JP2005178361A - プラスチック製ロッドレンズの製造方法およびプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法 - Google Patents

プラスチック製ロッドレンズの製造方法およびプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温環境下で使用した場合に解像度等の光学特性の低下のない耐熱特性に優れたレンズアレイを提供する。
【解決手段】 中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する多数本のプラスチック製ロッドレンズを二枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列固定するロッドレンズアレイの製造方法であって、
配列した前記ロッドレンズを接着剤で固定するまでの間に、前記ロッドレンズを前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、前記ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で熱処理するプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スキャナ、イメージセンサ、プリンタ等の光伝送体として使用されるプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法およびそれに使用されるプラスチック製ロッドレンズの製造方法に関するものであり、特に600dpi以上の高解像度のスキャナ、イメージセンサ、プリンタ等に適したプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法およびそれに使用されるプラスチック製ロッドレンズの製造方法に関するものである。
プラスチック製ロッドレンズ(以下、単に「ロッドレンズ」という。)は、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズであり、多数本のロッドレンズを2枚の基板の間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行になるように1列または2列以上に配列して接着固定し、プラスチック製ロッドレンズアレイ(以下、単に「レンズアレイ」という。)として、ハンドスキャナ等の各種スキャナや、複写機、ファクシミリ等におけるイメージセンサ用の部品、LEDプリンタ等の書き込みデバイス等に広く用いられている。
このようなレンズアレイは、高温環境下使用されると、ロッドレンズの変形等により共役長の変化が起こりやすくなり、解像度の低下等の光学特性の低下を招くことになる。特に、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやLEDプリンタに使用する場合は、この問題は深刻なものとなる。
そこで、高温環境下で使用しても共役長の変化が起こりにくい、耐熱性に優れたロッドレンズアレイを提供する方法として、例えば特開2002−62441号公報(特許文献1)等において、ロッドレンズアレイの製造工程中にロッドレンズに熱処理を施すことが提案されている。特許文献1では、複数本のロッドレンズが2枚の基板間に平行配列された構造を有するレンズアレイの製造工程において、2枚の基板間に複数本のロッドレンズを接着剤により接着固定させた後、80℃以上の温度で熱処理を行いロッドレンズの熱変形温度を高めることが提案されている。
特開2002−62441号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、レンズアレイの共役長の変化を抑えることはできるものの、基板間にロッドレンズを固定した状態で、ロッドレンズの熱変形温度以上に加熱するため、熱処理によるロッドレンズの膨張と、これと相反する作用を施す接着剤の硬化収縮により、ロッドレンズの変形が発生する可能性があり、600dpi以上の高解像度での用途では十分な耐熱特性を付与することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやプリンタ等においても、高温環境下で使用した場合に解像度等の光学特性の低下のない耐熱特性に優れたレンズアレイを提供することにある。
すなわち、本発明のロッドレンズの製造方法は、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有するプラスチック製ロッドレンズを、該ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、該ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴とするものである。ここで、熱変形温度は、各種の標準規格で定められた方法により測定した値を用いることができる。例えば、ASTM D648に定められている方法や日本工業規格(JIS)に定められている方法などが挙げられる。
