JP7329475B2 - 鞍乗り型車両用変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン車両用変速機の制御装置に係り、特に、変速機の駆動側ダボと被動側ダボとを係合させて駆動力を駆動輪へ伝達し、変速時に係合を解除する鞍乗り型車両に好適な車両用変速制御装置に関する。
多段変速装置において、メインシャフトおよびカウンタシャフト上を摺動可能に設けられた変速ギヤやスリーブを、当該両シャフト上を移動させることで変速を行う構造が知られている。変速動作は、メインシャフトおよびカウンタシャフトと平行に摺動するシフトフォークを駆動させることで行われる。
このような手動式多段変速機は、図11に模式的に示したように、エンジンのクランク軸から動力を伝達される駆動側ダボおよび駆動輪に動力を伝達する被動側ダボを具備し、駆動側ダボと被動側ダボとを係合させることでエンジンの駆動力を駆動輪へ伝達できる。変速時には駆動側ダボと被動側ダボとの係合が解除されてシフトフォークによるギヤ移動が可能になる。
特許文献1には、駆動側ダボと被動側ダボとを係合させてエンジンから駆動輪へ動力を伝達し、変速時に係合状態を解除する技術が開示されている。
特開2012-225437号公報
上記の構造を有する車両用変速機では、加速時にスロットルを戻し、主にフロントブレーキで制動操作を行って減速すると、図11に示したように、駆動側ダボが被動側ダボの側(加速側)に強く押し付けられてダボ間の接触荷重が高まる加速状態の係合となり、シフト操作による係合解除に常時よりも大きな操作力が要求される場合がある。
同様の原理で、リヤブレーキのみで制動操作を行って減速しても、駆動側ダボが被動側ダボに強く押し付けられてダボ間の係合が強い加速状態となり、シフト操作による係合解除に大きな操作力が要求される場合がある。
さらに、後輪をロックさせた状態で車体をスライドさせることで向きを一気に変えるブレーキターンにおいても、後輪がロックした状態では駆動側ダボが被動側ダボに強く押し付けられてダボ間の係合状態が強い加速状態となるので、ブレーキターン中のシフトダウン操作に大きな操作力が要求される場合がある。
本発明の目的は、上記の技術課題を解決し、駆動側ダボが被動側ダボ側に強く押し付けられてダボ間の接触荷重が高まる加速状態でも大きなシフト操作力を要しない鞍乗り型車両用変速制御装置を提供することにある。
(1) 本発明は、前輪(WF)の車輪速を検知する手段(101a)および後輪(WR)の車輪速を検知する手段(101b)を具備し、駆動側ダボと被動側ダボとを係合及び係合解除して変速段を切換え、ブレーキの制動力に制限を加える手段(例えば、ABS)を搭載した鞍乗り型車両に実装される変速機制御装置(100)において、被動側ダボ速度(N1)を推定するために前輪(WF)の車輪速を検知する手段(102a)と、駆動側ダボ速度(N2)を推定するために後輪(WR)の車輪速を検知する手段(102b)と、各車輪速の検知結果に基づいて被動側および駆動側の各ダボ速度(N1,N2)を検知する手段(102)と、被動側ダボ速度(N1)および駆動側ダボ速度(N2)の検知結果に基づいてダボ間の接触荷重が所定の閾値を超えたか否かを推定する手段(103)とを具備し、シフトダウンの操作時に前記接触荷重が所定の閾値を超えていると、後輪(WR)の車輪速に応じて前記ABS等を起動する点に第1の特徴がある。
(2) 本発明は、シフトダウンの操作時に後輪(WR)がロックしており、かつ接触荷重が所定の閾値を超えているときにABS等が作動中であると後輪(WR)の制動力を更に低減させるようにした点に第2の特徴がある。
(3) 本発明は、前輪(WF)の車輪速を検知する手段(101a)および後輪(WR)の車輪速を検知する手段(101b)を具備し、駆動側ダボ(D1)と被動側ダボ(D2)とを係合及び係合解除して変速段を切換え、ブレーキの制動力に制限を加える手段(例えば、ABS)を搭載した鞍乗り型車両に実装される変速機制御装置(100)において、被動側ダボ速度(N1)を推定するために前輪(WF)の車輪速を検知する手段(102a)と、駆動側ダボ速度(N2)を推定するために後輪(WR)の車輪速を検知する手段(102b)と、各車輪速の検知結果に基づいて被動側および駆動側の各ダボ速度(N1,N2)を検知する手段(102)と、被動側ダボ速度(N1)および駆動側ダボ速度(N2)の検知結果に基づいてダボ間の接触荷重が所定の閾値を超えたか否かを推定する手段(103)と、シフトダウンの操作時に前記接触荷重が所定の閾値を超えているとエンジン出力を低下させる手段(200, 400)とを具備した点に第3の特徴がある。
