JP2012084360A - 格子歪を有するリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した、水素原子Hと炭素原子Cの比率、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%の原料炭組成物を粉砕・分級し、原料炭組成物の粉体を得る工程と、当該原料炭組成物の粉体を平均円形度が0.91〜0.97となるように圧縮応力と剪断応力を付与し、円形粉体を得る工程と、当該円形粉体を加熱して炭化物を得る工程と、当該炭化物を黒鉛化する工程とを含んだ製造法により得られた黒鉛材料であって、X線広角回折によって得られた(112)回折線から算出される結晶子の大きさLc(112)が4nm〜30nm、且つ(004)回折線および(006)回折線から算出される格子歪が0.001〜0.085の範囲である、格子歪みを有するリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料。
【選択図】 なし
Description
一般的に、結晶子エッジには、多数のダングリングボンド、即ち価電子結合が飽和せず結合の相手無しに存在する局在電子の状態が多く存在する。充電過程での負極炭素材料の表面、即ち電解液と炭素材料が接触している界面では、リチウムが黒鉛結晶に挿入する本来の充電反応の他に、この局在電子が触媒的に作用し、電解液が還元分解されることに起因した副反応・競争反応が生じることによって、負極の充放電効率が低下すると考えられる。つまり、粒子表面に未組織炭素を導入することにより、溶媒共挿入による電解液の分解は抑制できたとしても、導入された未組織炭素の結晶子が等方的な状態であるためにエッジが表面に露出することにより、電解液の還元分解が増大し容量劣化が起こるという課題が残る。
すなわち、前述した課題を解決するために、本出願に係る第一の発明の態様は、重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した、水素原子Hと炭素原子Cの比率、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%の原料炭組成物を粉砕・分級し、原料炭組成物の粉体を得る工程と、当該原料炭組成物の粉体を平均円形度が0.91〜0.97となるように圧縮応力と剪断応力を付与し、円形粉体を得る工程と、当該円形粉体を加熱して炭化物を得る工程と、当該炭化物を黒鉛化する工程と、を含んだ製造法により得られた黒鉛材料であって、X線広角回折によって得られた(112)回折線から算出される結晶子の大きさLc(112)が4nm〜30nm、且つ(004)回折線および(006)回折線から算出される格子歪εが0.001〜0.085の範囲である、格子歪みを有するリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料である。
本発明者らは、重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した、水素原子Hと炭素原子Cの比率、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%の原料炭組成物を粉砕・分級した後、圧縮応力と剪断応力を付与し平均円形度が0.91〜0.97の範囲となるように表面処理を施すことによって、黒鉛化後に所定の範囲の格子歪を発生させている。黒鉛化前に圧縮応力と剪断応力を付与する工程と、黒鉛化後の格子歪の発生との関係を、本発明者らは次のように考えている。
重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した、水素原子Hと炭素原子Cの比率、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%の原料炭組成物を粉砕・分級した後、圧縮応力と剪断応力を付与し平均円形度が0.91〜0.97の範囲となるように表面処理を施して得られる円形粉体を黒鉛化することは、黒鉛化途中に起こる結晶子の成長が、平均円形度の高い円形粉体中、すなわち表面の曲率が高い粒子中、言わば鋳型の中で起こることに等しく、結晶子は粒子形状によりその成長方向を制限されながら成長することになる。すなわち、結晶子の成長は、粒子の形状に依存して異なる。
たとえば、扁平状の粒子では、粒子の長軸方向に沿って、結晶子が広く自由に成長できるのに対し、表面の曲率が高い粒子においては、結晶子の成長方向に対して、粒子形状に由来する空間的な制限が付与されるために、結晶子が自由に成長することができない。空間的な制限とは、結晶子の成長が、粒子形状を維持しようとするエネルギーにより阻害されることであり、円形粉体の平均円形度、すなわち表面の曲率が高いほど結晶成長に対する空間的な制限は大きい。ここでは、粒子形状が結晶子の成長に与える効果を総括して形状効果と表現する。
平均円形度が0.91〜0.97の範囲である円形粉体の表面部分では、結晶子が成長しようとするエネルギーと、粒子形状を維持しようとするエネルギーとの拮抗状態の中で黒鉛化が進行する。このことは、粒子形状を維持しようとするエネルギーにより結晶子の成長が部分的に阻害されることでもあり、その阻害された部分には六角網面の平行度の低い領域、すなわち格子歪が導入される。このような状態下では、結晶子中に局所的に格子歪が蓄えられながら黒鉛化が進行していく。