さらに、本発明のロッドレンズの製造方法は、硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn1、n2、・・・、nN(N≧3)であるN個の未硬化状物を同心円状に積層して、中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して製造したプラスチック製ロッドレンズ原糸を加熱延伸した後、緩和処理を行い、その後、該ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、該ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴とするものである。
また、本発明のレンズアレイの製造方法は、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する多数本のプラスチック製ロッドレンズを二枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列固定するロッドレンズアレイの製造方法であって、配列した前記ロッドレンズを接着剤で固定するまでの間に、前記ロッドレンズを前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、前記ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴とするものである。
さらに、本発明のレンズアレイの製造方法は、第1基板と第2基板の2枚の基板間に中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する複数本のプラスチック製ロッドレンズが平行に配列された構造のロッドレンズアレイの製造方法であって、配列用治具上に複数本のロッドレンズを、各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように並列配置してロッドレンズ列を形成するロッドレンズ配列工程と、第1基板の一方の面と前記配列用治具上のロッドレンズ列との間に接着剤を配置し、第1基板上に前記ロッドレンズ列を転写して接着固定する第1基板固定工程と、前記第1基板上に固定さ
れた前記ロッドレンズ列と第2基板の一方の面との間に接着剤を配置し、前記ロッドレンズ列と前記第2基板とを接着固定する第2基板固定工程とを備え、前記第1基板固定工程より前の工程で、前記ロッドレンズを、前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、前記ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴とするものである。
さらに、本発明のレンズアレイは、前記プラスチック製ロッドレンズを二枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行となるように配列固定したロッドレンズアレイである。
本発明は、ロッドレンズの熱処理を、ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で行うことにより、高温環境下で使用した場合に解像度等の光学特性の低下のない耐熱特性に優れたレンズアレイを提供することができる。
また、本発明は、ロッドレンズを接着剤で固定するまでの間に、ロッドレンズを前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することにより、高温環境下で使用した場合に解像度等の光学特性の低下のない耐熱特性に優れたレンズアレイを提供することができる。
さらに、本発明は、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやプリンタ等において、高温環境下で使用した場合にも解像度等の光学特性の低下のない耐熱特性に優れたレンズアレイを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明のレンズアレイは、複数本のロッドレンズが各ロッドレンズの光軸方向が互いに平行になるように2枚の基板の間に1列以上に配列されて構成される。ロッドレンズと基板との固定には接着剤が用いられる。隣接するロッドレンズは互いに密着していてもよいし、一定の隙間をおいて配列していてもよい。また、同種のロッドレンズを2段以上に積み重ねて配列されてなるレンズアレイの場合は、ロッドレンズ間の隙間が最小になるように俵積み状に配列されていることが好ましい。
本発明のレンズアレイを構成する基板は平板状でもよいし、ロッドレンズを一定の間隔で配置収納するU字状あるいはV字状等の溝を設けたものであってもよい。基板の材質は特に限定されないが、レンズアレイを作製する工程での加工が容易な材料であることが好ましい。基板の材料としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂などが好ましく、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマー、エポキシ系樹脂などが特に好ましい。また、基板の基材、補強材として、繊維や紙を用いてもよいし、基板に離型剤、染料、顔料等を添加してもよい。
次に、本発明のレンズアレイの製造方法について説明する。
まず、一定の長さに切断した多数本のロッドレンズを吸引機構を有する配列治具上に、各ロッドレンズの中心軸が互いに平行になるように密接または一定ピッチで配列させて、ロッドレンズ列を形成する(ロッドレンズ配列工程)。
吸引機構を有する配列治具としては、真空ポンプ等の吸引手段に接続された穴部あるいは溝部を有する平板またはレンズを一定ピッチで収納するV字状、U字状等の溝を有する基板からなり、吸引手段に接続された穴部あるいは溝部からの吸引力を利用して、ロッドレンズが互いに密接または一定ピッチになるように平板上に平行に配列させることができるような構造を有している。
