JP2008131876A - 気泡入り加工液卵白及びこれを用いた食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器詰め等して保存した後においても、スフレ等の料理に用いてふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られる気泡入り加工液卵白及びこれを用いた食品を提供する。
【解決手段】オーバーランが100〜300%であり、粘度が10〜50Pa・sであることを特徴とする気泡入り加工液卵白。
【選択図】 なし

Description

本発明は、容器詰めして保存した後においても、スフレ等の料理に用いてふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られる気泡入り加工液卵白及びこれを用いた食品に関する。
卵白に砂糖を加えて泡立てることで得られたメレンゲに、卵黄等を加えて焼成するスフレ等の食品が知られている。このように料理の原材料として使用されるメレンゲ等の起泡卵白は、卵白が起泡する性質を利用したものである。一般的に食品に使用される起泡卵白としては、起泡の程度が弱いと気泡の状態を維持できないため、角が立つ程度にまで起泡した固体状の硬い物性であることが好ましいとされている。
ところで、このような起泡卵白は、容器詰めして流通したり保存したりすることができれば、レストラン等でスフレ等の食品を簡便に製造することができ大変便利であるが、起泡卵白の気泡の状態は非常に不安定であり、さらに固体状の硬い物性であるため、容器詰め工程等において受ける押圧力や剪断力により気泡が潰れやすい。したがって、起泡卵白を工業的に大量生産し、容器詰めして流通させることは非常に困難であった。
卵白の起泡安定性を高める方法としては、例えば、特開2004−194519号公報(特許文献1)には、増粘剤とpH調整剤からなる卵白起泡安定剤を卵白に添加し気泡を安定させる方法が提案されている。しかしながら、この方法で起泡安定性を高めた起泡卵白であっても、依然として、容器詰め工程等において気泡が潰れてしまう問題を充分に解決することはできなかった。
特開2004−194519号公報
そこで、本発明の目的は、容器詰めして保存した後においても、スフレ等の料理に用いてふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られる気泡入り加工液卵白及びこれを用いた食品を提供するものである。
本発明者等は、上記問題を解決すべく、鋭意研究を行ったところ、オーバーランを一般的な起泡卵白よりも低く調整し、更に、増粘剤により、粘度を特定の範囲に調整するならば、意外にも、容器詰めして保存した後においても、良好な気泡の状態が維持される気泡入り加工液卵白が得られることを見出した。そして、前記気泡入り加工液卵白は、容器詰めして保存した後においても、スフレ等の料理に用いてふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)オーバーランが100〜300%であり、粘度が10〜50Pa・sである気泡入り加工液卵白、
(2)増粘剤を含んでなる(1)記載の気泡入り加工液卵白、
(3)前記増粘剤の含有量が製品に対して0.2〜3%である(1)又は(2)記載の気泡入り加工液卵白、
(4)食用油脂を含んでなる(1)乃至(3)のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白、
(5)前記食用油脂の含有量が製品に対して0.1〜5%である(1)乃至(4)のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白、
(6)容器詰めしてなる(1)乃至(5)のいずれかに記載の容器詰め気泡入り加工液卵白、
(7)(1)乃至(6)のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白を配合してある食品、
である。
本発明によれば、容器詰めして保存した後においても、スフレ等の料理に用いてふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られる気泡入り加工液卵白を提供できる。従って、これを容器詰めしてレストラン等で用いる業務用の製品として流通させることで、加工液卵白の更なる需要拡大が期待される。
以下、本発明の気泡入り加工液卵白及びこれを用いた食品を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明において、気泡入り加工液卵白とは、液卵白を主成分とし、気泡がほぼ全体に存在するように起泡されたものをいう。本発明で用いる前記液卵白としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、常法により鶏卵を割卵して卵黄と分離し得られた液卵白、冷凍卵白とした後に解凍したもの、乾燥卵白とした後に乾燥前の液卵白の水分含量となるように水戻ししたもの、更には、起泡性等の卵白の一般的性質を備えている限り、これら液卵白から、リゾーチーム、グルコース等の成分の一部を除去したもの等が挙げられる。
また、本発明の気泡入り加工液卵白は、前記液卵白を主成分とするものであるが、液卵白の含有量としては、良好な起泡状態が得られ易いことから、具体的には、製品に対して、生換算で好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。
本発明の気泡入り加工液卵白は、後述するように、粘度が特定範囲である必要があるが、オーバーランが100〜300%、好ましくは100〜250%であることに特徴を有する。ここで、オーバーランとは、起泡前の原料混合液に対する起泡後の加工液卵白の体積増加率をパーセントで表したものであり、以下の式により算出した値である。