一般的に、粒子表面の結晶子の方が、粒子内部の結晶子よりも速く黒鉛化が進行する。粒子表面の結晶子は粒子形状に沿って配向しているため、これら粒子表面に配列した結晶子は、より粒子内部の結晶子の成長に対して空間的な制限を付与する効果を有する。換言すれば、粒子内部の結晶子に対しても、結晶子が成長しようとするエネルギーと、より表面に近い位置に存在する結晶子の配向を維持しようとするエネルギーとの拮抗状態の中で黒鉛化が進行することにより、黒鉛に格子歪が導入される。すなわち、粒子内部であっても粒子の形状効果は波及的且つ十分に付与されるものである。
このような特徴を有する黒鉛材料が負極として使用されたリチウムイオン二次電池では、溶媒共挿入による電解液の分解および粒子表面のエッジ部における電解液の分解が抑制されるため、負極の漏れ電流が極めて小さく、高い寿命特性を実現することが可能となる。
全水素の測定は、試料を酸素気流中750℃で完全燃焼させ、燃焼ガスより生成した水分量を電量滴定法(カール・フィッシャー法)で求められる。電量滴定式のカール・フィッシャー法では、予め滴定セルにヨウ化物イオン、二酸化硫黄、塩基(RN)及びアルコールを主成分とする電解液を入れておき、滴定セルに試料を入れることで試料中の水分は、下式(4)の通り反応する。なお、試料は、例えばコーキング処理後、乾燥雰囲気下で冷却した後に測定される。
H2O+I2+SO2+CH3OH+3RN
→ 2RN・HI+RN・HSO4CH3 ・・(4)
この反応に必要なヨウ素は、下式(5)の通りヨウ化物イオンを電気化学的に反応(2電子反応)させることにより得られる。
2I- − 2e− → I2 ・・(5)
水1モルとヨウ素1モルとが反応することから、水1mgを滴定するのに必要な電気量が、下式(6)の通りファラデーの法則により求められる。
(2×96478)/(18.0153×103)=10.71クーロン・・(6)
ここで、定数96478はファラデー常数、18.0513は水の分子量である。
ヨウ素の発生に要した電気量を測定することで、水分量が求められる。さらに得られた水分量から、水素量に換算し、これを測定に供した試料質量で除することにより、全水素分(TH(質量%))が算出される。
全炭素の測定は、試料を1150℃の酸素気流中で燃焼させ、二酸化炭素(一部一酸化炭素)に変換され過剰の酸素気流に搬送されてCO2+CO赤外線検出器により、全炭素分(TC(質量%))が算出される。
原料炭組成物中のH/C原子比が0.50を超える場合、その炭素骨格の構造形成が不十分であり、黒鉛化した場合においても、結晶子の成長は極端に小さい。このような黒鉛材料を負極として使用したリチウムイオン二次電池では容量が小さくなるため好ましくない。
以上の通り原料炭組成物のH/Cは0.30〜0.50に限定される。この範囲内の物性を有する原料炭組成物に圧縮応力と剪断応力を付与し、平均円形度0.91〜0.97の範囲となるように表面処理を施して得られた円形粉体を黒鉛化した場合、結晶子が適度に発達し、且つ適度な格子歪を有する黒鉛材料が得られる。このような特徴を有する黒鉛材料が負極として使用されたリチウムイオン二次電池では、溶媒共挿入による電解液の分解および粒子表面のエッジ部における電解液の分解が抑制されるため、負極の漏れ電流が極めて小さく、高い寿命特性を実現することが可能となる。
原料炭組成物のマイクロ強度が17質量%を超える場合には、隣接する結晶子間の結合強さが極端に大きくなる。その理由は、隣接した結晶子間に存在する未組織炭素が、その隣接する結晶子と強固な三次元的化学結合を構築するからである。このような原料炭組成物に圧縮応力と剪断応力を付与し、平均円形度を0.91〜0.97の範囲になるように表面処理して得られた円形粉体を黒鉛化した場合に、未組織炭素が、結晶子の選択的な配向を妨害するエネルギーが大きいために、粒子の形状効果を十分に付与することができない。そのため、粒子表面の曲率を低減させながら黒鉛化が進行する。このような状態で黒鉛化が進行した場合、適度な格子歪を有した黒鉛材料を得ることは不可能であるため好ましくない。
一方、原料炭組成物に、圧縮応力と剪断応力を付与するという本発明の製造法において、平均円形度が0.97より高い円形粉体を得ることはできなかった。理由は、平均円形度が0.97より高い円形粉体を得るために、原料炭組成物の粉体に非常に強い圧縮応力と剪断応力を付与した場合、粒子表面に大きな亀裂が導入され粒子が崩壊するためである。粒子が崩壊した場合、表面処理後に得られる粉体は、粒径が極端に小さく、大量の微粉を含んだ状態となる。このような粉体を炭化・黒鉛化した場合、比表面積が極端に大きな黒鉛材料が得られる。このような黒鉛材料を負極として用いたリチウムイオン二次電池では、黒鉛と電解液の接触面積が極端に大きく、電解液の分解が増大し、負極の漏れ電流が増大するため好ましくない。
まず、Lc(112)が4nm未満の黒鉛材料は結晶組織の発達が不十分であり、このような黒鉛材料を用いたリチウムイオン二次電池では容量が小さくなるため好ましくない。また、本発明における原料炭組成物を高温で長時間黒鉛化した場合においても、Lc(112)が30を超える大きさになることはなかったため、上限を30nmとした。
