JP2012078576A - プラズマディスプレイ用光学シート、この光学シートを備えたプラズマディスプレイおよびこの光学シートの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ用光学シート、この光学シートを備えたプラズマディスプレイおよびこの光学シートの製造方法 Download PDF

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川 一 信 小
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Abstract

【課題】近赤外線吸収色素の紫外線劣化を抑制することができ、かつ光学シートの層数の増加を抑制したプラズマディスプレイ用光学シート。
【解決手段】近赤外線吸収色素を含む光学フィルタ層50と、光学フィルタ層50上に積層され、透明基材71、光学フィルタ層50と透明基材71との間に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部72、および単位光透過部72の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部73を有するコントラスト向上機能層70とを備えるプラズマディスプレイ用光学シート10であって、透明基材71が紫外線吸収材を含み、単位光透過部72が、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含む第1の組成物を可視光により硬化させて形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイ用光学シート、この光学シートを備えたプラズマディスプレイおよびこの光学シートの製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と称する。)は、プラズマ放電によって生じた紫外線および近赤外線のうち、紫外線により蛍光体が可視光を発光して、画像表示が行われる。
このように、PDPからは、可視光にも近赤外線が放射されるため、近赤外線を利用するその他の家電製品を誤作動させるおそれがある。
また、PDPの前面に外光(例えば日光や蛍光灯)が差し込んだ場合に、前面からの反射光によって画像のコントラストが低下して画像が見えにくくなる場合がある。
このような問題を解消するため、PDPにおいては、PDPの前面に近赤外線を吸収する光学フィルタ層、および外光を吸収するコントラスト向上機能層を設けることがある(例えば、特許文献1参照)。コントラスト向上機能層は、透明基材と、透明基材上に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部と、単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部とを有している。
しかしながら、この光学フィルタ層に含まれる近赤外線吸収色素は、外光に含まれる紫外線により劣化し、近赤外線吸収色素における近赤外吸収性能が低下してしまうおそれがある。
このため、光学フィルタ層上に紫外線吸収層をさらに配置して、光学フィルタ層に含まれる近赤外線吸収色素の劣化を抑制することがある。しかしながら、紫外線吸収層をコントラスト向上機能層とは別に設けているので、光学シートの層数が増加してしまうという問題がある。
なお、コントラスト向上機能層の透明基材に紫外線吸収機能を付与することも考えられるが、単位光透過部を形成するための組成物は紫外線硬化型樹脂組成物であるとともに、透明基材と単位光透過部の成形型との間にこの組成物を供給し、透明基材越しに紫外線を紫外線硬化型組成物に照射してこの組成物を硬化させている。このため、透明基材に紫外線吸収機能を付与すると、透明基材に含まれる紫外線吸収材により紫外線が吸収されてしまうので、この組成物を硬化させることが困難である。
特開2009−237113号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、光学フィルタ層に含まれる近赤外線吸収色素の紫外線劣化を抑制することができ、かつ光学シートの層数の増加を抑制したプラズマディスプレイパネル用光学シート、この光学シートを備えたプラズマディスプレイパネルおよびこの光学シートの製造方法に関する。
本発明者らは、コントラスト向上機能層を作製する際に、波長370〜780nmの可視光により開裂する光重合開始剤を使用することにより、コントラスト向上機能層の透明基材に紫外線吸収機能を付与した場合であっても、単位光透過部用組成物を硬化することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
本発明の一の態様によれば、近赤外線吸収色素を含む光学フィルタ層と、前記光学フィルタ層上に積層され、透明基材、前記光学フィルタ層と前記透明基材との間に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部、および前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部を有するコントラスト向上機能層とを備えるプラズマディスプレイ用光学シートであって、前記透明基材が紫外線吸収材を含み、前記単位光透過部が、光重合性化合物と、光重合開始剤としての下記式(1)で表わされる化合物とを含む第1の組成物を可視光により硬化させて形成されていることを特徴とする、光学シート。
Figure 2012078576
