JP2012076492A - エアバッグ装置 - Google Patents

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丈樹 林
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Abstract

【課題】シール性を良好とした収納部位内にエアバッグを収納させることができ、かつ、作動時における収納部位の飛散も的確に防止可能なエアバッグ装置の提供。
【解決手段】本発明のエアバッグ装置では、フロントピラーの前面側を覆うように膨張するエアバッグを折り畳んで、フロントピラーに沿って配設される収納部位31内に収納させている。収納部位31が、合成樹脂製とされて、エアバッグのフロントピラー側を覆う外側壁部33と、エアバッグのフロントガラス側を覆う内側壁部34と、エアバッグの前方を覆う前側壁部38と、エアバッグの後方を覆う後側壁部35と、を連結させて構成され、外側壁部33と前側壁部38との境界部位付近に、エアバッグの膨張時に破断可能な破断予定部41を配設させ、内側壁部34と後側壁部35との境界部位付近に、破断予定部41の破断後に屈曲可能とされる屈曲予定部37を、配設させている。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両におけるフロントピラーとフロントガラスとの境界部位付近に折り畳まれて収納されるとともに、フロントピラーの前面側を覆うように膨張可能なエアバッグを備える構成のエアバッグ装置に関する。
従来、フロントピラーとフロントガラスとの境界部位付近に折り畳まれて収納されるエアバッグを有するエアバッグ装置としては、エアバッグは、膨張完了形状を、軸方向をフロントピラーの軸方向に略沿わせた長尺状として、構成されるとともに、フロントピラーの軸直交方向側となる車幅方向(左右方向)側の幅寸法を縮められるように、この境界部位に沿って長尺状に折り畳まれて収納されていた。また、このエアバッグ装置では、フロントピラーに沿って配設される収納部位が、折り畳まれたエアバッグの内側(フロントガラス側)と前側とを覆うカバーから、構成されており、このカバーは、飛散防止手段により、作動時の飛散を抑制された状態で、配設されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−113790公報
しかし、この従来のエアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグは、フロントピラーの軸直交方向の二方向のみ、カバーにより覆われる構成であり、外方はフロントピラーに直接覆われ、後方はフロントガラス及びフロントピラーの端縁に直接覆われるようにして、収納部位内に、収納されていた。そのため、カバーによるシール性が良好でなく、収納部位内に雨水が侵入する場合があって、収納部位内に折り畳まれて収納されるエアバッグの耐久性を向上させる点に、改善の余地があった。
また、この従来のエアバッグ装置では、飛散防止手段として、カバーが、長手方向に沿った一部の部位のみで、ボルトを利用して、車体側に取り付けられていることから(図13参照)、作動時に応力集中が生じて、カバーが飛散する虞れも生じていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、シール性を良好とした収納部位内にエアバッグを収納させることができ、かつ、作動時における収納部位の飛散も的確に防止可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、車両におけるフロントピラーとフロントガラスとの境界部位付近に配設される収納部位に折り畳まれて収納されるとともに、フロントピラーの前面側を覆うように膨張可能なエアバッグを備える構成とされて、
エアバッグが、膨張完了形状を、軸方向をフロントピラーの軸方向に略沿わせた長尺状として、構成されるとともに、車幅方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて、フロントピラーに沿って配設される収納部位内に収納される構成のエアバッグ装置であって、
収納部位が、合成樹脂製とされて、
折り畳まれたエアバッグにおける前記フロントピラーの軸直交方向側の四方を囲むように、折り畳まれたエアバッグのフロントピラー側を覆うように配置される外側壁部と、折り畳まれたエアバッグのフロントガラス側を覆うように配置される内側壁部と、折り畳まれたエアバッグの前方を覆う前側壁部と、折り畳まれたエアバッグの後方を覆う後側壁部と、の4つの壁部を連結させて構成されるとともに、
収納部位の略全長にわたって、外側壁部と前側壁部との境界部位付近に、エアバッグの膨張時に破断可能な破断予定部を配設させ、内側壁部と後側壁部との境界部位付近に、エアバッグの膨張時において破断予定部の破断後に屈曲可能とされる屈曲予定部を、配設させて構成されていることを特徴とする。
