JP2012075619A - 有床義歯とこれに使用される人工歯 - Google Patents

有床義歯とこれに使用される人工歯 Download PDF

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Abstract

【課題】義歯床に人工歯をしっかりと抜けないように固定する。
【解決手段】有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床4に、人工歯2の付け根部を埋設している。人工歯2は、義歯床4のプラスチックが流入される貫通孔3を付け根部に設けて、貫通孔3の両端開口部を、義歯床4に埋設している。さらに、人工歯2は、貫通孔3の両端を隣の歯との対向面に開口して、この貫通孔3にエアーベント孔5を連結して設けている。エアーベント孔5は、一端を貫通孔3に連結して、他端を、人工歯2の舌側面であって基底結節2aと切縁2bとの間に位置し、かつ義歯床4から露出する部分に開口している。有床義歯は、貫通孔3とエアーベント孔5に、義歯床4を成形するプラスチックを注入して、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設して固定している。
【選択図】図4

Description

本発明は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している有床義歯と、この有床義歯に使用される人工歯に関する。
有床義歯は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している。この有床義歯は、義歯床をアクリル樹脂ポリマーと液状のアクリル樹脂モノマー及び架橋剤等を混合してなる熱硬化性のアクリル樹脂や熱可塑性のポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、あるいはポリエステル樹脂等で成形する。義歯床を成形するときに、人工歯の付け根部が埋設して固定される。人工歯は、プラスチックやセラミック等で製作される。この有床義歯は、石膏型に付け根部を埋設する人工歯を仮止めし、この状態でペースト状のプラスチックを充填し、プラスチックを熱硬化あるいは熱可塑性樹脂においては冷却硬化させて製作される。この状態で製作された有床義歯は、プラスチックで成形される義歯床に、人工歯の付け根部が埋設して固定される。
この構造の有床義歯は、使用する状態で人工歯が義歯床から抜けることがある。人工歯は、プラスチックやセラミック、金属等で製作できるが、加工適性やコスト、外観等の点からプラスチック製のものが大半を占め、さらに、人工歯の全体あるいは少なくとも義歯床に埋設される基底部がアクリル樹脂を基材として製作されることが多い。一方、義歯床に用いられるプラスチックは、各種熱可塑性樹脂も用いられ、加熱溶融した状態で充填し冷却硬化するだけでは、人工歯との化学的な結合力はほとんど期待できない。とくに、義歯床のプラスチック材料の種類が、人工歯と異なる場合は顕著である。この弊害を防止するために、付け根部に貫通孔を設て、この貫通孔を義歯床に埋設する人工歯が開発されている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載される有床義歯を図1に示す。この図の有床義歯11は、人工歯12に設けた貫通孔13に義歯床14のプラスチックを流入して硬化させる。この人工歯12は、貫通孔13に流入して硬化されるプラスチックを義歯床14に連結して、義歯床14からの抜けを防止する。ただ、この構造の人工歯12は、現実の製造工程において、貫通孔13に義歯床14のプラスチックをスムーズに流入するのが極めて難しい。それは、貫通孔13の両端開口部からプラスチックが流入され、内部の空気Aをスムーズに排気できないからである。貫通孔13は空気を排気できないかぎり、全体にプラスチックを充填できない。貫通孔13の空気がプラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13に空気が溜まると、成形室に加圧状態でプラスチックを充填しても、貫通孔13の全体にはプラスチックを充填できない。空気が圧縮されて、プラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13にプラスチックが充填されない人工歯12は、しっかりと義歯床14に連結できない。それは、貫通孔13に流入されるプラスチックが、貫通孔13の内部で切断されるからである。この状態で義歯床14に埋設される人工歯12は、貫通孔13の途中まで流入されたプラスチックは変形しやすく、またこれが変形すると、人工歯12が義歯床14から抜けてしまう。このため、貫通孔13を設けるにもかかわらず、人工歯12をしっかりと抜けないように義歯床14に埋設して固定できない欠点がある。
本発明者は、この欠点を解決することを目的として、図2に示す有床義歯を開発した、この有床義歯21は、プラスチックを成形している義歯床24に人工歯22の付け根部を埋設している。人工歯22は、義歯床24のプラスチックを流入される貫通孔23aを付け根部に設けて、この貫通孔23aの両端開口部を、義歯床24に埋設している。さらに、この有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aの両端を、隣の歯との対向面に開口すると共に、この貫通孔23aに人工歯22の内部で連結する縦孔23bを設けている。縦孔23bは、一端を貫通孔23aに連結して、他端を人工歯22の基底側に開口している。さらに、縦孔23bの開口部は、貫通孔23aの開口部よりも人工歯22の基底部側の先端側に位置させている。この縦孔23bと貫通孔23aに、義歯床24を成形するプラスチックを流入して、人工歯22の付け根部を義歯床24に埋設してしっかりと固定している。
以上の有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aが、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔23aに連結するように人工歯22に縦孔23bを設け、さらに縦孔23bの一端を貫通孔23aに連結して他端を人工歯22の基底側に開口し、また、縦孔23bの開口部を貫通孔23aの開口部よりも、人工歯22の基底部側の先端側に位置させて、縦孔23bと貫通孔23aに義歯床24のプラスチックを流入する。とくに、この有床義歯21は、貫通孔23aに連結している縦孔23bの開口部を貫通孔23aよりも人工歯22の基底部側の先端側に開口している。この人工歯22は、基底部側の先端側に開口している縦孔23bに、義歯床24を充填するペースト状のプラスチックを貫通孔23aよりも先に充填するように設計している。貫通孔23aよりも縦孔23bに先にプラスチックを充填して、縦孔23bにプラスチックを充填するときには、貫通孔23aの開口部からはプラスチックが充填されないように設計している。この状態でプラスチックを充填して、縦孔23bから充填されるプラスチックで貫通孔23aの開口部から空気を排気し、プラスチックを縦孔23bから貫通孔23aに充填するようにしている。この状態でプラスチックを充填できると、縦孔23bと貫通孔23aに、スムーズに空気を排気しながら義歯床24のプラスチックを充填できる。義歯床24のプラスチックを縦孔23bと貫通孔23aに隙間なく充填できると、プラスチックを介して人工歯22を義歯床24にしっかりと連結して、使用中における人工歯22の脱落を確実に阻止できる。
特開2002−238925号公報 特開2008−23104号公報
図2に示す有床義歯21は、縦孔23aと貫通孔23bに義歯床24を成形するプラスチックを完全に充填して、人工歯22を脱落しないように義歯床24に固定できる。ただ、このことを実現するには、貫通孔よりも縦孔に先にプラスチックを注入し、縦孔に注入されるプラスチックでもって縦孔と貫通孔の空気を排出しながら充填する必要がある。ただ、人工歯を仮止めしている石膏型に、ペースト状のプラスチックを注入して義歯床を成形する工程で、プラスチックの注入を正確にコントロールすることは難しい。とくに、多数の人工歯を石膏型に仮止めして、プラスチックを注入するとき、全ての人工歯に縦孔から先にプラスチックを注入するのは極めて難しい。ペースト状のプラスチックを注入するときに、いずれかの人工歯に、貫通孔と縦孔の両方からプラスチックが注入されると、縦孔や貫通孔に残存する空気をスムーズに排出できず、この人工歯を脱落しないように義歯床に固定するのが難しくなる。
