JP2012072914A - クラッチ制御装置および車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動クラッチ装置の制御を行うクラッチ制御装置において、ユーザーの指向に応じて、発進時やシフトチェンジ時の応答性を調整可能とする。
【解決手段】ECU(エンジン制御装置)のEEPROMには、3種類の走行モード(標準モード、機敏モード、緩やかモード)のそれぞれに対応する規定マップが記憶されている。各規定マップは、クラッチ回転数差と目標クラッチ位置との関係を規定している。ユーザーの指向に応じていずれかの走行モードが選択されると、当該走行モードに応じて目標クラッチ位置が一律に変更される。
【選択図】図6
【解決手段】ECU(エンジン制御装置)のEEPROMには、3種類の走行モード(標準モード、機敏モード、緩やかモード)のそれぞれに対応する規定マップが記憶されている。各規定マップは、クラッチ回転数差と目標クラッチ位置との関係を規定している。ユーザーの指向に応じていずれかの走行モードが選択されると、当該走行モードに応じて目標クラッチ位置が一律に変更される。
【選択図】図6
Description
本発明は、自動クラッチ装置の制御を行うクラッチ制御装置、および、このクラッチ制御装置を備えた車両に関するものである。
従来より、電動式のアクチュエータにより摩擦クラッチの断続動作を行う自動クラッチ装置を備えた車両において、摩擦クラッチのクラッチ位置(フリクションプレートとクラッチ板との間隔)を、直接または間接的に検出可能なクラッチ位置センサを備えた車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上述したようなクラッチ位置センサを備えた車両において、例えば、発進時等に、予め設定されたマップに基づいて、エンジンの回転数に応じて上記アクチュエータを駆動制御することによって上記クラッチ位置を調整する技術が知られている。この技術によれば、スムーズなシフトチェンジを行うことができる。
上述したような自動クラッチ装置の駆動制御は、あらゆるユーザーにとって運転性が良く感じられるように初期設定がされているが、一部のユーザー(特に、運転性を重視する傾向が強い自動二輪車のユーザー)は、発進時やシフトチェンジ時の応答性について強いこだわりを持っている場合が多く、初期設定のものでは違和感を感じてしまう場合がある。特に、急カーブの出口付近においては、ユーザーのアクセル操作に対して、ユーザーが望む通りの応答性を得ることができなければ、違和感が大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発進時やシフトチェンジ時の応答性を調整することができ、ユーザーの指向に応じたクラッチ接続が容易または好適に得られるクラッチ制御装置を提供することにある。
本発明に係るクラッチ制御装置は、駆動側動力伝達機構と従動側動力伝達機構との間に介在する摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチを直接または間接的に断続させる電動式のアクチュエータとを備えた自動クラッチ装置の制御を行うクラッチ制御装置であって、前記摩擦クラッチの駆動側部分または前記駆動側動力伝達機構の回転数である駆動側回転数を検出する駆動側回転数検出装置と、前記摩擦クラッチのクラッチ位置を検出するクラッチ位置検出装置と、前記駆動側回転数に関連づけて設定されたクラッチ位置の目標位置を記憶する記憶装置と、前記駆動側回転数検出装置から駆動側回転数の検出値を受け、前記記憶装置に記憶されている当該検出値に対応するクラッチ位置の目標位置に基づいて、前記摩擦クラッチの駆動制御を行う駆動制御装置と、前記記憶装置に記憶される前記目標位置を人為的な変更操作にしたがって変更し、次の人為的な変更操作が加えられるまで維持するクラッチ位置変更装置と、を備えることを特徴とするものである。
上記クラッチ制御装置によれば、人為的操作によってクラッチ位置の目標位置を変更することにより、摩擦クラッチのクラッチ位置の変化態様を好適に変更することができる。例えば、機敏な発進動作を行いたい場合には、摩擦クラッチの接続動作が早くなるように上記目標位置を調整し、また、緩やかな発進動作を行いたい場合には、摩擦クラッチの接続動作が遅くなるように上記目標位置を調整すること等により、ユーザーの指向に合致した応答性を得ることができる。
本発明によれば、車両の発進時やシフトチェンジ時の応答性を調整することができ、ユーザーの指向に応じたクラッチ接続を容易または好適に得ることが可能となる。
本願発明者は、少なくとも摩擦クラッチの駆動側(摩擦クラッチの駆動側部分または駆動側動力伝達機構)の回転数(=駆動側回転数)を検出する駆動側回転数検出装置とクラッチ位置を検出するクラッチ位置検出装置とを備えたクラッチ制御装置を開発する過程で、次のようなことを新たに知見するにいたった。それは、駆動側回転数に関連づけて設定されたクラッチ位置の目標位置(以下、目標クラッチ位置という)を記憶しておき、クラッチ位置がその目標クラッチ位置になるように自動クラッチ装置の制御を行う場合、制御方法の内容を変更しなくても、目標クラッチ位置をわずかに変更するだけで、応答性が変化するということである。
その理由は、目標クラッチ位置を従来よりも接続側に設定すると、今までよりクラッチの回転数差の収束が早くなることにあると考えられ、本願発明者はそのことに着目した。例えば、変速時で考えてみると、半クラッチの時間が短くなり、応答性が向上する。また、発進時で考えてみると、クラッチの従動側(摩擦クラッチの従動側部分または従動側動力伝達機構)の回転数(=従動側回転数)の上昇が速くなる。その結果、車速の増加度合いが大きくなり、応答性が向上する。このように、目標クラッチ位置を接続側に変更することで、半クラッチ状態を短縮でき、応答性を向上させることができる。本願発明者は、この連鎖を利用し、人為的に目標クラッチ位置を変更することで、容易に応答性を調整可能にすることができるクラッチ制御装置を発明するに至った。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る鞍乗型車両は自動二輪車10である。自動二輪車10は、骨格をなす車体フレーム11と、乗員が着座するシート16とを備えている。シート16に着座した乗員は、車体フレーム11を跨いで乗車する。なお、本発明において、車両の形状としては、図1に示したものに限定されず、また、車両の最高速度や排気量、車両の大小等も限定されない。また、本発明に係る鞍乗型車両は、シートの前方に燃料タンクが配置されているいわゆるモーターサイクル型の自動二輪車に限らず、他の型式の自動二輪車等であってもよい。また、自動二輪車に限らず、四輪バギー等の他の鞍乗型車両であってもよい。