本発明のエアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグが、収納部位を構成する外側壁部、内側壁部、前側壁部、及び、後側壁部により、フロントピラーの軸直交方向側の四方を囲まれるようにして、合成樹脂製の収納部位内に、収納されており、また、収納部位は、前側壁部と外側壁部との境界部位付近に、エアバッグの膨張時に破断可能な破断予定部を配設させ、後側壁部と内側壁部との境界部位付近に、破断予定部の破断後に屈曲可能とされる屈曲予定部を、配設させている構成である。すなわち、本発明のエアバッグ装置では、作動時に、収納部位に形成される破断予定部を破断させ、その後、屈曲予定部を屈曲させて、エアバッグを、収納部位外に突出させる構成であることから、作動前の車両搭載状態では、折り畳まれたエアバッグは、エアバッグの周囲を隙間なく覆って雨水等を内部に侵入させることを極力抑制された状態として、シール性を良好とされた収納部位内に収納されることとなり、収納部位内に収納されるエアバッグに雨水等がかかることを極力防止できて、エアバッグの耐久性を向上させることができる。
また、本発明のエアバッグ装置では、収納部位には、略全長にわたって、破断予定部と屈曲予定部が、形成されており、作動時、破断予定部の破断後に、さらに屈曲予定部を屈曲させるようにして、2段階で開いてエアバッグを突出させることから、作動時に、部分的に応力集中が生じることを抑制でき、また、エアバッグに押圧されて開く部位(前側部位と内側部位)が、飛散することも確実に防止することができる。さらに、収納部位に形成される屈曲予定部は、破断予定部と略対角線上となる位置に、形成されており、作動時における破断予定部の破断後に、この屈曲予定部を起点として、前側壁部と内側壁部とが、フロントガラス側に向かうように、大きく開くこととなり、前側壁部と内側壁部とが開いて形成された大きな開口から、エアバッグを前方に突出させることができることから、エアバッグを、フロントピラーの前面を迅速に覆うように膨張させることも可能である。
したがって、本発明のエアバッグ装置では、シール性を良好とした収納部位内にエアバッグを収納させることができ、かつ、作動時における収納部位の飛散も的確に防止できる。
さらに、本発明のエアバッグ装置において、前側壁部を、外側壁部及び内側壁部と別体として、外側壁部及び内側壁部に対して溶着により連結される構成とし、
破断予定部を、前側壁部と外側壁部とを溶着させる外側溶着部位から構成し、
外側溶着部位を、前側壁部と内側壁部とを溶着させる内側溶着部位よりも、幅寸法を小さく設定するとともに、エアバッグの膨張時における屈曲予定部の屈曲前に、前側壁部と外側壁部との溶着状態を解除可能に、構成することが好ましい。
上記構成のエアバッグ装置では、収納部位が、前側壁部と、残りの3つの壁部の部位(外側壁部,内側壁部,後側壁部)と、の2部材から構成され、折り畳まれたエアバッグを、外側壁部と内側壁部との間の隙間から内部に収納させ、その後、この隙間を塞ぐように、前側壁部を、外側壁部と内側壁部とに溶着させれば、収納部位内に、折り畳まれたエアバッグを収納させることができる。そのため、全体に一体的に形成された収納部位により、折り畳まれたエアバッグの周囲を隙間なく覆うことができ、収納部位のシール性を一層向上させることができる。
さらにまた、上記構成のエアバッグ装置において、内側壁部と前側壁部との境界部位付近に、エアバッグの膨張時における屈曲予定部の屈曲後であって、かつ、エアバッグの膨張完了前に、屈曲可能とされる第2の屈曲予定部を、形成し、
収納部位を、エアバッグの膨張完了時に、後側壁部から前側壁部にかけての部位を、屈曲予定部と第2の屈曲予定部との部位で屈曲させて、略平らに展開させた状態で、エアバッグの後方側を支持可能な構成とすることが、好ましい。
上記構成のエアバッグ装置では、前側壁部が、後側壁部から内側壁部を経て、平らに展開され、かつ、反転された状態で、膨張したエアバッグにより、フロントガラスに向かって押圧されることから、前側壁部が、内側壁部から分離して飛散することや、内側壁部が、屈曲予定部の部位で後側部位に対して分離されることを、確実に防止することができる。
本発明の一実施形態であるエアバッグ装置を搭載させた車両の部分拡大斜視図である。 実施形態のエアバッグ装置を搭載させた車両の部分拡大側面図である。 実施形態のエアバッグ装置を搭載させた車両の概略部分拡大横断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグ装置を搭載させた車両の概略部分拡大横断面図であって、クリップを用いてエアバッグの取付片部及びケースをフロントピラー側に取り付けている部位を示す。 実施形態のエアバッグ装置において、折り畳まれたエアバッグ及びインフレーターと、ケースと、クリップと、を示す概略分解斜視図である。 実施形態のエアバッグ装置に使用されるクリップの斜視図である。 図6のVII−VII部位の断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、作動時に、ケースの開く過程を説明する部分拡大断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す車両の部分拡大斜視図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す車両の概略横断面図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグが膨張を完了させた状態を示す概略横断面図であり、クリップを用いてエアバッグの取付片部及びケースをフロントピラー側に取り付けている部位の断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のエアバッグ装置Mは、図1,2に示すように、車両Vの左右のフロントピラー1近傍の部位と、フロントピラー1の前方のフロントフェンダーFFの部位と、に、跨って搭載されている。具体的には、実施形態のエアバッグ装置Mでは、折り畳まれたエアバッグ25が、フロントピラー1とフロントガラス6との境界部位付近に収納され、エアバッグ25に膨張用ガスを供給するインフレーター19が、フロントフェンダーFFの部位に配置されている。
