JP2012078656A - プラスチック製ロッドレンズ、およびプラスチック製ロッドレンズアレイ - Google Patents

プラスチック製ロッドレンズ、およびプラスチック製ロッドレンズアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、高温環境下で使用した場合であっても、熱収縮が十分に抑えられ、共役長の熱変動が小さいプラスチック製ロッドレンズを提供する。
【解決手段】α−メチルスチレンに由来する構成単位を有する重合体(A)と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)とを含有する未硬化状物を硬化させてなるプラスチック製ロッドレンズ。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック製ロッドレンズ、およびこれを用いたプラスチック製ロッドレンズアレイに関する。
プラスチック製ロッドレンズ(以下、単に「ロッドレンズ」ということもある。)は、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。その多数本のロッドレンズを2枚の基板の間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行になるように1列または2列以上に配列して接着固定したものが、プラスチック製ロッドレンズアレイ(以下、単に「ロッドレンズアレイ」ということもある。)として、ハンドスキャナ等の各種スキャナや、複写機、ファクシミリ等におけるイメージセンサ用の部品、LEDプリンタ等の書き込みデバイス等に広く用いられている。
ロッドレンズの主材料としては、ラジカル重合性ビニル単量体と該単量体に可溶な重合体を含有する組成物が用いられることが多く、該重合体の代表的な例はポリメチルメタクリレートである。
プラスチック製ロッドレンズにあっては、高温環境下で使用した場合に、熱によりロッドレンズの収縮が生じやすいという問題がある。ロッドレンズが収縮すると共役長が変化するため、解像度(MTF:モデレーション・トランスファー・ファンクション)が低下する。特に、プラスチック製ロッドレンズで構成されるレンズアレイを600dpi以上の高解像度のイメージセンサやLEDプリンタに使用する場合には、この解像度低下の問題は深刻なものとなる。
特許文献1には、昇温速度4℃/分で温度上昇させたときの熱収縮開始温度以上100℃以下で1時間以上熱処理を行うことにより、プラスチック製ロッドレンズの耐熱性を向上させ、高温環境下で使用した場合の共役長の変動を抑える方法が開示されている。
特開2007−34259号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、共役長の熱変動による解像度の低下を抑える効果が必ずしも十分ではなく、プラスチック製のロッドレンズの耐熱性をより向上できる方法が求められる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、高温環境下で使用する場にも、熱収縮が十分に抑えられ、共役長の熱変動が小さいプラスチック製ロッドレンズ、及びそれを使用したプラスチック製ロッドレンズアレイを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、プラスチック製ロッドレンズの材料として、特定の重合体(A)、および該重合体(A)と相溶性があるラジカル重合性ビニル単量体(B)を含有する組成物を用いることにより、熱収縮がより抑制され、共役長の熱変動がより小さいロッドレンズが提供できること、及びそれを使用することにより、高温環境下でも解像度に優れるプラスチック製ロッドレンズアレイが提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
[1] α−メチルスチレンに由来する構成単位を有する重合体(A)と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)とを含有する未硬化状物を硬化させてなるプラスチック製ロッドレンズ。
[2] [1]のプラスチック製ロッドレンズの複数本が、2枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列固定されたロッドレンズ列を少なくとも1列備えたプラスチック製ロッドレンズアレイ。
本発明のプラスチック製ロッドレンズは、耐熱性に優れ、高温環境下で使用した場合であっても、熱収縮が十分に抑えられ、共役長の熱変動が小さい。
本発明のプラスチック製ロッドレンズアレイは、耐熱性に優れ、高温環境下で使用した場合の解像度(MTF)の低下が非常に小さい。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<プラスチック製ロッドレンズ>
本発明のプラスチック製ロッドレンズは、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。この屈折率分布としては、ロッドレンズの中心軸に垂直な断面において、ロッドレンズの半径rとしたとき、少なくとも中心軸から外周部に向かう0.2r〜0.8rの範囲における屈折率分布が、下記式(1)で規定される2次曲線分布に近似されることが好ましい。
n(L)=n{1−(g/2)L} …(1)
(式中、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率(中心屈折率)であり、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)であり、gはロッドレンズの屈折率分布定数であり、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率である。)