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の重要な目的は、義歯床を成形するプラスチックの注入を正確にコントロールすることなく、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる有床義歯と、この有床義歯に使用する人工歯を提供することにある。
本発明の有床義歯とこれに使用される人工歯は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
本発明の第1の発明にかかる有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床4と、この義歯床4に付け根部を埋設している人工歯2とを備えており、人工歯2が、義歯床4のプラスチックが流入される貫通孔3を付け根部に設けて、この貫通孔3の両端開口部を、義歯床4に埋設している。さらに、この有床義歯1は、人工歯2に設けている貫通孔3が、隣の歯との対向面に両端を開口して、この貫通孔3に人工歯2の内部で連結するエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5は、一端を貫通孔3に連結して、他端を、人工歯2の舌側面であって基底結節2aと切縁2bとの間に位置し、かつ義歯床4から露出する部分に開口している。このエアーベント孔5と貫通孔3に、義歯床4を成形するプラスチックを流入して、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設してしっかりと固定している。
本発明の第2の発明にかかる有床義歯は、エアーベント孔5を貫通孔3に対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第3の発明にかかる有床義歯は、貫通孔3とエアーベント孔5が、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明の第4の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、プラスチック製の義歯床4に付け根部を埋設して固定される。さらに、この人工歯2は、義歯床4を成形するプラスチックが流入される貫通孔3を付け根部に設けている。人工歯2は、貫通孔3に義歯床4のプラスチックを流入して義歯床4に埋設して固定される。さらに、この人工歯2は、付け根部に設けている貫通孔3の両端を、隣の歯との対向面に開口して、この貫通孔3に人工歯2の内部で連結するようにエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5は、一端を貫通孔3に連結して、他端を、人工歯2の舌側面であって基底結節2aと切縁2bとの間に位置し、かつ義歯床4から露出する部分に開口している。人工歯2は、エアーベント孔5と貫通孔3に、義歯床4を成形するプラスチックを流入して、付け根部を義歯床4に埋設して固定する構造としている。
本発明の第5の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、エアーベント孔5が貫通孔3に対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第6の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、貫通孔3とエアーベント孔5が、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明は、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。それは、人工歯に設けている貫通孔が、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔に連結するように人工歯にエアーベント孔を設け、さらにエアーベント孔の一端を貫通孔に連結して、他端を、人工歯の舌側面であって基底結節と切縁との間に位置し、かつ義歯床から露出する部分に開口して、貫通孔とエアーベント孔に義歯床のプラスチックを流入するからである。貫通孔に連結しているエアーベント孔は、その開口部を、人工歯の舌側面であって基底結節と切縁との間に位置し、かつ義歯床から露出する部分に開口している。舌側面であって義歯床から露出する面に開口されるエアーベント孔は、義歯床を充填するペースト状のプラスチックが貫通孔から充填される。貫通孔にプラスチックが充填されるとき、エアーベント孔にはプラスチックが充填されず、貫通孔の空気をスムーズに排気する。エアーベント孔の開口部は、舌側面であって義歯床から露出する舌側面に位置する。したがって、義歯床をプラスチックで成形する工程で、エアーベント孔の開口部は石膏型で閉塞される。石膏型はプラスチックを透過させないが空気を透過させる。したがって、貫通孔に注入されるプラスチックで排気される空気は、エアーベント孔から石膏型を透過して外部にスムーズに排気される。さらに、義歯床から露出する部分に位置するエアーベント孔の開口部は、石膏型で閉塞されるので、ここから義歯床を成形するプラスチックが注入されることはない。このため、貫通孔にプラスチックを注入する工程で、貫通孔の空気はエアーベント孔から確実に排気される。貫通孔に充填したプラスチックは、貫通孔からエアーベント孔に充填されて、エアーベント孔にプラスチックが充填される。エアーベント孔は、貫通孔に連結する片側からのみプラスチックが注入される。したがって、エアーベント孔にプラスチックを注入する工程では、石膏型で閉塞している開口部から確実に空気を排気することができる。このため、エアーベント孔も空気を残存することなく、隙間なくプラスチックを充填できる。プラスチックが充填されたエアーベント孔の開口部は、人工歯の表面に露出するが、この面は人工歯の舌側面に位置して、外部から見えることはない。
したがって、本発明は、人工歯の貫通孔に連結して、独特の位置に設けているエアーベント孔によって、内部の空気をスムーズに確実に排気しながら、貫通孔とエアーベント孔の両方に義歯床のプラスチックを充填できる特徴がある。貫通孔とエアーベント孔にプラスチックを充填して成形される義歯床は、貫通孔に充填しているプラスチックを介して人工歯をしっかりと連結して、使用中における人工歯の脱落を確実に阻止できる。
また、本発明は、人工歯に設けている貫通孔の開口部を隣の歯との対向面に設け、さらにエアーベント孔の開口部を人工歯の舌側面に開口しているので、貫通孔とエアーベント孔の開口部が目立つことがなく、従来の人工歯と同じ外観としながら、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。
従来の有床義歯を示す断面図である。 本発明者が先に開発した有床義歯の断面斜視図である。 本発明の一実施例にかかる有床義歯の斜視図である。 図3に示す有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図3に示す有床義歯の垂直端面図である。 本発明の他の実施例にかかる有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図6に示す有床義歯の垂直端面図である。 本発明の他の実施例にかかる有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図8に示す有床義歯の垂直端面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための有床義歯とこれに使用される人工歯を例示するものであって、本発明は有床義歯とこれに使用される人工歯を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図3は、義歯床4と複数の人工歯2からなる有床義歯1を示す。この図の有床義歯1は、前歯と臼歯の両方からなる全ての人工歯2を義歯床4に固定している。ただし、本発明の有床義歯は、前歯と臼歯からなる全ての歯を義歯床に固定する構造、すなわち無歯顎者のための全部床義歯、いわゆる総義歯に特定しない。有床義歯は、前歯や臼歯の一部の人工歯を義歯床に固定し、あるいは前歯や臼歯のみを義歯床に固定する構造、いいかえると、歯が一部欠損している者に用いられる局部床義歯にも適用することができる。複数の人工歯2は、天然歯と同じように、隣接して配設される人工歯2の境界に凹部ができる状態で義歯床4に固定される。人工歯2は、図3に示すように、その一部である付け根部を義歯床4に埋設し、残り一部の表面を義歯床4から突出するようにして、義歯床4に固定される。
