JP2012079360A - 情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ガラス基板上の硝酸イオンコンタミネーション量を一定以下のものにし、ハードディスク装置に装着した場合にヘッドが硝酸イオンコンタミネーションに衝突するおそれの少ない情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置の提供を目的とする。
【解決手段】板状ガラス素材を硝酸塩を用いて化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られる本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、製造工程の最終工程としての最終洗浄工程で、前記板状ガラス素材10の表面に存在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量を50ng/cm2以下になるように洗浄する。
【選択図】図1
【解決手段】板状ガラス素材を硝酸塩を用いて化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られる本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、製造工程の最終工程としての最終洗浄工程で、前記板状ガラス素材10の表面に存在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量を50ng/cm2以下になるように洗浄する。
【選択図】図1
Description
本発明は、情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置に関するものである。
ハードディスク装置に搭載された情報記録媒体は、ガラス製若しくはアルミニウム製の基板の表面に、情報を記録する磁性体からなる記録層が製膜されており、ハードディスク装置に設けられたヘッドがその記録層を数nmの浮上量で相対的に高速回転して読み書きを行なっている。そのため、例えば情報記録媒体の表面に付着物が存在すると付着物とヘッドとが衝突してしまう場合が起こり得る。
従って、情報記録媒体の表面の付着物をできるだけ少なくなるようにしておく必要があり、そのため、従来から、情報記録媒体の表面の付着物を少なくするような試みがなされている。例えば特許文献1には、製造工程において、ガラス基板の表面に残留するセリウムの量を所定の量以下になるように洗浄する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法が開示されている。
しかしながら、ハードディスク装置に用いられるガラス基板は、年々記録密度が向上しており、それに伴ってハードディスク装置のヘッドの上記浮上量が更に低下する傾向にあり、特許文献1に記載のように、セリウムの量を所定の量以下にしても、例えば硝酸イオンコンタミネーションが存在するとヘッドが衝突してしまうおそれがある。詳しくは、次のとおりである。
ハードディスク装置に用いられる情報記録基板としてはガラス製とアルミ製とが用いられているが、近年はハードディスク装置に耐久性が求められているため、ガラス基板が主流となっている。又、ガラス基板は耐久性を向上させるために、イオン交換による化学強化を行うことが一般的である。この化学強化工程では硝酸ナトリウムあるいは硝酸カリウムもしくはその両方が使用される。これらは水溶性であるため、塩としてはウェット洗浄を行うとある程度は除去される。しかしながら、ウェットな状態では基板上に硝酸イオンは残存してしまう。この場合、リンスの量や回数を大幅に増やすことにより硝酸イオンを減らすことは可能であるが、大規模な施設が必要とされ、生産効率は大幅に悪くなる。特に、近年は純水、あるいは超純水がリンスに使用されるため、基板上に硝酸イオンが存在してしまう。超純水は電気抵抗率が18.2MΩ・cm以上であるため電気を通さず、基板上が帯電しやすくなるからである。
基板に硝酸イオンが存在した状態で乾燥工程を行うと、基板表面付近にあるナトリウムやカリウムと再度塩を形成し、表面に存在するようになる。ガラス基板に硝酸イオンが残存するとそれらの塩が記録面上に存在することとなる。硝酸塩は単体では1nm以上の大きさにはなり難いが、数個の塩が存在するだけで2nm程度の大きさにまでなるため、複数の塩が存在するだけでハードディスク装置に搭載した際にヘッドと衝突する原因になると思われる。上記のように大きさは数nmしかないため、これまで検討されてきた分析方法ではこれらの硝酸塩は検出され難い。たとえばTXRFやSEM−EDXでは測定する硝酸塩が小さすぎるため検出できない。特に硝酸イオンは元素として窒素と酸素から成るが、これらの測定機では窒素および酸素として検出されるため、硝酸イオンという特定ができない。ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)でも同様である。今回、ヘッドとディスクとの距離が2nm以下の動的浮上量制御部を有するハードディスク装置に搭載するガラス基板を製造するにあたり、TXRFもしくはSEM-EDXでCe元素やFe元素などの金属元素を取り除いたことを確認したガラス基板をハードディスク装置に搭載した場合でも、ヘッドがディスク上の異物と衝突してしまうことが確認された。
