JP2012065928A - 有床義歯とこれに使用される人工歯 - Google Patents

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Abstract

【課題】義歯床に人工歯をしっかりと抜けないように固定する。
【解決手段】有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床4と、この義歯床4に付け根部を埋設している人工歯2とを備えている。人工歯2は、プラスチックの義歯床4に埋設される付け根部に、義歯床4のプラスチックを流入させる充填溝3を設けている。充填溝3は、歯の配列方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床4に開口している。有床義歯は、この充填溝3に義歯床4のプラスチックが注入されて、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設して固定している。
【選択図】図4

Description

本発明は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している有床義歯と、この有床義歯に使用される人工歯に関する。
有床義歯は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している。この有床義歯は、義歯床をアクリル樹脂ポリマーと液状のアクリル樹脂モノマー及び架橋剤等を混合してなる熱硬化性のアクリル樹脂や熱可塑性のポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、あるいはポリエステル樹脂等で成形する。義歯床を成形するときに、人工歯の付け根部が埋設して固定される。人工歯は、プラスチックやセラミック等で製作される。この有床義歯は、石膏型に付け根部を埋設する人工歯を仮止めし、この状態でペースト状のプラスチックを充填し、プラスチックを熱硬化あるいは熱可塑性樹脂においては冷却硬化させて製作される。この状態で製作された有床義歯は、プラスチックで成形される義歯床に、人工歯の付け根部が埋設して固定される。
この構造の有床義歯は、使用する状態で人工歯が義歯床から抜けることがある。人工歯は、プラスチックやセラミック、金属等で製作できるが、加工適性やコスト、外観等の点からプラスチック製のものが大半を占め、さらに、人工歯の全体あるいは少なくとも義歯床に埋設される基底部がアクリル樹脂を基材として製作されることが多い。一方、義歯床に用いられるプラスチックは、各種熱可塑性樹脂も用いられ、加熱溶融した状態で充填し冷却硬化するだけでは、人工歯との化学的な結合力はほとんど期待できない。とくに、義歯床のプラスチック材料の種類が、人工歯と異なる場合は顕著である。この弊害を防止するために、付け根部に貫通孔を設けて、この貫通孔を義歯床に埋設する人工歯が開発されている。(特許文献1参照)
特許文献1に記載される有床義歯を図1に示す。この図の有床義歯11は、人工歯12に設けた貫通孔13に義歯床14のプラスチックを流入して硬化させる。この人工歯12は、貫通孔13に流入して硬化されるプラスチックを義歯床14に連結して、義歯床14からの抜けを防止する。ただ、この構造の人工歯12は、現実の製造工程において、貫通孔13に義歯床14のプラスチックをスムーズに流入するのが極めて難しい。それは、貫通孔13の両端開口部からプラスチックが流入され、内部の空気Aをスムーズに排気できないからである。貫通孔13は空気を排気できないかぎり、全体にプラスチックを充填できない。貫通孔13の空気がプラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13に空気が溜まると、成形室に加圧状態でプラスチックを充填しても、貫通孔13の全体にはプラスチックを充填できない。空気が圧縮されて、プラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13にプラスチックが充填されない人工歯12は、しっかりと義歯床14に連結できない。それは、貫通孔13に流入されるプラスチックが、貫通孔13の内部で切断されるからである。この状態で義歯床14に埋設される人工歯12は、貫通孔13の途中まで流入されたプラスチックが変形しやすく、またこれが変形すると、人工歯12が義歯床14から抜けてしまう。このため、貫通孔13を設けるにもかかわらず、人工歯12をしっかりと抜けないように義歯床14に埋設して固定できない欠点がある。
