JP4087503B2 - 光伝送体、光伝送体アレイ、光伝送体アレイの使用方法及びカラーイメージセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーイメージセンサ、並びにそれに好適な屈折率分布型光伝送体及び光伝送体アレイの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロッドレンズアレイは共役長の短かさ、明るさ、低コストなどの特長を有することから、原稿移動型イメージスキャナー、FAX、LEDプリンターなどの小型の等倍結像素子として使用されている。しかし、ロッドレンズアレイは一部の共役長が長く開口数が小さくて暗い品種を除いて、色収差が大きい欠点がある。このため、これらの用途は主としてモノクロ用途であり、色収差が小さく、且つ、共役長の短いカラー用途のロッドレンズアレイの開発が要望されている。
【0003】
最初に、ロッドレンズの色収差のことについて、応用物理学会・光学懇話会の第17回サマー・セミナーの論文集「レンズと光システムの設計」を引用して説明する。ロッドレンズのような2乗分布状媒質の集束パラメータgは式(2)で与えられる。
g2=2×(n0−n(L))/(n0×L2) ・・・(2)
ここで
L:光軸からの半径方向の距離(mm)
n0:光軸上の屈折率
n(L):光軸から半径方向に距離Lだけ離れた位置の屈折率
である。
【0004】
式(2)において、n0とn(L)が共に波長依存性をもつため、gもまた波長依存性を示す。ここで、等倍結像するロッドレンズアレイの共役長は式(3)によって決まるので、共役長が波長によって異なってくる。
TC=Z0−(2/(n0×g))×tan((Z0×g)/2)・・・(3)
ここで、
TC:共役長(mm)
Z0:ロッドレンズの長さ(mm)
である。
このため、白色光源下で画像伝送を行う場合には結像位置や倍率が色により異なるので解像力が低下する。
【0005】
そこで、色収差を低減するために、波長分散が小さい材料を選びロッドレンズを製造することが、従来から行われている。例えば、イオン交換法で製造されるガラス製ロッドレンズにおいて,K.FUJII(MOC/GRIN’93 KAWASAKI:G13)は、イオンの種類と濃度を選び、色収差低減を試みている。また、ガラス製のものと比べて波長分散の小さい材料であるMMA(メチルメタクリレート)系ポリマー材料を用いて製造されているプラスチック製のロッドレンズが提案されている(例えば特開平3−174105号公報)。
【0006】
以下に市販のロッドレンズアレイにつきデーターを示す。
図16はロッドレンズアレイの解像度の目安であるMTF(moduration transfer function)の測定方法を示す図である。所定の波長λsにおいて共役長TCsであるロッドレンズアレイ23を測定機に載せるとき、基準矩形格子22とCCDイメージセンサ24の間の距離TCxを前記共役長TCsに等しい距離に調整して固定する。基準矩形格子22は空間周波数が6ラインペア/mmであり、光源19から出射し分光器20を通過した光線を拡散板21により拡散光に変換したものにより、照明されている。この状態で分光器から出る光線の波長を変え、MTF-波長特性を測定する。
【0007】
図17は市販のプラスチック製のロッドレンズアレイ(三菱レイヨン(株)製品:RA89S),図18はガラス製のロッドレンズアレイ(日本板硝子(株)製品:SLA20D)について、以上の方法において所定波長λsを570nmとして、MTF-波長特性を測定したものである。
また、表1は原稿照明用光源として実用化されている3原色LEDのピーク波長について前記の測定値を表にしたものである。
【0008】
図17、図18、及び表1によっても明らかなようにこれらの光伝送体には、短共役長、明るさ、低色収差を同時に満足するものはなく、広い波長領域の照明光源を使用する用途において十分な機能を有しているとはいえない。即ちこれらの光伝送体はカラーの画像を伝えるための特性(以下この特性を「カラー特性」という)を十分に備えていない。例えば300dpiカラーイメージセンサに用いるためには同じ共役長において6ラインペア/mmにおける赤緑青(以下適宜「RGB」という)3原色のLED光源からの光でのMTFがすべて55%以上であることが望ましい。また、このカラーイメージセンサの工業生産を行うことを考えた場合、赤のLED光源からの光によるMTFと青のLED光源からの光でのMTFが共に50%以上である共役長の上限値と下限値の差が0.2mm以上存在することが望ましい。しかしこれらの光伝送体はこのような用途への使用に耐えうる特性を備えていない。
【0009】
このため従来のカラーイメージセンサは低色収差であるが開口角が小さく、長い共役長を有しているガラス製のレンズアレイを用いてシステム構成が行われている。このため、第一にイメージセンサ本体が大きくならざるを得ず、第二に取り込める光量値が非常に少なく、明るさを補う必要がある。
【0010】
即ち、従来の光伝送体を用い、白色光源又は、RGB3原色のLED光源から出射した光を光伝送体の一端から入射させ、他端から透過光を出射させる方法において、十分に明確な像を伝えるためには多くの光源と広いスペースが必要となる。
【0011】