なお、本明細書において、前後、上下、左右の方向は、フロントピラー1の軸方向を基準とするもので、特に断らない限り、フロントピラー1の軸方向に沿った方向を上下方向とし、フロントピラー1の軸直交方向である前後方向に略沿った方向を前後方向とし、フロントピラー1の軸直交方向である左右方向に略沿った方向を左右方向とするものである。
また、実施形態では、車両Vにおける右側に位置するフロントピラー1の前面1a側を覆うエアバッグ25を備えたエアバッグ装置Mについて詳細に説明する。左側のフロントピラーの前面側を覆うエアバッグを備えたエアバッグ装置は、右側のエアバッグ装置Mと左右対称形として、同一の構成であることから、左側のエアバッグ装置に関しては、説明を省略する。
フロントピラー1は、図3,4に示すように、鋼板等からなるアウタパネル2、インナパネル3、及び、アウタパネル2とインナパネル3との間に配置されるリインホースメント4を、備えて構成されるもので、車両Vの構造体として高い剛性を具備している。フロントピラー1の車幅方向(左右方向)に沿った車内外方向の内側(図3,4におけるフロントピラー1の左側)には、フロントガラス6が隣接されている。また、図3において、符号9で示す部材は、ドアフレームであり、符号10で示す部材は、ドアフレーム9とフロントピラー1との間に介在されるドアウェザストリップである。また、図3において、符号11で示す部材は、サイドウィンドであり、符号12で示す部材は、サイドウィンド11とドアフレーム9との間に介在されるガラスランである。さらに、図3,4において、符号7で示す部材は、フロントガラス6をフロントピラー1に固着させる接着剤である。
また、フロントピラー1において、アウタパネル2の車幅方向に沿った車内外方向における車内側I(フロントガラス6側)には、上下方向に沿って複数箇所(実施形態の場合、後述するクリップ46の数に対応して4箇所)に、エアバッグ装置Mの後述するケース31をフロントピラー1側に取り付けるためのクリップ46を係止可能な取付座部14が、配設されている。この取付座部14は、ポリプロピレン等の合成樹脂製とされるもので、図4に示すように、フロントピラー1の軸直交方向に沿った断面形状を、前方を開口させた略V字形状とされている。すなわち、取付座部14は、車幅方向に沿った車内外方向における車外側O(アウタパネル2側)に配置される固定壁15と、車内側I(フロントガラス6側)に配置される取付壁16と、を有して、固定壁15と取付壁16との後端相互を連結させ、前端相互を左右方向で離隔させるように、構成されるもので、固定壁15の車外側Oを、略全面にわたって、アウタパネル2に固着させて構成されている。そして、取付座部14において、車内側I(フロントガラス6側)に配置される取付壁16には、クリップ46の後述する係止片49を周縁で係止可能な係止孔16aが、形成されている。この取付座部14は、前端側の開口14aから、固定壁15と取付壁16との間の隙間に、ケース31から突出しているクリップ46の係止脚部48を挿入させ、係止脚部48の先端側に配置される係止片49を係止孔16aに挿入させて、係止孔16aの周縁に係止させることにより、クリップ46を係止させ、ケース31をフロントピラー1側に取り付けることとなる。
エアバッグ装置Mは、フロントピラー1の前面1a側を覆い可能なエアバッグ25と、エアバッグ25に膨張用ガスを供給するインフレーター19と、折り畳まれたエアバッグ25を収納する収納部位としてのケース31と、を備えている。
インフレーター19は、上述したごとく、車両VのフロントフェンダーFFの部位に、配置されるもので、図示しないフードリッジリインホース等の車体側の部材に取付固定されている。インフレーター19は、図5に示すように、本体20と、本体20から延びる接続パイプ21と、本体20を車体側の部材に取り付けるためのブラケット22と、を備える構成とされており、接続パイプ21を、エアバッグ25の後述する接続口部27に、図示しないクランプを利用して接続させることにより、エアバッグ25の内部に膨張用ガスを供給可能に、エアバッグ25と連結されている。そして、このインフレーター19は、所定のエアバッグ作動回路からの作動信号を入力させて、膨張用ガスをエアバッグ25内に供給することとなる。エアバッグ作動回路は、車両Vのフロントバンパ(図符号省略)に配置されて、歩行者の衝突を検知可能なセンサSE(図1参照)からの信号を入力した際に、インフレーター19を作動させることとなる。
