JP4506489B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の自動変速機に関し、より詳細には変速制御装置に関する。
エンジンにより駆動される車両は、道路状況に応じた速度、駆動力を得るために変速機を備えている。近年では、運転者の操作負担を軽減した自動変速機が主流になってきている。エンジンで生起された回転動力は、自動変速機のトルクコンバータから入力軸を介して変速装置に伝達され、変速装置で変速されあるいは前進後進が切り換えられ、出力軸を経由して駆動輪まで伝達されている。
変速装置の代表例として、サンギヤとピニオンギヤとリングギヤとをもつプラネタリギヤ式変速装置がある。通常、プラネタリギヤ式変速装置は、回転する側と係合することにより動力を特定のギヤに伝達する伝達要素を複数備えている。また、固定された側と係合することにより動力伝達経路を固定支持する反力要素も複数備えている。伝達要素及び反力要素は係合要素と総称され、例えば油圧装置により摩擦係合または解放するようになっている。そして、変速段により定まる所定の係合要素が選定されて係合することにより動力伝達経路が決まり、変速段が達成されるようになっている。
変速制御装置は、運転者の操作情報と車両の作動情報を基にして変速段を選定する。そして、作動表に定められた所定の係合要素を選定し、油圧装置に対して係合または解放の指令を出している。ところで、シフトレバーがパーキングレンジまたはニュートラルレンジの非走行レンジから、ドライブレンジやローレンジなどの走行レンジに切り換えられたときには、係合していなかった係合要素を新たに係合して走行レンジを確立する。そして、このときの係合ショックを低減するため、例えば特許文献1に開示されるように係合開始のタイミングを正確に判定して油圧装置の制御を適正化する方策がとられている。
特開2000−145945号公報
走行レンジを確立するために、係合する係合要素は2つ以上あるのが一般的であり、このとき、制御対象となる係合要素の係合順序が悪いと大きな係合ショックが発生する。この対策として、反力要素を先に駆動して係合させ、反力要素の係合が確実に完了するまでの一定のタイムラグを設けて伝達要素の駆動を開始していた。反力要素が係合するときは動力伝達がなくショックは生じないので、駆動する油圧(係合圧)はライン圧または調圧した一定圧とされていた。一方、伝達要素が係合するときには動力伝達が始まるので、係合ショックを防止するために、係合圧は一定圧ではなく細かく制御されていた。
しかしながら、反力要素の中には実際に係合を開始してから係合を完了するまでの時間(係合時間)が大きなものがあり、さらにタイムラグによって、走行レンジを確立するのに要する時間が長引く難点があった。また、係合時間は出力軸回転数や油圧装置の油温、キャンセラーと呼ぶ油圧バランス装置への油充填状態などに依存して長くなる場合がある。このため、タイムラグの設定によっては、伝達要素が先に、反力要素が後から係合する逆転現象の生じるおそれがある。伝達要素が先に係合して動力を伝達している状態で、一定圧で駆動される反力要素が係合すると、動力を減殺するためのショックと発熱などによる損耗が大きくなるおそれがある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、走行レンジを確立するのに要する時間を長引かせず、かつ走行レンジ確立時の係合ショックを軽減でき、変速装置の性能低下を抑制できる、自動変速機の変速制御装置を提供する。
本発明の自動変速機の変速制御装置は、複数のギヤをもち入力軸から入力された動力を変速して出力軸に出力する変速装置と、動力の伝達経路を切り換える複数の係合要素と、該複数の係合要素を係合及び解放する油圧装置と、該油圧装置に指令を送る変速制御部と、を備える自動変速機において、前記出力軸の回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、前記油圧装置の油温を検出する油温検出手段と、非走行レンジから走行レンジに切り換えられたことを検出する切換検出手段と、該切換検出手段が非走行レンジから走行レンジに切り換えられたことを検出したとき、検出された前記出力軸回転数及び前記油温に基づいて、走行レンジを達成するために少なくとも2つの前記係合要素の係合タイミングを制御し係合させる係合制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明は、自動変速機の変速制御装置を改良するものであり、より詳細には係合要素(伝達要素及び反力要素の総称)が係合するタイミング及び係合順序の制御方法を改良するものである。
