JP5605160B2 - 気泡入り加工食品の製造方法、及び気泡入り加工食品 - Google Patents

気泡入り加工食品の製造方法、及び気泡入り加工食品 Download PDF

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Description

本発明は、泡の安定性及び口溶けに優れたメレンゲ様の気泡入り加工食品の製造方法、及び気泡入り加工食品に関する。
卵白を泡立てることで得られるメレンゲは、一旦、口に含むと瞬時に溶けていく口溶けの良さが大きな特徴であり、この特徴を活かして様々な料理に利用されている。例えば、スポンジやスフレなどの生地に練り込まれて焼かれたり、肉料理や魚料理においてトッピングされたり、シャーベット、アイスクリーム、ムースなどの材料に混ぜられあるいはトッピングとして冷凍されて用いられている(特許文献1)。
メレンゲのように様々な料理に利用される口溶け感のよい気泡入り加工食品を工業的に気泡安定性を高めて製造し、流通させることができると、レストラン等では料理ごとに卵白を泡立てる手間が省けて大変便利である。
しかしながら、卵白を泡立てた従来のメレンゲは、特許文献1に記載のイタリアメレンゲのように熱処理されたものであっても気泡が不安定で押圧力により泡が潰れやすい。そのため他の食材と合わせて混合すると容易にメレンゲの泡が潰れてしまうという気泡安定性の問題がある。
気泡入り加工卵白の気泡安定性を高める方法として、例えば、卵白に糖類、キサンタンガム及びセルロースを含有させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、この方法では、気泡入り加工卵白の気泡安定性は向上するものの、増粘多糖類特有の粘稠性の食感によりメレンゲ特有の口溶けの良さが損なわれる。口溶けを良くする方法としては、泡立てを嵩高くする方法があるが、この方法を特許文献2に記載の気泡入り加工卵白に適用すると、口溶けは向上するものの、経時的に泡が潰れてしまうという気泡安定性の低下が問題となる。
これに対し、卵白の気泡安定性と口溶け感の双方を向上させるものとして、卵白と糖類と水を含むスラリーを撹拌してホイップを調製し、次いで加熱することによりホイップ中の卵白蛋白質を変性させたホイップクリーム様食品が知られている(特許文献3)。このホイップ様食品によれば、泡の保形性がよく、良好な口溶け感が得られる。
しかしながら、特許文献3のホイップクリーム様食品の泡は、果実と喫食することを想定したホイップクリーム様の比重の重いものであるため、このスラリーをメレンゲのように嵩高く泡立てることは容易でない。また、このスラリーをメレンゲように嵩高く泡立てたホイップクリーム様食品は、流通させるために冷凍すると泡が潰れやすくなってしまう。
特許4138156号公報 特開2004−357643 特許4443385号公報
これに対し、本発明は、嵩高く泡立ったメレンゲ様の気泡入り加工食品であって、泡の安定性と口溶け感の双方に優れ、冷凍流通することができる気泡入り加工食品を提供できるようにすることを目的とする。
本発明者は、卵白だけでなく、乳清と増粘多糖類も含有するスラリーを泡立てると、容易に嵩高く泡立たせることができて泡の口溶け感が向上し、かつ、得られた泡は押圧に対して潰れにくく、さらに特定の温度で特定時間加熱すると、泡立てたスラリー中の卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成することにより、泡の安定性が著しく向上し、冷凍流通できる気泡入り加工食品を得られることを見いだした。
即ち、本発明は、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーから、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sの気泡入り加工食品を製造する方法であって、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを泡立て、75〜85℃で0.5〜5分加熱する気泡入り加工食品の製造方法を提供する。
また、本発明は、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有する気泡入り加工食品であって、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sであり、卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成している気泡入り加工食品を提供する。