図4は、図3の有床義歯1の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。さらに、図5は、図4に示す有床義歯1の垂直端面図である。図4と図5において、人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように、内部に貫通孔3を設けている。この貫通孔3は、義歯床4を成形するプラスチックを充填し、このプラスチックを義歯床4に一体的に連結して、人工歯2を義歯床4にしっかりと連結する。貫通孔3は、内径を約1mmとする円柱形で、人工歯2に横に貫通して設けられる。この貫通孔3は、ドリルでせん孔して設けられる。貫通孔3の内径は、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また、充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。したがって、貫通孔3は直径を小さくとも0.5mm以上とする。また、貫通孔3が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下する。したがって、貫通孔3の直径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。
さらに、人工歯2は、貫通孔3に連結して、人工歯2の内部にエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5は、一端を貫通孔3に連結して、他端を人工歯2の表面に開口している。さらに、エアーベント孔5は、その開口部を、人工歯2の舌側面であって基底結節2aと切縁2bとの間に位置し、かつ義歯床4から露出する部分に開口して、義歯床4のプラスチックを石膏型に充填するときに、貫通孔3とエアーベント孔5の空気をスムーズに排気できるようにしている。エアーベント孔5は、内径を約1mmとする円柱形である。エアーベント孔5は、ドリルで貫通孔3をせん孔した後、ドリルでせん孔して設けられる。エアーベント孔5の内径は、貫通孔3と同じように、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックをスムーズに充填できなくなる。したがって、エアーベント孔5の内径は、小さくとも0.5mm以上とする。また、エアーベント孔5が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下するので、エアーベント孔5の内径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。エアーベント孔5と貫通孔3は、同じ内径とし、あるいはエアーベント孔5の内径を貫通孔3よりも大きくする。
図4と図5の人工歯2は、貫通孔3の中央部分にエアーベント孔5を連結している。また、エアーベント孔5を貫通孔3に対して略直交するように設けている。この人工歯2は、貫通孔3の両端から注入されるプラスチックを中央部のエアーベント孔5に流入させて、貫通孔の空気をエアーベント孔から確実に排気し、エアーベント孔と貫通孔の全体にスムーズにプラスチックを充填できる。
以上の人工歯2は、貫通孔3とエアーベント孔5をほぼ直交するように連結しているが、両孔の交わり角度はこれに限定しない。例えば、貫通孔3に対しエアーベント孔5が傾斜するように連結して、エアーベント孔5の長さを延伸させることも可能である。これにより貫通孔3とエアーベント孔5に、義歯床4を成形するプラスチックをスムーズに充填できる構造にでき、後述するが、孔に充填される樹脂と人工歯2との接着度が増す効果が得られる。
さらに、以上の人工歯2は、貫通孔3を歯の配列方向、すなわち、歯科的な表現における近遠心方向に直線状に開口しているが、貫通孔は、必ずしも直線状に開口する必要ない。貫通孔は、たとえば、両端の開口部から中央部に設けたエアーベント孔に向かって上り勾配に、すなわち、山形に開口することも、両端の開口部から中央部に設けたエアーベント孔に向かって下り勾配に、すなわち、谷形に開口することもできる。これらの人工歯も、貫通孔の両端から注入されるプラスチックを中央部のエアーベント孔に流入させて、エアーベント孔と貫通孔の全体にスムーズにプラスチックを充填できる。
さらに、図6と図7に示す人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように内部に貫通孔3を設けて、この貫通孔3に連結してエアーベント孔5を設けると共に、この貫通孔3の基底側にスリット6を設けている。このスリット6は、一端を貫通孔3に連結して、他端を基底側に開口している。図に示す人工歯2は、貫通孔3に沿って伸びるスリット6を設けており、スリット6の両端の開口部を、隣の歯との対向面に開口している。すなわち、図に示す人工歯2は、貫通孔3の全体にわたってスリット6を設けて、全体の形状を溝状としている。ただ、スリットは、必ずしも貫通孔の全体にわたって設ける必要はなく、貫通孔の両端部に設けることも、一方の端部にのみ設けることもできる。
図に示すスリット6は、開口部の内幅(d)を貫通孔3の内径(r)よりも狭くするアンダーカット形状としている。貫通孔3とスリット6をアンダーカット形状に設ける人工歯2は、ここに義歯床4のプラスチックを充填して、より抜けないように義歯床4に固定できる。それは、貫通孔3に充填されて硬化するプラスチックがスリット6を通過するのを阻止して、人工歯2が抜けるのを確実に阻止するからである。貫通孔3とスリット6をアンダーカット状とする構造は、スリット6の内幅(d)と貫通孔3の内径(r)との比率(r/d)を、たとえば1.1〜2、好ましくは1.1〜1.5としてアンダーカット状に加工される。ただ、貫通孔の両端部や一方の端部にのみスリットを設けて、中央部にスリットを設けない構造は、スリットの内幅を貫通孔の内径に等しく、あるいはこれより大きくして、貫通孔とスリットとをアンダーカット形状とすることなく人工歯が抜けるのを阻止できる。
この人工歯2は、貫通孔3とエアーベント孔5をドリルで穿孔して設け、スリット6を回転する円盤状のカッターで切削して設けることができる。スリット3は、内幅を1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。スリット3の内幅は0.5mm以上として、人工歯2を義歯床4に抜けないように固定できる。また、スリット3の内幅が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下する。したがって、スリット3の内幅(d)は、好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。貫通孔3に連結してスリット6を設けている人工歯2は、義歯床4のプラスチックをスリット6と貫通孔3に充填しながら、エアーベント孔5から空気を排気して、スリット6と貫通孔3にプラスチックをスムーズに充填できる。
