JP2012069631A - 電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】等価直列抵抗のさらなる低減が図られる電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解コンデンサは、アルミニウム線4aを編み込んだ編み込み体4からなる陽極体3と、陰極体と、陽極リードタブ端子と、陰極リードタブ端子を備えている。1本のアルミニウム線4aと陰極体6との間で形成される1つのコンデンサが、およそアルミニウム線の本数に対応する数だけ並列に接続されている。
【選択図】図4
【解決手段】電解コンデンサは、アルミニウム線4aを編み込んだ編み込み体4からなる陽極体3と、陰極体と、陽極リードタブ端子と、陰極リードタブ端子を備えている。1本のアルミニウム線4aと陰極体6との間で形成される1つのコンデンサが、およそアルミニウム線の本数に対応する数だけ並列に接続されている。
【選択図】図4
Description
本発明は電解コンデンサに関し、特に、巻回式の電解コンデンサあるいは単板状の電解コンデンサに関するものである。
電解コンデンサには、用途に応じて種々の形態の電解コンデンサがある。そのような電解コンデンサとして、陽極体と陰極体とを巻回した巻回式の電解コンデンサと、板状の陽極体に陰極体を被覆した単板状の電解コンデンサとについて説明する。
はじめに、巻回式の電解コンデンサとして、アルミニウム箔を陽(陰)極体とした電解コンデンサについて説明する。まず、比較的純度の高いアルミニウム金属を、厚みがおよそ0.1mm程度になるように均一に圧延することによって、アルミニウム箔を形成する。次に、そのアルミニウム箔に電解エッチング処理を施すことによって、アルミニウム箔の表面に均一な凹凸(ピット)を形成する。
次に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いて、一定電圧のもとで電解化成処理を施すことによって、アルミニウム箔の表面に酸化被膜を形成する。次に、酸化被膜が形成されたアルミニウム箔を所定の寸法に裁断することによって、陽極体となる帯状の陽極箔を形成する。一方、アルミニウム箔を所定の寸法に裁断することによって、陰極体となる帯状の陰極箔を形成する。次に、帯状の陽(陰)極箔の長手方向の所定の位置に、陽(陰)極リードタブ端子を接続する。
次に、陽極箔と陰極箔との間等に所定のセパレータ紙を介在させて、巻芯にて陽(陰)極箔等を一端側を挟み込む。次に、巻芯を所定の向きに回転させることによって、図11に示すように、陽極箔103、陰極箔106、セパレータ紙107を巻き取り、コンデンサ素子102を形成する。次に、コンデンサ素子102を陰極となる導電性高分子(チオフェン)に浸漬することによって、その導電性高分子(図示せず)をコンデンサ素子102に含浸させる。次に、導電性高分子を含浸させたコンデンサ素子を所定の有底のアルミニウムケース(図示せず)に収容する。そして、ゴムパッキングにてアルミニウムケースを封口することによって、巻回式の電解コンデンサが完成する。
次に、単板状の電解コンデンサについて説明する。まず、巻回式の電解コンデンサの場合と同様に、酸化被膜が形成されたアルミニウム箔を所定の寸法に裁断することによって、陽極体となる陽極箔を形成する。次に、陽極箔における所定の部分に樹脂層141(図12参照)を形成する。次に、陽極箔を導電性高分子(チオフェン)に浸漬することにより、陽極箔における所定の表面に導電性高分子層を形成する。次に、図12に示すように、その導電性高分子層の表面にカーボン層143を形成し、さらに、そのカーボン層の表面に銀層144を形成することにより、コンデンサ素子102を形成する。
次に、コンデンサ素子102において露出した陽極箔103を、陽極端子となるリードフレームの部分へ溶接することにより接続し、コンデンサ素子102の銀層144を、銀接着材148(図13参照)によって陰極端子となるリードフレームの部分へ接続する。次に、リードフレームに接続されたコンデンサ素子102を所定の樹脂149(図13参照)によって封止する。次に、樹脂によって封止されたコンデンサ素子をリードフレームから切り離す。そして、図13に示すように、陽極端子150および陰極端子151を樹脂149の表面に沿って折り曲げることによって、電解コンデンサ101が完成する。巻回式の電解コンデンサと単板状の電解コンデンサは、上記のように形成される。