Figure 2008131876
オーバーランを前記範囲に調整する方法は、特に制限はなく、一般的な起泡方法に準じて起泡させ、その際、起泡条件を調整してオーバーランが前記範囲となるようにすればよい。具体的には、例えば、ホバートミキサー、ビーター、カッティングマシーン等の攪拌機を用いて気泡を抱き込むように攪拌して起泡させる方法で起泡させ、この際、攪拌の強さや攪拌時間を変えることによりオーバーランが前記範囲となるように調整する方法が挙げられる。また、気泡を吹き込むことにより起泡させる方法で起泡させ、この際、気泡を吹き込む量や時間を変えることによりオーバーランが前記範囲となるように調整する方法等が挙げられる。
本発明の気泡入り加工液卵白は、後述するように、粘度が特定範囲である必要があるが、オーバーランが前記範囲であることにより、容器詰めして保存した後においても、良好な気泡の状態が維持される。これに対して、オーバーランが前記範囲より低い場合、卵白蛋白質の変性が充分でないためか、良好な気泡の状態を維持できない。一方、一般的な起泡卵白のオーバーランは、前記範囲より高く、400%程度以上まで体積を増加させるものであるが、このような場合、気泡入り加工液卵白の物性が固体状の硬い物性となるためか、容器詰め工程等において受ける押圧力や剪断力により気泡が潰れ易く、良好な気泡の状態を維持し難い。
本発明においては、上述のように一般的な起泡卵白に比べると、オーバーランが低いため、このように単にオーバーランを前記範囲に調整するだけでは、良好な気泡の状態を維持できず、また、例えば、スフレ等に用いて焼成した際に充分な膨化が得られない。そこで、本発明の気泡入り加工液卵白は、上述のようにオーバーランが特定範囲であることに加えて、粘度が10〜50Pa・s、好ましくは10〜40Pa・sであることに特徴を有する。
ここで、前記粘度は、気泡入り加工液卵白500mlを500ml容量のビーカーに入れて、(株)東京計器製のBH型粘度計で、品温20℃、回転数20rpmの条件で、粘度が0.375Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.375Pa・s以上1.5Pa・s未満のとき:ローターNo.2、1.5Pa・s以上3.75Pa・s未満のとき:ローターNo.3、3.75Pa・s以上7.5Pa・s未満のとき:ローターNo.4、7.5Pa・s以上15Pa・s未満のとき:ローターNo.5、15Pa・s以上37.5Pa・s未満のとき:ローターNo.6、37.5Pa・s以上のとき:ローターNo.7、測定開始後ローターが3回転した時の示度により求めた値である。
粘度を前記範囲に調整するには、増粘剤を含有させ、その含有量を適宜調節すればよい。本発明で用いる前記増粘剤としては、可食性で、増粘する性質を有する性質を持つものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、タラガム、カシアガム、グルコマンナン、ジェランガム、タマリンドシードガム等の増粘多糖類や、ゼラチン等が挙げられる。これらの中でも、本発明においては、スフレ等の料理に用いた際に、ふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られ易いことから、増粘多糖類を用いることが好ましい。特に、キサンタンガムを用いるとより口当たりのよい食感が得られ好ましい。
本発明の気泡入り加工液卵白は、上述したように、オーバーランが特定の範囲であることに加えて、粘度が特定の範囲であることにより、容器詰めして保存した後においても、良好な気泡の状態が維持される。また、本発明の気泡入り加工液卵白は、オーバーランが一般的な起泡卵白よりも低いにも拘らず、適度な粘性が付与されているため、例えば、スフレ等に用いて焼成した際に充分に膨化してふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られる。これに対して、粘度が前記範囲より低い場合、上述のように本発明の気泡入り加工液卵白は、一般的な起泡卵白に比べると、オーバーランが低く卵白蛋白質の変性が充分でないためか、良好な気泡の状態を維持できない。一方、粘度が前記範囲より高い場合、増粘剤の含有量が多すぎるためか、スフレ等の料理に用いた際にふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られ難い。
前記増粘剤の含有量は、本発明の気泡入り加工液卵白の粘度が前記範囲となるよう適宜調整すればよい。具体的には、用いる増粘剤の種類等によって異なるが、製品に対して好ましくは0.2〜3%、より好ましくは0.2〜2%である。
本発明の気泡入り加工液卵白は、上述のように、オーバーランと粘度がそれぞれ特定の範囲であることにより、容器詰めして保存した後においても、良好な気泡の状態が維持されるものであるが、本発明の気泡入り加工液卵白は、更に、食用油脂を含有すると、良好な気泡状態がより維持されやすく好ましい。
本発明で用いる食用油脂は、特に制限はなく、具体的には、例えば、牛脂、豚脂等の動物性油脂、米油、パーム油、大豆油、菜種油、菜種白絞油、コーン油、ひまわり油等の植物性油脂等が挙げられる。
前記食用油脂の含有量は、少なすぎても良好な気泡状態を維持する効果が得られ難く、あまり多すぎても食用油脂の消泡作用によるためか、かえって保存後の気泡の状態が悪くなる場合がある。したがって、前記食用油脂の含有量は、製品に対して、好ましくは0.1〜5%、より好ましくは0.5〜4%である。
また、本発明の気泡入り加工液卵白は、一般的なメレンゲと同様、用途により、糖類を含有させてもよい。用いる糖類は、特に限定するものではないが、具体的には、例えば、オリゴ糖等の多糖類、マルトース、シュークロース等の2糖類、グルコース、フラクトースの単糖類、これらを水素添加した還元糖等が挙げられる。前記糖類の含有量は、気泡入り加工液卵白の用途等により適宜調整すればよいが、具体的には、製品に対して好ましくは1〜40%、より好ましくは5〜30%である。
