JP2012072235A - ハードコートフィルムの製造方法、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

ハードコートフィルムの製造方法、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハードコート層の膜厚が小さい場合であっても高い硬度を示し、かつ基材フィルムに対する密着性に優れたハードコート層を備えるハードコートフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】特定波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗工して紫外線硬化性層を形成する工程と、透明基材フィルム側から、該透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に最大発光強度を示す第1の紫外線を照射する工程と、紫外線硬化性層側から、上記紫外波長域内に最大発光強度を示す第2の紫外線を照射する工程とをこの順で含むハードコートフィルムの製造方法である。紫外線硬化性樹脂組成物は透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に少なくとも1つの吸収極大を有する第1の光重合開始剤と、上記紫外波長域内にのみ吸収極大を有する第2の光重合開始剤とを含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明基材フィルム上に積層されたハードコート層を備えるハードコートフィルムの製造方法に関する。また、本発明は、当該製造方法により得られるハードコートフィルムを用いた偏光板および画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどの画像表示装置には、様々な外力に起因する傷付きを防止するために、多くの場合、最表面にハードコート層が設けられている。このようなハードコート層には、外光の映り込みを防止する観点から、光学多層膜による干渉を利用した反射防止処理や、表面に微細な凹凸を形成することにより入射光を散乱させて映り込み像をぼかす防眩処理を施すことも多い。
従来、ハードコート層は、ハードコート用紫外線硬化性樹脂組成物を基材フィルム上に塗布し、基材フィルム側から紫外線を照射することにより塗膜を硬化させて作製されている(たとえば特許文献1)。しかしながら、基材フィルム側からの紫外線照射のみでは硬度や基材フィルムに対する密着性が十分に高いハードコート層が得られにくい。
紫外線硬化性樹脂組成物からなる塗膜の硬化反応を促進させ、ハードコート層の硬度等を改善すべく、特許文献2および3では、基材フィルム側から紫外線照射を行なった後、さらに塗膜側から紫外線照射を行なう方法が提案されている。
特開2002−107501号公報 特開2002−156505号公報 特開2007−262281号公報
ハードコートフィルムには、耐擦傷性に優れるなど高い硬度が求められるとともに、基材フィルムに対する良好な密着性や薄膜化も求められている。密着性を向上させ得る手段としては、上記特許文献1および2に記載のハードコートフィルムのように基材フィルムとハードコート層との間にプライマー層を介在させることが考えられるが、プライマー層の形成は、生産性の低下および生産コスト増大を招く。
そこで本発明は、ハードコート層の膜厚が小さい場合であっても高い硬度を示し、かつ基材フィルムに対する密着性に優れたハードコート層を備えるハードコートフィルムの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、当該ハードコートフィルムを用いた偏光板および画像表示装置を提供することである。
本発明は、特定波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗工して紫外線硬化性層を形成する工程と、透明基材フィルム側から、該透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に最大発光強度を示す第1の紫外線を照射する第1の照射工程と、紫外線硬化性層側から、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内に最大発光強度を示す第2の紫外線を照射する第2の照射工程とをこの順で含むハードコートフィルムの製造方法を提供する。ここで、上記紫外線硬化性樹脂組成物は、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に少なくとも1つの吸収極大を有する第1の光重合開始剤と、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内にのみ吸収極大を有する第2の光重合開始剤とを含有するものである。
紫外線硬化性樹脂組成物における第1の光重合開始剤の含有量は、好ましくは第2の光重合開始剤の含有量より大きい。また、紫外線硬化性樹脂組成物における第1の光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量部あたり0.5重量部以上10重量部以下であることが好ましい。
透明基材フィルムは、波長370nm以下の紫外線を吸収するものであることが好ましい。透明基材フィルムは、たとえば、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートまたはポリメチルメタクリレートからなる紫外線吸収剤含有樹脂フィルムであることができる。
第1の紫外線の積算光量は、好ましくは395〜445nmの波長域(UVV領域)において100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下であり、第2の紫外線の積算光量は、好ましくは320〜390nmの波長域(UVA領域)において100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下である。
第1の照射工程において、紫外線硬化性層の表面に凹凸面または平滑面を接触させた状態で第1の紫外線の照射を行なうようにしてもよい。
また本発明は、偏光フィルムと、該偏光フィルム上に積層される上記本発明の方法によって製造されたハードコートフィルムとを備える偏光板および上記本発明の方法によって製造されたハードコートフィルムを備える画像表示装置を提供する。
本発明によれば、高い硬度(耐擦傷性および鉛筆硬度)と透明基材フィルムに対する高い密着性とが両立されたハードコートフィルムを提供することができる。本発明により得られるハードコートフィルムが有するハードコート層は、十分に高い硬度および密着性を示すことから、良好な硬度および密着性を確保しつつその膜厚を小さくすることが可能である。膜厚の小さいハードコート層を有するハードコートフィルムは、フレキシブル性に優れており、したがってフィルムの取り扱い性に優れる。
また本発明によれば、プライマー層を介在させることなく、直接透明基材フィルム上にハードコート層を密着性良く形成することが可能である。このことは、生産性の向上および生産コスト低減に有利である。