(4) 本発明は、エンジン出力を低下させる手段(200)がエンジンへの燃料供給を遮断するようにした点に第4の特徴がある。
(5) 本発明は、エンジン出力を低下させる手段(400)が、エンジン点火を禁止またはリタードするようにした点に第5の特徴がある。
(1) 本発明は上記の第1の特徴を有するので、ブレーキターン時に後輪がロックしたとき、ABS等が作動していなければABS等が起動されて被動側ダボと駆動側ダボとの接触荷重が減ぜられるので、ブレーキターン時のシフトダウン操作が容易になる。
(2) 本発明は上記の第2の特徴を有するので、ブレーキターン時に後輪がロックしたとき、ABS等が既に作動していれば後輪の制動力が更に減ぜられて被動側ダボと駆動側ダボとの接触荷重が更に減少するので、ブレーキターン時のシフトダウン操作が容易になる。
(3) 本発明は上記の第3の特徴を有するので、加速時にスロットルを戻して主にフロントブレーキで制動操作を行って減速した結果、あるいはリヤブレーキのみで制動操作を行って減速した結果、被動側ダボに駆動側ダボが強く押し付けられてダボ間の接触荷重が高い加速状態となっても、エンジン出力が減ぜられてダボ間の接触荷重が減ぜられるので、シフトダウン操作が容易になる。
(4) 本発明は上記の第4の特徴を有するので、エンジン点火を禁止することなくエンジン出力を減じることができる。
(5) 本発明は上記の第5の特徴を有するので、エンジンへの燃料供給を遮断することなくエンジン出力を減じることができる。
本発明を適用した自動二輪車の左側面図である。 パワーユニットの断面図である。 有段変速機が備えるシフターギヤの構成を示した図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用変速制御装置の機能ブロック図である。 第1実施形態の動作を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る車両用変速制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用変速制御装置の機能ブロック図である。 ブレーキターンの方法を模式的に示した図である。 第3実施形態の動作を示したフローチャートである。 ブレーキターン時のシフトダウン操作の可否を従来技術と比較した図(その1)である。 ブレーキターン時のシフトダウン操作の可否を従来技術と比較した図(その2)である。 駆動側ダボと被動側ダボが係合してエンジンの回転動力が駆動輪に伝達される様子を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用した自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、エンジンEの駆動力を、クランクケース12に収納される有段変速機を介して後輪WRに伝達するスポーツ型の鞍乗型車両である。
車体フレーム3を構成するメインフレーム4の前端部には前輪WFの操舵機構を揺動自在に軸支するヘッドパイプ6が設けられている。操舵機構を構成する左右一対のフロントフォーク7の下端部には前輪WFが回転可能に軸支されている。フロントフォーク7の上部には操舵機構を操舵するハンドルバー5が取り付けられている。
ヘッドパイプ6の下方寄りの位置にはパワーユニットPのクランクケース12の前方側を支持するハンガフレーム9が連結されている。メインフレーム4とハンガフレーム9との間には板状の補強ガセット8が架け渡されている。
ヘッドパイプ6から後方に延びて下方に湾曲するメインフレーム4の下端部にはスイングアーム17の前端部を揺動自在に軸支するピボット28が設けられた左右一対のピボットプレート13が固定されている。後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム17はリヤクッション18によってメインフレーム4に吊り下げられている。