本発明の気泡入り加工液卵白には、上述した原料の他に本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料、クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン、ポリソルベート等の乳化剤、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類、鉄、カルシウム、マグネシウム等の各種ミネラル類、香料、着色料、調味料及び保存料等を含有させることができる。
本発明の気泡入り加工液卵白の製造方法は、上述のようにオーバーランと粘度とを特定の範囲とする他は、従来の起泡卵白の製造方法に準じて製造することができる。つまり、上述した液卵白、増粘剤、食用油脂、更に必要に応じて糖類等の原料を用意し、オーバーランと粘度とが前記特定の範囲となるようにこれらに起泡させる処理及び増粘剤を加えて増粘させる処理とを施せばよい。なお、起泡させる処理と、増粘剤を加えて増粘させる処理は、どのような順序で施してもよい。具体的には、例えば、まず、液卵白に起泡させる処理を施した後、これに増粘剤を加えて増粘させる処理を施す方法や、液卵白に増粘剤を加えて増粘させる処理を施した後、起泡させる処理を施す方法等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の気泡入り加工液卵白は、容器詰めして、0〜15℃で流通させるチルド品とすることができる。あるいは、容器詰めした後、凍結処理して、冷凍品とすることができる。凍結処理は、凍結機を用い適宜条件を調節して行えばよく、例えば、−60〜−15℃程度に凍結機の凍結温度を調整して行えばよい。
前記容器としては、特に制限はないが、可撓性樹脂フィルム製の袋状容器であると、使用時に気泡入り加工液卵白を搾り出して使用することができ好ましい。可撓性樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、又はこれらとポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロン(NY)との積層フィルム等を挙げることができる。可撓性樹脂フィルムの厚みとしては、材質にもよるが、手で搾り出して使用し易いように、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜150μmである。
本発明の気泡入り加工液卵白は、このように容器詰めしてチルド品、あるいは、冷凍品等として保存した後においても、良好な気泡の状態が維持される。そして、容器詰めしてチルド品、あるいは、冷凍品として保存した後においても、種々の食品に用いて、ふっくらとした外観と口当たりのよい食感を有する食品を得ることができる。このような食品としては、具体的には、例えば、バニラスフレ、メレンゲ菓子等のスフレ類の他、ムース、ババロア、プディング、ホイップドクリーム、フラワーペースト、クレームシブースト、オムレツ等を挙げることができる。なお、前記食品中における気泡入り加工液卵白の含有量は、用いる食品により異なるが、通常5%以上であり、好ましくは10〜90%である。
上述したような本発明の効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推察される。液卵白が泡立つのは、液卵白を強く攪拌すると、卵白中の変性しやすい蛋白質が気液界面に吸着した後、分子構造が変化し、分子同士の会合により、安定な表面膜を作るためと考えられている。このような安定な起泡状態を得るため、従来の起泡卵白は、固体状の硬い物性となるように充分に起泡して製造されている。しかしながら、このような、起泡卵白は、物性が固体状の硬い物性となるためか、容器詰め工程等において受ける押圧力や剪断力により気泡が潰れ易い。これに対して、本発明の気泡入り加工液卵白は、オーバーランが従来の一般的な起泡卵白よりも低く調整されるとともに、増粘剤により特定の粘度とされた流動性のある状態であるため、容器詰め工程等において気泡が潰れ難いものと推察される。そして、本発明の気泡入り加工液卵白は、オーバーランが従来の一般的な起泡卵白よりも低く調整されているものの、適度な粘性が付与されているため、例えば、スフレ等に用いて焼成した際にも充分に膨化してふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られるものと推察される。
以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を述べ、本発明を更に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[実施例1]
下記配合原料を用意した。次に、ホバートミキサー(ホバート社製)に、まず、液卵白及び上白糖を投入し、中速で10分間攪拌して起泡させ、更に、菜種油及びキサンタンガムを投入して、低速で10分間攪拌して気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチ(厚み60μm)に1kgずつ充填密封し、本発明の容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.19であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.37であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは222%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白の粘度は31Pa・sであった。尚、キサンタンガム及び菜種油の含有量は、製品に対してそれぞれ0.4%及び3%であった。