本発明により得られるハードコートフィルム(あるいはこれに防眩機能を付与した防眩フィルムや反射防止機能を付与した反射防止フィルム)は、偏光板や画像表示装置に好適に適用することができる。
本発明の製造方法により得られるハードコートフィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の製造方法をロール状の透明基材フィルムに適用する場合の一例を模式的に示すフロー図である。
<ハードコートフィルムの製造方法>
本発明のハードコートフィルムの製造方法は、下記〔1〕〜〔3〕の工程をこの順で含むものである。
〔1〕特定波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗工して紫外線硬化性層を形成する塗工工程、
〔2〕透明基材フィルム側から、該透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に最大発光強度を示す第1の紫外線を照射する第1の照射工程、および
〔3〕紫外線硬化性層側から、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内に最大発光強度を示す第2の紫外線を照射する第2の照射工程。
図1は、本発明の製造方法により得られるハードコートフィルムの一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、本発明に係るハードコートフィルムは、透明基材フィルム2上に、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層3が積層されたものである。ハードコート層3は、防眩機能を付与するなどの所望の目的に応じて表面凹凸4(微細な表面凹凸など)を有していてもよく、あるいはその表面は平滑面であってもよい。
〔1〕塗工工程
本工程において、特定波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗工して紫外線硬化性層を形成する。
(透明基材フィルム)
透明基材フィルム2としては、実質的に光学的な透明性を有するフィルムであって、紫外線硬化性樹脂組成物からなる紫外線硬化性層を硬化させることができる紫外線を透過するものであれば特に制限されるものではなく、各種の透明樹脂フィルムを用いることができる。具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリ塩化ビニルなどからなるフィルムが例示される。以上の中でも、透明性、機械強度、熱安定性、低湿度透過性、等方性などの点からセルロースアセテート(とりわけトリアセチルセルロース)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等からなるフィルムが好ましい。
透明基材フィルム2は特定の波長以下の紫外線を吸収するものである。透明基材フィルム2が特定の波長以下の紫外線を吸収することによって、得られたハードコートフィルム自体および得られたハードコートフィルムを適用した偏光板や画像表示装置を紫外線による劣化から保護することができる。効果的に紫外線による劣化を防止するために、透明基材フィルム2は、たとえば350nm以下の紫外線を吸収するものであり、好ましくは370nm以下の紫外線を吸収するものである。なお、本発明において「吸収する」とは、注目した波長における透過率が3%未満となることを意味しており、すなわち「370nm以下の紫外線を吸収する」とは、370nm以下の紫外線の各波長における透過率が3%未満であることを意味している。透過率は、分光光度計により測定することができ、かかる分光光度計として、たとえば、UV2450(島津製作所社製)が挙げられる。
特定の波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム2としては、紫外線吸収剤を含有するもの、または含有しないもののいずれも使用できるが、効果的に所定波長の紫外線を吸収するために、紫外線吸収剤を含有するものであることが好ましい。紫外線吸収剤としては従来公知のものを使用することができ、たとえば、ベンゾフェノン系、サリチレート系およびベンゾトリアゾール系の化合物などが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例には、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンおよび2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノンが含まれる。サリチレート系紫外線吸収剤の例としては、4−t−ブチルフェニルサリチレートが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例には、2−(ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールが含まれる。その他の紫外線吸収剤の例としては、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]n−ブチルアミンニッケル(II)を挙げることができる。
透明基材フィルム2の厚みは、20μm以上250μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以上150μm以下である。透明基材フィルムの厚みが20μm未満である場合には、ハードコートフィルムとしての十分な硬度を得ることが難しいことがある。また、透明基材フィルムの厚みが250μmを上回ることは最近の画像表示装置の薄型化への要求およびコスト等の観点から好ましくない。ハードコートフィルム全体の厚みを薄くする観点からは、透明基材フィルムの厚みは150μm以下、さらには120μm以下とするのがより好ましい。
さらに、透明基材フィルム2の紫外線硬化性樹脂組成物の塗工面および/またはその反対側の表面には、帯電防止層や易接着層(プライマー層を含む)を設けてもよい。帯電防止層や易接着層は、紫外線硬化性樹脂組成物の塗工性や密着性を低下させるもの、あるいは必要以上の色づきや曇化を起こすもの、透過率を著しく低下させるものでない限り特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。ただし、本発明の方法によれば、透明基材フィルム上に直接紫外線硬化性層を形成する場合においても、密着性良くハードコート層を形成できることから、易接着層を設ける必要は必ずしもない。
(紫外線硬化性樹脂組成物)
