、係合機構の過度の発熱を抑制することができる自動変速機を提供する。
【解決手段】制御部は、車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転は阻止されるように係合機構を制御するインターロック係合を実行する。制御部は、滑らせる第3クラッチの発熱量が所定値以上である場合には、第3クラッチを完全締結させ、第3ブレーキを滑らせる(ステップ24)。
【選択図】図9

Description

本発明は、入力部の回転を複数の遊星歯車機構を介して複数段に変速して出力部から出力する自動変速機に関する。
従来、4つの遊星歯車機構とクラッチやブレーキからなる6つの係合機構とを用いて前進8段、後進1段の変速を行えるように構成された自動変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の自動変速機は、筐体内に回転自在に軸支した入力軸と、入力軸と同心に配置された出力ギヤからなる出力部とを備えている。出力部の回転は、ディファレンシャルギヤ又はプロペラシャフトを介して車両の左右の駆動輪に伝達される。
筐体内には、第1〜第4の4つの遊星歯車機構が入力軸と同心に配置されている。第1遊星歯車機構は、第1サンギヤと、第1リングギヤと、第1サンギヤと第1リングギヤとに噛合する第1ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第1キャリアとの3つの要素からなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構(キャリアを固定してサンギヤを回転させると、リングギヤがサンギヤと異なる方向に回転するため、マイナス遊星歯車機構又はネガティブ遊星歯車機構ともいう。なお、リングギヤを固定してサンギヤを回転させると、キャリアがサンギヤと同一方向に回転する。)で構成されている。
第1遊星歯車機構の3つの要素を、第1遊星歯車機構の共線図(サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの要素の相対回転速度の比を直線(速度線)で表すことができる図)の並び順に一方から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素は第1サンギヤ、第2要素は第1キャリア、第3要素は第1リングギヤになる。
第2遊星歯車機構も、第2サンギヤと、第2リングギヤと、第2サンギヤ及び第2リングギヤに噛合する第2ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第2キャリアとの3つの要素からなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。第2遊星歯車機構の3つの要素を、第2遊星歯車機構の共線図の並び順に一方から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素は第2リングギヤ、第5要素は第2キャリア、第6要素は第2サンギヤになる。
第3遊星歯車機構も、第3サンギヤと、第3リングギヤと、第3サンギヤ及び第3リングギヤに噛合する第3ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第3キャリアとの3つの要素からなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。第3遊星歯車機構の3つの要素を、第3遊星歯車機構の共線図の並び順に一方から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素は第3サンギヤ、第8要素は第3キャリア、第9要素は第3リングギヤになる。
第4遊星歯車機構も、第4サンギヤと、第4リングギヤと、第4サンギヤ及び第4リングギヤに噛合する第4ピニオンを自転及び公転自在に軸支する第4キャリアとの3つの要素からなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。第4遊星歯車機構の3つの要素を、第4遊星歯車機構の共線図の並び順に一方から夫々第10要素、第11要素及び第12要素とすると、第10要素は第4リングギヤ、第11要素は第4キャリア、第12要素は第4サンギヤになる。
第1遊星歯車機構の第1サンギヤ(第1要素)は、入力軸に連結されている。また、第4遊星歯車機構の第4リングギヤ(第10要素)は、出力部に連結されている。
また、第1遊星歯車機構の第1キャリア(第2要素)と第2遊星歯車機構の第2キャリア(第5要素)と第3遊星歯車機構の第3リングギヤ(第9要素)とが連結されて、第1連結体(第2要素、第5要素、第9要素)が構成されている。また、第1遊星歯車機構の第1リングギヤ(第3要素)と第4遊星歯車機構の第4サンギヤ(第12要素)とが連結されて、第2連結体(第3要素、第12要素)が構成されている。また、第3遊星歯車機構の第3キャリア(第8要素)と第4遊星歯車機構の第4キャリア(第11要素)とが連結されて、第3連結体(第8要素、第11要素)が構成されている。
また、特許文献1の自動変速機は、第1から第3の3つのクラッチと、第1から第3の3つのブレーキとからなる合計6つの係合機構を備える。
第1クラッチは、湿式多板クラッチであり、第1遊星歯車機構の第1サンギヤ(第1要素)と第3連結体(第8要素、第11要素)を連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第2クラッチは、湿式多板クラッチであり、第1遊星歯車機構の第1サンギヤ(第1要素)と第2遊星歯車機構の第2リングギヤ(第4要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第3クラッチは、湿式多板クラッチであり、第2遊星歯車機構の第2サンギヤ(第6要素)と第2連結体(第3要素、第12要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第1ブレーキは、湿式多板ブレーキであり、第3連結体(第8要素、第11要素)を筐体に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第2ブレーキは、湿式多板ブレーキであり、第3遊星歯車機構の第3サンギヤ(第7要素)を筐体に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第3ブレーキは、湿式多板ブレーキであり、第2遊星歯車機構の第2サンギヤ(第6要素)を筐体に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
特許文献1の自動変速機では、第1ブレーキ、第2ブレーキ、及び第3ブレーキを固定状態とすることで、前進1速段が確立される。第2ブレーキ、及び第3ブレーキを固定状態とし、第3クラッチを連結状態とすることで、前進2速段が確立される。第2ブレーキ、及び第3ブレーキを固定状態とし、第2クラッチを連結状態とすることで、前進3速段が確立される。第2ブレーキを固定状態とし、第2クラッチ及び第3クラッチを連結状態とすることで、前進4速段が確立される。
第2ブレーキを固定状態とし、第1クラッチ及び第2クラッチを連結状態とすることで、前進5速段が確立される。第1から第3の3つのクラッチを連結状態とすることで、前進6速段が確立される。第3ブレーキを固定状態とし、第1クラッチ及び第2クラッチを連結状態とすることで、前進7速段が確立される。第3ブレーキを固定状態とし、第1クラッチ及び第3クラッチを連結状態とすることで、前進8速段が確立される。第1ブレーキ、及び第3ブレーキを固定状態とし、第2クラッチを連結状態とすることで、後進段が確立される。
特開2012−97864号公報
従来の自動変速機では、第1ブレーキを切換機構としてのツーウェイクラッチで構成することが考えられる。このツーウェイクラッチからなる切換機構は、例えば、第3連結体(第8要素、第11要素)の正転(入力軸の回転方向と同一方向への回転)を許容し、逆転(入力軸の回転方向とは逆方向の回転)阻止する逆転阻止状態と、第3連結体(第8要素、第11要素)を筐体に固定する固定状態とに切換自在に構成することができる。
