JP2002352662A - 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計 - Google Patents

押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計

Info

Publication number
JP2002352662A
JP2002352662A JP2002070872A JP2002070872A JP2002352662A JP 2002352662 A JP2002352662 A JP 2002352662A JP 2002070872 A JP2002070872 A JP 2002070872A JP 2002070872 A JP2002070872 A JP 2002070872A JP 2002352662 A JP2002352662 A JP 2002352662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
push button
elastic member
fixed structure
sliding
button structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002070872A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Arikawa
康夫 有川
Imao Hiraga
今夫 平賀
Takumi Oshio
匠 大塩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002070872A priority Critical patent/JP2002352662A/ja
Priority to EP02256295A priority patent/EP1345095B1/en
Priority to DE60226405T priority patent/DE60226405D1/de
Priority to US10/243,100 priority patent/US20030174590A1/en
Priority to CNB021429383A priority patent/CN1181413C/zh
Publication of JP2002352662A publication Critical patent/JP2002352662A/ja
Priority to HK03108238A priority patent/HK1056021A1/xx
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Push-Button Switches (AREA)
  • Telephone Set Structure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押ボタン構造の機能部品の構成を改善するこ
とにより、製造コストを低減することができるとともに
厚さを低減することが可能な押ボタン構造を提供する。 【解決手段】 外装ケース11の貫通孔11aにパイプ
21が固着され、このパイプ21に対して操作体22の
軸部22aが摺動可能に挿通している。操作体22の頭
部22bとパイプ21との間には、筒状の弾性部材24
が保持されている。弾性部材24の外端当接部24aは
鍔状に形成され、シール部24cは軸部22aの外周面
とパイプ21との間に嵌入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押ボタン構造並び
にこれを備えた電子機器及び時計に係り、特に、防水構
造を必要とする携帯時計や携帯型電子機器に用いる場合
に好適な押ボタン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器、例えば腕時計におい
て、外装ケース(胴)の側面部に操作用のボタンを備え
た押ボタン構造が設けられる場合がある。この押ボタン
構造は外装ケースに対して操作体(ボタン)を出没方向
へ移動可能に構成したものである。特に、腕時計の場合
には、外装ケースの防水性を確保するために以下のよう
な取付構造が構成されている。
【0003】図9に示すように、外装ケース1に穿設さ
れた貫通孔1aには円筒状のパイプ2が溶着され、この
パイプ2の内部には操作体であるボタン3の根元の軸部
3aが摺動自在に挿通されている。この軸部3aには環
状の周回溝が形成され、この周回溝内にリング状のパッ
キン4が装着されている。軸部3aの内端部3dにはC
字状の係合リング(止め輪)5が嵌合し、この係合リン
グ5によってボタン3が外装ケース1の外側に抜けない
ようになっている。
【0004】ボタン3の頭部3bは軸部3aよりも拡径
した形状を有し、軸部3bから周囲に張り出した張出部
分の内側に、環状の収容凹部3cが形成されている。こ
の収容凹部3cにはコイルバネ6の外端部が収容され、
このコイルバネ6の内端部はパイプ2に形成された段差
部2aに当接している。パイプ2は外装ケース1の外側
へ向けて周囲に広がった鍔部2bを備え、この鍔部2b
は、ボタン3の頭部3bを取り巻くように形成されてい
る。
【0005】この押ボタン構造においては、ボタン3の
頭部3bを外側から押し込むことによって軸部3aが外
装ケース1の内側へと移動し、ボタン3の内端部3dが
外装ケース1の内部にて図示しない接点バネ等に当接す
るように構成されている。接点バネは上記ボタン3の出
没に伴って移動変形し、図示しない電気接点が開閉する
ように構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
腕時計の押ボタン構造では、外装ケース1の貫通孔1a
の内面を円滑な円筒面に加工することが困難であるた
め、貫通孔1a内にてパイプ2を溶着させ、このパイプ
2の内周面にボタン3の軸部3aの外周面が摺接するよ
うに構成されている。そして、このパイプ2の内周面と
軸部3aの外周面との摺接部分でパッキン4により防水
性を確保するようになっている。したがって、パイプ2
の内周面がパッキン4の全摺接範囲に亘り円滑な面に形
成されていなければならないが、パイプ2の内周面に研
摩等の加工を施すことはきわめて困難であるとともに、
ボタン3の軸部3aに周回溝を形成する必要があるの
で、部品の加工コストが高くなり、製造コストが増大す
るという問題点がある。
【0007】また、従来は、パイプ2の内周面と軸部3
aの外周面との摺接部分においてパッキン4を用いて防
水性を担保しているので、ボタン3の全ストローク範囲
に亘りパッキン4に摺接するだけのパイプ2の長さが必
要であり、また、パッキン4とパイプ2の内周面との間
で充分な防水性を確保するためには、ボタン3の軸部3
aに装着されたパッキン4にもある程度の長さ、すなわ
ち防水耐圧に対応した長さ、が必要となる。このような
理由から、パイプ2及びボタン3を充分に長くする必要
があるため、ボタン3の内端部から外端部までの距離、
すなわち押ボタン構造の厚さ、を小さくすることができ
ず、外装ケース1の外側にボタン3が大きく突出してし
まうという問題点がある。特に腕時計等のように高いデ
ザイン性が要求される機器に押ボタン構造を設ける場合
には、ボタン3が大きく突出することによって良好なデ
ザインを構成することが困難になる。
