JP2010101476A - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Hiroki Takeda
弘輝 武田
Kazuyuki Shiiba
一之 椎葉
Takeshi Fujikane
剛 藤兼
Hiromitsu Metsugi
宏光 目次
Yuji Inoue
雄二 井上
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Abstract

【課題】トルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる可変容量型トルクコンバータを提供する。
【解決手段】入力軸21に連結されたポンプ翼車6pと、出力軸22に連結されたタービン翼車6tと、そのタービン翼車6tとそのポンプ翼車6pとの間に配設されたステータ翼車6sとを有するトルクコンバータ6を備えた車両の走行制御装置であって、トルクコンバータ6の油温TOILが予め設定された油温判定値TOIL1を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段120と、車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段122と、低油温状態且つ停車状態であると判定された場合に、トルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段126とを備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、駆動源から入力されたトルクを流体を介して伝達するトルクコンバータを備えた車両の走行制御装置に係り、特に、トルクコンバータおよび変速機の暖機を促進させる技術に関するものである。
流体式伝動装置の一種に、入力軸に連結されたポンプ翼車と、出力軸に連結されたタービン翼車と、そのタービン翼車とそのポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータが知られている。このようなトルクコンバータでは、ステータ翼車が一方向クラッチを介して非回転部材に連結されており、可変容量特性を備えない。一般に、トルクコンバータの流体特性としては、燃費指向であるときは高い容量(容量係数)であること、加速指向であるときは低い容量(容量係数)であることが望まれるが、上記従来の構成では、上記容量がポンプ翼車、タービン翼車、ステータ翼車の形状によって一義的に定められてしまうため、走行パターンに拘わらず同一流体特性となり、燃費性能および動力性能を同時に向上させることには限界があった。
これに対し、特許文献1に示されているように、ステータ翼車と非回転部材との間にブレーキ手段を設け、そのブレーキ手段の制動トルクを調節して容量を可変とした可変容量型トルクコンバータが提案されている。これによれば、ブレーキ手段による制動トルクを調節することによってステータ翼車の回転はポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向の範囲で制御されるので、トルクコンバータのトルク比および容量係数を無段階或いは多段階に変化させることが可能となり、運転条件や走行条件に応じて最適なトルク比および容量係数を設定でき、車両の走行性能を高めることができる。
特開平1−169170号公報
しかしながら、上記従来の可変容量型トルクコンバータでは、そのステータ翼車の回転はポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向の範囲で制御されるに過ぎず、それにより得られるトルク比の上限値や容量係数の下限値には限界があり、運転条件や走行条件に応じて必ずしも十分にトルクコンバータのトルク比を高め、容量係数を低く変化させることができず、車両の動力性能を十分に高めることができなかった。
ところで、トルクコンバータおよびトルクコンバータの下流側に配設される変速機内の油温が低いとき、制御性などを確保するため、油温が所定値以上の暖機状態になるまで実施されない制御がある。例えば、トルクコンバータのロックアップ制御やフレックスロックアップ制御、或いは変速機のニュートラル制御などがそれである。そのため、油温が低い状態から車両を発進させると油温が上昇するまですなわちトルクコンバータおよび変速機の暖機が完了するまで前記各制御が実施されず、燃費性の低下や動力性の低下が生じる可能性があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる可変容量型トルクコンバータを提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)入力軸に連結されたポンプ翼車と、出力軸に連結されたタービン翼車と、そのタービン翼車とそのポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータを備えた車両の走行制御装置であって、(2)前記トルクコンバータの油温が予め設定された油温判定値を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段と、(3)車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段と、(4)前記低油温判定手段により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段により停車状態であると判定された場合に、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段とを備えていることにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、(1)前記ステータ翼車を回転駆動するための電動機を備え、(2)前記容量係数増大制御手段は、前記電動機を用いて前記ステータ翼車をポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動させることにより、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくするステータ翼車回転駆動手段を含むことにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2にかかる発明において、前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差が大きいほど前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度を大きくするものであることにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項3にかかる発明において、(1)前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差に基づいて前記ステータ翼車の負回転方向の目標回転速度を算出する目標回転速度算出手段を備え、(2)前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度が前記目標回転速度算出手段により算出された前記目標回転速度に一致するように、前記ステータ翼車を回転駆動するものであることにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、(1)前記トルクコンバータの出力軸の回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機と、(2)手動操作部材の操作位置にしたがって前記変速機の走行状態を切り換える走行状態切換装置と、(3)前記ステータ翼車または前記タービン翼車を回転駆動するための電動機と、(4)前記電動機と前記タービン翼車との間に配設されてその電動機とタービン翼車とを選択的に連結する第1クラッチと、(5)前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機の動力伝達経路を遮断する中立状態とするための中立位置であるか否かを判定する中立位置判定手段とを備え、(6)前記容量係数増大制御手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第1クラッチを係合して前記電動機と前記タービン翼車とを連結するクラッチ切換手段と、前記第1クラッチを介して前記タービン翼車に連結された前記電動機を用いてそのタービン翼車を回転停止状態に制御するタービン翼車回転制御手段とを含むことにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項5にかかる発明において、(1)前記電動機と前記ステータ翼車との間に配設されてその電動機とステータ翼車とを選択的に連結する第2クラッチを備え、(2)前記クラッチ切換手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第2クラッチを解放して前記ステータ翼車を自由回転状態とするものであることにある。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項5または6にかかる発明において、(1)前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機において前進走行レンジまたは前進走行ギヤ段を成立させるための前進走行位置或いは後進走行レンジまたは後進走行ギヤ段を成立させるための後進走行位置であるか否かを判定する走行位置判定手段を備え、(2)前記タービン翼車回転制御手段は、中立位置判定手段により中立位置が判定されていた際に前記走行位置判定手段により前記前進走行位置或いは後進走行位置が判定されたときには、前記電動機を用いて前記タービン翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向に回転駆動するものであることにある。
請求項1にかかる発明の走行制御装置によれば、入力軸に連結されたポンプ翼車と、出力軸に連結されたタービン翼車と、そのタービン翼車とそのポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータを備えた車両の走行制御装置であって、前記トルクコンバータの油温が予め設定された油温判定値を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段と、車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段と、前記低油温判定手段により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段により停車状態であると判定された場合に、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段とを備えていることから、特に、トルクコンバータの出力側に設けられた変速機において車両を前進走行或いは後進走行させるための走行レンジまたは走行ギヤ段が成立しているときにトルクコンバータのタービン翼車が回転停止状態である場合において、容量係数が増大されることによって、所定のアイドリング回転速度を維持しようと作動している動力源からトルクコンバータのポンプ翼車に入力されるトルクが増大してトルクコンバータ内における発熱量が増加されるので、トルクコンバータおよび変速機の油温が速やかに上昇されてトルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる。
