JP2016159560A - ロッドレンズアレイの製造方法、ロッドレンズアレイ、及び該ロッドレンズを備える機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 互いに中心軸が平行となるよう配列された複数本の円柱状レンズを2枚の板材で挟み固定し、円柱状レンズの中心軸方向に沿った方向の端面の少なくとも一方、及び少なくとも一方の板材の円柱状レンズと対向する面の外表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を形成する方法であって、該活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以下含有する。
【選択図】 図1
Description
このような構成によれば、硬化被膜を形成していないロッドレンズアレイと比較して、機械特性を改善しつつ、光学的性能の低下を抑制可能であり、さらにロッドレンズアレイを備える機器の筐体等とロッドレンズアレイとの接着強度を好適に維持できる硬化被膜付ロッドレンズアレイを製造できる。
図1は、本発明に係る硬化被膜付ロッドレンズアレイの斜視図、図2は図1の要部拡大断面図である。図3はロッドレンズアレイへの樹脂組成物塗布工程、図4はロッドレンズアレイ表面に硬化被膜5を形成するためのUV照射工程である。
ロッドレンズアレイ1は、円柱状レンズ2を複数配列した配列レンズを2枚の板材3、3´で挟み、接着剤4で固定してなる構造を有する。本発明による一実施形態によるロッドレンズアレイ1は、2枚の板材3、3´の間に固定された複数の円柱状レンズ2を備えている。複数の円柱状レンズ2は、2枚の板材間に、各円柱状レンズ2の中心軸が互いに略平行方向となるように並列配列されている。また、2枚の板材の外表面、各円柱状レンズ2の端面を覆うように、硬化被膜5が形成されている。
円柱状レンズ2の軸方向に沿った方向における、ロッドレンズアレイ1の少なくとも1つの端面、好ましくは両端面(以下、単にロッドレンズアレイの端面または円柱状レンズの端面と記載する場合がある。)と、ロッドレンズアレイ1を構成する板材3、3´の外側面(円柱状レンズと対向する面と反対側の主面)の少なくとも一方、好ましくは2枚の板材3、3´の双方の外側面とに、ゴミ付着及び傷つき防止を目的として硬化被膜5が設けられる。なお、硬化被膜5は、ロッドレンズアレイ全体を覆うように設けられることがより好ましい。
硬化被膜5の形成に用いられる樹脂組成物としては、例えば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能化合物、弗化アルキルアクリレートの少なくともひとつを主成分として含有してなる樹脂組成物が挙げられる。
(1)多価アルコールと、(メタ)アクリル酸もしくはそのハロゲン化物またはこれらの低級アルキルエステルとの反応によって得られる化合物、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンシオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジェトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシ(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2−(4−アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−(4−メタクリロイルオキシプロポキシフェニル)−2−(4−アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンならびに(2)グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸と、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸等の多価カルボン酸との反応によって得られる不飽和ポリエステル、等が挙げられる。
硬化被膜5を形成する方法としては、硬化被膜5の膜厚を正確に制御できる観点から、樹脂組成物として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、樹脂組成物を塗布後に、UV等の活性エネルギー線を照射して、硬化被膜5を得る方法を用いることが好ましい。また、ロッドレンズアレイ1の表面に樹脂組成物を塗布する方法としては、平滑な塗膜を得る観点から、浸漬塗布方法を用いることが好ましい。以下に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた浸漬塗布方法について、図3を参照しながら詳細に説明する。
板材3および3´の材料は特に限定されないが、ロッドレンズアレイ1を製造する工程での加工が容易な材料であることが好ましい。板材の材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等を用いることが好ましく、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、ポリエステル系樹脂(PET、PEN、液晶ポリエステル等)、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、これらの組み合わせ等を用いることがより好ましい。また、板材には、添加剤(安定剤、帯電防止剤、離型剤、染料、顔料、遮光剤、補強剤又は充填剤等)を配合してもよい。さらに、板材には、強度の観点から、繊維シート(不織布等)、紙等の補強層を積層してもよい。なお、2枚の板材の構成は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、通常、同一である。