エンジンEと有段変速機とを一体に構成するパワーユニットPは、ピボットプレート13およびハンガフレーム9によって支持されている。エンジンEのシリンダヘッド10の後部には、燃料噴射装置25を有するスロットルボディ26が固定されている。スロットルボディ26の後部にはエアクリーナボックス21が連結されている。シリンダヘッド10の前部には、車体後方のマフラ19に燃焼ガスを導く排気管11が連結されている。エンジンEのクランクシャフトSの端部には、エンジンEの始動時にセルモータとして機能し、始動後は発電機として機能するACGスタータモータMが設けられている。
パワーユニットPの上方には、メインフレーム4を車幅方向に跨ぐ底部形状を有する燃料タンク2が配設されている。メインフレーム4の後方にはシート22等を支持するリヤフレーム20が固定されている。リヤフレーム20の後端上部にはECUとしてのエンジン始動装置100が配設されている。
図2はパワーユニットPの断面図である。パワーユニットPはクランクシャフトSを支持するクランクケース12にマニュアル変速式の有段変速機TMを一体に収納した構成を有する。クランクケース12はクランクシャフトSを軸支すると共に、クランクシャフトSが配置されるクランク室27の後方に有段変速機TMを収容するミッション室24を構成する。
クランク室27の上方にはシリンダ39が形成されたシリンダブロック5およびシリンダヘッド10が重ねられ、締結部材によってシリンダヘッド10およびシリンダブロック5がクランクケース12に一体に締結される。シリンダヘッド10の上部にはシリンダヘッドカバー34が取り付けられる。
シリンダブロック5のシリンダ39にはピストン38が往復摺動自在に収納されており、ピストン38およびクランクシャフトSがコンロッド40によって連接されることでクランク機構が構成される。シリンダヘッド10には吸排気バルブを駆動する動弁機構33が収納されている。
カムチェーン37は、動弁機構33の動弁カム軸30に嵌着された被動側カムチェーンスプロケット35と、クランクシャフトSに固定された駆動側カムチェーンスプロケット51との間に架け渡される。クランクシャフトSの1/2の回転数で回転される動弁カム軸30は吸気ロッカアーム31および排気ロッカアーム32を揺動し、これにより吸排気バルブがそれぞれ所要のタイミングで開閉駆動する。
クランクケース12の左軸受壁54より左方に突出した部分のクランクシャフトSには、駆動側カムチェーンスプロケット51と共に、ACGスタータモータMのアウタロータ41が固定されており、ACGスタータモータMを左側から覆うケースカバー44に形成された内筒43にインナステータ42が固定されている。クランクケース12の右軸受壁63より右方に突出した部分のクランクシャフトSにはバランサ駆動ギヤ69およびプライマリ駆動ギヤ70が順次嵌合されている。
クランクケース12のミッション室24ではメイン軸61とカウンタ軸55とが互いに平行をなして左右軸受壁54,63間のベアリング52,57によって回転自在に軸支されている。メイン軸61に軸支されたメインギヤ群53とカウンタ軸55に軸支されたカウンタギヤ群58が常時噛み合うことで前進5速の有段変速機TMが構成される。
クランクケース12の右軸受壁63より右方に突出したメイン軸61の端部には湿式多板式のクラッチCが設けられている。クラッチCのクラッチアウタ68はメイン軸61に回転自在に軸支されたプライマリ被動ギヤ65に緩衝部材を介して支持されている。メイン軸61に一体に嵌合されたクラッチインナ66との間に複数のクラッチ板が介装され、クラッチレバーの操作に連動する押圧プレート67の往復動作によって断接が行われる。クラッチCは、クランクケース12の底部に貯留されるエンジンオイルによって有段変速機TMと同様に潤滑される。
プライマリ被動ギヤ65はクランクシャフトSに固定されたプライマリ駆動ギヤ70と噛合する。クランクシャフトSの動力はクラッチCを介して有段変速機TMのメイン軸61に伝達される。
カウンタ軸55はクランクケース12の左軸受壁54を左方に貫通して外部に突出し、パワーユニットPの最終出力軸を構成する。突出部位にはドライブスプロケット50がスプライン嵌合されている。ドライブスプロケット50に巻き掛けられるドライブチェーン16は後輪WRに固定されたドリブンスプロケットに動力を伝達する。ドライブスプロケット50の車幅方向外側にはスプロケットカバー47が配設されている。