本発明者は、この欠点を解決することを目的として、図2に示す有床義歯を開発した、この有床義歯21は、プラスチックを成形している義歯床24に人工歯22の付け根部を埋設している。人工歯22は、義歯床24のプラスチックが流入される貫通孔23aを付け根部に設けて、この貫通孔23aの両端開口部を、義歯床24に埋設している。さらに、この有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aの両端を、隣の歯との対向面に開口すると共に、この貫通孔23aに人工歯22の内部で連結する縦孔23bを設けている。縦孔23bは、一端を貫通孔23aに連結して、他端を人工歯22の基底側に開口している。さらに、縦孔23bの開口部は、貫通孔23aの開口部よりも人工歯22の基底部側の先端側に位置させている。この縦孔23bと貫通孔23aに、義歯床24を成形するプラスチックを流入して、人工歯22の付け根部を義歯床24に埋設してしっかりと固定している。
以上の有床義歯21は、人工歯22に設けている貫通孔23aが、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔23aに連結するように人工歯22に縦孔23bを設け、さらに縦孔23bの一端を貫通孔23aに連結して他端を人工歯22の基底側に開口し、また、縦孔23bの開口部を貫通孔23aの開口部よりも、人工歯22の基底部側の先端側に位置させて、縦孔23bと貫通孔23aに義歯床24のプラスチックを流入する。とくに、この有床義歯21は、貫通孔23aに連結している縦孔23bの開口部を貫通孔23aよりも人工歯22の基底部側の先端側に開口している。この人工歯22は、基底部側の先端側に開口している縦孔23bに、義歯床24を成形するペースト状のプラスチックを貫通孔23aよりも先に充填するように設計している。貫通孔23aよりも縦孔23bに先にプラスチックを充填して、縦孔23bにプラスチックを充填するときには、貫通孔23aの開口部からはプラスチックが充填されないように設計している。この状態でプラスチックを充填して、縦孔23bから充填されるプラスチックで貫通孔23aの開口部から空気を排気し、プラスチックを縦孔23bから貫通孔23aに充填するようにしている。この状態でプラスチックを充填できると、縦孔23bと貫通孔23aに、スムーズに空気を排気しながら義歯床24のプラスチックを充填できる。義歯床24のプラスチックを縦孔23bと貫通孔23aに隙間なく充填できると、プラスチックを介して人工歯22を義歯床24にしっかりと連結して、使用中における人工歯22の脱落を確実に阻止できる。
特開2002−238925号公報 特開2008−23104号公報
図2に示す有床義歯21は、縦孔23bと貫通孔23aに義歯床24を成形するプラスチックを完全に充填して、人工歯22を脱落しないように義歯床24に固定できる。ただ、このことを実現するには、貫通孔よりも縦孔に先にプラスチックを注入し、縦孔に注入されるプラスチックでもって縦孔と貫通孔の空気を排出しながら充填する必要がある。ただ、人工歯を仮止めしている石膏型に、ペースト状のプラスチックを注入して義歯床を成形する工程で、プラスチックの注入を正確にコントロールすることは難しい。とくに、多数の人工歯を石膏型に仮止めして、プラスチックを注入するとき、全ての人工歯に縦孔から先にプラスチックを注入するのは極めて難しい。ペースト状のプラスチックを注入するときに、いずれかの人工歯に、貫通孔と縦孔の両方からプラスチックが注入されると、縦孔や貫通孔に残存する空気をスムーズに排出できず、この人工歯を脱落しないように義歯床に固定するのが難しくなる。
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の重要な目的は、義歯床を成形するプラスチックの注入を正確にコントロールすることなく、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる有床義歯と、この有床義歯に使用する人工歯を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床4と、この義歯床4に付け根部を埋設している人工歯2とを備えている。人工歯2は、プラスチックの義歯床4に埋設される付け根部に、義歯床4のプラスチックを流入させる充填溝3を設けている。充填溝3は、歯の配列方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床4に開口している。有床義歯は、この充填溝3に義歯床4のプラスチックが注入されて、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設して固定している。