一方光伝送体内に光吸収剤を導入するものとして特開平4−251805号公報、及び特開平1−105202号公報が開示されている。特開平4−251805号公報は、染料濃度が異なる複数の紡糸原液を多層紡糸した屈折率分布型光伝送体であり、染料は光伝送体内部の全体に亘って存在している。特開平1−105202号公報は光伝送体の表面下に光吸収物質を含有する層が形成されている光伝送体である。また、特開平9−127353号公報には外周表面の位置から中心方向に向かう100μm以内の所定範囲の部分に均一な濃度で光吸収剤が含有されてなる光伝送体が提案されている。さらに、特開平8−211242号公報には集束パラメータgが0.7≦g≦15.0の光伝送体の外周から光線吸収染料を含浸させてなる光伝送体が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平4−251805号公報の光伝送体は光伝送体からの出射光の光量分布を均一化することを目的としており、染料を光伝送体内部で濃度分布をつけて存在させ、光伝送体の全域において光を吸収する。従って、この光伝送体は白色光源又は、RGB3原色のLED光源から出射した光を用いて明確で明るい像を狭いスペースで伝えるという目的に資するものではない。
【0013】
また特開平1−105202号公報及び特開平9−127353号公報の光伝送体はフレア光を吸収することを目的とするものであり、集束パラメータgが小さく、光吸収剤の含有領域が適切に設定されていないため、共役長が長くカラー特性が依然として悪い。
【0014】
更に特開平8−211242号公報の光伝送体は、ある一つの波長における解像度を向上させるためにレンズを細径化して集束パラメータgが大きい光伝送体とするものであり、又、光伝送体をアレイ化した際の光伝送体間のクロストークを防止するために外周部に染料を導入するものである。この光伝送体も光吸収剤の含有領域が適切でないためカラー特性が悪い。
【0015】
従って、実用上十分に明確なカラー画像を伝えるためには、これらの光伝送体を、RGB3原色のLED光源または白色光源からの光を透過させて用いることは不可能であった。つまり、これらの光伝送体は、光伝送体または光伝送体アレイの一端から、RGB3原色のLED光源または白色光源を入射させ、この光伝送体または光伝送体アレイの他端から透過光を出射させる従来の方法及び従来のカラーイメージセンサの抱える問題点を解決するものではない。
【0016】
即ち従来は、短共役長、明るさ、カラー特性を同時に満足する光伝送体及び光伝送体アレイは知られておらず、光源としてRGB3原色のLED光源または白色光源を用いた場合に、明確なカラー画像を少ない光源、小さなスペースで伝達する方法は知られていない。また多くの光源を必要とせず、コンパクトなカラーイメージセンサも知られていない。
【0017】
本発明の要旨は、半径rが0.2mm≦r≦0.35mmの円形断面を有し、光伝送体の中心軸から外周部に向かって少なくとも0.3r〜R(0.8r≦R≦r)の範囲における屈折率分布が下記式(1)で規定する2次曲線で近似される分布を有し、0.5rよりも外側であって少なくとも0.75r〜Rの範囲に可視光及び近赤外光領域のうち少なくとも一部の波長域の光を吸収する光吸収剤が均一に含有されてなる光伝送体にある。
【0018】
n(L)=n0{1−(g2/2)L2} ・・・ (1)
(但し、式中n0は光伝送体の中心部の屈折率、Lは光伝送体の中心部からの距離(0≦L≦r)、gは光伝送体の屈折率分布定数(0.71≦g≦1.32)、及びn(L)は光伝送体の中心軸から距離Lの位置の屈折率を示す。)
又、本発明の要旨は、前記光伝送体の複数個を平行に配列した光伝送体アレイにある。
又、本発明の要旨は、前記光伝送体あるいは光伝送体アレイの一端から赤緑青3原色のLED光源又は白色光源から出射する光を入射させ、この光伝送体あるいは光伝送体アレイの他端から透過光を出射させる光伝送体あるいは光伝送体アレイの使用方法にある。
【0019】
更に、本発明の要旨は赤緑青3原色のLED光源もしくは白色光源、前記光伝送体アレイ、及び光受光センサを順次配置したカラーイメージセンサにある。
【0020】
本発明においては可視光及び近赤外光領域とは400〜750nm程度の波長域をいう。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる光伝送体は集束パラメータgを高く設定することによってもカラー特性を改善するものである。集束パラメータgを高くするためには光伝送体の中心部と外周部の屈折率差が大きくなるように材料を選択する方法、または光伝送体の径を小さくする方法がある。しかし屈折率差の大きい材料は波長分散が大きく、また光伝送体の径を小さくしすぎると、光伝送体に光を透過させたときの光伝送体からの出射光量が小さくなってしまうので、単に屈折率差を大きくしたり径を小さくすることのみではカラー特性が良好で、出射光量が比較的大きい光伝送体を得ることができない。
【0022】
そこで、本発明においては光伝送体として特定の特性を有する光伝送体を選択し、更にその特定範囲に光吸収剤を含有させる。即ち、本発明は、光吸収剤を光伝送体に含有せしめ、光吸収剤が吸収する波長域の光に対して光伝送体の有効素子径を絞り込むことによってその波長域に対する解像度を向上させ、並びに光伝送体の波長依存性を少なくすることを特徴としている。光吸収剤の吸収波長域を可視光及び近赤外光のうち特定波長域のみとする場合には、特定波長域はある共役長において光伝送体のMTFが悪化する波長領域、即ち光伝送体の波長特性が劣る波長領域に設定される。そうすることによって光伝送体の有効径をそれぞれの特定波長域の光のみに対して絞り込むことができ、絞り込む領域の広さに応じて該波長領域の光に対する特性を向上させることができる。光吸収剤の吸収波長域を可視光及び近赤外光の全波長域とする場合には、光伝送体の有効径を全波長域の光について絞り込むことができる。