本発明の気泡入り加工食品は、卵白と乳清と増粘多糖類を含有するスラリーが泡立ったメレンゲ様のものであり、比重0.3〜0.7と嵩高く泡立っており、口溶け感に優れている。また、この泡では卵白蛋白質と乳清蛋白質の双方が一部凝集し重合体を形成しており、泡の安定性に優れ、他の食材と混合しても潰れにくく、さらに冷凍しても焼成しても潰れにくいという耐冷耐熱性を有する。したがって、本発明の気泡入り加工食品は、それ自体を冷凍して保存あるいは流通させることができる。また、種々の食材と混合したり、トッピングとして使用したり、さらには、それらの食材と共に冷凍又は焼成できるメレンゲ様食材として使用することができる。
また、本発明の製造方法によれば、上述の気泡入り加工食品を製造することができる。
図1は、実施例1の気泡入りスラリーの加熱前後のドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)による電気泳動写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の気泡入り加工食品は、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーがメレンゲ様に泡立ち、卵白蛋白質及び乳清蛋白質の双方が加熱により一部凝集し重合体を形成しているものである。
本発明の態様の中でも、2−メルカプトエタノール等の還元剤で処理することなく行ったSDS-PAGEにより、卵白の主要な蛋白質であるオボアルブミン(分子量約45,000)と乳清の主要な蛋白質であるβラクトグロブリン(分子量約18,000)が検出され、かつ分子量21万以上の高分子量の重合体が検出されることが好ましい。オボアルブミンとβラクトグロブリンの全てが凝集し重合体を形成すると、即ち、SDS-PAGEにおいてオボアルブミンとβラクトグロブリンの位置にバンドが観察されなくなると、口溶け感が低下する。
卵白蛋白質は、卵白蛋白質全体の50〜60%を占めるオボアルブミン(分子量約45000)に加え、オボトランスフェリン(分子量約78000)、リゾチーム(分子量約14300)等からなり、乳清蛋白質は、乳清蛋白質全体の40〜50%を占めるβラクトグロブリン(分子量約18000)に加え、αラクトアルブミン(分子量約14000)、血清アルブミン(分子量約66300)等からなる。このように、オボアルブミンとβラクトグロブリンは、それぞれ卵白及び乳清の蛋白質の約半分を占める主要な蛋白質であるため、これらの全てが凝集して重合すると口溶け感が低下するものと考えられる。
なお、凝集していない卵白及び乳清の蛋白質の3次構造は、疎水基同士の疎水結合により、蛋白質の疎水基を内側にしまい込む形で折り畳まれた構造を有している。そして、加熱等の凝集が生じる処理を施した場合、蛋白質の疎水基が外側に露出し、別の蛋白質と疎水結合やジスルフィド結合を形成することにより重合体が形成される。本発明において、卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成しているとは、例えば、オボアルブミンの一部と血清アルブミンの一部が上述の重合体を形成し、残りの蛋白質が重合体を形成していない状態を指す。
卵白蛋白質の一部と、乳清蛋白質の一部とが凝集し重合体を形成していることは、下記2種類の分析方法のいずれかを行なうことにより、確認することができる。
<分析方法I>
分析試料として、本発明の気泡入り加工食品を形成するスラリーの加熱前と加熱後のものを用意し、これらを2−メルカプトエタノール等の還元剤で処理せずに分析に供する。分析方法は、後述するSDS−PAGEの手順に従う。以下、1)〜3)の全ての条件を満たす場合、本発明の気泡入り加工食品に該当する。
1)加熱後の試料は、卵白の少なくともオボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン及びリゾチームの少なくとも一つのバンドが加熱前に比して薄く観察される。
2)加熱後の試料は、乳清の少なくともβラクトグロブリンが検出され、かつβラクトグロブリン、αラクトアルブミン及び血清アルブミンの少なくとも一つのバンドが加熱前に比して薄く観察される。
3)加熱前の試料は、分子量21万以上のバンドが観察されないのに対し、加熱後の試料は、分子量21万以上のバンドが検出される。