【0008】そこで、本発明は上記課題を解決するもの
であり、その課題は、押ボタン構造の機能部品の構成を
改善することにより、製造コストを低減することができ
るとともに厚さを低減することが可能な押ボタン構造を
提供することにある。また、押ボタン構造の厚さを低減
しても機器の防水性を確保できる構造を実現することに
ある。さらに、操作性の良好な押ボタン構造を提供す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の押ボタン構造は、固定構造部と、前記固定構
造部に対して出没可能に取り付けられた操作体とを有す
る押ボタン構造であって、前記操作体は、前記固定構造
部に対して摺動可能に構成された摺動部と、前記摺動部
の外側に接続され、前記摺動部よりも拡径した張出形状
を有する操作頭部とを有し、前記操作頭部の張出部分と
前記固定構造部との間に保持され、前記摺動部を取り巻
く筒状の弾性変形可能な弾性部材が設けられたものであ
る。
【0010】本発明においては、操作頭部の張出部分と
固定構造部との間に保持された筒状の弾性部材によって
固定構造部と操作体との間のシール効果を確保するよう
に構成できる。したがって、操作体の摺動部の外周面を
円滑に加工するだけで弾性部材との間に良好な摺動性及
びシール効果を確保することができるので、部品の加工
コストを低減することができる。また、操作体の摺動部
と固定構造部との間の摺接領域内にパッキン等の弾性部
材を介在させる必要がなくなるので、固定構造部の厚さ
を低減することができる。
【0011】なお、本発明において、上記固定構造部
は、操作体の出没動作時において固定されている部分で
あり、例えば上記従来例における外装ケース1やパイプ
2などに相当する。また、上記操作体は、押圧操作を受
ける部分及びこれと一体に動作する部分であり、例えば
上記従来例におけるボタン3に相当する。さらに、弾性
部材は、操作体の出没動作に伴って弾性変形可能なもの
であって、なおかつ、固定構造部と操作体との間のシー
ル効果を確保できるものであれば如何なるものであって
もよく、シール部分に用いられるパッキンの素材を用い
ることができ、例えばフッ素系ゴム、ニトリルゴム、ブ
チルゴム等の合成ゴム等が挙げられる。特に、耐久性や
防水性を高めるためにフッ素系ゴムが最も好ましい。
【0012】特に、第1発明の押ボタン構造は、前記固
定構造部には、前記摺動部の摺動方向に向いた第1面部
と、前記摺動部に略対向する第2面部とを有する段差部
分が設けられ、前記弾性部材は、無負荷状態で前記第1
面部に向けて突出する軸線方向突出部と、前記第2面部
に対向する前記摺動部に向けて突出する径方向突出部と
を有する筒状のシール領域を備え、前記シール領域が前
記段差部分に嵌入されていることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、操作頭部の張出部分と
固定構造部との間に保持された弾性部材のシール領域に
おいては、その保持力によって固定構造部の第1面部に
対して軸線方向突出部が押し付けられた状態で、背後の
第2面部によって規制された径方向突出部が摺動部に対
して押し付けられるので、このシール領域によって固定
構造部と摺動部との間のシール効果を高めることが可能
になり、その結果、操作体の操作力を軽く且つ柔らかく
しても充分な防水性を確保することができる。
【0014】本発明において、前記操作体が押し込まれ
て所望の操作が完了する位置に到達した場合に、前記固
定構造部の表面と、前記操作体の表面と、前記弾性部材
自体の径方向外面とで囲まれる筒状空間に対して、前記
弾性部材の充填割合が90〜100%の範囲内になるよ
うに構成されていることが好ましい。操作体が押し込ま
れて所望の操作が完了する摺動位置に到達した場合に、
上記筒状空間に対して弾性変形した弾性部材の充填割合
が90〜100%になるようにすることにより、弾性部
材による操作体の復元力を充分に確保することができ、
他のバネ部材等を不要とすることができるとともに、押
ボタン構造内に不要空間が少なくなるので、所要の動作
ストロークを確保しても押ボタン構造の厚さを薄く構成
できる。第2発明の押ボタン構造は、前記操作頭部の張
出部分の内側には、前記摺動部の周囲において収容凹部
が形成され、前記弾性部材は、押圧操作がなされていな
い場合に前記収容凹部内において径方向に余裕を備えた
状態で前記張出部分に当接する当接部を備えていること
を特徴とする。
【0015】この発明によれば、操作頭部の張出部分に
設けられた収容凹部内において、弾性部材の当接部が径
方向に余裕を備えた状態となっていることにより、押圧
操作によって操作体が移動して弾性部材が弾性変形した
ときに、弾性部材の当接部近傍が容易に弾性変形するこ
とができるようになっているので、操作体の操作時の感
触をより柔らかくすることができる。
【0016】本発明において、前記当接部が鍔状に形成
されていることが好ましい。この手段によれば、当接部
が鍔状に形成されていることにより、収容凹部内におけ
る当接部の剛性を高めることができるとともにその当接
状態や形状が安定し、当接部近傍における弾性変形の方
向その他の態様を安定させることができる。
【0017】本発明において、前記固定構造部には、前
記操作頭部における前記収容凹部の外側にある外周部分
を収容可能な凹溝が形成されていることが好ましい。収
容凹部の外側にある外周部分を収容可能な凹溝が固定構
造部に形成されていることにより、押ボタン構造の厚さ
を低減しつつ操作体の動作ストロークを確保することが
できる。
【0018】第3発明の押ボタン構造は、前記操作体が
押し込まれて所望の操作が完了する位置に到達した場合
に、前記固定構造部の表面と、前記操作体の表面と、前
記弾性部材自体の径方向外面とで囲まれる筒状空間に対
して、前記弾性部材の充填割合が90〜100%の範囲
内になるように構成されていることを特徴とする。
【0019】本発明において、前記張出部分には、その
軸線周りに部分的に形成された部分凹部が設けられ、前
記部分凹部によって前記弾性部材の充填割合が100%
を下回るように構成されていることが好ましい。操作体
が押し込まれて所望の操作が完了する位置に到達した場
合に、操作頭部の張出部分に、軸線周りに部分的に形成
された部分凹部が設けられ、この部分凹部によって充填
割合が100%を下回るように構成されていることによ
り、部分凹部以外の構造によって操作体が押し込まれた
際における弾性部材の弾性変形態様を規制することがで
きるとともに、弾性部材が部分凹部に逃げ込めるように
構成されているために、操作体の動作ストロークに対す
るマージンを確保でき、また、部分凹部の形状や大きさ
によって操作体の操作時の感触や操作体の復元力を容易
に設定することが可能になる。
【0020】第4発明の押ボタン構造は、前記弾性部材
は、前記操作頭部の張出部分の内面に当接する第1当接
部と、前記固定構造部における前記張出部分に対向する
部分に当接する第2当接部と、前記摺動部に当接する第
3当接部とを備えていることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、第1当接部と第2当接
部とによって弾性部材が操作頭部の張出部分と固定構造
部との間に保持され、第3当接部によって弾性部材と摺
動部とが摺接しているので、簡単な形状で操作体の復元
力と弾性部材によるシール効果とを両立させることがで
きる。
【0022】本発明において、前記張出部分の内面には