自動変速機の中核となる変速装置は、入力軸から入力された回転動力を複数のギヤを適宜組み合わせて変速し、出力軸に出力している。係合することにより動力を伝達する伝達要素とは、例えば機械的な摩擦力により回転する側と係脱して、動力を伝達および遮断するクラッチ機能をもつ要素を示している。係合することにより動力伝達経路を固定支持する反力要素とは、例えば機械的な摩擦力により回転する側を固定された側と係脱して、動力伝達経路を固定支持するブレーキ機能をもつ要素を示している。
変速装置を単純化した例として、中央で自転するサンギヤと、同心外周で自転するリングギヤと、この両者に挟まれて自転及び公転するピニオンギヤと、ピニオンギヤの公転運動を支持して自転するプラネタリキャリヤと、をもつプラネタリギヤ式変速装置を考えることができる。複数の伝達要素には、例えば、入力軸とリングギヤとを摩擦係合させる第一クラッチ、入力軸とサンギヤとを摩擦係合させる第二クラッチ、などを用いる。複数の反力要素には、例えば、プラネタリキャリヤと固定された変速機ケースとを摩擦係合させる第一ブレーキ、サンギヤと変速機ケースとを摩擦係合させる第二ブレーキ、などを用いる。
上述の例で、第一クラッチを係合させると、入力軸の回転動力はリングギヤに伝達される。このとき、第一ブレーキを係合させると、プラネタリキャリヤは固定支持され、ピニオンギヤは公転せずに自転のみとなる。そして、サンギヤを出力軸に係合させることにより動力が伝達され、ある変速段が実現される。第一クラッチを係合させたとき、第二ブレーキを係合させると、サンギヤが固定支持され、ピニオンギヤは公転と自転を行う。そして、プラネタリキャリヤを出力軸に係合させることにより動力が伝達され、別の変速段が実現される。
上述のように、伝達要素及び反力要素を選定して係合することにより動力伝達経路が決まってある変速段が実現され、伝達要素及び反力要素を変更することにより動力伝達経路が変わり別の変速段が実現される。実際の変速機では、さらに多数のギヤが組み合わされ、伝達要素及び反力要素もそれぞれ3つ以上備えて、前進4〜6段及び後進の変速段が実現されている場合が多い。なお、本発明は、プラネタリギヤ式変速装置に限定されるものではなく、複数の伝達要素と反力要素を備える変速装置に適用できるものである。
油圧装置は、変速制御部からの指令に基づいて、複数の伝達要素及び反力要素を係合または解放させるものである。油圧装置は、バルブボディやソレノイドなどを備え、各要素との間は油路で連通され、バルブにより油圧が開閉されて、各要素の駆動を制御するように構成することができる。
変速制御部は、シフトレバーやアクセルスロットルなどの運転者の操作情報と、車速やエンジン回転数などの車両作動情報を基にして切り換えるべき変速段を選定している。そして、作動表に定められた所定の伝達要素及び反力要素を選定し、油圧装置に係合する指令を出している。係合順序は、反力要素を先に駆動し、その後一定のタイムラグを設けて伝達要素を駆動して、反力要素の係合が完了した後に伝達要素が係合するようにしている。自動変速機では、マイクロコンピュータを応用した電子制御式の変速制御部が一般的であり、本発明にも適用することができる。
上述のように構成された自動変速機において、本発明の変速制御装置は、出力軸回転数検出手段と、油温検出手段と、切換検出手段と、係合制御手段と、を備えている。
出力軸回転数検出手段には、出力軸回転数センサを用いることができる。出力軸回転数センサは、出力軸に近接して設けられ、出力軸回転数を検出し、検出結果を変速制御部に伝送している。また、出力軸回転数検出手段の別法として、入力軸側で検出された回転数に噛合しているギヤの変速比を乗じて算出してもよい。この算出法によれば、センサを付加しなくてもよい利点がある。
油温検出手段には、油温センサを用いることができる。油温センサは、油圧装置に近接して設けられ、各伝達要素及び反力要素を駆動する作動油の温度を検出し、検出結果を変速制御部に伝送している。また、油温検出手段の別法として、外気温を基に油圧装置の負荷状況や運転状況を加味して算出する方法を用いることもできる。
