JP4911995B2 - 自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速制御装置とアンチロックブレーキ装置とを備えた自動二輪車に関するものである。
従来より、電動式のアクチュエータにより摩擦クラッチの断続動作、および、変速機のギアチェンジを行う自動変速制御装置(オートメイティッドマニュアルトランスミッション装置)を備えた自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された自動二輪車では、乗員がシフトアップスイッチを押すと、変速装置のギアが低段側から高段側に自動的に切り替わり、逆に、乗員がシフトダウンスイッチを押すと、変速装置のギアが高段側から低段側に自動的に切り替わる。
特開平11−082710号公報
ところで、自動二輪車には、アンチロックブレーキ装置(ABS)を備えたものが知られている。ここで、自動変速制御装置を備えた自動二輪車に上述したアンチロックブレーキ装置を搭載した場合、以下に説明するような課題が生じる。
アンチロックブレーキ装置の動作中は、通常、乗員による急ブレーキ操作が行われており、エンジン回転数が時間とともに減少している。このとき、自動二輪車には減速力がかかっている。しかし、エンジン回転数がさらに低下し、所定のエンジン回転数に達すると、逆に、自動二輪車には推進力が働くことになる。アンチロックブレーキ装置の動作中にこのような推進力が働くと、乗員の乗り心地が変化してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、自動変速制御装置とアンチロックブレーキ装置とを備えた自動二輪車において、アンチロックブレーキ装置の動作中の乗り心地の変化を少なくすることができる自動二輪車を提供することにある。
第1の発明に係る自動二輪車は、摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、アンチロックブレーキ装置と、エンジンとを備えた自動二輪車であって、前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置が動作した場合には、エンジン回転数が低下して推進力が発生する所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるものである。前記所定回転数は、後輪の駆動力と走行抵抗とが等しくなるときのエンジン回転数である。
また、第2の発明に係る自動二輪車は、摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、アンチロックブレーキ装置と、エンジンとを備えた自動二輪車であって、前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置の非動作時には、エンジン回転数が低下して第1回転数になったときに前記摩擦クラッチを切断させる一方、前記アンチロックブレーキ装置の動作時には、エンジン回転数が低下して前記第1回転数よりも大きい所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるものである。前記所定回転数は、後輪の駆動力と走行抵抗とが等しくなるときのエンジン回転数である。
上記第1の発明に係る自動二輪車によれば、アンチロックブレーキ装置の動作時には、エンジン回転数が減少していった後、車体に推進力が働くエンジン回転数になる前に、摩擦クラッチが切断される。また、上記第2の発明に係る自動二輪車によれば、アンチロックブレーキ装置の動作時には、エンジン回転数が減少していった後、アンチロックブレーキ装置の非動作時よりも早めに摩擦クラッチが切断される。そのため、上記推進力が働くことに起因する乗り心地の変化を少なくすることができる。
本発明によれば、自動変速制御装置とアンチロックブレーキ装置とを備えた自動二輪車において、アンチロックブレーキ装置の動作中の乗り心地の変化を少なくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る鞍乗型車両は自動二輪車10である。自動二輪車10は、骨格をなす車体フレーム11と、乗員が着座するシート16とを備えている。シート16に着座した乗員は、車体フレーム11を跨いで乗車する。なお、本発明において、車両の形状としては、図1に示したものに限定されず、また、車両の最高速度や排気量、車両の大小等も限定されない。また、本発明に係る鞍乗型車両は、シートの前方に燃料タンクが配置されているいわゆるモーターサイクル型等の他の自動二輪車等であってもよい。また、自動二輪車に限らず、四輪バギー等の他の鞍乗型車両であってもよい。
