JP2008023104A - 有床義歯とこれに使用される人工歯 - Google Patents
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Abstract
【課題】義歯床に人工歯をしっかりと抜けないように固定する。
【解決手段】有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床に、人工歯の付け根部を埋設している。人工歯は、義歯床のプラスチックを流入される貫通孔を付け根部に設けて、貫通孔の両端開口部を、義歯床に埋設している。さらに、人工歯の貫通孔を、隣の歯との対向面に両端を開口して、この貫通孔に縦孔を連結して設けている。縦孔は、一端を貫通孔に連結して他端を人工歯の基底側に開口している。さらに、縦孔の開口部は、貫通孔の開口部よりも、人工歯の基底部側の先端側に位置する。人工歯は、縦孔と貫通孔に、義歯床を成形するプラスチックを注入して、その付け根部を義歯床に埋設して固定する。
【選択図】図2
【解決手段】有床義歯は、プラスチックを成形している義歯床に、人工歯の付け根部を埋設している。人工歯は、義歯床のプラスチックを流入される貫通孔を付け根部に設けて、貫通孔の両端開口部を、義歯床に埋設している。さらに、人工歯の貫通孔を、隣の歯との対向面に両端を開口して、この貫通孔に縦孔を連結して設けている。縦孔は、一端を貫通孔に連結して他端を人工歯の基底側に開口している。さらに、縦孔の開口部は、貫通孔の開口部よりも、人工歯の基底部側の先端側に位置する。人工歯は、縦孔と貫通孔に、義歯床を成形するプラスチックを注入して、その付け根部を義歯床に埋設して固定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している有床義歯と、この有床義歯に使用される人工歯に関する。
有床義歯は、人工歯の付け根部をプラスチック製の義歯床に埋設して固定している。この有床義歯は、義歯床をアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂で成形する。義歯床を成形するときに、人工歯の付け根部が埋設して固定される。人工歯は、プラスチックやセラミック等で製作される。この有床義歯は、石膏模型に付け根部を埋設する人工歯を仮止めし、この状態でペースト状のプラスチックを充填し、プラスチックを硬化させて製作される。この状態で製作された有床義歯は、プラスチックで成形される義歯床に、人工歯の付け根部が埋設して固定される。
この構造の有床義歯は、使用する状態で人工歯が義歯床から抜けることがある。この弊害を防止するために、付け根部に貫通孔を設て、この貫通孔を義歯床に埋設する人工歯が開発されている。(特許文献1参照)
特開2002−238925号
特許文献1に記載される有床義歯を図4に示す。この図の有床義歯11は、人工歯12に設けた貫通孔13に義歯床14のプラスチックを流入して硬化させる。この人工歯12は、貫通孔13に流入して硬化されるプラスチックを義歯床14に連結して、義歯床14からの抜けを防止する。ただ、この構造の人工歯12は、現実の製造工程において、貫通孔13に義歯床14のプラスチックをスムースに流入するのが極めて難しい。それは、貫通孔13の両端開口部からプラスチックが流入され、内部の空気Aをスムースに排気できないからである。貫通孔13は空気を排気できないかぎり、全体にプラスチックを充填できない。貫通孔13の空気がプラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13に空気が溜まると、成形室に加圧状態でプラスチックを充填しても、貫通孔13の全体にはプラスチックを充填できない。空気が圧縮されて、プラスチックの流入を阻止するからである。貫通孔13にプラスチックが充填されない人工歯12は、しっかりと義歯床14に連結できない。それは、貫通孔13に流入されるプラスチックが、貫通孔13の内部で切断されるからである。この状態で義歯床14に埋設される人工歯12は、貫通孔13の途中まで流入されたプラスチックは変形しやすく、またこれが変形すると、人工歯12が義歯床14から抜けてしまう。このため、貫通孔13を設けるにもかかわらず、人工歯12をしっかりと抜けないように義歯床14に埋設して固定できない欠点がある。
