JP2012079769A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変換効率を向上させた光電変換装置を提供する。
【解決手段】光電変換装置は、第1下部電極層と第2下部電極層とが一方向に離隔されて平面的に配置されている複数の下部電極層と、第1下部電極層の上に設けられた、第1導電型の第1半導体層と第2導電型の第2半導体層とが順に積層されている第1積層部とを備えている。また、該光電変換装置は、第2下部電極層の上に設けられた、第1導電型の第3半導体層と第2導電型の第4半導体層とが順に積層されている第2積層部と、第1積層部と第2積層部との間に位置する溝部に設けられた、第2半導体層と第2下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを備えている。そして、該光電変換装置では、溝部において、接続導体と第1積層部との間に隙間が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換装置に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置として、CIGS等に代表されるカルコパイライト系のI-III−VI族化合物半導体によって光吸収層が形成されたものがある。このCIGSは、光吸収係数が高く、光電変換装置の薄膜化、大面積化、ならびに製造コストの低減に適しており、該CIGSが適用された次世代太陽電池の研究開発が進められている。
このようなカルコパイライト系の光電変換装置は、一般に複数の光電変換セルが平面的に並設された構成を有している(特許文献1,2等)。この光電変換装置では、各光電変換セルは、ガラス等の基板の上に、金属等から成る下部電極と、半導体から成る光電変換層と、透明電極等から成る上部電極とが、この順に積層された構成を有している。そして、複数の光電変換セルは、隣り合う一方の光電変換セルの上部電極と他方の光電変換セルの下部電極とが導体によって電気的に直列に接続されている。また、Si系等の他の材料が光電変換層に用いられた光電変換装置にも、同様の構成を有するものがある。
特開昭64−61960号公報 特開2007−317858号公報
このような光電変換装置では、変換効率の上昇が常に指向されている。この変換効率は、光電変換装置において太陽光のエネルギーが電気エネルギーに変換される割合を示し、例えば、光電変換装置から出力される電気エネルギーの値が、光電変換装置に入射される太陽光のエネルギーの値で除されて、100が乗じられることで導出される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、変換効率を向上させた光電変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係る光電変換装置は、第1下部電極層と第2下部電極層とが一方向に離隔されて平面的に配置されている複数の下部電極層と、前記第1下部電極層に設けられた、第1導電型の第1半導体層と第2導電型の第2半導体層とが順に積層されている第1積層部とを備えている。また、該光電変換装置は、前記第2下部電極層の上に設けられた、前記第1導電型の第3半導体層と前記第2導電型の第4半導体層とが順に積層されている第2積層部と、前記第1積層部と前記第2積層部との間に位置する溝部に設けられた、前記第2半導体層と前記第2下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを備えている。そして、該光電変換装置では、前記溝部において、前記接続導体と前記第1積層部との間に隙間が設けられている。
本発明によれば、光電変換装置において半導体層に入射される光量が増加する。その結果、光電変換装置の変換効率が向上する。
第1実施形態に係る光電変換装置の構成を模式的に示す上面図である。 図1にて破線II-IIにて示した位置におけるXZ断面図である。 図2におけるバスバー電極およびその周辺部分を拡大した断面図である。 バスバー電極およびその周辺部分の比較例を示す断面図である。 バスバー電極およびその周辺部分の一変形例を示す断面図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の製造途中の様子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の製造途中の様子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の製造途中の様子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の製造途中の様子を示す斜視図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の構成を模式的に示す斜視図である。 第2実施形態に係る光電変換装置の構成を模式的に示す上面図である。 図11にて破線XII-XIIにて示した位置におけるXZ断面図である。 図12におけるバスバー電極およびその周辺部分を拡大した断面図である。 バスバー電極およびその周辺部分の比較例を示す断面図である。 バスバー電極およびその周辺部分の一変形例を示す断面図である。 バスバー電極およびその周辺部分の一変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る光電変換装置の製造途中の様子を示す斜視図である。 第2実施形態に係る光電変換装置の構成を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の幾つかの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)第1実施形態>
<(1−1)光電変換装置の概略的な構成>
図1は、第1実施形態に係る光電変換装置20の構成を示す上面図である。図2は、図1の切断面線II−IIにおける光電変換装置20の断面図、つまり図1で一点鎖線にて示された位置における光電変換装置20のXZ断面図である。なお、図1から図18には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置20は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、3つの光電変換セル10の一部のみが示されているが、光電変換装置20には、図1の左右方向に、多数(例えば、8個)の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。また、各光電変換セル10は、上面が概ね長方形の板状のものであり、光電変換装置20は、上面が概ね正方形の板状のものである。そして、光電変換装置20のX軸方向の両端部には、発電による電圧および電流を得るための電極が設けられている。