エアバッグ25は、フロントピラー1の前面1a側を覆うように膨張する膨張本体部26と、インフレーター19に接続される接続口部27と、膨張本体部26を車体側に取り付ける取付片部28と、を備えて構成されている。実施形態の場合、膨張本体部26は、膨張完了時に、図1,2,9に示すように、フロントピラー1の下側2/3程度の領域の前面1a側を覆い可能とされるとともに、膨張完了形状を略円柱状として構成されている。具体的には、膨張本体部26は、図9に示すように、膨張完了形状を、下部から上部にかけて外径寸法を漸減させるような略円柱状として、構成されている。詳細には、膨張本体部26は、膨張完了時におけるフロントピラー1の軸直交方向側の断面形状を略円形として(図10参照)、中心Cを、フロントガラス6の前側の領域内に配置させ、かつ、車外側O(右側)の端部26bを、フロントピラー1の前縁1bより車内外方向の外側(右側)に突出させるようにして、フロントピラー1の前面1a側を覆うように、構成されている。さらに詳細には、実施形態のエアバッグ25では、膨張完了時の膨張本体部26の中心Cは、図10に示すように、フロントガラス6の外縁6a(右縁)を支持しているフロントピラー1の車内側端(接着剤7)よりも車幅方向(左右方向)に沿った車内外方向の内側(左側)に、配置されることとなる。
接続口部27は、図5に示すように、膨張本体部26の膨張完了時における下端26a付近から延びて、先端側を、インフレーター19の接続パイプ21と、連結されている。取付片部28は、実施形態の場合、図5に示すように、膨張本体部26における上下の中央よりやや下方となる部位と、上端付近と、の2箇所に、形成されている。取付片部28は、収納部位を構成するケース31をフロントピラー1側に取り付けるクリップ46を利用して、ケース31とともに、車体側となるフロントピラー1側に取り付けられるもので、実施形態の場合、クリップ46の外形形状に合わせて、上下方向側の幅寸法を幅広とした略長方形状とされており、クリップ46の係止脚部48,48を挿通可能に、上下方向(フロントピラー1の軸方向)に沿って2個の挿通孔28aを、並設させている。この取付片部28は、車両搭載時に、クリップ46の後述する補助片50と、ケース31の後述する後側壁部35と、に挟持されるようにして、ケース31側に取り付けられることとなる(図4,11参照)。また、この取付片部28は、エアバッグ25の膨張完了時に、先端28b側を車外側Oに向けるようにして、この先端28b側を、クリップ46の補助片50とケース31の後側壁部35とに挟持された状態で、補助片50の先端側から延びるように、配置されることとなる(図11参照)。そして、この取付片部28により、膨張完了時の膨張本体部26は、車体を構成するフロントガラス6側(後方側)に引き付けられるような態様となる。また、実施形態の場合、エアバッグ25は、図3,4に示すように、平らに展開した状態で車幅方向側(左右方向側)の幅寸法を縮めるように蛇腹折りされた状態で、ケース31内に収納されている。
折り畳まれたエアバッグ25を収納させる収納部位としてのケース31は、通常の車両において、フロントピラー1とフロントガラス6との境界部位に配置されるウィンドトリムの部位に配置されるもので、フロントガラス6の外縁6a側(図3,4における右縁側)において、図2に示すように、フロントガラス6の前後の略全域にわたって、フロントピラー1に沿うように、配設されている。また、実施形態の場合、この収納部位としてのケース31は、下側2/3程度の領域の内部に、折り畳まれたエアバッグ25を収納させている(図1参照)。
ケース31は、合成樹脂製として、折り畳まれたエアバッグ25におけるフロントピラー1の軸直交方向側の四方を囲むように、折り畳まれたエアバッグ25のフロントピラー1側を覆うように配置される外側壁部33と、折り畳まれたエアバッグ25のフロントガラス6側を覆うように配置される内側壁部34と、折り畳まれたエアバッグ25の前方を覆う前側壁部38と、折り畳まれたエアバッグ25の後方を覆う後側壁部35と、の4つの壁部を連結させて構成されている。ケース31は、実施形態の場合、左右方向側の幅寸法を、上下の全域にわたって略一定として、図5に示すように、下部から上部にかけて高さ(前後方向側の幅寸法、前側壁部38と後側壁部35との離隔距離)を漸減させるように、構成されている。また、ケース31は、下端側を、エアバッグ25の接続口部27を挿通可能に開口させて構成されるとともに(図5参照)、上端側を、図示しないキャップ等により閉塞されている。
実施形態のケース31では、外側壁部33,内側壁部34,後側壁部35が、一体として形成され、前側壁部38は、外側壁部33,内側壁部34,後側壁部35と別体として、構成されている。そして、前側壁部38は、左右両縁(車幅方向に沿った車内外方向の両縁)側を、それぞれ、外側壁部33及び内側壁部34の前端側と、溶着させることにより、外側壁部33及び内側壁部34と連結されている。詳細に説明すれば、前側壁部38の左右両縁側には、それぞれ、外側壁部33及び内側壁部34側となる後方に向かって突出するような外側突出部39,内側突出部40が、上下の全域にわたって配設されている(図3〜5,8参照)。この外側突出部39,内側突出部40は、先端面(後端面)39a,40aを、それぞれ、外側壁部33及び内側壁部34の前端面33a,34aに沿うように、左右方向に略沿わせる構成とするとともに、左右の幅寸法も、外側壁部33,内側壁部34の前端面33a,34aの左右の幅寸法と、それぞれ、一致させて構成している(図8参照)。そして、この外側突出部39,内側突出部40の後端面39a,40aを、それぞれ、全面にわたって、外側壁部33及び内側壁部34の前端面33a,34aに溶着させることにより、前側壁部38は、外側壁部33及び内側壁部34に連結されている。