図3は、前記有段変速機TMが備えるシフターギヤの構成を示した図であり、シフターギヤ73が、エンジンの駆動力により回転する変速軸71に対し、スプラインを介して軸線方向に相対スライド可能、軸線回りに相対回動不能に取り付けられる。シフターギヤ73は、ギヤ部74がギヤG1と噛み合っており、係合部75に係合するシフトフォーク76によりスライド操作され、隣接するギヤG2またはG3と選択的にダボ係合することで変速しながら動力を伝達する。シフターギヤ73にはダボ91,92が設けられ、ギヤG2のダボ(穴)93は前記ダボ91と係脱可能であり、ギヤG3のダボ(穴)94は前記ダボ92と係脱可能である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る車両用変速制御装置の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、ECU100に実装されたマイクロプロセッサが、予めメモリに記憶された制御プログラムにプロセスデータの検知結果や既登録の制御用データを適用することで実現される。
ECU100において、車輪速検知部101は前輪速検知部101aおよび後輪速検知部101bを含む。前輪速検知部101aは車速センサ81に基づいて前輪(被動輪)WFの回転速度を検知する。後輪速検知部101bは車速センサ82に基づいて後輪(駆動輪)WRの回転速度を検知する。
ダボ速度検知部検知部102は、被動側ダボ速度推定部102aおよび駆動側ダボ速度推定部102bを含む。被動側ダボ速度推定部102aは前輪速検知部101aが検知した前輪WFの回転速度に基づいて被動側ダボの回転速度N1を推定する。本実施形態では、前輪WFの回転速度を所定の関数式に適用することで被動側ダボの回転速度N1が計算される。
駆動側ダボ速度推定部102bは、後輪速検知部101bが検知した後輪WRの回転速度に基づいて駆動側ダボの回転速度N2を推定する。駆動側ダボの回転速度N2も後輪WRの回転速度を所定の関数式に適用することで計算される。
ダボ接触荷重推定部103は、駆動側ダボの回転速度N2から被動側ダボの回転速度N1を減じた速度差ΔN(=N2-N1)に基づいてダボ間の接触荷重を推定する。そして、ダボ間の接触荷重が接触荷重判定閾値Nrefを超えていると、ダボの係合解除に大きな力を要するためにシフトダウン操作が容易ではないと判断し、燃料噴射制御部200に対して燃料カットを要求する。
燃料噴射制御部200は、常時はアクセル開度やエンジン回転数等の各種エンジンパラメータに基づいてインジェクタ300による燃料噴射量を制御すると共に、前記燃料カット要求に応答して、インジェクタ300による燃料噴射を禁止またはインジェクタ300への燃料供給を遮断することでエンジン出力を低下させる。
図5は、第1実施形態の動作を示したフローチャートであり、ステップS1では、シフト操作信号(シフター信号)に基づいてシフトダウン操作の有無が判断される。シフトダウン操作が検知されるとステップS2へ進み、前輪速検知部101aにより前輪WFの車輪速が検知される。ステップS3では、前輪WFの車輪速に基づいて、前記被動側ダボ速度推定部102aにより被動側ダボの回転速度N1が推定される。
ステップS4では、後輪速検知部101bにより後輪WRの車輪速が検知される。ステップS5では、後輪WRの車輪速に基づいて、前記駆動側ダボ速度推定部102bにより駆動側ダボの回転速度N2が推定される。ステップS6では、ダボ間の接触荷重が過大な加速状態であるか否かが判断される。
本実施形態では、駆動側ダボの回転速度N2から被動側ダボの回転速度N1を減じたダボ速度差ΔNが判定閾値Nrefを超えていると、ダボ間の接触荷重が大きいためにシフトダウン操作が容易ではない状態にあると判定してステップS7へ進む。ステップS7では、前記燃料噴射制御部200がインジェクタ300による燃料噴射を禁止またはインジェクタ300への燃料供給を遮断する。
本実施形態によれば、加速時にスロットルを戻し、主にフロントブレーキで制動操作を行って減速した結果、被動側ダボに駆動側ダボが強く押し付けられてダボ間の接触荷重が高い加速状態となると、これを各ダボの回転速度差ΔNで予測できる。そして、接触荷重が大きいために容易なシフトダウン操作が困難な状態にあると推定されると燃料カットが実施されて駆動側ダボの回転トルクが減少し、ダボ間の接触荷重が減少するのでシフトダウン操作が容易になる。
同様に、本実施形態によれば、リヤブレーキのみで制動操作を行って減速した結果、被動側ダボに駆動側ダボが強く押し付けられてダボ間の接触荷重が大きくなる場合も、これを各ダボの回転速度差ΔNで推定できるので、燃料カットを実施することでシフトダウン操作時が容易になる。