請求項2にかかる発明の走行制御装置によれば、前記ステータ翼車を回転駆動するための電動機を備え、前記容量係数増大制御手段は、前記電動機を用いて前記ステータ翼車をポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動させることにより、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくするステータ翼車回転駆動手段を含むことから、特に、トルクコンバータの出力側に設けられた変速機において車両を前進走行或いは後進走行させるための走行レンジまたは走行ギヤ段が成立しているときにトルクコンバータのタービン翼車が回転停止状態である場合において、電動機を用いてステータ翼車が負回転方向に回転駆動されて容量係数が増大されることによって、所定のアイドリング回転速度を維持しようと作動している動力源からトルクコンバータのポンプ翼車に入力されるトルクが増大してトルクコンバータ内における発熱量が増加されるので、トルクコンバータおよび変速機の油温が速やかに上昇されてトルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる。
請求項3にかかる発明の走行制御装置によれば、前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差が大きいほど前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度を大きくするものであることから、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差が大きい状態では負回転速度が大きくされ、小さい状態では負回転速度が小さくされるので、電動機での消費電力を可及的に少なくしつつトルクコンバータの油温を必要且つ充分に上昇させることができる。
請求項4にかかる発明の走行制御装置によれば、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差に基づいて前記ステータ翼車の負回転方向の目標回転速度を算出する目標回転速度算出手段を備え、前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度が前記目標回転速度算出手段により算出された前記目標回転速度に一致するように、前記ステータ翼車を回転駆動するものであることから、油温判定値とトルクコンバータの油温との差が大きいほどステータ翼車の負回転方向の目標回転速度が大きくなるように予め設定された関係から算出された目標回転速度に基づいてステータ翼車が回転駆動されることで、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差が大きい状態では負回転速度が大きくされ、小さい状態では負回転速度が小さくされるので、一層電動機での消費電力を少なくしつつトルクコンバータの油温を必要且つ充分に上昇させることができる。
請求項5にかかる発明の走行制御装置によれば、前記トルクコンバータの出力軸の回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機と、手動操作部材の操作位置にしたがって前記変速機の走行状態を切り換える走行状態切換装置と、前記ステータ翼車または前記タービン翼車を回転駆動するための電動機と、前記電動機と前記タービン翼車との間に配設されてその電動機とタービン翼車とを選択的に連結する第1クラッチと、前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機の動力伝達経路を遮断する中立状態とするための中立位置であるか否かを判定する中立位置判定手段とを備え、前記容量係数増大制御手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第1クラッチを係合して前記電動機と前記タービン翼車とを連結するクラッチ切換手段と、前記第1クラッチを介して前記タービン翼車に連結された前記電動機を用いてそのタービン翼車を回転停止状態に制御するタービン翼車回転制御手段とを含むことから、変速機で中立状態が成立している場合において、タービン翼車がポンプ翼車とともに連れ回ることが防止されることにより、トルクコンバータの伝達効率が0付近となってトルクコンバータに入力された動力源の全て又は大部分の仕事がそのトルクコンバータ内における発熱に変換されるので、トルクコンバータおよび変速機の油温が速やかに上昇されてトルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる。
請求項6にかかる発明の走行制御装置によれば、前記電動機と前記ステータ翼車との間に配設されてその電動機とステータ翼車とを選択的に連結する第2クラッチを備え、前記クラッチ切換手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第2クラッチを解放して前記ステータ翼車を自由回転状態とするものであることから、変速機で中立状態が成立している場合において、さらに容量係数が増大されてトルクコンバータ内における発熱量が増加されるので、トルクコンバータおよび変速機の油温が速やかに上昇されてトルクコンバータおよび変速機の暖機を促進することができる。
請求項7にかかる発明の走行制御装置によれば、前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機において前進走行レンジまたは前進走行ギヤ段を成立させるための前進走行位置或いは後進走行レンジまたは後進走行ギヤ段を成立させるための後進走行位置であるか否かを判定する走行位置判定手段を備え、前記タービン翼車回転制御手段は、中立位置判定手段により中立位置が判定されていた際に前記走行位置判定手段により前記前進走行位置或いは後進走行位置が判定されたときには、前記電動機を用いて前記タービン翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向に回転駆動するものであることから、タービン翼車を介して変速機の入力軸が電動機によって正回転方向に回転駆動されることで車両の駆動力が補助されるので、トルクコンバータの暖機促進効果を享受しつつも車両の発進遅れを抑制することができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例のトルクコンバータ6が適用された車両用駆動装置7の構成の一部を説明する骨子図である。図1において、この車両用駆動装置7は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、車両走行用の動力源として例えば内燃機関で構成されるエンジン9と、そのエンジン9の後段に設けられるとともにそのエンジン9から入力されたトルクを流体を介して出力するトルクコンバータ6と、そのトルクコンバータ6の後段に設けられるとともにそのトルクコンバータ6の回転を変速して後述の図10に示す差動歯車装置114および駆動軸116などを介して駆動輪118へ伝達する自動変速機(変速機)8などを備えている。なお、このトルクコンバータ6および自動変速機8はその軸心に対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはそれら軸心の下半分が省略されている。
トルクコンバータ6は、エンジン9のクランク軸に連結されたトルクコンバータ6の入力軸21に連結され、エンジン9から回転駆動されることによってトルクコンバータ6内の作動油の流動による流体流を発生させるポンプ翼車6pと、自動変速機8の入力軸に連結されたトルクコンバータ6の出力軸22に連結され、ポンプ翼車6pからの流体流を受けて回転させられるタービン翼車6tと、タービン翼車6tからポンプ翼車6pへの流体流中に回転可能に配設されたステータ翼車6sとを備えており、作動油を介して動力伝達を行うようになっている。上記作動油は、油圧制御回路95(図10参照)内の共通のオイルポンプ42からトルクコンバータ6および自動変速機8へ供給されるとともに、共通のオイルパンに回収された後、上記油圧ポンプに供給されることにより、油圧制御回路95とトルクコンバータ6および自動変速機8との間で循環するようになっている。ポンプ翼車6pには、油圧制御回路95において用いられる油圧を発生する機械式のオイルポンプ42が連結されている。
上記ポンプ翼車6pとタービン翼車6tとの間にはロックアップクラッチL/Cが設けられており、油圧制御回路95によってそのロックアップクラッチL/Cの係合状態、スリップ状態、或いは解放状態が制御されるようになっている。トルクコンバータ6では、そのロックアップクラッチL/Cが完全係合状態とされることによってポンプ翼車6pおよびタービン翼車6tが一体回転させられるようになっている。すなわち、エンジン9のクランク軸と自動変速機8の入力軸22とが相互に直結状態とされるようになっている。
トルクコンバータ6は、ステータ翼車6sに選択的に連結されてそのステータ翼車6sを回転駆動するための電動機10と、その電動機10とステータ翼車6sとの間に配設されてその電動機10とステータ翼車6sとを選択的に連結する本発明における第2クラッチに相当するクラッチCsと、ステータ翼車6sと非回転部材であるトランスミッションケース11との間に配設されてそのステータ翼車6sとトランスミッションケース11とを選択的に係合するブレーキBsとを備えている。
上記電動機10は、駆動トルクを発生させる電動モータとしての機能と発電機としての機能とが選択的に得られるように構成されたモータジェネレータであって、後述の図10に示すインバータ112を介してバッテリーおよびコンデンサなどの蓄電装置113に接続されており、そのインバータ112によりその回転速度すなわち電動機回転速度Nが制御されるようになっている。そして、ステータ翼車6sは、ブレーキBsが解放され且つクラッチCsが係合された状態において、電動機10によりポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に回転駆動されることにより、その正回転方向の回転速度すなわちステータ回転速度Nが制御されるようになっている。このときステータ翼車6sには、例えば図2に示すように後述の電子制御装置78からインバータ112を介して電動機10に供給される駆動電流Iの大きさに比例する上記正回転方向の駆動トルクTが電動機10から伝達される。
また、ステータ翼車6sは、ブレーキBsが解放され且つクラッチCsが係合された状態において、電動機10によりポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動されることにより、その負回転方向の回転速度すなわちステータ回転速度−Nが制御されるようになっている。このときステータ翼車6sには、例えば図2に示すように後述の電子制御装置78からインバータ112を介して電動機10に供給される駆動電流Iの大きさに比例する上記負回転方向の駆動トルクTが電動機10から伝達される。以下において、特に、エンジン9およびポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向の回転速度とその正回転方向とは反対の負回転方向の回転速度とを区別する場合には、例えば上記正回転方向の回転速度を表す符号の前には「+(プラス)」を、また、上記負回転方向の回転速度を表す符号の前には「−(マイナス)」を付すこととする。なお、符号の無い場合は、特に正回転方向と負回転方向とを区別していないものとする。