なお、光電変換装置20には、図1の左右方向だけでなく、更にこれに垂直な図1の上下方向も含めて、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されることで、例えば、多数の光電変換セル10がマトリックス状に配列されていても良い。また、各光電変換セル10の上面は概ね長方形である必要はなく、その他の形状を有していても良い。更に、光電変換装置20の上面は概ね正方形である必要はなく、その他の形状を有していても良い。但し、光電変換装置20は、該光電変換装置20の単位面積当たりの変換効率を向上させるという観点から、多数の光電変換セル10が高密度に平面的に配置されて成ることが好ましい。
各光電変換セル10は、下部電極層2、光電変換層3、上部電極層4、および接続導体5を主に備えている。光電変換装置20では、上部電極層4および接続導体5が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置20には、分離溝部P1と、分離溝部P2とが設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。ここでは、基板1が、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)で構成されているものとする。
下部電極層2は、基板1の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体から成る。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
光電変換層3は、光吸収層31とバッファ層32とが積層された構成を有している。
光吸収層31は、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有する半導体層であり、1〜3μm程度の厚さを有している。光吸収層31は、薄層化によって少ない材料で安価に変換効率が高められる観点から、カルコパイライト系(CIS系とも言う)の化合物半導体であるI-III-VI族化合物から成る半導体(I-III-VI族化合物半導体とも言う)によって主として構成されていることが好ましい。なお、ここでは、光吸収層31が、p型の導電型を有するCIS系のI-III-VI族化合物半導体によって主として構成されているものとする。
ここで、I-III-VI族化合物は、I-B族元素(11族元素とも言う)とIII-B族元素(13族元素とも言う)とVI-B族元素(16族元素とも言う)との化合物である。そして、I-III-VI族化合物としては、例えば、CuInSe2(二セレン化銅インジウム、CISとも言う)、Cu(In,Ga)Se2(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSとも言う)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSとも言う)等が挙げられる。なお、光吸収層31は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体の薄膜によって構成されていても良い。なお、ここでは、光吸収層31が、CIGSによって構成されているものとする。
また、光吸収層31は、II-VI族化合物から成る半導体によって構成されていても良い。II-VI族化合物とは、II-B族(12族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物である。但し、変換効率が高められる観点から、光吸収層31は、カルコパイライト系化合物半導体であるI-III-VI族化合物半導体によって構成されていることが好ましい。
光吸収層31は、スパッタリング法、蒸着法等のいわゆる真空プロセスによって形成され得る。また、光吸収層31は、光吸収層31の構成元素の錯体溶液が下部電極層2の上に塗布され、その後、乾燥および熱処理が行われる、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成され得る。光電変換装置20の製造コストが抑制される観点から、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスが用いられることが好ましい。
バッファ層32は、光吸収層31の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた半導体層である。この半導体層は、光吸収層31の第1の導電型とは異なる第2の導電型(ここではn型の導電型)を有している。また、バッファ層32は、I-III-VI族化合物半導体によって主に構成されている光吸収層31とヘテロ接合する態様で設けられている。光電変換セル10では、ヘテロ接合を構成する光吸収層31とバッファ層32とにおいて光電変換が生じるため、光吸収層31とバッファ層32とが積層されて光電変換層3として機能している。
なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、光吸収層31の導電型がn型であり、バッファ層32の導電型がp型である態様も有り得る。
バッファ層32は、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In23)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(In2Se3)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)、および(Zn,Mg)O等の化合物半導体によって構成されている。そして、リーク電流が低減される観点から、バッファ層32は、1Ω・cm以上の抵抗率を有することが好ましい。なお、バッファ層32は、例えばケミカルバスデポジション(CBD)法等で形成され得る。
また、バッファ層32は、光吸収層31の一主面の法線方向に厚さを有する。この厚さは、10〜200nmに設定され、バッファ層32上に上部電極層4がスパッタリング等で製膜される際のダメージが抑制される観点から、100〜200nmであることが好ましい。
上部電極層4は、バッファ層32の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられた、n型の導電型を有する透明の導電膜(透明導電膜とも言う)であり、光電変換層3において生じた電荷を取り出す電極(取出電極とも言う)である。上部電極層4は、バッファ層32よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層4には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層4とみなされても良い。
