JP2011164383A - ロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法 - Google Patents

ロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロッドレンズのレンズ長を補正することにより、ロッドレンズアレイの歩留まりを高めることが可能なロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法を提供する。
【解決手段】基準位置Oを挟んで互いに等距離離間した対称な位置に、格子14と受光装置18を配置すると共に、基準位置Oにロッドレンズを配置する配置工程と、格子14と受光装置18を基準位置Oから互いに反対方向に等距離ずつ移動させることにより、共役長Tcの前後にわたって測定距離Dを変化させ、各測定距離Dにおいてロッドレンズの光学特性を測定する測定工程と、この測定結果から、ロッドレンズの最適な光学特性を示す最適距離DCを選択する選択工程と、この選択された最適距離DCと共役長Tcに基づいて、レンズ長を変更した場合に最適距離DCが設計上の共役長Tcと一致するようなレンズ長を算出する算出工程と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法に係り、特に良好なMTFを有するロッドレンズアレイを製造するためのロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法に関する。
ロッドレンズアレイは、半径方向に屈折率分布を有する屈折率分布型ロッドレンズを、2枚のフレームの間に多数配列した構造を有し、1対1結像光学系として機能する。このようなロッドレンズアレイは、プリンタ,複写機等における光学部品として広く用いられており、ロッドレンズアレイの光学性能はこれらの機器の品質性能に大きな影響を及ぼす。
このような、ロッドレンズアレイは、これに含まれるロッドレンズが所定のレンズ長Z0となるように形成され、これにより要求を満たす共役長Tc,光学性能が得られるように製造される(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ロッドレンズが要求されるレンズ長Z0となるようにロッドレンズアレイを製造し、要求される共役長TcでのMTFを測定する。そして、測定されたMTFが要求値以上であれば、このロッドレンズアレイは、要求品質を満たしている良品とされる。
上記特許文献1では、製造条件の変動に起因するロッドレンズの共役長の変動量を所定量以下とすることで、製品間のMTFの変動も少なくして、歩留まりを高めている。
特開2004−341510号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、MTFが要求値以上の製品が製造される場合はよいが、例えばあるロットについて、MTFが要求値に満たない製品の割合が高くなってしまった場合には、このロットについては、歩留まりが低くなってしまうという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ロッドレンズのレンズ長を補正することにより、MTFが要求値に満たないロッドレンズを、レンズ長を変えることで該ロッドレンズのMTF値を要求値とし、ロッドレンズアレイの歩留まりを高めることが可能なロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のロッドレンズのレンズ長決定方法は、基準位置を挟んで互いに等距離離間した対称な位置に、それぞれ画像とこの画像からの光を受光する受光装置とを配置すると共に、前記画像から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置する配置工程と、
前記画像と前記受光装置とを、前記基準位置から前記光軸方向に沿って互いに反対方向に等距離ずつ移動させることにより、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって前記画像と前記受光装置との間の測定距離を変化させ、各測定距離においてロッドレンズの光学特性を測定する測定工程と、
この測定結果から、ロッドレンズの最適な光学特性を示す測定距離である最適距離を選択する選択工程と、