このような切換機構で第1ブレーキを構成した場合、車両が前進しているときは切換機構を逆転阻止状態とし、車両が後進しているときは切換機構を固定状態とする。そして、運転者のシフト操作によって、シフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたとき、切換機構は、固定状態から逆転阻止状態に切り換えられる。反対に、運転者のシフト操作によって、シフトポジションが前進レンジから後進レンジに切り換えられたとき、切換機構は、逆転阻止状態から固定状態に切り換えられる。
ところで、例えば、車両が後進走行中にシフトポジションが前進レンジに切り換えられた場合などでは、前進段を確立すべく切換機構を固定状態から逆転阻止状態に切り換える必要がある。しかしながら、切換機構が作用する要素が比較的早く回転している状態のままでは、切換機構が状態を適切に切り換えることができない虞がある。
本発明は、以上の点に鑑み、切換機構を迅速に切り換えることができる自動変速機を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明の第1態様は、筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
出力部と、
シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
前記制御部は、
シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を他の前記インターロック係合状態で締結させる係合機構に置き換えることを特徴とする。
本発明の自動変速機によれば、後進走行中に後進レンジから前進レンジに切り換えられ、車速が第1所定速度以上であるときには、出力部の回転は阻止されるように、係合機構を制御する。この状態をインターロック係合状態と定義する。これにより、出力部の回転が低下し、切換機構を早期に切り換えることができる。
また、本発明では、インターロック係合状態のときに、滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を他の前記インターロック係合状態で締結させる係合機構に置き換える。これにより、滑らせる係合機構が発熱によって異常をきたす前に、発熱を抑えることができ、係合機構を保護することができる。
[2]また、本発明の第2態様は、筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
出力部と、
シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
前記制御部は、
シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を解放するとともに、前記出力部が自由に回転可能なニュートラル状態とすることを特徴とする。
本発明の第2態様によっても、滑らせる係合機構が発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構が異常をきたす前に、ニュートラル状態とすることで、滑らせる係合機構の発熱を抑えることができ、係合機構を保護することができる。
また、滑らせる係合機構が発熱量が所定値未満であるときには、インターロック係合状態により、出力部の回転が低下する。このため、切換機構が切換可能な回転速度まで、出力部の回転速度が従来よりも早く低下し、切換機構を迅速に切り換えることができる。
[3]また、本発明の第3態様は、筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
出力部と、
シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
前記制御部は、
シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を解放するとともに、前記インターロック係合状態のときに締結される係合機構を除く、他の係合機構を締結させることにより、前記入力部を自由に回転できるようにするとともに、前記出力部の回転を阻止する第2インターロック係合状態とされることを特徴とする。
本発明の第3態様によっても、滑らせる係合機構が発熱によって異常をきたす前に、発熱を抑えることができ、滑らせる係合機構を過度の発熱から保護することができる。
[4]また、本発明においては、インターロック係合状態から前進段インギヤ状態に移行したときに、滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を締結させる変速段のみを選択して走行させることができる。
かかる構成によれば、アイドルニュートラル係合状態のときに滑らせていた係合機構が前進段で走行中のときには常に締結されて滑らない状態が維持できる。このため、更なる発熱を抑えて、係合機構が十分放熱されるまで待つことができる。
[5]また、本発明においては、インターロック係合状態から前進段インギヤ状態に移行したときに、滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を解放させる変速段のみを選択して走行させることができる。
かかる構成によれば、アイドルニュートラル係合状態のときに滑らせていた係合機構が前進段で走行中のときには常に解放されて滑らない状態が維持できる。このため、更なる発熱を抑えて、係合機構が十分放熱されるまで待つことができる。
[6]また、本発明においては、インターロック係合状態であって、車両の走行速度が規定速度以下のときには、インターロック係合状態のときに締結される係合機構を全て完全締結させるように構成してもよい。
車両の駆動輪の回転速度を0とし駆動輪をロックさせても安全性に何ら問題がない程度に十分遅い速度(規定速度)まで低下している場合には、全ての係合機構を完全締結させることにより、迅速に出力部の回転速度を「0」まで低下させることができ、切換機構の切り換えを迅速に行うことができる。
本発明の自動変速機の実施形態を模式的に示す説明図。 本実施形態の自動変速機を示すスケルトン図。 本実施形態の遊星歯車機構の共線図。 本実施形態の自動変速機の各変速段における係合機構の状態を示す説明図。 本実施形態のツーウェイクラッチを示す説明図。 本実施形態の制御部の処理を示すフローチャート。 第1ブレーキが固定状態である場合の本実施形態の自動変速機の状態の遷移を示す説明図。 第1ブレーキが逆転阻止状態である場合の本実施形態の自動変速機の状態の遷移を示す説明図。 本実施形態の制御部の処理の第1実施例を示す説明図。 本実施形態の制御部の処理の第2実施例を示す説明図。 本実施形態の制御部の処理の第3実施例を示す説明図。 本実施形態の前進段に移行した後の制御部の処理を示す説明図。 本実施形態の限定的変速制御中における各変速段の係合機構の状態を示す説明図。
図1及び図2は、本発明の自動変速機TMの実施形態を示している。自動変速機TMは、筐体1内に回転自在に軸支した、内燃機関(エンジン)等の駆動源ENGが出力する駆動力がロックアップクラッチLC及びダンパDAを有するトルクコンバータTCを介して伝達される入力部としての入力軸2と、入力軸2と同心に配置された出力ギヤからなる出力部3とを備えている。
出力部3の回転は、図外のデファレンシャルギヤ、またはプロペラシャフトを介して車両の左右の駆動輪に伝達される。尚、トルクコンバータTCに代えて、摩擦係合自在に構成される単板型、または多板型の発進クラッチを設けてもよい。
筐体1内には、第1〜第4の4つの遊星歯車機構PGS1〜4が入力軸2と同心に配置されている。第1遊星歯車機構PGS1は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSaとリングギヤRaとに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構(キャリアを固定してサンギヤを回転させると、リングギヤがサンギヤと異なる方向に回転するため、マイナス遊星歯車機構、またはネガティブ遊星歯車機構ともいう。尚、リングギヤを固定してサンギヤを回転させると、キャリアがサンギヤと同一方向に回転する。)で構成されている。
図3に第1から第4の4つの遊星歯車機構PGS1〜PGS4の共線図を示す。本明細書において、共線図は、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの要素の相対回転速度の比を直線(速度線)で表すことができる図と定義する。共線図において、3つの要素は、ギヤ比(リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)に対応する間隔で並ぶ。