以下の説明では、前後左右の方向は、シート16に着座した乗員から見た方向を言うものとする。車体フレーム11は、ステアリングヘッドパイプ12と、ステアリングヘッドパイプ12から後方斜め下向きに延びるメインフレーム13と、メインフレーム13の中途部から後方斜め上向きに延びる左右のシートレール14と、メインフレーム13の後端部とシートレール14の中途部とに接続された左右のシートピラーチューブ15とを備えている。
ステアリングヘッドパイプ12には、フロントフォーク18を介して前輪19が支持されている。シートレール14の上には、燃料タンク20およびシート16が支持されている。シート16は、燃料タンク20の上方からシートレール14の後端部に向かって延びている。燃料タンク20は、シートレール14の前半部の上方に配置されている。
メインフレーム13の後端部には、左右一対のリヤアームブラケット24が設けられている。なお、ここではメインフレーム13に設けられたリヤアームブラケット24等は、車体フレーム11の一部をなすものとする。
リヤアームブラケット24は、メインフレーム13の後端部から下向きに突出している。これらリヤアームブラケット24にはピボット軸38が設けられ、ピボット軸38にリヤアーム25の前端部が揺動自在に支持されている。リヤアーム25の後端部には後輪26が支持されている。
また、車体フレーム11には、後輪26を駆動するエンジンユニット28が支持されている。クランクケース35は、メインフレーム13に吊り下げられた状態で支持されている。なお、本実施形態において、エンジンユニット28は、ガソリンエンジン(図示せず)を備えているが、エンジンユニット28が備えるエンジンはガソリンエンジン等の内燃機関に限定されず、モータエンジン等であってもよい。また、上記エンジンは、ガソリンエンジンとモータエンジンとを組み合わせたものであってもよい。
自動二輪車10は、フロントカウル33と、左右のレッグシールド34とを備えている。レッグシールド34は運転者の脚部の前方を覆うカバー部材である。
また、図1には示していないが、自動二輪車10の右側の下部には、ブレーキペダルが設けられている。上述したブレーキペダルは、後輪26を制動させるためのものである。また、前輪19は、ハンドル41の右グリップ41R(図2参照)近傍に設けられたブレーキレバー(図示せず)を操作することにより制動される。
図2は、図1に示した自動二輪車の駆動系の構成図である。ハンドル41(図1も参照)の右グリップ41Rは、アクセルグリップを構成し、このアクセルグリップにはスロットル入力センサ42が装着されている。このスロットル入力センサ42は、乗員によるアクセル入力(スロットル開度入力)を検出する。また、ハンドル41の左グリップ41L側には、シフトスイッチ43が設けられている。シフトスイッチ43は、シフトアップスイッチ43aとシフトダウンスイッチ43bとからなり、手動操作によりシフトポジションをニュートラルから最高速(本実施形態では6速)までの間で増加または減少させることができる。さらに、ハンドル41の中央部には、現在のシフトポジション等を表示するインジケータ45が設けられている。
吸気通路を構成するスロットル47にはスロットル弁46が装着されている。スロットル弁46の弁軸48の右側端部には、スロットル駆動アクチュエータ49が設けられるとともに、左側端部にはスロットル開度センサ50が設けられている。この弁軸48に装着されたスロットル駆動アクチュエータ49およびスロットル開度センサ50からDBW(ドライブバイワイヤ)51が構成されている。DBW51は、スロットル開度センサ50の検出結果に応じて、スロットル駆動アクチュエータ49によりスロットル47を開閉駆動するものである。
図示しないエンジンに接続されるクランク軸52の右側端部には、エンジン回転数センサ53が設けられている。クランク軸52は、湿式多板式のクラッチ54を介してメイン軸55に連結されている。クラッチ54は、クラッチハウジング54aとクラッチボス54bとを備えている。クラッチハウジング54aには複数のフリクションプレート54cが取り付けられているとともに、クラッチボス54bには複数のクラッチプレート54dが取り付けられている。各クラッチプレート54dは、隣り合うフリクションプレート54c、54cの間に配置されている。なお、本発明において、摩擦クラッチは湿式多板式のクラッチに限定されず、例えば、乾式クラッチでもよく、単板式のクラッチでもよい。メイン軸55には、多段(図2では6段)の変速ギア57が装着されるとともに、メイン軸回転数センサ56が設置されている。メイン軸55に装着された各変速ギア57は、メイン軸55と平行に配置されたドライブ軸58上に装着された変速ギア59と噛み合っている。なお、図2では、説明の便宜上、変速ギア57と変速ギア59とを分離して示している。
これら変速ギア57および変速ギア59は、選択されたギア以外は、いずれか一方または両方がメイン軸55またはドライブ軸58に対して空転状態で装着されている。したがって、メイン軸55からドライブ軸58への駆動力の伝達は、選択された一対の変速ギアのみを介して行われる。