なお、1)、2)より、卵白及び乳清の両方の蛋白質のバンドが薄くなっていることから、加熱後の試料に観察される分子量21万以上のバンドは、卵白及び乳清の薄くなったバンドの蛋白質からなる重合体であると考えられる。
<分析方法II>
分析試料として気泡入り加工食品を2−メルカプトエタノール等の還元剤で処理したものと処理していないものを用意する。分析方法は、後述するSDS−PAGEの手順に従う。以下、1)〜3)の全ての条件を満たす場合、本発明の気泡入り加工食品に該当する。
1)還元剤処理をしていない試料は、卵白の少なくともオボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン及びリゾチームの少なくとも一つのバンドが、還元剤処理した試料に比して薄く観察される。
2)還元剤処理をしていない試料は、乳清の少なくともβラクトグロブリンのバンドが検出され、かつβラクトグロブリン、αラクトアルブミン及び血清アルブミンの少なくとも一つのバンドが還元剤処理をした試料に比して薄く観察される。
3)還元剤処理をしていない試料は、分子量21万以上のバンドが観察されるのに対し、還元剤処理をした試料は、分子量21万以上のバンドが観察されない。
さらに、上述の分析方法I,IIにおいて、分子量21万以上の蛋白質が、卵白蛋白質と乳清蛋白質の双方に由来することは、ウエスタンブロット法により、分子量21万以上のバンドが、卵白及び乳清にそれぞれ抗原抗体反応を示すことから確認することができる。また、卵白蛋白質のオボアルブミン(分子量約45000)をはじめとして、SDS-PAGEにおける特定のバンドが特定の蛋白質のバンドであることは、分子量マーカーにより分子量を確認する他、そのバンドを常法によりアミノ酸配列分析することにより確認することができる。
卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーにより形成された泡において卵白蛋白質及び乳清蛋白質の双方が一部凝集し重合体を形成していることにより、泡は安定性が向上し、口溶けの良いものとなる。これに対し、卵白及び乳清の双方の蛋白質が全く凝集せずに重合体を形成していない場合、即ち、上述の<分析方法I>の加熱後の試料において、分子量21万以上のバンドが観察されない場合、又は<分析方法II>の還元剤で処理しなかった試料において分子量21万以上のバンドが観察されない場合には、泡の安定性が低く、泡に耐冷耐熱性を付与することができない。反対に、上述の<分析方法I>の加熱後の試料において、分子量21万以上のバンドは検出されるが、卵白の主要な蛋白質であるオボアルブミンのバンドが検出されないか、又は乳清の主要な蛋白質であるβラクトグロブリンのバンドも検出されないことにより、卵白蛋白質の全て又は乳清蛋白質の全てが凝集していると評価できる場合には泡が硬くなり、ふわっとしたメレンゲ様の食感と口溶けを得ることができない。
また、本発明の気泡入り加工食品ではスラリーに卵白及び乳清が含まれていることにより、スラリーが比重0.3〜0.7に嵩高く泡立っている。そのため、本発明の気泡入り加工食品は泡の安定性と口溶け感の双方に優れている。
ここで、スラリーの材料となる卵白としては、常法により、鶏卵を割卵して卵黄と分離することにより得られた液卵白、冷凍卵白を解凍したもの、乾燥卵白等が挙げられる。
乳清としては、生乳や脱脂粉乳からチーズや酸カゼイン、レンネットカゼインを製造する際に副生する酸ホエイ、スイートホエイを原料とし、これを精製したものを使用することができる。精製した乳清の他に、市販の乳清に濃縮、希釈、ペースト化、乾燥等の処理を行ったものも使用することができる。なお、一般に、乳清蛋白質はカゼインを実質的に含まないが、乳蛋白と称されるものはカゼインを主成分として含む点で乳清蛋白質と異なる。また、乳清に代えて全粉乳や脱脂粉乳を使用すると、カゼインを含むためか泡の安定性が損なわれる場合があるためカゼインの含有量は乳蛋白質全体の5%以下が好ましく、カゼインを全く含まないものがより好ましい。
また、本発明の気泡入り加工食品において、カゼインの含有量は1%以下が好ましく、カゼインを全く含まないものがより好ましい。
卵白と乳清の好ましい含有量は、それぞれ固形分換算で1〜5%とすることが好ましく、さらに卵白と乳清の含有量比を1:5〜5:1とすることがより好ましい。卵白が少なすぎると泡の安定性が低下する。反対に多すぎると泡が硬くなり過ぎてはんぺん様となり、他の食材と混合しにくくなり、トッピングとしても使用しにくくなる。一方、乳清が少なすぎると泡立ちが不十分となり、比重が大きくなって口溶けのよいメレンゲ様の食品になりにくい。また、乳清が多すぎても泡が硬くなりやすい。