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる有床義歯と、この有床義歯に使用する人工歯を提供することにある。
本発明の有床義歯とこれに使用される人工歯は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
本発明の第1の有床義歯1は、プラスチックを成形している義歯床4と、この義歯床4に付け根部を埋設している人工歯2とを備え、人工歯2が、義歯床4のプラスチックを流入される貫通孔3aを付け根部に設けて、この貫通孔3aの両端開口部を、義歯床4に埋設している。さらに、この有床義歯1は、人工歯2に設けている貫通孔3aを、隣の歯との対向面に両端を開口して、この貫通孔3aに人工歯2の内部で連結する縦孔3bを設けている。縦孔3bは、一端を貫通孔3aに連結して他端を人工歯2の基底側に開口している。さらに、縦孔3bの開口部は、貫通孔3aの開口部よりも人工歯2の基底部側の先端側に位置させている。この縦孔3bと貫通孔3aに、義歯床4を成形するプラスチックを流入して、人工歯2の付け根部を義歯床4に埋設してしっかりと固定している。
本発明の第2の有床義歯1は、縦孔3bが貫通孔3aに対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第3の有床義歯1は、貫通孔3aと縦孔3bが、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明の第4の有床義歯1に使用される人工歯2は、プラスチック製の義歯床4に付け根部を埋設して固定される。さらにこの人工歯2は、義歯床4を成形するプラスチックを流入される貫通孔3aを付け根部に設けている。人工歯2は、貫通孔3aに義歯床4のプラスチックを流入して義歯床4に埋設して固定される。さらに、この人工歯2は、付け根部に設けている貫通孔3aを、隣の歯との対向面に開口して、この貫通孔3aに人工歯2の内部で連結するように縦孔3bを設けている。縦孔3bは、一端を貫通孔3aに連結して他端を人工歯2の基底側に開口している。さらに、縦孔3bの開口部は、貫通孔3aの開口部よりも人工歯2の基底部側の先端側に位置させている。人工歯2は、縦孔3bと貫通孔3aに、義床を成形するプラスチックを流入して、付け根部を義歯床4に埋設して固定する構造としている。
本発明の第5の有床義歯1に使用される人工歯2は、縦孔3bが貫通孔3aに対して直交するように開口していることを特徴とする。
本発明の第6の有床義歯1に使用される人工歯2は、貫通孔3aと縦孔3bが、内径の等しい円柱状であることを特徴とする。
本発明は、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。それは、人工歯に設けている貫通孔を、隣の歯との対向面に両端を開口することに加えて、この貫通孔に連結するように人工歯に縦孔を設け、さらに縦孔の一端を貫通孔に連結して他端を人工歯の基底側に開口し、また、縦孔の開口部を貫通孔の開口部よりも、人工歯の基底部側の先端側に位置させて、縦孔と貫通孔に義歯床のプラスチックを流入するからである。貫通孔に連結している縦孔は、その開口部を貫通孔のよりも人工歯の基底部側の先端側に開口している。基底部側の先端側に開口される縦孔は、義歯床を充填するペースト状のプラスチックが貫通孔よりも先に充填される。縦孔に充填されるプラスチックは、次第に縦孔の内部に充填される。縦孔にプラスチックが充填されるとき、貫通孔の開口部はプラスチックが充填されず、内部の空気をスムースに排気する。したがって、縦孔から充填されるプラスチックは、貫通孔の開口部から空気を排気しながら、縦孔から貫通孔に充填される。したがって、本発明は、人工歯の貫通孔に連結して、独特の構造の縦孔を設ける構造によって、縦孔と貫通孔に、スムースに空気を排気しながら義歯床のプラスチックを充填できる特徴がある。縦孔と貫通孔にプラスチックを充填して成形される義歯床は、縦孔と貫通孔に充填しているプラスチックを介して人工歯をしっかりと連結して、使用中における人工歯の脱落を確実に阻止できる。