本発明は、ガラス基板上の硝酸イオンコンタミネーション量を一定以下のものにし、ハードディスク装置に装着した場合にヘッドが硝酸イオンコンタミネーションに衝突するおそれの少ない情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る情報記録媒体用ガラス基板は、硝酸塩を用いて板状ガラス素材を化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られた情報記録媒体用ガラス基板であって、前記製造工程の最終工程後における情報記録媒体用ガラス基板の表面に残在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量が50ng/cm2以下になるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、情報記録媒体用ガラス基板の表面に残存する硝酸イオンコンタミネーション量が50ng/cm2以下になっているため、情報記録媒体用ガラス基板に生成される硝酸塩を少なくできる。従って、この情報記録媒体用ガラス基板を有する情報記録媒体をハードディスク装置に搭載した場合に、ハードディスク装置の磁気ヘッドが情報記録媒体に存在する硝酸塩と衝突して磁気ヘッドが損傷し、或いは、情報記録媒体に欠陥が生じるおそれの少ないものにできる。
本発明の一態様に係る情報記録媒体は、上記情報記録媒体用ガラス基板と、その情報記録媒体用ガラス基板の表面に、情報を記録した記録層とを有していることを特徴とする。
この構成によれば、ハードディスク装置に搭載した場合に、ハードディスク装置の磁気ヘッドが情報記録媒体に存在する硝酸塩と衝突するおそれの少ないものにでき、磁気ヘッドが損傷し、或いは、情報記録媒体に欠陥が生じるおそれの少ないものにできる。
本発明の一態様に係るハードディスク装置は、上述の情報記録媒体を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、磁気ヘッドと情報記録媒体に存在する硝酸塩とが衝突するおそれの少ないものにでき、磁気ヘッドが損傷し、或いは、情報記録媒体に欠陥が生じるおそれの少ないものにできる。
本発明の一態様に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、板状ガラス素材を硝酸塩を用いて化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、前記製造工程の最終工程として最終洗浄工程を含み、その最終洗浄工程で、前記板状ガラス素材の表面に存在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量を50ng/cm2以下になるように洗浄することを特徴とする製造方法である。
この構成によれば、最終洗浄工程で、残存する硝酸イオンコンタミネーション量が50ng/cm2以下になるように洗浄するため、情報記録媒体用ガラス基板に生成される硝酸塩を少なくでき、情報記録媒体用ガラス基板を有する情報記録媒体をハードディスク装置に搭載した場合に、ハードディスク装置の磁気ヘッドが情報記録媒体に存在する硝酸塩と衝突して磁気ヘッドが損傷し、或いは、情報記録媒体に欠陥が生じるおそれの少ない情報記録媒体用ガラス基板を得ることができる。
他の一態様では、上述の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、前記製造工程は、板状ガラス素材を仕上げ研磨する第2研磨工程を含み、前記第2研磨工程は、前記化学強化工程の後に行なうことを特徴とする。
この構成によれば、第2研磨工程の研磨に際して化学強化工程で板状ガラス素材の表面に残存した硝酸イオンを除去でき、第2研磨工程後に板状ガラス素材に残存する硝酸イオンを少なくできる。第2研磨工程だけでは硝酸イオンの除去は十分ではないが、第2研磨工程の後に最終洗浄工程を行うことで、ガラス素材上の硝酸イオンコンタミネーションをより減らすことができる。
本発明によれば、情報記録媒体用ガラス基板上の硝酸イオンコンタミネーション量を一定以下のものにし、ハードディスク装置に装着した場合にヘッドが硝酸イオンコンタミネーションに衝突するおそれの少ない情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置を提供し得たものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の情報記録媒体用ガラス基板の斜視図、図2は、本発明の情報記録媒体用ガラス基板を備えた一実施形態の情報記録媒体の一部を断面にした斜視図、図3は、情報記録媒体を備えたハードディスク装置の平面図である。