本発明の有床義歯に使用される人工歯は、プラスチック製の義歯床4に付け根部を埋設して固定される。人工歯2は、プラスチックの義歯床4に埋設される付け根部に、義歯床4のプラスチックを流入させる充填溝3を設けている。充填溝3は、歯の配列方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床4に開口している。人工歯は、充填溝3に義歯床4のプラスチックが注入されて、付け根部を義歯床4に埋設して固定される。
本発明は、義歯床を成形するプラスチックの注入を正確にコントロールすることなく、義歯床に人工歯をしっかりと抜けないように固定できる特徴がある。それは、人工歯の付け根部に、義歯床を成形するプラスチックを流入させる充填溝を設けており、この充填溝の開口部を義歯床に開口して、義歯床のプラスチックを開口部から充填溝に注入し、充填溝に注入されるプラスチックを義歯床のプラスチックに連結して、義歯床のプラスチックに抜けないように固定しているからである。とくに、義歯床に開口するように設けている充填溝は、義歯床に充填されるペースト状のプラスチックを空気溜まりができないようにスムーズに隙間なく注入できる。このため、義歯床を成形しているプラスチックを充填溝に隙間なく注入して、人工歯を抜けないように固定できる。すなわち、義歯床を成形するプラスチックを義歯床から人工歯の充填溝に伸びるように隙間なく充填して、充填溝のプラスチックを介して人工歯をしっかりと義歯床に固定して、使用中における人工歯の脱落を確実に阻止できる。
また、本発明は、人工歯に設けている充填溝を義歯床の内部に開口しているので、義歯床に付け根部を埋設する状態では、充填溝の開口部が外部に露出して目立つことがなく、従来の人工歯と同じ外観としながら、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。
人工歯2の充填溝3は、アンダーカット形状とすることで、より抜けないように義歯床4に固定できる。それは、充填溝に充填されて硬化するプラスチックがアンダーカット形状となって、人工歯が抜けるのを確実に阻止するからである。
アンダーカット形状の充填溝3は、開口部を含むスリット3Aと、このスリット3Aに連結されて溝底部に設けてなる貫通孔3Bとで構成し、スリット3Aの内幅(d)を貫通孔3Bの内径(r)よりも狭くして、充填溝3をアンダーカット形状とすることができる。この充填溝は、貫通孔をドリルで穿孔し、スリットをカッターで設けることで、簡単にアンダーカット状の充填溝を設けることができる。
人工歯2は、溝の開口部を人工歯2の基底部に開口するように充填溝3を設けることができ、この構造によって、義歯床のプラスチックをよりスムーズに充填溝に充填して、義歯床に抜けないように固定できる。
人工歯2は、溝両端の開口部を、隣の歯との対向面に開口することで、義歯床のプラスチックをよりスムーズに充填溝に充填することができる。
従来の有床義歯を示す断面図である。 本発明者が先に開発した有床義歯の断面斜視図である。 本発明の一実施例にかかる有床義歯の斜視図である。 図3に示す有床義歯の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。 図3に示す有床義歯の垂直端面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための有床義歯とこれに使用される人工歯を例示するものであって、本発明は有床義歯とこれに使用される人工歯を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図3は、義歯床4と複数の人工歯2からなる有床義歯1を示す。この図の有床義歯1は、前歯と臼歯の両方からなる全ての人工歯2を義歯床4に固定している。ただし、本発明の有床義歯は、前歯と臼歯からなる全ての歯を義歯床に固定する構造、すなわち無歯顎者のための全部床義歯、いわゆる総義歯に特定しない。有床義歯は、前歯や臼歯の一部の人工歯を義歯床に固定し、あるいは前歯や臼歯のみを義歯床に固定する構造、いいかえると、歯が一部欠損している者に用いられる局部床義歯にも適用することができる。複数の人工歯2は、天然歯と同じように、隣接して配設される人工歯2の境界に凹部ができる状態で義歯床4に固定される。人工歯2は、図3に示すように、その一部である付け根部を義歯床4に埋設し、残り一部の表面を義歯床4から突出するようにして、義歯床4に固定される。