一方、本発明の気泡入り加工食品において、増粘多糖類は、スラリーの泡立ちを向上させると共に、泡の押圧に対して潰れにくくするために配合されている。増粘多糖類としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、発酵セルロース、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、タラガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、アラビノガラクタン、プルラン等を使用することができる。中でも、スラリーの撹拌時の剪断抵抗を減少させて泡立ちを向上させる点からシュードプラスチック性を有するキサンタンガム、発酵セルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、タラガム、ジェランガム等が好ましく、特にキサンタンガムが好ましい。
増粘多糖類の含有量は、0.3〜2%とすることが好ましい。増粘多糖類が少なすぎると泡と液状部分とが分離する場合があり、多すぎると口溶けが悪く、ねとねとした粘稠性の食感が強くなる。
また、本発明の気泡入り加工食品には、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを好ましくは加熱する前に、より好ましくは泡立てる前に、このスラリーに添加されたアルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩によるアルギン酸カルシウムを含有させる。ここで、アルギン酸アルカリ金属塩とは、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等を挙げることができる。また、水溶性カルシウム塩とは清水への溶解度(25℃)が1%以上のものをいい、塩酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等をあげることができる。中でも、メレンゲ特有の口溶けの良さに加え、風味も向上することから、乳酸カルシウムが好ましい。
スラリーにアルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩を添加して泡立て、泡立ったスラリー中でアルギン酸カルシウムを生成させると、泡の安定性を高め、増粘多糖類特有の粘稠性の食感を抑制し、メレンゲ特有の口溶けの良さを向上させることができる。なお、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを泡立て、卵白及び乳清の蛋白質をそれぞれ一部凝集させて重合体を形成させた後にアルギン酸カルシウムを添加しても、泡の安定性を高めたり、増粘多糖類特有の粘稠性の食感を抑制したり、口溶けの良さを向上させたりすることはできない。
また、アルギン酸カルシウムは増粘多糖類ではなく、粘稠性を示さないことから、スラリー中に、アルギン酸アルカリ金属塩が添加されていても、水溶性カルシウム塩を添加することによりアルギン酸カルシウムが生成した分については、アルギン酸アルカリ金属塩は増粘多糖類として作用しない。よって、本発明の気泡入り加工食品を形成するスラリー中には、アルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩を添加すると共に、前述の増粘多糖類を添加することが好ましく、特に、アルギン酸ナトリウムと水溶性カルシウム塩とキサンタンガムを併用することがより好ましい。
スラリーにおけるアルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩との添加量は、アルギン酸アルカリ金属塩0.1〜1%、水溶性カルシウム塩0.1〜1%とすることが好ましい。アルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩の添加量が少なすぎるとアルギン酸カルシウムの生成が十分に行われず、泡の安定性が損なわれ、また粘稠性の食感を抑制できず、メレンゲ特有の口溶けの良さが得られにくい。反対に、これらの含有量が多すぎるとアルギン酸カルシウムの生成が過剰となって苦みが感じられ、食品の風味が損なわれるので好ましくない。