上部電極層4は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の物質、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛の化合物(アルミニウム(Al)、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、およびフッ素(F)のうちの何れか一つの元素等が含まれたもの)、錫(Sn)が含まれた酸化インジウム(ITO)、および酸化錫(SnO2)のうちの少なくとも一つから成る金属酸化物半導体等によって構成されている。
上部電極層4は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、光電変換層3から電荷が良好に取り出される観点から、上部電極層4は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有することが好ましい。
バッファ層32および上部電極層4は、光吸収層31が吸収する光の波長領域に対して光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有する材料によって構成されていることが好ましい。これにより、バッファ層32と上部電極層4とが設けられることで生じる、光吸収層31における光の吸収効率の低下が抑制される。
また、光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送される観点から、上部電極層4は、0.05〜0.5μmの厚さを有することが好ましい。更に、上部電極層4とバッファ層32との界面で光反射のロスが低減される観点から、上部電極層4とバッファ層32との間で絶対屈折率が略同一であることが好ましい。
接続導体5は、グリッド電極部5aとバスバー電極部5bとを備えて成る導電性の電極である。グリッド電極部5aは、上部電極層4の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられてX軸方向に延在するように配設されている。バスバー電極部5bは、一の光電変換セル10の上部電極層4の上に配設されたグリッド電極部5aから分離溝部P2内に垂下して隣の光電変換セル10の下部電極層2まで至るように設けられている。つまり、隣接し合う光電変換セル10において、接続導体5が、一方の光電変換セル10のバッファ層32と、他方の光電変換セル10の下部電極層2とを電気的に接続している。
接続導体5は、例えば、Ag等の金属から成る。なお、接続導体5の製造が容易になる観点から、X軸方向に順に平面的に配置されている複数の光電変換セル10の間で、複数のグリッド電極部5aが略一直線上に設けられていることが好ましい。
グリッド電極部5aは、光電変換層3で発生し上部電極層4によって取り出された電荷を集める役割を担う。グリッド電極部5aが設けられることで、上部電極層4の薄層化が可能となる。ここでは、上部電極層4は、光吸収層31よりも受光面側に設けられるので、出来るだけ薄く形成されて光透過性が高められることが望ましいが、薄くなれば薄くなるほど電気抵抗が高くなるため、電荷の取り出し効率が低下する。そこで、グリッド電極部5aが設けられることで、電荷の取り出し効率の確保と、上部電極層4の光透過性の向上とが両立し得る。
上部電極層4によって集められた電荷は、グリッド電極部5aによって更に集められ、分離溝部P2に設けられた接続部としてのバスバー電極部5bを通じて隣の光電変換セル10に伝達される。これにより、光電変換装置20においては、隣り合う光電変換セル10の一方の上部電極層4と、他方の下部電極層2とが、接続導体5によって電気的に直列に接続されている。
良好な導電性が確保されつつ光吸収層31への光の入射量の低下が最小限に留められる観点から、グリッド電極部5aは、50〜400μmの幅を有することが好ましい。また、複数のグリッド電極部5aが設けられる位置のY軸方向における間隔は、例えば、2.5mm程度であることが好ましい。
なお、グリッド電極部5aの表面は、光吸収層31が吸収する波長領域の光を反射する材質で形成されることが好ましい。このような表面は、例えば、透光性の樹脂に光反射率の高い銀等の金属粒子が添加されたものが乾燥および固化されてグリッド電極部5aが形成されること、または、アルミニウム等の光反射率の高い金属がグリッド電極部5aの表面に蒸着されること等によって形成される。このような表面によれば、光電変換装置20がモジュール化された際、グリッド電極部5aにて反射した光が、モジュール内で再び反射して光吸収層31に再度入射し得るため、光電変換装置20における変換効率が向上する。
分離溝部P1は、下部電極層2に設けられており、Y軸方向に直線状に延在している。この分離溝部P1により、下部電極層2がX軸方向に分離されている。このような分離溝部P1が1以上設けられることで、下部電極層2が一方向としての+X方向に分離されて複数の下部電極層とされている。図2では、下部電極層2が、左側の第1下部電極層としての下部電極層2、中央の第2下部電極層としての下部電極層2、右側の第3下部電極層としての下部電極層2、といった3以上の下部電極層に分離されている。そして、該3以上の下部電極層が、平面的に配置されている。
また、分離溝部P1には、直上に設けられた光吸収層31の延在部分が埋入している。これにより、隣り合う一方の光電変換セル10の下部電極層2と、他方の光電変換セル10の下部電極層2との間が、電気的に分離されている。分離溝部P1の幅は、例えば、グリッド電極部5aの幅と同程度の50〜400μm程度であれば良い。
分離溝部P2は、光電変換セル10の上面部分から下部電極層2の上面に至るまで設けられており、光電変換セル10の両端部間に延在されている。このため、分離溝部P2は、隣り合う一方の光電変換セル10と他方の光電変換セル10との間で、光電変換層3および上部電極層4をX軸方向に分離している。この分離溝部P2には、バスバー電極部5bが設けられ、光電変換層3および上部電極層4とバスバー電極部5bとの間には隙間が存在する。そして、光電変換装置20がモジュール化される際に、この隙間に光電変換に資する波長領域の光を透過する樹脂等の絶縁材料が充填される。
換言すれば、図1および図2では、3つの光電変換セル10が配列されている様子が示されており、図中の左側の光電変換セル10と、図中の中央の光電変換セル10と、図中の右側の光電変換セル10との間に、それぞれ分離溝部P2が設けられている。