また、本発明の製造法では、Lc(112)が4nm〜30nmの範囲である黒鉛材料に対して、0.085を超える格子歪を導入することが不可能であったため、上限を0.085とした。
重質油組成物の成分としては、流動接触分解装置のボトム油(流動接触分解残油、FCC DO)、流動接触分解残油から抽出した芳香族分、重質油に高度な水添脱硫処理を施した水素化脱硫油、減圧残油(VR)、脱硫脱瀝油、石炭液化油、石炭の溶剤抽出油、常圧残浚油、シェルオイル、タールサンドビチューメン、ナフサタールピッチ、エチレンボトム油、コールタールピッチ及びこれらを水素化精製した重質油等が挙げられる。これらの重質油を二種類以上ブレンドして重質油組成物を調製する場合、重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した後に得られる原料炭組成物の物性として、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%となるように、使用する原料油の性状に応じて配合比率を適宜調整すればよい。なお、原料油の性状は、原油の種類、原油から原料油が得られるまでの処理条件等によって変化する。
流動接触分解残油から抽出した芳香族分は、ジメチルホルムアミド等を用いて選択抽出し、芳香族分と飽和分に分離させたときの芳香族分である。
重質油に高度な水添脱硫処理を施した水素化脱硫油は、例えば、硫黄分1質量%以上の重質油を水素分圧10MPa以上で水素化脱硫処理して得られる硫黄分1.0質量%以下、窒素分0.5質量%以下、芳香族炭素分率(fa)0.1以上の重質油である。水素化脱硫油は、好ましくは、常圧蒸留残油を触媒存在下、水素化分解率が25%以下となるように水素化脱硫して得られる水素化脱硫油である。
減圧残油(VR)は、原油を常圧蒸留装置にかけて、ガス・軽質油・常圧残油を得た後、この常圧残浚油を、例えば、10〜30Torrの減圧下、加熱炉出口温度320〜360℃の範囲で変化させて得られる減圧蒸留装置のボトム油である。
脱硫脱瀝油は、例えば、減圧蒸留残渣油等の油を、プロパン、ブタン、ペンタン、又はこれらの混合物等を溶剤として使用する溶剤脱瀝装置で処理し、そのアスファルテン分を除去し、得られた脱瀝油(DAO)を、間接脱硫装置(Isomax)等を用いて、好ましくは硫黄分0.05〜0.40質量%の範囲までに脱硫したものである。
常圧残浚油は、原油を常圧蒸留装置にかけて、例えば、常圧下、加熱して、含まれる留分の沸点により、ガス・LPGやガソリン留分、灯油留分、軽質油留分、常圧残浚油に分けられる際に得られる留分の一つで、最も沸点高い留分である。加熱温度は、原油の産地等により変動し、これらの留分に分留できるものであれば限定されないが、例えば原油を320℃に加熱する。
重質油は高温処理されることによって、熱分解及び重縮合反応が起こり、メソフェーズと呼ばれる大きな液晶が中間生成物として生成する過程を経て生コークスが製造される。このとき、(1)良好なバルクメソフェーズを生成する重質油成分と、(2)このバルクメソフェーズが重縮合して炭化及び固化する際に、メソフェーズを構成する六角網平面積層体の大きさを小さく制限する機能を有したガスを生じ得る重質油成分と、更に(3)その切断された六角網平面積層体どうしを結合させる成分が全て含有された原料油組成物を用いることが特に好ましい。(1)良好なバルクメソフェーズを生成する重質油成分が、芳香族指数faとして0.3〜0.65を与える成分であり、(2)ガスを生じ得る重質油成分が、ノルマルパラフィン含有率の5〜20質量%に相当する成分であり、(3)六角網平面積層体どうしを結合させる成分が7〜15質量%の範囲で含有された脱硫脱瀝油である。
fa=(A1+A2)/(A1+A2+A3)
により求められる。13C−NMR法が、ピッチ類の化学構造パラメータの最も基本的な量であるfaを定量的に求められる最良の方法であることは、文献(「ピッチのキャラクタリゼーション II. 化学構造」横野、真田、(炭素、1981(No.105)、p73〜81)に示されている。
コーカーの運転圧力に好ましい範囲が設定されている理由は、ノルマルパラフィン含有成分より発生するガスの系外への放出速度を、圧力で制限することができるからである。前述の通り、メソフェーズを構成する炭素六角網平面のサイズは、発生するガスで制御するため、発生ガスの系内への滞留時間は、前記六角網平面の大きさを決定するための重要な制御パラメータとなる。また、コーカーの運転温度に好ましい範囲が設定されている理由は、本発明の効果を得るために調整された重質油から、メソフェーズを成長させるために必要な温度だからである。
平均円形度=L0/L
(式中、Loは、粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を表し、Lは粒子投影像の周囲長を表す。)
一般に、結晶サイズLは、X線回折の半価幅βを用いて、
β=λ/L・cosθ (式4)
で求められる。ここで、λはX線の波長、θはブラッグ角である。
式4を変形することにより、
1/L=β・cosθ/λ (式5)
が得られる。
ここで、βは結晶子の真の大きさに基づくβ(0)と格子の歪による幅Δθの和であることが論じられており(炭素、1968年 第52巻第9〜12頁)、