図4は、図3の有床義歯1の下顎側を口内側から見た一部断面斜視図である。さらに、図5は、図4に示す有床義歯1の垂直端面図である。図4と図5において、人工歯2は、プラスチックの義歯床4に埋設される付け根部に、義歯床4のプラスチックを流入させる充填溝3を設けている。充填溝3は、歯の配列方向、すなわち、歯科的な表現における近遠心方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床4に開口している。図の人工歯2は、充填溝3の開口部、図にあって充填溝3の下方の開口部を基底部に設けて、溝両端の開口部を、隣の歯との対向面に開口するように、充填溝3を設けている。この充填溝3は、義歯床4を成形するプラスチックを充填し、充填溝3に注入されるプラスチックを義歯床4に一体的に連結して、人工歯2を義歯床4にしっかりと抜けないように固定する。図の人工歯2は、充填溝3の開口部を基底部に開口するように設けているが、充填溝は、必ずしも溝の開口部を人工歯の基底部に設ける必要はなく、義歯床に埋設されて義歯床のプラスチックを充填溝に注入できる全ての位置に開口することができる。
図5の充填溝3は、開口部の内幅を溝の底部の内幅よりも狭くするアンダーカット形状としている。アンダーカット状の充填溝3は、開口部のスリット3Aと、このスリット3Aに連結されて溝底部に設けている貫通孔3Bとからなり、スリット3Aの内幅(d)を貫通孔3Bの内径(r)よりも狭くしている。この充填溝3は、人工歯に貫通するように貫通孔3Bを設け、この貫通孔3Bに連結するようにスリット3Aを設けてアンダーカット状に設けることができる。
アンダーカット状の充填溝3は、スリット3Aの内幅(d)と貫通孔3Bの内径(r)との比率、r/dを、たとえば1.1〜2、好ましくは1.1〜1.5としてアンダーカット状に加工される。
貫通孔3Bはドリルで穿孔して設けられ、スリット3Aは回転する円盤状のカッターで切削して設けられる。スリット3Aは、内幅を1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また充填されたプラスチックと義歯床4との連結強度が低下して、人工歯2と義歯床4との連結強度が低下する。スリット3Aの内幅は0.5mm以上として、人工歯2を義歯床4に抜けないように固定できる。また、スリット3Aの内幅が大きすぎると、人工歯2の義歯床4への埋設部の強度が低下する。したがって、スリット3Aの内幅、すなわち充填溝3の内幅は、好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。
(材料)
人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂が使用される。人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。
また、義歯床4は、天然の歯肉と同じ形状に外形を成形している。有床義歯1は、必ずしも歯肉に装着されるとは限らない。たとえば、隣の残存歯に連結固定して装着される有床義歯もあるので、義歯床4は装着される構造に最適な形状に成形される。さらに、義歯床4は、たとえばアクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂で成形される。義歯床4を成形する合成樹脂は、歯肉色の着色がされており、赤に着色された繊維を混入させたものもある。この義歯床4は、天然の歯肉に極めて近似する表面模様にできる。それは、赤い繊維が、歯肉の血管と同じように見えるからである。この義歯床4は金属床と呼ばれる床の一部を金属プレートとするものも存在するが、人工歯と接する顎提部分は人工歯を埋没固定する目的もあり合成樹脂が用いられる。義歯床は、失われた歯槽骨、歯肉の回復であり、生理学的、機能的、審美的に形態が決定される。
実施例1は、人工歯2及び義歯床4に同一のアクリル系樹脂を使用する。これは、アクリル樹脂は無色透明で、硬く、かつ耐候性に優れているからである。とくに透明性は通常知られている樹脂中もっとも高い上、強靱であり、安全性が高く、着色、加工も容易である。さらに、人工歯2及び義歯床4の両者に同一の材料を用いることで、両者の接着度を高める効果を奏する。
(製造工程)
人工歯2を義歯床4に埋没させた有床義歯1は、次のようにして作られる
1.患者の歯の模型を元に、蝋で成型した義歯床に人工歯を配列し、蝋義歯を形成する。
2.1の蝋義歯を金属製の入れ物(フラスコ)に入れ、蝋義歯の周りに石膏を流して固める。1の蝋義歯が石膏型に埋没する。
3.2を加熱して蝋を溶融し、溶融状態の蝋を石膏型から排出、除去して、義歯床を成形する部分を空洞とする石膏型とする。この石膏型は、義歯床を成形する空洞に人工歯の付け根部を突出するように仮止めしている。人工歯の空洞に突出する部分は、義歯床に埋設される。
4.石膏型の空洞部分に、ペースト状のアクリル系樹脂などの未硬化樹脂を充填する。
5.充填された未硬化状態の樹脂を重合硬化して、人工歯の付け根部を義歯床に埋設している有床義歯が得られる。