本発明の気泡入り加工食品には、さらに、pH調整材及び糖類を含有させることが好ましい。pH調整材は、本発明の気泡入り加工食品のpHを4.5〜6とするために使用する。pHが低すぎると蛋白質の酸変性により泡立ちが悪くなり、pHが高すぎると泡が柔らかくなり、泡の安定性が劣る場合がある。上述のpH4.5〜6の範囲の中でも、特に卵白蛋白質の等電点4.6及び乳清蛋白質の等電点4.9の近傍(pH4.5〜5.0)が泡の安定性が向上する点から好ましい。
pH調整材としては、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、レモン、オレンジ、リンゴ等の果汁、食酢、ヨーグルト等の酸性発酵食品等が挙げられる。
糖類は、スラリー中のジスルフィド結合を抑制する効果があることから、加熱により、スラリー中の蛋白質の全てが凝集するという過度の熱変性が生じないようにするために使用する。
糖類としては、グルコース、フラクトース等の単糖類、マルトース、シュークロース、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、これらの混合物、これらに水素添加した還元糖類が挙げられる。中でも、蛋白質の過度の変性を抑制する点から還元水飴及びトレハロースが好ましい。
糖類の含有量は、少なすぎると泡の安定性が低下し、多すぎると泡立ちが低下することから、還元水飴2.5〜20%及びトレハロース2.5〜20%を含有させることが好ましく、糖類の合計として5〜50%とすることが好ましい。
本発明の気泡入り加工食品には、以上の各成分の他、必要に応じて、スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の高甘味度甘味料、クエン酸カルシウム、フマル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン、ポリソルベート等の乳化剤、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類、鉄、マグネシウム等の各種ミネラル類、香料、着色料、調味料及び保存料等を配合することができる。
本発明の気泡入り加工食品において、泡立ちは、比重が0.3〜0.7、好ましくは0.3〜0.6となる程度である。比重が小さ過ぎると泡の安定性が低く、反対に大き過ぎると泡立ちが足りずにメレンゲ様にならず、口溶けが悪い。
また、本発明の気泡入り加工食品の粘度は、粘度(20℃)10〜90Pa・sであり、好ましくは、30〜80Pa・sである。これにより、従前のメレンゲと同様に他の食材と混ぜて使用しやすいものとなり、またトッピングとしても使用しやすいものとなる。なお、本発明において粘度は、BH型粘度計を用い、回転数:4rpm、ローター:No.6、品温:20℃の測定条件で、2回転後の示度から換算した値である。
本発明の気泡入り加工食品は、耐冷凍性に優れるため、冷凍状態で1年程度保存後に解凍しても冷凍前と同様の含気状態と泡の安定性を保持し、メレンゲ様の食感を有する。そのため、本発明の気泡入り加工食品は冷凍して流通させるのに適したものとなる。本発明の気泡入り加工食品には冷凍している態様も含まれる。
本発明の気泡入り加工食品は、上述した卵白、乳清及び増粘多糖類、その他必要に応じて配合される各成分を混合してスラリーとし、そのスラリーを撹拌や気体の吹き込みなどにより泡立て、品温75〜85℃で0.5〜5分加熱し、必要に応じて冷凍することにより製造することができる。この場合、スラリーの泡立ては、加熱後の比重が0.3〜0.7となるように適宜調整する。過度に加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすると、卵白中の蛋白質の全て、又は乳清中の蛋白質の全てが凝集してしまい、メレンゲ様のふわっとした口溶け感が損なわれる。反対に、加熱温度が低すぎたり加熱時間が短すぎたりすると卵白及び乳清の凝集が不十分となり、泡の安定性が低くなり、耐冷耐熱性を得にくくなる。
本発明の気泡入り加工食品のより具体的な製造方法としては、例えば、上述のスラリーを形成する各成分を脱気機能付き撹拌ミキサーに入れ、脱気撹拌してスラリーを得る。次に、このスラリーに空気、窒素ガス等の気体を吹き込みながらこのスラリーを撹拌して泡立て、次いでチューブ式熱交換器に通し、加熱する。これによりメレンゲ様の本発明の気泡入り加工食品を得ることができる。また、この気泡入り加工食品を、任意の容器に充填し、冷凍してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜8及び比較例1〜8