次に、配列治具上に配列されたロッドレンズ列(1段目)上に俵積み状になるように多数本のロッドレンズを同様にして配列し、2段目のロッドレンズ列を形成する。このとき、2段目のロッドレンズは1段目のロッドレンズ間の微細な隙間から吸引支持されている。
次いで、片面に接着剤を塗布した第1基板を用意し、この第1基板と配列治具上の2段目のロッドレンズ列とを第1基板に塗布された接着剤を介して貼着し、2段目のロッドレンズ配列体を第1基板に接着固定する(第1基板固定工程)。
2段目のロッドレンズ列を貼着した第1基板は、そのロッドレンズ列が貼着されていない両側端部(ロッドレンズの中心軸方向の側端)に止め板を取り付ける。止め板に代えて、第1基板上のロッドレンズ列の側端部に位置するロッドレンズを第1基板に固定しストッパとして用いることもできる。
次いで、第1基板に貼着されたロッドレンズ列に接着剤を塗布し、俵積み状の配列になるように、第1基板に貼着されたロッドレンズ列上に配列治具上の1段目のロッドレンズ列を接着固定する。
次に、片面に接着剤を塗布した第2基板を用意し、第2基板と第1基板に貼着された2段目のロッドレンズ列とを、第2基板に塗布された接着剤を介して貼着する(第2基板固定工程)。
その後、第1基板と第2基板とに挟持されたロッドレンズ列の一方の配列端を、カーボンブラック、染料等の遮光剤を含有する未硬化の液状の接着剤に接触させた後、他方の配列端を減圧にすることにより、内部の隙間に接着剤を充填し、充填した接着剤を硬化しレンズアレイ前駆体とする。
得られたレンズアレイ前駆体を所定長さに切断した後、ロッドレンズの両端面を、ダイアモンド刃等を用いて鏡面状に仕上げレンズアレイとする。なお、使用するロッドレンズとして、レンズアレイとして使用する長さとほぼ同じ長さのロッドレンズを使用した場合には、レンズアレイ前駆体を切断しなくてもよい。
使用される接着剤としては、ロッドレンズ列と基板あるいはロッドレンズ列同士を貼着できる程度の粘着力を有するものであれば特に制限されるものではなく、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。また、基板やロッドレンズ列への接着剤の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。なお、上記説明においては、接着剤は基板等に塗布するものに限らず、貼着されるロッドレンズ列の表面に塗布してもよいし、シート状の接着剤を基板とロッドレンズ列あるいはロッドレンズ列同士の間に配置する等の他の方法であってもよい。
また、上記説明では、2枚の基板間にロッドレンズ列を2列(2段)に配列した場合について説明したが、本発明においては、2枚の基板間に配列されるロッドレンズ列は1列(1段)であってもよいし、3列(3段)以上であってもよい。
本発明においては、上記のようなレンズアレイの製造工程において、ロッドレンズ列を接着剤で固定するまでの間、すなわち第1基板固定工程より前の工程において、ロッドレンズをロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で熱処理を行うことが好ましい。
このような温度で熱処理を行うことにより、ロッドレンズの熱変形温度を高めることができ、高温環境下でもロッドレンズの変形を抑止し、レンズアレイの耐熱特性を向上させることができる。熱処理温度がロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度未満であると、ロッドレンズの熱変形温度を十分に高めることができない傾向にあり、逆にロッドレンズの熱変形温度より高いと熱処理によりロッドレンズが変形するおそれがあるためである。
また、硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn1、n2、・・・、nN(N≧3)であるN個の未硬化状物を同心円状に積層して、中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して製造したプラスチック製ロッドレンズに対して、このような熱処理を行うことは好ましい。また、このような熱処理を上記のようにして製造したプラスチック製ロッドレンズ原糸を加熱延伸した後、緩和処理を行って製造したロッドレンズに対して行うことは好ましい。加熱延伸の好ましい温度条件や延伸倍率、変形速度はロッドレンズを構成する材料に応じて適切な条件を選択することができる。また、緩和処理についても同様である。
また、このような熱処理をロッドレンズ列を接着剤で固定するまでの間に行うことによって、熱処理によるロッドレンズの膨張と、これと相反する作用を施す接着剤の硬化収縮によるロッドレンズの変形を抑止することができ、600dpi以上の高解像度のイメージセンサやプリンタに使用した場合にも、解像度等の光学特性の低下を招くことがない。
熱処理は6時間以上行うことが、耐熱特性をより向上させることができるため好ましい。また、熱処理時の湿度は特に限定されないが、ロッドレンズにダメージを与えるような条件で無ければ良く、相対湿度で0〜90%程度が好ましい。相対湿度が100%に近い条件では、恒温恒湿機等からロッドレンズを取り出した時に(冷却による)結露が発生するため好ましくない。