また、ステータ翼車6sは、ブレーキBsが解放され且つクラッチCsが係合されて電動機10に連結された状態において、その電動機10の回生(発電)によってもステータ翼車6sの負回転方向の回転速度−Nが制御されるようになっている。このときステータ翼車6sには、例えば図3に示すように車両に設けられた蓄電装置113(図10参照)等に供給すなわち蓄電される発電電流Iの大きさに比例する上記負回転方向の負荷トルクすなわち制動トルクTが伝達される。
上記クラッチCsおよびブレーキBsは、従来の車両用自動変速機においてもよく用いられている係合要素としての油圧式摩擦係合装置である。これらは、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた複数本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、これらが介挿されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。これらクラッチCsおよびブレーキBsは、油圧制御回路95から上記油圧アクチュエータに供給される油圧に応じて係合度合いが調整されることにより、それぞれが介挿されている両側の部材間の係合状態、スリップ状態、或いは解放状態を制御するようになっている。
ここで、ステータ翼車6sは、ブレーキBsが完全に係合されることによりトランスミッションケース11に固定されて非回転状態となる。また、ステータ翼車6sは、ブレーキBsの係合度合いすなわち係合圧が調整されることにより発生するスリップ(半係合)によっても、上記負回転方向の回転速度が制御されるようになっている。このスリップが生じているとき、ステータ翼車6sには、例えばブレーキBsの係合圧が大きくなるとともに増大する上記負回転方向の負荷トルクすなわち制動トルクTが伝達される。
また、ステータ翼車6sには、クラッチCsが完全に係合されることにより前述の電動機10から出力される駆動トルクTあるいは制動トルクTがそのまま伝達されるようになっているが、クラッチCsの係合度合いすなわち係合圧が調整されることにより発生するスリップ(半係合)により、その係合圧の大きさに応じて上記駆動トルクTあるいは制動トルクTの伝達割合が変化させられるようになっている。
自動変速機8は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース11内において、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを共通の軸心上に有し、トルクコンバータ6の出力軸22から伝達された回転を変速して出力軸24から出力する。
上記第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP1、そのピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持するキャリアCA1、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えている。また、第2遊星歯車装置16は、サンギヤS2、ピニオンギヤP2、そのピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持するキャリアCA2、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。また、第3遊星歯車装置18は、サンギヤS3、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP2及びP3、そのピニオンギヤP2及びP3を自転及び公転可能に支持するキャリアCA3、ピニオンギヤP2及びP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3を備えている。
図1において、クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2は、クラッチCsおよびブレーキBsと同様な油圧式摩擦係合装置である。第1回転要素RM1(サンギヤS2)は、第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース11に選択的に連結されて回転停止され、また、第3クラッチC3を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置12のリングギヤR1(すなわち第2中間出力経路PA2)に選択的に連結され、さらに、第4クラッチC4を介して第1遊星歯車装置12のキャリアCA1(すなわち第1中間出力経路PA1の間接経路PA1b)に選択的に連結されるようになっている。また、第2回転要素RM2(キャリアCA2およびCA3)は、第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース11に選択的に連結されて回転停止され、また、第2クラッチC2を介して入力軸22(すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1a)に選択的に連結されるようになっている。また、第3回転要素RM3(リングギヤR2およびR3)は、出力軸24に一体的に連結されており、その第3回転要素RM3に入力された回転を出力軸24に出力するようになっている。また、第4回転要素RM4(サンギヤS3)は、第1クラッチC1を介してリングギヤR1に連結されるようになっている。なお、第2回転要素RM2とトランスミッションケース11との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチF1が第2ブレーキB2と並列に設けられている。
図4は、自動変速機8において各変速段を成立させる際の各係合要素の作動状態を説明する図表であり、「○」は係合状態を、「(○)」はエンジンブレーキ時のみの係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。図4に示すように、本実施例の自動変速機8は、上記各係合装置すなわちクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2が選択的に係合させられることにより、変速比(=自動変速機8の入力軸回転速度NIN/自動変速機8の出力軸回転速度NOUT)が異なる第1速ギヤ段「1st」乃至第8速ギヤ段「8th」を含む前進走行ギヤ段、或いは第1速後進ギヤ段「Rev1」および第2速後進ギヤ段「Rev2」を含む後進ギヤ段のうちいずれか1の変速ギヤ段が成立するようになっている。なお、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比によって適宜定められる。
図5は、運転者により手動操作されるシフトレバー(手動操作体)106の操作位置PSHにしたがって自動変速機8の走行状態すなわち走行ポジションを切り換える走行ポジション切換装置(走行状態切換装置)50における上記シフトレバー106の操作経路を例示する図である。上記自動変速機8の走行ポジションには、自動変速機8の動力伝達経路が遮断され且つ図示しないメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸24の回転が固定(ロック)される駐車ポジションと、全ての後進ギヤ段を含むRレンジ(後進走行レンジ)が用いられ、自動変速機8のギヤ段がそのRレンジに含まれる後進ギヤ段のうちのどちらかの後進ギヤ段に自動的に変速される後進走行ポジションと、自動変速機8の動力伝達経路が遮断される中立状態とされる中立ポジションと、全ての前進ギヤ段を含むDレンジ(前進走行レンジ)が用いられ、自動変速機8のギヤ段がそのDレンジのいずれか1の前進ギヤ段に自動的に変速される前進走行ポジションと、前進ギヤ段の変速範囲のうち上限ギヤ段を制限した複数のレンジすなわち1レンジ乃至5レンジを含む、1レンジ乃至Dレンジ(前進走行レンジ)が用いられ、自動変速機8の走行レンジが所定の手動操作に応答して上記1レンジ乃至Dレンジのいずれか1に切り換わる手動変速ポジションとが、設定されている。そして、上記シフトレバー106は、自動変速機8の走行ポジションを上記駐車ポジションに切り換えるための駐車指令位置「P(パーキング)」と、上記後進走行ポジションに切り換えるための後進走行指令位置「R(リバース)」と、上記中立ポジションに切り換えるための中立指令位置(中立位置)「N(ニュートラル)」と、上記前進走行ポジションに切り換えるための自動変速走行指令位置「D(ドライブ)」と、上記手動変速ポジションに切り換えるための手動変速走行指令位置「M(マニュアル)」とへ手動操作されるように設けられている。上記自動変速走行指令位置および手動変速走行指令位置は、本発明における前進走行位置に相当し、上記後進走行指令位置は、本発明における後進走行位置に相当するものである。
上記駐車指令位置「P」乃至手動変速走行指令位置「M」に示す各操作位置PSHにおいて、駐車指令位置「P」および中立指令位置「N」は、車両を走行させないときに選択される非走行操作位置であって、例えば図2の係合作動表に示されるように第1クラッチC1および第2クラッチC2のいずれもが解放されるような自動変速機8内の動力伝達経路が遮断された車両を駆動不能とする第1クラッチC1および第2クラッチC2による動力伝達経路の動力伝達遮断状態へ切り換えを選択するための非駆動操作位置である。また、後進走行指令位置「R」、自動変速走行指令位置「D」、および手動変速走行指令位置「M」は、車両を走行させるときに選択される走行操作位置であって、例えば図2の係合作動表に示されるように第1クラッチC1および第2クラッチC2の少なくとも一方が係合されるような自動変速機8内の動力伝達経路が連結された車両を駆動可能とする第1クラッチC1および/または第2クラッチC2による動力伝達経路の動力伝達可能状態への切り換えを選択するための駆動操作位置でもある。
具体的には、シフトレバー106が駐車指令位置「P」あるいは中立指令位置「N」から後進走行指令位置「R」へ手動操作されることで、第2クラッチC2が係合されて自動変速機8内の動力伝達経路が動力伝達遮断状態から動力伝達可能状態とされ、シフトレバー106が中立指令位置「N」から自動変速走行指令位置「D」へ手動操作されることで、少なくとも第1クラッチC1が係合されて自動変速機8内の動力伝達経路が動力伝達遮断状態から動力伝達可能状態とされる。また、シフトレバー106が後進走行指令位置「R」から駐車指令位置「P」あるいは中立指令位置「N」へ手動操作されることで、第2クラッチC2が解放されて自動変速機8内の動力伝達経路が動力伝達可能状態から動力伝達遮断状態とされ、シフトレバー106が自動変速走行指令位置「D」から中立指令位置「N」へ手動操作されることで、第1クラッチC1および第2クラッチC2が解放されて自動変速機8内の動力伝達経路が動力伝達可能状態から動力伝達遮断状態とされる。