<配合>
液卵白 70部
上白糖 30部
菜種油 3部
キサンタンガム 0.4部
―――――――――――――
合計103.4部
[実施例2]
実施例1において、攪拌時間を変えた他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。つまり、ホバートミキサーに、まず、液卵白及び上白糖を投入し、中速で8分間攪拌して起泡させ、更に、菜種油及びキサンタンガムを投入して、低速で10分間攪拌して気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチに充填密封し、本発明の容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.19であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.49であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは143%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白の粘度は17Pa・sであった。尚、キサンタンガム及び菜種油の含有量は、製品に対してそれぞれ0.4%及び3%であった。
[実施例3]
実施例1において、菜種油を配合しない他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。つまり、ホバートミキサーに、まず、液卵白及び上白糖を投入し、中速で10分間攪拌して起泡させ、更に、キサンタンガムを投入して、低速で10分間攪拌して気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチに充填密封し、本発明の容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.2であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.4であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは200%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白の粘度は21Pa・sであった。尚、キサンタンガムの含有量は、製品に対して0.4%であった。
[比較例1]
実施例1において、攪拌時間を変えた他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。つまり、ホバートミキサーに、まず、液卵白及び上白糖を投入し、中速で15分間攪拌して起泡させ、更に、菜種油及びキサンタンガムを投入して、低速で10分間攪拌して気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチに充填密封し、容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.19であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.20であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは495%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白は、固体状で流動性のない状態のため、本法では粘度の測定ができなかった。
[比較例2]
実施例1において、攪拌時間を変えた他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。つまり、ホバートミキサーに、まず、液卵白及び上白糖を投入し、中速で6分間攪拌して起泡させ、更に、菜種油及びキサンタンガムを投入して、低速で10分間攪拌して気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.19であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.70であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは70%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白は製造後すぐに離水を起こして起泡状態が維持できなかった。
[比較例3]
ホバートミキサー(実施例1と同じ)に、まず、液卵白70部及び上白糖30部を投入し、中速で12分間攪拌して起泡させて、気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチに1kgずつ充填密封し、容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.20であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.24であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは400%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白は固体状で流動性のない状態のため、本法では粘度の測定ができなかった。
[比較例4]