ロッドレンズの半径rは特に限定されないが、光学系のコンパクト化の観点から、半径rは小さいことが好ましく、ロッドレンズの加工時の取り扱いの観点からは、半径rが大きいことが好ましい。このため、ロッドレンズの半径rは、0.05〜1mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmの範囲である。
ロッドレンズの中心屈折率nは、525nmの光について1.4〜1.6であることが、ロッドレンズを構成する材料的な選択肢が広くなり、良好な屈折率分布を形成しやすくなる等の観点から好ましい。
ロッドレンズの屈折率分布定数gは特に限定されないが、光学系のコンパクト化や光学系の作動距離の確保や取り扱い性の観点から、0.1〜2.0mm−1の範囲とすることが好ましい。gが0.1mm−1以下であると、光学系の作動距離が長くなりすぎるため光学系の小型化が困難となり、2.0mm−1以上であると作動距離が短くなりすぎてしまい光学系の設計が困難となる。
本発明のロッドレンズは、α−メチルスチレンに由来する構成単位を有する重合体(A)(以下、単に重合体(A)ということもある。)と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)とを含有する未硬化状物の硬化物からなる。ロッドレンズの半径方向において該硬化物の組成は一様ではなく、該半径方向における組成の分布は、屈折率分布に対応しており、ロッドレンズの材料および製造方法によって決まる。
ロッドレンズは、中心軸から0.6r以上の外周部に、ロッドレンズを伝送する光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有する光吸収層を有することが好ましい。これは、一般に、ロッドレンズでは、中心軸から離れるにつれて、屈折率分布が理想分布から外れた不整な部分が形成されやすく、これに起因する光学特性の低下を、ロッドレンズの外周部に光吸収層を設けることにより抑止するためである。光吸収層の厚みは5μm以上100μm以下が好ましい。光吸収層の厚みをこの範囲にすることにより、フレア光やクロストーク光を十分に除去できると共に、十分な透過光量を確保できる。
使用する光吸収剤としては、イメージセンサやLEDプリンタ等においては、一般に光源として400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。このような光吸収剤としては、例えば、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin Blue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACR等、500〜600nmに吸収のある三井化学染料MS Magenta HM−1450等、400〜500nmに吸収のある三井化学染料MS Yellow HD−180等を例示することができる。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等を挙げることができる。これら光吸収剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<プラスチック製ロッドレンズの製造方法>
上記のようなロッドレンズの製造方法について説明する。
ロッドレンズの屈折率分布の形成方法には制限はなく、付加反応法、共重合法、ゲル重合法、単量体揮発法、相互拡散法等のいずれの方法でもよいが、精度および生産性の点で相互拡散法が好ましい。
相互拡散法について説明する。
まず、硬化後の屈折率nがn>n>・・・・>n(N≧3)となるN種の未硬化状物を用意し、これらを中心から外周部に向かって順次屈折率が低くなるように、同心円状に積層して未硬化状の長尺の積層体(以下、「糸状体」という。)に賦形する。次いで、この糸状体の各層間の屈折率分布が連続的になるように隣接層間の物質の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、糸状体を硬化処理し、ロッドレンズ原糸を得る(紡糸工程)。なお、相互拡散処理とは、糸状体に窒素雰囲気下、10〜60℃、より好ましくは20〜50℃で数秒〜数分間の熱履歴を与えることをいう。
糸状体を構成するN種の未硬化状物はいずれも、α−メチルスチレンに由来する構成単位を有する重合体(A)と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)を含有する。
[重合体(A)]
重合体(A)は、α−メチルスチレンのみを重合させて得られる単独重合体(ホモポリマー)であってもよく、α−メチルスチレンと共重合可能な単量体との混合物(単量体混合物)を重合させて得られる共重合体(コポリマー)であってもよい。共重合体の場合には、α−メチルスチレンと共重合可能な単量体との質量比は、例えば3〜30:97〜70であることができる。
α−メチルスチレンと共重合可能な単量体の例としては、メチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル、ブタジエンが挙げられる。
重合体(A)の例としては、α−メチルスチレンのホモポリマー(ポリ−α−メチルスチレン)、α−メチルスチレンとメチルメタクリレートとの共重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、α−メチルスチレンとアクリロニトリルとの共重合体、α−メチルスチレンとブタジエンとの共重合体、α−メチルスチレンとスチレンとメチルメタクリレートとの共重合体、α−メチルスチレンとアクリロニトリルとブタジエンとの共重合体が挙げられる。