また、各光電変換セル10には、光吸収層31とバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る積層部が形成されている。例えば、図2では、図中の左側の光電変換セル10の積層部(第1積層部とも言う)41と図中の中央の光電変換セル10の積層部(第2積層部とも言う)42とが分離溝部P2を挟んで平面的に配置されている。また、第2積層部42と図中の右側の光電変換セル10の積層部(第3積層部とも言う)43とが分離溝部P2を挟んで平面的に配置されている。
各積層部は、隣り合う下部電極層2のうちの一方の下部電極層2の上から他方の下部電極層2の上にかけて設けられている。例えば、図2で示されるように、第1積層部41は、図中の左側に配置されている第1下部電極層としての下部電極層2の上から図中の中央に配置されている第2下部電極層としての下部電極層2の上にかけて設けられている。また、第2積層部42は、図中の中央側に配置されている第2下部電極層としての下部電極層2の上から図中の右側に配置されている第3下部電極層としての下部電極層2の上にかけて設けられている。
また、第1積層部41は、第1半導体層としての光吸収層31と第2半導体層としてのバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る。第2積層部42は、第3半導体層としての光吸収層31と第4半導体層としてのバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る。第3積層部43は、第5半導体層としての光吸収層31と第6半導体層としてのバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る。なお、本実施形態において、第1積層部41は、第1下部電極層の上から第2下部電極層の上にかけて配置されているが、第1積層部41の第2半導体層と第2下部電極層とを接続導体5で電気的に接続できれば、第2下部電極層の上に配置されなくてもよい。
<(1−2)バスバー電極とその周辺部分の構成>
図3は、図2で示された光電変換装置20の断面のうち、第1積層部41と第2積層部42との間に位置する分離溝部P2に設けられた一つのバスバー電極部5bおよびその周辺部分に着目した図である。図4は、分離溝部P2の全域を埋めているバスバー電極部5bCPによって複数の光電変換セル10CPが電気的に直列に接続された比較例としての光電変換装置20CPを示す図である。なお、比較例としての光電変換装置20CPでは、隣接する光電変換セル10CPの間における短絡を防ぐ目的で、バスバー電極部5bCPと第2積層部42との間が電気的に絶縁されているものとする。
図3および図4で示されるように、比較例としての光電変換装置20CPとは異なり、光電変換装置20では、分離溝部P2においてバスバー電極部5bと第1積層部41との間に隙間S1が存在している。別の観点から言えば、バスバー電極部5bの側面と第1積層部41のうちの分離溝部P2に面する端面とが隙間S1を挟んで対向している。この隙間S1には、光電変換装置20がモジュール化される際に、光電変換に資する波長領域の光を透過する樹脂等の絶縁材料が充填される。
このような構成では、光電変換装置20に対して上方(ここでは+Z側)から照射される光が、隙間S1を経て、第1積層部41の光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される。この端面には、外部から直接照射される光の他に、図3の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bの側面で反射された光も照射される。その結果、光吸収層31に入射される光量が増加して、光電変換装置20における変換効率が向上する。なお、隙間S1のX軸方向における幅WLが大きければ大きいほど、隙間S1を経て第1積層部41の光吸収層31に入射される光量が増加する。
また、図3および図4で示されるように、比較例としての光電変換装置20CPとは異なり、光電変換装置20では、分離溝部P2においてバスバー電極部5bと第2積層部42とが互いに離間している。換言すれば、分離溝部P2においてバスバー電極部5bと第2積層部42との間に隙間S2が存在している。さらに別の観点から言えば、バスバー電極部5bの側面と第2積層部42のうちの分離溝部P2に面した端面とが隙間S2を挟んで相互に対向している。この隙間S2には、光電変換装置20がモジュール化される際に、光電変換に資する波長領域の光を透過する樹脂等の絶縁材料が充填される。
これにより、バスバー電極部5bと第2積層部42とが分離され、バスバー電極部5bと第2積層部42とが電気的に接続されていない状態(絶縁状態とも言う)とされる。このため、バスバー電極部5bを介して、第1積層部41と第2積層部42とが短絡しない。その結果、分離溝部P2を挟む第1積層部41および第2積層部42の双方が、発電に寄与する構成として利用可能となる。そして、隣接し合う2つの光電変換セル10の間を電気的に分離するための特別な構成が不要となり、受光面積の増大ひいては変換効率の増大が図られる。
また、光電変換装置20に対して上方(ここでは+Z側)から照射される光が、隙間S2を経て、第2積層部42の光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される。この端面には、外部から直接照射される光の他に、図中の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bの側面で反射された光も照射される。その結果、光吸収層31に入射される光量が増加して、光電変換装置20における変換効率が向上する。なお、隙間S2のX軸方向における幅WRが大きければ大きいほど、隙間S2を経て第2積層部42の光吸収層31に入射される光量が増加する。
なお、バスバー電極部5bの幅Wbおよび分離溝部P2の幅の加工精度が±20μm未満であれば、例えば、バスバー電極部5bの幅Wbが最小で50μmとされ、分離溝部P2の幅が90μm以上とされ得る。また、バスバー電極部5bの幅Wbが最大で300μmとされ、分離溝部P2の幅が370μm以下とされ得る。
<(1−3)バスバー電極の変形例>
バスバー電極部5bの断面形状等については、種々のものに変更されても良い。
図5は、図3で示された複数の光電変換セル10を含む光電変換装置20がベースとされて、バスバー電極部5bが異なる形状のバスバー電極部5bpに変更された複数の光電変換セル10pを含む一変形例に係る光電変換装置20pの断面を示す図である。
図5で示されるように、バスバー電極部5bpは上方(ここでは+Z方向)に向かって突出する形状(凸形状とも言う)を有する。