熱処理の方法は、ロッドレンズを均一に熱処理できる方法であれば特に制限されるものではなく、加熱オーブンや熱風乾燥機の中で行ってもよく、また、相対湿度がコントロールされた恒温恒湿機中で行っても良い。また、ロッドレンズにダメージを与えない流動パラフィン等の液体の中で行ってもよい。
熱処理を行うロッドレンズは、所定の長さに切断した状態であってもよいし、ドラム等に巻き取った状態であってもよい。いずれの場合も、ロッドレンズ同士が交差した状態で熱処理を行うとロッドレンズの変形を引き起こし、レンズアレイとしての配列精度が低下する傾向にあるため、ロッドレンズ同士が交差しないような状態で熱処理を行うことが好ましい。熱処理はロッドレンズに張力がかからない状態で実施することが特に好ましい。例えば、所定の長さに切断した状態であれば、天板の上にロッドレンズ同士が重ならないように平らに広げた状態にしてもよいし、コの字型の容器や、U字型の容器にロッドレンズを入れ、振動を加えることによりロッドレンズ同士が平行になるように整列させてもよい。また、ドラム等に巻き取った状態であれば、一定のピッチでトラバースすることによりロッドレンズを平行に巻き取る等の方法がある。
また、本発明においては、接着剤で固定する前であれば、ロッドレンズの製造に引き続いて熱処理を行ってもよいし、レンズアレイの製造工程前に予備処理としてロッドレンズを熱処理を行ってもよい。レンズアレイの製造工程の中で、接着剤でロッドレンズが固定される前であれば、2枚の基板間にロッドレンズ列が挟持された状態で熱処理を行ってもよい。この場合、熱処理により基板に湾曲が生じると、ロッドレンズの配列が乱れてしまう場合があるため、荷重などで基板をプレスした状態で熱処理を行うことが好ましい。また、この場合には、基板間にロッドレンズ列が挟持された原板1枚ずつをプレスしてもよ
いが、この原板を複数枚積層した状態でプレスしてもよい。
上記のような本発明で使用するロッドレンズは、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。この屈折率分布としては、ロッドレンズの中心軸に垂直な断面において、ロッドレンズの半径rとしたとき、少なくとも中心軸から外周部に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率分布が、下記式(1)で規定される2次曲線分布に近似されることが好ましい。
Figure 2005178361
(式中、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率(中心屈折率)であり、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)であり、gはロッドレンズの屈折率分布定数であり、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率である。)
本発明において、使用されるロッドレンズの半径rは特に限定されないが、光学系のコンパクト化の観点から、半径rは小さいことが好ましく、ロッドレンズの加工時の取り扱いの観点からは、半径rが大きいことが好ましい。このため、ロッドレンズの半径rは、0.05〜1mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmの範囲である。
また、ロッドレンズの中心軸の屈折率nは、1.4〜1.6であることが、ロッドレンズを構成する材料的な選択肢が広くなり、良好な屈折率分布を形成しやすくなる等の観点から好ましい。
さらに、ロッドレンズの屈折率分布定数gも特に限定されるものではないが、光学系のコンパクト化や光学系の作動距離の確保や取り扱い性の観点から、0.2〜3mm−1の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜2mm−1の範囲である。
本発明で使用されるロッドレンズにおいては、中心軸から0.6r以上の外周部に、ロッドレンズを伝送する光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有する光吸収層を設けることが好ましい。これは、一般に、ロッドレンズでは、中心軸から離れるにつれて、屈折率分布が理想分布から大きく外れた不整な部分が形成されやすく、これに起因する光学特性の低下を、ロッドレンズの外周部に光吸収層を設けることにより抑止するためである。光吸収層の厚みは50μm以上100μm以下が好ましい。光吸収層の厚みをこの範囲にすることにより、フレア光やクロストーク光を十分に除去できると共に、十分な透過光量を確保できる。
一般に、イメージセンサやLEDプリンタ等においては、光源として400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、使用する光吸収剤としては、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。このような光吸収剤としては、例えば、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin Blue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACR等、500〜600nmに吸収のある三井東圧染料MS Mag