前記第1当接部を収容する第1凹溝が形成され、前記固
定構造部には前記第2当接部が当接する第2凹溝が形成
されていることが好ましい。第1当接部と第2当接部と
がそれぞれ収容される第1凹溝と第2凹溝とが設けられ
ていることによって、弾性部材をより安定した状態で操
作頭部の張出部分と固定構造部との間に保持することが
でき、また、弾性部材によるシール効果を向上させ、防
水性を高めることができる。
【0023】第5発明の押ボタン構造は、前記弾性部材
には、前記張出部分の内側に当接する第1当接部と、前
記固定構造部に当接する第2当接部との間に、円錐台形
状の傾斜筒部が設けられていることを特徴とする。
【0024】本発明において、前記弾性部材は、前記押
圧操作に対する前記操作体の復帰動作に寄与する弾性力
を発揮するように構成されていることが好ましい。操作
体を押圧したときに弾性部材が弾性変形し、この弾性変
形によって操作体の復帰動作に寄与する弾性力が発揮さ
れるように構成されていることにより、別途金属バネ等
を用いることなく押ボタン構造を構成可能になるために
部品点数を削減することができるとともに、操作体の感
触を柔らかなものとすることができる。ただし、この手
段においては、弾性部材の弾性力は操作体の復帰動作に
寄与するだけで足りるので、操作体の復帰動作を確実に
行わせるために別の弾性部材(金属バネ等)を設けても
構わない。
【0025】本発明において、前記固定構造部には前記
摺動部を摺動可能に挿通させた貫通孔が形成されている
場合がある。固定構造部に形成された貫通孔に摺動部が
摺動可能に挿通されていることにより、固定構造部の内
側に摺動部の内端部を導入した状態で内部機構や接点機
構を動作させることが可能になる。
【0026】本発明において、前記貫通孔には筒状の案
内部材(上記のパイプに相当する。)が挿通固定され、
前記案内部材の内部を前記摺動部が摺動可能に挿通して
いる場合がある。
【0027】次に、本発明の電子機器は、上記いずれか
に記載の押ボタン構造を備えたものである。電子機器と
しては、ラジオ受信機、テレビ受信機、無線電話、コン
ピュータ装置、ダイビングコンピュータ、電子腕時計等
が挙げられる。
【0028】また、本発明の時計は、上記いずれかに記
載の押ボタン構造を備えたものである。時計としては、
腕時計や懐中時計等の携帯時計の他、置時計や各種計時
装置が挙げられる。
【0029】特に、本発明の押ボタン構造は、携帯時計
や携帯型電子機器のスイッチ構造として形成されること
が、ケースの薄型化、操作性の向上、外形デザインの向
上を図る上で効果的である。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時
計の実施形態について詳細に説明する。
【0031】[第1実施形態]図8は、本実施形態の押
ボタン構造を備えた携帯時計の時計本体10を模式的に
示す概略縦断面図である。ここで、中央の一点鎖線より
左側の部分は時計本体の12時方向及び6時方向の切断
面を示し、上記一点鎖線より右側の部分は時計本体の3
時方向の切断面を示す。時計本体10は、外装ケース1
1と、この外装ケース11の前面側に取り付けられた表
示窓12と、外装ケース11の背面側に取り付けられた
裏蓋13と、外装ケース11の内部に収容されたムーブ
メント14とを備えている。ムーブメント14は、指針
や液晶パネル等からなる表示体141と、回路基板14
2と、通常の電池、化学電池、大容量キャパシタ等から
なる電源143とを含む。
【0032】外装ケース11の材質は、ステンレス鋼、
チタン系合金、金合金などの金属材料や、ポリカーボネ
ート、ABSなどのプラスチックを用いる。
【0033】ムーブメント14には、接点バネ144が
設けられ、この接点バネ144は上記回路基板145の
端子パッド145に対向配置されている。接点バネ14
4は、例えば、ムーブメント14の内部に配置された押
え板等の一部で構成される。接点バネ144は弾性変形
可能であり、その弾性変形によって上記端子パッド14
5に当接可能に構成されている。
【0034】外装ケース11の側面部(3時方向の側
面)にはケース内外に貫通する貫通孔11aが形成され
ている。この貫通孔11aの外側には貫通孔11aより
も拡径した拡大凹部11Aが形成され、この貫通孔11
a及び拡大凹部11A内には、以下に説明する押ボタン
構造20が構成されている。
【0035】図1は本発明に係る押ボタン構造20の拡
大部分断面図であり、図2は、この押ボタン構造20に
おける操作体(ボタン)を押圧した状態を示す拡大部分
断面図である。押ボタン構造20においては、上記貫通
孔11aにパイプ21が挿入され、溶着等によって外装
ケース11に固着されている。このパイプ21には、外
装ケース11の内側に形成された円筒内面部21aと、
この円筒内面部21aの外側に隣接し、外側に向いたリ
ング状の平坦面からなる第1面部21bと、この第1面
部21bの外周側に隣接した円筒内面状の第2面部21
cとが設けられている。パイプ21の材質として、ステ
ンレス鋼、チタン系合金などの金属材料を用いる。
【0036】操作体22には、パイプ21を摺動可能に
挿通し、その円筒内面部21bに摺接する円柱状の軸部
22a(上記摺動部に相当する。)と、この軸部22a
の先端において拡径して周囲に張り出し、全体として傘
形状に構成された頭部22b(上記操作頭部に相当す
る。)とを備えている。軸部22aの内端部22dには
C字状の係合リング(止め輪)23が嵌装され、この係
合リング23がパイプ21の内端部に係合することによ
って操作体22が外装ケース11の外部へ抜けないよう
に構成されている。また、頭部22bの張出部分の内側
には、軸部22aを取り巻く環状の収容凹部22cが形
成されている。この収容凹部22cの内側内周面22b
−1には、軸線周りの一部又は全周において部分22b
−2が形成されている。ここで、軸部22aが弾性部材
24と接触する部分の仕上げ面の表面粗さの最大高さR
maxは、JIS B0601で規定した場合、3.2μ
m以下に仕上げられているのが好ましく、鏡面仕上げさ
れているのがより好ましい。この表面粗さの最大高さR
maxが3.2μm以上の大きさになると、弾性部材24
と軸部22aとの摩擦係数が増加して潤滑性が悪くな
り、大きな操作力が必要となってしまう。また、弾性部
材24と軸部22aとの密着性を悪きなるので、防水不
良が発生しやすい。
【0037】ここで、弾性部材24と軸部22aとの接
触面には、シリコオイルを塗布すれば、摩擦係数が減る
ので潤滑性が向上して押しボタン操作性がよくなり、防
水性も向上させることができる。特に、押しボタンを押
し込んだときの防水性が向上できるメリットを有し、回
路動作時の防水不良が抑止される。
【0038】パイプ21の上記第1面部21bと、操作
体22の上記頭部22bの張出部分との間には、合成ゴ
ム等からなる弾性部材24が保持されている。この弾性
部材24は全体として円筒形状を備えており、上記頭部
22bの張出部分に設けられた収容凹部22cの奥面に
当接する鍔状に形成された外端当接部24aと、この外
端当接部24aから軸線方向に伸び、円筒状に構成され
た中間部24bと、上記パイプ21の第1面部21b及
び第2面部21cと、操作体22の軸部22aの外周面
とによって囲まれる空間(パッキンボックスを構成す
る。)内に嵌入されたシール部24cとを有する。
【0039】ここで、第2断面部21cが弾性部材24