情報記録媒体用ガラス基板10は、例えば、(1)第1ラッピング工程、(2)端部形状工程(穴部を形成するコアリング工程、外周端部及び内周端部に面取りを形成するチャンファリング工程(面取り形成工程))、(3)端面研磨工程(外周端部及び内周端部)、(4)第2ラッピング工程、(5)第1研磨工程、(6)第2研磨工程、(7)化学強化工程、(8)最終洗浄工程を経て製造される。なお、上記工程は適宜順序を入れ替えることも可能であり、例えば化学強化工程を、第1研磨工程後、第2研磨工程前に行なうこともできる。
この情報記録媒体用ガラス基板10は、図1に示すように、中心部に円形状の貫通孔11を有する円盤状のものから構成されており、例えば3.5インチ型ディスク(φ89mm)、2.5インチ型ディスク(φ65mm)などの所定の形状を有するものとして製造される。ノートパソコンの普及が増えるにつれ2.5インチ型ディスクが増えている。
(1)第1ラッピング工程
まず、板状ガラス素材の表面をラッピング(研削)加工してガラス母材とし、このガラス母材を切断してガラス基板を切り出す。板状ガラス素材としては、様々な板状ガラス素材を用いることができる。例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらのうち、プレス法を用いれば、板状ガラス素材を廉価に製造することができる。板状ガラス素材の材質としては、例えばアモルファスガラスやガラスセラミクス(結晶化ガラス)を利用できる。また、板状ガラス素材の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等を用いることができる。特にアモルファスガラスとしては、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を供給することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
まず、板状ガラス素材の表面をラッピング(研削)加工してガラス母材とし、このガラス母材を切断してガラス基板を切り出す。板状ガラス素材としては、様々な板状ガラス素材を用いることができる。例えば、溶融ガラスを材料として、プレス法やフロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法など、公知の製造方法を用いて製造することができる。これらのうち、プレス法を用いれば、板状ガラス素材を廉価に製造することができる。板状ガラス素材の材質としては、例えばアモルファスガラスやガラスセラミクス(結晶化ガラス)を利用できる。また、板状ガラス素材の材料としては、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等を用いることができる。特にアモルファスガラスとしては、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦性及び基板強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を供給することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好ましく用いることができる。
そして、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成形し、アモルファスの板状ガラス素材を得ることができる。アルミノシリケートガラスとして、例えばSiO2:58重量%〜75重量%、Al2O3:5重量%〜23重量%、Li2O:3重量%〜10重量%、Na2O:4重量%〜13重量%を主成分として含有するガラスを用いることができる。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とする。ラッピング加工は、例えば遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行う。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラス素材の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得ることができる。
(2)端部形状加工工程(コアリング、チャンファリング)
端部形状加工工程は、例えば円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、この板状ガラス素材の中心部に内孔を形成し、円環状のものとする(コアリング)。その後、内周端面及び外周端面を、例えばダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(チャンファリング)。
端部形状加工工程は、例えば円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、この板状ガラス素材の中心部に内孔を形成し、円環状のものとする(コアリング)。その後、内周端面及び外周端面を、例えばダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(チャンファリング)。
(3)第2ラッピング工程