また、本発明は、人工歯に設けている貫通孔の開口部を隣の歯との対向面に設け、さらに縦孔の開口部を人工歯の基底に開口しているので、義歯床に付け根部を埋設する充填では、貫通孔と縦孔の開口部が目立つことがなく、従来の人工歯と同じ外観としながら、人工歯をしっかりと抜けないように義歯床に固定できる特徴がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための有床義歯とこれに使用される人工歯を例示するものであって、本発明は有床義歯とこれに使用される人工歯を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1は義歯床4と複数の人工歯2からなる有床義歯1を示す。この図の有床義歯1は、前歯と臼歯の両方からなる全ての人工歯2を義歯床4に固定している。ただし、本発明の有床義歯は、前歯と臼歯からなる全ての歯を義歯床に固定する構造、すなわち無歯顎者のための全部床義歯、いわゆる総義歯に特定しない。有床義歯は、前歯や臼歯の一部の人工歯を義歯床に固定し、あるいは前歯や臼歯のみを義歯床に固定する構造、いいかえると、歯が一部欠損している者に用いられる局部床義歯にも適用することができる。複数の人工歯2は、天然歯と同じように、隣接して配設される人工歯1の境界に凹部ができる状態で義歯床4に固定される。人工歯2は、図1に示すように、その一部である付け根部を義歯床4に埋設し、残り一部の表面を義歯床4から突出するようにして、義歯床4に固定される。
図2は、図1の有床義歯1を口内側から見た、下顎側の一部断面斜視図である。さらに図3は、実施例1による人工歯2の一部断面斜視図である。図2、3において、人工歯2は、両隣の歯との対向面に両端を開口するように、内部に貫通孔3aを設けている。この貫通孔は、義歯床を成形するプラスチックを充填し、このプラスチックを義歯床に一体的に連結して、人工歯を義歯床にしっかりと連結する。貫通孔は、内径を約1mmとする円柱形で、人工歯に横に貫通して設けられる。この貫通孔は、ドリルでせん孔して設けられる。貫通孔の内径は、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックの充填が難しく、また充填されたプラスチックと義歯床との連結強度が低下して、人工歯と義歯床との連結強度が低下する。したがって、貫通孔は直径を小さくとも0.5mm以上とする。また、貫通孔が大きすぎると、人工歯の義歯床への埋設部の強度が低下する。したがって、貫通孔の直径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。
さらに、人工歯は、貫通孔3aに連結して、人工歯の内部に縦孔3bを設けている。縦孔は、一端を貫通孔に連結して、他端を人工歯の基底側に開口している。さらに、縦孔は、その開口部を、貫通孔の開口部よりも、人工歯の基底部側の先端側に設けて、義歯床のプラスチックをスムースに充填できるようにしている。縦孔は、内径を約1mmとする円柱形である。縦孔は、ドリルで貫通孔をせん孔した後、ドリルでせん孔して設けられる。縦孔の内径は、貫通孔と同じように、1mm以下とし、また1mm以上とすることもできるが、小さすぎるとプラスチックをスムースに充填できなくなり、また充填されたプラスチックと義歯床との連結強度が低下して、人工歯と義歯床との連結強度が低下する。したがって、縦孔の内径は、小さくとも0.5mm以上とする。また、縦孔が大きすぎると、人工歯の義歯床への埋設部の強度が低下するので、縦孔の内径は好ましくは3mmよりも小さく、さらに好ましくは2mmよりも小さくする。縦孔と貫通孔は、同じ内径とし、あるいは縦孔の内径を貫通孔よりも大きくする。貫通孔よりも大きい縦孔を設けている人工歯は、義歯床のプラスチックを縦孔に充填しながら、貫通孔から空気を排気して、縦孔と貫通孔にプラスチックをスムースに充填できる。
図2及び3の人工歯は、貫通孔3aの中央部分に縦孔3bを連結している。また、縦孔を貫通孔に対して略直行するように設けている。この人工歯は、縦孔から貫通孔にバランスよくプラスチックを分岐して、縦孔と貫通孔の全体にスムースにプラスチックを充填できる。