(式中、Rは芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R〜Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
本発明の他の態様によれば、上記の光学シートを備えることを特徴とする、プラズマディスプレイが提供される。
本発明の他の態様によれば、近赤外線吸収色素を含む光学フィルタ層と、前記光学フィルタ層上に積層され、紫外線吸収材を含む透明基材、前記光学フィルタ層と前記透明基材との間に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部、および前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部を有するコントラスト向上機能層とを備えるプラズマディスプレイ用光学シートの製造方法であって、前記紫外線吸収材を含む透明基材と前記単位光透過部の成形型との間に、光重合性化合物と、光重合開始剤としての下記式(1)で表わされる化合物とを含む第1の組成物を供給し、前記透明基材越しに可視光を前記第1の組成物に照射することにより前記第1の組成物を硬化させて、前記単位光透過部を形成するとともに、前記単位光透過部間に並列して設けられた溝を形成し、前記溝に、光重合性化合物と、光重合性開始剤と、光吸収材とを含む第2の組成物を充填し、充填された前記第2の組成物を光照射により硬化させて、単位光吸収部を形成して、前記コントラスト向上機能層を形成することを含むことを特徴とする、方法が提供される。
Figure 2012078576
(式中、Rは芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R〜Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
本発明の一の態様の光学シートによれば、光重合開始剤としての上記式(1)で表わされる化合物は、紫外線のみならず可視光においても開裂する化合物であるので、透明基材に紫外線吸収材を含ませた場合であっても、可視光を用いて第1の組成物を硬化させることができる。これにより、紫外線吸収機能を有するコントラスト向上機能層を形成することができるので、光学フィルタ層に含まれる近赤外線吸収色素の紫外線劣化を抑制することができる。また、コントラスト向上機能層の透明基材に紫外線吸収機能を付与しているので、紫外線吸収層を設ける必要性がなく、光学シートの層数の増加を抑制したプラズマディスプレイパネル用光学シートが提供できる。
本発明の他の態様のプラズマディスプレイによれば、上記光学シートを備えているので、他の家電製品の誤作動を抑制し、かつコントラストを向上させることができる。
本発明の他の態様の光学シートの製造方法によれば、光重合開始剤としての上記式(1)で表わされる化合物を含む第1の組成物を用いているので、紫外線吸収材を含む透明基材を用いた場合であっても、可視光により第1の組成物を硬化させることができる。これにより、紫外線吸収機能を有するコントラスト向上機能層を形成することができるので、光学フィルタ層に含まれる近赤外線吸収色素の劣化を抑制することができる。また、コントラスト向上機能層の透明基材に紫外線吸収機能を付与しているので、紫外線吸収層を設ける必要性がなく、光学シートの層数の増加を抑制することができる。
実施の形態に係る光学シートの模式的な縦断面図である。 実施の形態に係るコントラスト向上機能層の製造工程を示す模式図である。 実施の形態に係るコントラスト向上機能層の製造工程を示す模式図である。 実施の形態に係る他の光学シートの模式的な縦断面図である。 実施の形態に係る光学シートを備えた模式的なプラズマディスプレイの縦断面図である。
本発明によるプラズマディスプレイ用光学シートについて、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係る光学シートの模式的な縦断面図である。
図1に示されるプラズマディスプレイ用光学シート10は、セパレータ20、粘着剤層30、電磁波遮蔽フィルタ層40、光学フィルタ層50、コントラスト向上機能層70、光学機能層80がこの順で積層された構造となっている。なお、本発明においては、少なくとも光学フィルタ層50とコントラスト向上機能層70とが設けられていればよく、他の層については任意である。また、光学シート10は、光学機能層80側が観察者側となるように配置されるものである。
<セパレータ>
セパレータ20は、粘着剤層30を保護するものであり、PDPの前面に光学シート10を貼り付ける際には剥離される。セパレータ20としては、例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等を用いることができる。
<粘着剤層>
粘着剤層30は光学シート10をPDPの前面に貼り付けるためのものである。粘着剤層30を構成する粘着剤としては、映像光を透過させるとともに、光学シート10をPDPの前面に貼り付けることができれば、特に限定されない。例えば、粘着剤層30の粘着剤として、公知の感圧接着剤を用いることができる。具体的には、例えば、天然ゴム系樹脂、合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂等の粘着剤を用いることができる。
<電磁波遮蔽フィルタ層>
電磁波遮蔽フィルタ層40は、粘着剤層30と光学フィルタ層50との間に配置されている。電磁波遮蔽フィルタ層40は、PDPから漏洩する電磁波を遮蔽(シールド)するためのものであり、透明基材41と、その透明基材41上に設けられた金属メッシュ層42とを備えている。