図3の上から2段目に示す第1遊星歯車機構PGS1の共線図を参照して、第1遊星歯車機構PGS1の3つの要素Sa,Ca,Raを、共線図の並び順に左側から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素はサンギヤSa、第2要素はキャリアCa、第3要素はリングギヤRaになる。
ここで、サンギヤSaとキャリアCa間の間隔とキャリアCaとリングギヤRa間の間隔との比は、第1遊星歯車機構PGS1のギヤ比をhとして、h:1に設定される。尚、共線図において、下の横線と上の横線(4th及び6thと重なる線)は夫々回転速度が「0」と「1」(入力軸2と同じ回転速度)であることを示している。
第2遊星歯車機構PGS2も、サンギヤSbと、リングギヤRbと、サンギヤSb及びリングギヤRbに噛合するピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するキャリアCbとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図3の上から1段目(最上段)に示す第2遊星歯車機構PGS2の共線図を参照して、第2遊星歯車機構PGS2の3つの要素Sb,Cb,Rbを、共線図の並び順に左側から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素はリングギヤRb、第5要素はキャリアCb、第6要素はサンギヤSbになる。サンギヤSbとキャリアCb間の間隔とキャリアCbとリングギヤRb間の間隔との比は、第2遊星歯車機構PGS2のギヤ比をiとして、i:1に設定される。
第3遊星歯車機構PGS3も、サンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤSc及びリングギヤRcに噛合するピニオンPcを自転及び公転自在に軸支するキャリアCcとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図3の上から3段目に示す第3遊星歯車機構PGS3の共線図を参照して、第3遊星歯車機構PGS3の3つの要素Sc,Cc,Rcを、共線図の並び順に左側から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素はサンギヤSc、第8要素はキャリアCc、第9要素はリングギヤRcになる。サンギヤScとキャリアCc間の間隔とキャリアCcとリングギヤRc間の間隔との比は、第3遊星歯車機構PGS3のギヤ比をjとして、j:1に設定される。
第4遊星歯車機構PGS4も、サンギヤSdと、リングギヤRdと、サンギヤSd及びリングギヤRdに噛合するピニオンPdを自転及び公転自在に軸支するキャリアCdとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図3の上から4段目(最下段)に示す第4遊星歯車機構PGS4の共線図を参照して、第4遊星歯車機構PGS4の3つの要素Sd,Cd,Rdを、共線図の並び順に左側から夫々第10要素、第11要素及び第12要素とすると、第10要素はリングギヤRd、第11要素はキャリアCd、第12要素はサンギヤSdになる。サンギヤSdとキャリアCd間の間隔とキャリアCdとリングギヤRd間の間隔との比は、第4遊星歯車機構PGS4のギヤ比をkとして、k:1に設定される。
第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)は、入力軸2に連結されている。また、第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)は、出力ギヤからなる出力部3に連結されている。
また、第1遊星歯車機構PGS1のキャリアCa(第2要素)と第2遊星歯車機構PGS2のキャリアCb(第5要素)と第3遊星歯車機構PGS3のリングギヤRc(第9要素)とが連結されて、第1連結体Ca−Cb−Rcが構成されている。また、第1遊星歯車機構PGS1のリングギヤRa(第3要素)と第4遊星歯車機構PGS4のサンギヤSd(第12要素)とが連結されて、第2連結体Ra−Sdが構成されている。また、第3遊星歯車機構PGS3のキャリアCc(第8要素)と第4遊星歯車機構PGS4のキャリアCd(第11要素)とが連結されて、第3連結体Cc−Cdが構成されている。
また、本実施形態の自動変速機TMは、第1ブレーキB1からなる1つの切換機構と、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3、及び第2から第4の3つのブレーキB2〜B4とからなる6つの係合機構とを備える。第1クラッチC1は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)と第3連結体Cc−Cdとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第2クラッチC2は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)と第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第3クラッチC3は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)と第2連結体Ra−Sdとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第1ブレーキB1は、2ウェイクラッチであり、第3連結体Cc−Cdの正転(入力軸2の回転方向と同一方向への回転)を許容し、逆転を阻止する逆転阻止状態と、第3連結体Cc−Cdを筐体1に固定して、第3連結体Cc−Cdの回転を阻止する固定状態とに切換自在に構成されている。第2ブレーキB2は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)を筐体1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第3ブレーキB3は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)を筐体1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第4ブレーキB4は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)を筐体1に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
各クラッチC1〜C3及び各ブレーキB1〜B4は、トランスミッション・コントロール・ユニットからなる制御部ECU(図1参照)により、車両の走行速度等の車両情報に基づいて、状態が切り換えられる。
入力軸2の軸線上には、駆動源ENG及びトルクコンバータTC側から、第1クラッチC1、第3遊星歯車機構PGS3、第4遊星歯車機構PGS4、第1遊星歯車機構PGS1、第3クラッチC3、第2遊星歯車機構PGS2、第1クラッチC1の順番で配置されている。
そして、第4ブレーキB4が第2遊星歯車機構PGS2の径方向外方に配置され、第3ブレーキB3が第3クラッチC3の径方向外方に配置され、第1ブレーキB1は第3遊星歯車機構PGS3の径方向外方に配置され、第2ブレーキB2は第1クラッチC1の径方向外方に配置されている。このように、4つのブレーキB1〜B4を遊星歯車機構、またはクラッチの径方向外方に配置することにより、ブレーキB1〜B4を遊星歯車機構及びクラッチと共に入力軸2の軸線上に並べて配置した場合に比べて、自動変速機TMの軸長の短縮化を図ることができる。尚、第4ブレーキB4を第2クラッチC2の径方向外方に配置し、第3ブレーキB3を第2遊星歯車機構PGS2の径方向外方に配置してもよい。
次に、図3及び図4を参照して、実施形態の自動変速機TMの各変速段を確立させる場合を説明する。
1速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態(図4の「R」)とし、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの逆転が阻止される。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)の回転速度が「0」になる。そして、第3連結体Cc−Cdの回転速度も「0」になる。