以下の説明では、前後左右の方向は、シート16に着座した乗員から見た方向を言うものとする。車体フレーム11は、ステアリングヘッドパイプ12と、ステアリングヘッドパイプ12から後方斜め下向きに延びる一本のメインフレーム13と、メインフレーム13の中途部から後方斜め上向きに延びる左右のシートレール14と、メインフレーム13の後端部とシートレール14の中途部とに接続された左右のシートピラーチューブ15とを備えている。
ステアリングヘッドパイプ12には、フロントフォーク18を介して前輪19が支持されている。シートレール14の上には、燃料タンク20およびシート16が支持されている。シート16は、燃料タンク20の上方からシートレール14の後端部に向かって延びている。燃料タンク20は、シートレール14の前半部の上方に配置されている。
メインフレーム13の後端部には、左右一対のリヤアームブラケット24が設けられている。なお、ここではメインフレーム13に設けられたリヤアームブラケット24等は、車体フレーム11の一部をなすものとする。
リヤアームブラケット24は、メインフレーム13の後端部から下向きに突出している。これらリヤアームブラケット24にはピボット軸38が設けられ、ピボット軸38にリヤアーム25の前端部が揺動自在に支持されている。リヤアーム25の後端部には後輪26が支持されている。
また、車体フレーム11には、後輪26を駆動するエンジンユニット28が支持されている。クランクケース35は、メインフレーム13に吊り下げられた状態で支持されている。なお、本実施形態において、エンジンユニット28は、ガソリンエンジン(図示せず)を備えているが、エンジンユニット28が備えるエンジンはガソリンエンジン等の内燃機関に限定されず、モータエンジン等であってもよい。また、上記エンジンは、ガソリンエンジンとモータエンジンとを組み合わせたものであってもよい。
自動二輪車10は、フロントカウル33と、左右のレッグシールド34とを備えている。レッグシールド34は運転者の脚部の前方を覆うカバー部材である。
また、図1には示していないが、自動二輪車10の右側の下部には、ブレーキペダルが設けられている。上述したブレーキペダルは、後輪26を制動させるためのものである。また、前輪19は、ハンドル41の右グリップ41R(図示せず)近傍に設けられたブレーキレバー(図示せず)を操作することにより制動される。
図2は、図1に示した自動二輪車の駆動系の構成図である。ハンドル41(図1も参照)の右グリップ41Rは、アクセルグリップを構成し、このアクセルグリップにはスロットル入力センサ42が装着されている。このスロットル入力センサ42は、乗員によるアクセル入力(スロットル開度入力)を検出する。また、ハンドル41の左グリップ41L側には、シフトスイッチ43が設けられている。シフトスイッチ43は、シフトアップスイッチ43aとシフトダウンスイッチ43bとからなり、手動操作によりシフトポジションをニュートラルから最高ギア段(本実施形態では6速ギア段)までの間で増加または減少させることができる。さらに、ハンドル41の中央部には、現在のシフトポジション等を表示するインジケータ45が設けられている。
吸気通路を構成するスロットル47にはスロットル弁46が装着されている。スロットル弁46の弁軸48の右側端部には、スロットル駆動アクチュエータ49が設けられるとともに、左側端部にはスロットル開度センサ50が設けられている。この弁軸48に装着されたスロットル駆動アクチュエータ49およびスロットル開度センサ50からDBW(ドライブバイワイヤ)51が構成されている。DBW51は、スロットル開度センサ50の検出結果に応じて、スロットル駆動アクチュエータ49によりスロットル47を開閉駆動するものである。
図示しないエンジンに接続されるクランク軸52の右側端部には、エンジン回転数センサ53が設けられている。クランク軸52は、湿式多板式のクラッチ54を介してメイン軸55に連結されている。クラッチ54は、クラッチハウジング54aとクラッチボス54bとを備えている。クラッチハウジング54aには複数のクラッチ板54cが取り付けられているとともに、クラッチボス54bには複数のフリクションプレート54dが取り付けられている。各フリクションプレート54dは、隣り合うクラッチ板54c、54cの間に配置されている。なお、本発明において、摩擦クラッチは湿式多板式のクラッチに限定されず、例えば、乾式クラッチでもよく、単板式のクラッチでもよい。メイン軸55には、多段(図2では6段)の変速ギア57が装着されるとともに、メイン軸回転数センサ56が設置されている。メイン軸55に装着された各変速ギア57は、メイン軸55と平行に配置されたドライブ軸58上に装着された変速ギア59と噛み合っている。なお、図2では、説明の便宜上、変速ギア57と変速ギア59とを分離して示している。