β=β(0)+Δθ (式6)
と表される。
β(0)は、結晶子の真の大きさL(0)を用いて、
β(0)=λ/L(0)・cosθ (式7)
と表される。
Δθは、格子面間隔dの不均一性に起因するとされ、格子面間隔の変動幅をΔdとして、
Δθ=(Δd/d)・tanθ=ε・tanθ (式8)
(式中、ε=Δd/d)
で表わされる。このときのεを格子歪という。
式6、式7、式8から、βは以下のように表される。
β=λ/L(0)・cosθ+ε・tanθ (式9)
式9を式5のβに代入することにより、以下の式が得られる。
1/L=1/L(0)+n(ε/2d) (n=1,2,3・・) (式10)
従って、1/L対回折次数nのプロットを取ると直線となり、その直線の傾きが格子歪εに値する。このようにして格子歪を求める方法は、文献(炭素、No.52、P9−12)に示されている。
具体的には、X線解析において、Lc(004)、Lc(006)を求め、それぞれの逆数(1/Lc)を算出する。その値を回折次数に対してプロットした直線の勾配から格子歪εを算出した。回折次数は、(004)ではn=2、(006)ではn=3である。
得られた黒鉛粉末に、内部標準としてSi標準試料を10質量%混合し、ガラス製回転試料ホルダー(25mmφ×0.2mmt)に詰め、日本学術振興会117委員会が定めた方法(炭素2006,No.221,P52−60)に基づき、X線広角回折法で測定を行い、黒鉛粉末の結晶子の大きさLc(112)を算出した。X線回折装置は、Bruker−AXS社製 D8 ADVANCE(封入管型)、X線源はCuKα線(KβフィルターNiを使用)、X線管球への印可電圧及び電流は40kV及び40mAとした。
得られた回折図形についても、日本学術振興会117委員会が定めた方法(炭素2006,No.221,P52−60)に準拠した方法で解析を行った。具体的には、測定データにスムージング処理、バックグラウンド除去の後、吸収補正、偏光補正、Lorentz補正を施し、Si標準試料の(422)回折線のピーク位置、及び値幅を用いて、黒鉛粉末の(112)回折線に対して補正を行い、結晶子サイズを算出した。なお、結晶子サイズは、補正ピークの半値幅から以下のScherrerの式を用いて計算した。測定・解析は3回ずつ実施し、その平均値をLc(112)とした。
L=K×λ/(β0×cosθB) ・・Scherrerの式
ここで、L:結晶サイズ(nm)
K:形状因子定数(=1.0)
λ:X線の波長(=0.15406nm)
θB:ブラッグ角
β0:半値幅(補正値)
黒鉛粉末のLc(112)が測定された結果は、表1に示された通りである。
バインダーとしては、従来より使用されているバインダーであれば、特に制限なく各種のバインダーを使用することができる。例えば、バインダーとして、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル、SBR(スチレンーブタジエンラバー)等が挙げられる。
バインダーは、本発明のリチウムイオン電池用の黒鉛材料100質量部に対して、通常、1〜40質量部、好ましくは2〜25質量部、特に好ましくは5〜15質量部の量で使用される。
前記導電助剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、又は導電性を示すインジウム−錫酸化物、又は、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン等の導電性高分子を挙げることができる。導電助剤の使用量は、炭素材料100質量部に対して1〜15質量部が好ましい。
溶剤としては、従来より使用されている溶剤であれば特に制限なく、各種の溶剤を使用することができる。このような溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ピロリドン、N−メチルチオピロリドン、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミド、イソプロパノール、トルエン等を単独あるいは混合して用いることができる。
溶剤は、負極用混合物の合計100質量部に対して、一般的には、15〜90質量部、好ましくは30〜60質量部となるように使用される。
塗布の方法は、従来公知の方法によって実施することができる。例えば、エクストルージョンコート、グラビアコート、カーテンコート、リバースロールコート、ディップコート、ドクターコート、ナイフコート、スクリーン印刷、メタルマスク印刷法、静電塗装法等が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うのが一般的である。
電極は、金属箔に塗布のあと、50〜250℃の温度で乾燥することにより製造することができる。金属箔の両面に混合物を塗布する場合、片面を塗布し、50〜250℃で乾燥した後、塗布しようとする他方の面を水等によって洗浄することが特に好ましい。この洗浄操作によって、接着性を大幅に改善することができる。
金属箔の片面又は両面に混合物が塗布され、乾燥された金属箔上のペーストを金属箔とともにプレスして電極とする。