透明基材フィルム2上に塗工される紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線の照射により重合、硬化する紫外線硬化性樹脂と、透明基材フィルム2が吸収する紫外波長域外に少なくとも1つの吸収極大を有する(吸収スペクトルの極大値を少なくとも1つ有する)第1の光重合開始剤と、透明基材フィルム2が吸収する紫外波長域内にのみ吸収極大を有する(吸収スペクトルの極大値を有する)第2の光重合開始剤とを少なくとも含有する。紫外線硬化性樹脂は、たとえば、多官能(メタ)アクリレート系化合物を含有するものであることができる。多官能(メタ)アクリレート系化合物とは、1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。紫外線硬化性樹脂および重合開始剤は、市販品であってもよい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物の具体例を挙げれば、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート;ホスファゼン化合物のホスファゼン環に(メタ)アクリロイルオキシ基が導入されたホスファゼン系(メタ)アクリレート化合物;1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物;1分子中に少なくとも2個のハロカルボニル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基および水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレート化合物;ならびに、上記各化合物の2量体、3量体などのようなオリゴマーなどである。これらの化合物はそれぞれ単独または2種以上を混合して用いることができる。
紫外線硬化性樹脂は、上記の多官能(メタ)アクリレート系化合物のほかに、単官能(メタ)アクリレート系化合物を含有していてもよい。単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの化合物はそれぞれ単独または2種類以上を混合して用いることができる。単官能(メタ)アクリレート系化合物の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物の樹脂固形分中、10重量%以下であることが好ましい。
また、紫外線硬化性樹脂は重合性オリゴマーを含有していてもよい。重合性オリゴマーを含有させることにより、ハードコート層の硬度を調整することができる。重合性オリゴマーとしては、末端(メタ)アクリレートポリメチルメタクリレート、末端スチリルポリ(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリレートポリスチレン、末端(メタ)アクリレートポリエチレングリコール、末端(メタ)アクリレートアクリロニトリル−スチレン共重合体、末端(メタ)アクリレートスチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体などのマクロモノマーを挙げることができる。重合性オリゴマーの含有量は、紫外線硬化性組成物の樹脂固形分中、5〜50重量%であることが好ましい。
透明基材フィルム2が吸収する紫外波長域外に少なくとも1つの吸収極大を有する第1の光重合開始剤の配合は、第1の照射工程での透明基材フィルム2による紫外線吸収を考慮したものである。紫外線硬化性樹脂組成物がこの第1の光重合開始剤を含有しない場合には、第1の照射工程終了後も、紫外線硬化性樹脂の多くが未硬化のまま残る恐れがあり、このような未硬化の紫外線硬化性樹脂が透明基材フィルムを剥離した後も金型(金型については後述)に付着したままになると、工程汚染や、金型の表面形状を正確に転写することを妨げることになるため好ましくない。
第1の光重合開始剤は、450nm以上の波長領域に吸収極大を有さないことが好ましい。450nm以上の波長領域に吸収極大を有する場合には、得られるハードコート層3が着色して見える恐れがあるためである。
上述のように、透明基材フィルム2は370nm以下の紫外線を吸収することが好ましいことから、第1の光重合開始剤は、370nmを超え、450nm未満の波長領域に少なくとも1つの吸収極大を有することが好ましい。これにより、第1の照射工程において370nm以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム側から第1の紫外線を照射した場合に、第1の光重合開始剤による生じる硬化反応を良好に進行させることができる。
370nmを超え、450nm未満の波長領域に少なくとも1つの吸収極大を有する光重合開始剤としては、たとえば、2,4,6−(トリメチルベンゾイル)−ジフェニルホスフィンオキサイド(385nm付近に吸収極大を示すものであり、ビーエーエスエフ(BASF)社から“ルシリン TPO”の商品名で販売されている)、ビス(2,4,6−(トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(370nm付近(370nmを超える)に吸収極大を示すものであり、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)から“イルガキュア 819”の商品名で販売されている)などが挙げられる。
透明基材フィルム2が吸収する紫外波長域内にのみ吸収極大を有する第2の光重合開始剤は、第2の照射工程を考慮したもので、紫外線硬化性層側からの紫外線照射によって硬化を促進させるものである。透明基材フィルム2が370nm以下の紫外線を吸収する場合にはとりわけ、第2の光重合開始剤は、370nm以下の波長領域にのみ吸収極大を有することが好ましい。これにより、第2の照射工程において紫外線硬化性層側から第2の紫外線を照射した場合に、第2の光重合開始剤の作用によって硬化反応が促進され、その結果、ハードコート層の硬度および密着性を高めることができる。
370nm以下の波長領域にのみ吸収極大を有する光重合開始剤としては、たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(240nm付近、280nm付近および330nm付近に吸収極大を示すものであり、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から“イルガキュア 184”の商品名で販売されている)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン(300nm付近に吸収極大を示すものであり、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)から“イルガキュア 907”の商品名で販売されている)などが挙げられる。
上で例示した光重合開始剤のほか、たとえば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラtert−ブチルパーオキシカルボニルベンゾフェノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジル、およびそれらの誘導体なども第1または第2の光重合開始剤として使用し得る。
第1および第2の光重合開始剤は、それぞれ1種の光重合開始剤のみからなっていてもよいし、2種以上の光重合開始剤を含んでいてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物における第1の光重合開始剤の含有量は、第2の光重合開始剤の含有量よりも大きいことが好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物に第2の光重合開始剤が第1の光重合開始剤よりも多く含まれている場合には、第1の紫外線照射において、紫外線硬化性樹脂の重合が第2の光重合開始剤によって阻害され、ハードコート層3に密着性を低下させたり、硬度が低下したりする恐れがある。