外側壁部33は、図3,4に示すように、フロントピラー1における車内側I(左側)の面に略沿うように配置されるとともに、厚さを略一定として形成されている。また、外側壁部33は、前端近傍の領域を、前側壁部38の外側突出部39と溶着される前端面33aに向かって、厚さ(左右方向側の幅寸法)を縮められるように構成されている(図8参照)。後側壁部35は、厚さを略一定に構成されている。また、外側壁部33と後側壁部35との境界部位は、図8に示すように、後側壁部35及び外側壁部33よりも厚さを厚くするように、構成されている。また、後側壁部35において、外側壁部33の近傍となる車外側Oの端部(右端)付近には、ケース31をフロントピラー1側に取り付けるためのクリップ46の係止脚部48を挿通可能な挿通孔35aが、形成されている(図4参照)。また、後側壁部35の後面側であって、クリップ46の配置される部位(取付座部14に対応した位置)には、挿通孔35aの車内側I(左側)となる位置に、フロントピラー1に配置される取付座部14の取付壁16の前端16bと当接可能な段差部35bが、形成されている。この段差部35bは、取付座部14に対応した位置において、上下の幅寸法を、取付壁16の上下の幅寸法と略一致させるように、部分的に配置されるもので、クリップ46の係止片49を、係止孔16aの周縁に係止させた状態で、取付壁16の前端16bと当接して、この取付壁16の前端16bの車内側I(左側)への開きを抑制するために、形成されている。
内側壁部34は、図3,4,8に示すように、後端側にかけて厚さを漸増させるように構成されている。また、内側壁部34は、前端面34aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T1を、外側壁部33の前端面33aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T2より大きくするように、構成されている(図8のA参照)。具体的には、内側壁部34の前端面34aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T1は、外側壁部33の前端面33aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T2の2倍程度に設定されている。また、内側壁部34の前端面34aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T1は、図8のAに示すように、後側壁部35の厚さ寸法(前後方向の幅寸法)T3より大きく設定されている。この後側壁部の厚さ寸法(前後方向の幅寸法)T3は、外側壁部33の前端面33aの左右方向の幅寸法(厚さ寸法)T1より僅かに大きく設定されている。そして、内側壁部34と後側壁部35との境界部位付近には、後側壁部35に切り込みを入れるようにして、内側壁部34の車外側面から連なるように、断面略V字形状の切欠凹部36が、形成されている(図8のA参照)。この切欠凹部36は、フロントピラー1の軸方向(長手方向)に沿って、連続的に、全域にわたって、形成されている。そして、実施形態のケース31では、この切欠凹部36の周囲の部位が、エアバッグ25の膨張時において、破断予定部を構成する後述する外側溶着部41の破断後(外側突出部39と外側壁部33との溶着状態の解除後)に、内側壁部34を後側壁部35に対して屈曲可能とする屈曲予定部37を、構成している。この切欠凹部36の切り込み量(深さ)は、作動時において、外側溶着部41(破断予定部)の破断(溶着解除)後、前側壁部38が内側壁部34に対して後述する内側溶着部42の部位で屈曲する前に、内側壁部34を後側壁部35に対して屈曲可能とするように、設定されている。
実施形態の場合、ケース31を構成する前側壁部38と、外側壁部33,内側壁部34,後側壁部35は、ともに、ポリプロピレン製とされており、前側壁部38における外側突出部39,内側突出部40の後端面39a,40aと、外側壁部33,内側壁部34の前端面33a,34aと、を、振動溶着により相互に溶着させて、相互に連結されている。そして、実施形態のケース31では、外側突出部39の後端面39aと外側壁部33の前端面33aとを溶着させて形成される外側溶着部41が、エアバッグ25の膨張時において、上述した切欠凹部36の近傍の部位から構成される屈曲予定部37の屈曲前に、前側壁部38と外側壁部33との連結を解除するように破断される破断予定部を、構成することとなる。また、実施形態のケース31では、内側突出部40の後端面40aと内側壁部34の前端面34aとを溶着させて形成される内側溶着部42が、幅寸法T1,T2の差、換言すれば、溶着面の面積差による溶着強度の差により、破断されることなく、エアバッグ25の膨張時において、屈曲予定部37の屈曲後であって、エアバッグ25の膨張完了前に屈曲される第2屈曲予定部を、構成することとなる。なお、実施形態では、上述したごとく、外側溶着部41は、左右方向側の幅寸法を、内側溶着部42の左右方向側の幅寸法の1/2程度に設定されている。