具体的には、バスバー電極部5bpにおける+X方向の幅Wbpが、第2下部電極層としての下部電極層2からの距離に応じて小さくなる傾向を示す。なお、このような傾向を示すと言うのは、幅Wbpが、第2下部電極層としての下部電極層2からの距離に応じて小さくなり続けるものだけに限られず、小さくなる途中で若干大きくなるものも許容されることを意味している。そして、分離溝部P2においてバスバー電極部5bpと第1積層部41との間に隙間S1pが存在し、バスバー電極部5bpと第2積層部42との間に隙間S2pが存在する。
また、別の観点から言えば、第1積層部41のうちの分離溝部P2に面する端面とバスバー電極部5bpとの間の領域である隙間S1pのうち、第2下部電極層としての下部電極層2の上における幅WLpと、第1積層部41の上面の延長線上における幅WLUとが、幅WLp<幅WLUの関係を有している。そして、隙間S1pが、下部電極層2からの距離に応じて広くなる傾向を示す。また、同様に、第2積層部42のうちの分離溝部P2に面する端面とバスバー電極部5bpとの間の領域である隙間S2pのうち、第2下部電極層としての下部電極層2の上における幅WRpと、第2積層部42の上面の延長線上における幅WRUとが、幅WRp<幅WRUの関係を有している。そして、隙間S2pが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなる傾向を示す。なお、隙間S1p,S2pが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなる傾向を示すと言うのは、隙間S1p,S2pが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなり続けるものだけに限られず、大きくなる途中で若干小さくなるものも許容されることを意味している。
そして、例えば、バスバー電極部5bpのうちの+Z方向の高さの半分に位置する部分の幅が、バスバー電極部5bpの最下部の幅Wbpの1/2以下とされても良い。このとき、例えば、バスバー電極部5bpの側面が、第2下部電極層としての下部電極層2の上面に対して、略直交せずに所定の角度を成すように傾いている。
このような構成により、バスバー電極部5bpにおいて、第2下部電極層としての下部電極層2と接触する面積が大きくなる。このため、バスバー電極部5bpと第2下部電極層としての下部電極層2との間の接触に応じた電気的な抵抗(接触抵抗とも言う)が低減される。その結果、光電変換装置20における変換効率が向上する。
また、図3で示された隙間S1,S2よりも図5で示される隙間S1p,S2pの方が大きくなっている。そして、図5中の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bpの側面で反射されて光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される光量が増大する。その結果によっても、光電変換装置20における変換効率が向上する。
ここでは、第1積層部41と第2積層部42との間の分離溝部P2に設けられているバスバー電極部5bpに着目して説明がなされたが、これに限られない。例えば、第2積層部42と第3積層部43との間の分離溝部P2に設けられているバスバー電極部5bpも同様な構成を有していても良い。すなわち、隣り合う積層部の間に位置する分離溝部P2に設けられているバスバー電極部5bpが同様な構成を有していても良い。
<(1−4)光電変換装置の製造プロセス>
次に、第1実施形態に係る光電変換装置20の製造プロセスの一例について説明する。以下では、I-III-VI族化合物半導体から成る光吸収層31が塗布法あるいは印刷法が用いられて形成され、更にバッファ層32が形成される場合を例として説明する。図6から図9は、光電変換装置20の製造途中の様子を模式的に示す斜視図であり、図10は、光電変換装置20の構成を模式的に示す斜視図である。なお、図6から図10の何れにおいても、光電変換装置20の一部に相当する部分が模式的に示されている。
まず、図6で示されるように、洗浄された基板1の略全面に、スパッタリング法等が用いられて、Mo等から成る下部電極層2が成膜される。そして、下部電極層2の上面のうち、図6において破線で示される形成対象位置P1αからその直下の基板1の上面にかけて、直線状の分離溝部P1が形成される。分離溝部P1は、YAGレーザーまたはその他のレーザー光が走査されつつ形成対象位置P1αに照射されることで溝加工が行われる、スクライブ加工によって、形成されることが好適である。
図7は、分離溝部P1が形成された後の状態を示す図である。分離溝部P1が形成された後、下部電極層2の上に、光吸収層31とバッファ層32と上部電極層4とが順次に形成される。
光吸収層31は、カルコゲン元素含有有機化合物と塩基性有機溶剤とを含む溶媒(混合溶媒とも言う)に、I-B族金属とIII-B族金属とが直接溶解させられて作製された溶液が、下部電極層2の表面に塗布された後、乾燥および熱処理が順に施されて形成される。ここで作製された溶液では、例えば、I-B族金属とIII-B族金属との合計濃度が10wt%以上となる。そして、溶液の塗布には、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータ等の種々の手法が適用可能である。
カルコゲン元素含有有機化合物とは、カルコゲン元素を含む有機化合物である。カルコゲン元素とは、VI-B族元素のうちのS、Se、Teを言う。カルコゲン元素含有有機化合物としては、例えば、チオール、スルフィド、ジスルフィド、セレノール、セレニド、ジセレニド等が挙げられる。
光吸収層31の好適な形成方法としては、例えば、主に下記工程(i)〜(iii)が順に行われるものが挙げられる。(i)ベンゼンセレノールが、ピリジンに対し100mol%となるように溶解させられて混合溶媒が作製される。(ii)この混合溶媒に、地金の銅、地金のインジウム、地金のガリウム、および地金のセレンが直接溶解させられて溶液が作製される。(iii)この溶液が、下部電極層2の表面にブレード法にて塗布され、乾燥されて皮膜が形成された後、この皮膜に対して水素ガスの雰囲気下で熱処理が施される。
なお、金属が混合溶媒に直接溶解させられるというのは、単体金属または合金の地金が、直接、混合溶媒に混入され、溶解させられることをいう。乾燥は、還元雰囲気下で行われることが望ましい。乾燥温度は、例えば、50〜300℃である。熱処理は、酸化が防止されて良好なI-III-VI族化合物半導体が得られるように、還元雰囲気で行われることが好ましい。還元雰囲気は、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気、および水素雰囲気のうち何れかであることが望ましい。熱処理温度は、例えば、400〜600℃であれば良い。