切換検出手段は、パーキングレンジやニュートラルレンジなどの非走行レンジから、ドライブレンジやローレンジなどの走行レンジに切り換えられたことを検出するものである。レンジの切換は、運転者がシフトレバーやシフトスイッチなどのシフト操作部材を操作することにより行われる。切換検出手段は、このレンジ切換操作の情報を変速制御部に取り込むことにより、実現することができる。
係合制御手段は、電子制御式の変速制御部の内部に、制御ソフトウェアとして実現することができる。係合制御手段は、以下に説明するように、検出された出力軸回転数と油温とに基づいて、選定された伝達要素及び反力要素が係合するタイミングを制御するようになっている。
前記係合制御手段は、少なくとも2つの前記係合要素を係合させる通常の所定の係合順序を有し、特定の場合には前記所定の係合順序を変更することが好ましい。前記係合制御手段は、検出された前記出力軸回転数及び前記油温の条件において、通常は最初に係合させる第一の係合要素の予想係合時間が最大許容係合時間を超える場合に、第二以降の係合要素を前記第一の係合要素より前にまたは同時に係合させることが好ましい。また、前記係合制御手段は、前記出力軸回転数及び前記油温をパラメータとして変化する前記係合要素の前記予想係合時間または最大許容係合時間のデータを保持することが好ましい。さらには、前記係合制御手段は、前記第二以降の係合要素を係合させるとき、前記油圧装置の油圧を制御することにより係合時のショックを防止することが好ましい。
従来の走行レンジへの切換制御の例では、反力要素を先に係合させ、反力要素の係合が確実に完了するまでのタイムラグを設け、伝達要素を後から係合させている。これに対して本発明では、切換検出手段が走行レンジへの切換を検出した都度、そのときの出力軸回転数と油温の条件を基にして、係合要素の係合時間を正確に把握し、係合順序を制御するようにしている。変速機の機種や変速段によっては、反力要素の係合を必要としない場合もあるが、複数の伝達要素を係合させる場合にも、本発明を用いることができる。本発明は、反力要素であれ伝達要素であれ、少なくとも2つ以上の係合要素を係合させる場合、係合時間を基にして係合順序を決めるようにすることを特徴としている。
係合時間としては、期待値(平均値)に相当する予想係合時間を用いることができる。そして予想係合時間を求め、正常な作動として最大限許容しうる最大許容係合時間と比較するようにしている。実際には、係合する両側の速度差が大きいほど同期するまでに長い時間が必要であり、出力軸が高速回転していると係合時間は延びる。また、油圧装置の作動油の温度が低いと、粘度や比重が増加して流れにくくなるため、油圧駆動に時間を要し、係合時間は延びる。このため、係合制御手段は、前もって実測した予想係合時間のデータを保持し、参照するようにしておくことが好ましい。
反力要素の予想係合時間が最大許容係合時間を超えるときには、伝達要素の係合開始と同時または係合開始後に反力要素の駆動を開始することが好ましい。このときには反力要素が遅れて係合するため、従来の一定圧による駆動では係合ショックの発生するおそれがある。この対策として、例えば反力要素の係合開始にタイムラグを設け、さらに係合圧を徐々に加圧してゆっくり係合させるように、細かく制御することが好ましい。これにより、伝達要素が係合して動力を伝達している状態であっても、反力要素を穏やかに係合させることができるため、係合時のショックを防止することができる。なおこの場合には、伝達要素を駆動する係合圧は一定圧でも、細かく制御してもどちらでも構わない。
このようにして反力要素の係合に時間をかけても、反力要素と伝達要素をシリーズに係合させる従来の方法よりも、走行レンジ確立に要する時間は短縮できる。また、変速装置の性能低下を抑制できる。
なお、反力要素の予想係合時間が最大許容係合時間を超えていないときには、従来のように反力要素の係合完了後にタイムラグを設けた伝達要素が係合するようにしても、走行レンジ確立に要する時間は長引かない。