変速ギア57および変速ギア59を選択してギアチェンジを行う動作は、シフトカム79により行われる。シフトカム79には、複数(図2では3本)のカム溝60が形成され、各カム溝60にシフトフォーク61が装着される。各シフトフォーク61は、それぞれメイン軸55およびドライブ軸58の所定の変速ギア57、59に係合している。シフトカム79が回転することにより、シフトフォーク61がカム溝60に沿って軸方向に移動し、シフトカム79の回転角度に応じた位置の一対の変速ギア57、59がメイン軸55およびドライブ軸58に対してスプライン嵌合される。そして、スプライン嵌合された一対の変速ギア57、59によって、メイン軸55からドライブ軸58へ駆動力が伝達される。なお、これら変速ギア57、59およびシフトカム79により変速機80が構成される。
上述したクラッチ54および変速機80は、それぞれ、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65により駆動される。クラッチアクチュエータ63は、油圧伝達機構64、ロッド71、レバー72、ピニオン73およびラック74を介してクラッチ54と接続されている。油圧伝達機構64は、油圧シリンダ64a、オイルタンク(図示せず)等を備え、クラッチアクチュエータ63の駆動により油圧を発生させ、その油圧をロッド71に伝達させる機構である。クラッチアクチュエータ63の駆動によりロッド71が矢印Aのように往復動作し、レバー72が矢印Bのように回動し、これにより、クラッチ54がラック74の移動方向に応じて接続または切断される。なお、本実施形態において、クラッチアクチュエータ63として電動モータを採用しているが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、ソレノイドや電磁弁等であってもよい。上述したクラッチ54、クラッチアクチュエータ63、油圧伝達機構64、ロッド71、レバー72、ピニオン73、ラック74、および、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行うECU100(図3参照)から本発明にいう自動クラッチ装置77が構成されている。
シフトアクチュエータ65は、減速機構66、ロッド75およびリンク機構76を介してシフトカム79と接続されている。減速機構66は、複数の減速ギア(図示せず)を備えている。ギアチェンジの際には、シフトアクチュエータ65の駆動によりロッド75が矢印Cのように往復運動し、リンク機構76を介してシフトカム79が所定角度だけ回転する。これによりカム溝60に沿ってシフトフォーク61が所定量だけ軸方向に移動し、一対の変速ギア57、59がそれぞれ、メイン軸55およびドライブ軸58に固定状態となり、メイン軸55からドライブ軸58に駆動力が伝達される。なお、本実施形態において、シフトアクチュエータ65として電動モータを採用しているが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、ソレノイドや電磁弁等であってもよい。
クラッチアクチュエータ63に接続された油圧伝達機構64には、上記ピストンのストローク位置を検出することによってクラッチ位置(フリクションプレート54cとクラッチプレート54dとの間隔)を検出するクラッチ位置センサ68が設置されている。なお、本実施形態では、クラッチ位置センサ68により、上記ピストンのストローク位置を検出することによって、クラッチ位置を検出するように構成されているが、これに限定されず、クラッチアクチュエータ63とクラッチ54との間に設けられている伝達機構の位置を検出するようにしてもよい。例えば、ロッド71や、ラック74の位置を検出するようにしてもよい。また、本実施形態のように、検出されたピストンのストローク位置から間接的にクラッチ位置を取得する場合に限定されず、フリクションプレート54cとクラッチプレート54dとの距離をセンサにより直接測定するようにしてもよい。また、ドライブ軸58には車速センサ69が設置されている。さらに、シフトカム79にはギアポジション(シフトカムの回転量)を検出するギアポジションセンサ70が設置されている。
シフトアップスイッチ43aまたはシフトダウンスイッチ43bの操作に応じて、後述するECU100(エンジン制御装置)が、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65の駆動制御を行うことによってシフトチェンジが行われる。具体的には、クラッチアクチュエータ63によるクラッチ54の切断→シフトアクチュエータ65による変速ギア57、59のギアチェンジ→クラッチアクチュエータ63によるクラッチ54の接続の一連の動作が、所定のプログラムやマップに基づいて行われる。
図3は、自動二輪車10に搭載された制御システムの全体構成を示すブロック図である。ECU100が備えるメインマイコン90にはドライブ回路93を介して駆動系装置群110が接続されている。駆動系装置群110は、図4に示すように、スロットル駆動アクチュエータ49、インジケータ45、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65(図2も参照)から構成されている。
ドライブ回路93は、メインマイコン90から供給されるドライブ信号に応じて、駆動系装置群110を構成する各装置に適正な電流をバッテリ97から供給する。また、メインマイコン90にはセンサ・スイッチ群120が接続されている。センサ・スイッチ群は、図5に示すように、スロットル入力センサ42、シフトスイッチ43、スロットル開度センサ50、エンジン回転数センサ53、メイン軸回転数センサ56、クラッチ位置センサ68、車速センサ69およびギアポジションセンサ70(図2も参照)から構成されており、これら各センサの検出結果がメインマイコン90に入力されるようになっている。メインマイコン90は、上記各センサから入力した検出結果に基づいて、駆動系装置群110を構成する各装置に対してドライブ信号を供給して駆動制御を行う。
メインマイコン90は、ROM91、RAM92およびEEPROM94を備えている。ROM91には、クラッチアクチュエータ制御プログラム91aおよびシフトアクチュエータ制御プログラム91bが記憶されている。クラッチアクチュエータ制御プログラム91aは、後述する規定マップ94aを参照してクラッチアクチュエータ63の駆動制御を行うためのプログラムである。また、シフトアクチュエータ制御プログラム91bは、シフトアクチュエータ65の駆動制御を行うためのプログラムである。なお、ROM91に記憶されているこれらプログラムは消去不可能であるとともに、ROM91には新たなプログラム等を書き込むことも不可能である。