バッファ層32は、溶液成長法(CBD法)によって形成される。例えば、酢酸カドミウムとチオ尿素とがアンモニアに溶解させられ、これに光吸収層31の形成までが行われた基板1が浸漬され、光吸収層31の上にCdSから成るバッファ層32が形成されるのが好適な一例である。
上部電極層4は、スパッタリング法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。例えば、バッファ層32の上に、Alドープ酸化亜鉛膜から成る透明の上部電極層4が形成される。
図8は、光吸収層31とバッファ層32と上部電極層4とが形成された後の状態を示す図である。光吸収層31とバッファ層32と上部電極層4とが形成された後、上部電極層4の上面のうち、図8において破線で示される形成対象位置P2αから下部電極層2の上面に至る領域に分離溝部P2が形成される。分離溝部P2は、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビングによって形成されるのが好適である。
図9は、分離溝部P2が形成された後の状態を示す図である。分離溝部P2が形成された後、接続導体5が形成される。接続導体5は、例えば、Ag等の金属粉が樹脂バインダー等に分散させられた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが乾燥によって固化されることで形成され得る。このとき、グリッド電極部5aおよびバスバー電極部5bが形成される。また、印刷方法としては、スクリーン印刷等がある。このようなスクリーン印刷では、金属ペーストが通過する印刷版の孔部の幅を分離溝部P2の幅よりも小さくしている。これにより、第1積層部とバスバー電極部5bとの間に隙間を設けることができる。なお、金属ペーストの粘度は、該金属ペーストの流動性に鑑み、例えば、30〜200Pa・sであることが好適である。また、金属ペーストの乾燥による固化は、例えば、180〜220℃の温度域で行われることが好適である。具体例としては、金属ペーストに対して200℃で20分間の焼成が施される態様、および180℃で30分間の焼成が施される態様が考えられる。
なお、金属ペーストに分散される金属としては、Agの他には、例えば、Au、Cu、Al等が挙げられる。また、グリッド電極部5aおよびバスバー電極部5bの高精細化を図るために、金属ペーストとして、Ag、Au、Cu、Al等の金属のナノ粒子を含有するペースト(金属ナノペーストとも言う)が採用されても良い。
図10は、接続導体5が形成された後の状態を示す図である。分離溝部P2の幅は、加工精度が考慮されて、例えば、90±20μm以上で且つ370±50μm以下とされる。また、バスバー電極部5bの幅は、例えば、50±20μm以上で且つ300±20μm以下に設定される。
<(2)第2実施形態>
<(2−1)光電変換装置の概略的な構成>
図11は、第2実施形態に係る光電変換装置20Aの構成を示す上面図である。図12は、図11の切断面線XII−XIIにおける光電変換装置20Aの断面図、つまり図11で一点鎖線にて示された位置における光電変換装置20AのXZ断面図である。
光電変換装置20Aは、第1実施形態に係る光電変換装置20がベースとされて、各光電変換セル10が、それぞれ光電変換セル10Aに置換されたものである。
光電変換セル10Aは、第1実施形態に係る光電変換セル10がベースとされて、分離溝部P3が更に設けられるとともに、バスバー電極部5bが若干構成の異なるバスバー電極部5bAに置換されたものである。ここでは、バスバー電極部5bからバスバー電極部5bAへの置換に伴い、接続導体5が接続導体5Aに変更されている。以下、第2実施形態に係る光電変換装置20Aのうち、第1実施形態に係る光電変換装置20と異なる点について主に説明する。
分離溝部P2は、光電変換セル10Aの上面部分から下部電極層2の上面に至るまで設けられており、Y軸方向に直線状に延在している。そして、この分離溝部P2は、各光電変換セル10Aにおいて、光電変換層3および上部電極層4をX軸方向に分離している。
具体的には、図12の左側に描かれた光電変換セル10Aにおいて、左側の積層部(第1積層部とも言う)411と右側の積層部(第2積層部とも言う)412とが分離溝部P2を挟んで平面的に配置されている。図12の中央に描かれた光電変換セル10Aにおいて、左側の積層部(第1積層部とも言う)421と右側の積層部(第2積層部とも言う)422とが分離溝部P2を挟んで平面的に配置されている。図12の右側に描かれた光電変換セル10Aにおいて、左側の積層部(第1積層部とも言う)431と右側の不図示の積層部(第2積層部とも言う)とが分離溝部P2を挟んで平面的に配置されている。
なお、第1積層部411,421,431は、光電変換セル10Aにおいて光電変換に寄与する領域(発電寄与領域とも言う)であり、第2積層部412,422は、光電変換セル10Aにおいて光電変換に寄与しない領域(非発電寄与領域とも言う)である。
各第1積層部411,421,431は、隣り合う下部電極層2のうちの一方の下部電極層2の上から他方の下部電極層2の上にかけて設けられている。例えば、図12で示されるように、第1積層部411は、図中の左側に配置されている第1下部電極層としての下部電極層2の上から図中の中央に配置されている第2下部電極層としての下部電極層2の上にかけて設けられている。第2積層部421は、図中の中央に配置されている第2下部電極層としての下部電極層2の上から図中の右側に配置されている第3下部電極層としての下部電極層2の上にかけて設けられている。
そして、各第1積層部411、421,431が、第1半導体層としての光吸収層31と第2半導体層としてのバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る。また、各第2積層部412,422,432が、第3半導体層としての光吸収層31と第4半導体層としてのバッファ層32と上部電極層4とがこの順に積層されて成る。
分離溝部P3は、光電変換セル10Aの上面部分から下部電極層2の上面に至るまで設けられており、互いに隣接し合う光電変換セル10Aの両端部間に延在している。これにより、分離溝部P3は、電気的な接続を絶縁する領域となる。このような分離溝部P3は、隣り合う光電変換セル10A同士の電気的な絶縁を容易に行なうことができる。なお、この分離溝部P3には、光電変換装置20Aがモジュール化される際に、樹脂等の絶縁材料が充填される。
<(2−2)バスバー電極とその周辺部分の構成>
図13は、図12で示された光電変換装置20Aの断面のうち、第1積層部411と第2積層部412との間に位置する分離溝部P2に設けられたバスバー電極部5bAおよびその周辺部分に着目した図である。図14は、分離溝部P2の全域を埋めているバスバー電極部5bCPAによって複数の光電変換セル10CPAが電気的に直列に接続された比較例としての光電変換装置20CPAを示す図である。