本発明の自動変速機の変速制御装置は、出力軸回転数検出手段と油温検出手段と切換検出手段と係合制御手段とを備え、検出された出力軸回転数と油温に基づいて係合要素の係合タイミングを制御するようにしている。より具体的には、走行レンジに切り換えられたとき、検出された出力軸回転数及び油温の条件において、通常は最初に係合させる第一の係合要素の予想係合時間が最大許容係合時間を超える場合に、少なくとも2つの係合要素の係合順序を入れ替えるようにしている。このため、走行レンジ確立に要する時間は長引かず、かつ切換制御時の係合ショックを軽減することができる。また、変速装置の性能低下を抑制できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参考にしながら詳細に説明する。図1は本発明の実施例の自動変速機の変速制御装置の機能ブロック図である。図中の破線の矢印は検出信号及び制御信号の流れを、実線の矢印は駆動制御の流れを、それぞれ示している。回転動力は、入力軸10から変速装置20に入力され、変速装置20内で変速されて出力軸50を介して駆動輪まで伝達されている。
係合要素に相当する伝達要素Cは油圧装置60に駆動され、係合することにより動力を伝達している。同じく係合要素に相当する反力要素Bも油圧装置60に駆動され、係合することにより動力伝達経路を固定支持している。電子制御装置70は変速制御部に相当し、複数ある伝達要素C及び反力要素Bを選定し、油圧装置60に係合する指令を発している。電子制御装置70には、演算部や入出力部、記憶部などを備えたマイクロコンピュータが応用されている。係合制御手段80は、電子制御装置70内に制御ソフトウェアとして搭載されている。
出力軸50の近傍には出力軸50の回転数を検出する出力軸回転数センサ51が備えられ、検出結果を係合制御手段80に伝送している。油圧装置60の近傍には作動油の温度を検出する油温センサ61が備えられ、検出結果を係合制御手段80に伝送している。また、シフトレバー65を操作したときのレンジ切換操作情報が、係合制御手段80に伝送されている。係合制御手段80は、出力軸回転数センサ51及び油温センサ61の検出結果、さらにはシフトレバー65のレンジ切換操作情報を取り込み、伝達要素C及び反力要素Bが係合するタイミングを制御するように構成されている。
図2は、実施例の形態における自動変速機の動力伝達概念を示す説明図である。変速装置20は、主変速部30と副変速部40とで構成されている。主変速部30の入力側は入力軸10であり、出力側はカウンタドライブギヤ31である。副変速部40の入力側はカウンタドリブンギヤ41でカウンタドライブギヤ31と噛合しており、出力側は出力軸50である。図略のエンジンで生起された回転動力は、トルクコンバータ90から入力軸10に伝達され、主変速部30及び副変速部40を経由して出力軸50に伝達されるようになっている。
主変速部30は、ダブルピニオンプラネタリギヤユニット33と、シングルピニオンプラネタリギヤユニット34と、を備えている。ダブルピニオンプラネタリギヤユニット33は、中央で自転するサンギヤS1と、サンギヤS1と同心の外周で自転するリングギヤR1と、この両者に挟まれて噛合し自転及び公転する2つのピニオンギヤP11及びP12と、このピニオンギヤP11及びP12の公転運動を支持して自転するプラネタリキャリヤCR1と、を備えている。シングルピニオンプラネタリギヤユニット34は、サンギヤS2と、リングギヤR2と、この両者に挟まれて噛合し自転及び公転し前記プラネタリキャリヤCR1に支持されるピニオンギヤP2と、を備えている。
そして、主変速部30は、伝達要素Cとして摩擦係合する第一クラッチC1及び第二クラッチC2を備えており、反力要素Bとして摩擦係合する第一ブレーキB1、第二ブレーキB2、及び第三ブレーキB3を備えている。第一クラッチC1により入力軸10とリングギヤR2とが係合され、第二クラッチC2により入力軸10とサンギヤS2とが係合されて、それぞれ動力が入力伝達されるように構成されている。また、第一ブレーキB1によりサンギヤS1と変速機のケース39とが係合され、第二ブレーキB2によりサンギヤS1とケース39とがワンウェイクラッチF1を介して係合され、第三ブレーキB3によりリングギヤR1とケース39とが係合されて、それぞれギヤを固定支持し、動力伝達経路を決めるように構成されている。なお、リングギヤR1は、ワンウェイクラッチF2によってもケース39に係合されるようになっている。さらに、プラネタリキャリヤCR1は、カウンタドライブギヤ31に連結されている。
