JP5618048B2 - ロッドレンズのレンズ長決定方法を用いたロッドレンズアレイの製造 - Google Patents
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Description
上記特許文献1では、製造条件の変動に起因するロッドレンズの共役長の変動量を所定量以下とすることで、製品間のMTFの変動も少なくして、歩留まりを高めている。
本発明のロッドレンズのレンズ長決定方法は、基準位置を挟んで互いに等距離離間した対称な位置に、それぞれ画像とこの画像からの光を受光する受光装置とを配置すると共に、前記画像から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置する配置工程と、
前記画像と前記受光装置とを、前記基準位置から前記光軸方向に沿って互いに反対方向に等距離ずつ移動させることにより、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって前記画像と前記受光装置との間の測定距離を変化させ、各測定距離においてロッドレンズの光学特性を測定する測定工程と、
この測定結果から、ロッドレンズの最適な光学特性を示す測定距離である最適距離を選択する選択工程と、
この選択された最適距離と設計上の共役長に基づいて、前記選択工程で選択される最適距離が設計上の共役長と一致するようなロッドレンズのレンズ長を算出する算出工程と、を備えたことを特徴としている。
また、このように構成された本発明によれば、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって光学特性を測定し、その結果、最適な光学特性が得られる測定距離が設計上の共役長からずれている場合に、最適な光学特性が得られる測定距離が設計上の共役長と一致するようなレンズ長を算出する。
このロッドレンズアレイ1は、所定の共役長を有するように設定されている。共役長とは、ロッドレンズを挟んで位置した画像面とその画像の等倍結像面との間の距離である。
ロッドレンズアレイ1は、ロッドレンズ1aの長手方向(軸方向)が光軸7と平行になり、照明装置10側からの測定光がロッドレンズ1aを通過するようにテーブル16に載置される。駆動部17によってテーブル16が移動することにより、測定光が各ロッドレンズ1aを順次に通過する。
コントローラ19は、制御プログラムに応じて、切替部12cを駆動して所望の光学フィルタ12a,12bに選択的に切替える。また、コントローラ19は、駆動部17を駆動して、所定速度でテーブル16を移動させる。
コントローラ19は、光量レベルの最大値(又は極大値)imaxと、最小値(又は極小値)iminとを検出し、これから次式に基づいて、コントラスト再現率であるMTFを算出する。
コントローラ19は、ロッドレンズアレイ1の各移動部位に対してMTFを算出し、これらMTF値からロッドレンズアレイ1の代表的なMTF値を算出する。代表的なMTF値としては、各部位のMTF値の平均値,MTF値の最低値,特定部位のMTF値等であってよい。
本実施形態では、まず、同じロットで製造された所定長さのロッドレンズを2枚のフレームで挟持し、レンズ長が設計上のレンズ長Z0となるように加工して、1つ又は複数のテスト用のロッドレンズアレイ2を形成する。
このロッドレンズアレイ2は、上述のようにレンズ長が設計上のレンズ長Z0に設定されており、設計上は共役長がTcとなり、この共役長Tcで最大のMTFが得られることが期待される。本実施形態では、レンズ長Z0が4.4mm,共役長Tcが10.0mmに設定されている。
したがって、格子14の位置Pと受光装置18の位置Qの中間位置を基準位置Oとすると、位置P及び位置Qは、光軸7上で基準位置Oを挟んで互いに等距離離間した対称な位置に位置する。ここでは、位置P及び位置Qは、それぞれ光軸7方向において基準位置OからTc/2だけ離間した対称な位置となる(OP=OQ)。図中、符号8は、基準位置Oを通り光軸7と直交する線を表しており、ロッドレンズアレイは、この線8に沿って移動装置15によって移動する。
しかしながら、図5に示すように、ロッドレンズアレイ2の載置された位置Nが、格子14側又は受光装置18側のどちらかに僅かにずれる場合がある。図5では、ロッドレンズアレイ2は、受光装置18側にΔd(Δd=NO>0)だけずれている。
この場合、照明装置10の波長選択機構12において、光学フィルタ12a,12bを切替えて、2種類の特定波長(本実施形態では、青色光と赤色光)についてMTFを測定する。
図7から分かるように、MTF曲線A,Bはそれぞれ測定距離DA,DBで最大値(極大値)をとるような凸状の山形形状となる。すなわち、各測定波長において、測定距離DA,DBで最良の光学特性(MTF)が得られ、この測定距離から離れるにしたがって、光学特性は低下していく。