透明基材41の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール−テレフタール酸共重合体、エチレングリコール−テレフタール酸−イソフタール酸共重合体などのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等を使用することができる。
金属メッシュ層42は、金属箔がメッシュパターン状に形成されたものであり、金属自体は光を透過させないが、メッシュの開口部を設けたパターンとすることにより、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた層である。金属メッシュ層42を構成する金属材料としては、通常の金属メッシュ材料として用いられている材料、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム等の金属を使用できる。
<光学フィルタ層>
光学フィルタ層50は、近赤外線を吸収可能な層であり、近赤外線吸収色素を含んでいる。光学フィルタ層は、波長370〜780nmの可視光透過率が40%以上であり、波長800〜1100nmの近赤外線透過率が20%以下であることが好ましい。可視光透過率が40%以上であると、光学フィルタ層として用いた場合に十分に輝度を与えることができ、画像の暗化を生じることがない。また、近赤外線透過率が20%以下であると、他の家電製品の誤作動を抑制することできる。
近赤外線吸収色素としては、具体的には、ジイモニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポリメチン系色素、シアニン系色素、ナトフキノン系色素、アントラキノン系色素、ジチオール系色素、イモニウム系色素、アミニウム系色素、ピリリウム系色素、セリリウム系色素、スクアリリウム系色素、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類の有機系赤外線吸収色素が挙げられる。これらの中でも、ジイモニウム系色素は、可視光透過率が極めて高いことから近赤外線吸収色素として好ましい。
図1に示される光学フィルタ層50は、粘着性を有している。光学フィルタ層50に粘着性を付与することにより、電磁波遮蔽フィルタ層40をコントラスト向上機能層70に貼り付けることができる。なお、光学フィルタ層50は粘着性を有していなくともよい。
このような粘着性を有する光学フィルタ層50の形成方法は、近赤外線吸収色素を含む流動性のある粘着剤を、金属メッシュ層42の凹凸を充填するように直接塗工する。あるいは、別途、離型基材上に予め粘着性を有する光学フィルタ層50を塗工形成した転写シートを用意し、金属メッシュ層42上に転写シートの光学フィルタ層50の面を接着し、その後に離型基材を剥離する転写法を採用して光学フィルタ層50を形成してもよい。なお、流動性とは、Newton粘性には限らず、ダイラタンシーあるいはティキソトロピーの非Newton粘性であってもよい。粘度についても金属メッシュ層42の凹凸を充填し得るに足る粘度であればよく、塗工または転写(粘着剤層を転写で形成する場合)時の加工条件や凹凸の程度に応じて適宜調整する。
また、粘着性を有する光学フィルタ層50を形成する際、金属メッシュ層42上に形成した光学フィルタ層50がその時点において流動性を有する場合は、その状態のままで、また光学フィルタ層50がその時点において流動性がほとんどない場合は、光学フィルタ層50を加熱し、軟化または溶融等の方法により流動化させる。次いで、流動性の光学フィルタ層50を金属メッシュ層42の凹凸内に充填させ、凹凸内の空気と置換させる。
光学フィルタ層50には、近赤外線吸収色素の他、PDPから放射されるネオン光を吸収するNe光吸収色素や表示画像を好みの色調(天然色、あるいは天然色から多少偏移した色)に補正するための色補正色素を含有させてもよい。
Ne光吸収色素としては、ネオン原子の発光スペクトル帯域、すなわち550nm〜660nmの波長領域を吸収し、かつこの波長領域を除いた可視光領域380nm〜780nmの波長領域中でなるべく吸収が少なくて十分な光透過率を有する色素が好ましい。Ne光吸収色素としては、具体的には、シアニン系色素、オキソノール系色素、メチン系色素、サブフタロシアニン系色素、ポリフィリン系色素、またはこられの混合物等が挙げられる。
色補正色素としては、有機系色素、無機系色素、またはこれらの混合物が挙げられる。具体的には、アントラキノン系色素、ナフタレン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、ピロメテン色素、テトラアザポリフィリン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素等が挙げられる。
<コントラスト向上機能層>
コントラスト向上機能層70は、紫外線吸収材を含む透明基材71、光を透過可能な複数の単位光透過部72、および単位光透過部72の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部73を備えている。
透明基材71は、単位光透過部72や単位光吸収部73を形成するためのベースとなる層である。透明基材71は、単位光透過部72や単位光吸収部73よりも映像光の出射側(観察者側)に配置されている。すなわち、単位光透過部72および単位光吸収部73は、光学フィルタ層50と透明基材71との間に位置している。
透明基材71としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
