JP2012073159A - ケースユニット及びケースユニットの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製のケース本体2の開口部24の内側に、当該開口部24の内周面に沿ってガラスパッキン6を配置したあと、この開口部24にケース本体2の外側から金属製の枠部材8を嵌装し、ケース本体2の開口部24に、ガラス部材7を、ガラスパッキン6を介して圧入状態で嵌装する。金属製の枠部材8には、開口部24の外周端部から開口部24の内側に向かって延出したフランジ部81が、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の少なくとも一部を覆っているので、ケース本体開口部24からのガラス部材7の抜け落ちを確実に防止することができる。
【選択図】図4
Description
例えば、特許文献1には、ガラスパッキンを介して風防受け部材にガラス部材(特許文献1において「風防」)を嵌め込む構成が記載されている。
このような構成では、例えばガラス部材を両面接着テープでケース本体に固定した上で、ケース本体の内側壁とガラス部材との間にガラスパッキンを介在させ、このガラスパッキンによる摩擦力によりガラス部材の抜け落ちを防止するようになっている。また、ガラス抑え用の金属リングの上から外観用金属リングやウレタンベゼル等を被せることにより、ガラス抑え用の金属リングの抜け落ち、及びガラス部材の抜け落ちを防止する構成も提案されている。
しかしこのような構成では、ガラス抑え用の金属リングは開口部を外側から押さえるだけのものであって、ガラス部材の抜け落ちを抑制する抑制力はそれほど高くはなく、また、外観用金属リングやウレタンベゼル等も単に上から被せるだけのものであって、ガラス部材の抜け落ち抑制にはあまり効果がない。
このため、ガラス部材の抜け落ちの抑制は、そのほとんどをガラスパッキンによる摩擦力に頼っており、例えば、高温放置試験後にガラス部材の抜け落ち抑制力を調べた場合にその値が許容値ぎりぎりとなる場合があった。
開口部を備えた樹脂製のケース本体と、
このケース本体の前記開口部の内側に前記開口部の内周面に沿って配置された弾性部材と、
前記開口部に外側から嵌装された枠部材と、
前記ケース本体の前記開口部に、前記弾性部材を介して圧入状態で嵌装されたガラス部材とを備え、
前記枠部材は、前記開口部の外周端部から開口部内側に向かって延出するフランジ部を有し、このフランジ部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の少なくとも一部を覆っていることを特徴とするケースユニットである。
前記フランジ部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の厚み方向の半分を覆っていることを特徴としている。
前記フランジ部の一部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の厚み方向の半分の部分と当接していることを特徴としている。
前記枠部材は、金属製の材料で形成されていることを特徴としている。
樹脂により形成されているケース本体の開口部の内周面に対向する外周面を有する弾性部材を前記開口部の内側に配置する弾性部材配置工程と、
前記開口部の外周端部から開口部内側に向かって延出するフランジ部を有する枠部材を、前記開口部に前記ケース本体の外側から嵌装する枠部材嵌装工程と、
前記弾性部材配置工程及び前記枠部材嵌装工程の後に、前記ケース本体の前記開口部に、ガラス部材を、前記弾性部材を介して圧入状態で嵌装するガラス部材嵌装工程と、
を含み、
前記枠部材嵌装工程において、前記枠部材は、前記フランジ部が前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の少なくとも一部を覆うように配置されることを特徴とするケースユニットの組立方法である。
また、この発明によれば、そればかりでなく、フランジ部が弾性部材の少なくとも一部を覆うことにより装飾部材としての役割を兼ねることができる。
これにより、ガラス部材の抜け落ち防止と、外観向上のための部材を1部品で実現することができ、部品点数の削減、組み立ての簡易化、及び製造コストの低減を図ることができるとの効果を奏する。
ケース本体2は、例えばABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene共重合合成樹脂)等の樹脂製の材料によって形成されている。
ケース本体2は、図3に示すように、短柱形状に形成されており、その内側は上下が開口した中空状になっている。この中空部分は、図3に示すように、文字板31や指針32、指針を支持する支軸33、文字板31の上に配置される見切り部材34の他、内部に時計部品等を保持するモジュール部材等(図示せず)が収納される収納空間を与える収納部となる。
さらに、ケース本体2の外周部には、時刻合わせの指示などの種々の操作指示が入力される複数の操作ボタン22が左右2つずつ設けられている。