正極に用いる活物質としては、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンをドーピング又は挿入可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、又は導電性高分子材料を用いればよく、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、リチウム複合酸化物(LiCoXNiYMZO2、X+Y+Z=1、MはMn、Al等を示す)、及びこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの、リチウムバナジウム化合物、V2O5、V6O13、VO2、MnO2、TiO2、MoV2O8、TiS2、V2S5、VS2、MoS2、MoS3、Cr3O8、Cr2O5、オリビン型LiMPO4(MはCo、Ni、Mn又はFeを表す)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素等及びこれらの混合物を挙げることができる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微多孔性フィルム又はそれらを組み合わせたものを使用することができる。なお、製造するリチウムイオン二次電池の正極と負極が直接接触しない構造にした場合は、セパレータを使用する必要はない。
有機電解液としては、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル等のエーテル;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン等の環状エーテル;エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状炭酸エステル;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状炭酸エステル;N−メチル−2−ピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の有機溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
高分子固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘導体を含む重合体等が挙げられる。
1.原料炭組成物とその製造方法
(1)原料炭組成物A
硫黄分3.1質量%の常圧蒸留残油を、触媒存在下、水素化分解率が25%以下となるように水素化脱硫し、水素化脱硫油を得た。水素化脱硫条件は、全圧180MPa、水素分圧160MPa、温度380℃である。また、脱硫減圧軽油(硫黄分500質量ppm、15℃における密度0.88g/cm3)を流動接触分解し、流動接触分解残油を得た。この流動接触分解残油を、ジメチルホルムアミドで選択抽出し、芳香族分と飽和分に分離させ、このうちの芳香族分を抽出した。この抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比8:1で混合したものに、19質量%となるように脱硫脱瀝油を加え(脱硫脱瀝油を含めた混合物全体で100質量%)、コークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Aを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物が、抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比8:1で混合したものに、11質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Bを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物が、抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比8:1で混合したものに、4質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Cを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物が、抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比6:1で混合したものに、17質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Dを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物が、抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比6:1で混合したものに、11質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Eを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物が、抽出芳香族分と水素化脱硫油とを質量比6:1で混合したものに、6質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Fを