本発明の硬化被膜付ロッドレンズアレイを構成する合成樹脂製の円柱状レンズ2は、特公昭47−28059号公報に記載されているような、円形断面の中心で屈折率が最も高く、周辺に行くに従って次第に低くなるもので、この屈折率分布により結像作用を有するものである。
n0 − 0.1 ≦ nc ≦ n0 + 0.1・・・(1)
次いで、図5を参考に、円柱状レンズの配列方向(主走査方向)の共役長TCと、主走査方向と直交する副走査方向の共役長TCとの間に差について説明する。
MTF(%)={(imax−imin)/(imax+imin)}×100 (2)
ロッドレンズアレイとしては、三菱レイヨン社製ロッドレンズアレイRA84T-P11を用いた。樹脂組成物としては、ハードコート用活性エネルギー線硬化性樹脂組成物にレベリング剤としてビックケミージャパン株式会社製「BYK−307」を0.04質量部添加したものを用いた。ロッドレンズアレイの長手方向の端部を把持し、ロッドレンズアレイ全体を樹脂組成物に浸漬させ、ロッドレンズアレイの長手方向の端部を把持したまま垂直方向に5mm/secの速度にて引き上げ、ロッドレンズアレイの表面に樹脂組成物を塗布した。その後、形成された樹脂組成物の層に対して紫外線を照射して樹脂組成物を硬化させ、硬化被膜付ロッドレンズアレイを作製した。
接着強度(剥離力) ○:1.0kN以上、 ×:1.0kN未満
MTF ○:60%以上、 ×:60%未満
鉛筆硬度 ○:2H以上、 ×:2H以下
樹脂組成物に添加するレベリング剤添加量を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして硬化被膜付ロッドレンズアレイを作製し、さらに実施例1と同様の手順にて引張試験を実施した。これらの結果を表1に示す。
比較例1の結果から、レベリング剤が無添加だと接着強度が好適に維持されるが、光学性能が低下することが分かった。
また、比較例2の結果から、レベリング剤を過剰に添加すると光学性能が好適に維持されるが、接着強度が低下することが分かった。
よって、実施例1〜実施例5のようにレベリング剤添加量を0.01〜0.80質量部の範囲で添加することで接着強度と光学性能を好適に維持する硬化被膜付ロッドレンズアレイを製造できることが分かった。
円柱状レンズ 2
板材 3、3´
接着剤 4
硬化被膜 5
樹脂組成物 6
UV光源 7
アクリル樹脂板 10
チャート 20
光源 21
CCDラインセンサ 22
カラーフィルター 23
拡散板 24
Claims (7)
- ロッドレンズアレイの製造方法であって、
互いに中心軸が平行となるよう配列された複数本の円柱状レンズを2枚の板材で挟み固定し、前記円柱状レンズの中心軸方向に沿った方向の端面の少なくとも一方、及び少なくとも一方の前記板材の前記円柱状レンズと対向する面の外表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化被膜を形成する方法であって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以下含有することを特徴とする、ロッドレンズアレイの製造方法。 - 前記硬化被膜は、前記円柱状レンズの前記端面の少なくとも一方、及び少なくとも一方の前記板材の前記外表面を前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と接液するよう浸漬させて前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、塗布された前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して形成されることを特徴とする、請求項1に記載のロッドレンズアレイの製造方法。
- 前記硬化被膜の形成は、互いに中心軸が平行となるよう配列された複数本の円柱状レンズを2枚の板材で挟み固定したロッドレンズアレイを、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に浸漬させて前記円筒状レンズの中心軸方向に沿った両端面、及び2枚の前記板材の前記外表面とに前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、塗布された前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載のロッドレンズアレイの製造方法
- ロッドレンズアレイであって、
互いに中心軸が平行となるよう配列された複数本の円柱状レンズと、
前記円柱状レンズを挟持する2枚の板材と、
前記円筒状レンズの中心軸に沿った方向の端面の少なくとも一方と、少なくとも一方の前記板材の前記円柱状レンズと対向する面の外表面とを被覆する硬化被膜と、
を備え、
前記円筒状レンズの端面に設けられた硬化被膜の鉛筆硬度は2H以上であり、
600dpiの環境下におけるMTF値が60%以上であることを特徴とする、ロッドレンズアレイ。 - 請求項4記載のロッドレンズアレイであって、前記硬化被膜は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物100質量部に対しレベリング剤を0.01質量部以上0.90質量部以下含有することを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 前記硬化被膜は、前記円筒状レンズの中心軸に沿った方向の両端面と、前記2枚の前記板材の前記円柱状レンズと対向する面と、に設けられていることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のロッドレンズアレイ。
- 請求項4乃至6のいずれか一項に記載のロッドレンズアレイを備える機器であって、
前記ロッドレンズアレイは、前記硬化被膜が設けられた前記板材が機器に接着固定されており、
前記ロッドレンズアレイと、前記機器との接着強度が1.0kN以上であることを特徴とする機器。
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