上述したクラッチアクチュエータ制御プログラム91aまたはシフトアクチュエータ制御プログラム91bが実行されるときには、RAM92に展開された後、メインマイコン90によって読み込まれる。そして、メインマイコン90は、RAM92に展開されたこれらプログラムに基づいて、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65の駆動制御を行うのである。
EEPROM94は、データの書き換えおよび消去が可能な記憶媒体である。EEPROM94には、クラッチ位置の目標位置(目標クラッチ位置)を規定する規定マップ94aが記憶されている。なお、後に図6を用いて説明するが、規定マップ94aは、自動二輪車10の走行状態(発車時、シフトアップ時、シフトダウン時)に応じて、複数種類記憶されている。メインマイコン90は、クラッチアクチュエータ制御プログラム91aと、これら複数種類の規定マップ94aのうち、選択された規定マップとに基づいて、クラッチ位置センサ68の検出結果を参照しながらクラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。なお、このEEPROM94は、本発明にいうマップ記憶装置に該当する。また、本実施形態においては、このメインマイコン90を備えたECU100が、本発明にいうクラッチ制御装置に該当する。
バッテリ97と接続された電源回路98は、キースイッチ(図示せず)と連動してオン/オフが切り換えられるメインスイッチ96を備えている。メインスイッチ96がオンになると、電源回路98は、バッテリ97の電圧をメインマイコン90の駆動用電圧に変換してメインマイコン90に供給する。
図6は、図3に示したEEPROM94に記憶されている規定マップ94aを示す図である。実施形態に係る自動二輪車10では、所定の操作に応じて、3種類の走行モード(機敏モード、標準モード、緩やかモード)のなかから、一の走行モードを選択することができるようになっている。この走行モードの選択は、人為的操作にしたがって行われる。なお、人為的操作の具体的方法は何ら限定されない。例えば、整備員等が自動二輪車10の車体の内部に設けられたスイッチ等を操作することによって行われてもよい。また、上記走行モードの選択を自動二輪車10の乗員が行うことができるように、上記スイッチ等が、例えば、ハンドル41の所定位置に設置されていてもよい。また、シフトスイッチ43など既存のスイッチを流用しても良い。
また、実施形態に係る自動二輪車10では、各走行モードにおいて、走行状態に応じた規定マップが選択され、この選択された規定マップに基づいてクラッチアクチュエータ63の駆動制御が行われる。例えば、標準モードにおいては、発車時には発車用規定マップ2aが選択され、シフトアップ時にはシフトアップ用規定マップ2b〜2eが選択され、シフトダウン時にはシフトダウン用規定マップ2f〜2iが選択される。
本実施形態では、クラッチ54の切断状態から接続状態までの間の所定のクラッチ位置(以下、初期クラッチ位置という)の前後において、用いられるシフトアップ用規定マップが異なる。クラッチ54の切断状態から上記初期クラッチ位置までにおけるクラッチアクチュエータ63の駆動態様は、規定マップ1b、2b、3bにより規定される。また、上記初期クラッチ位置以降のクラッチアクチュエータ63の駆動態様は、規定マップ1c〜1e、2c〜2e、3c〜3eにより規定される。なお、上記初期クラッチ位置以降の規定マップは、シフトアップする段数毎に異なるものが選択される。
また、本実施形態では、上述したシフトアップ用規定マップの場合と同様に、上記初期クラッチ位置の前後において、用いられるシフトダウン用規定マップが異なる。クラッチ54の切断状態から上記初期クラッチ位置までにおけるクラッチ63の駆動態様は、規定マップ1f、2f、3fにより規定される。また、上記初期クラッチ位置以降のクラッチ63の駆動態様は、規定マップ1g〜1i、2g〜2i、3g〜3iにより規定される。なお、上記初期クラッチ位置以降の規定マップは、シフトダウンする段数毎に異なるものが選択される。
図7は、発進時における自動二輪車10の状態推移を示す図である。同図(a)には、発進開始から終了までの間の目標クラッチ位置の時間推移が示されている。また、同図(b)には、発進開始から終了までの間のクラッチ54の駆動側および従動側の回転数の時間推移が示されている。なお、クラッチ54の駆動側の回転数は、エンジン回転数センサ53により測定することが可能である。また、クラッチ54の従動側の回転数は、メイン軸回転数センサ56により測定することが可能である。
図7(a)に示すように、自動二輪車10の発進の際には、クラッチ54の切断状態から、発進用規定マップに基づいてクラッチ54が徐々に接続していき、半クラッチ状態を経て、接続状態となる。また、図7(b)に示すように、このクラッチ54の接続工程において、クラッチ従動側の回転数がクラッチ駆動側の回転数に徐々に近づいていき、クラッチ54の接続状態では、両回転数が等しくなる。なお、図7(a)および(b)において、実線で示したものは、上記標準モードが選択された場合を示しており、破線で示したものは、上記機敏モードが選択された場合を示している。図7(b)の破線は、機敏モードにおけるクラッチ従動側の回転数を示している。なお、ここでは、目標クラッチ位置の変更による応答性の向上が理解しやすいように、モードの違いにかかわらず、クラッチ駆動側の回転数がほぼ同じになるような制御を行っている。つまり、上記機敏モードでは、スロットル開度が若干開き側に制御されており、クラッチ駆動側の回転数は標準モードのときと同様に変化する。ただし、機敏モードはこのような制御を伴うものに限定される訳ではない。
本実施形態では、3つの走行モード(機敏モード、標準モードおよび緩やかモード)のいずれかを選択することにより、発進時におけるクラッチ位置の時間推移を変更することが可能となる。