この選択された最適距離と設計上の共役長に基づいて、前記選択工程で選択される最適距離が設計上の共役長と一致するようなロッドレンズのレンズ長を算出する算出工程と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって光学特性を測定し、その結果、最適な光学特性が得られる測定距離が設計上の共役長からずれている場合に、最適な光学特性が得られる測定距離が設計上の共役長と一致するようなレンズ長を算出する。
これにより、算出したレンズ長を有するようにロッドレンズのレンズ長を変更することで、要求される共役長での光学特性を向上させることができる。したがって、レンズ長を変更する前のロッドレンズでは、共役長において、要求される光学特性を発揮できない場合であっても、レンズ長を変更することで、共役長において、要求される光学特性を発揮できる場合が生じる。このようなレンズ長の変更をロット単位で行うことにより、各ロットにおいて、光学特性が向上され、高い歩留まりの製品を製造することが可能となる。
また、本発明において好ましくは、測定工程では、ロッドレンズの光学特性としてMTFを測定し、配置工程では、基準位置を挟んで互いに等間隔離間した対称な位置にMTF測定装置のMTF測定用の格子とMTF測定装置の受光装置とを配置すると共に、格子から受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように基準位置にロッドレンズを配置する。
また、本発明において好ましくは、測定工程では、異なる2つの波長について、それぞれMTFを測定し、選択工程では、異なる2つに波長についてのMTFが一致する測定距離を最適距離として選択する。
また、本発明において好ましくは、算出工程では、選択された最適距離と設計上の共役長との差に、ロッドレンズに応じて設定された補正係数を乗算することにより、レンズ長の補正長さを算出する。
上記の目的を達成するために、本発明のロッドレンズアレイの製造方法は、配列された複数のロッドレンズと、これらロッドレンズを挟持するフレームと、を備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、配列された複数のロッドレンズをフレームで挟持したレンズ組立体を形成する工程と、前記レンズ組立体が有するロッドレンズの長さが、上記ロッドレンズのレンズ長決定方法を用いて算出したレンズ長となるように前記レンズ組立体を加工する工程と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、ロッドレンズの長さを上記レンズ長決定方法で算出したレンズ長とすることで、製造されるロッドレンズアレイの設計上の共役長における光学性能を向上させ、高い歩留まりを達成することが可能となる。
本発明のロッドレンズのレンズ長決定方法および該方法を用いたロッドレンズアレイの製造方法によれば、ロッドレンズのレンズ長を補正することにより、ロッドレンズアレイの歩留まりを高めることができる。
本発明の実施形態におけるMTF測定装置の概略構成図である。 本発明の実施形態におけるロッドレンズアレイの斜視図である。 本発明の実施形態における格子の説明図である。 本発明の実施形態における光量レベルの時間変化を表すグラフである。 本発明の実施形態における配置工程の説明図である。 本発明の実施形態における測定工程の説明図である。 本発明の実施形態における測定工程で得られるMTF特性を示すグラフである。 本発明の実施形態における補正レンズ長のロッドレンズアレイのMTF特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1はMTF測定装置の概略構成図、図2はロッドレンズアレイの斜視図、図3は格子の説明図、図4は光量レベルの時間変化を表すグラフ、図5は配置工程の説明図、図6は測定工程の説明図、図7は測定工程で得られるMTF特性を示すグラフ、図8は補正レンズ長のロッドレンズアレイのMTF特性を示すグラフである。
本実施形態では、図1に示すようなMTF測定装置Mを用いて、ロッドレンズアレイ1の光学特性であるMTF(Modulation Transfer Function)を測定する。このMTF測定装置Mは、照明装置10と、MTF測定用の格子14と、検査対象のロッドレンズアレイ1を載置し所定方向に移動させる移動装置15と、受光装置18と、これらを制御するコントローラ19を備えている。照明装置10,格子14,ロッドレンズアレイ1,受光装置18は、光軸7上に配列されている。