と接触する部分の仕上げ面の表面粗さの最大高さRmax
は、JIS B0601で規定した場合、3.2μm以
下に仕上げられているのが好ましく、鏡面仕上げされて
いるのがより好ましい。この表面粗さの最大高さRmax
が3.2μm以上の大きさになると、弾性部材24と軸
部22aとの摩擦係数が増加してシュウドウ性が悪くな
るので、摩擦力が増加して操作性が悪くなり、かつ、防
水性も悪くなる。また、第2断面部21cが弾性部材2
4と接触する部分には、シリコオイルを塗布すれば、摩
擦係数が減るので潤滑性が向上して押しボタン操作性が
よくなり、防水性も向上させることができる。
【0040】外端当接部24aは、押圧操作がなされて
いない状態(図1に示す状態)において、上記収容凹部
22cに対して径方向に余裕を有するように当接してい
る。すなわち、外端当接部24aの径方向の幅は、収容
凹部22cの径方向の幅よりも小さく形成されている。
より具体的には、図示例の場合、外端当接部24aと収
容凹部22cの内側内周面22b−1との間に隙間が存
在する。
【0041】シール部24cは、無負荷状態(弾性部材
24に対して大気圧以外の応力が何ら加わっていない状
態)では図1に一点鎖線で示す断面形状を軸線周りに備
えている。この断面形状には、上記第1面部21bに向
けて突出する軸線方向突出部24xと、上記第2面部2
1cに対向する軸部24aの外周面に向けて突出する径
方向突出部24yとが設けられている。このような無負
荷状態における断面形状を有する弾性部材24は、頭部
24bの張出部分とパイプ21の第1面部21bとの間
にやや圧縮状態で保持されているとともに、パイプ21
の第2面部21cと操作体24の軸部24aの外周面と
の間に圧縮状態となるように嵌入されていることによっ
て、上記軸方向突出部24xと径方向突出部24yとが
押しつぶされ、パッキンボックスを構成する上記外面部
21b、対向内面部21c、軸部24aの外周面とで囲
まれる空間を満たすように弾性変形している。
【0042】上述のように構成された押ボタン構造20
において、操作体22の頭部22bを押圧すると、図2
に示すように、弾性部材24が軸線方向に押し縮めら
れ、軸部22aが外装ケース11の内側へ向けて摺動
し、その内端部22dがケース内に突出する。すると、
図8に示す接点バネ144が内端部22dに押圧されて
回路基板142の端子パッド145に接触する。
【0043】操作体22が押圧操作されて上記接点バネ
144が端子パッド145に接触するといった所望の動
作が完了する位置まで摺動すると、図2に示すように、
弾性部材24は、パイプ21の第1面部21b、第2面
部21c、収容凹部22cの内面、軸部22aの外周
面、及び、弾性部材24の一部露出した外表面によって
囲まれた空間内をほぼ満たすように弾性変形する。この
とき、この空間に対する弾性部材24の充填割合は、本
実施形態の場合には90〜100%の範囲内になるよう
に設計されている。上記充填割合が上記範囲内に設定さ
れていることにより、操作体22の頭部22bに対する
押圧力を解除したときの操作体22の復元力を充分に確
保することができるので、操作体22を元の位置に戻す
ための他のバネ部材を用いる必要をなくすことができる
とともに、操作体22の動作ストロークを確保しても押
ボタン構造をコンパクトに構成することが可能になるの
で、押ボタン構造の厚さ(軸線方向の長さ、すなわち図
示左右方向の長さ)を小さくすることができる。すなわ
ち、図9におけるLの長さ分は短くすることができるの
で、ボタン構造の厚さを小さくできる。これによって、
スリムなデザインを持ち合わせた時計を提供できる。
【0044】本実施形態の場合には、通常は、上記収容
凹部22cの内側内周面22c−1が全周に亘り一定の
径となるように形成されていてもよいが、図示例のよう
に、その全周又は一部が部分22b−2で示す輪郭形状
となるように小径に形成されていてもよい。部分22b
−2に示す輪郭形状を全周又は一部に形成することによ
り、ボタン作動に要する弾性部材24の反発力の度合を
調節することができる。すなわち、この部分22b−2
を設けることにより、その外周側には、図2に示すボタ
ン押し込み状態においても弾性部材24が充填されない
部分が少なくとも一部に残るように構成され、これによ
って上記充填割合が100%未満になるので、部分22
b−2の形成の有無並びにその形成範囲及び形成深さの
大小によって上記充填割合を調節することができ、当前
記充填割合の調節によってボタン押し込み時の弾性部材
24の弾性反発力を調節することが可能になる。特に、
上記部分22b−2を軸線周りの周回方向若しくは軸線
方向に部分的に形成してなる部分凹部を設けることによ
って、ボタン押し込み時における弾性部材24の基本形
状を大きく崩すことなく、上記充填割合を適宜に設定す
ることができる。また同様の理由により、操作体22の
押し込み状態の位置に対する設計上のマージンを確保す
ることができるとともに、弾性部材24の弾性変形に必
要な応力を低減することができるので、操作体22に対
する操作力が低減され、操作時の感触も柔らかいものと
することができる。
【0045】また、操作体22に対する押圧操作がなさ
れていない場合には、収容凹部22cに対して弾性部材
24の外端当接部24aが径方向(図示上下方向)に余
裕を有するように形成されていることにより、図2に示
すように操作体22が押圧された状態で外端当接部24
aの近傍が弾性変形するための余裕が存在することとな
り、その結果、操作体22に対する操作感をより柔らか
なものとすることができる。なお、弾性部材24の弾性
変形態様を安定させるためには、図1に示すように外端
当接部24aが収容凹部22cに対して径方向に余裕を
有するとともに、操作体22に対して押圧操作がなされ
て所望の操作が完了した位置まで操作体22が移動した
場合においては図2に示すように外端当接部24aが弾
性変形し、収容凹部22cの径方向の全てに亘って満た
されるように設計されていることが好ましい。
【0046】ここで、本実施形態では、外端当接部24
aが鍔状に形成されているので、外端当接部24aの剛
性を高めることができるとともに、操作体22が押圧操
作を受けたときに、外端当接部24aの弾性変形の態様
を安定させることができる。すなわち、押圧操作がなさ
れて弾性部材24が軸線方向に圧縮されると、鍔状に形
成された外端当接部24aと中間部24bとの間の屈曲
部が徐々に弾性変形を起こし、外端当接部24aが収容
凹部22cの奥面に接触した状態のままで徐々に径方向
に広がっていくので、外端当接部24aの弾性変形の態
様が押圧操作を繰り返し受けても変化しにくく、その結
果、安定した操作性及び復元力を維持することが可能に
なる。
【0047】本実施形態においては、図1に示すように
弾性部材24のシール部24cに上記軸線方向突出部2
4x及び径方向突出部24yを形成したので、シール部
24cが軸線方向及び径方向の双方に充分に圧縮されて
いることとなるため、固定構造部の一部であるパイプ2
1と、操作体22の軸部22aとの間のシール効果を高
めることができる。特に、上述のように操作体22の押
圧操作の度に弾性部材24が弾性変形を繰り返しても、
シール部24cのシール効果に与える影響は少なく、腕
時計の防水性を充分に確保できる。
【0048】[第2実施形態]次に、図3を参照して本
発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形