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:5で混合したものに、15質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Gを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:5で混合したものに、7質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Hを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:4で混合したものに、19質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Iを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:4で混合したものに、16質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Jを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:4で混合したものに、11質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Kを得た。
(12)原料炭組成物L
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:4で混合したものに、5質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Lを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:4で混合したものに、3質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Mを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:3で混合したものに、14質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Nを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった水素化脱硫油と流動接触分解残油とを質量比1:3で混合したものに、7質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Oを得た。
原料炭組成物Aの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油に、同体積のn−ヘプタンを加え混合した後、ジメチルホルムアミドで選択抽出し、芳香族分と飽和分に分離させ、このうちの飽和分を選択抽出した。流動接触分解残油と、この抽出飽和分とを質量比1:1で混合したものに、16質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Pを得た。
原料炭組成物Pの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油と、抽出飽和分とを質量比1:1で混合したものに、11質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Qを得た。
原料炭組成物Pの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油と、抽出飽和分とを質量比1:1で混合したものに、6質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Rを得た。
原料炭組成物Pの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油と、抽出飽和分とを質量比1:2で混合したものに、19質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Sを得た。
原料炭組成物Pの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油と、抽出飽和分とを質量比1:2で混合したものに、10質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Tを得た。
原料炭組成物Pの原料油組成物の原料となった流動接触分解残油と、抽出飽和分とを質量比1:2で混合したものに、4質量%となるように脱硫脱瀝油を加えコークスの原料油組成物を得た。この原料油組成物をディレードコーカー装置に導入して、不活性ガス雰囲気下、550℃でコーキング処理し、原料炭組成物Uを得た。
比較例18では、表1に記載された原料炭組成物を、同表に記載された平均粒径に粉砕・分級し、表面処理を施さずに、実施例1と同様にして炭化・黒鉛化し黒鉛材料を得た。使用した装置は全て実施例1に記載したものと同じ装置を使用した。
(1)電池の作製方法