一方、副変速部40は、フロントプラネタリギヤユニット43と、リアプラネタリギヤユニット44と、を備えている。フロントプラネタリギヤユニット43は、サンギヤS3と、リングギヤR3と、この両者に挟まれて噛合し自転及び公転するピニオンギヤP3と、このピニオンギヤP3の公転運動を支持して自転するプラネタリキャリヤCR3と、を備えている。リアプラネタリギヤユニット44は、サンギヤS4と、リングギヤR4と、この両者に挟まれて噛合し自転及び公転しするピニオンギヤP4と、このピニオンギヤP4の公転運動を支持して自転するプラネタリキャリヤCR4と、を備えている。なお、サンギヤS3とサンギヤS4とは連結部材49により連結されている。
そして、副変速部40は、伝達要素Cとして摩擦係合する第三クラッチC3を備えており、反力要素Bとして摩擦係合する第四ブレーキB4及び第五ブレーキB5を備えている。第三クラッチC3によりプラネタリキャリヤCR3と連結部材49とが係合されている。また、第四ブレーキB4により連結部材42とケース39とが係合され、第五ブレーキB5によりプラネタリキャリヤCR4とケース39とが係合されている。さらに、リングギヤR3はカウンタドリブンギヤ41に連結され、プラネタリキャリヤCR3及びリングギヤR4が出力軸50に連結されている。
次に、上述のように構成された自動変速機の変速制御装置の動作について説明する。図3は、各変速段において係合させる伝達要素C及び反力要素Bを示す作動表である。すなわち、クラッチC1〜C3及びブレーキB1〜B5のうち、前進第1速(1ST)から第5速(5TH)及び後進(REV)の各変速段において係合させる要素が○印で示されている。なお、×印はエンジンブレーキ時に係合する反力要素Bを示している。例えば前進第1速(1ST)が選定されると、第一クラッチC1及び第五ブレーキB5が係合されて、動力伝達経路が決まる。また、走行中のエンジンブレーキ状態では、第三ブレーキB3が係合される。
実施例の変速制御装置では、運転者がシフトレバー65を操作して非走行レンジから走行レンジに切り換えられたときに、係合制御手段80が作動するようになっている。例えば、ニュートラルレンジからドライブレンジに切り換えられたときには、電子制御装置70は、エンジン回転数や、出力軸回転数あるいは車速、アクセルスロットルの開度を参照しつつ、最も適切な変速段を選定する。また、ローレンジに切り換えられたときには、自動的に変速段まで選定されるようになっている。変速段が選定されて、係合制御手段80が作動すると、図4の制御処理フローに示される順序で制御が進行する。なお、以下の文末の括弧付き数字は、図4の処理内容に付された番号に対応している。
まず、係合制御手段80は、選定された変速段に応じて係合させる伝達要素C及び反力要素Bを図3の作動表により選定する (1)。次に、出力軸回転数センサ51で検出している出力軸回転数を取り込む (2)。同様に、油温センサ61で検出している油圧装置60の作動油の油温を取り込む (3)。選定された反力要素Bについて、検出された出力軸回転数及び油温の条件における予想係合時間を算出する (4)。予想係合時間は、出力軸回転数や油温ごとに前もって実測された値であり、各要素ごとに決められている。予想係合時間は、後述のように電子制御装置70の記憶部に保持されている。
次に、反力要素Bの予想係合時間を、予め定めておいた最大許容係合時間と比較する (5)。予想係合時間が小さいときには、まず反力要素Bをライン圧または調圧された一定圧で駆動し、伝達要素Cはタイムラグを設けて係合圧を制御しつつ駆動する (6)。これは通常の駆動制御であり、予想係合時間があまり大きくない場合にはタイムラグを設けても、走行レンジの確立は大きく遅延しないため支障は生じない。
これに対して、予想係合時間が大きいときには、除外条件に適合していないか確認した上で (7)、伝達要素Cの駆動と同時または伝達要素Cの駆動後に、反力要素Bの駆動を開始し、係合圧を細かく制御する (8)。このときには、通常とは逆に、伝達要素Cが先に係合し、反力要素Bが後から係合する。さらに、反力要素Bが遅れて係合することがわかっているので、小さな係合圧でゆっくり係合させるなどの、係合ショックの軽減策を施す。これにより、レンジ切換操作は遅延することなく、走行レンジ確立に要する時間は長引かず、かつレンジ切換時の係合ショックを軽減できる。
なお、除外条件としては、反力要素Bを先に係合させると出力軸50の回転数が上昇しすぎて作動安定性を欠く場合や、アクセルスロットルの開度が小さいときに反力要素Bの制御性が悪い場合などがある。