図6は、図1のエンジン9や自動変速機8やトルクコンバータ6などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図であって、電子制御装置78に入力される信号およびその電子制御装置78から出力される信号の一例を示すものである。図6において、電子制御装置78は、CPU、ROM、RAM、および入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン8の出力制御や自動変速機8の変速制御、或いはステータ翼車6sのステータ回転速度Nを制御するステータ翼車回転速度制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や変速制御用やステータ翼車回転速度制御用などに分けて構成される。
電子制御装置78には、エンジン回転速度センサ80からエンジン回転速度Nを示す信号、タービン回転速度センサ82から入力軸回転速度NINに対応するタービン回転速度Nを示す信号、電動機回転速度センサ83からステータ回転速度Nに対応する電動機回転速度Nを示す信号、車速センサ84から出力軸回転速度NOUTに対応する車速Vを示す信号、吸入空気量センサ86から吸入空気量Qを示す信号、吸入空気温度センサ88から吸入空気温度Tを示す信号、スロットルセンサ90からスロットル弁開度θTHを示す信号、冷却水温センサ92から冷却水温Tを示す信号、油温センサ94から油圧制御回路95の作動油の温度すなわちトルクコンバータ6内に流れる循環作動油や自動変速機8の各油圧式摩擦係合装置に供給される作動油の油温TOILを示す信号、アクセル操作量センサ96からアクセルペダル98の操作量すなわちアクセル開度Accを示す信号、フットブレーキスイッチ100からフットブレーキペダル102の操作の有無を示す信号、シフトレバーポジションセンサ104からシフトレバー106の操作位置PSHを示す信号などが供給されるようになっている。
また、電子制御装置78からは、エンジン8の吸気管に備えられた電子スロットル弁のスロットル弁開度θTHを制御するスロットルアクチュエータ108への駆動信号、エンジン8の各気筒内への燃料供給量を制御する燃料噴射装置110への燃料供給量信号、エンジン8の点火時期を制御する点火装置111への点火時期信号、トルクコンバータ6や自動変速機8の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御する油圧制御回路95へのバルブ駆動信号、電動機10の電動機回転速度Nを制御するインバータ112への電動機駆動信号等が、それぞれ出力される。
前記エンジン9の出力制御は、例えば、エンジン9の吸入空気量Qを調整するために電子スロットル弁108のスロットル弁開度θTHが制御されたり、燃料噴射装置110によりエンジン8の各気筒内への燃料噴射量が制御されたり、点火装置112によりエンジン8の点火時期が制御されることにより行われる。
また、前記自動変速機8の変速制御は、油圧制御回路95によって行われ、例えば、車速軸とスロットル弁開度軸またはアクセル開度軸との二次元座標内において設定された複数本の変速線から構成される予め記憶された変速線図(変速マップ)から、実際のスロットル弁開度θTHまたはアクセル開度Accおよび車速Vに基づいて自動変速機8の変速すべきギヤ段が決定され、その決定されたギヤ段を成立させるために図4に示す係合作動表に従って油圧制御回路95によりクラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の係合解放状態が切り換えられることにより行われる。この係合解放状態の切り換えは、駆動力変化などの変速ショックが発生したり摩擦材の耐久性が損なわれたりすることを防止するために、各クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の係合圧が連続的に制御されることにより行われる。なお、上記変速制御は、スロットル弁開度θTHまたはアクセル開度Accの他に、吸入空気量Q、路面勾配などに基づいて行われる等、種々の態様が可能である。
また、前記ステータ翼車回転速度制御は、電動機10および油圧制御回路95によって行われる。具体的には、上記ステータ翼車回転速度制御では、例えば、電動機10のローターに設けられたロータリエンコーダから出力されるパルス信号により電動機回転速度Nに対応するステータ回転速度Nを把握しつつ、そのステータ回転速度Nが所望の値に一致するようにステータ翼車6sへ伝達される駆動トルクTや制動トルクTの大きさおよびその伝達割合をそれぞれ変更する所謂フィードバック制御が行われる。ここで、上記ステータ翼車6sへ伝達される駆動トルクTや制動トルクTの大きさおよびその伝達割合の変更は、電子制御装置78の指令によりインバータ112から電動機10に供給される駆動電流Iと、電動機10から出力される発電電流Iと、油圧制御回路95からクラッチCsおよびブレーキBsへそれぞれ供給される油圧とがそれぞれ適宜調整されることにより行われる。
ここで、本実施例のトルクコンバータ6において、遠心力により外周側に張り付く作動油は、トルクコンバータ6の断面において図1の流線FLに沿うようにポンプ翼車6p、タービン翼車6t、スタータ翼車6sの順に循環する。図7に示すように、ポンプ翼車6p、タービン翼車6t、ステータ翼車6sは、周方向において一定間隔に隔てられた複数の羽根を備えている。図7は、各翼車におけるトルクコンバータ6内の作動油の流線FLに沿った羽根の形状をそれぞれ表している。ポンプ翼車6pの羽根によってエネルギーが与えられることにより流動させられた作動油は、タービン翼車6tの羽根に作用してタービン翼車6tを回転させる。タービン翼車6tを通過した作動油は、コンバータ領域では、ステータ翼車6sの羽根に当たって方向変換させられた後、ポンプ翼車6pへ循環させられる。上記ステータ翼車6sの羽根に作動油が当たって方向変換させられることにより、そのステータ翼車6sに反力トルクが発生させられる。この反力トルクは、上記作動油の方向変換量(角度)に対応しており、後述のトルク比tの大きさに対応している。
角運動量の定義によれば各翼車(ポンプ翼車6p、タービン翼車6t、およびステータ翼車6s)が作動油(流体)に与えるトルクT[N・m]は、次式(2)のように表される。
T=(γ/g)×Q×△(r×v) ・・・式(2)
式(2)において、γはトルクコンバータ6内の作動油の比重量[kg/m3]、gは重力加速度[m/s2]、Qは上記作動油の体積流量[m3/s]、△(r×v)は各翼車における流体流の出口と入口とにおける作動油の各絶対速度のモーメントr×v[m2/s]の差である。
上記式(2)から、ポンプ翼車6pが作動油に与えるトルクT[N・m]、タービン翼車6tが作動油に与えるトルクT[N・m]、およびステータ翼車6sが作動油に与えるトルクT[N・m]は、次式(3)乃至(5)のように表される。式(3)乃至(5)において、Tはポンプトルク[N・m]すなわちエンジン出力トルクT、Tはタービントルク[N・m]すなわち自動変速機8への入力トルク、Tはステータ翼車6sの反力トルクの大きさと一致するステータトルク[N・m]すなわちステータ翼車6sにより作動油の流れの向きが変えられる際にそのステータ翼車6sに対してポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に作用するトルクである。
= T=(γ/g)×Q×(VUP×r−VUS×r)・・・式(3)
=−T=(γ/g)×Q×(VUT×r−VUP×r)・・・式(4)
= T=(γ/g)×Q×(VUS×r−VUT×r)・・・式(5)
式(3)乃至(5)において、rはポンプ翼車6pの流体流の出口bpおよびタービン翼車6tの流体流の入口atにおける回転軸心すなわち自動変速機8の入力軸(タービン軸)22からの距離[m]、rはタービン翼車6tの流体流の出口btおよびステータ翼車6sの流体流の入口asにおける回転軸心からの距離[m]、rはステータ翼車6sの流体流の出口bsおよびポンプ翼車6pの流体流の入口apにおける回転軸心からの距離[m]である。また、式(3)乃至(5)中において、VUPはポンプ翼車6pの絶対速度の円周分速度[m/s]、VUTはタービン翼車6tの絶対速度の円周分速度[m/s]、VUSはステータ翼車6sの絶対速度の円周分速度[m/s]である。
式(3)乃至(5)からT+T+T=0(零)が成立するため、ポンプトルクT、タービントルクT、およびステータトルクTは次式(6)のように表される。つまり、トルクコンバータ6におけるポンプトルクTに対するタービントルクTのトルク増加分は、ステータトルクTに一致することになる。
=T+T・・・式(6)
本実施例のトルクコンバータ6においては、ステータ翼車6sの反力すなわちステータトルクTが、前記ステータ翼車回転速度制御において電動機10からステータ翼車6sに伝達される駆動トルクTや制動トルクTの大きさおよびその伝達割合がそれぞれ変更されることによって増減させられるようになっていることから、その増減に伴ってタービン翼車6tから出力される出力トルクすなわちタービントルクTが従来の一定容量のトルクコンバータで得られる出力トルクに対して増減させられるようになっている。
図8および図9は、上述の内容を示す、本実施例のトルクコンバータ6の特性を示す図である。図8は、タービン翼車6tのタービン回転速度Nとポンプ翼車6pのポンプ回転速度Nとの比すなわち速度比e(=N/N)に対する、タービントルクTとポンプトルクTとの比すなわちトルク比(トルク増幅率)t(=T/T)を示す図であり、図9は、上記速度比eに対するトルクコンバータ6の容量係数C(=T/N )[N・m/rpm2]を示す図である。上記容量係数Cは、ポンプ翼車6pを回転させるのにどれだけのトルクが必要か、すなわちポンプ翼車6pがどれだけ回されにくいかを表すものである。この容量係数Cが大きいときは、ポンプ翼車6pのポンプ回転速度Nを所定の値に維持するためにポンプ翼車6pに入力されるポンプトルクTが、容量係数Cの小さいときに比較して大きくなる。
図8および図9において、クラッチCsが係合された状態で制動トルクTが所定の値に調整されるかあるいはブレーキBsが係合されて、ステータ翼車6sが非回転状態とされることにより、図8において実線のベースラインBtで示すように従来の一定容量のトルクコンバータと同様に設計上定まる所定のトルク比tでトルクの伝達が行われる。なお、このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図8において実線のベースラインBCで示すようになる。
また、クラッチCsが係合された状態で電動機10により駆動トルクTが所定の値に調整されてステータ翼車6sがポンプ翼車6pと同一回転速度で回転させられると、ステータトルクTが増加し、図9においてステータ正転を示す長点線のように従来の一定容量のトルクコンバータで得られるよりも大きいトルク比tでトルクの伝達が行われる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図10においてステータ正転を示す長点線のようになる。すなわち、ステータ翼車6sがポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に回転駆動されると、ステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも容量係数Cが小さくなる。また、トルク比tおよび容量係数Cは、同じ速度比eであっても電動機10により駆動トルクTがさらに増減されるすなわちステータ翼車6sの正回転方向のステータ回転速度+Nが増減されることにより、図8において矢印aで示すように図8においてベースラインBtからステータ正転を示す長点線あるいはその長点線以上、および図9において矢印dで示すようにベースラインBCからステータ正転を示す長点線あるいはその長点線以下の範囲で適宜変更される。