図6は、本発明の第2実施形態の構成を示した機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表しているので、その説明は省略する。
本実施形態では、前記ダボ接触荷重推定部103によりダボ間の接触荷重が判定閾値Nrefを超える加速状態にあると推定されると、エンジン点火制御部400に対して点火禁止または点火タイミングのリタードが要求される。エンジン点火制御部400は前記点火禁止要求またはリタード要求に応答して、点火装置500によるエンジン点火を禁止またはリタードさせることでエンジン出力を低下させる。
図7は、本発明の第3実施形態の構成を示した機能ブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表しているので、その説明は省略する。
本実施形態では、前記ECU100が更に、後輪WRがロックしているか否かを判定する後輪ロック判定部104および後輪WRに対するABSを強制起動するABS起動部105を具備し、後輪WRをロックさせた状態で車両の向きを反転させるブレーキターン時等におけるシフトダウン操作を容易に行えるようにしている。なお、本実施形態における「後輪WRが(を)ロック」とは、後輪WRの回転が完全に停止した状態のみならず、後輪WRと路面との間で所定値以上のスリップが発生している状態をも含む概念である。
図8は、ブレーキターンの一般的な方法を模式的に示した図であり、後輪WRをロックさせた状態で車体をスライドさせることで向きを一気に変えることができる。このようなブレーキターンでは、ターン後に高加速度を得るためにターン中にシフトダウンしたいという要望がある。
しかしながら、ブレーキターンではリヤブレーキのみで制動操作が行われるので被動側ダボに駆動側ダボが強く押し付けられる加速状態となり、ダボ間の接触荷重も高くなるのでシフトダウン操作が容易ではない。そこで、本実施形態ではABS (Anti-lock Braking System)搭載車両を対象に、ブレーキターン中のダボ間の接触荷重を緩和することでシフトダウン操作を容易に行えるようにしている。
図9は、本発明の第3実施形態の動作を示したフローチャートであり、ステップS21では、シフター信号に基づいてシフトダウン操作の有無が検知される。シフトダウン操作が検知されるとステップS22へ進み、後輪ロック判定部104により後輪がロック状態にあるか否かが判定される。
ステップS23では、第1実施形態と同様に、前輪WFの車輪速および後輪の車輪速に基づいてダボ間の接触荷重が大きい加速状態であるか否かが判断される。接触荷重が大きな加速状態であって、ダボの係合解除に大きな力を要するためにシフトダウン操作が容易でなければステップS24へ進む。ステップS24では、ABS起動部105がABSコントローラ600へABSの強制起動を要求する。
ステップS25では、経過時間tを計測するタイマがスタートする。ステップS26では、現在のシフトポジションに基づいて継続時間Δtが設定される。本実施形態では、シフトポジションが低いほど継続時間Δtが大きな値に設定される。
ステップS27では、ABSコントローラ600が前記強制起動要求に応答してABS作動中であるか否かを判断し、作動中でなければステップS28へ進んでABSを強制起動する。ABSが起動されると後輪の制動油圧が脈動的に制御され、ダボ間の接触荷重が減少するのでシフトダウン操作が容易になる。
これに対して、ABS作動中であればステップS29へ進み、ABS時の後輪制動力を常時よりも緩和する制御が実行される。ABS作動時に後輪の制動油圧が緩和されるとダボ間の接触荷重が減少するのでシフトダウン操作が容易になる。
ステップS30では、経過時間tが継続時間Δtと比較される。経過時間tが継続時間Δtを超え超えるとステップS31へ進み、前記ステップS28で強制起動されたABSまたは前記ステップS29で開始された後輪制動力の緩和制御が停止される。
図10は、本発明によるブレーキターン時のシフトダウン操作の可否を従来技術と比較して示した図である。
図10Aに示した従来技術では、後輪WRがロックしている間はダボ間の接触荷重が大きくなる加速状態が維持され、ダボの係合関係を容易には解除できないのでシフトダウン操作が困難となる。