図2に示すように、測定対象であるロッドレンズアレイ1は、半径方向に屈折率分布を有する多数の屈折率分布型ロッドレンズ1aと、これらを挟持する矩形状の2枚のフレーム1bとを備えている。複数のロッドレンズ1aは、同一のレンズ長を有しており、軸方向が互いに平行となるように配列されている。
このロッドレンズアレイ1は、所定の共役長を有するように設定されている。共役長とは、ロッドレンズを挟んで位置した画像面とその画像の等倍結像面との間の距離である。
本実施形態の照明装置10は、白色光を発光する光源(ハロゲンランプ)11と、発光された白色光を受けて、所定の特定波長の光のみを透過させる波長選択機構12と、波長選択機構12から出力される測定光を拡散させて格子14側に出力する拡散板13とを備えている。拡散板13は、測定光に指向性が残る可能性をなくすために設けられている。
波長選択機構12は、2枚の異なる波長選択性を有する光学フィルタ12a,12bと、これらを選択的に切替える切替部12cを備えている。切替部12cは、エアシリンダ等から構成されたアクチュエータで構成することができる。この光学フィルタ12a,12bは、それぞれ特定波長の青色光、赤色光のみを透過させるように選択されている。
格子14は、特定の空間周波数を有する格子であり、受光装置18に白黒交互の格子状の画像を提供する。図3に示すように、格子14は、同じ幅を有する透光部分(白色部分)と遮光部分(黒色部分)とが交互に配列されて構成されている。透光部分と遮光部分の組み合わせからなる格子パターンの周期が空間周波数で表される。空間周波数は、透光部分と遮光部分の組み合わせを1ラインペア(幅l)とし、このラインペアが1mmの幅Lの間に何組設けてあるかを示すものであり、単位を「Lp/mm」で表す。本実施形態では、12、6、または4(Lp/mm)の格子14を用いる。なお、図3及び図4は、理解の容易のため、4ラインペアの例を示している。
移動装置15は、ロッドレンズアレイ1を載置するテーブル16と、このテーブル16を光軸7と直交する方向に連続的に移動させるモータや減速機構等から構成された駆動部17とを備えている。
ロッドレンズアレイ1は、ロッドレンズ1aの長手方向(軸方向)が光軸7と平行になり、照明装置10側からの測定光がロッドレンズ1aを通過するようにテーブル16に載置される。駆動部17によってテーブル16が移動することにより、測定光が各ロッドレンズ1aを順次に通過する。
受光装置18は、光センサ(受光素子)からなる。光センサは、CCDセンサやCMOSセンサから構成され、ロッドレンズアレイ1からの検査光の強度を検出し、コントローラ19に出力するように構成されている。
コントローラ19は、CPU,制御プログラム等を記憶したメモリ等からなるマイクロコンピュータで構成されており、波長選択機構12の切替部12c,移動装置15の駆動部17,受光装置18等に接続されている。
コントローラ19は、制御プログラムに応じて、切替部12cを駆動して所望の光学フィルタ12a,12bに選択的に切替える。また、コントローラ19は、駆動部17を駆動して、所定速度でテーブル16を移動させる。
また、コントローラ19は、受光装置18からの検出信号に基づいて、光量レベルの時間変化(図4参照)を図示しない表示装置に表示すると共に、光量レベルの時間変化からMTFを算出する。
コントローラ19は、光量レベルの最大値(又は極大値)imaxと、最小値(又は極小値)iminとを検出し、これから次式に基づいて、コントラスト再現率であるMTFを算出する。
Figure 2011164383
このMTFは、値が高い程レンズの性能が良好であることを示す。
コントローラ19は、ロッドレンズアレイ1の各移動部位に対してMTFを算出し、これらMTF値からロッドレンズアレイ1の代表的なMTF値を算出する。代表的なMTF値としては、各部位のMTF値の平均値,MTF値の最低値,特定部位のMTF値等であってよい。
次に、本実施形態のロッドレンズアレイの製造方法について説明する。
本実施形態では、まず、同じロットで製造された所定長さのロッドレンズを2枚のフレームで挟持し、レンズ長が設計上のレンズ長Z0となるように加工して、1つ又は複数のテスト用のロッドレンズアレイ2を形成する。