透明基材71に含ませる紫外線吸収材としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート系化合物、ヘキサデシル−2,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジーt−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系化合物等の有機系紫外線吸収材や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収材等が挙げられる。
透明基材71における波長10nm〜380nmの紫外線透過率は、0%以上、0.2%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。紫外線透過率が0.2%以下であること好ましいとしたのは、0.2%を超えると、光学フィルタ層50に含まれる近赤外線吸収色素が紫外線により劣化してしまうおそれがあるからである。ここで、「紫外線透過率」とは、透明基材に対する波長10nm〜380nmの領域内の紫外線の平均透過率を意味する。
透明基材71における波長380nmを超え波長780nm以下の可視光透過率は、40%以上、100%以下であることが好ましい。可視光透過率が40%以上であること好ましいとしたのは、40%未満であると、透明基材71により映像光が暗くなるおそれがあるからである。ここで、「可視光透過率」とは、透明基材に対する波長380nmを超え、波長780nm以下の領域の可視光の平均透過率を意味する。
単位光透過部72は、一方のシート面側が上辺、他方のシート面側が下辺となるように配置された略台形断面を有する要素である。単位光透過部72は、光重合性化合物と、光重合性開始剤としての後述する下記式(1)で表わされる化合物と含む第1の組成物を硬化させて形成することができる。第1の組成物に含まれる光重合性化合物、下記式(1)で表わされる化合物については、後で詳細に説明する。
単位光吸収部73は、単位光透過部72の間に形成された略三角形断面を有する要素である。単位光吸収部73の底面は光学フィルタ層50側に配置されている。すなわち、単位光吸収部73は、観察者側に向けて先端が先細るような形状となっている。なお、単位光吸収部73の断面形状は、三角形に限られず、略台形または略矩形であってもよい。
単位光吸収部73の断面形状が略台形または略矩形となっている場合には、単位光吸収部73における略矩形の長辺は、コントラスト向上機能層70のシート面の法線方向に対して、0〜3°の範囲の角度を有していることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合は、実質的に矩形断面となる。
単位光吸収部73は、光重合性化合物と光重合性開始剤と光吸収材とを含む第2の組成物を硬化させて形成することができる。第2の組成物に含まれる光重合性化合物、光重合開始剤、光吸収材については、後で詳細に説明する。
単位光吸収部73は、単位光透過部72の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有する。単位光透過部72と単位光吸収部73との屈折率が上記のような関係となることにより、所定条件で光透過部に入射した光源からの映像光を単位光透過部72と単位光吸収部73との境界面で適切に反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。また、観察者側からの外光の一部を吸収するため、コントラストも向上する。また、単位光透過部72と単位光吸収部73との境界面で反射せずに、単位光吸収部73の内側に入射した迷光が、単位光吸収部73中の後述する光吸収材によって吸収される。また、所定角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができるため、コントラストを向上させることもできる。
また、コントラスト向上機能層70を2層重ね合わせてもよく、その場合、各コントラスト向上機能層で異なった構造となるようにしてもよい。例えば、1層目のコントラスト向上機能層と2層目のコントラスト向上機能層とで、単位光吸収部の幅やピッチ、深さ(楔形部の深さ)、形状を変えたり、単位光吸収部の厚み方向の向きを変えたり、映像光に対する単位光吸収部のバイアス角度(水平方向に対する単位光吸収部の傾斜角度)を変えたりすることができる。また、単位光吸収部を形成する材料(樹脂の種類や着色微粒子の濃度)を変えることもできる。例えば、1層目は効率良く外光をカットし、コントラストの向上を重視した設計とし、2層目は反射を利用した正面輝度向上効果を重視した設計とするような、各層で作用効果を変えることが好ましい。
コントラスト向上機能層70は、以下のようにして形成することができる。図2(a)〜図3(c)は、本実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図である。なお、図2(a)〜図3(a)、および図3(b)は、透明基材71の長手方向を正面とした図である。
まず、透明基材71と単位光透過部72の成形型90との間に第1の組成物74を供給して、成形型90内に第1の組成物74を充填する(図2(a))。
第1の組成物74は、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含むものである。光重合性化合物としては、アクリレート系の官能基を有するものを好適に使用することができる。具体的には、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ブタジエン(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートのオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができる。なお、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタアクリレートを意味する複合的表記である。