さらに、図5に示される伝達要素C及び反力要素Bの予想係合時間(秒)の例を用いて、具体例に説明する。図5は、前もって実測したデータを基にして定められた、ある温度における出力軸回転数をパラメータとした予想係合時間を示した表である。予想係合時間は、出力軸回転数と油温とをパラメータとして、計算式あるいは一覧表の形で電子制御装置70の記憶部に保持されている。また、予想係合時間の大小を判定する最大許容係合時間を0.35秒と決めておく。
すると、例えば前進第4速(4TH)が選定されると、図3の作動表により、第一クラッチC1と第3クラッチC3と第二ブレーキB2とが係合すべき要素として選定される。このとき、出力軸回転数が1000rpmであれば、図5により予想係合時間は第一クラッチC1で0.2秒、第3クラッチC3で0.15秒である。また、第二ブレーキB2の予想係合時間は0.2秒であり、最大許容係合時間の0.35秒よりも小さいので、通常の駆動制御により第二ブレーキB2が最初に係合される。このときの係合圧の時間変化を図6(a)に示す。
図6は、ニュートラルレンジからドライブレンジに切り換えられたときの係合圧の時間変化を示しており、(a)は前進第4速(4TH)で出力軸回転数が1000rpmの場合の従来の通常の駆動制御である。図中の破線は係合圧の指令値を示し、実線は実際に生起する油圧を示している。レンジが切り換えられた時刻T0において、係合制御手段80から油圧装置60に対して、第二ブレーキB2の一定の係合圧P1が指令されている。そして、約0.2秒後の時刻T1では、実際の油圧が係合圧P1にほぼ到達して、第二ブレーキB2の係合も完了している。第一クラッチC1及び第3クラッチC3には、時刻T0において小さな係合圧P2が指令され、時刻T1から係合圧P2が徐々に増加するように指令されている。これにより、第二ブレーキB2の係合が完了した後に、第一クラッチC1及び第3クラッチC3が穏やかに係合して走行レンジが確立されるため、係合ショックは回避されている。
また、前進第3速(3RD)が選定された場合には、第一クラッチC1と第二ブレーキB2及び第四ブレーキB4とが係合すべき要素として選定される。このとき、出力軸回転数が6000rpmであれば、図5により予想係合時間は、第一クラッチC1で0.25秒、第二ブレーキB2で0.2秒、第四ブレーキB4で0.4秒である。第四ブレーキB4の予想係合時間は許容最大係合時間よりも大きいため、第一クラッチC1及び第二ブレーキB2は第四ブレーキB4と同時に時刻T0で駆動される。図6(b)は、このときの係合圧の変化の様子を示したものであり、第一クラッチC1及び第二ブレーキB2の係合圧は時刻T0で一定圧P3とされて、先に係合する。第四ブレーキB4の係合圧は時刻T0で大きな油圧P4が指令された後、一旦減少した後再度徐々に増加するように、細かく制御されている。これにより、第四ブレーキB4は、一番最後に穏やかに係合して走行レンジが確立されるため、係合ショックは回避されている。
上述の前進第3速(3RD)が選定されときには、従来の駆動制御では支障があり、このときの係合圧の変化の様子を示したものが図6(c)である。従来の駆動制御により第四ブレーキB4の係合圧は時刻T0で一定圧P5が指令されるが、実際の油圧が一定圧P5に達して、第四ブレーキB4が係合を完了するまでに約0.4秒かかる。一方、第一クラッチC1及び第二ブレーキB2は、0.25秒後には係合されている。したがって、係合順序が逆転して、第四ブレーキB4が時刻T2(約0.4秒後)で一番最後に、一定の係合圧P5で係合されるため、係合ショックが発生する。第一クラッチC1及び第二ブレーキB2に長いタイムラグを設けて、第四ブレーキB4を最初に係合させるようにすれば係合ショックは生じないが、係合時間が長引き走行レンジ確立に長時間を要するという難点が解消できない。
なお、図5に示された予想係合時間は特定の油温における値であり、油温が変われば予想係合時間も変化する。また、最大許容係合時間の0.35秒は一律ではなく、変速機の構造に応じて決められる値である。最大許容係合時間は予想係合時間のように出力軸回転数や油温に応じて変化させてもよい。さらに、除外条件についても変速機の構造、性能に応じて適宜定め、制御ソフトウェアに反映しておくことが望ましい。
本発明の自動変速機の変速制御装置は、車両一般に広く適用できる。