比較例3において、攪拌時間を変えた他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。つまり、ホバートミキサーに、液卵白及び上白糖を投入し、中速で8分間攪拌して起泡させ、気泡入り加工液卵白を得た。続いて、得られた気泡入り加工液卵白をポリエチレン製のパウチに充填密封し、容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は1.2であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は0.37であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは224%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白の粘度は6Pa・sであった。
[試験例1]
実施例1〜3、並びに比較例1、3、4で得られた容器詰め気泡入り加工液卵白を−40℃の凍結機で急速凍結して、−18℃で48時間保存した後、室温(20℃)に放置して解凍した。次に、これら解凍後の気泡入り加工液卵白の気泡の状態をそれぞれ評価した。続いて、気泡の状態の評価結果がA又はBであったものについては比重を測定した後、それぞれ直径8cmのスフレ型に35gずつ絞り出して、250℃のオーブンで5分間焼成して、メレンゲ菓子を製し、得られたメレンゲ菓子の外観と食感を評価した。なお、液卵白70部と上白糖30部を用いたメレンゲ(容器詰めして保存する前の比較例3)を使って、同様にメレンゲ菓子を製し対照とした。結果を表1に示す。
Figure 2008131876
※表中の評価記号
<加工液卵白の気泡の状態>
A:気泡の状態が良好に維持されている。
B:気泡がやや潰れているが問題のない程度である。
C:気泡がやや潰れている。
D:気泡が潰れている。
<外観>
A:対照と同様にふっくらとした外観である。
B:対照と比較してややふっくらとした外観に劣るが問題のない程度である。
C:対照と比較してややふっくらとした外観に劣る。
D:対照と比較してふっくらとした外観に劣る。
<食感>
A:対照と同等に口当たりがよい。
B:対照と比較してやや口当たりが悪いものの問題のない程度である。
C:対照と比較して口当たりがやや悪い。
D:対照と比較して口当たりが悪い。
表1より、気泡入り加工液卵白のオーバーランが100〜300%であり、粘度が10〜50Pa・sである実施例1乃至3の気泡入り加工液卵白は良好な気泡の状態が維持できており、さらに、スフレ等に用いて焼成した際に充分に膨化してふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られることが理解できる。つまり、本発明の気泡入り加工液卵白は、オーバーランが従来の一般的な起泡卵白(比較例3)よりも低く調整されているものの、粘度が前記範囲であれば、スフレ等に用いて焼成した際に充分に膨化してふっくらとした外観と口当たりのよい食感が得られることが理解できる。更に、食用油脂を含有した実施例1及び2の気泡入り加工液卵白は、良好な気泡状態がより維持されやすく好ましかった。これに対して、オーバーランが前記範囲より高い比較例1の気泡入り加工液卵白は気泡が潰れ、良好な気泡の状態を維持できなかった。従って、粘度測定やメレンゲ菓子の調製は不可能であった。なお、表1には記載していないが、比較例2より、オーバーランが前記範囲より低い場合も、良好な気泡の状態を維持できなかった。また、粘度が前記範囲より低い比較例4の気泡入り加工液卵白も良好な気泡の状態を維持できなかった。
[実施例4]
実施例1において、キサンタンガムをグァーガムに変えた他は、同様にして容器詰め気泡入り加工液卵白を得た。なお、起泡前の原料混合液の比重は、1.19であり、得られた気泡入り加工液卵白の比重は、0.4であったことから、得られた気泡入り加工液卵白のオーバーランは198%であった。また、得られた気泡入り加工液卵白の粘度は17Pa・sであった。
[実施例5]メレンゲ菓子
実施例1乃至4で得られた容器詰め気泡入り加工液卵白を、それぞれ5℃で24時間保存した。保存後の容器詰め気泡入り加工液卵白は、いずれも良好な気泡の状態であった。次に、これらの容器詰め気泡入り加工液卵白を開封し、それぞれ直径8cmのスフレ型に35gずつ絞り出した後、250℃のオーブンで5分間焼成して、メレンゲ菓子を得た。得られたメレンゲ菓子は、いずれもふっくらとした外観と口当たりのよい食感であり、非常に好ましかった。
[実施例6]オムレツ
実施例1乃至4で得られた容器詰め気泡入り加工液卵白を、それぞれ5℃で24時間保存した。保存後の容器詰め気泡入り加工液卵白は、良好な気泡の状態であった。次に、これらの容器詰め気泡入り加工液卵白を用いて、常法によりオムレツを得た。つまり、気泡入り加工液卵白50部と卵黄50部を攪拌混合し、得られた混合物を、油を引いたフライパンに流し込み、加熱凝固させて成型し、オムレツを得た。得られたオムレツは、いずれもふっくらとした外観と口当たりのよい食感であり、非常に好ましかった。

Claims (7)

  1. オーバーランが100〜300%であり、粘度が10〜50Pa・sであることを特徴とする気泡入り加工液卵白。
  2. 増粘剤を含んでなる請求項1記載の気泡入り加工液卵白。
  3. 前記増粘剤の含有量が製品に対して0.2〜3%である請求項1又は2記載の気泡入り加工液卵白。
  4. 食用油脂を含んでなる請求項1乃至3のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白。
  5. 前記食用油脂の含有量が製品に対して0.1〜5%である請求項1乃至4のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白。
  6. 容器詰めしてなる請求項1乃至5のいずれかに記載の容器詰め気泡入り加工液卵白。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の気泡入り加工液卵白を配合してあることを特徴とする食品。
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