図2に作製した電池20の断面図を示す。正極21は、正極材料である平均粒子径6μmのニッケル酸リチウム(戸田工業社製LiNi0.8Co0.15Al0.05)と結着剤のポリフッ化ビニリデン(クレハ社製KF#1320)、アセチレンブラック(デンカ社製のデンカブラック)を重量比で89:6:5に混合し、N−メチル−2−ピロリジノンを加えて混練した後、ペースト状にして、厚さ30μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥及び圧延操作を行い、塗布部のサイズが、幅30mm、長さ50mmとなるように切断されたシート電極である。このとき単位面積当たりの塗布量は、ニッケル酸リチウムの質量として、10mg/cm2となるように設定した。
このシート電極の一部はシートの長手方向に対して垂直に正極合剤が掻き取られ、その露出したアルミニウム箔が塗布部の集電体(アルミニウム箔)と一体化して繋がっており、正極リード板としての役割を担っている。
負極23は、負極材料である下記実施例又は比較例で得られた黒鉛粉末と結着剤のポリフッ化ビニリデン(クレハ社製KF#9310)と、アセチレンブラック(デンカ社製のデンカブラック)とを重量比で90:2:8に混合し、N−メチル−2−ピロリジノンを加えて混練した後、ペースト状にして、厚さ18μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥及び圧延操作を行い、塗布部のサイズが、幅32mm、長さ52mmとなるように切断されたシート電極である。このとき単位面積当たりの塗布量は、黒鉛粉末の質量として、6mg/cm2となるように設定した。
このシート電極の一部はシートの長手方向に対して垂直に負極合剤が掻き取られ、その露出した銅箔が塗布部の集電体(銅箔)と一体化して繋がっており、負極リード板としての役割を担っている。
電池20の作製は、正極21、負極23、セパレータ25、外装27及びその他部品を十分に乾燥させ、露点−100℃のアルゴンガスが満たされたグローブボックス内に導入して組み立てた。乾燥条件は、正極21及び負極23が減圧状態の下150℃で12時間以上、セパレータ25及びその他部材が減圧状態の下70℃で12時間以上である。
このようにして乾燥された正極21及び負極23を、正極の塗布部と負極の塗布部とが、ポリポロピレン製のマイクロポーラスフィルム(セルガード社製#2400)を介して対向させる状態で積層し、ポリイミドテープで固定した。なお、正極及び負極の積層位置関係は、負極の塗布部に投影される正極塗布部の周縁部が、負極塗布部の周縁部の内側で囲まれるように対向させた。得られた単層電極体を、アルミラミネートフィルムで包埋させ、電解液を注入し、前述の正・負極リード板がはみ出した状態で、ラミネートフィルムを熱融着することにより、密閉型の単層ラミネート電池を作製した。使用した電解液は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートが体積比で3:7に混合された溶媒にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)が1mol/Lの濃度となるように溶解されたものである。
得られた電池を25℃の恒温室内に設置し、以下に示す充放電試験を行った。先ず1.5mAの電流で、電池電圧が4.2Vとなるまで定電流で充電した。10分間休止の後、同じ電流で電池電圧が3.0Vとなるまで定電流で放電する充放電サイクルを10回繰り返した。この充放電サイクルは、電池の異常を検知するためのものであるため、充放電サイクル試験のサイクル数には含まなかった。本実施例で作製された電池は、全て異常がないことを確認した。
この電池を60℃の恒温室内に設置し5時間放置し、充放電試験を開始した。開始後第1サイクルを初期サイクルとする。75mAの電流で、電池電圧が4.2Vとなるまで定電流で充電し、1分間休止の後、同じ電流で電池電圧が3.0Vとなるまで定電流で放電する充放電サイクルを設定し、このサイクルを1000回繰り返した。充放電サイクルの容量維持率として、初期放電容量に対する第1000サイクル目の放電容量の割合(%)を算出した。
3 ブレードの羽根
5 ハウジング
7 ブレードとハウジングとの間隙
20 電池
21 対極(正極)
22 正極集電体
23 作用極(負極)
24 負極集電体
25 セパレータ
27 外装
P 粉体
R1,R2 回転方向
Claims (2)
- 重質油組成物をディレードコーキングプロセスによってコーキング処理した、水素原子Hと炭素原子Cの比率、H/C原子比が0.30〜0.50、且つマイクロ強度が7〜17質量%の原料炭組成物を粉砕・分級し、原料炭組成物の粉体を得る工程と、
当該原料炭組成物の粉体を平均円形度が0.91〜0.97となるように圧縮応力と剪断応力を付与し、円形粉体を得る工程と、
当該円形粉体を加熱して炭化物を得る工程と、
当該炭化物を黒鉛化する工程とを含んだ製造法により得られた黒鉛材料であって、
X線広角回折によって得られた(112)回折線から算出される結晶子の大きさLc(112)が4nm〜30nm、且つ(004)回折線および(006)回折線から算出される格子歪が0.001〜0.085の範囲である、格子歪みを有するリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料を負極材料として使用したリチウムイオン二次電池。
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