【0023】
このため、光伝送体が波長分散の多少大きい材料から構成されていても、カラー特性が良好な光伝送体を得ることができ、また後述するように光吸収剤の使用量や光伝送体内の光吸収剤の含有領域を調整することにより比較的大きい出射光量を保つことができる。本発明の方法においてはこのような光伝送体にRGB3原色のLED光源または白色光源からの光を透過させているので、明確なカラー画像を少ない光源、小さなスペースで伝達することができる。
【0024】
図1及び図2はそれぞれ本発明において用いられる光伝送体(以下適宜レンズという)の一例である屈折率分布型光伝送体の縦断面図及び横断面図である。斜線部2が光吸収剤を含有している層を示している。光吸収剤が吸収する波長域の光に対しては中心の白い部分にレンズ径が絞られている。図3は本発明において用いられる光伝送体の屈折率分布特性の一例である。このレンズ素材1は、0.13r〜0.83rの範囲の屈折率分布が式(1)に近似されている。なお、本発明において光伝送体はプラスチック製であることが好ましいが、ガラス製であってもよい。
【0025】
本発明においては、光伝送体として、半径rが0.2≦r≦0.35であり、かつ波長570nmにおいてgが0.71≦g≦1.32であるものを用いる。0.25≦r≦0.35であることが好ましく、0.71≦g≦1.1であることが好ましい。gは0.80≦g≦1.1であることが更に好ましく、0.85≦g≦1.1であることが特に好ましい。
【0026】
光吸収剤の含有領域は0.5r好ましくは0.6rよりも外側であって、少なくとも0.75r〜Rの範囲である。光吸収剤の含有領域を0.75rよりも中心側に広げると、光伝送体の各波長の光に対する波長特性は良好になるが、その一方で出射光量が落ちる。そのため光吸収剤は0.5rよりも中心側には含有させない。この範囲内においては、光吸収剤の含有領域は光伝送体に要求される波長特性と出射光量に応じて適宜設定される。一方現在の工業生産技術では光伝送体の全体にわたって屈折率分布が式(1)に近似されるものは知られていない。従って現在の光伝送体は製造時に外周部(R〜rの範囲)に屈折率分布の不整な部分が形成される。このRよりも外側の屈折率分布の不整な部分はレンズの結像に寄与しない部分であり、この部分はフレア光の除去等の目的で、黒色の光吸収剤あるいは拡散剤などを導入することが出来る。また、その部分を物理的に削除する事もできる。
【0027】
光吸収剤としては、可視光及び近赤外光のうち特定波長域のみを吸収するものを用いることも可能であり、全波長域を吸収するものを用いることも可能である。
【0028】
特定波長域の範囲は特に限定されるものではないが、200nm以下の範囲が好ましく、100nm以下の範囲が更に好ましい。特定波長域は不連続な複数の領域に設定することもできる。例えば赤と青の光を吸収するように特定波長域を波長400〜500nm及び波長600〜700nmに設定することもできる。その場合それぞれの特定波長域が200nm以下の範囲であることが好ましく、100nm以下の範囲であることが更に好ましい。
【0029】
例えば赤と緑の波長領域の光に対して優れた性能を持つ光伝送体、例えば表1のRA89Sを使用する場合、特定波長域を青の波長領域、即ち少なくとも一部が波長400〜500nmを含む200nmの範囲またはその中心を波長400〜500nmにおく200nmの範囲に設定することが望ましい。また、青と緑の波長領域の光に対して優れた特性を有する光伝送体を使用する場合、特定波長領域を少なくとも一部が波長600〜700nmを含む200nmの範囲またはその中心を波長600〜700nmにおく200nmの範囲に設定することが望ましい。
【0030】
この場合現在一般に用いられているLEDの発光波長が青色470nm、緑色525nm、赤色650nmであることに鑑み、できるだけ複数の色の光を吸収しないように特定波長域を設定することが望ましい。
【0031】
特定波長域のみを吸収する光吸収剤の代表的な例として以下のものがあげられる。600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin Blue 4Gや同業他社の同等品が挙げられる。550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACRや同業他社の同等品が挙げられる。その他の波長領域に対して有効な光吸収剤としては、400〜500nmに吸収のあるものとして、日本化薬製Kayasorb Yellow 2G、Orange G、Yellow A−G、Yellow E−Gとそのそれぞれの同業他社の同等品、三井東圧染料のMS Yellow HDー180とその同業他社の同等品があげられる。500〜600nmに吸収のあるものとして、日本化薬製Kayasorb Red G、Red 130、Red Bとその同業他社の同等品及び三井東圧染料MS Magenta HMー1450とその同業他社同等品があげられる。これらの染料は単独で用いることも可能であり、また、複数を組み合わせて用いることも可能である。