光重合開始剤は、下記式(1)で表わされるものである。
Figure 2012078576
(式中、Rは芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R〜Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
上記式(1)の構造を有する化合物の中でも、例えば下記式(2)で表わされるものが好ましい。
Figure 2012078576
第1の組成物74に含まれる式(1)で表わされる化合物は、第1の組成物74に対して2〜3質量%含まれることが好ましい。式(1)で表わされる化合物の割合を上記範囲としたのは、2質量%未満であると、硬化率が悪くなり残留モノマーが光学フィルタ層50を劣化させるからであり、3質量%を超えると、残留開始剤が光学フィルタ層50を劣化させる要因になるからである。
また、第1の組成物74中には、反応性希釈剤を添加してもよく、このような反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマーを使用してもよく、具体的は、リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
次いで、透明基材71越しに可視光を第1の組成物74に照射して硬化させる(図2(b))。ここで、上記式(1)の化合物は、紫外線領域のみならず可視光領域の光に対して反応して、開裂するので、紫外線吸収材を含む透明基材71越しに可視光を第1の組成物74に照射した場合には、可視光が透明基材71を透過して、上記式(1)で表わされる化合物が開裂する。これにより、重合反応が進行し、第1の組成物74が硬化する。
その後、成形型90を取り外す。これにより、透明基材1上に複数の単位光透過部72が形成されるとともに、単位光透過部72の間に並列して設けられた楔形の溝75が形成される(図2(c))。
溝75の深さは、50〜200μmであることが好ましい。溝75の深さを上記範囲としたのは、50μm未満であると、光吸収材を充填しても外光吸収が十分でないために十分なコントラストが得られないおそれがあるからであり、また、200μmを超えると、単位光透過部を形成する際に、単位光透過部72を成形型から剥離する際に成形型からの剥離力が大きくなり、透明基材1が破断したり、成形型上に単位光透過部が残存するおそれがあるからである。
次いで、溝75に、第2の組成物76を充填する(図3(a))。第2の組成物76は、光重合性化合物と、光重合開始剤と、光吸収材とを含むものである。光重合性化合物としては、第1の組成物74で例示した光重合性化合物と同様のものが挙げられる。
光重合開始剤としては、上記式(1)で表わされる化合物や、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等を使用することができる。これらの中でも、光学フィルタ層50の近赤外線吸収性能の低下を抑制する観点から上記式(1)で表わされる化合物が好ましく、上記式(2)で表わされる化合物が特に好ましい。
光吸収材としては、樹脂ビーズやガラスビーズに、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収できる着色微粒子を使用してもよく、カーボンブラック、グラファイト、繊維状炭素、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等の着色剤を練り込んだものを使用することができる。着色剤の練り込み易さの観点からは、樹脂ビーズを用いることが好ましい。樹脂ビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等を好適に使用することができる。また、ウレタン架橋微粒子やシリコン系ビーズも好適に使用できる。これらの樹脂ビーズは、上記した光重合性化合物との屈折率差が0.1程度以下のものを用いることが好ましい。また、着色剤を練り込む前の樹脂としては、透明な樹脂でも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂ビーズが用いられる。
着色剤としては、上記したもののなかでもカーボンブラックが好適に使用できる。樹脂ビーズへのカーボンブラックの練り込み量は、樹脂ビーズ1質量部に対してカーボンブラックを0.1〜0.7質量部程度であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.2〜0.35質量部である。カーボンブラックの練り込み量が0.7質量部よりも多いと樹脂ビーズが割れやすくなる場合があり、一方、0.1質量部よりも少ないと、所望の黒色性を有する着色微粒子を得られない場合がある。また、カーボンブラックは、平均粒子径が10〜500nmのものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)を好適に使用することができる。なお、ここでの平均粒子径とは、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径を意味する。
第2の組成物76に含まれる光重合性化合物への光吸収材の分散性を向上させるために、光吸収材を表面処理しておくこともできる。表面処理としては、従来公知のシリカコーティングによる親水処理や、プラズマ等による表面改質が挙げられる。