次に、得られた円環状の板状ガラス素材の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程で主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができる。
次に、得られた円環状の板状ガラス素材の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程で主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができる。
(4)端面研磨工程
次に、ガラス基板の外周端面及び内周端面を、例えばブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。その際、研磨砥粒として、例えば酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いて行なうことができる。
次に、ガラス基板の外周端面及び内周端面を、例えばブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。その際、研磨砥粒として、例えば酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いて行なうことができる。
その後、端面研磨工程を終えた板状ガラス素材を水洗浄する。この端面研磨工程により、板状ガラス素材の端面は、ナトリウムやカリウムの析出の発生を低減できる鏡面状態に加工できる。
(5)第1研磨工程
第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程は、例えば遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行うことができる。又、研磨剤として、例えば酸化セリウム砥粒を用いることができる。
第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程は、例えば遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行うことができる。又、研磨剤として、例えば酸化セリウム砥粒を用いることができる。
第1研磨工程を終えた板状ガラス素材を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄するのが好ましい。
(6)第2研磨工程
第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程は、例えば遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行うことができる。又、研磨剤として、例えば第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細なコロイダルシリカ砥粒(平均粒子径20nm)を用いたスラリーを使用できる。
第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程は、例えば遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行うことができる。又、研磨剤として、例えば第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細なコロイダルシリカ砥粒(平均粒子径20nm)を用いたスラリーを使用できる。
そして、上記スラリー(研磨液)のpHを所定に設定(例えばpH4)して研磨を行う。このとき、上記スラリーにクエン酸及びクエン酸塩を含む添加剤を加えpHを調整して研磨を行う。pHの調整は前記添加剤に限らず、酸またはアルカリ及びそれらの塩を適宜用いることができる。これは、研磨工程中にスラリーのpHを一定にコントロールするためである。
第2研磨工程を終えた板状ガラス素材を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄するのが好ましい。
(7)化学強化工程
化学強化工程は、板状ガラス素材に含まれるイオンを、そのイオンより大きいイオン径のイオンに置換するもので、これにより、板状ガラス素材の表面を強化する。化学強化は、硝酸塩、例えば硝酸カリウム又は硝酸ナトリウム或いはそれらの両方を用いて両者を混合した化学強化溶液を用い、化学強化溶液中に所定時間浸漬することによって行うことができる。
化学強化工程は、板状ガラス素材に含まれるイオンを、そのイオンより大きいイオン径のイオンに置換するもので、これにより、板状ガラス素材の表面を強化する。化学強化は、硝酸塩、例えば硝酸カリウム又は硝酸ナトリウム或いはそれらの両方を用いて両者を混合した化学強化溶液を用い、化学強化溶液中に所定時間浸漬することによって行うことができる。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、板状ガラス素材の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、板状ガラス素材が強化される。又、化学強化処理を終えた板状ガラス素材を、水槽に浸漬して急冷した後、超音波を印加して洗浄を行うのが好ましい。