これらのうち、製造のし易さ、およびラジカル重合性ビニル単量体(B)との相溶性の点から、α−メチルスチレンとメチルメタクリレートとの共重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、α−メチルスチレンとスチレンとメチルメタクリレートの共重合体が好ましい。
1種の未硬化状物に含まれる重合体(A)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。糸状体を構成するN種の未硬化状物にそれぞれ含まれる重合体(A)は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。未硬化状物中に含まれる重合体(A)の種類と含有量によって、該未硬化状物の粘度を調整することができる。
未硬化状物の粘度調整が容易であるとともに、相互拡散処理後のロッドレンズ原糸において、中心から外周へ向かって連続的な屈折率分布が得られやすい点で、糸状体を構成するN種の未硬化状物にそれぞれ含まれる重合体(A)の屈折率が互いに等しいことが好ましい。そのためには、該N種の未硬化状物にそれぞれ含まれる重合体(A)が互いに同じであることが好ましい。
該N種の未硬化状物のそれぞれにおける重合体(A)の含有量は、ロッドレンズの耐熱性向上効果が十分に得られやすい点で20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限は、該N種の未硬化状物を用いて糸状体を形成する工程、および該糸状体からロッドレンズ原糸を紡糸する工程において好適な粘度が得られやすい点で、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
[ラジカル重合性ビニル単量体(B)]
ラジカル重合性ビニル単量体(B)は、重合体(A)と相溶性があればよく、プラスチック製ロッドレンズの材料として公知のラジカル重合性ビニル単量体から選択して用いることができる。
ラジカル重合性ビニル単量体(B)の例としては、メチルメタクリレート(n=1.49、nは単独重合体としたときの屈折率を表す。以下同様。);スチレン(n=1.59);クロルスチレン(n=1.61);酢酸ビニル(n=1.47);2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44);屈折率n=1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類、例えばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ,トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル−8−(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールビスアリルカーボネート;等が挙げられる。
1種の未硬化状物に含まれるラジカル重合性ビニル単量体(B)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性ビニル単量体(B)の種類と含有量によって該未硬化状物の硬化後の屈折率を制御できる。
重合体(A)とラジカル重合性ビニル単量体(B)との良好な相溶性を得るうえで、重合体(A)の製造に用いられる単量体と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)として用いる単量体の両方に、共通して含まれる単量体が1種類以上存在することが好ましい。重合体(A)とラジカル重合性ビニル単量体(B)の質量比は、例えば40〜50:60〜50であることができる。
[硬化処理]
前記未硬化状物の積層体である糸状体を硬化するには、未硬化状物中に熱硬化触媒または光硬化触媒を添加し、熱硬化処理および/または光硬化処理を行う。かかる処理によって未硬化状物中に存在する単量体の重合反応が生じる。熱硬化触媒としてはパーオキサイド系又はアゾ系の触媒等が用いられる。光硬化触媒としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
熱硬化処理は、熱硬化開始剤を含有させた未硬化状物を、一定の温度に制御された加熱炉等の硬化処理部で所定時間熱処理することにより行うことができる。
光硬化処理は、光硬化触媒を含有させた未硬化状物に周囲から紫外線を照射する方法で行うことができる。光硬化処理に用いる光源としては、150〜600nmの波長の光を発生する炭素アーク灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、レーザー光等が挙げられる。また、重合率を上げるためにこれらの光源を適宜組み合わせて使用してもよい。
糸状体を硬化処理して得られるロッドレンズ原糸を、必要に応じて延伸した後、所定の長さに切断することによりロッドレンズが得られる。
本発明のロッドレンズは、後述の実施例に示されるように、高温環境に曝された場合でも、熱収縮が十分に抑えられ、共役長の熱変動が小さい。そのため、高温環境下で使用する場合にも、良好な解像度を保つことができる。
[ロッドレンズアレイ]
このようにして得られるロッドレンズの複数本を、各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列した状態(ロッドレンズ列という。)で2枚の基板間に固定することによりプラスチック製ロッドレンズアレイが得られる。1個のロッドレンズアレイを構成するロッドレンズ列は1列でもよく、2列以上でもよい。隣接するロッドレンズどうしは互いに密着していてもよいし、一定の隙間を空けて配置されていてもよい。ロッドレンズ列を2列以上備えるロッドレンズアレイの場合は,ロッドレンズ間の隙間が最小になるように、ロッドレンズが俵積み状に配列されていることが好ましい。