図13および図14で示されるように、比較例としての光電変換装置20CPAとは異なり、光電変換装置20Aでは、分離溝部P2においてバスバー電極部5bAと第1積層部411との間に隙間S1Aが存在している。別の観点から言えば、バスバー電極部5bAの側面と第1積層部411のうちの分離溝部P2に面した端面とが隙間S1Aを挟んで対向している。なお、この隙間S1Aには、光電変換装置20がモジュール化される際に、光電変換に資する波長領域の光を透過する樹脂等の絶縁材料が充填される。
このような構成では、光電変換装置20Aに対して上方(ここでは+Z側)から照射される光が、隙間S1Aを経て、第1積層部411の光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される。この端面には、外部から直接照射される光の他に、図中の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bAの側面で反射された光も照射される。その結果、光吸収層31に入射される光量が増加して、光電変換装置20Aにおける変換効率が向上する。なお、隙間S1AのX軸方向における幅WLAが大きければ大きいほど、隙間S1Aを経て第1積層部411の光吸収層31に入射される光量が増加する。
ところで、隣り合う光電変換セル10Aは、分離溝部P3によって絶縁されるため、例えば、バスバー電極部5bAと第2積層部412とが接触しても、隣り合う光電変換セル10Aの間で短絡が生じない。このため、バスバー電極部5bAを作成するための金属ペーストの粘度の調整が容易となる。なお、バスバー電極部5bAと第2積層部412との間には隙間があっても構わない。
<(2−3)バスバー電極の変形例>
バスバー電極部5bAの断面形状等については、種々のものに変更されても良い。
図15は、図13で示された複数の光電変換セル10Aを含む光電変換装置20Aがベースとされて、バスバー電極部5bAが異なる形状のバスバー電極部5bpAに変更された複数の光電変換セル10pAを含む一変形例に係る光電変換装置20pAの断面を示す図である。
バスバー電極部5bpAは、図5で示されたバスバー電極部5bpと同様に、上方(ここでは+Z方向)に向かって突出する形状(凸形状とも言う)を有する。
具体的には、バスバー電極部5bpAにおける+X方向の幅WbpAが、第2下部電極層としての下部電極層2からの距離に応じて小さくなる傾向を示す。なお、このような傾向を示すと言うのは、幅WbpAが、第2下部電極層としての下部電極層2からの距離に応じて小さくなり続けるものだけに限られず、小さくなる途中で若干大きくなるものも許容されることを意味している。そして、分離溝部P2においてバスバー電極部5bpAと第1積層部411との間に隙間S1pAが存在し、バスバー電極部5bpAと第2積層部412との間に隙間S2pAが存在する。
また、別の観点から言えば、第1積層部411のうちの分離溝部P2に面する端面とバスバー電極部5bpAとの間の領域である隙間S1pAのうち、第2下部電極層としての下部電極層2の上における幅WLpAと、第1積層部411の上面の延長線上における幅WLUAとが、幅WLpA<幅WLUAの関係を有している。そして、隙間S1pAが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなる傾向を示す。第2積層部412のうちの分離溝部P2に面する端面とバスバー電極部5bpAとの間の領域である隙間S2pAについても、隙間S1pAと同様な関係および傾向を示す。なお、隙間S1pA,S2pAが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなる傾向を示すと言うのは、隙間S1pA,S2pAが、下部電極層2からの距離に応じて大きくなり続けるものだけに限られず、大きくなる途中で若干小さくなるものも許容されることを意味している。
そして、例えば、バスバー電極部5bpAのうちの+Z方向の高さの半分に位置する部分の幅が、バスバー電極部5bpAの最下部の幅WbpAの1/2以下とされても良い。このとき、例えば、バスバー電極部5bpAの側面が、第2下部電極層としての下部電極層2の上面に対して、略直交せずに所定の角度を有して傾いている。
このような構成により、バスバー電極部5bpAのうち、第2下部電極層としての下部電極層2と接触する面積が大きくなる。このため、バスバー電極部5bpAと第2下部電極層としての下部電極層2との間の接触に応じた電気的な抵抗(接触抵抗とも言う)が低減される。その結果、光電変換装置20pAにおける変換効率が向上する。
また、図13で示された隙間S1Aよりも図15で示される隙間S1pAの方が大きくなっている。そして、図15中の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bpAの側面で反射されて光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される光量が増大する。その結果、光電変換装置20pAにおける変換効率が向上する。
ここでは、第1積層部411と第2積層部412との間の分離溝部P2に設けられているバスバー電極部5bpAに着目して説明がなされたが、これに限られない。例えば、他の光電変換セル10pAにおける第1積層部421と第2積層部422との間の分離溝部P2に設けられるバスバー電極部5bpAも同様な構成を有していても良い。すなわち、各光電変換セル10pAにおいて隣り合う積層部の間に位置する分離溝部P2に設けられている各バスバー電極部5bpAが相互に同様な構成を有していても良い。
図16は、図13で示された複数の光電変換セル10Aを含む光電変換装置20Aがベースとされて、バスバー電極部5bAが異なる形態のバスバー電極部5bsAに変更された複数の光電変換セル10sAを含む一変形例に係る光電変換装置20sAの断面を示す図である。
バスバー電極部5bsAは、分離溝部P2内から第2積層部412の上にかけて設けられている。このような構成では、分離溝部P2を挟んで対向するバスバー電極部5bsAの側面と第1積層部411の分離溝部P2に面する端面との間の領域の幅WLsAをより長く設定することが可能となる。そして、幅WLsAが長くなれば、図16中の太い矢印で示されるように、バスバー電極部5bsAの側面で反射されて光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される光量が増大する。その結果、光電変換装置20sAにおける変換効率が向上する。
また、分離溝部P2内から第2積層部412上にかけて形成されている段差部の上にバスバー電極部5bsAが設けられている。これにより、いわゆるアンカー効果によって、バスバー電極部5bsAが、下部電極層2および第2積層部412から剥離し難くなる。すなわち、光電変換装置20sAの耐久性の向上が図られる。