図8は、各走行モードにおける発進用規定マップを示す図である。発進用規定マップ1a、2a、3aは、いずれも、エンジン回転数と目標クラッチ位置との関係を示すマップである。ECU100は、選択された走行モードに対応する発進用規定マップに基づいて、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。すなわち、各エンジン回転数n1〜n4において、クラッチ位置が、選択された発進用規定マップが示す目標クラッチ位置となるように、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。
図8に示すように、機敏モードの発進用規定マップ1aにおけるエンジン回転数n2〜n4での目標クラッチ位置は、標準モードの発進用規定マップ2aにおける目標クラッチ位置よりもクラッチ接続側(図8の下側)にずれている。これにより、機敏モードでは、標準モードと比較して、アクセル操作に応じて機敏な発進動作となる。また、緩やかモードの発進用規定マップ3aにおけるエンジン回転数n2〜n4での目標クラッチ位置は、標準モードの発進用規定マップ2aにおける目標クラッチ位置よりもクラッチ切断側(図8の上側)にずれている。これにより、緩やかモードでは、標準モードと比較して、アクセル操作に応じて緩やかな発進動作となる。
図7では、上述したように、標準モードが選択されたときの時間推移が実線にて示されているとともに、機敏モードが選択されたときの時間推移が破線にて示されている。図7に示すように、機敏モードでは、標準モードと比較して、クラッチの接続時間が短くなっている。また、機敏モードでは、標準モードと比較して、クラッチ54の駆動側と従動側との回転数が等しくなるまでの時間が短くなっている。したがって、機敏モードでは、標準モードと比較してアクセル操作に応じて機敏な発進動作となる。
図9は、シフトアップ時における自動二輪車10の状態推移を示す図である。なお、図9は、1速から2速にシフトアップする場合を示している。同図(a)には、シフトアップの開始から終了までの間のクラッチ位置の時間推移が示されている。また、同図(b)には、シフトアップの開始から終了までの間の変速ギア位置の時間推移が示されている。なお、変速ギア位置は、ギアポジションセンサ70により検出することが可能である。
図9(a)および(b)に示すように、自動二輪車10のシフトアップの際には、クラッチ54の接続状態から一定速度でクラッチ54が切断されていき、ギアチェンジ(図9では、1速から2速)が行われる。そして、ギアチェンジが行われた後、シフトアップ用規定マップ1b〜1e、2b〜2e、3b〜3eに基づいてクラッチ54が徐々に接続していき、半クラッチ状態を経てクラッチ54が接続状態となる。本実施形態では、3つの走行モードのいずれかを選択することにより、シフトアップ時のクラッチ接続工程におけるクラッチ位置の時間推移を変更することが可能となる。
本実施形態においては、クラッチオフ状態から図9に示す初期クラッチ位置に達するまでの間(t2からt3までの間)は、シフトアップ用規定マップ1b、2bまたは3bによってクラッチアクチュエータ63の駆動制御が行われ、初期クラッチ位置からクラッチオン状態に達するまでの間(t3からt5までの間)は、シフトアップ用規定マップ1c、2cまたは3cによってクラッチアクチュエータ63の駆動制御が行われる。
図10は、各走行モードにおけるクラッチオフ状態から初期クラッチ位置までの間に用いられるシフトアップ用規定マップを示す図である。このシフトアップ用規定マップ1b、2b、3bは、いずれも、クラッチ回転数差と目標クラッチ位置との関係を示すマップである。なお、クラッチ回転数差は、クラッチハウジング54aとクラッチボス54bとの回転数差であり、クランク軸52(図2参照)の回転数(エンジン回転数)と、メイン軸55の回転数との差と同一である。このクラッチ回転数差は、エンジン回転数センサ53とメイン軸回転数センサ56とを用いて算出することが可能である。
ECU100は、選択された走行モードに対応するシフトアップ用規定マップに基づいて、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。すなわち、各クラッチ回転数差(−v2、−v1、0、v1、v2)において、クラッチ位置が、選択されたシフトアップ用規定マップが示す目標クラッチ位置となるように、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。
図10に示すように、機敏モードのシフトアップ用規定マップ1bにおけるクラッチ回転数差(−v2、−v1、0、v1、v2)での目標クラッチ位置は、標準モードのシフトアップ用規定マップ2bにおける目標クラッチ位置よりも、クラッチ接続側(図10の下側)にずれている。これにより、機敏モードでは、シフトアップスイッチ43a(図2参照)の操作に応じて機敏なシフトアップ動作となる。また、緩やかモードのシフトアップ用規定マップ3bにおける各クラッチ回転数差での目標クラッチ位置は、標準モードのシフトアップ用規定マップ2bにおける目標クラッチ位置よりも、クラッチ切断側(図10の上側)にずれている。これにより、緩やかモードでは、標準モードと比較して、シフトアップスイッチ43aの操作に応じて緩やかなシフトアップ動作となる。
図11は、各走行モードにおける初期クラッチ位置からクラッチオン状態までの間に用いられるシフトアップ用規定マップを示す図である。なお、これらシフトアップ用規定マップは、1速から2速へのシフトアップ時に用いられる規定マップである。このシフトアップ用規定マップ1c、2c、3cは、いずれも、クラッチ回転数差とクラッチアクチュエータ63の回転速度との関係を示すマップである。ECU100は、選択された走行モードに対応するシフトアップ用規定マップに基づいて、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。すなわち、各クラッチ回転数差(Δ1、Δ2、Δ3)において、選択されたシフトアップ用規定マップが示す回転速度となるように、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。なお、クラッチアクチュエータ63の回転速度が決定されると、目標クラッチ位置も一義的に決定される。