上記した各成分を含む第2の組成物76は、光重合性化合物に、所定量の光吸収材と光重合開始剤とを添加することにより調製される。光吸収材の添加量は、第2の組成物76の全質量に対して15〜35%の範囲とすることが好ましく、この範囲とすることにより、よりコントラストに優れる光学シートを実現することができる。光吸収材の含有量が少なすぎると、楔形溝(単位光吸収部)の光遮光性が不十分となる場合があり、光吸収材の含有量が多すぎると、樹脂ビーズ同士が接触し割れや欠けの問題が発生し易くなる。
第2の組成物76に含まれる光重合開始剤として式(1)で表わされる化合物を用いた場合には、式(1)で表わされる化合物は、第2の組成物76に対して3〜5質量%含まれることが好ましい。第2の組成物76に対する式(1)で表わされる化合物の割合を上記範囲としたのは、3質量%未満であると、硬化不良がおきるからであり、5質量%を超えると、光学フィルタ層50を劣化させる要因となるからである。
第2の組成物76の粘度は、500〜5,000mPa・sの範囲であることが好ましい。粘度が5,000mPa・s以上であると、第2の組成物76の粘度が高すぎて溝75の底まで第2の組成物76が充填されない場合がある。また、後述するように、第2の組成物76の掻き取り性が悪化する。一方、第2の組成物76の粘度が500mPa・s未満であると、第2の組成物76の掻き取り性は良好であるものの、楔形の溝75に第2の組成物76を充満させることが困難となる。なお、第2の組成物76の粘度は、B型粘度計を用いて25℃の環境下にて測定した値を意味するものとする。
溝75に第2の組成物76を充填した後、例えばドクターブレード等の掻取部材91により余剰の第2の組成物76を掻き取る(図3(b))。
最後に、溝75に充填された第2の組成物76に光を照射して硬化させる。ここで、上記式(1)の化合物は、紫外線領域のみならず可視光領域の光に対して反応して、開裂するので、第2の組成物76における光重合開始剤として上記式(1)の化合物を用いた場合には、紫外線や可視光を照射して、第2の組成物76を硬化させることができる。これにより、単位光透過部72間に略三角形の断面形状を有する単位光吸収部73が形成され、コントラスト向上機能層70が形成される(図3(c))。
<光学機能層>
光学機能層80は、反射防止機能、ハードコート機能、防眩機能等の少なくとも一つを有する層である。
図4は、本実施の形態における他の光学シートの模式的な縦断面図である。図4に示される光学シート11のように、光学フィルタ層50とコントラスト向上機能層70との間にバリア層60を配置することも可能である。バリア層60は、コントラスト向上機能層70に含まれる成分(例えば、光重合開始剤の残渣等)が光学フィルタ層50に移行するのを抑制するためのものである。バリア層60を配置することにより、光学フィルタ層50に含まれる近赤外線吸収色素の劣化をより抑制することができる。バリア層60としては、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化マグネシウム等の酸化物、窒化シリコン等の窒化物、窒化酸化シリコン等の窒化酸化物の無機薄膜を使用することができる。バリア層60の厚みは、例えば50〜1000nm程度の範囲で適宜設定することができる。
以下、本発明による光学シートをPDPに取り付けた例について説明する。図5は本実施の形態に係る光学シートを備えたプラズマディスプレイの縦断面図である。図5に示されるプラズマディスプレイ100は、PDP110と、PDP110の前面に貼り付けられた光学シート10を備えている。ただし、セパレータ20は光学シート10から取り除かれている。
上述したように、光重合開始剤としての上記式(1)で表わされる化合物を用いた場合には、可視光により第1の組成物74を硬化させることができるので、透明基材71に紫外線吸収材を含ませることができる。これにより、光学フィルタ層50に含まれる近赤外線吸収色素の劣化を抑制することができる。また、コントラスト向上機能層70の透明基材71に紫外線吸収機能を付与しているので、紫外線吸収層を設ける必要性がなく、光学シート10の層数の増加を抑制することができる。
本実施の形態によれば、光重合開始剤として上記式(1)で表わされる化合物を含む1の組成物74を用いて単位光透過部72を形成しているので、光学フィルタ50層における近赤外線吸収性能の低下を抑制できる。これは、以下の理論に基づくものであると考えられる。すなわち、光学フィルタ層上にコントラスト向上機能層を積層すると、コントラスト向上機能層に含まれる光照射により開裂した光重合開始剤の残渣が光学フィルタ層に含まれている近赤外線吸収色素を劣化させて、光学フィルタ層の近赤外線吸収性能を低下させてしまうおそれがある。これに対し、コントラスト向上機能層70の単位光透過部72には光照射により開裂した光重合開始剤の残渣が存在しているが、光重合開始剤として上記式(1)で表わされる化合物を使用した場合には、この化合物は嵩高いため、この化合物の残渣は立体障害により単位光透過部72から光学フィルタ層50側に浸み出し難い。このため、光重合開始剤の残渣による近赤外線吸収色素の攻撃を抑制することができ、その結果、光学フィルタ層50における近赤外線吸収性能の低下を抑制できるものと考えられる。ただし、本発明は、上記理論に拘束されないことは言うまでもない。
また、本実施の形態のように光学フィルタ層50が粘着性を有している場合、単位光透過部72に含まれる上記式(1)で表わされる化合物の残渣が単位光透過部72から光学フィルタ層50側に浸み出し難いので、光学フィルタ層50の粘着性の劣化を抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、単位光透過部72に含まれる上記式(1)で表わされる化合物の残渣が単位光透過部72から光学フィルタ層50側に浸み出し難いので、近赤外線吸収色素の色変化を抑制することができる。