基板は平板状でもよいし、ロッドレンズを一定の間隔で配置収納するU字状あるいはV字状等の溝を設けたものであってもよい。基板の材質は特に限定されないが、ロッドレンズアレイを作製する工程での加工が容易な材料であることが好ましい。
基板の材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等が好ましく、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、エポキシ系樹脂などが特に好ましい。また、基板の基材または補強材として、繊維や紙を用いてもよいし、基板に離型剤、染料、顔料等を添加してもよい。
ロッドレンズを基板間に固定する手段は、ロッドレンズと基板あるいはロッドレンズどうしを貼着できる程度の接着力または粘着力を有する接着剤であれば特に制限されない。なお、本明細書では接着剤と粘着剤を区別せずに「接着剤」という。
例えば、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式接着剤、ホットメルト型接着剤等を用いることができる。基板やロッドレンズへの接着剤の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、コーターによるコーティング、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。
本発明のプラスチック製ロッドレンズアレイは、上記ロッドレンズが用いられているため、耐熱性に優れ、高温環境下で使用してもロッドレンズの熱収縮が抑制され、共役長の変化が起こりにくい。そのため、高温環境下で使用する場合にも、良好な解像度が得られる。したがって、例えば600dpi以上の高解像度のイメージセンサやLEDプリンタにも好適に用いることができる。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下の例では、以下の測定方法または評価方法を用いた。
<屈折率分布>
カールツァイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用いて測定した。
<共役長および解像度(平均MTF、MTF変動率)>
空間周波数12(ラインペア/mm、Lp/mm)を有する格子パターンを用い、光軸に垂直な両端面を研磨したロッドレンズアレイに光源からの光(525nm)を格子パターンを通して入射させ、結像面に設置したCCDラインセンサにより格子画像を読み取り、その測定光量の最大値(imax)と最小値(imin)を測定し、次式によりMTF(モデレーション・トランスファー・ファンクション)を求めた。
MTF(%)={(imax−imin)/(imax+imin)}×100
その際、格子パターンとロッドレンズアレイの入射端との距離と、ロッドレンズアレイの出射端とCCDラインセンサとの距離を等しくした。そして、格子パターンとCCDラインセンサをロッドレンズアレイに対し対称的に動かしてMTFを測定し、MTFが最良になるときの、格子パターンとCCDラインセンサとの距離を共役長とした。
また、格子パターンとCCDラインセンサとの距離を共役長で固定して、ロッドレンズアレイ全幅について走査してMTFを50点測定し、平均値および標準偏差を求めて、解像度およびそのばらつきの指標とした。
ここで空間周波数とは、白ラインと黒ラインとの組み合わせを1ラインとし、このラインの組み合わせが1mmの幅の中に何組設けてあるかを示すものである。
<耐熱試験>
80℃に設定した乾燥機中(相対湿度30%以下)にロッドレンズアレイを置き1000時間保持する方法で加熱した。加熱前と加熱後に、共役長、MTF平均値および標準偏差を上記の方法でそれぞれ測定し、下記の基準で評価した。
加熱前の共役長[mm]と加熱後の共役長[mm]との差の絶対値が0.2mm以下の場合を◎、0.3mm以上0.4mm以下の場合を○、0.5mm以上の場合を×と評価する。
加熱後の平均MTF[%]が70%以上の場合を◎、60%を超え70%未満の場合を○、60%以下の場合を×と評価する。
加熱後のMTF変動率[%]の値が4%以下の場合を◎、5%以上6%以下の場合を○、7%以上の場合を×と評価する。
なお、MTF変動率(単位:%)は、標準偏差/MTF平均値×100で求められる値である。
[実施例1〜3および比較例1]
下記表1に示す成分を配合して、第1層〜第5層を形成する原液をそれぞれ調製した。表1に示す配合量の単位は「質量部」である。
表1に示す重合体および単量体は以下の通りである。
・重合体(A−1):メチルメタクリレート80質量部とα−メチルスチレン20質量部からなる単量体混合物を重合させて得られる共重合体。この共重合体はメチルメタクリレートから誘導される構成単位(下記式(a))およびα−メチルスチレンから誘導される構成単位(下記式(b))からなる。
・重合体(A−2):メチルメタクリレート95質量部と、α−メチルスチレン5質量部からなる単量体混合物を重合させて得られる共重合体。この共重合体も下記式(a)および(b)で表わされる構成単位からなる。
・重合体(A−3):メチルメタクリレート72質量部、スチレン8質量部、およびα−メチルスチレン20質量部からなる単量体混合物を重合させて得られる共重合体。この共重合体は、下記式(a)、(b)で表わされる構成単位と、スチレンから誘導される構成単位(下記式(c))とからなる。
・PMMA:ポリメチルメタクリレート。
・MMA:メチルメタクリレート。
・TCDMA:下記式(i)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル−8−メタクリレート。
・BzMA:ベンジルメタクリレート。
・PhMA:フェニルメタクリレート。