図11に示すように、機敏モードのシフトアップ用規定マップ1cにおける各クラッチ回転数差(Δ1、Δ2、Δ3)でのクラッチアクチュエータ63の回転速度は、標準モードのシフトアップ用規定マップ2cにおける回転速度よりも速くなっている。これにより、機敏モードでは、標準モードと比較して機敏なシフトアップ動作となる。また、緩やかモードのシフトアップ用規定マップ3cにおける各クラッチ回転数差でのクラッチアクチュエータ63の回転速度は、標準モードのシフトアップ用規定マップ2cにおける回転速度よりも遅くなっている。これにより、緩やかモードでは、標準モードと比較して緩やかなシフトアップ動作となる。
図12は、シフトダウン時における自動二輪車10の状態推移を示す図である。なお、図12は、2速から1速にシフトダウンする場合を示している。同図(a)には、シフトダウンの開始から終了までの間のクラッチ位置の時間推移が示されている。また、同図(b)には、シフトダウンの開始から終了までの間の変速ギア位置の時間推移が示されている。
図12(a)および(b)に示すように、自動二輪車10のシフトダウンの際には、クラッチ54の接続状態から一定速度でクラッチ54が切断されていき、ギアチェンジ(図12では、2速から1速)が行われる。そして、ギアチェンジが行われた後、シフトダウン用規定マップ1f〜1i、2f〜2i、3f〜3iに基づいてクラッチ54が徐々に接続していき、半クラッチ状態を経てクラッチ54が接続状態となる。本実施形態では、3つの走行モード(標準モード、機敏モード、緩やかモード)のいずれかを選択することにより、シフトダウン時のクラッチ接続工程におけるクラッチ位置の時間推移を変更することが可能となる。
本実施形態においては、クラッチオフ状態から図12に示す初期クラッチ位置に達するまでの間(t2からt3までの間)は、シフトダウン用規定マップ1f、2fまたは3fによってクラッチアクチュエータ63の駆動制御が行われ、初期クラッチ位置からクラッチオン状態に達するまでの間(t3からt5までの間)は、シフトダウン用規定マップ1g、2gまたは3gによってクラッチアクチュエータ63の駆動制御が行われる。
図13は、各走行モードにおけるクラッチオフ状態から初期クラッチ位置までの間に用いられるシフトダウン用規定マップを示す図である。このシフトダウン規定用マップ1f、2f、3fは、いずれも、クラッチ回転数差と目標クラッチ位置との関係を示すマップである。ECU100は、選択された走行モードに対応するシフトダウン用規定マップに基づいて、クランチアクチュエータ63の駆動制御を行う。すなわち、各クラッチ回転数差(−v2、−v1、0、v1、v2)において、クラッチ位置が、選択されたシフトダウン用規定マップが示す目標クラッチ位置となるように、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。
図13に示すように、機敏モードのシフトダウン用規定マップ1fにおける各クラッチ回転数差(−v2、−v1、0、v1、v2)での目標クラッチ位置は、標準モードのシフトダウン用規定マップ2fにおける目標クラッチ位置よりも、クラッチ接続側にずれている。これにより、機敏モードでは、シフトダウンスイッチ43b(図2参照)の操作に応じて機敏なシフトダウン動作となる。また、緩やかモードのシフトダウン用規定マップ3fにおける各クラッチ回転数差での目標クラッチ位置は、標準モードのシフトダウン用規定マップ2fにおける目標クラッチ位置よりも、クラッチ切断側にずれている。これにより、緩やかモードでは、標準モードと比較して、シフトダウンスイッチ43bの操作に応じて緩やかなシフトダウン動作となる。
図14は、各走行モードにおける初期クラッチ位置からクラッチオン状態までの間に用いられるシフトダウン用規定マップを示す図である。なお、これらのシフトダウン用規定マップは、2速から1速へのシフトダウン時に用いられる規定マップである。このシフトダウン用規定マップ1g、2g、3gは、いずれも、クラッチ回転数差とクラッチアクチュエータ63の回転速度との関係を示すマップである。ECU100は、選択された走行モードに対応するシフトダウン用規定マップに基づいて、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。すなわち、各クラッチ回転数差(Δ1、Δ2、Δ3)において、選択されたシフトダウン用規定マップが示す回転速度となるように、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行う。
図14に示すように、機敏モードのシフトダウン用規定マップ1gにおける各クラッチ回転数差(Δ1、Δ2、Δ3)でのクラッチアクチュエータ63の回転速度は、標準モードのシフトダウン用規定マップ2gにおける回転速度よりも速くなっている。これにより、機敏モードでは、標準モードと比較して機敏なシフトダウン動作となる。また、緩やかモードのシフトダウン用規定マップ3gにおける各クラッチ回転数差でのクラッチアクチュエータ63の回転速度は、標準モードのシフトダウン用規定マップ2gにおける回転速度よりも遅くなっている。これにより、緩やかモードでは、標準モードと比較して緩やかなシフトダウン動作となる。
図7〜図14を用いて説明したように、本実施形態に係る自動二輪車10では、3つの走行モードのいずれかを選択することにより、人為的操作にしたがって目標クラッチ位置を変更しており、その結果、クラッチ54の接続動作態様を種々変更することができる。具体的には、機敏モードを選択したときには、発進時、シフトアップ時およびシフトダウン時において、標準モードと比較して機敏な応答性を得ることができる。また、緩やかモードを選択したときは、発進時、シフトアップ時およびシフトダウン時において、標準モードと比較して緩やかな応答性を得ることができる。本実施形態では、発進時、シフトアップ時およびシフトダウン時の応答性を変化させるにあたって、アクセル入力に応じたスロットル開度を変化させる方法ではなく、目標クラッチ位置を変更する方法を用いている。すなわち、本実施形態では、スロットル制御とは独立した制御を行っている。