さらに、図8と図9に示す人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように内部に貫通孔3を設けて、この貫通孔3に連結してエアーベント孔5を設けると共に、貫通孔3に連結して、人工歯2の内部に縦孔7を設けている。縦孔7は、一端を貫通孔3に連結して、他端を人工歯2の基底側に開口している。さらに、縦孔7は、その開口部を、貫通孔3の開口部よりも、人工歯2の基底部側の先端側に設けて、義歯床4のプラスチックをスムーズに充填できるようにしている。縦孔7は、内径を約1mmとする円柱形である。縦孔7は、ドリルで貫通孔3をせん孔した後、ドリルでせん孔して設けられる。縦孔7の内径は、貫通孔3と同じように、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックをスムーズに充填できなくなり、また充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。したがって、縦孔7の内径は、小さくとも0.5mm以上とする。また、縦孔7が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下するので、縦孔7の内径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。縦孔7と貫通孔3は、同じ内径とし、あるいは縦孔7の内径を貫通孔3よりも大きくする。貫通孔3に連結して縦孔7を設けている人工歯2は、義歯床4のプラスチックを縦孔7と貫通孔3に充填しながら、エアーベント孔5から空気を排気して、縦孔7と貫通孔3にプラスチックをスムーズに充填できる。図8は、縦孔7を円形とするが、この縦孔をスリット状とすることもできる。
(材料)
以上の人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂が使用される。人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。
また、義歯床4は、天然の歯肉と同じ形状に外形を成形している。有床義歯1は、必ずしも歯肉に装着されるとは限らない。たとえば、隣の残存歯に連結固定して装着される有床義歯もあるので、義歯床4は装着される構造に最適な形状に成形される。さらに、義歯床4は、たとえばアクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂で成形される。義歯床4を成形する合成樹脂は、歯肉色の着色がされており、赤に着色された繊維を混入させたものもある。この義歯床4は、天然の歯肉に極めて近似する表面模様にできる。それは、赤い繊維が、歯肉の血管と同じように見えるからである。この義歯床4は金属床と呼ばれる床の一部を金属プレートとするものも存在するが、人工歯と接する顎提部分は人工歯を埋没固定する目的もあり合成樹脂が用いられる。義歯床は、失われた歯槽骨、歯肉の回復であり、生理学的、機能的、審美的に形態が決定される。
以上の実施例は、人工歯2及び義歯床4に同一のアクリル系樹脂を使用する。これは、アクリル樹脂は無色透明で、硬く、かつ耐候性に優れているからである。とくに透明性は通常知られている樹脂中もっとも高い上、強靱であり、安全性が高く、着色、加工も容易である。さらに、人工歯2及び義歯床4の両者に同一の材料を用いることで、両者の接着度を高める効果を奏する。
(製造工程)
人工歯2を義歯床4に埋没させた有床義歯1は、次のようにして作られる
1.患者の歯の模型を元に、蝋で成型した義歯床に人工歯を配列し、蝋義歯を形成する。
2.1の蝋義歯を金属製の入れ物(フラスコ)に入れ、蝋義歯の周りに石膏を流して固める。1の蝋義歯が石膏型に埋没する。
3.2を加熱して蝋を溶融し、溶融状態の蝋を石膏型から排出、除去して、義歯床を成形する部分を空洞とする石膏型とする。この石膏型は、義歯床を成形する空洞に人工歯の付け根部を突出するように仮止めしている。人工歯の空洞に突出する部分は、義歯床に埋設される。
4.石膏型の空洞部分に、ペースト状のアクリル系樹脂などの未硬化樹脂を充填する。
5.充填された未硬化状態の樹脂を重合硬化して、人工歯の付け根部を義歯床に埋設している有床義歯が得られる。
6.石膏型から有床義歯を分離させる。
上記3と4の工程について詳述する。3の工程は、蝋を溶融して石膏型から排出して空洞とし、この空洞に未硬化樹脂を充填して義歯床を成型する。4の工程において、図4と図5に示す人工歯では、人工歯2に設けた貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。具体的には、上記3の工程で蝋の除去された石膏型の空洞部にペースト状の未硬化樹脂を充填させると、人工歯2の貫通孔3に両端部から流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、貫通孔3とエアーベント孔5内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。エアーベント孔5の開口部は、人工歯2の露出部に位置して、義歯床4の内部にはないので、エアーベント孔5の開口部は石膏型に閉塞される。エアーベント孔5の開口部を閉塞している石膏型は、未硬化樹脂を通過させないが、空気を通過させる。したがって、貫通孔3に未硬化樹脂を注入する工程で、貫通孔3とエアーベント孔5の空気は開口部から排気され、未硬化樹脂は貫通孔3からエアーベント孔5に注入される。したがって、貫通孔3とエアーベント孔5は、空気を残存させることなく、内部まで隙間なく未硬化樹脂が注入される。
また、図6と図7に示す人工歯2では、上記4の工程において、人工歯2に設けたスリット6と貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。石膏型の空洞部に充填されるペースト状の未硬化樹脂は、人工歯2に開口された貫通孔3の両端開口部とスリット6とから貫通孔3の内部に流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、貫通孔3とスリット6内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。
さらにまた、図8と図9に示す人工歯2では、上記4の工程において、人工歯2に設けた縦孔7と貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。石膏型の空洞部に充填されるペースト状の未硬化樹脂は、人工歯2に開口された貫通孔3の両端開口部と縦孔7とから貫通孔3の内部に流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、縦孔7と貫通孔3内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。
以上のように、貫通孔3に未硬化樹脂が注入されると、貫通孔3とエアーベント孔5内の空気はエアーベント孔5の開口部から排気されて、貫通孔3とエアーベント孔5に空気は残存しない。このため、未硬化樹脂は貫通孔3とエアーベント孔5に隙間無く充填される。また、人工歯2と義歯床4の両方をアクリル系樹脂として、同じ材質として、化学的物性を同一としながらしっかりと連結できる。この有床義歯1は、義歯床4のアクリル系樹脂を重合硬化させて、人工歯2内の貫通孔3とエアーベント孔5の樹脂と義歯床4の樹脂を一体的に連結して、同素材として人工歯2との密着度を高くできる。よって人工歯2と義歯床4とが強度に接着された、安定性の高い有床義歯1が得られる。
1…有床義歯
2…人工歯
2a…基底結節
2b…切縁
3…貫通孔
4…義歯床
5…エアーベント孔
6…スリット
7…縦孔
11…有床義歯
12…人工歯
13…貫通孔
14…義歯床
21…有床義歯
22…人工歯
23a…貫通孔
23b…縦孔
24…義歯床
A…空気
本発明は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している有床義歯と、この有床義歯に使用される人工歯に関する。