(1)気泡入り加工食品の製造
表1に示す組成で各原料を脱気機能付き撹拌ミキサーで攪拌混合し、真空度0.1MPaで脱気撹拌を行い、スラリーを得た。
このスラリーを攪拌ミキサーに投入し、空気を吹き込みながら攪拌し、泡立てた。次いで、チューブ式熱交換器に通し、次いで、表1に示す加熱条件で加熱した。こうして得られた、気泡入りスラリーを、熱可塑性のポリエチレン製容器に充填し、さらに−20℃に冷凍した。
(2)評価
(1)で得られた気泡入りスラリーの性状を次のように測定し、評価した。これらの結果を表1に示す。
(2-1)比重
(1)の気泡入りスラリーを、5℃で解凍後、品温20℃にて、90mlメスシリンダーに空気を抱き込まないように満注して、質量を測定した。メスシリンダーの容積(90ml)および測定した気泡入りスラリーの質量から比重(水に対する気泡入りスラリーの質量比)を算出した。
(2-2)粘度
BH型粘度計を用い、回転数:4rpm、ローター:No.6、品温:20℃の測定条件で、2回転後の示度から換算した値を採用した。
(2-3)蛋白質の一部凝集
加熱前後の気泡入りスラリーを試料としてドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)分析をLaemmli法に基づき、以下の測定条件で行った。この場合、試料の調製は、蛋白質のジスルフィド結合を切断する還元剤で処理することなく、電気泳動分析に供した。また、比較のために生卵白と乳清も同時に展開した。
SDS-PAGEの測定条件
ポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE mini,4-20%(テフコ(株)製)):4〜20%のグラジエントゲル、分子量の検出範囲6500〜205000
試料の蛋白質濃度:1mg/ml
染色液:クマシーグリリアントブルーG250(CBB)染色液濃度:1g/L
染色条件:40rpm 1時間
脱色条件:40rpm 6時間
実施例1について、SDS-PAGEの泳動写真を図1に示す。
加熱前後の試料の泳動パターンの対比から、蛋白質の一部が凝集し重合体を形成しているかを確認した。なお、この泳動パターンにおいて、ポリアクリルアミドゲルの最上部に位置するバンドは、ポリアクリルアミドゲルの検出範囲を超えた分子量21万以上の蛋白質ということになる。
また、実施例1については、加熱後の気泡入りスラリーを試料とし、上述と同様の電気泳動分析を、試料を予め2−メルカプトエタノールで処理して行った。その結果、分子量21万以上の蛋白質は観察されなかった。また、2−メルカプトエタノールで処理した場合に比して、2−メルカプトエタノールで処理しない場合には、分子量約45000〜78000のバンドが薄かった。
(2-4)泡安定性
冷凍前の気泡入り加工食品の比重と、冷凍した気泡入り加工食品を5℃で解凍し、5℃にて1週間放置した後の比重とを比較して、次の基準で泡安定性を評価した。
〔評価基準〕
◎:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が10%未満の場合
○:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が10%以上20%未満の場合
×:冷凍前の気泡入り加工食品の比重と比較して、比重の増加率が20%以上の場合
(2-7)食感
冷凍された気泡入り加工食品を5℃で解凍した後、喫食して次の基準で口溶け感を評価した。
〔評価基準〕
◎:メレンゲ特有の口溶けの良さに優れ好ましい。
○:メレンゲ特有の口溶けの良さを有している。
×:メレンゲ特有の口溶けの良さが損なわれていた。




























図1の電気泳動写真から、以下1)〜3)の点を確認できた。従って、実施例1の気泡入り加工食品は、前述の<分析方法I>の1)〜3)の全ての条件を満たしていることが理解できる。
1)加熱後の試料では、オボアルブミンのバンドが検出され、かつオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームのバンドが加熱前に比して薄く観察された。
2)加熱後の試料では、βラクトグロブリンのバンドが検出され、かつ血清アルブミンのバンドが加熱前に比して薄く観察された。
3)加熱前の試料では、分子量21万以上のバンドが観察されないのに対し、加熱後の試料では、ポリアクリルアミドゲルの最上部に位置するバンド、即ち分子量21万以上のバンドが検出された。