enta HMー1450等、400〜500nmに吸収のある三井東圧染料MS Yellow HDー180等を例示することができる。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等を挙げることができる。これら光吸収剤は、単独で使用してもいよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
次に、上記のようなロッドレンズの製造方法として、モノマー相互拡散法により製造する方法について説明する。
まず、硬化後の屈折率nがn1>n2>・・・・>nN(N≧3)となるN個の未硬化状物を、中心から外周部に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、同心円状に積層した未硬化状の積層体(以下、「糸状体」という。)に賦形し、この糸状体の各層間の屈折率分布が連続的になるように隣接層間の物質の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、糸状体を硬化処理し、ロッドレンズ原糸を得る。なお、相互拡散処理とは、糸状体に窒素雰囲気下、10〜60℃、より好ましくは20〜50℃で数秒〜数分間の熱履歴を与えることをいう。必要に応じて、得られたロッドレンズ原糸を加熱延伸した後、緩和処理を行ってもよい。このようにして作製したロッドレンズ原糸は、適宜、所定のサイズに切断してロッドレンズとする。
この未硬化状物を構成する物質としては、ラジカル重合性ビニル単量体、またはラジカル重合性ビニル単量体と該単量体に可溶な重合体とよりなる組成物などを用いることができる。
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としてはメチルメタクリレート(n=1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.61)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類たとえばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他のジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら未硬化状物から糸状体を形成する際の未硬化状物の粘度調整を容易にするため、及び糸状体の中心から外周へ向かい連続的な屈折率分布を持たせるため、前記の未硬化状物はビニル系単量体と可溶性ポリマーとで構成されていることが好ましい。
ここに用いうるポリマーとしては、前記のラジカル重合性ビニル単量体から生成するポリマーと相溶性が良いことが必要であり、例えばポリメチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリレート系コポリマー(n=1.47〜1.50)、ポリ4−メチルペンテン−1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(n=1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(n=1.40〜1.46)、ポリフッ化アルキル(メタ)アクリレートポリマー等が挙
げられる。
粘度を調整するため、各層に同一の屈折率を有するポリマーを用いた場合には、中心から外周に向かって連続的な屈折率分布を有するプラスチック光伝送体が得られるので好ましい。特に、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れ及びそれ自体の屈折率も高いので本発明の屈折率分布型光伝送体を作成するに際して用いるポリマーとしては好適なものである。
前記未硬化状物より形成した糸状体を硬化するには、未硬化物中に熱硬化触媒あるいは光硬化触媒を添加し、熱処理および/または光硬化処理を行う。熱硬化触媒としてはパーオキサイド系又はアゾ系の触媒等が用いられる。光硬化触媒としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4'-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2-ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
光硬化処理としては、光触媒を含有させた未硬化状物に周囲から紫外線を照射することにより行うことができる。光硬化処理に用いる光源としては、150〜600nmの波長の光を発生する炭素アーク灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、レーザー光等が挙げられる。また、重合率を上げるためにこれらの光源を適宜組み合わせて使用してもよい。
熱硬化処理としては、熱硬化触媒を含有させた未硬化状物を、一定の温度に制御された加熱炉等の硬化処理部で所定時間熱処理することにより行うことが加熱延伸はバッチ方式で行ってもよいし、連続的に行ってもよい。また、加熱延伸工程と緩和工程は連続的に行ってもよいし、工程毎に分離して行ってもよい。
このようにして得られたロッドレンズ原糸は、連続的に所望の長さに切断してもよく、ボビン等に巻き取った後、切断を行ってもよい。以上のようにして得られたロッドレンズの熱変形温度は、一般に、75〜95℃程度のものとなる。
本発明のロッドレンズの製造方法は、上記のようにして得られたロッドレンズを、さらに、ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で熱処理を行う。