態において、操作体22及び係合リング23は第1実施
形態と同一構造を有するものであるので、対応部位には
同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0049】外装ケース11’には、第1実施形態のパ
イプ21が取り付けられておらず、貫通孔11a’に直
接に操作体22が挿通されている。外装ケース11’自
体には、上記拡径凹部11A’内に、軸線方向に向いた
リング状平面からなる第1面部11b’及び径方向に向
いた円筒内面からなる第2面部11c’が形成されてい
る。
【0050】弾性部材24’は、外端当接部24a’、
中間部24b’及びシール部24c’とからなる。外端
当接部24a’は、第1実施形態と同様に外側に張り出
した鍔状に形成されている。また、シール部24c’
は、上記第1面部11b’と、第2面部11c’と、操
作体22の軸部22aの外周面とによって構成される空
間内に嵌入されている。
【0051】本実施形態の場合、外端当接部24a’
は、操作体22が押圧されていない状態で、第1実施形
態と同様に収容凹部22cに対して径方向に余裕をもっ
て当接しているが、第1実施形態とは異なり、外端当接
部24a’が収容凹部22cの内側内周面に接触してい
る一方、外端当接部24a’と収容凹部22cの外側内
周面との間に隙間が形成されるように構成されている。
【0052】本実施形態においては、上述のように、パ
イプを介することなく、外装ケース11’の貫通孔11
a’に対して直接に操作体22が摺動可能に挿通されて
いるが、外装ケース11’と操作体22との間のシール
効果は、弾性部材24’のシール部24c’によって確
保されているので、操作体22の軸部22aの外周面を
円滑に形成してあればよく、貫通孔11a’の内面を高
精度に研摩する必要は必ずしもない。したがって、部品
加工に必要なコストを従来よりも低減することができ
る。
【0053】また、本実施形態において、外端当接部2
4a’と収容凹部22cとの当接位置が若干第1実施形
態とは異なるが、外端当接部24a’が収容凹部22c
に対して径方向に余裕を持って当接している点は同様で
あり、操作体22を押圧することによって弾性部材2
4’が押し縮められ、外端当接部24a’及びその近傍
部位が径方向に広がるように構成されていることによ
り、第1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0054】[第3実施形態]次に、図4を参照して本
発明に係る第3実施形態の押ボタン構造について説明す
る。この押ボタン構造においては、上記第2実施形態の
押ボタン構造とほぼ同様の構造を有し、同一部分には同
一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0055】この実施形態が上記第2実施形態と異なる
点は、軸部22a’及び頭部22b’を備えた操作体2
2’の収容凹部22c’が内側に向けてより幅広く形成
されており、その結果、弾性部材24’の外端当接部2
4a’が収容凹部22c’内の内側内周面と外側内周面
の双方に対して離れている点にある。このように、弾性
部材24’の外側当接部24a’が径方向内側にも外側
にも余裕をもって収容凹部22c’に当接していること
により、操作体22’の頭部22a’に対する弾性部材
24’の弾性変形の余裕がより増大し、弾性部材24’
の外端当接部24a’近傍の弾性変形量を大きくするこ
とができるので、操作体22’の動作ストロークをより
大きくすることが可能であり、また、操作時の感触をよ
り柔らかいものとすることができる。
【0056】[第4実施形態]次に、図5を参照して本
発明に係る第4実施形態の押ボタン構造について説明す
る。この押ボタン構造において、操作体22’、係合リ
ング23、弾性部材24’は上記第3実施形態と同一で
あるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明
は省略する。
【0057】本実施形態においては、外装ケース11”
の構造のみが上記第3実施形態とは異なる。外装ケース
11”には、貫通孔11a”の外側に設けられた拡径凹
部11A”内であって、上記第1面部11b”及び第2
面部11c”の形成されている部位のさらに外周側に環
状の凹溝11d”が形成されている。この凹溝11d”
は、操作体22’の頭部22b’における収容凹部22
c’の外周側にある周縁部22e’を受け入れることが
できるように形成されている。
【0058】この実施形態によれば、外装ケース11”
に操作体22’の周縁部22e’を受け入れ可能な凹溝
11d”が形成されているので、操作体22’の動作ス
トロークを凹溝11d”の深さ分だけ大きくすることが
可能になる。なお、この場合に、弾性部材24’の形状
や寸法を動作ストロークに合わせて適宜に設計する必要
がある。
【0059】[第5実施形態]次に、図6を参照して、
本発明に係る第5実施形態の押ボタン構造40について
説明する。この実施形態においては、外装ケース31に
貫通孔31a及び拡径凹部31Aが形成され、貫通孔3
1aに操作体42の軸部42aが摺動可能に挿通されて
いる。軸部42aの内端部には上記と同様の係合リング
43が嵌装されている。操作体42には拡径した頭部4
2bが形成され、その張出部分内側には上記と同様の環
状の収容凹部42cが形成されている。この収容凹部4
2cの奥面にはさらに環状の凹溝42eが形成されてい
る。一方、拡径凹部31Aには、上記収容凹部42cに
対向する部分に、上記凹溝42eとほぼ同様の環状の凹
溝31eが形成されている。
【0060】弾性部材44は、上記凹溝42eに嵌入さ
れた環状の第1当接部44aと、上記凹溝31eに嵌入
された環状の第2当接部44bとを両端に備えた略円筒
形状に構成されている。第1当接部44aと第2当接部
44bとの間には、内側に向けてフランジ状に延在する
リング状の内側突出部44cが形成され、この内側突出
部44cの内端縁は、上記操作体42の軸部42aの外
周面に圧接された状態となっている。なお、無負荷状態
の弾性部材44の断面形状は図示一点鎖線にて示されて
いる。
【0061】この実施形態においては、操作体42が押
圧されると、頭部42bの収容凹部42cと、外装ケー
ス31の拡径凹部31Aとの間において、弾性部材44
が図示点線に示すように圧縮され、操作体42に対して
復元力を及ぼすようになっている。また、押圧操作に伴
う操作体42の軸線方向への移動に伴って、弾性部材4
4の内部へ突出するように形成された内側突出部44c
に対して軸部42aが摺動するが、この内側突出部44
cは弾性部材44の軸線方向のほぼ中間位置に形成され
ているとともに、その突出方向は操作体42の移動方向
と直交するように構成されているので、操作体44の押
圧操作に対する内側突出部44cと操作体42の軸部4
2aとの圧接状態の変化は低く抑制される。
【0062】この実施形態において、弾性部材44によ
る外装ケース31と操作体42との間のシール効果は、
第1当接部44aと凹溝42eとの間の嵌入部、第2当
接部44bと凹溝31eとの間の嵌入部、及び、内側突
出部44cと操作体42の軸部42aの外周面との間の
圧接部において得られる。
【0063】[第6実施形態]最後に、図7を参照して
本発明に係る第6実施形態の押ボタン構造60について
説明する。この実施形態の押ボタン構造60において