6.石膏型から有床義歯を分離させる。
上記3と4の工程について詳述する。この工程は、蝋を溶融して石膏型から排出して空洞とし、この空洞に未硬化樹脂を充填して義歯床を成型する。4の工程において、人工歯2内の充填溝3にアクリル系樹脂を充填させることで義歯床4と人工歯2の結合強度を高める。具体的には、上記3の工程で蝋の除去された石膏型の空洞部にアクリル系樹脂を充填させると、人工歯2内の付け根部に設けている充填溝3にペースト状のアクリル系樹脂が流入する。充填溝3に注入されるアクリル系樹脂は、次第に充填溝3の内部に充填される。このとき、充填溝3は、両側と下側とを開口しているので、内部の空気を排出しながら、未硬化でペースト状のプラスチックのアクリル系樹脂が注入される。すなわち、充填溝3に注入されるペースト状のプラスチックは、空気を移動させて排気しながら、充填溝3の内部まで隙間なく注入される。
以上のように、充填溝3にペースト状のアクリル系樹脂が注入されると、充填溝3内の空気はスムーズに残らず開口部から排気される。以上の状態で未硬化なプラスチックが注入されると、充填溝3内には空気が残存しないため、アクリル系樹脂が充填溝3の全体に隙間無く注入される。とくに、人工歯2と義歯床4の両方をアクリル系樹脂として、同じ材質として、化学的物性を同一とするものは、人工歯2と義歯床4とをよりしっかりと連結できる。この有床義歯1は、義歯床4のアクリル系樹脂を重合硬化させて、人工歯2の充填溝3内の樹脂と義歯床4の樹脂を一体的に連結して、同素材として人工歯2との密着度を高くできる。よって、人工歯2と義歯床4とが強度に接着された、安定性の高い有床義歯1が得られる。
1…有床義歯
2…人工歯
3…充填溝 3A…スリット
3B…貫通孔
4…義歯床
11…有床義歯
12…人工歯
13…貫通孔
14…義歯床
21…有床義歯
22…人工歯
23a…貫通孔
23b…縦孔
24…義歯床
A…空気

Claims (10)

  1. プラスチックを成形している義歯床(4)と、この義歯床(4)に付け根部を埋設している人工歯(2)とを備える有床義歯において、
    前記人工歯(2)が、プラスチックの義歯床(4)に埋設される付け根部に、義歯床(4)のプラスチックを流入させる充填溝(3)を設けており、
    前記充填溝(3)は歯の配列方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床(4)に開口しており、この充填溝(3)に義歯床(4)のプラスチックが注入されて、人工歯(2)の付け根部を義歯床(4)に埋設して固定してなる有床義歯。
  2. 前記充填溝(3)がアンダーカット形状である請求項1に記載される有床義歯。
  3. 前記アンダーカット形状の充填溝(3)が、開口部を含むスリット(3A)と、このスリット(3A)に連結されて溝底部に設けてなる貫通孔(3B)とからなり、スリット(3A)の内幅(d)を貫通孔(3B)の内径(r)よりも狭くして、充填溝(3)をアンダーカット形状としてなる請求項2に記載される有床義歯。
  4. 前記充填溝(3)が、溝の開口部を人工歯(2)の基底部に開口してなる請求項1ないし3のいずれかに記載される有床義歯。
  5. 前記充填溝(3)が、溝両端の開口部を隣の歯との対向面に開口している請求項1ないし4のいずれかに記載される有床義歯。
  6. プラスチック製の義歯床(4)に付け根部を埋設して固定される人工歯(2)であって、
    プラスチックの義歯床(4)に埋設される付け根部に、義歯床(4)のプラスチックを流入させる充填溝(3)を設けており、
    前記充填溝(3)は歯の配列方向に伸び、かつ開口部を埋設される義歯床(4)に開口しており、この充填溝(3)に義歯床(4)のプラスチックが注入されて、人工歯(2)の付け根部を義歯床(4)に埋設して固定されるようにしてなる人工歯。
  7. 前記充填溝(3)がアンダーカット形状である請求項6に記載される人工歯。
  8. 前記アンダーカット形状の充填溝(3)が、開口部を含むスリット(3A)と、このスリット(3A)に連結されて溝底部に設けてなる貫通孔(3B)とからなり、スリット(3A)の内幅(d)を貫通孔(3B)の内径(r)よりも狭くして、充填溝(3)をアンダーカット形状としてなる請求項7に記載される人工歯。
  9. 前記充填溝(3)が、溝の開口部を人工歯(2)の基底部に開口してなる請求項6ないし8のいずれかに記載される人工歯。
  10. 前記充填溝(3)が、溝両端の開口部を隣の歯との対向面に開口している請求項6ないし9のいずれかに記載される人工歯。
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