このような温度で熱処理を行うことにより、前述したと同様に、ロッドレンズの熱変形温度を高めることができ、高温環境下でもロッドレンズの変形を抑止し、レンズアレイの耐熱特性を向上させることができる。熱処理は6時間以上行うことが、耐熱特性をより向上させることができるため好ましい。
また、熱処理時の湿度は特に限定されないが、ロッドレンズにダメージを与えるような条件で無ければ良く、相対湿度で0〜90%程度が好ましい。相対湿度が100%に近い条件では、恒温恒湿機等からロッドレンズを取り出した時に(冷却による)結露が発生するため好ましくない。
熱処理の方法は、ロッドレンズを均一に熱処理できる方法であれば特に制限されるものではなく、加熱オーブンや熱風乾燥機の中で行ってもよく、また、相対湿度がコントロールされた恒温恒湿機中で行っても良い。また、ロッドレンズにダメージを与えない流動パラフィン等の液体の中で行ってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例において屈折率分布の測定は、カールツァイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用いて公知の方法により実施した。
また、解像度の測定は、空間周波数4(ラインペア/mm、Lp/mm)を有する格子、光軸に垂直な両端面を研磨したロッドレンズおよびレンズアレイに光源からの光を格子パターンを通して入射させ、結像面に設置したCCDラインセンサにより格子画像を読み取り、その測定光量の最大値(imax)と最小値(imin)を測定し、次式(2)によりMTF(モデレーション・トランスファー・ファンクション)を求めた。ここで空間周波数とは、白ラインと黒ラインとの組み合わせを1ラインとし、このラインの組み合わせが1mmの幅の中に何組設けてあるかを示すものである。
Figure 2005178361
また、熱変形温度の測定は、ASTM D648に定められている方法に準じて行った。
<実施例1>
前述したようなモノマー相互拡散法によって、半径rが0.30mm、中心軸の屈折率が1.506、中心軸から0.22r〜0.78rの範囲における屈折率分布が前記式(1)で近似でき、740nmの波長の光についての屈折率分布定数gが0.87mm−1で、熱変形温度が78℃であるロッドレンズを得た。このロッドレンズは、中心から0.73r〜0.99rの範囲に、染料をほぼ均一に含有する光吸収層が約78μmの厚みで形成されていた。
得られたロッドレンズを70℃に設定した乾燥機中(相対湿度30%以下)で24時間熱処理した。処理後のロッドレンズの熱変形温度は89℃であった。
このロッドレンズを多数本使用して、前述したと同じ方法で、厚さ1.0mmのフェノール樹脂製の第1基板と第2基板を用い、2枚の基板間に隣接するロッドレンズが互いに密接するように俵積み状に2段にロッドレンズ列が配列し、接着剤(カーボンブラックを2質量%添加したソマール社製エピフォーム)で接着固定したロッドレンズ長が4.2mmのレンズアレイを得た。
得られたレンズアレイの740nmの波長の光における共役長は9.15mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であった。このレンズアレイを、70℃に設定した乾燥機中で100時間熱処理した。処理したレンズアレイの740nmの波長の光における共役長は9.15mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であり、熱処理の前後で光学特性に変化がなく、耐熱特性に優れたものであった。
<比較例1>
ロッドレンズの熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてレンズアレイを得た。得られたレンズアレイの740nmの波長の光における共役長は9.10mm、12Lp/mmのMTFの平均値は70%であった。このレンズアレイを、70℃に設定した乾燥機中で100時間熱処理した。熱処理したレンズアレイの740nmの波長の光における共役長は8.90mm、熱処理前の共役長で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は65%であり、熱処理により光学特性の低下が見られた。
<実施例2>
ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40、MEK中、25℃にて測定、以下の実施例および比較例においてポリメチルメタクリレートとしてはこれと同じものを用いた。)47質量部、下記式で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート30質量部、
Figure 2005178361