【0032】
全波長域を吸収する光吸収剤としては例えば黒色の染料が使用可能であり、特定波長域のみを吸収する光吸収剤であって、吸収する波長域がそれぞれ異なる光吸収剤を複数種混合したものも使用可能である。
【0033】
本発明において用いられる光伝送体においては光吸収剤の使用量と効果は比例する。光吸収剤により吸収される波長域の光について、光吸収剤を含有しない光伝送体を通過する光と、光吸収剤を含有する光伝送体の光吸収剤を含有する領域を通過する光とを比較したとき、光吸収剤を含有する光伝送体を通過する光が、少なくとも30%程度吸収されていれば実用上十分な効果が発現する。但し、好ましくは50%以上更に好ましくは80%以上吸収されている。
【0034】
このような光伝送体は、少なくともある一つの共役長においてRGB3原色のLED光源からの光についてのMTFがそれぞれ55%以上であることが好ましい。図11にその一例を示す。図11は本発明において用いられる光伝送体の一例をアレイ化して、共役長毎に、RGB3原色LEDそれぞれからの光についてのMTFを測定したものである。この光伝送体においては、共役長が約8.60mmから約8.70mmの範囲でRGB3原色LEDからの光についてのMTFが55%以上となっている。
【0035】
また、本発明の光伝送体の赤のLED光源からの光によるMTFと青のLED光源からの光でのMTFが共に50%以上である共役長の上限値と下限値の差(以下「ワーキングレンジ」という)は0.2mm以上であることが好ましい。例えば図11の例においては、8.55mmから8.75mmの範囲で赤及び青のLED光源からの光についてMTFが50%以上となるのでワーキングレンジは8.75−8.55=0.2(mm)である。
【0036】
本発明において、光伝送体アレイは前記の光伝送体を用いて従来公知の方法で作成することができる。光伝送体が一列または複数列で平行に配置されていれば、アレイの形状、材質等は問わない。
【0037】
本発明の方法においては前記光伝送体または光伝送体アレイの一端からRGB3原色のLED光源又は白色光源から出射する光を入射させ、この光伝送体または光伝送体アレイの他端から透過光を出射させる。
【0038】
本発明の方法において特定波長域のみの光を吸収する光吸収剤を導入した光伝送体を用いる場合は、光伝送体の特定波長域は該光源から出射する可視光及び近赤外光のうち、一部の波長領域に設定される。特定波長域の設定は光伝送体を使用する共役長において、前記のように波長特性が劣る光の波長領域に設定することが好ましい。
【0039】
なお、光源として白色光源を用いる場合、十分な効果を得るためには、特定波長域を不連続な複数の領域に設定することが望ましい。特定波長域を青の波長領域及び赤の波長領域、即ち特定波長域の中心を、波長400〜500nm及び600〜700nmにおくそれぞれ200nm以下の範囲に設定することがさらに望ましい。
【0040】
また、共役長の決定は以下のように行われるのが望ましい。RGB3原色のLEDを用いる場合光吸収剤を含有していないレンズにおいてそれぞれのLED光源について共役長ごとのMTFを測定し、赤と青の光のMTFが同一となる共役長にレンズの共役長を設定する。白色光源を用いる場合はRGB3原色のLEDを用いる場合に準じて代表的な光の波長を選定し、その光について同様に共役長を設定することができる。
【0041】
本発明において用いられるRGB3原色のLED光源としては、RGBそれぞれの光源を多数アレイ状に配列したものを用いることができる。また、RGBのLED光源に導光体を配置したものを用いることもできる。白色光源としては冷陰極管などを用いることができる。
【0042】
本発明において特定波長域の光のみを吸収する光吸収剤を導入した光伝送体を使用すると、選択した特定波長域に対応する波長の光のみの透過量がある程度低下する。しかし、RGB3原色のLED光源を使用する場合は、その波長域のLED発光強度を向上させることあるいはその波長域のLEDの数を増やすことによって対応できる。白色光源として通常用いられる冷陰極管を用いる場合、冷陰極管内の蛍光物質の組成割合を特定波長域の光を出す蛍光物質の量を増やすように変更することによって、その特定波長の光量を上げることができる。このようにして本発明の方法においては光量値は若干下がるものの、特定波長域における光伝送体の特性が著しく改善されるため、全波長域の光について明確な像を伝達することが可能となる。
【0043】
全波長域の光を吸収する光吸収剤を導入した光伝送体については、光量値が全波長域にわたって、若干低下するが、例えばLEDの数を増やしたり冷陰極管の蛍光物質の量を増やしたりして光源からの光の光量を増加することにより対応可能である。
【0044】
本発明の方法においては、RGB3原色のLED光源または白色光源からの光を直接光伝送体または光伝送体アレイに透過させる必要はなく、通常はこれらの光源からの光をある対象物に照射し、その反射光を光伝送体又はそのアレイに透過させ、対象物の像を結像させるようにして用いられる。
【0045】