は、外装ケース51に貫通孔51aが形成され、この貫
通孔51aの外側に拡径凹部51Aが形成されている。
拡径凹部51A内のリング状平坦面からなる第1面部5
1bの外周側に隣接して、後述する操作体62の軸部6
2aの外周面と対向する円筒内面からなる第2面部51
cを有する段差が形成されている。
【0064】上記各実施形態と同様に、操作体62には
軸部62aと頭部62bとが設けられ、軸部62aの内
端部62dには係合リング63が嵌装されている。頭部
62bには上記と同様の収容凹部62cが形成されてい
る。
【0065】操作体62の頭部62bの張出部分と拡径
凹部51Aの内部との間には円筒状の弾性部材64が保
持されている。この弾性部材64は、上記頭部62bに
設けられた収容凹部62cの奥面62c−1及び内側内
周面62c−2の双方に当接する第1当接部64aと、
上記第1面部51b及び第2面部51cの双方に当接す
る第2当接部64bとを有し、これらの第1当接部64
a及び第2当接部64bとの間に、軸線方向に沿って内
側に進むに従って徐々に内径及び外径が増大していく円
錐台状の傾斜筒部64cが設けられている。
【0066】この実施形態においては、操作体62が押
圧されると、図示点線で示すように弾性部材64の上記
傾斜筒部64cが内外に弾性変形し、その結果、操作体
62は弾性部材64から復元力を受けるように構成され
ている。また、弾性部材64によるシール効果は、第1
当接部64aと収容凹部62cの奥面62c−1及び内
側内周面62c−2との間の当接部と、第2当接部64
bと外装ケース51の第1面部51b及び第2面部51
cとの間の当接部とによって得られるように構成されて
いる。
【0067】以上述べたように、本発明の弾性部材は各
実施形態とも、図9に記載されたパッキン4のように、
ボタン軸部3aの周回溝3eに収納する必要がない。図9
のパッキン4を、ボタン軸部3aの周回溝3eに収納する
ためには、ボタン軸部3aの外周面をすべらせながら押
し込んで組み立てる必要があるので、パッキン4の外周
面は、亀裂や擦り傷などがつきやすい。これに対し、本
発明では、弾性部材の組み立て時において、前述のよう
な無理な押し込みを行わないので、弾性部材の外周面
に、亀裂や擦り傷などがつくことを防止できる。よっ
て、防水性が一層向上される。
【0068】また、本発明では、周回溝3eを廃止した
ので、押ボタンの操作に伴う耐久性が向上される。すな
わち、図9の場合、押ボタンの軸線方向に対し、垂直方
向に力が作用すると、周回溝3eには曲げモーメントが
作用して、応力集中が発生しやすくなり、折れやすくな
る。
【0069】さらに、本発明の弾性部材は、各実施形態
とも、弾性部材に防水性能とともに、押ボタンを元の位
置に戻すための復元機能を持たせて、形状を一体化させ
ているので、図9における寸法Lの長さ部は短くでき
て、ボタン構造の厚さを小さくできる。よって、スリム
なデザインをもった時計などの電子機器を提供できる。
【0070】尚、本発明の押ボタン構造並びに電子機器
及び時計は、上述の図示例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。例えば、押ボタン構造
は、ケース側面に限らず、任意の部位、例えばケース上
面に配置されていてもよいし、また、ボタン20をカバ
ーガラス12に置き換えた押ボタン構造であってもよ
い。さらに、時計以外にも、携帯電話や電卓、ダイブコ
ンピュータなどの電子機器に、本発明の押ボタン構造を
適用してもよい。
【0071】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
製造コストを低減することができるとともに厚さを低減
できる。また、押ボタン構造の操作性及び防水性を向上
させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る押ボタン構造の第1実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図2】第1実施形態の押ボタン構造における押圧操作
時の状態を示す拡大部分断面図である。
【図3】本発明に係る押ボタン構造の第2実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図4】本発明に係る押ボタン構造の第3実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図5】本発明に係る押ボタン構造の第4実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図6】本発明に係る押ボタン構造の第5実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図7】本発明に係る押ボタン構造の第6実施形態を示
す拡大部分断面図である。
【図8】本発明の押ボタン構造を適用した携帯時計の時
計本体の構造を示す縦断面図である。
【図9】従来の押ボタン構造を示す拡大部分断面図であ
る。
【符号の説明】
10…携帯時計の時計本体、11,31,51…外装ケ
ース、11a…貫通孔、11b…第1面部、11c…第
2面部、11d”…凹溝、20,40,60…押ボタン
構造、21…パイプ、22,42,62…操作体、22
a,42a,62a…軸部、22b,42b,62b…
頭部、22c,42c,62c… 収容凹部、24,4
4,64…弾性部材、24a…外端当接部、24c…シ
ール部、44a,64a…第1当接部、44b,64b
…第2当接部、44c…内側突出部、64c…傾斜筒部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04M 1/02 H04M 1/02 H (72)発明者 大塩 匠 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5G006 CB01 CB08 CD02 LG05 5K023 AA07 BB03 BB04 BB25

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定構造部と、前記固定構造部に対して
    出没可能に取り付けられた操作体とを有し、前記操作体
    には、前記固定構造部に対して摺動可能に構成された摺
    動部と、前記摺動部の外側に接続され、前記摺動部より
    も拡径した張出形状を有する操作頭部とが設けられた押
    ボタン構造であって、 前記固定構造部には、前記摺動部の摺動方向に向いた第
    1面部と、前記摺動部に略対向する第2面部とを有する
    段差部分が設けられ、 前記操作頭部の張出部分と前記固定構造部との間に保持
    され、前記摺動部を取り巻く筒状の弾性変形可能な弾性
    部材が設けられ、 前記弾性部材は、無負荷状態で前記第1面部に向けて突
    出する軸線方向突出部と、前記第2面部に対向する前記
    摺動部に向けて突出する径方向突出部とを有する筒状の
    シール領域を備え、前記シール領域が前記段差部分に嵌
    入されていることを特徴とする押ボタン構造。
  2. 【請求項2】 前記操作体が押し込まれて所望の操作が
    完了する位置に到達した場合に、前記固定構造部の表面
    と、前記操作体の表面と、前記弾性部材自体の径方向外
    面とで囲まれる筒状空間に対して、前記弾性部材の充填