第1の光重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量部あたり0.5重量部以上10重量部以下であることが好ましく、1重量部以上5重量部以下であることがより好ましい。第1の光重合開始剤を過度に配合すると、透明基材フィルム2に対するハードコート層3の密着性が低下することがある。
紫外線硬化性樹脂組成物は、その塗工性を向上させるために、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、たとえば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテル類などから適宜選択して用いることができる。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよいし、必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。塗工後、第1の照射工程の前に、溶剤を蒸発させて乾燥させることが好ましいため、溶剤の沸点は60〜160℃の範囲であることが望ましい。また、20℃における飽和蒸気圧は0.1〜20kPaの範囲であることが好ましい。溶剤の種類および含有量は、用いる紫外線硬化性化合物の種類や含有量、透明基材フィルムの材質、形状、塗布方法、目的とするハードコート層の厚みなどに応じて適宜選択される。
紫外線硬化性樹脂組成物には、ギラツキの低減等のために内部ヘイズを付与することを目的として、あるいはハードコートフィルムに防眩性を付与するために、透光性微粒子を添加してもよい。透光性微粒子としては、特に限定されるものではなく従来公知のものが使用できる。たとえば、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等からなる有機微粒子や、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス等からなる無機微粒子などが挙げられる。有機重合体のバルーンやガラス中空ビーズを使用することもできる。これらの透光性微粒子は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。透光性微粒子の形状は、球状、扁平状、板状、針状、不定形状等のいずれであってもよい。
透光性微粒子の粒子径や屈折率は特に制限されるものではないが、効果的に内部ヘイズあるいは防眩性を発現させるために、粒子径は0.5μm〜20μmの範囲であることが好ましい。また、効果的に内部ヘイズ発現させるために、紫外線硬化性樹脂の硬化後の屈折率と透光性微粒子の屈折率との差は0.04〜0.15の範囲であることが好ましい。透光性微粒子の含有量は、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して3〜60重量部であり、好ましくは5〜50重量部である。透光性微粒子の含有量が、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して3重量部未満では、ギラツキ低減のための十分な内部ヘイズまたは防眩性が得られない。一方、60重量部を超えると、ハードコートフィルムの透明性が損なわれる場合があり、また、ハードコートフィルムを液晶表示装置の視認側に配置した場合に、光散乱が強すぎるため、たとえば黒表示において、液晶パネルの正面方向に対して斜めに漏れ出してくる光がハードコート層により正面方向へ強く散乱されてしまう等の理由によりコントラストが低下する場合がある。
紫外線硬化性樹脂組成物には、平滑性を向上させるためのレベリング剤、帯電防止性を発現させるための帯電防止剤、防汚性を発現させたり耐指紋付着性を発現させたりするための防汚剤等を添加してもよい。これらの添加剤は、紫外線硬化性樹脂の重合反応を阻害するものや、重合反応後の硬度や透明基材フィルムへの密着性を低下させない限り特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
レベリング剤としては、炭化水素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。シリコーン系界面活性剤からなるレベリング剤には、ジメチルポリシロキサンを含有するシリコーン系オリゴマーがある。その主成分を例示すると、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサン、ポリエステル変性アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
このような紫外線硬化性樹脂組成物を上記透明基材に塗布し、必要により乾燥処理を行なった後、その塗膜に紫外線を照射して硬化させるのであるが、その際、本発明においては、第1の照射工程で、透明基材フィルム側から第1の紫外線を照射して上記の紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後、第2の照射工程で紫外線硬化性樹脂組成物側から第2の紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物の硬化反応を促進させる。このように、紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜に対し、それぞれ異なる側からの異なる紫外線を少なくとも合計2回照射することにより、得られる光硬化膜の硬度や耐擦傷性を高めることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物の基材フィルム上への塗工方法は特に制限されるものではなく、公知の方法を適宜選択できる。具体的には、ワイヤーバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、スロットダイコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドコート法、カーテンコート法、インクジェット法等が挙げられる。なかでも、塗工時の紫外線硬化性樹脂組成物中への異物等の混入を極力防止する点から、スロットダイコート法は好ましい方法の1つである。
以上のような紫外線硬化性樹脂組成物を透明基材フィルムに塗布し、必要により乾燥処理を行なった後、その塗膜(紫外線硬化性層)に紫外線を照射して硬化させるのであるが、その際、本発明においては、第1の照射工程で、透明基材フィルム側から所定の第1の紫外線を照射して紫外線硬化性層を硬化させ、その後、第2の照射工程で紫外線硬化性層側から所定の第2の紫外線を照射して紫外線硬化性層の硬化反応を促進させる。このように、紫外線硬化性層に対し、それぞれ異なる側から異なる紫外線を少なくとも合計2回照射することにより、得られるハードコート層の硬度および密着性を高めることができる。
〔2〕第1の照射工程