これら変速ギア57および変速ギア59は、選択されたギア以外は、いずれか一方または両方がメイン軸55またはドライブ軸58に対して空転状態で装着されている。したがって、メイン軸55からドライブ軸58への駆動力の伝達は、選択された一対の変速ギアのみを介して行われる。
変速ギア57および変速ギア59を選択してギアチェンジを行う動作は、シフトカム79により行われる。シフトカム79には、複数(図2では3本)のカム溝60が形成され、各カム溝60にシフトフォーク61が装着される。各シフトフォーク61は、それぞれメイン軸55およびドライブ軸58の所定の変速ギア57、59に係合している。シフトカム79が回転することにより、シフトフォーク61がカム溝60に沿って軸方向に移動し、シフトカム79の回転角度に応じた位置の一対の変速ギア57、59がメイン軸55およびドライブ軸58に対してスプライン嵌合される。そして、スプライン嵌合された一対の変速ギア57、59によって、メイン軸55からドライブ軸58へ駆動力が伝達される。なお、これら変速ギア57、59およびシフトカム79により変速機80が構成される。
上述したクラッチ54および変速機80は、それぞれ、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65により駆動される。クラッチアクチュエータ63は、油圧伝達機構64、ロッド71、レバー72、ピニオン73およびラック74を介してクラッチ54と接続されている。油圧伝達機構64は、油圧シリンダ64a、オイルタンク(図示せず)等を備え、クラッチアクチュエータ63の駆動により油圧を発生させ、その油圧をロッド71に伝達させる機構である。クラッチアクチュエータ63の駆動によりロッド71が矢印Aのように往復動作し、レバー72が矢印Bのように回動し、これにより、クラッチ54がラック74の移動方向に応じて接続または切断される。上述したクラッチ54、クラッチアクチュエータ63、油圧伝達機構64、ロッド71、レバー72、ピニオン73およびラック74から自動クラッチ装置77が構成されている。なお、本実施形態において、クラッチアクチュエータ63として電動モータを採用しているが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、ソレノイドや電磁弁等であってもよい。
シフトアクチュエータ65は、減速機構66、ロッド75およびリンク機構76を介してシフトカム79と接続されている。減速機構66は、複数の減速ギア(図示せず)を備えている。ギアチェンジの際には、シフトアクチュエータ65の駆動によりロッド75が矢印Cのように往復運動し、リンク機構76を介してシフトカム79が所定角度だけ回転する。これによりカム溝60に沿ってシフトフォーク61が所定量だけ軸方向に移動し、一対の変速ギア57、59がそれぞれ、メイン軸55およびドライブ軸58に固定状態となり、メイン軸55からドライブ軸58に駆動力が伝達される。なお、本実施形態において、シフトアクチュエータ65として電動モータを採用しているが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、ソレノイドや電磁弁等であってもよい。なお、上述したクラッチ54、クラッチアクチュエータ63、油圧伝達機構64、ロッド71、レバー72、ピニオン73およびラック74とからなる自動クラッチ装置77、ならびに、変速機80、シフトアクチュエータ65、減速機構66、ロッド75、リンク機構76、および、クラッチアクチュエータ63とシフトアクチュエータ65との駆動制御を行うECU100(図3参照)から本発明にいう自動変速制御装置が構成されている。
クラッチアクチュエータ63に接続された油圧伝達機構64には、上記ピストンのストローク位置を検出することによってクラッチ位置を検出するクラッチ位置センサ68が設置されている。また、ドライブ軸58には車速センサ69が設置されている。さらに、シフトカム79にはギアポジション(シフトカムの回転量)を検出するギアポジションセンサ70が設置されている。