また、分離溝部P2内から第2積層部412上にかけて形成されている段差部の上にバスバー電極部5bsAが設けられることで、同じ断面積であれば、バスバー電極部5bsAの+Z方向における高さが、図13で示されたバスバー電極部5bAの+Z方向における高さよりも高くなる。その結果、バスバー電極部5bsAの側面で反射されて光吸収層31のうちの分離溝部P2に面した端面に照射される光量が更に増大する。
<(2−4)光電変換装置の製造方法>
次に、第2実施形態に係る光電変換装置20Aの製造プロセスの一例について説明する。本実施形態に係る光電変換装置20Aの製造プロセスは、第1実施形態に係る光電変換装置20の製造プロセスと類似している。このため、以下では、本実施形態に係る光電変換装置20Aの製造プロセスのうち、第1実施形態に係る光電変換装置20の製造プロセスと異なる点について主に説明する。
図17は、光電変換装置20Aの製造途中の様子を模式的に示す斜視図であり、図18は、光電変換装置20Aの構成を模式的に示す斜視図である。なお、図17および図18の何れにおいても、光電変換装置20Aの一部に相当する部分が模式的に示されている。
本実施形態に係る光電変換装置20Aの製造プロセスでは、分離溝部P2が形成される工程まで、図6〜図9が示されて説明された第1実施形態に係る光電変換装置20と同様な工程が実施される。
次に、上部電極層4の上面のうちの分離溝部P2よりも+X方向に少しずれた位置から下部電極層2の上面に至る領域に、分離溝部P3が形成される。分離溝部P3は、スクライブ針が用いられたメカニカルスクライビングによって形成されるのが好適である。
図17は、分離溝部P3が形成された後の状態を示す図である。分離溝部P3が形成された後、接続導体5Aが形成される。接続導体5Aの形成は、第1実施形態に係る接続導体5と同様に、例えば、Ag、Au、Cu、Al等の金属粉が樹脂バインダー等に分散させられた金属ペーストがパターン状に印刷され、これが乾燥によって固化されることで形成され得る。このとき、グリッド電極部5aおよびバスバー電極部5bAが形成される。また、印刷方法としては、スクリーン印刷等がある。このようなスクリーン印刷では、金属ペーストが通過する印刷版の孔部の幅を分離溝部P2の幅よりも小さくしている。これにより、第1積層部とバスバー電極部5bとの間に隙間を設けることができる。なお、金属ペーストの粘度は、該金属ペーストの流動性に鑑み、例えば、30〜200Pa・sであることが好適である。また、金属ペーストの乾燥による固化は、例えば、180〜220℃の温度域で行われることが好適である。なお、分離溝部P3は、接続導体5Aが形成される前に形成されてもよく、例えば、分離溝部P2と同時に形成されてもよい。
図18は、接続導体5Aが形成された後の状態を例示する図である。分離溝部P2の幅は、加工精度が考慮されて、例えば、90±20μm以上で且つ370±50μm以下とされる。また、バスバー電極部5bAの幅は、例えば、50±20μm以上で且つ300±20μm以下に設定される。
<(3)変形例>
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
◎例えば、上記第1および第2実施形態では、主として、光電変換を担う層が、カルコパイライト系のI-III-VI族化合物にて構成された場合について説明されているが、非晶質のシリコン等が用いられて構成されても良い。
◎また、上記第1および第2実施形態では、光電変換装置20,20p,20A,20pA,20sAが、3以上の光電変換セル10,10p,10A,10pA,10sAを備えていたが、これに限られず、2以上の光電変換セル10,10p,10A,10pA,10sAを備えていれば良い。
◎また、上記第1および第2実施形態では、上部電極層4が形成された後に分離溝部P2が設けられたが、これに限られない。例えば、分離溝部P2が設けられた後に上部電極層4が形成されても良い。
◎また、上記第1実施形態では、分離溝部P3が設けられていなかったが、隣接し合う光電変換セル10,10pの間における短絡を容易に抑制可能である観点から、分離溝部P3が設けられても良い。このような構成では、バスバー電極部5b,5bpを形成するための金属ペーストの粘度の調整が容易となり得る。
◎なお、上記第1実施形態と第2実施形態と各種変形例とをそれぞれ構成する一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1 基板
2 下部電極層
3 光電変換層
4 上部電極層
5,5A 接続導体
5a グリッド電極部
5b,5bA,5bCp,5bCpA,5bp,5bpA,5bsA バスバー電極部
10,10A,10Cp,10CpA,10p,10pA,10sA 光電変換セル
20,20A,20Cp,20CpA,20p,20pA,20sA 光電変換装置
31 光吸収層
32 バッファ層
41,411,421,431 第1積層部
42,412,422 第2積層部
43 第3積層部
P1,P2,P3 分離溝部
S1,S1A,S1p,S1pA,S2,S2p,S2pA 隙間
L,WLA,WLU,WLUA,WLp,WLpA,WLsA,WR,WRU,WRp,Wb,Wbp,WbpA 幅

Claims (4)

  1. 第1下部電極層と第2下部電極層とが一方向に離隔されて平面的に配置されている複数の下部電極層と、
    前記第1下部電極層の上に設けられた、第1導電型の第1半導体層と第2導電型の第2半導体層とが順に積層されている第1積層部と、
    前記第2下部電極層の上に設けられた、前記第1導電型の第3半導体層と前記第2導電型の第4半導体層とが順に積層されている第2積層部と、
    前記第1積層部と前記第2積層部との間に位置する溝部に設けられた、前記第2半導体層と前記第2下部電極層とを電気的に接続する接続導体とを備え、
    前記溝部において、前記接続導体と前記第1積層部との間に隙間が設けられている光電変換装置。
  2. 前記接続導体は、前記一方向の幅が前記第2下部電極層からの距離に応じて小さくなる凸形状の接続部を有している請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記接続導体は、前記第2積層部と離間している請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 前記接続部は、前記溝部内から前記第2積層部の上にかけて設けられている請求項1または請求項2に記載の光電変換装置。
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