有床義歯は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している。この有床義歯は、義歯床をアクリル樹脂ポリマーと液状のアクリル樹脂モノマー及び架橋剤等を混合してなる熱硬化性のアクリル樹脂や熱可塑性のポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、あるいはポリエステル樹脂等で成形する。義歯床を成形するときに、人工歯の付け根部が埋設して固定される。人工歯は、プラスチックやセラミック等で製作される。この有床義歯は、石膏型に付け根部を埋設する人工歯を仮止めし、この状態でペースト状のプラスチックを充填し、プラスチックを熱硬化あるいは熱可塑性樹脂においては冷却硬化させて製作される。この状態で製作された有床義歯は、プラスチックで成形される義歯床に、人工歯の付け根部が埋設して固定される。
この構造の有床義歯は、使用する状態で人工歯が義歯床から抜けることがある。人工歯は、プラスチックやセラミック、金属等で製作できるが、加工適性やコスト、外観等の点からプラスチック製のものが大半を占め、さらに、人工歯の全体あるいは少なくとも義歯床に埋設される基底部がアクリル樹脂を基材として製作されることが多い。一方、義歯床に用いられるプラスチックは、各種熱可塑性樹脂も用いられ、加熱溶融した状態で充填し冷却硬化するだけでは、人工歯との化学的な結合力はほとんど期待できない。とくに、義歯床のプラスチック材料の種類が、人工歯と異なる場合は顕著である。この弊害を防止するために、付け根部に貫通孔を設て、この貫通孔を義歯床に埋設する人工歯が開発されている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載される有床義歯を図1に示す。この図の有床義歯11は、人工歯12に設けた貫通孔13に義歯床14のプラスチックを流入して硬化させる。この人工歯12は、貫通孔13に流入して硬化されるプラスチックを義歯床14に連結して、義歯床14からの抜けを防止する。ただ、この構造の人工歯12は、現実の製造工程において、貫通孔13に義歯床14のプラスチックをスムーズに流入するのが極めて難しい。それは、貫通孔13の両端開口部からプラスチックが流入され、内部の空気Aをスムーズに排気できないからである。貫通孔13は空気を排気できないかぎり、全体にプラスチックを充填できない。貫通孔13の空気がプラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13に空気が溜まると、成形室に加圧状態でプラスチックを充填しても、貫通孔13の全体にはプラスチックを充填できない。空気が圧縮されて、プラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13にプラスチックが充填されない人工歯12は、しっかりと義歯床14に連結できない。それは、貫通孔13に流入されるプラスチックが、貫通孔13の内部で切断されるからである。この状態で義歯床14に埋設される人工歯12は、貫通孔13の途中まで流入されたプラスチックは変形しやすく、またこれが変形すると、人工歯12が義歯床14から抜けてしまう。このため、貫通孔13を設けるにもかかわらず、人工歯12をしっかりと抜けないように義歯床14に埋設して固定できない欠点がある。
本発明者は、この欠点を解決することを目的として、図2に示す有床義歯を開発した、この有床義歯21は、プラスチックを成形している義歯床24に人工歯22の付け根部を埋設している。人工歯22は、義歯床24のプラスチックを流入される貫通孔23aを付け根部に設けて、この貫通孔23aの両端開口部を、義歯床24に埋設している。さらに、この有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aの両端を、隣の歯との対向面に開口すると共に、この貫通孔23aに人工歯22の内部で連結する縦孔23bを設けている。縦孔23bは、一端を貫通孔23aに連結して、他端を人工歯22の基底側に開口している。さらに、縦孔23bの開口部は、貫通孔23aの開口部よりも人工歯22の基底部側の先端側に位置させている。この縦孔23bと貫通孔23aに、義歯床24を成形するプラスチックを流入して、人工歯22の付け根部を義歯床24に埋設してしっかりと固定している。
以上の有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aが、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔23aに連結するように人工歯22に縦孔23bを設け、さらに縦孔23bの一端を貫通孔23aに連結して他端を人工歯22の基底側に開口し、また、縦孔23bの開口部を貫通孔23aの開口部よりも、人工歯22の基底部側の先端側に位置させて、縦孔23bと貫通孔23aに義歯床24のプラスチックを流入する。とくに、この有床義歯21は、貫通孔23aに連結している縦孔23bの開口部を貫通孔23aよりも人工歯22の基底部側の先端側に開口している。この人工歯22は、基底部側の先端側に開口している縦孔23bに、義歯床24を充填するペースト状のプラスチックを貫通孔23aよりも先に充填するように設計している。貫通孔23aよりも縦孔23bに先にプラスチックを充填して、縦孔23bにプラスチックを充填するときには、貫通孔23aの開口部からはプラスチックが充填されないように設計している。この状態でプラスチックを充填して、縦孔23bから充填されるプラスチックで貫通孔23aの開口部から空気を排気し、プラスチックを縦孔23bから貫通孔23aに充填するようにしている。この状態でプラスチックを充填できると、縦孔23bと貫通孔23aに、スムーズに空気を排気しながら義歯床24のプラスチックを充填できる。義歯床24のプラスチックを縦孔23bと貫通孔23aに隙間なく充填できると、プラスチックを介して人工歯22を義歯床24にしっかりと連結して、使用中における人工歯22の脱落を確実に阻止できる。
特開2002−238925号公報 特開2008−23104号公報
図2に示す有床義歯21は、縦孔23aと貫通孔23bに義歯床24を成形するプラスチックを完全に充填して、人工歯22を脱落しないように義歯床24に固定できる。ただ、このことを実現するには、貫通孔よりも縦孔に先にプラスチックを注入し、縦孔に注入されるプラスチックでもって縦孔と貫通孔の空気を排出しながら充填する必要がある。ただ、人工歯を仮止めしている石膏型に、ペースト状のプラスチックを注入して義歯床を成形する工程で、プラスチックの注入を正確にコントロールすることは難しい。とくに、多数の人工歯を石膏型に仮止めして、プラスチックを注入するとき、全ての人工歯に縦孔から先にプラスチックを注入するのは極めて難しい。ペースト状のプラスチックを注入するときに、いずれかの人工歯に、貫通孔と縦孔の両方からプラスチックが注入されると、縦孔や貫通孔に残存する空気をスムーズに排出できず、この人工歯を脱落しないように義歯床に固定するのが難しくなる。
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の重要な目的は、義歯床を成形するプラスチックの注入を正確にコントロールすることなく、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる有床義歯と、この有床義歯に使用する人工歯を提供することにある。
本発明の有床義歯とこれに使用される人工歯は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
本発明の第1の発明にかかる有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床4と、この義歯床4に付け根部を埋設している人工歯2とを備えており、人工歯2が、義歯床4のプラスチックが流入される貫通孔3を付け根部に設けて、この貫通孔3の両端開口部を、義歯床4に埋設している。さらに、この有床義歯1は、人工歯2に設けている貫通孔3が、隣の歯との対向面に両端を開口して、この貫通孔3に人工歯2の内部で連結するエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5の開口部は、人工歯2の舌側面であって義歯床4から露出する舌側面に位置する。このエアーベント孔5と貫通孔3に、義歯床4を成形するプラスチックを流入して、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設してしっかりと固定している。