本工程は、紫外線硬化性層が形成された透明基材フィルムの該透明基材フィルム側から、第1の紫外線を照射して紫外線硬化性層を硬化させる工程である。第1の紫外線とは、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に最大発光強度を示す(発光スペクトルの最大値を示す)紫外線である。上述のように、透明基材フィルムは370nm以下の紫外線を吸収することが好ましいことから、第1の紫外線は、370nmを超える波長域に最大発光強度を示すものであることが好ましい。第1の紫外線が370nmを超える波長域に最大発光強度を示さない場合には、第1の照射工程終了後も、紫外線硬化性樹脂の多くが未硬化のまま残る恐れがあり、このような未硬化の紫外線硬化性樹脂が透明基材フィルムを剥離した後も金型(金型については後述)に付着したままになると、工程汚染や、金型の表面形状を正確に転写することを妨げることになるため好ましくない。
第1の紫外線の好ましい光源としては、370nmを超える波長域の発光強度を高めたメタルハライドランプや無電極ランプなどを用いることができる。このような紫外線光源は、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の“Vバルブ”(商品名)や“Dバルブ”(商品名)、(株)オーク製作所製の無電極ランプとして市販されている。
第1の照射工程で照射される第1の紫外線の積算光量(照射量)は、395〜445nmの波長域(UVV領域)における全波長の合計として100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下であることが好ましく、300mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下であることがより好ましい。第1の紫外線の積算光量が100mJ/cm2を下回る場合には、紫外線硬化性樹脂の多くが未硬化のまま残る恐れがある。一方、積算光量が3000mJ/cm2を上回ると、紫外線照射時の発熱によって透明基材フィルムが劣化する恐れがある。第1の照射工程で複数回の紫外線照射を行なう場合には、それらの合計積算光量を上記範囲内とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、図1に示されるように、ハードコートフィルムの表面に凹凸形状を付与する場合(たとえばハードコートフィルムに防眩機能を付与する場合)には、表面に(微細な)凹凸形状を有するエンボス型(エンボス処理用金型)を紫外線硬化性層の表面に密着させた状態で、透明基材フィルム側から第1の紫外線を照射し、ハードコートフィルムの表面にエンボス型の表面凹凸を転写することが好ましい。エンボス型をロール状のもので構成すれば、表面に凹凸形状を有するハードコートフィルムを長尺のロール状形態で連続的に製造することができる。
一方、ハードコートフィルムの表面を平滑面とする場合には、平滑面を有する金型や基板(たとえば表面が鏡面研磨された金型や基板など)を紫外線硬化性層の表面に密着させた状態で、透明基材フィルム側から第1の紫外線を照射し、ハードコートフィルムの表面に金型や基板の平滑面を転写することが好ましい。鏡面研磨されたロールを用いれば、表面が平滑なハードコートフィルムを長尺のロール状形態で連続的に製造することができる。
紫外線硬化性層と金型(または基板)とを密着させる方法に特に制限はないが、これらの間に気泡が混入し、欠陥となることを防止するため、ニップロール等の圧着装置を用いることが好ましい。ニップロールを用いる場合、ニップ圧は、好ましくは0.5MPa以上2.0MPa以下である。ニップ圧が0.5MPa未満であると、紫外線硬化性層と金型(または基板)との間に気泡が混入しやすくなる。一方、ニップ圧が2.0MPaを超えると、透明基材フィルムの搬送時のわずかなずれにより透明基材フィルムが破断したり、紫外線硬化性層が透明基材フィルムの端部からはみ出したりして工程汚染の原因となる場合がある。
第1の紫外線の照射は、たとえば上述のように紫外線硬化性層の表面に金型や基板を密着させる、雰囲気の酸素濃度を下げるなどの手段によって、空気中より酸素が少ない状態で行なわれることが好ましい。これにより、紫外線硬化性樹脂の硬化度がより高まり、ハードコート層の硬度および密着性がより向上され得る。雰囲気の酸素濃度を下げる手段としては、窒素、アルゴン、ネオン等の不活性ガスで置換する方法が挙げられる。
〔3〕第2の照射工程
本工程は、第1の照射工程後、紫外線硬化性層側から第2の紫外線を照射し、紫外線硬化性層の硬化を促進させる工程である。第2の紫外線とは、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内に最大発光強度を示す(発光スペクトルの最大値を示す)紫外線である。上述のように、第2の光重合開始剤が370nm以下の波長領域にのみ吸収極大を有するものであることが好ましいことから、第2の紫外線は、370nm以下の波長域に最大発光強度を示すものであることが好ましい。第2の紫外線が370nm以下の波長域に最大発光強度を示さない場合には、第2の照射工程において主に反応を促進する第2の光重合開始剤が効果的に反応を開始しないため、硬化反応の促進が十分に起こらず、十分に高い硬度および密着性を有するハードコート層が得られにくい。
第2の紫外線の好ましい光源としては、高圧水銀ランプや水銀ランプタイプの無電極ランプなどを用いることができる。このような紫外線光源は、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の“Hバルブ”(商品名)、(株)オーク製作所製の高圧水銀ランプや無電極ランプとして市販されている。
第2の照射工程で照射される第2の紫外線の積算光量(照射量)は、320〜390nmの波長域(UVA領域)における全波長の合計として100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下であることが好ましく、200mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下であることがより好ましい。第2の紫外線の積算光量が100mJ/cm2を下回る場合には、紫外線硬化樹脂の硬化反応の促進が十分に起こらず、十分に高い硬度および密着性を有するハードコート層が得られない恐れがある。一方、積算光量が3000mJ/cm2を上回ると、紫外線照射時の発熱によって透明基材フィルムが劣化する恐れがある。第2の照射工程で複数回の紫外線照射を行なう場合には、それらの合計積算光量を上記範囲内とすることが好ましい。
なお、第1の照射工程において、紫外線硬化性層の表面に金型や基板を密着させた状態で第1の紫外線の照射を行なう場合には、第2の紫外線の照射は、金型や基板を剥離した後に行なう。剥離方法は特に制限されず、たとえば、ロール形状の金型を用いる場合には、フィルム(透明基材フィルムと紫外線硬化性層との積層体)と金型との分離点にニップロール等の圧着装置を設置し、この圧着装置を支点に金型からフィルムを剥離する方法が好ましく用いられる。
第2の紫外線の照射は、たとえば雰囲気の酸素濃度を下げるなどの手段によって、空気中より酸素が少ない状態で行なわれることが好ましい。これにより、紫外線硬化性樹脂の硬化度がより高まり、ハードコート層の硬度および密着性がより向上され得る。雰囲気の酸素濃度を下げる手段としては、窒素、アルゴン、ネオン等の不活性ガスで置換する方法が挙げられる。