そして、実施形態のケース31では、インフレーター19の作動時において、エアバッグ25の膨張本体部26が膨張してケース31を構成する各外側壁部33,内側壁部34,後側壁部35,前側壁部38を押圧すると、まず、図8のBに示すように、外側溶着部41(破断予定部)の部位で、前側壁部38と外側壁部33との連結が解除されて、前側壁部38が、外側突出部39側を前方に向けるように押し開かれることとなる。次いで、内側壁部34が、内側壁部34と後側壁部35との境界部位付近に配設される屈曲予定部37(切欠凹部36近傍部位)の部位で屈曲されるようにして、前側壁部38ごとフロントガラス6側となる車内側I(左側)に倒れるように、変形しつつ(図8のC参照)、膨張する膨張本体部26を前方に突出させることとなる。その後、エアバッグ25の膨張完了前に、膨張した膨張本体部26により後方に押圧されて、前側壁部38が、内側壁部34との境界部位となる内側溶着部42(第2屈曲予定部)の部位で屈曲されるようにして、外縁側(外側突出部39側)を、車内側I(左側)に向けるように、さらに開くこととなる(図8のD参照)。そして、実施形態のケース31では、エアバッグ25の膨張完了時に、図10に示すように、ケース31において、後側壁部35から内側壁部34を経て前側壁部38までの部位が、略平らに展開した状態で、膨張本体部26の後面側を支持することとなる。
また、実施形態では、ケース31とフロントガラス6との間には、ケース31とフロントガラス6との間に生じる隙間を塞ぐように、シール部材44が、上下の全域(フロントピラー1の軸方向に沿った全域)にわたって、配設されている(図3,4参照)。さらに、ケース31には、図5に示すように、上下方向(フロントピラー1の軸方向)に沿って複数(実施形態の場合、4個)配設されるクリップ46を用いて、フロントピラー1側に取り付けられている。
各クリップ46は、合成樹脂製とされるもので、実施形態の場合、それぞれ、図6,7に示すように、上下方向(フロントピラー1の軸方向)に略沿って延びる押え板部47と、押え板部47の上下両端側から後方に向かって延びる2つの係止脚部48,48と、を備えている。押え板部47は、外形形状を、長手方向を上下方向に略沿わせた長尺状とされるとともに、車両搭載時において、ケース31の外側壁部33(フロントピラー1におけるアウタパネル2の内側面)に略沿って、配設されている。詳細には、押え板部47は、前側壁部38における外側突出部39から、外側壁部33の上端近傍の部位にかけての内周面側を覆い可能な大きさに、設定されている。各係止脚部48は、先端(後端)側に、係止片49を有するとともに、押え板部47近傍となる元部(前端)側に、補助片50を有する構成とされている。係止片49と補助片50とは、ともに、係止脚部48から車内側I(左側)に突出するように形成されるもので(図4参照)、係止片49は、係止脚部48の先端から車内側Iに向かって突出しつつ、先端49aを前方に向けるように、屈曲させて構成され、フロントピラー1に設けられる取付座部14の取付壁16に形成される係止孔16a周縁に係止される構成である。補助片50は、ケース31の後側壁部35に形成される係止脚部48を挿通させるための挿通孔35aに、挿通不能として、係止片49の係止孔16a周縁への係止時に、エアバッグ25の取付片部28を介して、後側壁部35の前面と当接可能に構成されるもので、実施形態の場合、図4に示すように、後側壁部35に沿って、係止脚部48から左斜め後方に突出するように、形成されている。そして、実施形態では、この補助片50と後側壁部35とにより、取付片部28を挟持して、エアバッグ25の取付片部28を、ケース31側に取り付けるとともに、ケース31とともに、車体側となるフロントピラー1側に取り付ける構成である。
この実施形態のエアバッグ装置Mの車両への搭載について説明すれば、まず、エアバッグ25の膨張本体部26を、平らに展開した状態から、左右方向の幅寸法を縮めるように折り畳み、折り崩れ防止可能な図示しないラッピング材により周囲をくるんで、折り完了体を形成する。なお、接続口部27と取付片部28とは、ラッピング材から突出させておく。次いで、接続口部27に、図示しないクランプを利用して、インフレーター19から延びる接続パイプ21を連結させる。その後、折り畳まれた膨張本体部26を、前側壁部38を連結させる前のケース31において、外側壁部33と内側壁部34との間の隙間から、ケース31内に収納させる。このとき、接続口部27及びインフレーター19は、ケース31の下端側の開口から突出させておく。また、取付片部28は、挿通孔28aの位置を、後側壁部35の挿通孔35aと一致させておく。ついで、各クリップ46を、外側壁部33と内側壁部34との間の隙間から、ケース31内部に挿入させ、エアバッグ25における取付片部28の挿通孔28aを経て、後側壁部35の挿通孔35aに係止片49及び係止脚部48を挿通させるように、前方側から差し込み、補助片50を、取付片部28を介して、挿通孔35aの周縁に係止させる。その後、前側壁部38を、外側壁部33,内側壁部34の前端面33a,34aに、外側突出部39,内側突出部40の後端面39a,40aを当接させつつ、外側壁部33と内側壁部34との間の隙間を塞ぐように重ね、相互に当接している前端面33a,後端面39aの部位と、前端面34a,後端面40aの部位と、に振動溶着を施して外側溶着部41(破断予定部),内側溶着部42(第2屈曲予定部)を形成し、外側壁部33,内側壁部34に前側壁部38を連結させて、エアバッグ組付体を形成する。