したがって、使用されるロッドレンズは、設計上のレンズ長Z0よりもわずかに長いものが用意され、これを用いてフレームにより挟持してレンズ組立体を製作し、レンズ長がZ0となるように、切削及び研磨加工を施すことにより、ロッドレンズアレイ2が製造される。
このロッドレンズアレイ2は、上述のようにレンズ長が設計上のレンズ長Z0に設定されており、設計上は共役長がTcとなり、この共役長Tcで最大のMTFが得られることが期待される。本実施形態では、レンズ長Z0が4.4mm,共役長Tcが10.0mmに設定されている。
そして、後述のレンズ長決定方法により、ロッドレンズアレイ1が有するロッドレンズ1aの最終的なレンズ長Z0Cを算出する。このレンズ長決定方法では、1つ又は複数のテスト用のロッドレンズアレイ2に基づいて、ロッドレンズのレンズ長(軸方向長さ)の最終長さZ0Cを算出する。
同じロットで製作されたレンズ組立体については、ロッドレンズアレイ1に含まれるロッドレンズ1aが、算出した最終長さZ0Cとなるように端面が切削および研磨されて、ロッドレンズアレイ1が製造される。
本実施形態のレンズ長決定方法では、まず、図5に示すように、格子14と受光装置18の受光位置Qとを、ロッドレンズアレイ1の設計上の共役長Tcだけ離間させた状態で、ロッドレンズアレイ2を移動装置15のテーブル16上に載置する。このとき、ロッドレンズアレイ2のロッドレンズの軸方向を光軸7と平行に配置する。
したがって、格子14の位置Pと受光装置18の位置Qの中間位置を基準位置Oとすると、位置P及び位置Qは、光軸7上で基準位置Oを挟んで互いに等距離離間した対称な位置に位置する。ここでは、位置P及び位置Qは、それぞれ光軸7方向において基準位置OからTc/2だけ離間した対称な位置となる(OP=OQ)。図中、符号8は、基準位置Oを通り光軸7と直交する線を表しており、ロッドレンズアレイは、この線8に沿って移動装置15によって移動する。
ロッドレンズアレイ2は、ロッドレンズの長手方向の中央位置Nが、基準位置Oと一致するように配置しなければならない。図中、符号9は、中央位置Nを通り光軸7と直交し、且つ、線8と平行な線を表している。
しかしながら、図5に示すように、ロッドレンズアレイ2の載置された位置Nが、格子14側又は受光装置18側のどちらかに僅かにずれる場合がある。図5では、ロッドレンズアレイ2は、受光装置18側にΔd(Δd=NO>0)だけずれている。
本実施形態では、このずれΔdを補正するため、格子14及び受光装置18を固定した状態で、ロッドレンズアレイ2を図5において左右に少しずつ移動させる。そして、移動させた複数の位置の各々で、ロッドレンズアレイ2を光軸7と直交する方向に移動させてMTFを測定する。例えば、左右で1mmの範囲を10μmずつ移動させて、各移動位置でMTFを測定する。
このようにしてMTFを測定した場合、ロッドレンズアレイ2の中央位置Nが、格子14と受光装置18の中央位置である基準位置Oと一致したときに、最大のMTFが観測される。したがって、測定の結果、最大のMTFを示した移動位置にロッドレンズアレイ2をセットする。これにより、ロッドレンズアレイ2は、基準位置Oに配置される。
次いで、図6に示すように、ロッドレンズアレイ2を基準位置Oに保持して左右方向位置を固定した状態で、格子14および受光装置18が計測距離Dだけ離間し、且つ、基準位置O(すなわちロッドレンズアレイ2の中央位置N)から等距離(D/2)となるようにして、計測距離Dを格子14と受光装置18とを共役長の前後にわたって変化させる。すなわち、格子14および受光装置18を光軸7に沿って、互いに反対方向に等距離ずつ移動させる。これにより、格子14および受光装置18は、ロッドレンズアレイ2に対して対称な位置を保持した状態で、光軸7の方向において、ロッドレンズアレイ2を中心として互いに近づき又は離れる。この場合、例えば、図6において、左右方向に1mmの範囲を10μmずつ移動させることができる(すなわち、Tc−1.0mm≦D≦Tc+1.0mm)。本実施形態では、測定距離Dは、9.0mm〜11.0mmの範囲である。
そして、各計測距離Dだけ離間した状態で、ロッドレンズアレイ2を光軸7と直交する方向に移動させて、ロッドレンズアレイ2のMTFを測定する。