実施例1の人工歯2は、貫通孔3aと縦孔3bをほぼ直行するように連結しているが、両孔の交わり角度はこれに限定しない。例えば貫通孔3aに対し縦孔3bが傾斜するように連結して、縦孔3bの長さを延伸させることも可能である。これにより貫通孔3aと縦孔3bに、義歯床を成形するプラスチックをスムースに充填できる構造にでき、後述するが、孔に充填される樹脂と人工歯2との接着度が増す効果が得られる。
(材料)
人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂が使用される。人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。
人工歯2は、合成樹脂やセラミック、あるいは金属等を天然歯の形状に成形して製作される。合成樹脂やセラミックで製作される人工歯2は、成形された表面を天然歯の色に着色し、あるいは着色された合成樹脂やセラミックを使用して成形される。人工歯2を成形する合成樹脂には、アクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂が使用される。人工歯2は、金属を鋳造して成形することもできる。金属製の人工歯は、たとえば金合金、金銀パラジウム合金等で製作される。
また、義歯床4は、天然の歯肉と同じ形状に外形を成形している。有床義歯1は、必ずしも歯肉に装着されるとは限らない。たとえば隣の残存歯に連結固定して装着される有床義歯もあるので、義歯床4は装着される構造に最適な形状に成形される。さらに、義歯床4は、たとえばアクリル樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂で成形される。義歯床4を成形する合成樹脂は、歯肉色の着色がされており、赤に着色された繊維を混入させたものもある。この義歯床4は、天然の歯肉に極めて近似する表面模様にできる。それは、赤い繊維が、歯肉の血管と同じように見えるからである。この義歯床4は金属床と呼ばれる床の一部を金属プレートとするものも存在するが、人工歯と接する顎提部分は人工歯を埋没固定する目的もあり合成樹脂が用いられる。義歯床は、失われた歯槽骨、歯肉の回復であり、生理学的、機能的、審美的に形態が決定される。
実施例1は、人工歯2及び義歯床4に同一のアクリル系樹脂を使用する。これは、アクリル樹脂は無色透明で、硬く、かつ耐候性に優れているからである。とくに透明性は通常知られている樹脂中もっとも高い上、強靱であり、安全性が高く、着色、加工も容易である。さらに、人工歯2及び義歯床4の両者に同一の材料を用いることで、両者の接着度を高める効果を奏する。
(製造工程)
人工歯2を義歯床4に埋没させた有床義歯1は、次のようにして作られる
1.患者の歯の模型を元に、蝋で成型した義歯床に人工歯を配列し、蝋義歯を形成する。
2.1の蝋義歯を金属製の入れ物(フラスコ)に入れ、蝋義歯の周りに石膏を流して固める。1の蝋義歯が石膏型に埋没する。
3.2を加熱し蝋を溶解させ、この蝋を除去する。
4.蝋の溶けた空洞部分に、未硬化でペースト状のアクリル系樹脂を充填する。
5.4のアクリル系樹脂を重合硬化させることで、人工歯と一体に成型された有床義歯が成型される。
6.石膏型から有床義歯を分離させる。
人工歯2を義歯床4に埋没させた有床義歯1は、次のようにして作られる
1.患者の歯の模型を元に、蝋で成型した義歯床に人工歯を配列し、蝋義歯を形成する。
2.1の蝋義歯を金属製の入れ物(フラスコ)に入れ、蝋義歯の周りに石膏を流して固める。1の蝋義歯が石膏型に埋没する。
3.2を加熱し蝋を溶解させ、この蝋を除去する。
4.蝋の溶けた空洞部分に、未硬化でペースト状のアクリル系樹脂を充填する。
5.4のアクリル系樹脂を重合硬化させることで、人工歯と一体に成型された有床義歯が成型される。
6.石膏型から有床義歯を分離させる。
上記4の工程について詳述する。この工程は、蝋をアクリル系樹脂で置換させ義歯床を成型すると共に、人工歯2内の縦孔と貫通孔にアクリル系樹脂を充填させることで義歯床と人工歯の接着度を高める。具体的には、上記3の工程で除去された蝋の空洞部にアクリル系樹脂を充填させると、人工歯2内の基底部側にある縦孔3bの開口部から、アクリル系樹脂が流入する。縦孔3bから流入したアクリル系樹脂は、次第に縦孔の内部に充填される。このとき、縦孔と貫通孔内の空気は、貫通孔の開口部から排気される。この排気による空気の移動により、アクリル系樹脂が次第に縦孔から貫通孔の内部へと流入する。