光重合開始剤として上記式(1)で表わされる化合物を含む第2の組成物76を用いて単位光吸収部73を形成した場合には、光学フィルタ層50における近赤外線吸収性能の低下をより抑制することができるとともに、光学フィルタ層50の粘着性の劣化をより抑制でき、さらに近赤外線吸収色素の色変化をより抑制することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これら実施例に本発明が限定されるものではない。
実施例
<第1の組成物の調整>
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート20質量部、メトキシポリエチレングリコール(分子量400、東邦化学工業(株)製、商品名:メトキシPEG400)5質量部を加え、40℃以下に保ちながら滴下ロートよりペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部を20分かけて滴下した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部及び触媒としてオクチル酸スズ0.0002質量部を加え80℃に昇温し、2時間保温しウレタン化反応を続け、ウレタンアクリレートAを得た。
そして、このウレタンアクリレートA50質量部、および多官能アクリレートモノマーとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート50質量部を混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、単位光透過部形成用の第1の組成物を調整した。
<第2の組成物の調製>
上記第1の組成物と同様のアクリル混合体を84質量部、光吸収粒子として平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部、および光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、単位光吸収部形成用の第2の組成物を調整した。
比較例1
比較例1においては、第1の組成物における光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの代わりに下記式(3)で表わされる1−ビドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いた以外、実施例と同様の方法で第1の組成物および第2の組成物を調製した。
Figure 2012078576
比較例2
比較例2においては、第1の組成物および第2の組成物における光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの代わりに下記式(4)で表わされる1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いた以外、実施例と同様の方法で第1の組成物および第2の組成物を調製した。
Figure 2012078576
比較例3
比較例3においては、第1の組成物および第2の組成物における光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの代わりに下記式(5)で表わされる2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア127、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いた以外、実施例と同様の方法で第1の組成物および第2の組成物を調製した。
Figure 2012078576
比較例4
比較例4においては、第1の組成物および第2の組成物における光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの代わりに下記式(6)で表わされる2−メチル−1[4−メチルチオ]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いた以外、実施例と同様の方法で第1の組成物および第2の組成物を調製した。
Figure 2012078576
単位光透過部の作製試験
このように得られた実施例および比較例1〜4の第1の組成物のそれぞれを、紫外線吸収材を含み、波長10nm〜380nmの紫外線の透過率が0%以上0.2%以下となるように調整され、かつ厚みが100μmのPET基材(A4300、東洋紡製)と成形金型との間に供給して、PET基材越しに可視光を第1の組成物に照射した。
実施例においては、第1の組成物が硬化して、単位光透過部が作製された。これに対し、比較例1〜4においては、第1の組成物が硬化せず、単位光透過部を作製することができなかった。
これらの結果から、光重合開始剤として上記式(2)で表わされるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを用いて、透明基材越しに可視光を第1の組成物に照射した場合には、第1の組成物が硬化し、単位光透過部を形成できることが確認された。
10…光学シート、50…光学フィルタ層、70…コントラスト向上機能層、71…透明基材、72…単位光透過部、73…単位光吸収部、74…第1の組成物、75…溝、76…第2の組成物、90…成形型。

Claims (15)