本発明の第2の発明にかかる有床義歯は、エアーベント孔5を貫通孔3に対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第3の発明にかかる有床義歯は、貫通孔3とエアーベント孔5が、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明の第の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、プラスチック製の義歯床4に付け根部を埋設して固定される。さらに、この人工歯2は、義歯床4を成形するプラスチックが流入される貫通孔3を付け根部に設けている。人工歯2は、貫通孔3に義歯床4のプラスチックを流入して義歯床4に埋設して固定される。さらに、この人工歯2は、付け根部に設けている貫通孔3の両端を、隣の歯との対向面に開口して、この貫通孔3に人工歯2の内部で連結するようにエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5の開口部は、人工歯2の舌側面であって義歯床4から露出する舌側面に位置する。人工歯2は、エアーベント孔5と貫通孔3に、義歯床4を成形するプラスチックを流入して、付け根部を義歯床4に埋設して固定する構造としている。
本発明の第の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、エアーベント孔5が貫通孔3に対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第の発明にかかる有床義歯に使用される人工歯は、貫通孔3とエアーベント孔5が、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明は、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。それは、人工歯に設けている貫通孔が、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔に連結するように人工歯にエアーベント孔を設け、さらにエアーベント孔の開口部を、人工歯の舌側面であって義歯床から露出する舌側面に位置させて、貫通孔とエアーベント孔に義歯床のプラスチックを流入するからである。舌側面であって義歯床から露出する面に開口されるエアーベント孔は、義歯床を充填するペースト状のプラスチックが貫通孔から充填される。貫通孔にプラスチックが充填されるとき、エアーベント孔にはプラスチックが充填されず、貫通孔の空気をスムーズに排気する。エアーベント孔の開口部は、舌側面であって義歯床から露出する舌側面に位置する。したがって、義歯床をプラスチックで成形する工程で、エアーベント孔の開口部は石膏型で閉塞される。石膏型はプラスチックを透過させないが空気を透過させる。したがって、貫通孔に注入されるプラスチックで排気される空気は、エアーベント孔から石膏型を透過して外部にスムーズに排気される。さらに、義歯床から露出する部分に位置するエアーベント孔の開口部は、石膏型で閉塞されるので、ここから義歯床を成形するプラスチックが注入されることはない。このため、貫通孔にプラスチックを注入する工程で、貫通孔の空気はエアーベント孔から確実に排気される。貫通孔に充填したプラスチックは、貫通孔からエアーベント孔に充填されて、エアーベント孔にプラスチックが充填される。エアーベント孔は、貫通孔に連結する片側からのみプラスチックが注入される。したがって、エアーベント孔にプラスチックを注入する工程では、石膏型で閉塞している開口部から確実に空気を排気することができる。このため、エアーベント孔も空気を残存することなく、隙間なくプラスチックを充填できる。プラスチックが充填されたエアーベント孔の開口部は、人工歯の表面に露出するが、この面は人工歯の舌側面に位置して、外部から見えることはない。
したがって、本発明は、人工歯の貫通孔に連結して、独特の位置に設けているエアーベント孔によって、内部の空気をスムーズに確実に排気しながら、貫通孔とエアーベント孔の両方に義歯床のプラスチックを充填できる特徴がある。貫通孔とエアーベント孔にプラスチックを充填して成形される義歯床は、貫通孔に充填しているプラスチックを介して人工歯をしっかりと連結して、使用中における人工歯の脱落を確実に阻止できる。
また、本発明は、人工歯に設けている貫通孔の開口部を隣の歯との対向面に設け、さらにエアーベント孔の開口部を人工歯の舌側面に開口しているので、貫通孔とエアーベント孔の開口部が目立つことがなく、従来の人工歯と同じ外観としながら、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。
従来の有床義歯を示す断面図である。 本発明者が先に開発した有床義歯の断面斜視図である。 本発明の一実施例にかかる有床義歯の斜視図である。 図3に示す有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図3に示す有床義歯の垂直端面図である。 本発明の他の実施例にかかる有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図6に示す有床義歯の垂直端面図である。 本発明の他の実施例にかかる有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図8に示す有床義歯の垂直端面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための有床義歯とこれに使用される人工歯を例示するものであって、本発明は有床義歯とこれに使用される人工歯を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図3は、義歯床4と複数の人工歯2からなる有床義歯1を示す。この図の有床義歯1は、前歯と臼歯の両方からなる全ての人工歯2を義歯床4に固定している。ただし、本発明の有床義歯は、前歯と臼歯からなる全ての歯を義歯床に固定する構造、すなわち無歯顎者のための全部床義歯、いわゆる総義歯に特定しない。有床義歯は、前歯や臼歯の一部の人工歯を義歯床に固定し、あるいは前歯や臼歯のみを義歯床に固定する構造、いいかえると、歯が一部欠損している者に用いられる局部床義歯にも適用することができる。複数の人工歯2は、天然歯と同じように、隣接して配設される人工歯2の境界に凹部ができる状態で義歯床4に固定される。人工歯2は、図3に示すように、その一部である付け根部を義歯床4に埋設し、残り一部の表面を義歯床4から突出するようにして、義歯床4に固定される。
図4は、図3の有床義歯1の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。さらに、図5は、図4に示す有床義歯1の垂直端面図である。図4と図5において、人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように、内部に貫通孔3を設けている。この貫通孔3は、義歯床4を成形するプラスチックを充填し、このプラスチックを義歯床4に一体的に連結して、人工歯2を義歯床4にしっかりと連結する。貫通孔3は、内径を約1mmとする円柱形で、人工歯2に横に貫通して設けられる。この貫通孔3は、ドリルでせん孔して設けられる。貫通孔3の内径は、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また、充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。したがって、貫通孔3は直径を小さくとも0.5mm以上とする。また、貫通孔3が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下する。したがって、貫通孔3の直径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。