・8FM:2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート。
Figure 2012078656
Figure 2012078656
各層の原液は、表1に示す重合体および単量体に、さらに光硬化開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの0.25質量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン(HQ)の0.1質量部を添加し、70℃で加熱混練する方法で調製した。
また、クロストーク光やフレア光を抑制する目的で、加熱混練前の第4層及び第5層用の各原液には、さらに、染料Blue ACR(日本化薬(株)製)を0.57質量部、染料MS Yellow HD−180(三井化学染料(株)製)およびMS Magenta HM−1450(三井化学染料(株)製)をそれぞれ0.14質量部、染料Diaresin Blue 4G(三菱化学(株)製)およびKayasorb CY−10(日本化薬(株)製)をそれぞれ0.02質量部添加した。
Figure 2012078656
第1層用〜第5層用の5種類の原液を、同心円状5層複合紡糸ノズルから同時に押し出して糸状体を形成した。複合紡糸ノズルの温度は50℃とした。第1層〜第5層のうち、第1層用の原液の屈折率が最も高く、第5層の原液の屈折率が最も低く、ノズルからの吐出時、直径方向の各層の厚さ(1層目においては半径)の比が、第1層/第2層/第3層/第4層/第5層=18/49/28/3/2となるように設定した。
次いで、複合紡糸ノズルから押し出された糸状体をは、第1硬化処理部では相互拡散しながら光照射により光硬化させる。次に第2硬化処理部では強力な光照射により重合を完結させる。
第1硬化処理部は、長さ120cm、40Wのケミカルランプ18本が中心軸の周囲に等間隔に配設されており、糸状体は該中心軸上を移動するようになっている。第2硬化処理部は、2KWの高圧水銀灯3本が中心軸の周囲に等間隔に配設されており、糸状体は該中心軸上を移動するようになっている。
糸状体はニプローラーで引き取られながらこれら硬化部を通り、ロッドレンズ原糸となる。
得られたロッドレンズの中心屈折率は、実施例1は1.511、実施例2は1.502、実施例3は1.515、比較例1は1.498であった。いずれの例も、中心軸から外周部に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が前記式(1)に近似されていた。525nmの波長における屈折率分布定数gは、実施例1が0.43mm−1、実施例2が0.45mm−1、実施例3が0.44mm−1、比較例1が0.48mm−1であった。
また、いずれの例においても、ロッドレンズの外周面から中心部に向かって約15μmの厚さの、染料が混在する層が形成されていた。
各例において、得られたロッドレンズを多数本使用して、配列ピッチが0.62mm(隣接レンズ間の隙間20μm)の1列のロッドレンズアレイを作製した(レンズ長が8.0mm)。
得られたロッドレンズアレイの525nmにおける共役長、MTF平均値およびMTF変動率を上記の方法で測定し、評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2012078656
表2の結果より、実施例1〜3のロッドレンズアレイはいずれも、加熱による共役長、平均MTF値およびMTF変動率の変化が小さく、加熱後の平均MTF値およびMTF変動率が良好であり、耐熱性に優れている。
これに比べて、比較例1のロッドレンズアレイは、加熱前後での共役長の変化が大きく、加熱により平均MTF値が大きく低下するとともにMTF変動率が増大しており、実施例1,2に比べて耐熱性が劣る。
また実施例1と実施例2とを比べると、重合体(A)の製造に用いた単量体混合物におけるα−メチルスチレンの含有量が多い実施例1の方が、加熱前後での共役長、平均MTF値およびMTF変動率の変化がより小さく、耐熱性がより優れている。また、α−メチルスチレンと共重合させる単量体組成が異なる実施例1と実施例3は、結果が同等であった。これらのことから、ロッドレンズ中に存在する重合体(A)のα−メチルスチレンに由来する構成単位が、耐熱性の向上に寄与していると考えられる。
本発明のプラスチック製ロッドレンズ、およびこれを用いてなるプラスチック製ロッドレンズアレイは、ハンドスキャナ等の各種スキャナ用の部品;複写機、ファクシミリ等におけるイメージセンサ用の部品;LEDプリンタ等の各種プリンタの書き込みデバイス用の部品;など各種光伝送体の部品として好適に用いられる。

Claims (2)

  1. α−メチルスチレンに由来する構成単位を有する重合体(A)と、ラジカル重合性ビニル単量体(B)とを含有する未硬化状物を硬化させてなるプラスチック製ロッドレンズ。
  2. 請求項1記載のプラスチック製ロッドレンズの複数本が、2枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列固定されたロッドレンズ列を少なくとも1列備えたプラスチック製ロッドレンズアレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015200856A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 三菱レイヨン株式会社 ロッドレンズアレイ
CN110804125A (zh) * 2019-11-26 2020-02-18 杭州鸿雁管道系统科技有限公司 α-甲基苯乙烯二元共聚物在制备PVC-U透明电工套管中的应用

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