  1. 近赤外線吸収色素を含む光学フィルタ層と、前記光学フィルタ層上に積層され、透明基材、前記光学フィルタ層と前記透明基材との間に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部、および前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部を有するコントラスト向上機能層とを備えるプラズマディスプレイ用光学シートであって、
    前記透明基材が紫外線吸収材を含み、前記単位光透過部が、光重合性化合物と、光重合開始剤としての下記式(1)で表わされる化合物とを含む第1の組成物を可視光により硬化させて形成されていることを特徴とする、光学シート。
    Figure 2012078576
    (式中、Rは芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R〜Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
  2. 前記第1の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、下記式(2)で表わされる化合物である、請求項1に記載の光学シート。
    Figure 2012078576
  3. 前記透明基材における波長10nm〜380nmの紫外線の透過率が0.2%以下である、請求項1または2に記載の光学シート。
  4. 前記単位光吸収部が、光重合性化合物と、光重合開始剤としての前記式(1)で表わされる化合物と、光吸収材とを含む第2の組成物を光照射により硬化させて形成されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シート。
  5. 前記第2の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、前記式(2)で表わされる化合物である、請求項4に記載の光学シート。
  6. 前記赤外線吸収色素が、ジイモニウム系色素を含んでいる、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学シート。
  7. 前記第1の組成物および/または前記第2の組成物に含まれる前記光重合性化合物が、多官能アクリレートである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学シート。
  8. 前記第1の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、前記第1の組成物に対して2〜3質量%含まれる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学シート。
  9. 前記第2の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、前記第2の組成物に対して3〜5質量%含まれる、請求項4ないし8のいずれか1項に記載の光学シート。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学シートを備えることを特徴とする、プラズマディスプレイ。
  11. 近赤外線吸収色素を含む光学フィルタ層と、前記光学フィルタ層上に積層され、紫外線吸収材を含む透明基材、前記光学フィルタ層と前記透明基材との間に位置する光を透過可能な複数の単位光透過部、および前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部を有するコントラスト向上機能層とを備えるプラズマディスプレイ用光学シートの製造方法であって、
    前記紫外線吸収材を含む透明基材と前記単位光透過部の成形型との間に、光重合性化合物と、光重合開始剤としての下記式(1)で表わされる化合物とを含む第1の組成物を供給し、前記透明基材越しに可視光を前記第1の組成物に照射することにより前記第1の組成物を硬化させて、前記単位光透過部を形成するとともに、前記単位光透過部間に並列して設けられた溝を形成し、
    前記溝に、光重合性化合物と、光重合性開始剤と、光吸収材とを含む第2の組成物を充填し、充填された前記第2の組成物を光照射により硬化させて、単位光吸収部を形成して、前記コントラスト向上機能層を形成すること、
    を含むことを特徴とする、製造方法。
    Figure 2012078576
    (式中、Rは芳香族基、メチル基、または水素を表わし、R〜Rはそれぞれ独立して直鎖または分岐鎖状のアルキル基を表わす。)
  12. 前記第1の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、下記式(2)で表わされる化合物である、請求項11に記載の製造方法。
    Figure 2012078576
  13. 前記第2の組成物における光重合開始剤が、前記式(1)で表わされる化合物である、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. 前記第2の組成物に含まれる前記式(1)で表わされる化合物が、前記式(2)で表わされる化合物である、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記透明基材における波長10nm〜380nmの紫外線の透過率が0.2%以下である、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の製造方法。
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