(8)最終洗浄工程
最終洗浄工程は、板状ガラス素材の表面に硝酸イオンコンタミネーションを除去する等のために行なうものである。この最終洗浄工程は、アルカリ性洗剤での洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた機能水によるリンスを行なう。好ましくは、アルカリ性洗剤での洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた機能水によるリンスを行ない、更に、再度上記アルカリ性洗剤で洗浄を行い、超純水に炭酸水を含有させた機能水によるリンスを1回又は複数回、行なう。
最終洗浄工程は、板状ガラス素材の表面に硝酸イオンコンタミネーションを除去する等のために行なうものである。この最終洗浄工程は、アルカリ性洗剤での洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた機能水によるリンスを行なう。好ましくは、アルカリ性洗剤での洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた機能水によるリンスを行ない、更に、再度上記アルカリ性洗剤で洗浄を行い、超純水に炭酸水を含有させた機能水によるリンスを1回又は複数回、行なう。
より詳しくは、例えばアルカリ性洗剤(pH11、温度60°C)で950kHzでの洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた機能水によるリンスを行ない、更に、再度上記アルカリ性洗剤で2000kHzでの洗浄行い、超純水に炭酸水を含有させた機能水によるリンス工程(2000kHz)を1回又は複数回、行なった後、IPAベーパーにて乾燥を行う。
次に、情報記録媒体について説明する。情報記録媒体1は、図2に示すように、上記のようにして得られた情報記録媒体用ガラス基板10の第1面21a(主表面)と第2面21b(主表面)との何れか一方の面(この実施形態では、両面)に、付着層、軟磁性層、前下地層、下地層、非磁性グラニュラ層、第1磁気記録層、第2磁気記録層、補助記録層、保護層及び潤滑層を順次積層することによって記録層12(磁気層)が形成されて情報記録媒体(磁気記録媒体)とされる。なお、図2では、記録層12を情報記録媒体1の第1面21aにだけ表し、第2面21bの記録層を省略している。
具体的には、例えば情報記録媒体用ガラス基板10の両面に、真空引きを行った成膜装置を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、付着層から補助記録層まで順次成膜を行う。付着層は、例えばCrTiとする。軟磁性層は、FeCoTaZrからなる第1軟磁性層及び第2軟磁性層の間にRuスペーサ層が介在しているものとする。前下地層の組成はfcc構造のNiW合金とする。下地層は、低圧Ar下でされた第1下地層(Ru)上に、高圧Ar下で成膜した第2下地層(Ru)とする。非磁性グラニュラ層の組成は非磁性のCoCr−SiO2とする。第1磁気記録層の組成は、CoCrPt−Cr2O3とし、第2磁気記録層の組成は、CoCrPt−SiO2−TiO2とする。補助記録層の組成はCoCrPtBとする。媒体保護層はCVD法によりC2H4を用いて成膜し、同一チャンバ内で、表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより形成する。潤滑層はディップコート法によりPFPEを用いて形成する。
次に、この情報記録媒体1を装着したハードディスク装置100について説明する。図3は、本発明の一実施形態のハードディスク装置100のトップカバーを外した状態の平面図、図4は、ハードディスク装置100のランプの要部拡大斜視図、図5は、回転軸に情報記録媒体を装着した状態の断面図である。
この実施形態のハードディスク装置100は、情報記録媒体1と、ディスク装置本体101とを備えている。情報記録媒体1は、この実施形態では、図5に示すように上記のものと同構成を採る2枚から構成されている。
そして、情報記録媒体1は、後述のディスク装置本体101の回転軸130に固定されるようにしてディスク装置本体101に装着されている。尚、情報記録媒体1の固定については後述する。
ディスク装置本体101は、図3に示すようにケーシング110と、先端側に磁気ヘッド111(図4に図示)を有する複数のサスペンション112と、サスペンション112夫々の基端側を支持したアーム113と、磁気ヘッド111を非動作時に所定位置で保持するためのランプ120と、ケーシング110内に回転可能に配設された回転軸130と、情報記録媒体1を回転軸130に固定する固定部材とを備えている。
ケーシング110は、上面開口の直方体状のケーシング本体110aと、ケーシング本体110aの開口を上方側から閉鎖するケーシング本体110aと略同形状の図示しないトップカバーとから構成されている。