これにより、第3遊星歯車機構PGS3の第7から第9の3つの要素Sc,Cc,Rcが相対回転不能なロック状態となり、第3遊星歯車機構PGS3のリングギヤRc(第9要素)を含む第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度も「0」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図4に示す「1st」となり、1速段が確立される。
尚、1速段を確立させるためには第3ブレーキB3を固定状態とする必要はないが、1速段から後述する2速段へスムーズに変速できるように1速段で固定状態とさせている。また、1速段でエンジンブレーキを効かせる場合には、2ウェイクラッチからなる第1ブレーキB1を固定状態(図4の「L」)に切り換えればよい。
2速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態(図4の「R」)とし、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態とし、第3クラッチC3を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)の回転速度が「0」になる。また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」になる。
また、第3クラッチC3を連結状態とするで、第2連結体Ra−Sdの回転速度が、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度と同一速度の「0」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「2nd」となり、2速段が確立される。
3速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態とし、第2クラッチC2を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)の回転速度が「0」になる。また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」になる。
また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)の回転速度が、入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」、リングギヤRb(第4要素)の回転速度が「1」となるため、キャリアCb(第5要素)の回転速度、即ち第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度は、i/(i+1)となる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「3rd」となり、3速段が確立される。
4速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)の回転速度が「0」になる。
また、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)と第2連結体Ra−Sdとが同一速度で回転する。これにより、第1遊星歯車機構PGS1と第2遊星歯車機構PGS2との間では、キャリアCa(第2要素)とキャリアCb(第5要素)とが連結され、リングギヤRa(第3要素)とサンギヤSb(第6要素)とが連結されることとなり、第3クラッチC3を連結状態とする4速段においては、第1遊星歯車機構PGS1と第2遊星歯車機構PGS2とで4つの回転要素からなる1つの共線図を描くことができる。
そして、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)の回転速度が、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となり、第1遊星歯車機構PGS1と第2遊星歯車機構PGS2とで構成される4つの回転要素のうちの2つの回転要素の回転速度が同一速度の「1」となる。
従って、第1遊星歯車機構PGS1及び第2遊星歯車機構PGS2の各要素が相対回転不能なロック状態となり、第1遊星歯車機構PGS1及び第2遊星歯車機構PGS2の全ての要素の回転速度が「1」となる。そして、第3連結体Cc−Cdの回転速度がj/(j+1)となり、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「4th」となり、4速段が確立される。
5速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第3遊星歯車機構PGS3のサンギヤSc(第7要素)の回転速度が「0」になる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度が第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「5th」となり、5速段が確立される。
尚、5速段を確立させるためには第2クラッチC2を連結状態とする必要はない。しかしながら、4速段及び後述する6速段では第2クラッチC2を連結状態とする必要があるため、5速段から4速段へのダウンシフト、及び5速段から後述する6速段へのアップシフトをスムーズに行えるように5速段でも連結状態とさせている。
6速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。
また、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を連結状態とすることで、4速段で説明したように、第1遊星歯車機構PGS1と第2遊星歯車機構PGS2の各要素が相対回転不能な状態となり、第2連結体Ra−Sdの回転速度が「1」となる。また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度が「1」となる。
従って、第4遊星歯車機構PGS4は、キャリアCd(第11要素)とサンギヤSd(第12要素)とが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「6th」の「1」となり、6速段が確立される。
7速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第3ブレーキB3を固定状態とし、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。
また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)の回転速度が、第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となり、第2遊星歯車機構PGS2のキャリアCb(第5要素)を含む第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度がi/(i+1)となる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度が、入力軸2に連結された第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「7th」となり、7速段が確立される。
8速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第3ブレーキB3を固定状態とし、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。
また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第2連結体Ra−Sdの回転速度が第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度と同一速度の「0」になる。また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度が第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「8th」となり、8速段が確立される。
9速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第3ブレーキB3及び第4ブレーキB4を固定状態とし、第1クラッチC1を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。