本発明の方法は、透明基材フィルムとしてロール状で供給されるフィルムを用い、そこに順次、紫外線硬化性樹脂組成物の塗布および第1および第2の紫外線照射を行なう連続プロセスに適用することもできる。この場合の例を図2に基づいて説明する。図2は、本発明の製造方法をロール状の透明基材フィルムに適用する場合の一例を模式的に示すフロー図である。図2において、直線の矢印はフィルムの進む方向を表し、曲線の矢印はロールの回転方向を表す。
図2を参照して、送り出しロール10から繰り出される透明基材フィルム11に対し、塗工ゾーン12で紫外線硬化性樹脂組成物からなる塗工液13が塗布され、こうして紫外線硬化性層が形成された透明基材フィルムは、乾燥ゾーン14で乾燥された後、第1の照射ゾーン20へと導かれる。第1の照射ゾーン20には、紫外線硬化性層側ロール21と第1の紫外線光源22、さらに、紫外線硬化性層が塗工された透明基材フィルムをその紫外線硬化性層側で紫外線硬化性層側ロール21に押し付けるための入り口側ニップロール23および出口側ニップロール24が配置されている。そして、入り口側ニップロール23によって紫外線硬化性層が紫外線硬化性層側ロール21に押し付けられ、この状態で第1の紫外線光源22からの第1の紫外線が透明基材フィルム11を通して照射され、紫外線硬化性層が硬化される。その後、出口側ニップロール24を通って、紫外線硬化性層側ロール21から剥離され、第2の照射ゾーン26へと導かれる。第2の照射ゾーン26には、第2の紫外線光源27が配置されており、その第2の紫外線が、透明基材フィルム11上に形成された紫外線硬化性層側から照射され、こうして少なくとも2回の紫外線照射が施されて作製されたハードコートフィルムが、巻き取りロール30に巻き取られる。ハードコート層や透明基材フィルムを保護するため、巻き取りの前に、必要に応じて、ハードコートフィルムの片面または両面に保護フィルムを貼合してもよい。
なお、図2には、第1および第2の照射ゾーンに紫外線光源をそれぞれ1個だけ配置する例を示したが、それぞれについて紫外線光源を複数個配置することも可能である。
紫外線硬化性層側ロール21として表面が鏡面研磨されたものを用いれば、表面が平滑なハードコートフィルムを製造することができる。一方、その紫外線硬化性層側ロール21として表面に微細な凹凸を有するエンボス型を用いれば、表面に微細な凹凸が形成された防眩性のハードコートフィルムを製造することができる。
以上のようにして得られるハードコートフィルムのハードコート層(典型的には平滑な表面を有するハードコート層)上には、さらに低反射膜を形成してもよい。ハードコートフィルムの最表面に低反射膜を設けることにより、反射防止機能が付与され、反射による外光の映り込みをより低減することができる。低反射膜は、ハードコート層の上に、それよりも屈折率の低い低屈折率材料の層を1層または複数層設けることにより形成できる。そのような低屈折率材料として、具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、氷晶石(3NaF・AlF3またはNa3AlF6)等の無機材料微粒子を、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料;フッ素系またはシリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。低反射膜の厚みは、通常0.01〜0.2μm、好ましくは0.08〜0.12μmである。
本発明により製造されるハードコートフィルムは、偏光フィルムなどの光学フィルムに貼り合わせて、液晶表示装置等の画像表示装置の最表面に適用することができる。他の光学フィルムとの貼合は、ハードコート層が最表面となるようになされる。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光フィルムと、該偏光フィルム上に積層される、上記本発明の方法によって製造されたハードコートフィルムとを備えるものである。偏光フィルムは、入射光から直線偏光を取り出す機能を有するものであって、その種類は特に限定されない。好適な偏光フィルムの例として、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向された偏光フィルムを挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルのケン化物であるポリビニルアルコールのほか、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物などが挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素または二色性の有機染料が用いられる。また、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムも、偏光フィルムとなり得る。偏光フィルムの厚さは通常5〜80μm程度である。
本発明の偏光板において、ハードコートフィルムは偏光フィルム上に直接積層されていてもよいし、偏光フィルム上に積層された他の層(透明保護層など)を介して積層されていてもよい。前者の場合の好ましい実施形態として、偏光フィルムの一方の面に透明保護層が積層され、他方の面にハードコートフィルムが積層された形態を挙げることができる。この実施形態において、ハードコートフィルムは、偏光フィルムの透明保護層としての機能も有する。ハードコートフィルムは、その透明基材フィルム側で偏光フィルムに貼合される。ハードコートフィルムのハードコート層に表面凹凸形状が付与されている場合、このハードコート層は防眩層としての機能も有する。
透明保護層は、透明樹脂フィルムを、接着剤等を用いて貼合する方法や樹脂含有塗工液を塗布する方法などによって積層できる。同様に、本発明の方法によって製造されたハードコートフィルムは、接着剤等を用いて偏光フィルムに貼合することができる。
透明保護層は、透明性や機械強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものであることが好ましく、このようなものとしては、たとえば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリ塩化ビニルなどからなるフィルムが例示される。
透明保護層の代わりに、あるいは透明保護層上に位相差フィルムを積層することもできる。位相差フィルムとは、光学異方性を示す光学フィルムであって、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース等のセルロース系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなるフィルムを、たとえば1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。なかでも、ポリカーボネート系樹脂フィルムや環状ポリオレフィン系樹脂を一軸延伸または二軸延伸した延伸フィルムが好ましい。一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルムなどと称されるものがあるが、いずれに対しても適用可能である。また、液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムや、無機層状化合物の塗布によって光学異方性を発現させたフィルムも、位相差フィルムとして用いることができる。このような位相差フィルムには富士写真フイルム(株)から“WVフィルム”の商品名で販売されている円盤状液晶が傾斜配向したフィルムなどがある。