シフトアップスイッチ43aまたはシフトダウンスイッチ43bの操作に応じて、後述するECU100(エンジン制御装置)が、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65の駆動制御を行うことによってシフトチェンジが行われる。具体的には、クラッチアクチュエータ63によるクラッチ54の切断→シフトアクチュエータ65による変速ギア57、59のギアチェンジ→クラッチアクチュエータ63によるクラッチ54の接続の一連の動作が、所定のプログラムやマップに基づいて行われる。
図3は、自動二輪車10に搭載された制御システムの全体構成を示すブロック図である。ECU100が備えるメインマイコン90にはドライブ回路93を介して駆動系装置群110が接続されている。なお、ECU100は、本発明にいう制御装置に該当する。駆動系装置群110は、図4に示すように、スロットル駆動アクチュエータ49、インジケータ45、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65(図2も参照)から構成されている。
ドライブ回路93は、メインマイコン90から供給されるドライブ信号に応じて、駆動系装置群110を構成する各装置に適正な電流をバッテリ97から供給する。また、メインマイコン90にはセンサ・スイッチ群120が接続されている。センサ・スイッチ群は、図5に示すように、スロットル入力センサ42、シフトスイッチ43、スロットル開度センサ50、エンジン回転数センサ53、メイン軸回転数センサ56、クラッチ位置センサ68、車速センサ69およびギアポジションセンサ70(図2も参照)から構成されており、これら各センサの検出結果がメインマイコン90に入力されるようになっている。メインマイコン90は、上記各センサから入力した検出結果に基づいて、駆動系装置群110を構成する各装置に対してドライブ信号を供給して駆動制御を行う。
メインマイコン90は、ROM91およびRAM92を備えている。ROM91には、クラッチアクチュエータ制御プログラム91aおよびシフトアクチュエータ制御プログラム91bが記憶されている。クラッチアクチュエータ制御プログラム91aは、クラッチアクチュエータ63の駆動制御を行うためのプログラムである。また、シフトアクチュエータ制御プログラム91bは、シフトアクチュエータ65の駆動制御を行うためのプログラムである。なお、ROM91に記憶されているこれらプログラムは消去不可能であるとともに、ROM91には新たなプログラム等を書き込むことも不可能である。
上述したクラッチアクチュエータ制御プログラム91aまたはシフトアクチュエータ制御プログラム91bが実行されるときには、RAM92に展開された後、メインマイコン90によって読み込まれる。そして、メインマイコン90は、RAM92に展開されたこれらプログラムに基づいて、クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65の駆動制御を行うのである。
バッテリ97と接続された電源回路98は、キースイッチ(図示せず)と連動してオン/オフが切り換えられるメインスイッチ96を備えている。メインスイッチ96がオンになると、電源回路98は、バッテリ97の電圧をメインマイコン90の駆動用電圧に変換してメインマイコン90に供給する。
また、メインマイコン90には、ABS(アンチロックブレーキ装置)130が接続されている。ABS130については、後に図面(図6)を用いて詳述する。ABS130は、動作中に所定の信号をメインマイコン90に供給し、メインマイコン90は、この信号に基づいて、ABS130が動作中であることを認識する。
次に、図3に示したABS130について図6を用いて説明する。なお、図6では、ABS130における後輪26(図1参照)のロック制御機構のみを示しているが、本実施形態において、ABS130は、前輪19および後輪26の両方のロック制御を行うものである。前輪19のロック制御機構は、図6に示す機構と略同様であるので、その説明を省略する。
ABS130は、ABS用制御装置131と、回転数センサ132と、コントロールバルブ137、138と、ABS用モータ140とを備えている。回転数センサ132は、後輪26(図1参照)の回転数を検出するものである。回転数センサ132の検出結果は、ABS用制御装置131に供給され、ABS制御装置131は、この検出結果に基づいてコントロールバルブ137、138およびABS用モータ140の駆動制御を行う。また、ABS用モータ140は、ブレーキ液圧を発生させるためのポンプ141を駆動する。