また、クラッチCsおよびブレーキBsが解放されることによりステータ翼車6sが自由回転状態とされてステータトルクTが零とされると、図8においてステータフリーを示す1点鎖線のようにトルクの増大が行われずトルク比t=1でトルクの伝達が行われる。その結果、トルクコンバータ6が流体継手として機能するようになる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図9においてステータフリーを示す1点鎖線のようになる。すなわち、ステータ翼車6sが自由回転状態とされると、ステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも容量係数Cが大きくなる。
また、クラッチCsが係合された状態で電動機10の駆動または回生により負回転方向の駆動トルクTあるいは制動トルクTが所定の値に調整されるか、或いはブレーキBsの係合圧が所定の値に調整されてブレーキBsがスリップさせられることにより、ステータ翼車6sが負回転方向に回転されると、ステータトルクTがステータ翼車6sを固定する場合に比較して減少し、図8においてステータ逆転1を示す短点線のように従来の一定容量のトルクコンバータで得られるよりも小さいトルク比tでトルクの伝達が行われる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図9においてステータ逆転1を示す短点線のようになる。すなわち、ステータ翼車6sがポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動されると、ステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも容量係数Cが大きくなる。また、トルク比tおよび容量係数Cは、同じ速度比eであっても電動機10或いはブレーキBsにより駆動トルクTがさらに増減されるすなわちステータ翼車6sの負回転方向のステータ回転速度−Nが増減されることにより、図8において矢印bで示すように図8においてベースラインBt以下、および図9において矢印cで示すようにベースラインBCからステータ逆転2を示す2点差線の範囲で適宜変更される。したがって、本実施例では、電動機10でステータ翼車6sを積極的に負回転方向に回転駆動することにより、ステータ翼車6sが自由回転状態であるときよりも容量係数Cが大きくされるようになっている。
以上より、本実施例におけるトルクコンバータ6では、クラッチCsを介してステータ翼車6sに連結された電動機10が用いられてステータ翼車6sが前記正回転方向または負回転方向に回転制御されることにより、ステータ翼車6sが非回転状態である従来の一定容量のトルクコンバータと同様に設計上定まる所定のトルク比tおよび容量係数Cに対して、トルク比tが増大または減少され、容量係数Cが減少または増大されるようになっている。
また、トルクコンバータ6では、ブレーキBsのスリップによってステータ翼車6sがポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転制御されることにより、ステータ翼車6sが非回転状態であるときよりもトルク比tが減少され、容量係数Cが増大されるようになっている。
また、トルクコンバータ6は、クラッチCsおよびブレーキBsを選択的に係合することによって、容量係数Cを変更する容量係数制御を実施するか或いは通常走行を実施するが適宜変更可能な構成となっている。なお、本明細書において上記通常走行とは、クラッチCs、Ciを解放しつつブレーキBsを係合させることによりステータ翼車6sがトランスミッションケース11に対して固定され、図8の実線に示すベースラインBtで示すように従来の一定容量のトルクコンバータと同様に設計上定まる所定のトルク比tでトルク伝達が行われるようにするものである。
本実施例では、電子制御装置78は、車両の走行制御装置としても機能している。図10は、その走行制御装置として機能する電子制御装置78の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。
図10において、低油温判定手段120は、トルクコンバータ6や自動変速機8の油温TOILが予め設定された油温判定値TOIL1を下回る低油温状態か否かを判定する。本実施例では、上記油温判定値TOIL1は例えば80℃程度に予め設定されている。
停車判定手段122は、車両が停車状態であるか否かを判定する。具体的には、停車判定手段122は、車速Vが予め設定された停車判定値V1を下回るときに停車状態であると判定し、車速Vが停車判定値V1以上であるときに停車状態ではないと判定する。
容量係数増大制御手段126は、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定された場合に、トルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御を行うものである。本実施例では、容量係数増大制御手段126は、トルクコンバータ6の容量係数Cが図9のステータ逆転2を示す2点鎖線に一致するようにステータ翼車6sのステータ回転速度Nを制御するものであり、ステータ翼車回転駆動手段128とを含んで構成されている。
上記ステータ翼車回転駆動手段128は、ステータ翼車6sのステータ回転速度Nが予め設定された所定値N1に一致するように、電動機10を用いてステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動する。上記所定値N1は、トルクコンバータ6の容量係数Cが図9のステータ逆転2を示す2点鎖線に一致するようなステータ回転速度Nとして予め実験的に求められて記憶された値である。本実施例では、ステータ翼車回転駆動手段128は、ステータ回転速度Nに対応する実際の電動機回転速度Nを把握しつつその電動機回転速度Nが所定値N1に一致するように駆動トルクTを変更するフィードバック制御を行う。
図11は、車両の走行制御装置として機能する電子制御装置78の制御作動の要部、すなわち好適にはシフトレバー106が自動変速走行指令位置「D」または手動変速走行指令位置「M」または後進走行指令位置「R」である走行指令位置に操作されることにより自動変速機8内の動力伝達経路が達成されている状態であって、トルクコンバータ6の油温TOILが低油温状態であり且つ車両停車状態であるときにトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御を実施するための一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートであり、例えば数msec〜数十msecの所定の周期で繰り返し実行される。
図11において、低油温判定手段120に対応するステップS1(以下、ステップを省略する)では、トルクコンバータ6や自動変速機8の油温TOILが予め設定された油温判定値TOIL1を下回る低油温状態か否かが判定される。
S1の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、停車判定手段122に対応するS2において、車速Vが予め設定された停車判定値V1を下回る停車状態であるか否かが判定される。
S2の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、ステータ翼車回転駆動手段128に対応するS3において、ステータ翼車6sのステータ回転速度Nが予め設定された所定値N1に一致するように、電動機10が用いられてステータ翼車6sがポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動されて、本ルーチンは終了させられる。
上述のように、本実施例の車両の走行制御装置によれば、入力軸21に連結されたポンプ翼車6pと、出力軸22に連結されたタービン翼車6tと、そのタービン翼車6tとそのポンプ翼車6pとの間に配設されたステータ翼車6sとを有するトルクコンバータ6を備えた車両の走行制御装置であって、トルクコンバータ6の油温TOILが予め設定された油温判定値TOIL1を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段120と、車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段122と、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定された場合に、トルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段126とを備えていることから、特に、トルクコンバータ6の出力側に設けられた自動変速機8において車両を前進走行させるための前進走行レンジ(1レンジ乃至Dレンジ)または後進走行させるための後進走行レンジ(Rレンジ)が成立しているときにトルクコンバータ6のタービン翼車6tが回転停止状態である場合において、容量係数Cが増大されることによって、所定のアイドリング回転速度を維持しようと作動しているエンジン9からトルクコンバータ6のポンプ翼車6pに入力されるトルクが増大してトルクコンバータ6内における発熱量が増加されるので、トルクコンバータ6および自動変速機8の油温TOILが速やかに上昇されてトルクコンバータ6および自動変速機8の暖機を促進することができる。
また、本実施例の車両の走行制御装置によれば、ステータ翼車6sを回転駆動するための電動機10を備え、容量係数増大制御手段126は、電動機10を用いてステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動させることにより、トルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが自由回転状態であるときよりも大きくするステータ翼車回転駆動手段128を含むことから、特に、トルクコンバータ6の出力側に設けられた自動変速機8において車両を前進走行させるための前進走行レンジ(1レンジ乃至Dレンジ)または後進走行させるための後進走行レンジ(Rレンジ)が成立しているときにトルクコンバータ6のタービン翼車6tが回転停止状態である場合において、ステータ翼車6sが自由回転状態であるときよりも容量係数Cが増大されることによって、所定のアイドリング回転速度を維持しようと作動しているエンジン9からトルクコンバータ6のポンプ翼車6pに入力されるトルクが大幅に増大してトルクコンバータ6内における発熱量が大幅に増加されるので、トルクコンバータ6および自動変速機8の油温TOILが速やかに上昇されてトルクコンバータ6および自動変速機8の暖機を促進することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の車両には、実施例1と同様に図1に示すような車両用駆動装置7が用いられ、また、その車両の走行制御装置としても機能する電子制御装置78への入出力信号に関しても、実施例1と同様に図6に示すようになっている。