なお、本発明の偏光板は、上述の低反射膜をハードコート層上に有していてもよい。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の方法によって製造されたハードコートフィルムまたは本発明の偏光板を適用したものである。本発明の画像表示装置において、画像表示装置の種類は特に限定されず、上記液晶パネルを使用した液晶ディスプレイ(LCD)のほか、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、電解放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、有機ELディスプレイ、レーザーディスプレイ、プロジェクタテレビのスクリーン等が挙げられる。通常、本発明に係るハードコートフィルムは、これらのディスプレイの画像表示素子の視認側表面に配置されるが、液晶パネルのバックライト側に配置される場合のように、画像表示装置の内部に組み込まれてもよい。ハードコート層を視認側に配した場合、ハードコート層は、外力に起因する傷等を防止するとともに、防眩層としても機能する場合にはギラツキや外光の映りこみを防止する。一方、ハードコート層をバックライト側に配した場合は、液晶ディスプレイの組立工程において発生し得る外力に起因する傷、たとえば拡散板等への接触に伴う傷を防止するとともに、防眩層としても機能する場合には、バックライトから液晶パネルに入射する光に対して、モアレ等を防止する拡散板の役割を果たす。
本発明の画像表示装置は、本発明に係るハードコートフィルムを備えたものであるため、傷付きが生じにくく、優れた強度を有する。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特に断りのない限り重量基準である。
<実施例1>
(a)紫外線硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を酢酸エチル/酢酸ブチル(重量比2/1)の混合溶剤中に溶解し、紫外線硬化性樹脂組成物を得た。紫外線硬化性樹脂組成物中の樹脂固形分は40%である。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 60部、
多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応生成物) 40部、
レベリング剤(F−477 DIC(株)製) 0.5部。
(b)ハードコートフィルムの作製
上記の紫外線硬化性樹脂組成物に対し、その樹脂固形分100部あたり第1の光重合開始剤である“ルシリン TPO”(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)を固形分量で5部および第2の光重合開始剤である“イルガキュア 184”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を固形分量で0.5部添加して混合した後、バーコーターを用いて、紫外線吸収剤を含有するトリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム(株)製 フジタックTD80UL 370nm以下の紫外線の透過率は3%未満)上に乾燥後の膜厚が表1に記載の値となるように塗布した(塗工工程)。
次に、乾燥を行ない、溶媒を除去した後、その紫外線硬化性層側にクロム製の平板を貼り付けた。この状態で、そのトリアセチルセルロースフィルム側から、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の“Vバルブ”ランプ(最大発光波長420nm)を光源として、395〜445nmの波長域(UVV領域)における積算光量(当該波長域における全波長の合計である。以下同様)が750mJ/cm2となるように紫外線を照射した(第1の照射工程)。その後、クロム製の平板から硬化塗膜を剥がし、その硬化塗膜側から、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の“Hバルブ”ランプ(最大発光波長365nm)を光源として、320〜390nmの波長域(UVA領域)における積算光量が600mJ/cm2となるように紫外線を照射し(第2の照射工程)、ハードコートフィルムを得た。なお、積算光量(照射量)は、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製の「UVパワーパックII」を用いて測定した。
<実施例2>
“イルガキュア 184”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)の添加部数を2部としたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<実施例3>
“イルガキュア 184”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)の添加部数を4部としたこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<実施例4>
第1の光重合開始剤として“ルシリン TPO”(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)を固形分量で5部および第2の光重合開始剤として“イルガキュア 907”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン)を固形分量で0.5部添加したこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<実施例5>
“イルガキュア 907”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン)の添加部数を2部としたこと以外は実施例4と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<実施例6>
“イルガキュア 907”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン)の添加部数を4部としたこと以外は実施例4と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<比較例1〜6>
硬化塗膜側からの紫外線照射(第2の照射工程)を行なわなかったこと以外は、それぞれ実施例1〜6と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<比較例7>