    割合が90〜100%の範囲内になるように構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の押ボタン構造。
  3. 【請求項3】 固定構造部と、前記固定構造部に対して
    出没可能に取り付けられた操作体とを有し、前記操作体
    には、前記固定構造部に対して摺動可能に構成された摺
    動部と、前記摺動部の外側に接続され、前記摺動部より
    も拡径した張出形状を有する操作頭部とが設けられた押
    ボタン構造であって、 前記操作頭部の張出部分の内側には、前記摺動部の周囲
    において収容凹部が形成され、 前記操作頭部の張出部分と前記固定構造部との間に保持
    され、前記摺動部を取り巻く筒状の弾性変形可能な弾性
    部材が設けられ、 前記弾性部材は、押圧操作がなされていない場合に前記
    収容凹部内において径方向に余裕を備えた状態で前記張
    出部分に当接する当接部を備えていることを特徴とする
    押ボタン構造。
  4. 【請求項4】 前記当接部が鍔状に形成されていること
    を特徴とする請求項3に記載の押ボタン構造。
  5. 【請求項5】 前記固定構造部には、前記操作頭部にお
    ける前記凹溝の外側にある外周部分を収容可能な凹溝が
    形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4
    に記載の押ボタン構造。
  6. 【請求項6】 固定構造部と、前記固定構造部に対して
    出没可能に取り付けられた操作体とを有し、前記操作体
    には、前記固定構造部に対して摺動可能に構成された摺
    動部と、前記摺動部の外側に接続され、前記摺動部より
    も拡径した張出形状を有する操作頭部とが設けられた押
    ボタン構造であって、 前記操作頭部の張出部分と前記固定構造部との間に保持
    され、前記摺動部を取り巻く筒状の弾性変形可能な弾性
    部材が設けられ、 前記操作体が押し込まれて所望の操作が完了する位置に
    到達した場合に、前記固定構造部の表面と、前記操作体
    の表面と、前記弾性部材自体の径方向外面とで囲まれる
    筒状空間に対して、前記弾性部材の充填割合が90〜1
    00%の範囲内になるように構成されていることを特徴
    とする押ボタン構造。
  7. 【請求項7】 前記張出部分には、その軸線周りに部分
    的に形成された部分凹部が設けられ、前記部分凹部によ
    って前記弾性部材の充填割合が100%を下回るように
    構成されていることを特徴とする請求項6に記載の押ボ
    タン構造。
  8. 【請求項8】 固定構造部と、前記固定構造部に対して
    出没可能に取り付けられた操作体とを有し、前記操作体
    には、前記固定構造部に対して摺動可能に構成された摺
    動部と、前記摺動部の外側に接続され、前記摺動部より
    も拡径した張出形状を有する操作頭部とが設けられた押
    ボタン構造であって、 前記操作頭部の張出部分と前記固定構造部との間に保持
    され、前記摺動部を取り巻く筒状の弾性変形可能な弾性
    部材が設けられ、 前記弾性部材は、前記操作頭部の張出部分の内面に当接
    する第1当接部と、前記固定構造部における前記張出部
    分に対向する部分に当接する第2当接部と、前記摺動部
    に当接する第3当接部とを備えていることを特徴とする
    押ボタン構造。
  9. 【請求項9】 前記張出部分の内面には前記第1当接部
    を収容する第1凹溝が形成され、前記固定構造部には前
    記第2当接部が当接する第2凹溝が形成されていること
    を特徴とする請求項8に記載の押ボタン構造。
  10. 【請求項10】 固定構造部と、前記固定構造部に対し
    て出没可能に取り付けられた操作体とを有し、前記操作
    体には、前記固定構造部に対して摺動可能に構成された
    摺動部と、前記摺動部の外側に接続され、前記摺動部よ
    りも拡径した張出形状を有する操作頭部とが設けられた
    押ボタン構造であって、 前記操作頭部の張出部分と前記固定構造部との間に保持
    され、前記摺動部を取り巻く円筒状の弾性変形可能な弾
    性部材が設けられ、 前記弾性部材には、前記張出部分の内側に当接する第1
    当接部と、前記固定構造部に当接する第2当接部との間
    に、円錐台形状の傾斜筒部が設けられていることを特徴
    とする押ボタン構造。
  11. 【請求項11】 前記弾性部材は、前記押圧操作に対す
    る前記操作体の復帰動作に寄与する弾性力を発揮するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項10のいずれか1項に記載の押ボタン構造。
  12. 【請求項12】 前記固定構造部には前記摺動部を摺動
    可能に挿通させた貫通孔が形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の押
    ボタン構造。
  13. 【請求項13】 前記貫通孔には筒状の案内部材が挿通
    固定され、前記案内部材の内部を前記摺動部が摺動可能
    に挿通していることを特徴とする請求項12に記載の押
    ボタン構造。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項13のいずれか1
    項に記載の押ボタン構造を備えた電子機器。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項13のいずれか1
    項に記載の押ボタン構造を備えた時計。
JP2002070872A 2001-03-16 2002-03-14 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計 Pending JP2002352662A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070872A JP2002352662A (ja) 2001-03-16 2002-03-14 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計
EP02256295A EP1345095B1 (en) 2002-03-14 2002-09-11 Push button structure
DE60226405T DE60226405D1 (de) 2002-03-14 2002-09-11 Struktur eines Druckknopfs
US10/243,100 US20030174590A1 (en) 2002-03-14 2002-09-13 Push button structure and an electronic device and timepiece having the same
CNB021429383A CN1181413C (zh) 2002-03-14 2002-09-16 按钮结构以及具有该按钮结构的电子机器和钟表
HK03108238A HK1056021A1 (en) 2002-03-14 2003-11-13 Push-button structure and electronic equipment andtimepiece provided with the same.