通常のブレーキ時においては、ブレーキペダルの操作によってマスタシリンダ136内部で加圧されたブレーキ液が開状態のコントロールバルブ138を通って、後輪26(図1参照)を制動させるディスクブレーキ135のブレーキキャリパ136aに伝達され、後輪26に制動力が発生する。なお、このとき、コントロールバルブ137は閉状態となっている。
一方、回転数センサ132の検出結果から、後輪26のホイールがロック状態に近いとABS用制御装置131が判断すると、ABS用制御装置131の駆動制御によってコントロールバルブ138が閉じるとともにコントロールバルブ137が開く。これによって、ブレーキキャリパ136aから押し戻されたブレーキ液がコントロールバルブ137を通って、ポンプ141のリザーブタンク(図示せず)に流れ込み、後輪26の制動力が緩和される。また、このとき、ABS用モータ140によりポンプ141が駆動され、チャンバ139内のブレーキ液がマスタシリンダ136に戻される。
上述した動作によって後輪26の制動力が緩和され、後輪26のロック状態が解消されたとABS用制御装置131が判断すると、ABS用制御装置131は、コントロールバルブ138を開くとともにコントロールバルブ137を閉じる。これによって、マスタシリンダ136に発生したブレーキ液圧が、再びブレーキキャリパ136aに伝達され、後輪26の制動力が回復するのである。
ABS130の作動中は、上述した制動力の緩和、制動力の回復が交互に繰り返されることにより、後輪26のロック状態が回避される。
次に、自動二輪車10のブレーキ操作中のクラッチ54の切断動作について説明する。図7は、実施形態に係る自動二輪車10におけるブレーキ操作中の後輪26の駆動力および走行抵抗と時間との関係を示す特性図である。図7は、ブレーキペダルまたはブレーキレバーの操作により、自動二輪車10の車体に通常の大きさのブレーキがかかっている場合を示している。すなわち、急ブレーキをかけないで、比較的緩やかに停車する場合を示している。したがって、この図7に示すブレーキ操作では、ABS130(図6参照)は動作しない。また、図7では、平坦な舗装路で乗員1人が乗車しているときの走行抵抗を示している。
図7では、後輪26の駆動力(以下、後輪駆動力という)の大きさと時間との関係、および、走行抵抗の大きさと時間との関係が示されている。ブレーキ操作の開始後は、走行抵抗が後輪駆動力を上回っており、この状態は、自動二輪車10が減速している状態である。そして、時間t1に達すると、走行抵抗が後輪駆動力と等しくなり、その後、後輪駆動力が走行抵抗を上回る状態となる。以下においては、時間t1におけるエンジン回転数、すなわち、走行抵抗と後輪駆動力が等しくなったときのエンジン回転数を、基準回転数Aということとする。一方、クラッチ54が切断されるときのエンジン回転数を第1回転数ということとする。
本実施形態に係る自動二輪車10では、上記第1回転数は、通常の大きさのブレーキ力がかかっている所定の場合(図7の場合)における上記基準回転数Aよりも小さく設定されている。すなわち、後輪駆動力が走行抵抗を上回っており、自動二輪車10に推進力がかかっている状態でクラッチ54が切断される。なお、この第1回転数は、試験等によって予め定められているものであってもよく、運転状態に応じて変動するものであってもよい。例えば、第1回転数は、各種パラメータによって定義されていてもよく、マップ等によって規定されていてもよい。一方、第1回転数は、運転状態にかかわらず一定値であってもよい。
図8は、急ブレーキ操作を行った場合の特性図である。図8において、実線の曲線は、ブレーキ操作の開始から所定時間経過後にABS130の動作が開始された場合を示している。一点鎖線の曲線は、ABS130が動作しない仮想的な場合を示している。
図8に示すように、急ブレーキ操作が行われると、図7の場合と比較して、走行抵抗および後輪駆動力が急低下する。そのため、走行抵抗と後輪駆動力とが等しくなるまでの時間t1′は、通常のブレーキ操作のとき(図7のt1参照)に比べると短くなる。また、走行抵抗と後輪駆動力とが等しくなるときのエンジン回転数、すなわち、基準回転数A′は、通常のブレーキ操作のときの基準回転数A(図7参照)よりも大きくなる。
ところで、ブレーキ開始から時間t1′に達するまでには、走行抵抗が後輪駆動力を上回っており、自動二輪車10には減速力がかかる。これに対し、時間t1′以降では、後輪駆動力が走行抵抗を上回ることとなる。そのため、自動二輪車10には推進力が発生する。しかしながら、ABS130の動作中にこのような推進力が発生すると、乗り心地が変化してしまう。