図12は、本実施例の車両の走行制御装置として機能する電子制御装置78の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。図12において、本実施例における容量係数増大制御手段130は、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定された場合に、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILが大きいほどトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときに比較して大きくする容量係数増大制御を行うものである。本実施例では、容量係数増大制御手段130は、トルクコンバータ6の容量係数Cを図9において矢印cで示すようにベースラインBCからステータ逆転2を示す2点差線の範囲内において適宜変更するようにステータ翼車6sのステータ回転速度Nを制御(増減)するものであり、目標ステータ回転速度算出手段(目標回転速度算出手段)132とステータ翼車回転駆動手段134とを含んで構成されている。
上記目標ステータ回転速度算出手段132は、例えば図13に示すような目標ステータ回転速度−N と油温差△TOILとの予め設定されて記憶された関係から、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差(差)△TOILに基づいてステータ翼車6sの負回転方向の目標ステータ回転速度(目標回転速度)−N を算出する。図13において、上記目標ステータ回転速度−N のうち最大値−NS(MAX) は、トルクコンバータ6の容量係数Cが図9のステータ逆転2を示す2点鎖線に一致するようなステータ回転速度Nとして予め実験的に求められて記憶された値である。
上記ステータ翼車回転駆動手段134は、ステータ翼車6sのステータ回転速度Nが目標ステータ回転速度算出手段132により算出された目標ステータ回転速度−N に一致するように、電動機10を用いてステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動する。本実施例では、ステータ翼車回転駆動手段134は、ステータ回転速度Nに対応する実際の電動機回転速度Nを把握しつつその電動機回転速度Nが目標ステータ回転速度−N に一致するように駆動トルクTを変更するフィードバック制御を行う。したがって、ステータ翼車回転駆動手段134は、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILが大きいほどステータ翼車6sの負回転方向のステータ回転速度−Nを大きくするものである。
図14は、車両の走行制御装置として機能する本実施例の電子制御装置78の制御作動の要部、すなわち好適にはシフトレバー106が自動変速走行指令位置「D」または手動変速走行指令位置「M」または後進走行指令位置「R」である走行指令位置に操作されることにより自動変速機8内の動力伝達経路が達成されている状態であって、トルクコンバータ6の油温TOILが低油温状態であり且つ車両停車状態であるときに油温差△TOILが大きいほどトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときに比較して大きくする容量係数増大制御を実施するための一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートであり、例えば数msec〜数十msecの所定の周期で繰り返し実行される。
図14において、S1およびS2は前述の実施例1の図11と同様である。
S2の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、、肯定される場合には、目標ステータ回転速度算出手段132に対応するS10において、予め設定されて記憶された関係から、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILに基づいてステータ翼車6sの負回転方向の目標ステータ回転速度−N が算出される。
次いで、ステータ翼車回転駆動手段134に対応するS11において、ステータ翼車6sのステータ回転速度NがS10により算出された目標ステータ回転速度−N に一致するように、電動機10が用いられてステータ翼車6sがポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動されて、本ルーチンは終了させられる。
上述のように、本実施例の車両の走行制御装置によれば、前述の実施例1と同様な機械的構成を有した車両の走行制御装置であって、低油温状態且つ停車状態であると判定された場合にトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段130を備えていることから、前述の実施例1と同様な効果が得られる。
さらに、本実施例の車両の走行制御装置によれば、容量係数増大制御手段130の備えるステータ翼車回転駆動手段134は、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILが大きいほどステータ翼車6sの負回転方向のステータ回転速度−Nを大きくするものであることから、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILが大きくなると負回転方向のステータ回転速度−Nが大きくされ、小さくなると負回転方向のステータ回転速度−Nが小さくされるので、電動機10での消費電力を可及的に少なくしつつトルクコンバータ6の油温TOILを必要且つ充分に上昇させることができる。
また、本実施例の車両の走行制御装置によれば、予め設定されて記憶された関係から、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILに基づいてステータ翼車6sの負回転方向の目標ステータ回転速度−N を算出する目標ステータ回転速度算出手段(目標回転速度算出手段)132を備え、ステータ翼車回転駆動手段134は、ステータ翼車6sの負回転方向のステータ回転速度−Nが目標ステータ回転速度算出手段132により算出された目標ステータ回転速度−N に一致するように、前記ステータ翼車を回転駆動するものであることから、油温判定値TOIL1と油温TOILとの油温差△TOILが大きいほどステータ翼車6sの負回転方向の目標ステータ回転速度−N が大きくなるように予め設定された関係から算出された目標ステータ回転速度−N に基づいてステータ翼車6sが回転駆動されることで、油温差△TOILが大きくなると負回転方向のステータ回転速度−Nが大きくされ、小さくなると負回転方向のステータ回転速度−Nが小さくされるので、一層電動機10での消費電力を少なくしつつトルクコンバータ6の油温TOILを必要且つ充分に上昇させることができる。
図15は、本発明の他の実施例のトルクコンバータ140が適用された車両用駆動装置142の構成の一部を説明する骨子図である。図1において、本実施例のトルクコンバータ140は、前述の実施例1に比較して、電動機10と入力軸22との間に配設されてその電動機10とステータ翼車6sとを選択的に連結する本発明における第1クラッチに相当するクラッチCiを備えている点が異なる。このクラッチCiは、クラッチCsと同様な構造を有する油圧式摩擦クラッチであり、油圧制御回路95から供給される油圧に応じて係合度合いが調整されることによって電動機10と入力軸22との2部材間の係合状態、スリップ状態、或いは解放状態が制御されるようになっている。
ステータ翼車6sは、ブレーキBsおよびクラッチCsが完全に解放されることにより自由回転状態となる。そして、上記クラッチCsおよびブレーキBsが解放されることによりステータトルクTが零とされると、図8においてステータフリーを示す1点鎖線のようにトルクの増大が行われずトルク比t=1でトルクの伝達が行われる。その結果、トルクコンバータ140が流体継手として機能するようになる。このときのトルクコンバータ140の容量係数Cは、図9においてステータフリーを示す1点鎖線のようになり、ステータ翼車6sが非回転状態であるときに比較して大きくなる。
タービン翼車6tは、ブレーキBsおよびクラッチCsが解放されるとともにクラッチCiが係合された状態において、電動機10によりポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向および負回転方向に回転駆動されることにより、タービン回転速度Nが制御されるようになっている。このときタービン翼車6tには、例えば図2に示すように後述の電子制御装置78から電動機10に供給される駆動電流Iの大きさに比例する上記正回転方向および負回転方向の駆動トルクTが電動機10から伝達される。そして、例えば、クラッチCiが係合された状態において、タービン回転速度Nを把握しつつそのタービン回転速度Nが0(零)に維持されるように電動機10の駆動トルクTを調整するフィードバック制御が行われることにより、タービン翼車6tは、回転停止状態に制御されるようになっている。
また、タービン翼車6t(出力軸22)には、クラッチCiが完全に係合されることにより上記電動機10による駆動トルクTがそのまま伝達されるようになっており、また、クラッチCiの係合度合いすなわち係合圧が調整されることで発生するスリップによりその係合圧の大きさに応じて上記駆動トルクTの伝達割合が変化させられるようになっている。
図16は、本実施例の車両の走行制御装置として機能する電子制御装置78の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。図16において、中立指令位置判定手段(中立位置判定手段)144は、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHに基づいて、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106が自動変速機8の動力伝達経路を遮断する中立ポジションとするための中立指令位置であるか否かを判定する。
容量係数増大制御手段146は、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定され且つ中立指令位置判定手段144により走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが中立指令位置であると判定された場合に、トルクコンバータ140の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御を行うものである。本実施例では、容量係数増大制御手段146は、トルクコンバータ140の容量係数Cが図9のステータフリーを示す1点鎖線上の速度比e=0(零)に対応する値に一致するように制御するものであり、クラッチ切換手段148と、タービン翼車回転駆動手段150とを含んで構成されている。
クラッチ切換手段148は、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定され且つ中立指令位置判定手段144により走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが中立指令位置であると判定された場合に、クラッチCsを解放してステータ翼車6sを自由回転状態とすると共に、クラッチCiを係合して電動機10とタービン翼車6tとを連結する。これによって、トルクコンバータ140の容量係数Cが図9においてステータフリーを示す1点鎖線上に位置するようになる。