以上説明したように、本実施形態に係る自動二輪車10によれば、機敏な発進動作、シフトアップ動作およびシフトダウン動作を行いたい場合には、機敏モードを選択し、この機敏モードに係る規定マップ1a〜1iに基づいて、目標クラッチ位置を規定する。また、緩やかな発進動作、シフトアップ動作およびシフトダウン動作を行いたい場合には、緩やかモードを選択し、この緩やかモードに係る規定マップ3a〜3iに基づいて、目標クラッチ位置を規定する。このように、本自動二輪車10によれば、発進動作、シフトアップ動作およびシフトダウン動作を、ユーザーの指向に合致した応答性が得られるように調整することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、応答性を向上させるにあたって、従来の技術の延長線上にある技術を採用するのではなく、冒頭において前述したように、本願発明者が新たに見出した知見に基づき、目標クラッチ位置を変更するという新たな方法を採用している。そのため、応答性を容易かつ好適に調整することができる。
また、本実施形態によれば、人為的操作によって事後的に応答性を自由に調整することができるので、製造工程等において自動二輪車10の応答性に関する個体差が発生した場合であっても、上述したようにクラッチアクチュエータ63の駆動態様を変更することによって、上記個体差を解消することが可能となる。
上述した実施形態では、EEPROM94に各走行モードに対応する規定マップが記憶されている場合について説明したが、EEPROM94(図3参照)に一の走行モードに係る規定マップのみを記憶させておき、走行モードを変更する際に、変更する走行モードに対応する規定マップに書き換えるように構成されていてもよい。すなわち、初期設定ではEEPROM94に標準モードに係る規定マップ2a〜2iを記憶させておき、機敏モードに変更する際には、機敏モードに係る規定マップ1a〜1iに書き換え、緩やかモードに変更する際には、緩やかモードに係る規定マップ3a〜3iに書き換えるようにしてもよい。このような構成とした場合でも、本実施形態に係る自動二輪車10の場合と同様に、ユーザーの指向に合致した応答性を得ることができる。
また、例えば、EEPROM94に一の走行モードに係る規定マップのみを記憶させておくとともに、メインマイコン90のROM91(図3参照)等に、所定の補正プログラムを記憶させておき、走行モードの変更指示があったことを受けて、規定マップに対して補正演算処理を行うようにしてもよい。例えば、標準モードから機敏モードへの変更指示があったことを受けて、EEPROM94に記憶されている標準モードに係る規定マップ2a〜2iに対して、上記補正プログラムに基づく補正演算処理を行うことによって、機敏モードに係る規定マップ1a〜1iを取得し、この規定マップ1a〜1iをEEPROM94に上書きするようにしてもよい。このような構成とした場合でも、本実施形態に係る自動二輪車10の場合と同様に、ユーザーの指向に合致した応答性を得ることができる。
また、図8、図10、図11、図13、図14に示したように、各走行モードに係る規定マップは、各エンジン回転数(n2〜n4)または各クラッチ回転数差(−v2〜v2、Δ1〜Δ3)における目標クラッチ位置(または、目標クラッチ位置に一義的に対応するクラッチアクチュエータ63の回転速度)を一律に上下させたものである。そのため、上記補正プログラムとして、複雑な補正演算を行うプログラムを用いる必要がなく、加減算または剰余算による単純な補正演算を行うプログラムを採用することができる。なお、本発明では、上述したように、目標クラッチ位置(またはクラッチアクチュエータ63の回転速度)を段階的(上述した例では3段階)に補正する場合に限定されず、連続的に補正可能なようにしてもよい。
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 車体フレーム
16 シート
28 エンジンユニット
36 ブレーキペダル
39 ブレーキレバー
43 シフトスイッチ
43a シフトアップスイッチ
43b シフトダウンスイッチ
54 クラッチ(摩擦クラッチ)
63 クラッチアクチュエータ(アクチュエータ)
64 油圧伝達機構
65 シフトアクチュエータ
68 クラッチ位置センサ(クラッチ位置検出装置)
70 ギアポジションセンサ
71 ロッド
72 レバー
73 ピニオン
74 ラック
77 自動クラッチ装置
90 メインマイコン(クラッチ位置変更手段、駆動制御装置)
91 ROM
91a クラッチアクチュエータ制御プログラム
91b シフトアクチュエータ制御プログラム
92 RAM
94 EEPROM(マップ記憶装置)
94a(1a〜1i、2a〜2i、3a〜3i) 規定マップ
96 メインスイッチ
97 バッテリ
98 電源回路
100 ECU(クラッチ制御装置)
11 車体フレーム
16 シート
28 エンジンユニット
36 ブレーキペダル
39 ブレーキレバー
43 シフトスイッチ
43a シフトアップスイッチ
43b シフトダウンスイッチ
54 クラッチ(摩擦クラッチ)
63 クラッチアクチュエータ(アクチュエータ)
64 油圧伝達機構
65 シフトアクチュエータ
68 クラッチ位置センサ(クラッチ位置検出装置)
70 ギアポジションセンサ
71 ロッド
72 レバー
73 ピニオン
74 ラック
77 自動クラッチ装置
90 メインマイコン(クラッチ位置変更手段、駆動制御装置)
91 ROM
91a クラッチアクチュエータ制御プログラム
91b シフトアクチュエータ制御プログラム
92 RAM
94 EEPROM(マップ記憶装置)
94a(1a〜1i、2a〜2i、3a〜3i) 規定マップ
96 メインスイッチ
97 バッテリ
98 電源回路
100 ECU(クラッチ制御装置)
Claims (18)
- 駆動側動力伝達機構と従動側動力伝達機構との間に介在する摩擦クラッチと、前記摩擦クラッチを直接または間接的に断続させる電動式のアクチュエータとを備えた自動クラッチ装置の制御を行うクラッチ制御装置であって、