メチルメタクリレート23質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25質量部及びハイドロキノン0.1質量部を70℃に加熱混練して第1層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート50質量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルメタクリレート10質量部、メチルメタクリレート40質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25質量部及びハイドロキノン0.1質量部を70℃に加熱混練して第2層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート50質量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート10質量部、メチルメタクリレート40質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25質量部、ハイドロキノン0.1質量部を70℃に加熱混練して第3層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート50質量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート10質量部、メチルメタクリレート40質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25質量部、ハイドロキノン0.1質量部を70℃に加熱混練して第4層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート42質量部、メチルメタクリレート18質量部、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート40質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25質量部、ハイドロキノン0.1質量部を70℃に加熱混練して第5層形成用原液とした。
なお、クロストーク光やフレア光を抑制する目的で、加熱混練前の第4層及び第5層用の各原液中に原液全体に対して染料Blue ACR(日本化薬(株)製)0.12質量%、染料MS Yellow HD−180(三井東圧染料(株)製)0.10質量%、染料MS Magenta HM−1450(三井東圧染料(株)製)0.08質量%を添加した。
この5種類の原液を、中心から順次、硬化後の屈折率が低くなるように配列して同心円状5層複合紡糸ノズルから同時に押し出した。複合紡糸ノズルの温度は54℃であった。各層の吐出比は、レンズの半径方向の各層の厚さ(1層目においては半径)の比に換算して、1層目/2層目/3層目/4層目/5層目=18/50/26/5/1とした。
次いで、複合紡糸ノズルから押し出された糸状体を、ニップローラーで引き取り(300cm/分)、長さ30cmの相互拡散処理部を通し、続いて長さ120cm、40Wのケミカルランプ18本が中心軸の周囲に等間隔に配設された第1硬化処理部(光照射部)および2KWの高圧水銀灯3本が中心軸の周囲に等間隔に配設された第2硬化処理部(光照射部)の中心上に糸状体を通過させて硬化させた。相互拡散処理部における窒素流量は72L/分であった。得られたレンズ原糸の半径は0.24mmであった。
このレンズ原糸を、紡糸工程から連続的に、135℃の雰囲気下で2.2倍に延伸(延伸ローラーの速度660cm/分)し、160℃の雰囲気下で緩和率が10/11になるように緩和処理(緩和ローラーの速度600cm/分)を行い、切断工程において166mmの長さに切断して、166mmの長さのロッドレンズを多数得た。
得られたロッドレンズの半径は0.17mm、中心屈折率は1.497、中心軸から外周部に向かう0.2r〜0.8rの範囲において屈折率分布が式(1)に近似され、525nmの波長において屈折率分布定数gは0.84mm-1であった。また、ロッドレンズの外周面から中心部に向かって約10μmの厚さの、染料がほぼ均一に混在する層が形成されていた。また、熱変形温度は75℃であった。
得られたロッドレンズを70℃に設定した乾燥機中(相対湿度30%以下)で無張力下で24時間熱処理した。処理後のロッドレンズの熱変形温度は84℃であった。
このロッドレンズを多数本使用して、ロッドレンズの配列ピッチが0.35mm(隣接レンズ間の隙間10μm)の1列のロッドレンズアレイを作製した(レンズ長が4.4mm)。作製したロッドレンズアレイの525nmにおける共役長は10.0mm、12Lp/mmのMTFの平均値は75%であった。このロッドレンズアレイを、60℃相対湿度90%に設定した恒温恒湿機中で1000時間静置した後、耐熱性の試験を実施した。処理後のレンズアレイの525nmの波長の光における共役長は10.0mm、12Lp/mmのMTFの平均値は75%であり、熱処理の前後で光学特性に変化がなく、耐熱特性に優れたものであった。
<比較例2>
ロッドレンズの熱処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様にしてレンズアレイを得た。得られたレンズアレイの525nmの波長の光における共役長は10.0mm、12Lp/mmのMTFの平均値は75%であった。このレンズアレイを、60℃相対湿度90%に設定した恒温恒湿機中で1000時間熱処理した。処理後のレンズアレイの525nmの波長の光における共役長は9.60mm、処理前の共役長で測定した12Lp/mmのMTFの平均値は45%であり、光学特性の低下が見られた。
<実施例3>
実施例2のロッドレンズ多数本を60℃相対湿度90%に設定した恒温恒湿機中で24時間処理した。処理後のロッドレンズの熱変形温度は84℃であった。