本発明のカラーイメージセンサは光源、前記の光伝送体アレイ、及び光受光センサを順次配列して組み立てられる。従来のカラーイメージセンサと比較して非常にコンパクトな設計になっている。光源としてはRGB3原色のLED光源または白色光源が用いられる。また、光受光センサはRGB3原色のLED光源を用いる場合は、モノクロ用センサ、3原色用の受光センサのいずれを用いることも可能である。白色光源を用いる場合は3原色用の受光センサを用いることができる。
【0046】
なお、特定波長域は前記本発明の方法における場合と同様にして設定することができる。光吸収剤の吸収波長域における光量低下については前記の方法で同様に対応することができる。
以上の点を除いて本発明のカラーイメージスキャナーは公知の構造を有する。また、本発明のカラーイメージセンサはカラープリンター、カラースキャナーなどの一部として用いることが可能である。
【0047】
本発明において用いられる光伝送体は例えば次のようにして製造できる。
【0048】
硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn1、n2、・・・、nN(Nは3以上の整数)であるN個の未硬化状物を用意し、N、N−1、N−2、・・、2番目の層のうち賦形後の光伝送体の0.75r〜Rの領域を含む層に光吸収剤を混入させておく。それらの未硬化状物を中心から外周面に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、かつ、同心円状に積層した未硬化状の積層体(以下適宜「糸状体」と称する)に賦形する。次に糸状体の各層間の屈折率分布が連続的分布となるように隣接層間の物質の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、糸状体を硬化処理することにより製造される。
【0049】
得られる光伝送体の屈折率分布を理想的な分布に近づけるために、Nは少なくとも4以上であることが好ましい。また製造の容易さを考慮するとNは6以下程度であることが好ましい。しかしながら高性能の光伝送体を得るためにはNを10以上にすることも可能である。各層の厚みは異なっていてもよく同程度であってもよい。
【0050】
本発明に用いられる未硬化状物質は、粘度が103〜108ポイズで硬化性のものであることが好ましい。粘度が小さすぎると賦形に際し糸切れが生じるようになり糸状物の形成が困難である。また粘度が大きすぎると賦形時に操作性が不良となり各層の同心円性が損なわれたり、太さ斑の大きな糸状体となりやすいので好ましくない。
この未硬化状物を構成する物質としてはラジカル重合性ビニル単量体または該単量体と該単量体に可溶な重合体とからなる組成物等を用いることができる。
【0051】
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としてはメチルメタクリレート(n=1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.61)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類たとえばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0052】
これら未硬化状物から糸状体を形成する際の未硬化状物の粘度調整を容易にするため、及び糸状体の中心から外周へ向かい連続的な屈折率分布を持たせるため、前記の未硬化状物はビニル単量体とそれに可溶な重合体とで構成されていることが好ましい。
【0053】
ここに用いうる重合体としては、前記のラジカル重合性ビニル単量体から生成する重合体と相溶性が良いことが必要であり、例えばポリメチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリレート系共重合体(n=1.47〜1.50)、ポリ4−メチルペンテン−1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(n=1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(n=1.40〜1.46)、ポリフッ化アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0054】
粘度を調整するため、各層に同一の屈折率を有する重合体を用いた場合には中心から外周に向かって連続的な屈折率分布を有するプラスチック光伝送体が得られるので好ましい。特に、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れ及びそれ自体の屈折率も高いので本発明の屈折率分布型光伝送体を作成するに際して用いる重合体としては好適なものである。
【0055】
前記未硬化状物より形成した糸状物を硬化するには未硬化物中に熱硬化触媒あるいは光硬化触媒を添加しておくことが好ましく、熱硬化触媒としては普通パーオキサイド系又はアゾ系の触媒が用いられる。光硬化触媒としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4'ーイソプロピルー2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオフェノン、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2-ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