この場合、照明装置10の波長選択機構12において、光学フィルタ12a,12bを切替えて、2種類の特定波長(本実施形態では、青色光と赤色光)についてMTFを測定する。
図7に、このようにして測定されたMTFと測定距離Dとの関係を示す。グラフ中、曲線A,Bは、それぞれ青色光,赤色光で測定したMTFを示している。
図7から分かるように、MTF曲線A,Bはそれぞれ測定距離DA,DBで最大値(極大値)をとるような凸状の山形形状となる。すなわち、各測定波長において、測定距離DA,DBで最良の光学特性(MTF)が得られ、この測定距離から離れるにしたがって、光学特性は低下していく。
このように、MTF曲線A,Bは共に最大値をとるが、最大値となる測定距離は一致しない。図7の例では、計測距離DAは設計上の共役長Tcよりも小さく、計測距離DBは設計上の共役長Tcよりも大きい。また、MTF曲線A,Bは、測定距離DC(>Tc)で交差している。
図7の例では、MTFの許容値がa(例えば、60%)に設定されている。好ましくは、MTF曲線A,Bが共役長Tcで交差し、この交差点のMTFが許容値a以上であれば、当該ロッドレンズアレイ2は良品となる。
しかしながら、図7の例におけるテスト用のロッドレンズアレイ2では、共役長Tcにおいて、MTF曲線Aは許容値aを上回っているが、MTF曲線Bは許容値aを下回っている。したがって、このロッドレンズアレイ2は、赤色光についてMTFの設計上の要求を満たしていないため、従来では不良品として廃棄されることになる。
本実施形態では、青色光及び赤色光に有利な測定距離を、測定の結果得られた図7のMTF曲線A,Bに基づいて選択する。図7のロッドレンズアレイ2では、測定距離DCでMTF曲線A,Bが交差し、MTF曲線A,Bが共に同一のMTF値を有すると共に、このMTF値が許容値aを上回っている。したがって、ロッドレンズの性能を最大に引き出す最適な光学特性を示す最適距離として、MTF曲線A,Bの交点の測定距離DCを選択する。
本実施形態では、レンズ長を変更したときにMTF曲線A,Bが交差する測定距離が共役長Tcと一致するようなレンズ長Z0Cを算出する。すなわち、図7の例では、最適距離が、設計共役長Tcと一致せず、共役長Tcからわずかにずれている。このため、本実施形態では、このずれをなくすようなレンズ長Z0Cを算出する。
本実施形態では、選択した測定波長DC,設計上の共役長Tcおよび設計上のレンズ長Zoに基づいて、次式から新たなレンズ長Z0Cを算出する。なお、式中Cは補正係数である。補正定数CはTcが0.1mm変化した際のZoの変化量を示したものである。
0C=(DC−Tc)×C+Z0
ここで、補正係数Cは、ロッドレンズの材料,屈折率分布等に応じて算出されたものであり、例えばC=13/100である。Cの算出は以下のようにして行う。
Tc=Zo+2Lo
Lo=−1/n0g・tanZoπ/P
P=2π/g
(n0:中心屈折率、g:屈折率分布定数、Zo:素子長、P:1周期長)
ここで、上記式より
Tc=Zo+2〔−1/n0g・tan(Zog/2)〕
n0及びgは定数なので、n0=1.497及びg=0.84とし、上記式に代入する。これにより、式はTc及びZoを変数とする式に変形でき、補正定数が算出可能となる。
また、式中、(DC−Tc)×Cは、レンズ長の補正量に相当する。
例えば、設計上のレンズ長Z0が4.4mm,設計上の共役長Tcが10.0mm、選択された測定距離DCが10.2mmであった場合、補正後のレンズ長Z0Cは、4.426mmとなる。
このように、新たなレンズ長Z0Cの算出を、テスト用の複数のロッドレンズアレイ2について行い、これらを平均等して、最終的な加工寸法であるレンズ長Z0Cを算出してもよい。
次いで、同じロットで得られたロッドレンズで製作したレンズ組立体(ロッドレンズアレイ)のレンズ端面を切削及び研磨加工して、レンズ長を、算出した補正後のレンズ長Z0Cに形成して、ロッドレンズアレイ1を製造する。したがって、この場合、まず、設計上のレンズ長Z0(4.4mm)よりも、長めのロッドレンズを用いてロッドレンズアレイを製作し、次いで、このロッドレンズアレイを切削及び研磨加工して、最終製品であるロッドレンズアレイ1を製造する。
図8に、このようにして製造されたロッドレンズアレイ1のMTF曲線A’,B’を示す。図8に示すように、MTF曲線A,Bは、測定距離DA’,DB’で最大値をとり、設計上の共役長Tcで交差する(Tc=Dc’)。共役長TcでのMTF値は、共に許容値aを超えている。