さらに、人工歯2は、貫通孔3に連結して、人工歯2の内部にエアーベント孔5を設けている。エアーベント孔5は、一端を貫通孔3に連結して、他端を人工歯2の表面に開口している。さらに、エアーベント孔5は、その開口部を、人工歯2の舌側面であって基底結節2aと切縁2bとの間に位置し、かつ義歯床4から露出する部分に開口して、義歯床4のプラスチックを石膏型に充填するときに、貫通孔3とエアーベント孔5の空気をスムーズに排気できるようにしている。エアーベント孔5は、内径を約1mmとする円柱形である。エアーベント孔5は、ドリルで貫通孔3をせん孔した後、ドリルでせん孔して設けられる。エアーベント孔5の内径は、貫通孔3と同じように、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックをスムーズに充填できなくなる。したがって、エアーベント孔5の内径は、小さくとも0.5mm以上とする。また、エアーベント孔5が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下するので、エアーベント孔5の内径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。エアーベント孔5と貫通孔3は、同じ内径とし、あるいはエアーベント孔5の内径を貫通孔3よりも大きくする。
図4と図5の人工歯2は、貫通孔3の中央部分にエアーベント孔5を連結している。また、エアーベント孔5を貫通孔3に対して略直交するように設けている。この人工歯2は、貫通孔3の両端から注入されるプラスチックを中央部のエアーベント孔5に流入させて、貫通孔の空気をエアーベント孔から確実に排気し、エアーベント孔と貫通孔の全体にスムーズにプラスチックを充填できる。
以上の人工歯2は、貫通孔3とエアーベント孔5をほぼ直交するように連結しているが、両孔の交わり角度はこれに限定しない。例えば、貫通孔3に対しエアーベント孔5が傾斜するように連結して、エアーベント孔5の長さを延伸させることも可能である。これにより貫通孔3とエアーベント孔5に、義歯床4を成形するプラスチックをスムーズに充填できる構造にでき、後述するが、孔に充填される樹脂と人工歯2との接着度が増す効果が得られる。
さらに、以上の人工歯2は、貫通孔3を歯の配列方向、すなわち、歯科的な表現における近遠心方向に直線状に開口しているが、貫通孔は、必ずしも直線状に開口する必要ない。貫通孔は、たとえば、両端の開口部から中央部に設けたエアーベント孔に向かって上り勾配に、すなわち、山形に開口することも、両端の開口部から中央部に設けたエアーベント孔に向かって下り勾配に、すなわち、谷形に開口することもできる。これらの人工歯も、貫通孔の両端から注入されるプラスチックを中央部のエアーベント孔に流入させて、エアーベント孔と貫通孔の全体にスムーズにプラスチックを充填できる。
さらに、図6と図7に示す人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように内部に貫通孔3を設けて、この貫通孔3に連結してエアーベント孔5を設けると共に、この貫通孔3の基底側にスリット6を設けている。このスリット6は、一端を貫通孔3に連結して、他端を基底側に開口している。図に示す人工歯2は、貫通孔3に沿って伸びるスリット6を設けており、スリット6の両端の開口部を、隣の歯との対向面に開口している。すなわち、図に示す人工歯2は、貫通孔3の全体にわたってスリット6を設けて、全体の形状を溝状としている。ただ、スリットは、必ずしも貫通孔の全体にわたって設ける必要はなく、貫通孔の両端部に設けることも、一方の端部にのみ設けることもできる。
図に示すスリット6は、開口部の内幅(d)を貫通孔3の内径(r)よりも狭くするアンダーカット形状としている。貫通孔3とスリット6をアンダーカット形状に設ける人工歯2は、ここに義歯床4のプラスチックを充填して、より抜けないように義歯床4に固定できる。それは、貫通孔3に充填されて硬化するプラスチックがスリット6を通過するのを阻止して、人工歯2が抜けるのを確実に阻止するからである。貫通孔3とスリット6をアンダーカット状とする構造は、スリット6の内幅(d)と貫通孔3の内径(r)との比率(r/d)を、たとえば1.1〜2、好ましくは1.1〜1.5としてアンダーカット状に加工される。ただ、貫通孔の両端部や一方の端部にのみスリットを設けて、中央部にスリットを設けない構造は、スリットの内幅を貫通孔の内径に等しく、あるいはこれより大きくして、貫通孔とスリットとをアンダーカット形状とすることなく人工歯が抜けるのを阻止できる。
この人工歯2は、貫通孔3とエアーベント孔5をドリルで穿孔して設け、スリット6を回転する円盤状のカッターで切削して設けることができる。スリット3は、内幅を1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。スリット3の内幅は0.5mm以上として、人工歯2を義歯床4に抜けないように固定できる。また、スリット3の内幅が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下する。したがって、スリット3の内幅(d)は、好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。貫通孔3に連結してスリット6を設けている人工歯2は、義歯床4のプラスチックをスリット6と貫通孔3に充填しながら、エアーベント孔5から空気を排気して、スリット6と貫通孔3にプラスチックをスムーズに充填できる。
さらに、図8と図9に示す人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように内部に貫通孔3を設けて、この貫通孔3に連結してエアーベント孔5を設けると共に、貫通孔3に連結して、人工歯2の内部に縦孔7を設けている。縦孔7は、一端を貫通孔3に連結して、他端を人工歯2の基底側に開口している。さらに、縦孔7は、その開口部を、貫通孔3の開口部よりも、人工歯2の基底部側の先端側に設けて、義歯床4のプラスチックをスムーズに充填できるようにしている。縦孔7は、内径を約1mmとする円柱形である。縦孔7は、ドリルで貫通孔3をせん孔した後、ドリルでせん孔して設けられる。縦孔7の内径は、貫通孔3と同じように、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックをスムーズに充填できなくなり、また充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。したがって、縦孔7の内径は、小さくとも0.5mm以上とする。また、縦孔7が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下するので、縦孔7の内径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。縦孔7と貫通孔3は、同じ内径とし、あるいは縦孔7の内径を貫通孔3よりも大きくする。貫通孔3に連結して縦孔7を設けている人工歯2は、義歯床4のプラスチックを縦孔7と貫通孔3に充填しながら、エアーベント孔5から空気を排気して、縦孔7と貫通孔3にプラスチックをスムーズに充填できる。図8は、縦孔7を円形とするが、この縦孔をスリット状とすることもできる。
(材料)
以上の人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂が使用される。人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。
また、義歯床4は、天然の歯肉と同じ形状に外形を成形している。有床義歯1は、必ずしも歯肉に装着されるとは限らない。たとえば、隣の残存歯に連結固定して装着される有床義歯もあるので、義歯床4は装着される構造に最適な形状に成形される。さらに、義歯床4は、たとえばアクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂で成形される。義歯床4を成形する合成樹脂は、歯肉色の着色がされており、赤に着色された繊維を混入させたものもある。この義歯床4は、天然の歯肉に極めて近似する表面模様にできる。それは、赤い繊維が、歯肉の血管と同じように見えるからである。この義歯床4は金属床と呼ばれる床の一部を金属プレートとするものも存在するが、人工歯と接する顎提部分は人工歯を埋没固定する目的もあり合成樹脂が用いられる。義歯床は、失われた歯槽骨、歯肉の回復であり、生理学的、機能的、審美的に形態が決定される。