これらのロッドレンズ用いて実施例2と同様にして1列のロッドレンズアレイを作製した(レンズ長が4.4mm)。作製したロッドレンズアレイの525nmにおける共役長は10.0mm、12Lp/mmのMTFの平均値は75%であった。このロッドレンズアレイを、60℃相対湿度90%に設定した恒温恒湿機中で1000時間熱処理した。処理後のレンズアレイの525nmの波長の光における共役長は10.0mm、12Lp/mmのMTFの平均値は75%であり、熱処理の前後で光学特性に変化がなく、耐熱特性に優れたものであった。

Claims (12)

  1. 中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有するプラスチック製ロッドレンズを、該ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、該ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴としたプラスチック製ロッドレンズの製造方法。
  2. 中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有するプラスチック製ロッドレンズを加熱延伸した後、緩和処理を行い、その後、該ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、該ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴としたプラスチック製ロッドレンズの製造方法。
  3. 前記ロッドレンズが、硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn1、n2、・・・、nN(N≧3)であるN個の未硬化状物を中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少するように同心円状に積層したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して製造して得られるものである請求項1または2記載の方法。
  4. 前記熱処理を6時間以上行うことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記熱処理を前記ロッドレンズに張力をかけずに行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する多数本のプラスチック製ロッドレンズを二枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように配列固定するロッドレンズアレイの製造方法であって、
    配列した前記ロッドレンズを接着剤で固定するまでの間に、前記ロッドレンズを前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、前記ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴としたプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法。
  7. 第1基板と第2基板の2枚の基板間に中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する複数本のプラスチック製ロッドレンズが平行に配列された構造のロッドレンズアレイの製造方法であって、
    配列用治具上に複数本のロッドレンズを、各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行方向となるように並列配置してロッドレンズ列を形成するロッドレンズ配列工程と、第1基板の一方の面と前記配列用治具上のロッドレンズ列との間に接着剤を配置し、第1基板上に前記ロッドレンズ列を転写して接着固定する第1基板固定工程と、
    前記第1基板上に固定された前記ロッドレンズ列と第2基板の一方の面との間に接着剤を配置し、前記ロッドレンズ列と前記第2基板とを接着固定する第2基板固定工程とを備え、
    前記第1基板固定工程より前の工程で、前記ロッドレンズを、前記ロッドレンズの熱変形温度より20℃低い温度以上で、前記ロッドレンズの熱変形温度以下の温度で、熱処理することを特徴としたプラスチック製ロッドレンズアレイの製造方法。
  8. 前記第1基板固定工程の後に、前記第1基板に固定されたロッドレンズ列の表面と、前記配列用治具上に配列された別のロッドレンズ列との間に接着剤を配置し、前記前記第1基板に固定されたロッドレンズ列上に前記配列用治具上のロッドレンズ列を転写して接着固定する工程を1回以上繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記ロッドレンズ配列工程において、ロッドレンズ列を複数列積み重ねることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記熱処理を6時間以上行うことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記熱処理を前記ロッドレンズに張力をかけずに行うことを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で製造したプラスチック製ロッドレンズを二枚の基板間に各ロッドレンズの中心軸が互いに略平行となるように配列固定したロッドレンズアレイ。


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