そこで、実施形態に係る自動二輪車10では、ABS130の動作時には、このような推進力が発生する前にクラッチ54を切断することとした。具体的には、本実施形態では、ABS130の動作開始と同時にクラッチ54を切断するように構成されている。なお、図8のn1は、ABS130が動作を開始したときのエンジン回転数を示している。すなわち、本実施形態では、ECU100(図3参照)が、ABS130が動作中である旨の信号をABS130から受けたタイミングで、クラッチアクチュエータ63に駆動信号を供給し、クラッチ54の切断を行わせるのである。
以上説明したように、実施形態に係る自動二輪車10では、ブレーキレバーまたはブレーキペダルを操作してブレーキがかかっているときに、ABS130が動作した場合には、走行抵抗と後輪駆動力とが等しくなる基準回転数A′に達するより前に、クラッチ54を切断するように構成されている。そのため、後輪駆動力が走行抵抗を上回ってしまい、これに起因して自動二輪車10に推進力が発生してしまうことを防止することができる。その結果、上記推進力が働くことに起因する乗り心地の変化を少なくすることができる。
特に、本実施形態に係る自動二輪車10では、ABS130が動作した場合に、ABS130の動作開始と同時にクラッチ54を切断するように構成されている。したがって、ABS130の動作中の全体にわたって、エンジンブレーキが発生しないため、ABS130によるブレーキ制御を安定化させることができる。
なお、上述した実施形態では、ABS130の動作開始と同時にクラッチ54を切断する場合について説明したが、本発明では、クラッチ54の切断時期はABS130の動作開始時に限定されるものではない。本発明では、エンジン回転数が基準回転数A′に達するよりも前にクラッチ54を切断すればよい。例えば、図9に示すように、ABS130の動作開始時のエンジン回転数をn1としたときには、エンジン回転数が基準回転数A′以上であり、且つ、n1以下であるときに、クラッチ54を切断すればよい。このような場合であっても、推進力の発生を抑制することができるため、乗り心地の変化を少なくすることができる。
なお、上記基準回転数Aは、設定されている変速ギア57、59のギア段(1〜6速ギア段)毎に異なっていてもよい。そこで、本発明では、図10に示すように、各段数毎の上記基準回転数A(N1〜N6)を予めROM91等に記憶させておいてもよい。そして、ABS130が動作開始したときには、ギアポジションセンサ70により現在のギアポジション(段数)を検出するとともに、検出したギアポジションに対応する基準回転数を読み出し、読み出した基準回転数に基づいて、クラッチ54を切断する所定回転数を決定してもよい。この場合、例えば、読み出した基準回転数よりも一定数だけ高いエンジン回転数に達したときに、クラッチ54を切断するようにしてもよい。
上述した実施形態では、クラッチ54と変速機80とが、それぞれ別個のアクチュエータ(クラッチアクチュエータ63およびシフトアクチュエータ65)により駆動される場合について説明したが、本発明においては、クラッチおよび変速機を1つのアクチュエータにより駆動することとしてもよい。
以上説明したように、本発明は、自動変速制御装置とアンチロックブレーキ装置とを備えた自動二輪車について有用である。
実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 図1に示した自動二輪車の駆動系の構成図である。 自動二輪車に搭載された制御システムの全体構成を示すブロック図である。 駆動系装置群を示すブロック図である。 センサ・スイッチ群を示すブロック図である。 ABSの構成を示すブロック図である。 ブレーキ操作中における後輪駆動力および走行抵抗と時間との関係を示す特性図である。 ブレーキ操作中における後輪駆動力および走行抵抗と時間との関係を示す特性図である。 ブレーキ操作中における後輪駆動力および走行抵抗と時間との関係を示す特性図である。 変速ギアの各段数毎の基準回転数を示す関係図である。
符号の説明
10 自動二輪車
11 車体フレーム
16 シート
28 エンジンユニット
43 シフトスイッチ
43a シフトアップスイッチ
43b シフトダウンスイッチ
46 スロットル弁
47 スロットル
49 スロットル駆動アクチュエータ
54 クラッチ(摩擦クラッチ)