次いで、エアバッグ組付体のインフレーター19を、ブラケット22を用いて、フロントフェンダーFFの部位の車体側に取り付け、ケース31の後側壁部35から突出している各クリップ46の係止脚部48を、フロントピラー1側に形成される取付座部14における固定壁15と取付壁16との間の開口14aに挿入させ、係止脚部48の先端側に形成される係止片49を、取付壁16に形成される係止孔16aに挿入させて、係止孔16aの周縁に係止させれば、エアバッグ組付体を、車体側に取り付けることができ、エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
実施形態のエアバッグ装置Mでは、車両Vへの搭載後、インフレーター19が作動されれば、インフレーター19から吐出される膨張用ガスがエアバッグ25の膨張本体部26内に流入して、膨張する膨張本体部26(エアバッグ25)が、ケース31の前側壁部38を押し開きつつ前方へ突出し、図1〜3の二点鎖線、及び、図9,10に示すように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、折り畳まれたエアバッグ25が、収納部位としてのケース31を構成する外側壁部33、内側壁部34、前側壁部38、及び、後側壁部35により、フロントピラー1の軸直交方向側の四方を囲まれるようにして、合成樹脂製のケース31内に、収納されており、また、ケース31は、前側壁部38と外側壁部33との境界部位付近に、エアバッグ25の膨張時に破断可能な破断予定部としての外側溶着部41を配設させ、後側壁部35と内側壁部34との境界部位付近に、破断予定部(外側溶着部41)の破断後に屈曲可能とされる屈曲予定部37を、配設させている構成である。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Mでは、作動時に、ケース31に形成される破断予定部(外側溶着部41)を破断(溶着解除)させ、その後、屈曲予定部37を屈曲させて、エアバッグ25を、ケース31外に突出させる構成であることから、作動前の車両搭載状態では、折り畳まれたエアバッグ25は、エアバッグ25の周囲を隙間なく覆って雨水等を内部に侵入させることを極力抑制された状態として、シール性を良好とされたケース31内に収納されることとなり、ケース31内に収納されるエアバッグ25に雨水等がかかることを極力防止できて、エアバッグ25の耐久性を向上させることができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、ケース31には、略全長にわたって、外側溶着部41(破断予定部)と屈曲予定部37が、形成されており、作動時、外側溶着部41(破断予定部)の溶着解除(破断後)に、さらに屈曲予定部37を屈曲させるようにして、2段階で開いてエアバッグ25を突出させることから、作動時に、部分的に応力集中が生じることを抑制でき、また、エアバッグ25に押圧されて開く部位(前側壁部38と内側壁部34)が、飛散することも確実に防止することができる。さらに、ケース31に形成される屈曲予定部37は、外側溶着部41(破断予定部)と略対角線上となる位置に、形成されており、作動時における外側溶着部41(破断予定部)の溶着解除(破断後)後に、この屈曲予定部37を起点として、前側壁部38と内側壁部34とが、フロントガラス6側に向かうように、大きく開くこととなり、前側壁部38と内側壁部34とが開いて形成された大きな開口から、エアバッグ25を前方に突出させることができることから、エアバッグ25を、フロントピラー1の前面1aを迅速に覆うように膨張させることも可能である。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、シール性を良好としたケース31(収納部位)内にエアバッグ25を収納させることができ、かつ、作動時におけるケース31の飛散も的確に防止できる。
さらに、実施形態のエアバッグ装置Mでは、前側壁部38を、外側壁部33及び内側壁部34と別体として、外側壁部33及び内側壁部34に対して溶着により連結させている。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Mでは、ケース31が、前側壁部38と、残りの3つの壁部の部位(外側壁部33,内側壁部34,後側壁部35)と、の2部材から構成され、折り畳まれたエアバッグ25を、外側壁部33と内側壁部34との間の隙間から内部に収納させ、その後、この隙間を塞ぐように、前側壁部38を、外側壁部33と内側壁部34とに溶着させれば、ケース31内に、折り畳まれたエアバッグ25を収納させることができる。そのため、全体を一体的に形成されるケース31により、折り畳まれたエアバッグ25の周囲を隙間なく覆うことができ、ケース31のシール性を一層向上させることができる。勿論、このような点を考慮しなければ、ケースを、一枚の板状部材を曲げて、縁部相互をビス等を用いて連結させるように構成するとともに、破断予定部を、前側壁部と外側壁部との境界部位付近に形成される凹溝状の脆弱部等から形成するような構成としてもよい。
