JP2012085587A - 気泡入り加工食品の製造方法、及び気泡入り加工食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを泡立て、75〜85℃で0.5〜5分加熱することにより比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Paの気泡入り加工食品を製造する。
【選択図】図1
Description
また、本発明の製造方法によれば、上述の気泡入り加工食品を製造することができる。
分析試料として、本発明の気泡入り加工食品を形成するスラリーの加熱前と加熱後のものを用意し、これらを2−メルカプトエタノール等の還元剤で処理せずに分析に供する。分析方法は、後述するSDS−PAGEの手順に従う。以下、1)〜3)の全ての条件を満たす場合、本発明の気泡入り加工食品に該当する。
1)加熱後の試料は、卵白の少なくともオボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン及びリゾチームの少なくとも一つのバンドが加熱前に比して薄く観察される。
2)加熱後の試料は、乳清の少なくともβラクトグロブリンが検出され、かつβラクトグロブリン、αラクトアルブミン及び血清アルブミンの少なくとも一つのバンドが加熱前に比して薄く観察される。
3)加熱前の試料は、分子量21万以上のバンドが観察されないのに対し、加熱後の試料は、分子量21万以上のバンドが検出される。
なお、1)、2)より、卵白及び乳清の両方の蛋白質のバンドが薄くなっていることから、加熱後の試料に観察される分子量21万以上のバンドは、卵白及び乳清の薄くなったバンドの蛋白質からなる重合体であると考えられる。
分析試料として気泡入り加工食品を2−メルカプトエタノール等の還元剤で処理したものと処理していないものを用意する。分析方法は、後述するSDS−PAGEの手順に従う。以下、1)〜3)の全ての条件を満たす場合、本発明の気泡入り加工食品に該当する。
1)還元剤処理をしていない試料は、卵白の少なくともオボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン及びリゾチームの少なくとも一つのバンドが、還元剤処理した試料に比して薄く観察される。
2)還元剤処理をしていない試料は、乳清の少なくともβラクトグロブリンのバンドが検出され、かつβラクトグロブリン、αラクトアルブミン及び血清アルブミンの少なくとも一つのバンドが還元剤処理をした試料に比して薄く観察される。
3)還元剤処理をしていない試料は、分子量21万以上のバンドが観察されるのに対し、還元剤処理をした試料は、分子量21万以上のバンドが観察されない。
また、本発明の気泡入り加工食品において、カゼインの含有量は1%以下が好ましく、カゼインを全く含まないものがより好ましい。
実施例1〜8及び比較例1〜8
(1)気泡入り加工食品の製造
表1に示す組成で各原料を脱気機能付き撹拌ミキサーで攪拌混合し、真空度0.1MPaで脱気撹拌を行い、スラリーを得た。
このスラリーを攪拌ミキサーに投入し、空気を吹き込みながら攪拌し、泡立てた。次いで、チューブ式熱交換器に通し、次いで、表1に示す加熱条件で加熱した。こうして得られた、気泡入りスラリーを、熱可塑性のポリエチレン製容器に充填し、さらに−20℃に冷凍した。
(1)で得られた気泡入りスラリーの性状を次のように測定し、評価した。これらの結果を表1に示す。
(1)の気泡入りスラリーを、5℃で解凍後、品温20℃にて、90mlメスシリンダーに空気を抱き込まないように満注して、質量を測定した。メスシリンダーの容積(90ml)および測定した気泡入りスラリーの質量から比重(水に対する気泡入りスラリーの質量比)を算出した。
BH型粘度計を用い、回転数:4rpm、ローター:No.6、品温:20℃の測定条件で、2回転後の示度から換算した値を採用した。
加熱前後の気泡入りスラリーを試料としてドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)分析をLaemmli法に基づき、以下の測定条件で行った。この場合、試料の調製は、蛋白質のジスルフィド結合を切断する還元剤で処理することなく、電気泳動分析に供した。また、比較のために生卵白と乳清も同時に展開した。
SDS-PAGEの測定条件
ポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE mini,4-20%(テフコ(株)製)):4〜20%のグラジエントゲル、分子量の検出範囲6500〜205000
試料の蛋白質濃度:1mg/ml
染色液:クマシーグリリアントブルーG250(CBB)染色液濃度:1g/L
染色条件:40rpm 1時間
脱色条件:40rpm 6時間
加熱前後の試料の泳動パターンの対比から、蛋白質の一部が凝集し重合体を形成しているかを確認した。なお、この泳動パターンにおいて、ポリアクリルアミドゲルの最上部に位置するバンドは、ポリアクリルアミドゲルの検出範囲を超えた分子量21万以上の蛋白質ということになる。
冷凍前の気泡入り加工食品の比重と、冷凍した気泡入り加工食品を5℃で解凍し、5℃にて1週間放置した後の比重とを比較して、次の基準で泡安定性を評価した。
◎:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が10%未満の場合
○:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が10%以上20%未満の場合
×:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が20%以上の場合
冷凍された気泡入り加工食品を5℃で解凍した後、喫食して次の基準で口溶け感を評価した。
◎:メレンゲ特有の口溶けの良さに優れ好ましい。
○:メレンゲ特有の口溶けの良さを有している。
×:メレンゲ特有の口溶けの良さが損なわれていた。
1)加熱後の試料では、オボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームのバンドが加熱前に比して薄く観察された。
2)加熱後の試料では、βラクトグロブリンのバンドが検出され、かつ血清アルブミンのバンドが加熱前に比して薄く観察された。
3)加熱前の試料では、分子量21万以上のバンドが観察されないのに対し、加熱後の試料では、ポリアクリルアミドゲルの最上部に位置するバンド、即ち分子量21万以上のバンドが検出された。
Claims (5)
- 卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーから、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sの気泡入り加工食品を製造する方法であって、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを泡立て、75〜85℃で0.5〜5分加熱する気泡入り加工食品の製造方法。
- 気泡入り加工食品を還元剤で処理することなくドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)で分析することにより、少なくとも卵白蛋白質のオボアルブミン、乳清蛋白質のβラクトグロブリン、及び分子量21万以上の重合体が検出される請求項1記載の気泡入り加工食品の製造方法。
- 加熱前にアルギン酸アルカリ金属塩及び水溶性カルシウム塩を添加し、アルギン酸カルシウムを含有する気泡入り加工食品を製造する請求項1又は2記載の気泡入り加工食品の製造方法。
- 増粘多糖類がキサンタンガムである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気泡入り加工食品の製造方法。
- 卵白、乳清及び増粘多糖類を含有する気泡入り加工食品であって、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sであり、卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成している気泡入り加工食品。
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