本発明の実施例の自動変速機の変速制御装置の機能ブロック図である。 図1の実施例における動力伝達概念を示す説明図である。 図1の実施例における作動表を示す図である。 図1の実施例における制御処理フローを示す図である。 図1の実施例における、ある油温での予想係合時間を示す図である。 図1の実施例における係合圧の時間変化を示す図であり、(a)は従来の通常の駆動制御でよい場合、(b)は本発明による駆動制御の場合、(c)は従来の駆動制御で支障のある場合、をそれぞれ示している。
符号の説明
10:入力軸
20:変速装置 C:伝達要素 B:反力要素
30:主変速部
31:カウンタドライブギヤ
33:ダブルピニオンプラネタリギヤユニット
S1:サンギヤ R1:リングギヤ P11、P12:ピニオンギヤ
CR1:プラネタリキャリア
34:シングルピニオンプラネタリギヤユニット
S2:サンギヤ R2:リングギヤ P2:ピニオンギヤ
C1:第一クラッチ C2:第二クラッチ
B1:第一ブレーキ B2:第二ブレーキ B3:第三ブレーキ
F1、F2:ワンウェイクラッチ
39:変速機のケース
40:副変速部
41:カウンタドリブンギヤ
43:フロントプラネタリギヤユニット
S3:サンギヤ R3:リングギヤ P3:ピニオンギヤ
CR3:プラネタリキャリア
44:リアプラネタリギヤユニット
S4:サンギヤ R4:リングギヤ P4:ピニオンギヤ
CR4:プラネタリキャリア
C3:第三クラッチ B4:第四ブレーキ B5:第五ブレーキ 49:連結部材
50:出力軸 51:出力軸回転数センサ
60:油圧装置 61:油温センサ
65:シフトレバー
70:電子制御装置
80:係合制御手段
90:トルクコンバータ

Claims (6)

  1. 複数のギヤをもち入力軸から入力された動力を変速して出力軸に出力する変速装置と、動力の伝達経路を切り換える複数の係合要素と、該複数の係合要素を係合及び解放する油圧装置と、該油圧装置に指令を送る変速制御部と、を備える自動変速機において、
    前記出力軸の回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、
    前記油圧装置の油温を検出する油温検出手段と、
    非走行レンジから走行レンジに切り換えられたことを検出する切換検出手段と、
    該切換検出手段が非走行レンジから走行レンジに切り換えられたことを検出したとき、検出された前記出力軸回転数及び前記油温に基づいて、前記走行レンジを達成するために少なくとも2つの前記係合要素の係合のタイミングを制御し係合させる係合制御手段と、
    を有することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記係合制御手段は、少なくとも2つの前記係合要素を係合させる通常の所定の係合順序を有し、特定の場合には前記所定の係合順序を変更する請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記係合制御手段は、検出された前記出力軸回転数及び前記油温の条件において、通常は最初に係合させるる第一の係合要素の予想係合時間が最大許容係合時間を超える場合に、第二以降の係合要素を前記第一の係合要素より前にまたは同時に係合させる請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 前記係合制御手段は、前記出力軸回転数及び前記油温をパラメータとして変化する前記係合要素の前記予想係合時間あるいは前期最大許容係合時間のデータを保持する請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 前記係合制御手段は、前記第二以降の係合要素を係合させるとき、前記油圧装置の油圧を制御することにより係合時のショックを防止する請求項3または4に記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 前記変速装置は、前記係合要素をもつプラネタリギヤ式変速装置である請求項1〜5のいずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
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