さらにまた、実施形態のエアバッグ装置Mでは、内側壁部34と前側壁部38との境界部位付近に、エアバッグ25の膨張時における屈曲予定部37の屈曲後であって、かつ、エアバッグ25の膨張完了前に、屈曲可能とされる第2の屈曲予定部(内側溶着部42)が、形成されており、ケース31は、エアバッグ25の膨張完了時に、後側壁部35から前側壁部38にかけての部位を、屈曲予定部37と内側溶着部42(第2屈曲予定部)との部位で屈曲させて、略平らに展開させた状態で、エアバッグ25の膨張本体部26の後方側を支持することとなる。そのため、実施形態のエアバッグ装置Mでは、前側壁部38が、後側壁部35から内側壁部34を経て、平らに展開され、かつ、反転された状態で、膨張したエアバッグ25の膨張本体部26により、フロントガラス6に向かって押圧されることから、前側壁部38が、内側溶着部42の部位で内側壁部34から分離して飛散することや、内側壁部34が、屈曲予定部37(切欠凹部36)の部位で後側壁部35に対して分離されることを、確実に防止することができる。なお、詳細には、エアバッグ25の膨張完了時に、前面側をフロントガラス6側に向けるように反転された前側壁部38は、膨張した膨張本体部26により押圧されて、前方に向かって突出している外側突出部39を、倒される場合も生ずることとなる(図11の二点鎖線参照)。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、膨張完了時のエアバッグ25(膨張本体部26)の後方の大部分の領域を、合成樹脂製のケース31(後側壁部35,内側壁部34,前側壁部38)により支持させることができることから、膨張完了時のエアバッグ25により歩行者を受け止めた際に、歩行者に与える反力を極力抑制することができて、歩行者をソフトに受け止めることもできる。
1…フロントピラー、
1a…前面、
6…フロントガラス、
6a…外縁、
19…インフレーター、
25…エアバッグ、
31…ケース、
33…外側壁部、
34…内側壁部、
35…後側壁部、
36…切欠凹部、
37…屈曲予定部、
38…前側壁部、
41…外側溶着部(破断予定部)、
42…内側溶着部(第2屈曲予定部)、
V…車両、
M…エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 車両におけるフロントピラーとフロントガラスとの境界部位付近に配設される収納部位に折り畳まれて収納されるとともに、該フロントピラーの前面側を覆うように膨張可能なエアバッグを備える構成とされて、
    該エアバッグが、膨張完了形状を、軸方向を前記フロントピラーの軸方向に略沿わせた長尺状として、構成されるとともに、車幅方向側の幅寸法を縮められるように折り畳まれて、前記フロントピラーに沿って配設される前記収納部位内に収納される構成のエアバッグ装置であって、
    前記収納部位が、合成樹脂製とされて、
    折り畳まれた前記エアバッグにおける前記フロントピラーの軸直交方向側の四方を囲むように、折り畳まれた前記エアバッグの前記フロントピラー側を覆うように配置される外側壁部と、折り畳まれた前記エアバッグの前記フロントガラス側を覆うように配置される内側壁部と、折り畳まれた前記エアバッグの前方を覆う前側壁部と、折り畳まれた前記エアバッグの後方を覆う後側壁部と、の4つの壁部を連結させて構成されるとともに、
    前記収納部位の略全長にわたって、前記外側壁部と前記前側壁部との境界部位付近に、前記エアバッグの膨張時に破断可能な破断予定部を配設させ、前記内側壁部と前記後側壁部との境界部位付近に、前記エアバッグの膨張時において前記破断予定部の破断後に屈曲可能とされる屈曲予定部を、配設させて構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記前側壁部が、前記外側壁部及び前記内側壁部と別体として、前記外側壁部及び前記内側壁部に対して溶着により連結される構成とされ、
    前記破断予定部が、前記前側壁部と前記外側壁部とを溶着させる外側溶着部位から構成され、
    該外側溶着部位が、前記前側壁部と前記内側壁部とを溶着させる内側溶着部位よりも、幅寸法を小さく設定されるとともに、前記エアバッグの膨張時における前記屈曲予定部の屈曲前に、前記前側壁部と前記外側壁部との溶着状態を解除可能に、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記内側壁部と前記前側壁部との境界部位付近に、前記エアバッグの膨張時における前記屈曲予定部の屈曲後であって、かつ、前記エアバッグの膨張完了前に、屈曲可能とされる第2の屈曲予定部が、形成され、
    前記収納部位が、前記エアバッグの膨張完了時に、前記後側壁部から前記前側壁部にかけての部位を、前記屈曲予定部と前記第2の屈曲予定部との部位で屈曲させて、略平らに展開させた状態で、前記エアバッグの後方側を支持可能な構成とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
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