【0056】
次いで未硬化状物を硬化させるには、硬化部において好ましくは紫外線を周囲から作用させ、熱硬化触媒及び/又は光硬化触媒を含有する糸状物を熱硬化処理ないし光硬化処理を行う。
【0057】
本発明の製法において、光吸収剤と単量体の分子量の大小関係は特に限定されないが、未硬化状物として前記単量体と重合体との混合物を使用し、光吸収剤として前記のものを使用する場合は、光吸収剤の方が単量体よりも分子量がはるかに大きいので、未硬化状物中における拡散速度がはるかに遅い。従って光吸収剤を実質的に拡散させることなく、未硬化状物層相互間において単量体を拡散させることができる。即ち光吸収剤の半径方向の実質的濃度が均一な光伝送体が得られる。
【0058】
尚、重合硬化に長時間を要する熱重合の場合は、光吸収剤が拡散して、遮光層内の濃度が不均一となり、また、屈折率分布が正常な部分にまで光吸収剤等が移動して光伝送体の透光機能が損なわれるおそれがある。このため短時間で重合可能な光重合によって硬化させることが望ましい。
【0059】
ところで光重合法により重合硬化させるためには、未硬化状物層中を光重合用の光を透過させることが必要である。しかしながら、光吸収剤の種類は多くあり、光吸収の波長依存性は様々である。即ち、光伝送体の伝送光を吸収するとともに重合に用いる光をそれと同等以上に吸収する光吸収剤も存在する。従って光重合法により重合硬化処理する場合は、光伝送体の伝送光を吸収するが、重合用の光を吸収せず透過させる特性を有する光吸収剤を用いることが望ましい。
【0060】
光伝送体の伝送光として実際に用いられる光は通常波長が400〜750nmの可視光から近赤外光の範囲のものである。一方、光重合に用いる光の発光波長は通常300〜370nmの紫外線である。よって400〜750nmの波長域の吸光度係数が、300〜370nmにおける吸光度係数の、2倍以上である光吸収剤を用いることが好ましい。
【0061】
このような光吸収剤の例であるBlue 4GとHD−180の吸収スペクトルを図4及び図5に示す。図4、図5において縦軸は吸光度係数,横軸は光の波長を示す。それぞれ紫外線域(300〜370nm)の吸収が少なく、そこでの吸光度は光伝送体の実使用波長域650あるいは470nmのそれぞれの波長での吸光度の1/2以下であることがわかる。このような光吸収剤を使用すると、未硬化状物層中を紫外線が透過し、光重合が効率的に進行する。
【0062】
本発明の光伝送体は例えば図6の糸状体成形装置を用いて製造することができる。図6は糸状体成形装置を図式的に示す工程図であり、相互拡散部12及び硬化処理部13の部分だけを縦断面図で示してある。図中の記号10は同心円状複合ノズル、11は押し出された未硬化の糸状体、12は糸状体の各層の単量体を相互に拡散させて屈折率分布を与えるための相互拡散部、13は未硬化状物を硬化させるための硬化処理部、14は引き取りローラー、15は製造された光伝送体、16は巻き取り部、17は不活性ガス導入口、18は不活性ガス排出口である。糸状体11から遊離する揮発性物質を相互拡散部12及び硬化処理部13から除去するため、不活性ガス導入口17から不活性ガス例えば窒素ガスが導入される。
【0063】
光重合に用いる光源としては150〜600nmの波長の光を発生する炭素アーク灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、レーザー光等が挙げられる。
【0064】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。尚、実施例及び比較例において屈折率分布の測定は、カールツアイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用いて公知の方法により行った。
【0065】
比較例1
ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定、以下実施例、比較例中において同様のものを用いる。)50重量部、ベンジルメタクリレート36重量部、メチルメタクリレート14重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部及びハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第1層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート51重量部、メチルメタクリレート49重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第2層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート48重量部、メチルメタクリレート37重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート15重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第3層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート45重量部、メチルメタクリレート25重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート30重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第4層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート42重量部、メチルメタクリレート15重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート43重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第5層形成用原液とした。この5種類の原液を同心円状5層複合ノズルを用い中心から順次未硬化物の屈折率が低くなるように配列し同時に押し出した。