タービン翼車回転駆動手段150は、クラッチ切換手段148により係合状態とされたクラッチCiを介してタービン翼車6tに連結された電動機10を用いて、そのタービン翼車6tを回転停止状態に制御する。例えば、タービン翼車回転駆動手段150は、タービン回転速度Nに対応する電動機回転速度Nを把握しつつその電動機回転速度Nが0(零)に維持されるように電動機10の駆動トルクTを調整するフィードバック制御を行う。
図17は、車両の走行制御装置として機能する本実施例の電子制御装置78の制御作動の要部、すなわちトルクコンバータ140の油温TOILが低油温状態であり且つ車両停車状態であるときにトルクコンバータ140の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときに比較して大きくする容量係数増大制御を実施するための一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートであり、例えば数msec〜数十msecの所定の周期で繰り返し実行される。
図17において、S1およびS2は前述の実施例1の図11と同様である。
S2の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、中立指令位置判定手段144に対応するS21において、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHに基づいて、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106が自動変速機8の動力伝達経路を遮断するための中立指令位置であるか否かが判定される。
S21の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、クラッチ切換手段148およびタービン翼車回転駆動手段150に対応するS22において、先ず、クラッチCsが解放されてステータ翼車6sが自由回転状態とされるとともに、クラッチCiが係合されて電動機10とタービン翼車6tとが連結される。続いて、クラッチCiを介してタービン翼車6tに連結された電動機10が用いられて、そのタービン翼車6tを回転停止状態に制御するフィードバック制御が行われて、本ルーチンが終了させられる。
上述のように、本実施例の車両の走行制御装置によれば、前述の実施例1と同様に、入力軸21に連結されたポンプ翼車6pと、出力軸22に連結されたタービン翼車6tと、そのタービン翼車6tとそのポンプ翼車6pとの間に配設されたステータ翼車6sとを有するトルクコンバータ140を備えた車両の走行制御装置であって、トルクコンバータ140の油温TOILが予め設定された油温判定値TOIL1を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段120と、車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段122とを備えている。さらに、トルクコンバータ140の出力軸24の回転を変速して駆動輪118へ伝達する自動変速機8と、シフトレバー106の操作位置PSHにしたがって自動変速機8の走行ポジション(走行状態)を切り換える走行ポジション切換装置50と、ステータ翼車6sまたはタービン翼車6tを回転駆動するための電動機10と、電動機10とタービン翼車6tとの間に配設されてその電動機10とタービン翼車6tとを選択的に連結するクラッチ(第1クラッチ)Ciと、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが、自動変速機の動力伝達経路を遮断する中立ポジション(中立状態)とするための中立指令位置(中立位置)であるか否かを判定する中立指令位置判定手段144とを備え、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定され且つ中立指令位置判定手段144により操作位置PSHが中立指令位置であると判定された場合に、クラッチCiを係合して電動機10とタービン翼車6tとを連結するクラッチ切換手段148および電動機10を用いてタービン翼車6tを回転停止状態に制御するタービン翼車回転制御手段150を含む容量係数増大制御手段146とを、備えている。このことから、自動変速機8において中立ポジションが成立している場合において、タービン翼車6tがポンプ翼車6pとともに連れ回ることが防止されて速度比eが0(零)またはその付近となることにより、トルクコンバータ140の効率が0又はその付近となってトルクコンバータ140に入力されたエンジン9の全て又は大部分の仕事がそのトルクコンバータ140内における発熱に変換されるので、トルクコンバータ140および自動変速機8の油温TOILが速やかに上昇されてトルクコンバータ140および自動変速機8の暖機を促進することができる。
また、本実施例の車両の走行制御装置によれば、電動機10とステータ翼車6sとの間に配設されてその電動機10とステータ翼車6sとを選択的に連結するクラッチ(第2クラッチ)Csを備え、クラッチ切換手段148は、低油温判定手段120により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段122により停車状態であると判定され且つ中立指令位置判定手段144により走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが中立指令位置であると判定された場合に、クラッチCsを解放してステータ翼車6sを自由回転状態とするものであることから、自動変速機8で中立ポジションが成立している場合において、容量係数Cが増大されてトルクコンバータ140内における発熱量が増加されるので、トルクコンバータ140および自動変速機8の油温が速やかに上昇されてトルクコンバータ140および自動変速機8の暖機を促進することができる。
本実施例の車両には、実施例3と同様に図15に示すような車両用駆動装置142が用いられ、また、その車両の走行制御装置としても機能する電子制御装置78への入出力信号に関しても、実施例1と同様に図6に示すようになっている。
図18は、本実施例の車両の走行制御装置として機能する電子制御装置78の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。図18において、走行指令位置判定手段(走行位置判定手段)152は、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが、自動変速機8において前進走行レンジを成立させるための前進走行指令位置或いは後進走行レンジを成立させるための後進走行指令位置であるか否かを判定する。
本実施例のタービン翼車回転制御手段150は、実施例3のものに加えて、中立指令位置判定手段144により中立指令位置が判定されていた際に走行指令位置判定手段152により前記自動変速走行指令位置或いは手動変速走行指令位置或いは後進走行指令位置が判定されたときには、電動機10を用いてタービン翼車6tをポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に回転駆動する。本実施例では、例えば、タービン翼車回転制御手段150は、タービン翼車6tが予め設定された正回転方向の所定回転速度N1となるまでタービン翼車6tを回転駆動する。
図19は、車両の走行制御装置として機能する本実施例の電子制御装置78の制御作動の要部、すなわちトルクコンバータ140の油温TOILが低油温状態であり且つ車両停車状態であるときにトルクコンバータ140の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときに比較して大きくする容量係数増大制御を実施するための一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートであり、例えば数msec〜数十msecの所定の周期で繰り返し実行される。
図17において、S1、S2、S21、およびS22は実施例3の図17と同様である。
S4に次いで、走行指令位置判定手段152に対応するS31において、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが、自動変速機8において前進走行レンジを成立させるための自動変速走行指令位置或いは手動変速走行指令位置、または後進走行レンジを成立させるための後進走行指令位置であるか否かが判定される。
S31の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、タービン翼車回転制御手段150に対応するS6において、電動機10が用いられて、タービン翼車6tが予め設定された正回転方向の所定回転速度N1となるまでタービン翼車6tが正回転方向に回転駆動される。
上述のように、本実施例の車両の走行制御装置によれば、前述の実施例3と同様な機械的構成を有した車両の走行制御装置であって、低油温状態且つ停車状態且つ操作位置PSHが中立指令位置であると判定された場合に、ステータ翼車6sが自由回転状態とされてトルクコンバータ140の容量係数Cを大きくする容量係数増大制御手段146を備えていることから、前述の実施例3と同様な効果が得られる。
さらに、本実施例の車両の走行制御装置によれば、走行ポジション切換装置50のシフトレバー106の操作位置PSHが、自動変速機8において前進走行レンジを成立させるための前進指令走行位置或いは後進走行レンジを成立させるための後進走行指令位置であるか否かを判定する走行指令位置判定手段152を備え、タービン翼車回転制御手段150は、中立指令位置判定手段144により中立指令位置が判定されていた際に走行指令位置判定手段152により前記前進走行指令位置或いは後進走行指令位置が判定されたときには、電動機10を用いてタービン翼車6tをポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に回転駆動するものであることから、タービン翼車6tを介して自動変速機8の入力軸が電動機10によって正回転方向に回転駆動されることで車両の駆動力が補助されるので、トルクコンバータ140の暖機促進効果を享受しつつも車両の発進遅れを抑制することができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
例えば、前述の実施例において、トルクコンバータ6および140は、ステータ翼車6sとトランスミッションケース11との間のブレーキBsが除去されて構成されても差し支えない。それにより、トルクコンバータ6および140の容量係数増大制御は、電動機10およびクラッチCs、Ciのみによって行われてもよい。また、トルクコンバータ6および140は、電動機10が除去され、クラッチCsおよびCiに代えてステータ翼車6sと出力軸22とを選択的に連結するクラッチが設けられて構成されてもよい。それにより、トルクコンバータ6の容量係数増大制御は、ブレーキBsおよび上記クラッチによって行われてもよい。すなわち、通常走行時には、上記クラッチを解放させてブレーキBsを係合させることにより従来の一定容量のトルクコンバータと同様に設計上定まる所定のトルク比tでトルク伝達が行われ、また、容量係数増大制御時には、ブレーキBsおよび上記クラッチを解放させることによりステータ翼車6sを自由回転状態にしてトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときよりも大きくされ、また、車両の発進時には、ブレーキBsが解放されつつ上記クラッチが係合されることによりステータ翼車6sが出力軸22に連結されてタービン翼車6tが受けたトルクでステータ翼車6sを回転駆動させて、走行中のトルクコンバータ6の容量係数Cをステータ翼車6sが非回転状態であるときの値よりも小さくされるようにしてもよい。また、トルクコンバータ6は、トルクコンバータ140と同様にクラッチCiを備えるものであってもよい。また、前述の実施例において、ロックアップクラッチL/Cは必ずしも設けられなくてもよい。