また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第4ブレーキB4を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)の回転速度も「0」となる。このため、第2遊星歯車機構PGS2の各要素Sb,Cb,Rbは相対回転不能なロック状態となり、第2遊星歯車機構PGS2のキャリアCb(第5要素)を含む第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度も「0」になる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度は第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「9th」となり、9速段が確立される。
10速段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を逆転阻止状態とし、第4ブレーキB4を固定状態とし、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態とする。第1ブレーキB1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの正転が許容される。
また、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第2連結体Ra−Sdと第2遊星歯車機構PGS2のサンギヤSb(第6要素)とが同一速度で回転する。また、第4ブレーキB4を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRb(第4要素)の回転速度が「0」になる。また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転速度が第1遊星歯車機構PGS1のサンギヤSa(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「10th」となり、10速段が確立される。
後進段を確立させる場合には、2ウェイクラッチたる第1ブレーキB1を固定状態とし、第3ブレーキB3を固定状態とし、第2クラッチC2を連結状態とする。また、第3ブレーキB3を固定状態とし、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度がi/(i+1)となる。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第3連結体Cc−Cdの回転が阻止され、第3連結体Cc−Cdの回転速度が「0」になる。そして、出力部3が連結された第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す逆転の「Rvs」となり、後進段が確立される。
尚、図3中の破線で示す速度線は、4つの遊星歯車機構PGS1〜PGS4のうち動力伝達する遊星歯車機構に追従して他の遊星歯車機構の各要素が回転(空回り)することを表している。
図4は、上述した各変速段におけるクラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B4の状態を纏めて表示した図であり、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3、第2ブレーキB2から第4ブレーキB4の列の「○」は連結状態、または固定状態を示し、空欄は開放状態を示している。また、第1ブレーキB1の列の「R」は逆転阻止状態を示し、「L」は固定状態を示している。
また、下線を付した「R」及び「L」は第1ブレーキB1の働きで第3連結体Cc−Cdの回転速度が「0」となることを示している。また、「R/L」は、通常時は逆転阻止状態の「R」であるが、エンジンブレーキを効かせる場合には固定状態の「L」に切り換えることを示している。
また、図4には、第1遊星歯車機構PGS1のギヤ比hを2.734、第2遊星歯車機構PGS2のギヤ比iを1.614、第3遊星歯車機構PGS3のギヤ比jを2.681、第4遊星歯車機構PGS4のギヤ比kを1.914とした場合における各変速段の変速比(入力軸2の回転速度/出力部3の回転速度)、及び公比(各変速段間の変速比の比。所定の変速段の変速比を所定の変速段よりも1段高速側の変速段の変速比で割った値。)も示しており、これによれば、公比を適切に設定できることが分かる。
次に、図5を参照して、ツーウェイクラッチについて詳しく説明する。第1ブレーキB1は、第3連結体Cc−Cdを筐体1に固定する固定状態と、第3連結体Cc−Cdの正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態とに切換自在なツーウェイクラッチで構成されている。このツーウェイクラッチの一例を図5に示して具体的に説明する。
図5の第1ブレーキB1としてのツーウェイクラッチTWは、第3連結体Cc−Cdに連結されるインナーリングTW1と、インナーリングTW1の径方向外方に間隔を存して配置されると共に筐体1に連結されるアウターリングTW2と、インナーリングTW1とアウターリングTW2との間に配置される保持リングTW3とを備える。
インナーリングTW1には、外周面に複数のカム面TW1aが形成されている。保持リングTW3には、カム面TW1aに対応させて複数の切欠孔TW3aが設けられている。この切欠孔TW3aには、ローラTW4が収容されている。また、ツーウェイクラッチTWは、図示省略した噛合機構を備える。
噛合機構は、アウターリングTW2と保持リングTW3とを連結するアウター連結状態と、インナーリングTW1と保持リングTW3とを連結するインナー連結状態とに切換自在に構成されている。
また、ローラTW4の径は、図5(a)に示すように、ローラTW4がカム面TW1aの中央部に存するときは隙間Aが開き、図5(b)及び(c)に示すように、ローラTW4がカム面TW1aの端部に存するときにはインナーリングTW1及びアウターリングTW2に接触するように、設定されている。
噛合機構で、アウターリングTW2と保持リングTW3とが連結されたアウター連結状態であるときは、インナーリングTW1が正転及び逆転のどちらに回転しようとしても、図5(b)及び(c)に示すように、保持リングTW3も筐体1に固定されているため、ローラTW4がカム面TW1aの端部に位置することとなる。
このとき、ローラTW4がカム面TW1aとアウターリングTW2の内周面とに挟まれて、インナーリングTW1の回転が阻止される。即ち、ツーウェイクラッチTWは固定状態となる。
図示省略した噛合機構は、インナーリングTW1と保持リングTW3とを連結するインナー連結状態では、図5(b)に示すように切欠孔TW3aがカム面TW1aの一方の端部に位置する状態となるように構成されている。
図5における時計回り方向を逆転方向とすると、このツーウェイクラッチTWは、インナーリングTW1と保持リングTW3とを連結するインナー連結状態とすることにより、逆転阻止状態となる。
また、本実施形態の自動変速機TMが搭載される車両には、シフトポジションを前進レンジ、ニュートラルレンジ、後進レンジ、の何れかに切換自在なシフトバイワイヤ形式のシフトレバー42(シフトポジション検出部)と、油圧制御回路43の油の温度(油温)を検出する油温検出部43aと、車両の走行速度を検出する車速検出部44と、エンジンブレーキのオン、オフを検出するエンジンブレーキ判定部46と、駆動源ENGの回転数を検出する駆動源回転数検出部48と、入力軸2の回転数を検出する入力回転速度検出部50と、ブレーキペダルのオン、オフを検出するブレーキペダル検出部54と、アクセルペダルのオン、オフを検出するアクセル開度検出部56とが設けられている。
制御部ECUは、シフトレバー42のシフトポジションの情報、油温検出部43aからの油圧制御回路43の油の温度(油温)の情報、車速検出部44からの車両の走行速度の情報、エンジンブレーキ判定部46からのエンジンブレーキの使用状態としてのエンジンブレーキのオン、オフの情報、駆動源回転数検出部48からの駆動源ENGの回転数の情報、入力回転速度検出部50からの入力軸2の回転数の情報、ブレーキペダル検出部54からのブレーキペダルのオン、オフの情報、アクセル開度検出部56からのアクセルペダルのオン、オフの情報を受信する。