本実施形態において、ガラスパッキン6は、ほぼリング状に形成されており、その外周の径が開口部24の段差部25の内周の径とほぼ等しくなっている。ガラスパッキン6は、これを段差部25に配置した際、段差部25の内周面とガラスパッキン6の外周面とがほぼ隙間なく当接するようになっている。なお、ガラスパッキン6の内周側の上端は、後述するガラス部材7を圧入しやすいように角のない傾斜部61とされていることが好ましい(図5参照)。
なお、ガラスパッキン6を形成する材料は特に限定されないが、例えば、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(VMQ)、エチレンプロピレンゴム(EPDM) 、水素化ニトリルゴム(HNBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、ブチルゴム(IIR)等を適用することができる。
ガラス部材7がガラスパッキン6を介して開口部24に圧入されることにより、開口部24は気密性の高い状態で閉塞される。
枠部材8は、ガラス部材7がケース本体2の開口部24に圧入されることにより樹脂製のケース本体2が外側に膨らむのを抑制するものである。
本実施形態において、枠部材8は、ほぼリング状に形成されており、例えばステンレス(SUS)等の金属材料で形成されている。なお、枠部材8を形成する材料はステンレスに限定されず、ガラス部材7の圧入によるケース本体2の膨張を抑制することができる硬度の高い材料であれば適用可能である。
本実施形態において、フランジ部81は、弾性部材であるガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部(すなわち、図3における上側の端部)の厚み方向のほぼ半分を覆っている。
このフランジ部81は、ケースユニット1の視認側の外観を向上させる外観装飾部材を兼ねており、別途装飾リング等を設けなくても、枠部材8が配置されることによりフランジ部81によってガラス部材7の周囲が装飾されるようになっている。
図5に示すように、本実施形態において、ガラスパッキン6の内周の上端は、前述のように傾斜部61となっているが、ガラス部材7を圧入することによりガラスパッキン6は開口部24の内周面に押し付けられて拡がり変形する。そして、図4に示すように、ガラス部材7が開口部24に嵌装されると、ガラス部材7と開口部24の内周面との間にガラスパッキン6がほぼ隙間なく介在するようになっている。
また、本実施形態においては、ガラス部材7が圧入された状態において、ガラス部材7の上面とガラスパッキン6の上面とはほぼ面一となり、フランジ部81の一部は、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の厚み方向のほぼ半分の部分と当接するようになっている。
このとき、ガラスパッキン6の内周の上端は、図5に示すように傾斜部61となっており、ガラスパッキン6の縦方向の高さ寸法も段差部25の高さよりも多少低くなっている。
ガラス部材7を開口部24に圧入することにより、ガラスパッキン6は開口部24の内周面に押し付けられて拡がり変形する。そして、図4に示すように、ガラスパッキン6の上端部がガラス部材7の上面とほぼ面一の高さまで押し上げられるとともに、ガラス部材7と開口部24の内周面との間にガラスパッキン6がほぼ隙間なく介在し、ガラス部材7が開口部24から抜け落ちることを防止する。また、ガラス部材7が圧入された状態において、ガラスパッキン6の上端部の厚み方向のほぼ半分が金属製の枠部材8のフランジ部81により覆われ、フランジ部81の一部は、ガラスパッキン6の上端部の厚み方向のほぼ半分と当接する。このため、ガラス部材7がガラスパッキン6ごと抜け落ちることが確実に防止される。
また、ガラス部材7が開口部24から抜け落ちるときはガラスパッキン6と一緒に抜ける傾向があるが、本実施形態では、フランジ部81がガラスパッキン6の上端部の厚み方向のほぼ半分を覆っているため、ガラス部材7がガラスパッキン6ごと抜け落ちるのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、フランジ部81がガラスパッキン6の上端部の厚み方向のほぼ半分を覆うことにより装飾部材としての役割を兼ねることができる。これにより、ガラス部材7の抜け落ち防止と、ケースユニット1の外観向上のための部材を1部品で実現することができ、部品点数の削減、組み立ての簡易化、及び製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、樹脂製のケース本体2の開口部24の内側に弾性部材であるガラスパッキン6を配置し(弾性部材配置工程)、その後、フランジ部81を有する枠部材8を、開口部24にケース本体の外側から嵌装し(枠部材嵌装工程)、これら弾性部材配置工程及び枠部材嵌装工程の後に、ケース本体2の開口部に、ガラス部材7を、ガラスパッキン6を介して圧入状態で嵌装(ガラス部材嵌装工程)するようにしているので、ガラス部材7の後入れが可能となり、ケースユニット1の組み立て作業の迅速化を図ることができる。