本実施形態では、選択した測定波長DC,設計上の共役長Tcおよび設計上のレンズ長Zoに基づいて、次式から新たなレンズ長Z0Cを算出する。なお、式中Cは補正係数である。補正定数CはTcが0.1mm変化した際のZoの変化量を示したものである。
Z0C=(DC−Tc)×C+Z0
ここで、補正係数Cは、ロッドレンズの材料,屈折率分布等に応じて算出されたものであり、例えばC=13/100である。Cの算出は以下のようにして行う。
Tc=Zo+2Lo
Lo=−1/n0g・tanZoπ/P
P=2π/g
(n0:中心屈折率、g:屈折率分布定数、Zo:素子長、P:1周期長)
ここで、上記式より
Tc=Zo+2〔−1/n0g・tan(Zog/2)〕
n0及びgは定数なので、n0=1.497及びg=0.84とし、上記式に代入する。これにより、式はTc及びZoを変数とする式に変形でき、補正定数が算出可能となる。
また、式中、(DC−Tc)×Cは、レンズ長の補正量に相当する。
このように、新たなレンズ長Z0Cの算出を、テスト用の複数のロッドレンズアレイ2について行い、これらを平均等して、最終的な加工寸法であるレンズ長Z0Cを算出してもよい。
しかしながら、レンズ長をZ0Cに補正してロッドレンズアレイ1を製造した場合には、ほとんどのロッドレンズアレイ1で共役長TcにおけるMTF値が許容値aを上回り、歩留まりを高めることができる。
1a ロッドレンズ
1b フレーム
2 ロッドレンズアレイ
7 光軸
10 照明装置
11 光源
12 波長選択機構
12a,12b 光学フィルタ
12c 切替部
13 拡散板
14 格子
15 移動装置
16 テーブル
17 駆動部
18 受光装置
19 コントローラ
M 測定装置
Claims (4)
- 配列された複数のロッドレンズと、これらロッドレンズを挟持するフレームと、を備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、
配列された複数のロッドレンズをフレームで挟持した複数のレンズ組立体を形成する工程と、
ロッドレンズのレンズ長決定方法により、製造ロット毎に所定数の前記レンズ組立体のロッドレンズ長を算出する工程と、
製造ロット単位で、複数の前記レンズ組立体のレンズ長を、前記ロッドレンズ長に加工する工程と、を備え、
前記ロッドレンズのレンズ長決定方法が、
基準位置を挟んで互いに等距離離間した対称な位置に、それぞれ画像とこの画像からの光を受光する受光装置とを配置すると共に、前記画像から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置する配置工程と、
前記画像と前記受光装置とを、前記基準位置から前記光軸方向に沿って互いに反対方向に等距離ずつ移動させることにより、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって前記画像と前記受光装置との間の測定距離を変化させ、各測定距離においてロッドレンズの光学特性を測定する測定工程と、
この測定結果から、ロッドレンズの最適な光学特性を示す測定距離である最適距離を選択する選択工程と、
この選択された最適距離と設計上の共役長に基づいて、前記選択工程で選択される最適距離が設計上の共役長と一致するようなロッドレンズのレンズ長を算出する算出工程と、を備えた、ことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法。 - 前記測定工程では、ロッドレンズの光学特性としてMTFを測定し、
前記配置工程では、前記基準位置を挟んで互いに等間隔離間した対称な位置にMTF測定装置のMTF測定用の格子とMTF測定装置の受光装置とを配置すると共に、前記格子から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置することを特徴とする請求項1に記載のロッドレンズアレイの製造方法。 - 前記測定工程では、異なる2つの波長について、それぞれMTFを測定し、
前記選択工程では、前記異なる2つに波長についてのMTFが一致する測定距離を最適距離として選択することを特徴とする請求項2に記載のロッドレンズアレイの製造方法。 - 前記算出工程では、前記選択された最適距離と設計上の共役長との差に、ロッドレンズに応じて設定された補正係数を乗算することにより、レンズ長の補正長さを算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロッドレンズアレイの製造方法。
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