次に、図6及び図7を参照して、本実施形態の自動変速機TMにおいて、車両が後進側に走行中であって且つ運転者のシフト操作によりシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えらた場合の制御部ECUの作動を説明する。制御部ECUは、図6に示すフローチャートの処理を所定のサイクルタイムで実行する。
なお、図6のフロー及び図7では、第1ブレーキB1が固定状態である場合(B1→L)を前提条件としている。図8では、第1ブレーキB1が逆転阻止状態(R)であるとき(B1→R)の状態の遷移を示している。図7及び図8の「Map」は、制御部に記憶されたマップデータに基いて通常制御することを示している。また、本実施形態においては、車両の走行速度は絶対値でしか計測できず、車速の前後進の切り分けができないものを用いていることとして、説明する。
図6のフローでは、まず、ステップ1で後進側に走行中のときに、運転者のシフト操作によりシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたか否かを判定する。後進レンジのままである場合には、そのまま今回の処理を終了する。ステップ1で前進レンジに切り換えられた場合には、ステップ2に進み、アイドルニュートラル係合状態であるか否かを判定する。
なお、本実施形態において、アイドルニュートラル係合状態とは、制御部ECUが、入力軸2は自由に回転できると共に、出力部3の回転は阻止されるように、第3ブレーキB3を固定状態とし、第3クラッチC3を連結状態とする状態と定義する。
ステップ2でアイドルニュートラル係合状態でない場合には、ステップ3に進みニュートラル制御(N(D禁止))中であるか否かを判定する。ニュートラル制御(N(D禁止))中でない場合には、ステップ4に進み、1速インギヤ中であるか否かを判定する。1速インギヤ中でない場合には、ステップ5に進み、車両の走行速度としての車速V(この場合は、後進方向の車速)が第1所定速度未満となったか否かを判定する。
ステップ4で車速Vが第1所定速度未満となっていない場合、換言すれば、車速Vが第1所定速度以上である場合には、ステップ6に進み、車速Vが、第1所定速度よりも速い速度であり且つアイドルニュートラル係合状態に移行する条件としての車速である第2所定速度以下であるか否かを判定する。
ステップ6で、車速Vが第2所定速度以下である場合には、ステップ7に進み、第3ブレーキB3を連結状態とさせたまま(係合させたまま)、第2クラッチC2を開放状態(off)とすると共に第3クラッチC3を連結状態(on)として、アイドルニュートラル係合状態(I/Nモード)に移行して今回の処理を終了する。
ステップ6で、車速Vが第2所定速度以下でない場合、換言すれば、車速Vが第2所定速度を超える場合には、ステップ8に分岐し、ニュートラル状態となるように係合機構を制御する(例えば、第3ブレーキB3のみを固定状態のままとして、第2クラッチC2を開放状態とするなど)ニュートラル制御(N(D禁止))を実行して今回の処理を終了する。
ステップ3で、ニュートラル制御(N(D禁止))中である場合には、ステップ9に分岐し、車速Vが第1所定速度未満であるか否かを判定する。車速Vが第1所定速度未満でない場合、換言すれば、車速Vが第1所定速度以上である場合には、ステップ8に分岐し、ニュートラル制御(N(D禁止))を実行してそのまま今回の処理を終了する。
ステップ9で、車速Vが第1所定速度未満である場合には、ステップ10に進み、第3ブレーキB3を固定状態としたまま、第2クラッチC2を開放状態(off)とすると共に第2ブレーキB2を固定状態(on)とする1速インギヤモードを実行して今回の処理を終了する。
また、ステップ4で、1速インギヤモード実行中である場合には、ステップ10に分岐して、そのまま、1速インギヤモードを実行させて今回の処理を終了する。また、ステップ5で、車速Vが第1所定速度未満である場合には、ステップ10に分岐して、1速インギヤモードを実行させて今回の処理を終了する。
ステップ2でアイドルニュートラル係合状態である場合には、ステップ11に分岐して、車速Vがエンジンストールの虞が無い第3所定速度以下となったか否かを判定する。ここで、第3所定速度は、第1所定速度よりも遅い速度であって、トルクコンバータへの入力負荷が低く、エンジンストール発生の虞の無い速度に設定されている。
車速Vが第3所定速度以下でない場合、換言すれば、車速Vが第3所定速度を超える場合には、ステップ7に進み、引き続きアイドルニュートラル係合状態の制御を実行して、今回の処理を終了する。
ステップ11で車速Vが第3所定速度以下である場合には、ステップ12に分岐し、第3クラッチC3を開放状態(off)とし、第2ブレーキB2を固定状態(on)として、アイドルニュートラル係合状態を終了させ、今回の処理を終了する。
なお、アイドルニュートラル係合状態であるときに駆動輪がロックして滑っている場合には、制御部ECUは、このロックを解除できるように係合機構C1〜C3、B2〜B4を適宜制御する。
また、本実施形態では、アイドルニュートラル係合状態(I/N)のときに、アイドルニュートラル係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を予め第3クラッチC3に決めている。
そして、制御部ECUは、駆動源ENGからの入力トルクや第3クラッチC3での差回転及び締結油圧、走行速度、車両重量などの所定の車両情報に基づき、第3クラッチC3での発熱量を推定する。即ち、本実施形態においては、制御部ECUが係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部としての機能を兼ね備えている。
本実施形態の自動変速機TMにおいては、制御部ECUが推定した発熱量が、第3クラッチC3を保護する上で適切でない温度まで上昇する虞があるほどの発熱量となっている場合には、第3クラッチC3を保護するように構成されている。この構成について、図9から図13を参照して説明する。
まず、第3クラッチC3を保護する構成の第1実施例として、図9に示すように、ステップ21で、車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときであるか否かを確認する。車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときでない場合には、そのまま今回の処理を終了する。
ステップ21で、車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときであるときには、ステップ22に進み、第3クラッチC3の発熱量を検出する。本実施形態では、制御部ECUが駆動源ENGからの入力トルクや第3クラッチC3での差回転などの所定の車両情報から発熱量を演算して推定している。なお、他の方法で発熱量を検出してもよい。
そして、ステップ23に進み、ステップ22で検出された発熱量が所定値以上であるか否かを確認する。ここで、所定値は、更に熱量が増加すると第3クラッチC3の耐久性に悪影響を及ぼす虞がある値を予め実験などによって求めて設定されるものである。
ステップ23で、検出された発熱量が所定値以上である場合には、ステップ24に進み、第3クラッチC3を完全締結させて、第3クラッチC3で差回転が生じることを防止し、摩擦熱が発生しないようにする。さらに、ステップ24において、第3ブレーキB3の締結圧(油圧)を通常時のアイドルニュートラル係合状態の制御中の第3クラッチC3の締結圧程度まで低下させる。即ち、滑らせる係合機構を第3クラッチC3から第3ブレーキB3に切り換える。
これにより、第3クラッチC3の更なる発熱を防止し、第3ブレーキB3で出力部3に制動をかけることができる。なお、このステップ24の制御処理を発熱防止用のアイドルニュートラル係合状態と定義する。
なお、ステップ23で第3クラッチC3の発熱量が所定値未満である場合には、ステップ25に進み、通常のアイドルニュートラル係合状態の制御を実行して、今回の処理を終了する。
図10は、第3クラッチC3を保護するための構成の第2実施例を示したものである。図10のフローチャートにおいて、ステップ31からステップ33までは、図9で説明した第1実施例のステップ21からステップ23と同一であるため、説明を省略する。また、図10のフローチャートのステップ36は、図9で説明した第1実施例のステップ25と同一であるため、説明を省略する。