また、本実施形態においては、ガラス部材7が圧入された状態において、フランジ部81の一部は、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の厚み方向の半分の部分と当接するようになっているため、フランジ部81によってガラスパッキン6が確実に押えられ、ガラス部材7がガラスパッキン6ごと抜け落ちるのをより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、枠部材8がステンレス等の金属製の材料で形成されていることから、樹脂製のケース本体2の膨張、変形を確実に抑制することができるとともに、金属部品をケースユニット1の表面に配置することにより、高級感を演出し、ケースユニット1の外観の向上を図ることができる。
フランジ部81によってガラスパッキン6の一部でも覆われていれば、ガラスパッキン6ごとガラス部材7が開口部24から抜け落ちることを防止する効果があるため、フランジ部81は、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の少なくとも一部を覆っていれば足りる。
また、本実施形態ではフランジ部81が、弾性部材であるガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の厚み方向のほぼ半分の部分と当接している場合を例として説明したが、フランジ部81が当接する範囲はこれに限定されない。
フランジ部81がガラスパッキン6の一部でも当接していれば、ガラスパッキン6ごとガラス部材7が開口部24から抜け落ちることを防止する効果があるため、フランジ部81は、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の少なくとも一部に当接していれば足りる。また、フランジ部81がガラスパッキン6に当接せず、ガラスパッキン6の一部を覆っているのみの構成としてもよい。
なお、フランジ部81がガラス部材7上にかかるように配置されると、枠部材8を嵌装してからガラス部材7を圧入することが困難となることから、フランジ部81は、ガラス部材7上にかからない範囲で設けられる。
例えば、まず始めに開口部24に枠部材8を嵌装してから、開口部24の段差部25にガラスパッキン6を配置し、最後にガラス部材7を圧入してもよい。
このような手順で組立を行う場合には、枠部材8を嵌装した後でもガラスパッキン6を段差部25に配置しやすいように、フランジ部81を設ける範囲を、ガラスパッキン6におけるガラス部材7の圧入側端部の厚み方向のほぼ半分を覆う程度よりも狭い範囲とすることが望ましい。
また、ケースユニット1が適用される腕時計は、アナログ方式、デジタル方式のいずれであってもよい。
2 ケース本体
6 ガラスパッキン
7 ガラス部材
8 枠部材
24 開口部
25 段差部
61 傾斜部
81 フランジ部
Claims (5)
- 開口部を備えた樹脂製のケース本体と、
このケース本体の前記開口部の内側に前記開口部の内周面に沿って配置された弾性部材と、
前記開口部に外側から嵌装された枠部材と、
前記ケース本体の前記開口部に、前記弾性部材を介して圧入状態で嵌装されたガラス部材とを備え、
前記枠部材は、前記開口部の外周端部から開口部内側に向かって延出するフランジ部を有し、このフランジ部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の少なくとも一部を覆っていることを特徴とするケースユニット。 - 前記フランジ部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の厚み方向の半分を覆っていることを特徴とする請求項1に記載のケースユニット。
- 前記フランジ部の一部は、前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の厚み方向の半分の部分と当接していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケースユニット。
- 前記枠部材は、金属製の材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のケースユニット。
- 樹脂により形成されているケース本体の開口部の内周面に対向する外周面を有する弾性部材を前記開口部の内側に配置する弾性部材配置工程と、
前記開口部の外周端部から開口部内側に向かって延出するフランジ部を有する枠部材を、前記開口部に前記ケース本体の外側から嵌装する枠部材嵌装工程と、
前記弾性部材配置工程及び前記枠部材嵌装工程の後に、前記ケース本体の前記開口部に、ガラス部材を、前記弾性部材を介して圧入状態で嵌装するガラス部材嵌装工程と、
を含み、
前記枠部材嵌装工程において、前記枠部材は、前記フランジ部が前記弾性部材における前記ガラス部材の圧入側端部の少なくとも一部を覆うように配置されることを特徴とするケースユニットの組立方法。
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