アーム113は、ケーシング本体110a内に設けられたピボット114を軸にしてケーシング本体110aに対して回動可能に取り付けられ、ピボット114を挟んでサスペンション112と反対側に設けられたボイスコイルモータ(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。
サスペンション112は、夫々、図4に示すように磁気ヘッド111同士が対向するように配設されているとともに、先端に、リフトタブ112aを備えている。
又、この実施形態では、情報を情報記録媒体1に読み書きする際に、磁気ヘッド111における記録再生動作を行うヘッド素子のみを情報記録媒体1に近接させることによっていわゆるABS面(airbearing surface、空気ベアリング面)と情報記録媒体1間の距離を低減する動的浮上量制御部(dynamicflying height制御技術、DFH制御技術)が設けられている。
この動的浮上量制御部は、この実施形態では、図示しないが、磁気ヘッド111にヒータを組み込んで情報を情報記録媒体1に読み書きする際にそのヒータに電力を供給することによって、磁気ヘッド111の情報記録媒体1に対向するABS面を隆起させ、磁気ヘッド111と情報記録媒体1との間の距離を低減するように構成されている。この実施形態では、磁気ヘッド111と情報記録媒体1との間の距離が2nm以下になるように構成されている。
ランプ120は、図3、図4に示すように、情報記録媒体1の外周側であって、サスペンション112の先端側に配設されている。また、ランプ120は、先端側に、情報記録媒体1を挿入する2つの溝123(図4では、1つだけ表している)を備えているとともに、その溝123夫々の上下両側夫々に摺動部121と、摺動部121から情報記録媒体1の外周側に延ばされた保持部122とを備えている。
摺動部121は、サスペンション112のリフトタブ112aを摺動させ、先端から保持部122側に漸次情報記録媒体1の上面(この実施形態では、第1面21a)または下面(第2面21b)からの距離が漸次大きくなる傾斜状に形成されている。
保持部122は、上記摺動部121から摺動してきたリフトタブ112aを保持することにより、磁気ヘッド111を、情報記録媒体1の外周から所定距離だけ外周側に離間した位置にサスペンション112を介して保持する。
このように構成されたランプ120は、その基端側がケーシング本体12にボルト等の固定手段によって固定されている。又、この固定状態で、溝123に情報記録媒体1の外周縁の一部が入り込んで摺動部121の先端が、情報記録媒体1の上面、下面夫々から所定の距離を隔てているとともに、情報記録媒体1の上面及び下面における外周縁の一部と軸方向(厚さ方向)に重なるように非接触に配設されている。
回転軸130は、図5に示すように円柱状の挿入部131と、挿入部131の下方側に配設され挿入部131の外径よりも径大な第1載置部132とを備えている。
挿入部131は、その外径が情報記録媒体1の貫通孔11と同程度の大きさに形成され、情報記録媒体1の貫通孔11が嵌まり込むようになっている。又、この挿入部131の上面は、後述のクランプ部材143におけるクランプ本体144を取り付ける本体取付部133をなしている。
第1載置部132は、挿入部131に通された2枚の情報記録媒体1の内の先に通されて下方側に配設される情報記録媒体1を載置する。
固定部材は、情報記録媒体1を載置する載置部141と、載置部141に載置された情報記録媒体1を挟持するためのクランプ部材143とを備えている。
載置部141は、上記回転軸130の第1載置部132と、挿入部131に通された上方側の情報記録媒体1を載置する第2載置部142とから構成されている。第2載置部142は、情報記録媒体1の間に配設された所定厚さのリング状部材から構成されている。
クランプ部材143は、円形平板状のクランプ本体144と、クランプ本体144の外周側の全周に設けられた弾性を有するリング状の押圧片145とを備えている。押圧片145は、クランプ本体144から下方に突出するようにして全周に形成された環状の押圧部145aを有する。
このように構成されたクランプ部材143は、図5に示すように第1載置部132と第2載置部142との夫々に情報記録媒体1が載置された状態で、クランプ本体144が回転軸130の本体取付部133にボルト部材146を介して取り付けられる。
その取り付けに際して、押圧部145aが上方側の情報記録媒体1の貫通孔11の周縁部を上方側から押圧する。そして、その押圧力によって、下方側の情報記録媒体1を第1載置部132と第2載置部142とで挟持し、上方側の情報記録媒体1を第2載置部142と押圧部145aとで挟持し、これにより、情報記録媒体1を回転軸130に固定する。
(実施例)
以下に、具体的に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
以下に、具体的に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