第2実施例では、図10に示すように、ステップ33で第3クラッチC3の発熱量が所定値以上である場合には、ステップ34に進み、第3クラッチC3及び第3ブレーキB3を解放状態として、出力部3が自由に回転自在となるニュートラル状態とする。これにより、第3クラッチC3が更に発熱する事態を阻止することができ、滑らせる係合機構としての第3クラッチC3を発熱による耐久性低下などの悪影響から保護することができる。
また、ステップ34でニュートラル状態とすると共に、運転者にニュートラル状態となっていることを知らしめるべく、ステップ35に進んで、運転者にニュートラル状態となったことを警告する警告要求を出力して、今回の処理を終了する。
図11は、第3クラッチC3を保護するための構成の第3実施例を示したものである。図11のフローチャートにおいて、ステップ41からステップ43までは、図9及び図10で説明した第1実施例のステップ21からステップ23及び第2実施例のステップ31からステップ33と同一であるため、説明を省略する。また、図11のフローチャートのステップ45は、図9で説明した第1実施例のステップ25及び図10で説明した第2実施例のステップ36と同一であるため、説明を省略する。
第3実施例では、図11に示すように、ステップ43で第3クラッチC3の発熱量が所定値以上である場合には、ステップ44に進み、通常のアイドルニュートラル係合状態の制御とは異なる第2インターロック係合状態(第2I/L)の制御に変更する。
第2インターロック係合状態とは、第3クラッチC3を過度の発熱から保護すべく解放状態とし、通常のアイドルニュートラル係合状態の係合機構の状態と比較して、第3クラッチC3に代えて、第1クラッチC1と第2クラッチC2を係合状態(締結状態)とするものである。
これにより、駆動源ENGの回転速度は、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を介して第1ブレーキB1による制動作用が第2遊星歯車機構PGS2のリングギヤRbに及ぶ。これにより、第1連結体Ca−Cb−Rcの回転速度が速やかに低下し、出力部3と連結する第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度も速やかに低下させることができる。
これによっても、第3クラッチC3の発熱を防止することができ、耐久性の低下を防止することができる。
なお、第2インターロック係合状態(第2I/L)は、出力部3と連結する第4遊星歯車機構PGS4のリングギヤRd(第10要素)の回転速度も速やかに低下させるのみであり、アイドルニュートラル係合状態のように入力軸2が自由に回転できるものではない。従って、本明細書においては、インターロック係合状態とは、出力部3の回転を阻止できる(回転速度を低下させることができる)状態と定義される。そして、アイドルニュートラル係合状態とは、インターロック係合状態の中でも、更に入力軸2が自由に回転できる状態のものと定義される。
ところで、第3クラッチC3の発熱による耐久性低下の問題は、アイドルニュートラル係合状態中だけのものではなく、前進段に移行した後であっても、問題となる。従って、本実施形態においては、アイドルニュートラル係合状態から前進段に移行した後においても、第3クラッチC3の発熱量が所定値以上である場合には、第3クラッチC3を発熱から保護する制御を実行するように構成されている。
具体的には、図12のフローチャートに示す。なお、図12のフローチャートにおいて、ステップ51及びステップ52までは、図9から図11で説明した第1実施例のステップ22とステップ23、及び第2実施例のステップ32とステップ33、第3実施例のステップ42とステップ43、と同一であるため、その説明を省略する。
ステップ52で第3クラッチC3の発熱量が所定値以上である場合には、ステップ53に進み、前進段における第3クラッチC3を締結させない変速段(1、3、5A、7、9の5つの変速段)への変速を禁止する限定的変速制御を実行する。
これにより、常に第3クラッチC3が完全締結される状態とすることができ、第3クラッチC3で差回転が発生せず、更なる第3クラッチC3の発熱を防止して、第3クラッチC3の耐久性低下を防止することができる。
ステップ52で第3クラッチC3の発熱量が所定値未満である場合には、ステップ54に進み、通常時の変速制御を実行する。
なお、図4に示した各変速段における係合機構の状態をまとめた表では、5速段は、第1ブレーキB1が逆転阻止状態(R)、第2ブレーキB2を固定状態、第1クラッチC1及び第2クラッチC2が締結状態で、他の係合機構は解放状態であると説明した。しかしながら、5速段と同程度の変速比は、第1ブレーキB1を逆転阻止状態(R)とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を係合状態とすることによっても得ることができる。
図4の説明では、前後の変速段がいずれも第2クラッチC2が係合状態であるため、変速制御上の効率を考慮し、第2クラッチC2を締結させるものを説明したが、上述した限定的変速制御を実行する場合には、第3クラッチC3を締結することにより選択できる変速段ができるだけ多い方が都合がよい。このため、図4の5速段を5速段Aとして、新たな5速段Bを追加すると共に、上述した限定的変速制御を実行する場合には、5速段Bを選択するように構成している。
本実施形態の自動変速機TMによれば、後進走行中であって車速が第2所定速度以下、第1所定速度以上である場合には、入力軸2は自由に回転できると共に、出力部3の回転は阻止されるように、第2クラッチC2を開放して、第3クラッチC3を係合し、アイドルニュートラル係合状態となるように係合機構を制御する。また、車速が第2所定速度を超える場合には、出力部3の回転を阻止すると、駆動輪がロックして滑る虞がある。
従って、車速が第2所定速度を超える場合には、ニュートラルとして、第1所定速度未満まで車速が落ちるのを待ち、第1所定速度未満まで減速してから1速インギヤとするようにしている。
これにより、車両が後進方向に走行している状態であっても、トルクコンバータのタービンが逆回転することを阻止できる。従って、本実施形態の自動変速機TMによれば、後進レンジから前進レンジに切り換えたときのトルクコンバータへの高い負荷の入力を防止し、エンジンストールを防止することができる。なお、後進走行中であって車速が第1所定速度未満であるときは、トルクコンバータへの高い負荷の入力の虞が無い。このため、直ちに1速インギヤに移行することができる。
また、アイドルニュートラル係合状態のときは、車両の減速度が所定値以下であるときに、切換機構としての第1ブレーキB1を固定状態(L)から逆転阻止状態(R)に切り換える。これにより、比較的大きな荷重が加わっている状態で切換機構としての第1ブレーキB1を固定状態(L)から逆転阻止状態(R)に切り換えることを阻止することができ、第1ブレーキB1をスムーズに切り換えることができ、アイドルニュートラル係合状態から1速インギヤ状態にもスムーズに移行することができる。
なお、本実施形態の自動変速機TMにおいては、何れか1つの変速段(例えば、10速段)を省略して前進9速段の変速を行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、シフトポジションの切換えをシフトバイワイヤ形式のシフトレバー操作で行うものを説明した。しかしながら、シフトポジションの切換え方法については、これに限らず、例えば、ボタンの押圧などによってシフトポジションを切り換えるように構成されていてもよい。この場合、例えば、ボタンの押圧信号から選択されたシフトポジションを判断するように構成することもできる。
また、本実施形態においては、アイドルニュートラル係合状態のときに滑らせる係合機構として、第3クラッチC3を用いたものを説明した。しかしながら、本発明のアイドルニュートラル係合状態のときに滑らせる係合機構は、これに限らない。例えば、アイドルニュートラル係合状態のときに滑らせる係合機構を第3ブレーキB3としてもよい。この場合、第3ブレーキB3の発熱量が所定値以上となった場合には、第3ブレーキB3に代えて第3クラッチC3を滑らせて、第3ブレーキB3を差回転がなくなるように完全締結させてもよい。
また、本実施形態では、入力軸が自由に回転できるアイドルニュートラル係合状態を用いたものを説明したが、本発明の自動変速機は、アイドルニュートラル係合状態に変えて、入力軸を自由に回転させなくてもよい第1インターロック係合状態に置き換えてもよい。この場合、トルクコンバータへの高い負荷の入力を防止できなくなるものの、本願発明の特徴的な作用効果である、切換機構の迅速な切り換え、及び滑らせる係合機構の保護を図ることができる。