したがって、当該ロットで製造されたロッドレンズを設計上のレンズ長Z0(この場合、4.4mm)としてロッドレンズアレイ1を製造した場合には、相当数のロッドレンズアレイ1で、赤色検査光について、共役長TcにおけるMTF値が許容値aを下回り、歩留まりが低下する。
しかしながら、レンズ長をZ0Cに補正してロッドレンズアレイ1を製造した場合には、ほとんどのロッドレンズアレイ1で共役長TcにおけるMTF値が許容値aを上回り、歩留まりを高めることができる。
このように、設計上の共役長Tcを有するロッドレンズアレイ1の製造において、予め各ロットに対して最適なレンズ長Z0Cを求め、レンズ長をこのレンズ長Z0Cに補正することにより、歩留まりの高い製品を得ることが可能となる。
なお、上記実施形態では、一旦、ロッドレンズアレイ2を製作して、これを用いてMTFを測定し、新たなレンズ長Z0Cを算出していたが、これに限らず、レンズ長Z0を有する単体のロッドレンズを用いてMTFを測定し、新たなレンズ長Z0Cを算出するように構成してもよい。
1 ロッドレンズアレイ
1a ロッドレンズ
1b フレーム
2 ロッドレンズアレイ
7 光軸
10 照明装置
11 光源
12 波長選択機構
12a,12b 光学フィルタ
12c 切替部
13 拡散板
14 格子
15 移動装置
16 テーブル
17 駆動部
18 受光装置
19 コントローラ
M 測定装置

Claims (5)

  1. 基準位置を挟んで互いに等距離離間した対称な位置に、それぞれ画像とこの画像からの光を受光する受光装置とを配置すると共に、前記画像から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置する配置工程と、
    前記画像と前記受光装置とを、前記基準位置から前記光軸方向に沿って互いに反対方向に等距離ずつ移動させることにより、ロッドレンズの設計上の共役長の前後にわたって前記画像と前記受光装置との間の測定距離を変化させ、各測定距離においてロッドレンズの光学特性を測定する測定工程と、
    この測定結果から、ロッドレンズの最適な光学特性を示す測定距離である最適距離を選択する選択工程と、
    この選択された最適距離と設計上の共役長に基づいて、前記選択工程で選択される最適距離が設計上の共役長と一致するようなロッドレンズのレンズ長を算出する算出工程と、を備えたことを特徴とするロッドレンズのレンズ長決定方法。
  2. 前記測定工程では、ロッドレンズの光学特性としてMTFを測定し、
    前記配置工程では、前記基準位置を挟んで互いに等間隔離間した対称な位置にMTF測定装置のMTF測定用の格子とMTF測定装置の受光装置とを配置すると共に、前記格子から前記受光装置に向く光軸方向とロッドレンズの長手方向が一致するように前記基準位置にロッドレンズを配置することを特徴とする請求項1に記載のロッドレンズのレンズ長決定方法。
  3. 前記測定工程では、異なる2つの波長について、それぞれMTFを測定し、
    前記選択工程では、前記異なる2つに波長についてのMTFが一致する測定距離を最適距離として選択することを特徴とする請求項2に記載のロッドレンズのレンズ長決定方法。
  4. 前記算出工程では、前記選択された最適距離と設計上の共役長との差に、ロッドレンズに応じて設定された補正係数を乗算することにより、レンズ長の補正長さを算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロッドレンズのレンズ長決定方法。
  5. 配列された複数のロッドレンズと、これらロッドレンズを挟持するフレームと、を備えたロッドレンズアレイの製造方法であって、
    配列された複数のロッドレンズをフレームで挟持したレンズ組立体を形成する工程と、
    前記レンズ組立体が有するロッドレンズの長さが、前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロッドレンズのレンズ長決定方法を用いて算出したレンズ長となるように前記レンズ組立体を加工する工程と、を備えたことを特徴とするロッドレンズアレイの製造方法。
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