板状ガラス素材に、第1ラッピング工程、端部形状工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1研磨工程、第2研磨工程を施し、その後、化学強化処理を施した。化学強化処理は、第2研磨工程を終えた板状ガラス素材を300℃に予熱し、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)とを混合し400℃に加熱した化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、板状ガラス素材の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の板状ガラス素材が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
板状ガラス素材に、第1ラッピング工程、端部形状工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1研磨工程、第2研磨工程を施し、その後、化学強化処理を施した。化学強化処理は、第2研磨工程を終えた板状ガラス素材を300℃に予熱し、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)とを混合し400℃に加熱した化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、板状ガラス素材の表面全体が化学強化されるようにするため、複数の板状ガラス素材が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、板状ガラス素材の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換されて板状ガラス素材の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm〜200μmであった。
又、化学強化処理を終えた板状ガラス素材を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えた板状ガラス素材を、約40℃に加熱した純水に浸漬し、80kHzの超音波を印加して洗浄を行った。
その後、最終洗浄工程で、アルカリ性洗剤(pH11・温度60°C)で950kHzでの洗浄を行い、超純水にCO2を含有させた(電気抵抗率0.1〜0.2MΩ・cm)機能水によるリンス工程(950kHz)を行なった後、再度上記アルカリ性洗剤で2000kHzでの洗浄を行なった。その後、超純水にCO2を含有させた機能水による2000kHzでのリンス工程を3回、行なった後、IPAベーパー乾燥装置により乾燥を行い、実施例1の情報記録媒体用ガラス基板を製造した。
実施例2
最終洗浄工程として、実施例1における上記2000kHzでのリンス工程を5回に増やして行って、実施例2の情報記録媒体用ガラス基板を製造した。実施例2におけるその他は、実施例1と同じ条件で製造した。
最終洗浄工程として、実施例1における上記2000kHzでのリンス工程を5回に増やして行って、実施例2の情報記録媒体用ガラス基板を製造した。実施例2におけるその他は、実施例1と同じ条件で製造した。
実施例3
最終洗浄工程として、上記実施例2の最終洗浄工程を2度、繰り返し行って、実施例3の情報記録媒体用ガラス基板を製造した。実施例3におけるその他は、実施例2と同じ条件で製造した。
最終洗浄工程として、上記実施例2の最終洗浄工程を2度、繰り返し行って、実施例3の情報記録媒体用ガラス基板を製造した。実施例3におけるその他は、実施例2と同じ条件で製造した。
実施例4
化学強化工程を、第1研磨工程と第2研磨工程との間で行った。その他は、実施例1と同じ条件で製造した。
化学強化工程を、第1研磨工程と第2研磨工程との間で行った。その他は、実施例1と同じ条件で製造した。
比較例1
実施例1の最終洗浄方法において、CO2を含まない超純水によりリンス工程を行なった。2000kHzでのリンス工程を1回に変更して行なうことによって比較例1を製造した。
実施例1の最終洗浄方法において、CO2を含まない超純水によりリンス工程を行なった。2000kHzでのリンス工程を1回に変更して行なうことによって比較例1を製造した。
比較例2
実施例1の最終洗浄方法において、アルカリ性洗剤及び超純水による超音波洗浄を全て80kHzで行なった。又、超純水としてCO2を含まないものを用いて行なうことによって比較例2を製造した。
実施例1の最終洗浄方法において、アルカリ性洗剤及び超純水による超音波洗浄を全て80kHzで行なった。又、超純水としてCO2を含まないものを用いて行なうことによって比較例2を製造した。
次に、以上のように製造した各実施例1〜4、比較例1及び2の情報記録媒体用ガラス基板について、硝酸イオンコンタミネーション量を測定するとともに、夫々に記録層12を形成し情報記録媒体1にしてハードディスク装置に搭載し、その場合のグライド評価を行なったので、以下に説明する。
なお、以下で述べる各実施例および比較例でイオンコンタミネーション量の測定を行った基板は同一加工で加工した基板から抜き取り、測定を行った。工程の製造は一般的に複数枚を一括して行っており、同一加工で製造した基板のイオンコンタミネーション量は各基板ともおおよそ同量であるため、ハードディスク装置に搭載する基板のコンタミネーション量を推測することができる。