図1の結果は、実施例1の加熱後の気泡入りスラリーを2−メルカプトエタノールで処理した試料のSDS-PAGEでは分子量21万以上の蛋白質が観察されず、2−メルカプトエタノールで処理しなかった試料のSDS-PAGEでは、2−メルカプトエタノールで処理した場合に比して分子量約45000〜78000のバンドが薄くなり、分子量21万以上の蛋白質が観察されたことと整合する。
なお、加熱前後の泳動パターンにおける各バンドの特定の蛋白質への帰属は、対照として泳動させた卵白及び乳清の泳動パターンとの対比により行った。バンドが薄くなっていることが認められる卵白のオボトランスフェリン、オボアルブミン、及び乳清の血清アルブミンは熱に弱い蛋白質であると考えられる。また、一部凝集した蛋白質の多くは卵白蛋白質に由来していることから、実施例1の気泡入り加工食品の泡の安定性には、卵白蛋白質の一部凝集が大きく寄与していると考えられる。
また、表1の結果から、卵白、乳清及び増粘多糖類を含有し、卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成している各実施例の気泡入り加工食品は、いずれも泡安定性と食感に優れているが、乳清を含有しない比較例1や卵白を含有しない比較例2の気泡入り加工食品は泡安定性が低く、食感も劣っていること、増粘多糖類を含有せず、加熱処理もしていない比較例3の気泡入り加工食品や、増粘多糖類は含有していても加熱処理をしていない比較例7の気泡入り加工食品も泡安定性と食感が劣っていること、過度の加熱処理により蛋白質が完全に凝集している比較例8の気泡入り加工食品は、泡安定性は優れているが食感が劣っていることがわかる。
実施例1、4から、泡の安定性がよく、かつ口溶けのよい食感を得るにはアルギン酸アルカリ金属塩と水溶性カルシウム塩を増粘多糖類と併用するのが有効であること、さらに、実施例1、3から、泡安定性をより高めるには、増粘多糖類としてキサンタンガムを使用するのが好ましいことがわかる。
実施例1、5、6、7及び比較例4、5、6から、比重が0.3〜0.7となるように泡立てることにより、泡の安定性がよく、口溶け感がよいことがわかる。
実施例1の気泡入り加工食品に対して脱脂粉乳を5%使用した実施例8は、脱脂粉乳の使用により気泡入り加工食品中にカゼインを1.4%含有することとなり、実施例1よりも泡安定性が低くなっていることから、泡安定性をより高めるには、カゼインが含有されないのが好ましいことがわかる。

Claims (5)

  1. 卵白、乳清及び増粘多糖類を含有し、卵白及び乳清の含有量がそれぞれ固形分換算で1〜5質量%であるスラリーから、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sの気泡入り加工食品を製造する方法であって、前記卵白、乳清及び増粘多糖類を含有するスラリーを泡立て、75〜85℃で0.5〜5分加熱する気泡入り加工食品の製造方法。
  2. 気泡入り加工食品を還元剤で処理することなくドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)で分析することにより、少なくとも卵白蛋白質のオボアルブミン、乳清蛋白質のβラクトグロブリン、及び分子量21万以上の重合体が検出される請求項1記載の気泡入り加工食品の製造方法。
  3. 加熱前にアルギン酸アルカリ金属塩及び水溶性カルシウム塩を添加し、アルギン酸カルシウムを含有する気泡入り加工食品を製造する請求項1又は2記載の気泡入り加工食品の製造方法。
  4. 増粘多糖類がキサンタンガムである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気泡入り加工食品の製造方法。
  5. 卵白、乳清及び増粘多糖類を含有し、卵白及び乳清の含有量がそれぞれ固形分換算で1〜5質量%である気泡入り加工食品であって、比重0.3〜0.7、粘度(20℃)10〜90Pa・sであり、卵白及び乳清の蛋白質がそれぞれ一部凝集し重合体を形成し、該気泡入り加工食品を還元剤で処理することなくドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)で分析することにより、少なくとも卵白蛋白質のオボアルブミン、乳清蛋白質のβラクトグロブリン、及び分子量21万以上の重合体が検出される気泡入り加工食品。
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