基底部側にある縦孔3bからアクリル系樹脂が流入した後、時間の経過につれ、貫通孔3aの一方の開口部からもアクリル系樹脂が流入した場合には、貫通孔3aの他方の開口部から孔内の空気が排出される。すなわち、人工歯2において、貫通孔3a及び縦孔3bからなる3方向の開口部の内、少なくとも縦孔3bを含む2方向からアクリル系樹脂が流入されると、孔内の空気は残り1方向の貫通孔3aから排気される。孔内の排気に伴う空気の移動に同調し、ペースト状のアクリル系樹脂は孔内をスムースに移動できる上、孔内全体をくまなく充填できる。
以上のように、縦孔の開口部からアクリル系樹脂が注入されると、孔内の空気は貫通孔の開口部から排気される。その後、貫通孔の一方の開口部からもアクリル系樹脂が流入されると、他方の開口部から孔内の空気が排気される。この排気による空気の移動にガイドされ、アクリル系樹脂は孔内をスムースに移動できる。さらに、孔内に空気が残存しないため、アクリル系樹脂は孔内を隙間無く充填できる。また、人工歯2と義歯床4の両方をアクリル系樹脂として、同じ材質として、化学的物性を同一としながらしっかりと連結できる。この有床義歯は、義歯床のアクリル系樹脂を重合硬化させて、人工歯2内の縦孔と貫通孔内の樹脂と義歯床4の樹脂を一体的に連結して、同素材として人工歯2との密着度を高くできる。よって人工歯2と義歯床4とが強度に接着された、安定性の高い有床義歯1が得られる。
1…有床義歯
2…人工歯
3a…貫通孔
3b…縦孔
4…義歯床
11…有床義歯
12…人工歯
13…貫通孔
14…義歯床
A…空気
2…人工歯
3a…貫通孔
3b…縦孔
4…義歯床
11…有床義歯
12…人工歯
13…貫通孔
14…義歯床
A…空気
Claims (6)
- プラスチックを成形している義歯床(4)と、この義歯床(4)に付け根部を埋設している人工歯(2)とを備え、人工歯(2)が、義歯床(4)のプラスチックを流入される貫通孔(3a)を付け根部に設けて、この貫通孔(3a)の両端開口部を、義歯床(4)に埋設している有床義歯において、
人工歯(2)に設けている貫通孔(3a)を、隣の歯との対向面に両端を開口すると共に、この貫通孔(3a)に人工歯(2)の内部で連結する縦孔(3b)を設けており、この縦孔(3b)は、一端を貫通孔(3a)に連結して他端を人工歯(2)の基底側に開口すると共に、その開口部を貫通孔(3a)の開口部よりも人工歯(2)の基底部側の先端側に位置させており、この縦孔(3b)と貫通孔(3a)に義歯床(4)のプラスチックを流入して、人工歯(2)の付け根部を義歯床(4)に埋設してなる有床義歯。 - 縦孔(3b)が貫通孔(3a)に対して直交するように開口している請求項1に記載される有床義歯。
- 貫通孔(3a)と縦孔(3b)が、内径の等しい円柱状である請求項1に記載される有床義歯。
- プラスチック製の義歯床(4)に付け根部を埋設して固定され、かつ義歯床(4)のプラスチックを流入される貫通孔(3a)を付け根部に設けて、貫通孔(3a)に義歯床(4)のプラスチックを流入して義歯床(4)に埋設して固定するようにしてなる人工歯(2)において、
付け根部に設けている貫通孔(3a)を、隣の歯との対向面に両端を開口すると共に、この貫通孔(3a)に人工歯(2)の内部で連結する縦孔(3b)を設けており、この縦孔(3b)は、一端を貫通孔(3a)に連結して他端を人工歯(2)の基底側に開口すると共に、その開口部を貫通孔(3a)の開口部よりも人工歯(2)の基底部側の先端側に位置させており、この縦孔(3b)と貫通孔(3a)に義歯床(4)のプラスチックを流入して、付け根部を義歯床(4)に埋設するようにしてなる人工歯。 - 縦孔(3b)が貫通孔(3a)に対して直交するように開口している請求項4に記載される人工歯。
- 貫通孔(3a)と縦孔(3b)が、内径の等しい円柱状である請求項4に記載される人工歯。
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