55 メイン軸
63 クラッチアクチュエータ(アクチュエータ)
64 油圧伝達機構
65 シフトアクチュエータ
70 ギアポジションセンサ
71 ロッド
72 レバー
73 ピニオン
74 ラック
80 変速機
90 メインマイコン
96 メインスイッチ
100 ECU(制御装置)

Claims (7)

  1. 摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、
    アンチロックブレーキ装置と、
    エンジンと、を備えた自動二輪車であって、
    前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置が動作した場合には、エンジン回転数が低下して推進力が発生する所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるように構成され、
    前記所定回転数は、後輪の駆動力と走行抵抗とが等しくなるときのエンジン回転数である、自動二輪車。
  2. 摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、
    アンチロックブレーキ装置と、
    エンジンと、を備えた自動二輪車であって、
    前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置が動作した場合には、エンジン回転数が低下して推進力が発生する所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるように構成され、
    前記所定回転数は、前記アンチロックブレーキ装置が動作するときの前記変速機のギアの段数毎に設定されている、自動二輪車。
  3. 摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、
    アンチロックブレーキ装置と、
    エンジンと、を備えた自動二輪車であって、
    前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置の非動作時には、エンジン回転数が低下して第1回転数になったときに前記摩擦クラッチを切断させる一方、前記アンチロックブレーキ装置の動作時には、エンジン回転数が低下して前記第1回転数よりも大きい所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるように構成され、
    前記所定回転数は、後輪の駆動力と走行抵抗とが等しくなるときのエンジン回転数である、自動二輪車。
  4. 摩擦クラッチと、複数のギアを有する変速機と、前記摩擦クラッチの断続および前記変速機のギアチェンジを直接または間接的に行う電動式のアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を有する自動変速制御装置と、
    アンチロックブレーキ装置と、
    エンジンと、を備えた自動二輪車であって、
    前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置の非動作時には、エンジン回転数が低下して第1回転数になったときに前記摩擦クラッチを切断させる一方、前記アンチロックブレーキ装置の動作時には、エンジン回転数が低下して前記第1回転数よりも大きい所定回転数になる前に、前記摩擦クラッチを切断させるように構成され、
    前記所定回転数は、前記アンチロックブレーキ装置が動作するときの前記変速機のギアの段数毎に設定されている、自動二輪車。
  5. 前記制御装置は、前記アンチロックブレーキ装置の動作開始と同時に前記摩擦クラッチを切断させる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動二輪車。
  6. 前記自動変速制御装置は、油圧を発生させる油圧シリンダを備え、
    前記アクチュエータが前記油圧シリンダを駆動して発生した油圧によって前記摩擦クラッチの断続が行われる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動二輪車。
  7. 前記アクチュエータはモータである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動二輪車。
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