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001076039 2001-03-16
JP2001-76039 2001-03-16
JP2002070872A JP2002352662A (ja) 2001-03-16 2002-03-14 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002352662A true JP2002352662A (ja) 2002-12-06

Family

ID=26611433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002070872A Pending JP2002352662A (ja) 2001-03-16 2002-03-14 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002352662A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006019112A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Casio Micronics Co Ltd 防水型押ボタンスイッチ装置
JP2010099399A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Sammy Corp 遊技機
JP2010099400A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Sammy Corp 遊技機
WO2012011282A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 信越ポリマー株式会社 押しボタンスイッチの製造方法
WO2012011236A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 シャープ株式会社 押しボタンスイッチ構造及びそれを備えた電子機器
JP2013500561A (ja) * 2009-07-29 2013-01-07 ヴァレオ クリマチザチオン ソシエダ アノニマ 車輌のリアドアまたはテールゲート用電気スイッチ
JP2019049551A (ja) * 2018-09-05 2019-03-28 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2019070655A (ja) * 2017-03-27 2019-05-09 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2019219224A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2020057549A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
CN112117151A (zh) * 2019-06-19 2020-12-22 群光电子股份有限公司 键盘装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4521715B2 (ja) * 2004-07-01 2010-08-11 カシオマイクロニクス株式会社 防水型押ボタンスイッチ装置
JP2006019112A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Casio Micronics Co Ltd 防水型押ボタンスイッチ装置
JP2010099399A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Sammy Corp 遊技機
JP2010099400A (ja) * 2008-10-27 2010-05-06 Sammy Corp 遊技機
JP2013500561A (ja) * 2009-07-29 2013-01-07 ヴァレオ クリマチザチオン ソシエダ アノニマ 車輌のリアドアまたはテールゲート用電気スイッチ
KR101779219B1 (ko) * 2009-07-29 2017-09-18 유-신 스페인, 에스엘 자동차의 리어 도어 또는 테일게이트용 전기 스위치
KR101353749B1 (ko) 2010-07-23 2014-01-21 신에츠 폴리머 가부시키가이샤 누름버튼 스위치의 제조방법
CN102782788A (zh) * 2010-07-23 2012-11-14 夏普株式会社 按键开关结构和包括该按键开关结构的电子设备
JP2012028175A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Sharp Corp 押しボタンスイッチ構造及びそれを備えた電子機器
JP5226880B2 (ja) * 2010-07-23 2013-07-03 信越ポリマー株式会社 押しボタンスイッチの製造方法
WO2012011236A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 シャープ株式会社 押しボタンスイッチ構造及びそれを備えた電子機器
US8695211B2 (en) 2010-07-23 2014-04-15 Shin-Etsu Polymer Co., Ltd. Manufacturing method of push-button switch
US8946575B2 (en) 2010-07-23 2015-02-03 Sharp Kabushiki Kaisha Push-button switch structure and electronic device having same
WO2012011282A1 (ja) * 2010-07-23 2012-01-26 信越ポリマー株式会社 押しボタンスイッチの製造方法
JP2019070655A (ja) * 2017-03-27 2019-05-09 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2019219224A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP7110747B2 (ja) 2018-06-18 2022-08-02 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2019049551A (ja) * 2018-09-05 2019-03-28 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
JP2020057549A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
US11181867B2 (en) 2018-10-03 2021-11-23 Casio Computer Co., Ltd. Push button and timepiece
JP7157926B2 (ja) 2018-10-03 2022-10-21 カシオ計算機株式会社 スイッチ装置および時計
CN112117151A (zh) * 2019-06-19 2020-12-22 群光电子股份有限公司 键盘装置
CN112117151B (zh) * 2019-06-19 2022-05-24 群光电子股份有限公司 键盘装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1345095B1 (en) Push button structure
JP4811996B2 (ja) 携帯機器及び携帯時計
JP2002352662A (ja) 押ボタン構造並びにこれを備えた電子機器及び時計
JP5652087B2 (ja) ケースユニット及びケースユニットの組立方法
US9336967B2 (en) Switch device and timepiece
US20170115636A1 (en) Switch device and timepiece
JP2014160004A (ja) 防水機器及び携帯時計
US10627781B2 (en) Switch device and timepiece
JP2004251938A (ja) Lcd表示パネル保護構造
US20160365203A1 (en) Push button and electronic apparatus including push button
JP2009042140A (ja) 携帯機器及び携帯時計
CN110993407B (zh) 按钮及钟表
JP2008138796A (ja) 筐体開閉機構および電子機器
JP3551726B2 (ja) 外部操作装置、外部操作装置を有する時計及び外部操作装置を有する電子機器
JP2003007164A (ja) ボタン構造及びこれを備えた携帯機器
US6788623B2 (en) Wrist watch
JP7055275B2 (ja) スイッチ装置および時計
JP4998076B2 (ja) 開閉装置
JP2004101286A (ja) 開閉蓋付き携帯機器及び携帯時計用時計外装組立
JP2006194811A (ja) 装飾部材の固定構造
CN115774387A (zh) 按钮装置、钟表以及电子设备
JP2023128229A (ja) スイッチ装置および時計
JP2016164574A (ja) ケース構造および時計ケース
KR100810305B1 (ko) 정보 단말기의 스타일러스
JP2022020008A (ja) スイッチ装置および時計

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050614