硝酸イオンコンタミネーション量の測定は、各実施例1〜4、比較例1及び2のガラス基板を電気抵抗率18.2MΩ・cmの超純水(80°C)20mLに浸漬させ、30分間静置した。この時撹拌などは行わない。また、作業中は容器の蓋を閉め、さらにクラス100(FED−STD−209D、アメリカ連邦規格)の部屋で作業を行った。30分経過後抽出液をイオンクロマトグラフで測定した。80°Cで行うことにより一部存在する難溶性の塩も溶解させることができる。尚、測定に使用するイオンクロマトグラフはダイオネクス社製ICS−2100を用いた。
その結果を、図6に示す。図6に示すように実施例1〜4のものは、比較例1及び2のものに較べて硝酸イオンコンタミネーション量が少なかった。又、実施例3及び4のものは、硝酸イオンコンタミネーション量が10ng/cm2以下であった。
又、実施例1〜4のものの硝酸イオンコンタミネーション量が少なかった結果として、記録層12(磁性層)を形成するに際し、スパッタリングによる磁性粒子の配向が揃い、高密度記憶が可能な磁性層の形成が可能であった。
グライド評価は、上記ハードディスク装置100を用い、実施例1〜4、比較例1及び2のガラス基板夫々10枚について行なった。グライド評価工程とは、情報記録媒体1の表面に突起物が無いか否かを検査する工程である。すなわち、情報記録媒体1上を浮上走行する磁気ヘッド111が情報記録媒体1に対して情報を記録・再生する際に、情報記録媒体1の面上に磁気ヘッド111との間隔以上の高さを有する突起があると、この突起に磁気ヘッド111が接触することによって、磁気ヘッド111が損傷したり、情報記録媒体1に欠陥が発生したりすることがある。この実施形態では、磁気ヘッドの浮上量を1nmとした上記ハードディスク装置100を用い、実施例1〜4、比較例1及び2のガラス基板夫々の10枚の内、磁気ヘッド111が損傷せず、かつ情報記録媒体1に欠陥が生じなかったものが8〜10枚のものを◎、5〜7枚のものを○、又、3〜4枚のものを△とし、それ以下のものを×と判断した。
その結果を、図6に示した。図6に示すように、実施例1〜4のものは、比較例1及び2のものに較べ、良好であった。又、硝酸イオンコンタミネーション量が10ng/cm2以下の実施例3及び4のものは、より一層、良好であった。
尚、上記実施形態では、ハードディスク装置100は、動的浮上量制御部を備えたものとされているが、この形態のものに限らず、例えば動的浮上量制御部を備えていないものでもよく、適宜変更できる。
1 情報記録媒体
10 情報記録媒体用ガラス基板
100 ハードディスク装置
10 情報記録媒体用ガラス基板
100 ハードディスク装置
Claims (5)
- 硝酸塩を用いて板状ガラス素材を化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られた情報記録媒体用ガラス基板であって、
前記製造工程の最終工程後における情報記録媒体用ガラス基板の表面に残在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量が50ng/cm2以下になるように構成されていることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。 - 請求項1記載の情報記録媒体用ガラス基板と、その情報記録媒体用ガラス基板の表面に、情報を記録した記録層とを有していることを特徴とする情報記録媒体。
- 請求項1又は2記載の情報記録媒体を備えていることを特徴とするハードディスク装置。
- 板状ガラス素材を硝酸塩を用いて化学強化する化学強化工程を含む製造工程を経て得られる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
前記製造工程の最終工程として最終洗浄工程を含み、その最終洗浄工程で、前記板状ガラス素材の表面に存在する硝酸イオン(NO3 −)コンタミネーション量を50ng/cm2以下になるように洗浄することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記製造工程は、板状ガラス素材を仕上げ研磨する第2研磨工程を含み、
前記第2研磨工程は、前記化学強化工程の後に行なうことを特徴とする請求項4記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010221161A JP2012079360A (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | 情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及びハードディスク装置 |
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2010
- 2010-09-30 JP JP2010221161A patent/JP2012079360A/ja active Pending
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