【0066】
複合紡糸ノズルの温度は42℃であった。押し出し時の粘度は第1層の成分が5.8×104ポイズ、第2層が4.9×104ポイズ、第3層が4.7×104ポイズ、第4層が3.9×104ポイズ、第5層が4.5×104ポイズであった。第1層から第5層の吐出比は半径の比で35/38/20/6/1であった。
【0067】
ついで長さ55cmの相互拡散部を通しその後長さ120cm、40Wのケミカルランプ12本が円状に等間隔に配設された光照射部の中心にストランドファイバを通過させて、170cm/minの速度でニップローラーで引き取った。
【0068】
得られた光伝送体は半径が0.3mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であり、分布は表3に示す通りであった。このレンズの集束パラメータgは波長570nmにおいてg=0.88mm-1であった。この光伝送体の両端面を研磨してレンズ長4.2mmとし、6ラインペア/mmの格子を用いてこの単レンズの特性を測定したところ、表3の結果を得た。
【0069】
更にこの光伝送体複数本を用い、側板にはフェノール樹脂板(厚さ1.2mm)2枚を用い、接着剤にはカーボンブラックを2wt%添加したエピフォーム(ソマール社製)を用い、側板の間に光伝送体を1列に配列し接着剤を充填し、接着剤を硬化し、その後両端面を切断して研磨し、レンズ長4.2mmのレンズアレイを製作した。6ラインペア/mmの格子を用いてこのレンズアレイの特性を測定したところ、表4−1の結果を得た。また650nm、525nm、470nmをピーク波長とするRGB3原色LEDから発する光に対する共役長とMTF特性の関係は図7に示す。この図から分かるようにどのような共役長においても3つの波長域でMTFが50%以上にはならない。またアレイがもっとも良い特性を示す共役長と3つの波長に対するMTFを表4−2に示すが、不十分なものであった。
【0070】
この光伝送体アレイを用いて650nm、525nm、470nmをピーク波長とするRGB3原色のLEDを又は白色光源を光源とし、CCDを受光素子としたイメージセンサを組み立てた。このイメージセンサは525nmの単色光で用いた場合は鮮明な画像を形成できるが、その他の波長の光が関与してくるとMTFが悪くなり鮮明な画像は得られなかった。
【0071】
比較例2
比較例1において原液中に表2に記載のように光吸収剤を混入し、光重合強度を変更した以外は比較例1と同様な操作を行いレンズを賦形した。レンズの屈折率分布は比較例1と同じであった。レンズの光吸収剤含有領域は表3に示す。
【0072】
比較例1と同様の条件でレンズ及びレンズアレイの特性を測定し、表3、表4−1、表4ー2、及び図8の結果を得た。イメージセンサの性能は十分なものではなかった。
【0073】
比較例3
比較例1において原液中に表2に記載のように光吸収剤を混入し、複合紡糸ノズルの温度を50℃とし、ニップローラーによるストランドファイバの引き取り速度を70cm/minとした点を除いて比較例1と同様の操作を行いレンズを賦形した。なお、押し出し時の原液の粘度は第1層が4.5×104ポイズ、第2層が3.8×104ポイズ、第3層が3.5×104ポイズ、第4層が2.9×104ポイズ、第5層が3.2×104ポイズであった。
【0074】
得られたレンズの半径は0.47mmであり、その屈折率分布は表3に示すとおりであり、また集束パラメータgは波長570nmにおいてg=0.57mm-1であった。レンズの光吸収剤含有領域は表3に示す。
レンズ長を6.8mmとした点を除いて比較例1と同様の条件でレンズ及びレンズアレイの特性を測定し、表3、表4−1、表4−2、及び図9の結果を得た。イメージセンサの性能は十分なものではなかった。
【0075】
比較例4
比較例1において原液中に表2に記載のように光吸収剤を混入し、光重合強度を変更した以外は比較例3と同様な操作を行いレンズを賦形した。レンズの屈折率分布は比較例3と同じであった。レンズの光吸収剤含有領域は表3に示す。
比較例1と同様の条件でレンズ及びレンズアレイの特性を測定し、表3、表4−1、表4−2、及び図10の結果を得た。イメージセンサの性能は十分なものではなかった。
【0076】
実施例1
比較例1において原液中に表2に記載のように光吸収剤を混入し、光重合強度を変更した以外は比較例1と同様の操作を行いレンズを賦形した。レンズの屈折率分布は比較例1と同じであった。レンズの光吸収剤含有領域は表3に示す。