これに対して、本発明の第3実施形態では、図10Bに示したように、後輪WRがロックされるとABSが強制起動またはABSにおける後輪制動力が強制緩和される。その結果、ダボ間の接触荷重が減少し、ダボの係合関係を容易に解除できるようになるのでシフトダウン操作が容易になる。
100…ECU,101…車輪速検知部,102…ダボ速度検知部検知部,103…ダボ接触荷重推定部,104…後輪ロック判定部,105…ABS起動部,200…燃料噴射制御部,300…インジェクタ,400…エンジン点ア制御部,500…点火装置,600…ABSコントローラ

Claims (7)

  1. 前輪(WF)の車輪速を検知する手段(101a)および後輪(WR)の車輪速を検知する手段(101b)を具備し、
    駆動側ダボと被動側ダボとを係合及び係合解除して変速段を切換え、ブレーキの制動力に制限を加える手段を搭載した鞍乗り型車両に実装される変速機制御装置(100)において、
    被動側ダボ速度(N1)を推定するために前輪(WF)の車輪速を検知する手段(101a)と、
    駆動側ダボ速度(N2)を推定するために後輪(WR)の車輪速を検知する手段(101b)と、
    前記各車輪速の検知結果に基づいて被動側および駆動側の各ダボ速度(N1,N2)を検知する手段(102)と、
    被動側ダボ速度(N1)および駆動側ダボ速度(N2)の検知結果に基づいてダボ間の接触荷重が所定の閾値を超えたか否かを推定する手段(103)とを具備し、
    シフトダウンの操作時に前記接触荷重が所定の閾値を超えていると、後輪(WR)の車輪速に応じて前記ブレーキの制動力に制限を加える手段を起動することを特徴とする鞍乗り型車両用変速制御装置。
  2. 後輪(WR)の車輪速に基づいて後輪(WR)がロックしているか否かを判定する手段(104)と、
    シフトダウンの操作時に後輪(WR)がロックしており、かつ前記接触荷重が所定の閾値を超えていると前記ブレーキの制動力に制限を加える手段を起動する手段(105)とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両用変速制御装置。
  3. 前記シフトダウンの操作時に後輪(WR)がロックしており、かつ前記接触荷重が所定の閾値を超えているときに、前記ブレーキの制動力に制限を加える手段が作動中であると後輪(WR)の制動力を低減させることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両用変速制御装置。
  4. 前記ブレーキの制動力に制限を加える手段がABSであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鞍乗り型車両用変速制御装置。
  5. 前輪(WF)の車輪速を検知する手段(101a)および後輪(WR)の車輪速を検知する手段(101b)を具備し、
    駆動側ダボ(D1)と被動側ダボ(D2)とを係合及び係合解除して変速段を切換え、ブレーキの制動力に制限を加える手段を搭載した鞍乗り型車両に実装される変速機制御装置(100)において、
    被動側ダボ速度(N1)を推定するために前輪(WF)の車輪速を検知する手段(102a)と、
    駆動側ダボ速度(N2)を推定するために後輪(WR)の車輪速を検知する手段(102b)と、
    前記各車輪速の検知結果に基づいて被動側および駆動側の各ダボ速度(N1,N2)を検知する手段(102)と、
    被動側ダボ速度(N1)および駆動側ダボ速度(N2)の検知結果に基づいてダボ間の接触荷重が所定の閾値を超えたか否かを推定する手段(103)と、
    シフトダウンの操作時に前記接触荷重が所定の閾値を超えているとエンジン出力を低下させる手段(200, 400)とを具備したことを特徴とする鞍乗り型車両用変速制御装置。
  6. 前記エンジン出力を低下させる手段(200)は、エンジンへの燃料供給を遮断することを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両用変速制御装置。
  7. 前記エンジン出力を低下させる手段(400)は、エンジン点火を禁止またはリタードすることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両用変速制御装置。
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