第2の光重合開始剤である“イルガキュア 184”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、化学名:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
<比較例8>
硬化塗膜側からの紫外線照射(第二照射)を行なわなかったこと以外は比較例7と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
上記実施例および比較例で用いた紫外線硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤および塗工条件を表1にまとめた。
Figure 2012072235
(ハードコートフィルムの評価)
ハードコートフィルムを以下の方法で評価し、結果を表2にまとめた。
(1)耐擦傷性試験:ハードコート層表面に、スチールウール#0000を荷重250g/cm2で10往復させた後、表面に付いた傷の程度を以下の基準で目視により評価した。
A :傷が全くまたはほとんど観察されない。
B :数本の傷が観察される。
C :十数本の傷が観察される。
D :数十本の傷が観察される。
E :多数の傷が観察される。
(2)鉛筆硬度試験:JIS K 5600−5−4〔引っかき硬度(鉛筆法)〕に準拠して、ハードコート層の鉛筆硬度を測定した。
(3)初期密着性試験:ハードコート層表面に、カッターナイフで1mm角の碁盤目を100個刻み、そこにセロハンテープを貼ってから引き剥がす試験を行ない、100個の碁盤目のうち剥がれずに残った碁盤目の数で評価した。碁盤目の数が100未満の場合、密着性不良と判断した。
(4)耐候性試験後の密着性:ハードコートフィルムを、フェードメータを用い、ブラックパネル温度63℃の条件で紫外線に96hrおよび192hr曝した後、上記初期密着性と同様の方法により密着性を評価した。この密着性試験は、長期の密着性を評価するための加速試験である。碁盤目の数が100未満の場合、長期密着性不良と判断した。
Figure 2012072235
表2からわかるように、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外の紫外波長域で光重合を開始し得る第1の光重合開始剤と、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内で光重合を開始し得る第2の光重合開始剤を含有する紫外線硬化性樹脂組成物に対して、第1の照射工程で透明基材フィルム側から所定の紫外線を照射し、さらに第2の照射工程で塗膜側から所定の紫外線を照射した各実施例によって得られたハードコートフィルムは、ハードコート層の鉛筆硬度が高く、耐擦傷性にも優れており、また密着性も良好である。
これに対し、硬化塗膜側からの紫外線照射(第2の照射工程)を行なわなかった比較例1〜6および8では、十分な耐擦傷性が得られず、また、密着性や長期密着性に劣る場合があった。また、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外の紫外波長域で光重合を開始し得る第1の光重合開始剤のみを含有し、透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内で光重合を開始し得る第2の光重合開始剤を含有しない紫外線硬化性樹脂組成物用いる場合には、第2の照射工程を実施しても、実施例に比べて耐擦傷性が劣ることが確認された(比較例7)。
1 ハードコートフィルム、2,11 透明基材フィルム、3 ハードコート層、4 表面凹凸、10 送り出しロール、12 塗工ゾーン、13 塗工液、14 乾燥ゾーン、20 第1の照射ゾーン、21 紫外線硬化性層側ロール、22 第1の紫外線光源、23,24 ニップロール、26 第2の照射ゾーン、27 第2の紫外線光源、30 巻き取りロール。

Claims (9)

  1. 特定波長以下の紫外線を吸収する透明基材フィルム上に、紫外線硬化性樹脂組成物を塗工して紫外線硬化性層を形成する工程と、
    前記透明基材フィルム側から、前記透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に最大発光強度を示す第1の紫外線を照射する第1の照射工程と、
    前記紫外線硬化性層側から、前記透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内に最大発光強度を示す第2の紫外線を照射する第2の照射工程と、
    をこの順で含み、
    前記紫外線硬化性樹脂組成物は、前記透明基材フィルムが吸収する紫外波長域外に少なくとも1つの吸収極大を有する第1の光重合開始剤と、前記透明基材フィルムが吸収する紫外波長域内にのみ吸収極大を有する第2の光重合開始剤と、を含有するハードコートフィルムの製造方法。
  2. 前記紫外線硬化性樹脂組成物における第1の光重合開始剤の含有量は、第2の光重合開始剤の含有量より大きい請求項1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  3. 前記透明基材フィルムが波長370nm以下の紫外線を吸収するものである請求項1または2に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  4. 前記第1の光重合開始剤の含有量は、前記紫外線硬化性樹脂組成物の樹脂固形分100重量部あたり0.5重量部以上10重量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
  5. 前記第1の紫外線の積算光量は、395〜445nmの波長域において100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下であり、
    前記第2の紫外線の積算光量は、320〜390nmの波長域において100mJ/cm2以上3000mJ/cm2以下である請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
  6. 前記透明基材フィルムは、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートまたはポリメチルメタクリレートからなる紫外線吸収剤含有樹脂フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
  7. 前記第1の照射工程において、紫外線硬化性層の表面に凹凸面または平滑面を接触させた状態で第1の紫外線の照射を行なう請求項1〜6のいずれかに記載のハードコートフィルムの製造方法。
  8. 偏光フィルムと、前記偏光フィルム上に積層される請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されたハードコートフィルムとを備える偏光板。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されたハードコートフィルムを備える画像表示装置。
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