1…筐体、2…入力軸(入力部)、3…出力部(出力ギヤ)、42…シフトレバー(シフトポジション検出部)、43…油圧回路、43a…温度検出部、43b…ソレノイドバルブ、43c…油圧スイッチ、TM…自動変速機、44…車速検出部、46…エンジンブレーキ判定部、48…駆動源回転数検出部、50…入力回転速度検出部、54…ブレーキペダル検出部、56…アクセル開度検出部、ENG…駆動源、LC…ロックアップクラッチ、DA…ダンパ、TC…トルクコンバータ、PGS1…第1遊星歯車機構、Sa…サンギヤ(第1要素)、Ca…キャリア(第2要素)、Ra…リングギヤ(第3要素)、Pa…ピニオン、PGS2…第2遊星歯車機構、Sb…サンギヤ(第6要素)、Cb…キャリア(第5要素)、Rb…リングギヤ(第4要素)、Pb…ピニオン、PGS3…第3遊星歯車機構、Sc…サンギヤ(第7要素)、Cc…キャリア(第8要素)、Rc…リングギヤ(第9要素)、Pc…ピニオン、PGS4…第4遊星歯車機構、Sd…サンギヤ(第12要素)、Cd…キャリア(第11要素)、Rd…リングギヤ(第10要素)、Pd…ピニオン、C1…第1クラッチ、C2…第2クラッチ(第2摩擦係合機構)、C3…第3クラッチ、B1…第1ブレーキ(切換機構)、B2…第2ブレーキ(第1摩擦係合機構)、B3…第3ブレーキ、B4…第4ブレーキ、ECU…制御部。

Claims (6)

  1. 筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
    前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
    前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
    出力部と、
    シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
    入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
    前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
    該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
    前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
    複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
    前記制御部は、
    シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
    車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
    前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を他の前記インターロック係合状態で締結させる係合機構に置き換えることを特徴とする自動変速機。
  2. 筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
    前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
    前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
    出力部と、
    シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
    入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
    前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
    該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
    前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
    複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
    前記制御部は、
    シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
    車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
    前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を解放するとともに、前記出力部が自由に回転可能なニュートラル状態とすることを特徴とする自動変速機。
  3. 筐体内に配置され、駆動源の動力がトルクコンバータを介して伝達される入力部と、
    前記筐体内で回転自在な複数の要素を有する遊星歯車機構と、
    前記要素同士を連結する連結状態に切り換え自在な、又は、前記要素を前記筐体に固定する固定状態に切り換え自在な複数の係合機構と、
    出力部と、
    シフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
    入力部の回転速度を検出する入力回転速度検出部と、
    前記係合機構の発熱量を検出する発熱量検出部と、
    該入力回転速度検出部から検出された回転速度の情報、及び前記シフトポジション検出部からシフトポジションの情報を受けると共に、前記係合機構を制御する制御部とを備え、
    前記入力部の回転を複数段に変速して前記出力部から出力自在な自動変速機であって、
    複数の前記要素のうちの1つの要素の、車両が前進するときの回転方向である正転を許容し、車両が後進するときの回転方向である逆転を阻止する逆転阻止状態と、前記要素を前記筐体に固定する固定状態とに切換自在な切換機構を備え、
    前記制御部は、
    シフトポジションが前進レンジのときに、前記切換機構を前記逆転阻止状態とし、シフトポジションが後進レンジのときに、前記切換機構を前記固定状態とし、
    車両が後進側に走行中であってシフトポジションが後進レンジから前進レンジに切り換えられたときに、車速が第1所定速度以上のときには、出力部の回転が阻止されるように前記係合機構を制御するインターロック係合状態とし、
    前記インターロック係合状態のときは、前記インターロック係合状態で締結させる係合機構のうち、前記出力部の回転を停止させるために滑らせる係合機構を決めて、該滑らせる係合機構で前記出力部の制動を掛け、該滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、滑らせる係合機構を解放するとともに、前記インターロック係合状態のときに締結される係合機構を除く、他の係合機構を締結させることにより、前記出力部の回転を阻止する第2インターロック係合状態とされることを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機であって、
    前記インターロック係合状態から前進段インギヤ状態に移行したときに、前記滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、前記滑らせる係合機構を締結させる変速段のみを選択して走行することを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機であって、
    前記インターロック係合状態から前進段インギヤ状態に移行したときに、前記滑らせる係合機構の発熱量が所定値以上である場合には、前記滑らせる係合機構を解放させる変速段のみを選択して走行することを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の自動変速機であって、
    前記インターロック係合状態であって、車両の走行速度が規定速度以下のときには、インターロック係合状態のときに締結される係合機構を全て完全締結させることを特徴とする自動変速機。
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