比較例1と同様の条件でレンズ及びレンズアレイの特性を測定し、表3、表4−1、表4−2、及び図11の結果を得た。なお、図11中の矢印はワーキングレンジを示している(図12〜図15についても同じ)。比較例1のLED光源を用いて比較例1と同様にして組み立てたイメージセンサは、良好な画像が形成できた。
【0077】
実施例2〜実施例5
比較例2において原液中に表2に記載のように光吸収剤を混入し、光重合強度を変更した以外は比較例2と同様の操作を行いレンズを賦形した。レンズの屈折率分布は比較例1と同じであった。レンズの光吸収剤含有領域は表3に示す。
比較例1と同様の条件でレンズ及びレンズアレイの特性を測定し、表3、表4−1、表4−2及び図12(実施例2)、図13(実施例3)、図14(実施例4)もしくは図15(実施例5)の結果を得た。
【0078】
実施例2および実施例3において比較例1のLED光源を用いて比較例1と同様にして組み立てた各イメージセンサは、良好な画像が形成できた。
【0079】
実施例4および実施例5において比較例1と同様にして組み立てたイメージセンサは、LED光源を用いた場合も白色光源を用いた場合も良好な画像が形成できた。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】
本発明により、短共役長、明るさ、低色収差を同時に満足する光伝送体、光伝送体アレイが提供される。また明確なカラー画像を少ない光源、小さなスペースで伝達する方法が提供される。更に多くの光源を必要とせず、コンパクトなカラーイメージセンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送体の縦断面図である。
【図2】本発明の光伝送体の横断面図である。
【図3】本発明の光伝送体の屈折率分布特性の一例である。
【図4】本発明で用いるBlue 4Gの吸収特性を示す図である。
【図5】本発明で用いるHDー180の吸収特性を示す図である。
【図6】本発明の光伝送体を製造するための製造装置の概略図である。
【図7】比較例1の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図8】比較例2の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図9】比較例3の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図10】比較例4の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図11】実施例1の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図12】実施例2の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図13】実施例3の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図14】実施例4の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図15】実施例5の光伝送体アレイの3原色LEDに対する共役長とMTF特性の関係を示す図である。
【図16】ロッドレンズアレイの解像度の目安であるMTF(moduration transfer function)の測定方法を示す図である。
【図17】プラスチック製のロッドレンズアレイ(三菱レイヨン(株):RA89S)のMTFの波長依存性を表す図である。
【図18】ガラス製のロッドレンズアレイ(日本板硝子(株):SLA20D)のMTFの波長依存性を表す図である。
【符号の説明】
1 レンズ素材
2 光吸収剤含有層
10 同心円状複合ノズル
12 相互拡散部
13 硬化処理部
15 光伝送体
19 光源
20 分光器
21 拡散板
22 基準矩形格子
23 光伝送体アレイ
24 CCDイメージセンサ
Claims (5)
- 半径rが0.2mm≦r≦0.35mmの円形断面を有し、光伝送体の中心軸から外周部に向かって少なくとも0.3r〜R(0.8r≦R≦r)の範囲における屈折率分布が下記式(1)で規定する2次曲線で近似される分布を有し、0.5rよりも外側であって少なくとも0.75r〜Rの範囲に可視光及び近赤外光領域のうち少なくとも一部の波長域の光を吸収する光吸収剤が均一に含有されてなる光伝送体。
n(L)=n 0 {1−(g 2 /2)L 2 } ・・・ (1)
(但し、式中n 0 は光伝送体の中心部の屈折率、Lは光伝送体の中心部からの距離(0≦L≦r)、gは光伝送体の屈折率分布定数(0.71≦g≦1.32)、及びn(L)は光伝送体の中心軸から距離Lの位置の屈折率を示す。) - 請求項1の光伝送体の複数個を平行に配列した光伝送体アレイ。
- 請求項1記載の光伝送体の一端から赤緑青3原色のLED光源又は白色光源から出射する光を入射させ、この光伝送体の他端から透過光を出射させる光伝送体の使用方法。
- 請求項2記載の光伝送体アレイの一端から赤緑青3原色のLED光源又は白色光源から出射する光を入射させ、この光伝送体アレイの他端から透過光を出射させる光伝送体アレイの使用方法。
- 赤緑青3原色のLED光源もしくは白色光源、請求項2記載の光伝送体アレイ、及び光受光センサを順次配置したカラーイメージセンサ。
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