以上の実施例は、人工歯2及び義歯床4に同一のアクリル系樹脂を使用する。これは、アクリル樹脂は無色透明で、硬く、かつ耐候性に優れているからである。とくに透明性は通常知られている樹脂中もっとも高い上、強靱であり、安全性が高く、着色、加工も容易である。さらに、人工歯2及び義歯床4の両者に同一の材料を用いることで、両者の接着度を高める効果を奏する。
(製造工程)
人工歯2を義歯床4に埋没させた有床義歯1は、次のようにして作られる
1.患者の歯の模型を元に、蝋で成型した義歯床に人工歯を配列し、蝋義歯を形成する。
2.1の蝋義歯を金属製の入れ物(フラスコ)に入れ、蝋義歯の周りに石膏を流して固める。1の蝋義歯が石膏型に埋没する。
3.2を加熱して蝋を溶融し、溶融状態の蝋を石膏型から排出、除去して、義歯床を成形する部分を空洞とする石膏型とする。この石膏型は、義歯床を成形する空洞に人工歯の付け根部を突出するように仮止めしている。人工歯の空洞に突出する部分は、義歯床に埋設される。
4.石膏型の空洞部分に、ペースト状のアクリル系樹脂などの未硬化樹脂を充填する。
5.充填された未硬化状態の樹脂を重合硬化して、人工歯の付け根部を義歯床に埋設している有床義歯が得られる。
6.石膏型から有床義歯を分離させる。
上記3と4の工程について詳述する。3の工程は、蝋を溶融して石膏型から排出して空洞とし、この空洞に未硬化樹脂を充填して義歯床を成型する。4の工程において、図4と図5に示す人工歯では、人工歯2に設けた貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。具体的には、上記3の工程で蝋の除去された石膏型の空洞部にペースト状の未硬化樹脂を充填させると、人工歯2の貫通孔3に両端部から流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、貫通孔3とエアーベント孔5内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。エアーベント孔5の開口部は、人工歯2の露出部に位置して、義歯床4の内部にはないので、エアーベント孔5の開口部は石膏型に閉塞される。エアーベント孔5の開口部を閉塞している石膏型は、未硬化樹脂を通過させないが、空気を通過させる。したがって、貫通孔3に未硬化樹脂を注入する工程で、貫通孔3とエアーベント孔5の空気は開口部から排気され、未硬化樹脂は貫通孔3からエアーベント孔5に注入される。したがって、貫通孔3とエアーベント孔5は、空気を残存させることなく、内部まで隙間なく未硬化樹脂が注入される。
また、図6と図7に示す人工歯2では、上記4の工程において、人工歯2に設けたスリット6と貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。石膏型の空洞部に充填されるペースト状の未硬化樹脂は、人工歯2に開口された貫通孔3の両端開口部とスリット6とから貫通孔3の内部に流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、貫通孔3とスリット6内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。
さらにまた、図8と図9に示す人工歯2では、上記4の工程において、人工歯2に設けた縦孔7と貫通孔3からエアーベント孔5にペースト状の未硬化樹脂を注入して、義歯床4と人工歯2の結合度を高める。石膏型の空洞部に充填されるペースト状の未硬化樹脂は、人工歯2に開口された貫通孔3の両端開口部と縦孔7とから貫通孔3の内部に流入される。貫通孔3に流入される未硬化樹脂は、貫通孔3からエアーベント孔5に流入される。このとき、縦孔7と貫通孔3内の空気は、エアーベント孔5の開口部から排気される。
以上のように、貫通孔3に未硬化樹脂が注入されると、貫通孔3とエアーベント孔5内の空気はエアーベント孔5の開口部から排気されて、貫通孔3とエアーベント孔5に空気は残存しない。このため、未硬化樹脂は貫通孔3とエアーベント孔5に隙間無く充填される。また、人工歯2と義歯床4の両方をアクリル系樹脂として、同じ材質として、化学的物性を同一としながらしっかりと連結できる。この有床義歯1は、義歯床4のアクリル系樹脂を重合硬化させて、人工歯2内の貫通孔3とエアーベント孔5の樹脂と義歯床4の樹脂を一体的に連結して、同素材として人工歯2との密着度を高くできる。よって人工歯2と義歯床4とが強度に接着された、安定性の高い有床義歯1が得られる。
1…有床義歯
2…人工歯
2a…基底結節
2b…切縁
3…貫通孔
4…義歯床
5…エアーベント孔
6…スリット
7…縦孔
11…有床義歯
12…人工歯
13…貫通孔
14…義歯床
21…有床義歯
22…人工歯
23a…貫通孔
23b…縦孔
24…義歯床
A…空気

Claims (8)

  1. プラスチックを成形している義歯床(4)と、この義歯床(4)に付け根部を埋設している人工歯(2)とを備え、人工歯(2)が、義歯床(4)のプラスチックを流入される貫通孔(3)を付け根部に設けて、この貫通孔(3)の両端開口部を、義歯床(4)に埋設している有床義歯において、
    前記人工歯(2)に設けている貫通孔(3)が、隣の歯との対向面に両端を開口すると共に、この貫通孔(3)に人工歯(2)の内部で連結するエアーベント孔(5)を設けており、
    このエアーベント孔(5)は、一端を貫通孔(3)に連結して、他端を、人工歯(2)の舌側面であって基底結節(2a)と切縁(2b)との間に位置し、かつ義歯床(4)から露出する部分に開口しており、
    前記貫通孔(3)とエアーベント孔(5)に義歯床(4)のプラスチックが流入して、人工歯(2)の付け根部を義歯床(4)に埋設してなる有床義歯。
  2. エアーベント孔(5)が貫通孔(3)に対して直交するように開口している請求項1に記載される有床義歯。
  3. 貫通孔(3)とエアーベント孔(5)が、内径の等しい円柱状である請求項1に記載される有床義歯。
  4. 前記貫通孔(3)が、人工歯(2)の基底側にスリット(6)または縦孔(7)を設けており、このスリット(6)または縦孔(7)は、一端を貫通孔(3)に連結して、他端を人工歯の基底側に開口して義歯床(4)に埋設しており、このスリット(6)または縦孔(7)に義歯床(4)のプラスチックが注入されてなる請求項1ないし3のいずれかに記載される有床義歯。
  5. プラスチック製の義歯床(4)に付け根部を埋設して固定され、かつ義歯床(4)のプラスチックを流入される貫通孔(3)を付け根部に設けて、貫通孔(3)に義歯床(4)のプラスチックを流入して義歯床(4)に埋設して固定するようにしてなる人工歯(2)において、
    付け根部に設けている貫通孔(3)が、隣の歯との対向面に両端を開口すると共に、この貫通孔(3)に人工歯(2)の内部で連結するエアーベント孔(5)を設けており、
    このエアーベント孔(5)は、一端を貫通孔(3)に連結して、他端を、人工歯(2)の舌側面であって基底結節(2a)と切縁(2b)との間に位置し、かつ義歯床(4)から露出する部分に開口しており、
    前記貫通孔(3)とエアーベント孔(5)とに義歯床(4)のプラスチックを流入して、付け根部を義歯床(4)に埋設するようにしてなる人工歯。
  6. エアーベント孔(5)が貫通孔(3)に対して直交するように開口している請求項5に記載される人工歯。
  7. 貫通孔(3)とエアーベント孔(5)が、内径の等しい円柱状である請求項5に記載される人工歯。
  8. 前記貫通孔(3)が、基底側にスリット(6)または縦孔(7)を設けており、このスリット(6)または縦孔(7)は、一端を貫通孔(3)に連結して、他端を基底側に開口しており、このスリット(6)または縦孔(7)に義歯床(4)のプラスチックが注入されるようにしてなる請求項5ないし7のいずれかに記載される人工歯。
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