また、前述の実施例のうち、実施例1または実施例2と、実施例3または実施例4とを組み合わせて実施し得る。例えば、実施例2と実施例3とを組み合わせて実施することにより、停車状態において、タービン翼車6tがポンプ翼車6pと連れ回る場合すなわち自動変速機8において中立ポジションが成立している場合には、ステータ翼車6sを自由回転状態としつつ電動機10を用いてタービン翼車6tを回転停止状態とすることにより容量係数Cを増大させる容量係数増大制御を行い、また、タービン翼車6tが駆動輪118に動力伝達可能に連結されている場合すなわち自動変速機8において後進走行ポジション、前進走行ポジション、または手動変速ポジションのいずれか1が成立している場合には、電動機10によりステータ翼車6sを負回転方向に回転駆動することで容量係数Cを増大させる容量係数増大制御を行うように構成されてもよい。
また、前述の実施例において、車両は、走行用の動力源として例えば内燃機関等で構成されるエンジン9を備えていたが、これに限らない。また、車両は、縦置型の自動変速機8を有するとともにFR型の駆動方式を採用するものであったが、これに限らない。要するに、トルクコンバータ6(140)を備えるものであれば、本発明は適用され得る。例えば、無段変速機(CVT)、手動変速機等その他の形式の動力伝達装置が設けられていてもよい。また、自動変速機8が用いられる場合にも、変速機の構造は前述の実施例のものに限定されず、遊星歯車装置又はクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2などの各係合要素の数や変速段数、および上記各係合要素が上記遊星歯車装置のどの要素と選択的に連結されているか等に特に限定はない。また、たとえば、FF型、4WD型、あるいはその他の駆動形式の車両にも適用され得る。
また、前述の実施例において、オイルポンプ42は、ポンプ翼車6pに連結されて、それにより回転駆動されるものであるが、電動ポンプや電磁ポンプ等であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例のトルクコンバータが適用された車両用駆動装置の構成の一部を説明する骨子図である。 図1のトルクコンバータの電動機における駆動電流と駆動トルクとの関係を示す図である。 図1のトルクコンバータの電動機における発電電流と制動トルクとの関係を示す図である。 図1の自動変速機において各変速段を成立させる際の各係合要素の作動状態を説明する作動表である。 図1の自動変速機の走行ポジションを切り換えるための走行ポジション切換装置を示す図である。 図1のエンジンや自動変速機、あるいはトルクコンバータなどを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図である。 図1のトルクコンバータにおいて、ポンプ翼車、タービン翼車、ステータ翼車の羽根の流線に沿った断面形状をそれぞれ展開して示す図である。 図1のトルクコンバータの特性を示す図であって、速度比に対するトルク比を示す図である。 図1のトルクコンバータの特性を示す図であって、速度比に対する容量係数を示す図である。 図1のトルクコンバータを有する車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。 図1のトルクコンバータを有する車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御作動の一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施例の車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。 図12の目標ステータ回転速度算出手段にて用いられる目標ステータ回転速度軸と油温差軸との予め設定されて記憶された関係を示す図である。 図12のトルクコンバータを有する車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御作動の一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施例のトルクコンバータが適用された車両用駆動装置の構成の一部を説明する骨子図である。 図15のトルクコンバータを備える車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。 図15のトルクコンバータを有する車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御作動の一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施例の車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御機能の要部すなわち暖機促進機能を説明する機能ブロック線図である。 図18のトルクコンバータを有する車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御作動の一連の手順すなわち容量係数増大制御ルーチンを説明するフローチャートを示す図である。
符号の説明
6、140:トルクコンバータ
6p:ポンプ翼車
6t:タービン翼車
6s:ステータ翼車
8:自動変速機(変速機)
10:電動機
21:入力軸
22:出力軸
50:走行ポジション切換装置(走行状態切換装置)
78:電子制御装置(走行制御装置)
106:シフトレバー(手動操作体)
118:駆動輪
120:低油温判定手段
122:停車判定手段
126、130、146:容量係数増大制御手段
128、134:ステータ翼車回転駆動手段
132:目標ステータ回転速度算出手段
144:中立指令位置判定手段(中立位置判定手段)
148:クラッチ切換手段
150:タービン翼車回転駆動手段
152:走行指令位置判定手段(走行位置判定手段)
C:容量係数(=T/N )
Cs:クラッチ(第2クラッチ)
Ci:クラッチ(第1クラッチ)
:目標ステータ回転速度(目標回転速度)
SH:操作位置
OIL:油温
OIL1:油温判定値

Claims (7)

  1. 入力軸に連結されたポンプ翼車と、出力軸に連結されたタービン翼車と、該タービン翼車とポンプ翼車との間に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータを備えた車両の走行制御装置であって、
    前記トルクコンバータの油温が予め設定された油温判定値を下回る低油温状態か否かを判定する低油温判定手段と、
    車両が停車状態であるか否かを判定する停車判定手段と、
    前記低油温判定手段により低油温状態であると判定され且つ停車判定手段により停車状態であると判定された場合に、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくする容量係数増大制御手段とを備えていることを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 前記ステータ翼車を回転駆動するための電動機を備え、
    前記容量係数増大制御手段は、前記電動機を用いて前記ステータ翼車をポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向に回転駆動させることにより、前記トルクコンバータの容量係数を前記ステータ翼車が非回転状態であるときよりも大きくするステータ翼車回転駆動手段を含むことを特徴とする請求項1の車両の走行制御装置。
  3. 前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差が大きいほど前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度を大きくするものであることを特徴とする請求項2の車両の走行制御装置。
  4. 前記油温判定値と前記トルクコンバータの油温との差に基づいて前記ステータ翼車の負回転方向の目標回転速度を算出する目標回転速度算出手段を備え、
    前記ステータ翼車回転駆動手段は、前記ステータ翼車の負回転方向の回転速度が前記目標回転速度算出手段により算出された前記目標回転速度に一致するように、前記ステータ翼車を回転駆動するものであることを特徴とする請求項3の車両の走行制御装置。
  5. 前記トルクコンバータの出力軸の回転を変速して駆動輪へ伝達する変速機と、
    手動操作部材の操作位置にしたがって前記変速機の走行状態を切り換える走行状態切換装置と、
    前記ステータ翼車または前記タービン翼車を回転駆動するための電動機と、
    前記電動機と前記タービン翼車との間に配設されて該電動機とタービン翼車とを選択的に連結する第1クラッチと、
    前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機の動力伝達経路を遮断する中立状態とするための中立位置であるか否かを判定する中立位置判定手段とを備え、
    前記容量係数増大制御手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第1クラッチを係合して前記電動機と前記タービン翼車とを連結するクラッチ切換手段と、前記第1クラッチを介して前記タービン翼車に連結された前記電動機を用いて該タービン翼車を回転停止状態に制御するタービン翼車回転制御手段とを含むことを特徴とする請求項1の車両の走行制御装置。
  6. 前記電動機と前記ステータ翼車との間に配設されて該電動機とステータ翼車とを選択的に連結する第2クラッチを備え、
    前記クラッチ切換手段は、前記中立位置判定手段により前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が中立位置であると判定された場合に、前記第2クラッチを解放して前記ステータ翼車を自由回転状態とするものであることを特徴とする請求項5の車両の走行制御装置。
  7. 前記走行状態切換装置の手動操作部材の操作位置が、前記変速機において前進走行レンジまたは前進走行ギヤ段を成立させるための前進走行位置或いは後進走行レンジまたは後進走行ギヤ段を成立させるための後進走行位置であるか否かを判定する走行位置判定手段を備え、
    前記タービン翼車回転制御手段は、中立位置判定手段により中立位置が判定されていた際に前記走行位置判定手段により前記前進走行位置或いは後進走行位置が判定されたときには、前記電動機を用いて前記タービン翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向に回転駆動するものであることを特徴とする請求項5または6の車両の走行制御装置。
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