前記摩擦クラッチの駆動側部分または前記駆動側動力伝達機構の回転数である駆動側回転数を検出する駆動側回転数検出装置と、
前記摩擦クラッチのクラッチ位置を検出するクラッチ位置検出装置と、
前記駆動側回転数に関連づけて設定されたクラッチ位置の目標位置を記憶する記憶装置と、
前記駆動側回転数検出装置から駆動側回転数の検出値を受け、前記記憶装置に記憶されている当該検出値に対応するクラッチ位置の目標位置に基づいて、前記摩擦クラッチの駆動制御を行う駆動制御装置と、
前記記憶装置に記憶される前記目標位置を人為的な変更操作にしたがって変更し、次の人為的な変更操作が加えられるまで維持するクラッチ位置変更装置と、
を備えたことを特徴とする、クラッチ制御装置。 - 前記記憶装置は、前記摩擦クラッチのクラッチ位置の目標位置を規定する複数種類の規定マップを記憶するマップ記憶装置であり、
前記クラッチ位置変更装置は、前記複数種類の規定マップの中から人為的操作にしたがって選択された1または2以上の規定マップに基づいて、前記目標位置を変更する、請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記記憶装置は、前記摩擦クラッチのクラッチ位置の目標位置を規定する規定マップを記憶するマップ記憶装置であり、
前記クラッチ位置変更装置は、前記規定マップに対して所定の補正演算処理を行い、当該補正演算処理によって得られた補正後規定マップに基づいて、前記目標位置を変更する、請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記記憶装置は、前記摩擦クラッチのクラッチ位置の目標位置を規定する規定マップを記憶するマップ記憶装置であり、
前記マップ記憶装置は、前記規定マップを書き換え可能である、請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記規定マップは、前記駆動側回転数と前記クラッチ位置の目標位置との関係を規定する、請求項2〜4のいずれか1つに記載のクラッチ制御装置。
- 前記駆動側動力伝達機構はエンジンを有し、
前記規定マップは、発進時におけるエンジン回転数と前記クラッチ位置の目標位置との関係を規定する、請求項2〜4のいずれか1つに記載のクラッチ制御装置。 - 前記摩擦クラッチの従動側部分または前記従動側動力伝達機構の回転数である従動側回転数を検出する従動側回転数検出装置を備え、
前記規定マップは、前記駆動側回転数と前記従動側回転数との差であるクラッチ回転数差と、前記アクチュエータの駆動速度との関係を規定する、請求項2〜4のいずれか1つに記載のクラッチ制御装置。 - 変速機を備えた車両に搭載され、
前記規定マップは、シフトアップ時またはシフトダウン時における前記クラッチ回転数差と前記アクチュエータの駆動速度との関係を規定する、請求項7に記載のクラッチ制御装置。 - 前記摩擦クラッチの従動側部分または前記従動側動力伝達機構の回転数である従動側回転数を検出する従動側回転数検出装置を備え、
前記規定マップは、前記駆動側回転数と前記従動側回転数との差であるクラッチ回転数差と、前記クラッチ位置の目標位置との関係を規定する、請求項2〜4のいずれか1つに記載のクラッチ制御装置。 - 変速機を備えた車両に搭載され、
前記規定マップは、シフトアップ時またはシフトダウン時における前記クラッチ回転数差と前記クラッチ位置の目標位置との関係を規定する、請求項9に記載のクラッチ制御装置。 - 前記目標位置は、前記駆動側回転数から定められる、請求項1に記載のクラッチ制御装置。
- 前記摩擦クラッチの従動側部分または前記従動側動力伝達機構の回転数である従動側回転数を検出する従動側回転数検出装置を備え、
前記目標位置は、前記駆動側回転数と前記従動側回転数との差から定められる、請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記駆動制御装置は、クラッチオフ位置からクラッチオフ位置とクラッチオン位置との間の所定のクラッチ位置である初期クラッチ位置までは、クラッチ位置を目標位置にする制御を行い、初期クラッチ位置からクラッチオン位置までは、クラッチアクチュエータの回転速度を目標速度にする制御を行う、請求項1に記載のクラッチ制御装置。
- 前記目標位置は、人為的な変更操作によって連続的に変更可能である、請求項1に記載のクラッチ制御装置。
- 車両に搭載され、
前記人為的な変更操作は、車体の内部に設けられたスイッチの操作である、請求項1に記載のクラッチ制御装置。 - 前記自動クラッチ装置と、
請求項1に記載のクラッチ制御装置とを備えた車両。 - 前記自動クラッチ装置は油圧式の自動クラッチ装置である、請求項16に記載の車両。
- 前記アクチュエータはモータである、請求項16に記載の車両。
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JP2012004060A JP2012072914A (ja) | 2012-01-12 | 2012-01-12 | クラッチ制御装置および車両 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101485518B1 (ko) * | 2012-09-28 | 2015-01-22 | 히다치 오토모티브 시스템즈 가부시키가이샤 | 걸어맞춤 위치 기억 장치 및 그것을 이용한 브레이크 시스템 |
WO2020026591A1 (ja) * | 2018-08-01 | 2020-02-06 | 本田技研工業株式会社 | クラッチ制御装置 |
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-
2012
- 2012-01-12 JP JP2012004060A patent/JP2012072914A/ja active Pending
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