近年、電子機器の小型化に伴って、電解コンデンサにも小型化と大容量化が要求されている。また、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)等の信号処理の高速化と低消費電力化に伴って、高周波領域において使用が可能であり大電流に対応が可能な電解コンデンサが求められている。
このような要求に応えるために、電解コンデンサが有する等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)を低くすることが求められている。等価直列抵抗を低くするために、コンデンサ素子を並列接続させる手法があり、巻回式の電解コンデンサでは、複数の陽極リードタブ端子を陽極箔の所定の位置に接続させる手法がある。また、単板状の電解コンデンサでは、複数のコンデンサ素子を積層させる手法がある。なお、このような電解コンデンサを開示した文献として特許文献1,2がある。
本発明は、上述した電解コンデンサの開発の一環でなされたものであり、その目的は、等価直列抵抗のさらなる低減が図られる電解コンデンサを提供することである。
本発明に係る電解コンデンサは、複数の金属線を束ねた陽極体と陽極端子部と陰極体と陰極端子部と誘電体部とを有するコンデンサ素子を備えている。陽極端子部は、陽極体に電気的に接続されている。陰極体は、陽極体と対向するように配置されている。陰極端子部は、陰極体に電気的に接続されている。誘電体部は、陽極体と陰極体との間に位置する。コンデンサ素子では、陽極端子部が接続されている部分以外の陽極体の金属線の部分が誘電体部によって覆われて、金属線と陰極体との間で形成されるコンデンサが並列に接続されている
本発明に係る電解コンデンサによれば、まず、コンデンサ素子の陽極体として複数の金属線を束ねた陽極体を備えている。これにより、導電性箔からなる陽極体を有する電解コンデンサと比べると、陽極体の表面が増加して電解コンデンサとしての容量を増やすことができる。さらに、その陽極体では、陽極端子部が接続されている部分以外の金属線の部分が誘電体部によって覆われている。これにより、金属線と陰極体との間で形成される複数のコンデンサが並列に接続されることになり、等価直列抵抗を大幅に下げることができる。
実施の形態1
ここでは、巻回式の電解コンデンサについて説明する。巻回式の電解コンデンサは、次のように製造される。まず、直径約0.15mmのアルミニウム線を複数用意する。次に、そのアルミニウム線に所定のエッチング処理を施すことによって、アルミニウム線の表面に均一な凹凸(ピット)を形成する。次に、数本のアルミニウム線を編み込むことによって、図1に示すように、陽極体3となる編み込み体4を形成する。
ここでは、巻回式の電解コンデンサについて説明する。巻回式の電解コンデンサは、次のように製造される。まず、直径約0.15mmのアルミニウム線を複数用意する。次に、そのアルミニウム線に所定のエッチング処理を施すことによって、アルミニウム線の表面に均一な凹凸(ピット)を形成する。次に、数本のアルミニウム線を編み込むことによって、図1に示すように、陽極体3となる編み込み体4を形成する。
次に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いて、一定電圧のもとで電解化成処理を施すことによって、編み込み体4をなすアルミニウム線4aの表面に、誘電体部として酸化被膜5(図4参照)を形成する。次に、酸化被膜5が形成されたアルミニウム線4aの編み込み体4を所定の寸法に裁断することによって、帯状の陽極体3を形成する。なお、陽極体3の形成方法としては、まず、アルミニウム線の表面に酸化被膜を形成し、その酸化被膜が形成されたアルミニウム線を編み込んで編み込み体を形成するようにしてもよい。一方、アルミニウム箔を所定の寸法に裁断することによって、陰極体となる帯状の陰極箔を形成する。
次に、陽極体3の長手方向の所定の位置に、陽極リードタブ端子を接続し、また、陰極体6の長手方向の所定の位置に、陰極リードタブ端子を接続する。なお、図4に示すように、陽極リードタブ端子10は、ボス部16a、平板部16bおよびリード線16cを有しており、平板部16bが陽極体3に直接接続される。また、同様に、陰極リードタブ端子(図示せず)も、ボス部、平板部およびリード線を有しており、平板部が陰極体に直接接続される。
次に、陽極体と陰極体との間に所定のセパレータ紙を挟み込むように配置し、その陽極体および陰極体等の一端側を所定の巻芯で挟み込む。次に、その状態で、巻芯を所定の向きに回転させることにより、図2に示すように、一端側から陽極体3、陰極体6およびセパレータ紙7,8が巻き取られて、コンデンサ素子2が形成される。
次に、コンデンサ素子2に対して、所定の寸法に裁断された陽極体3(編み込み体4)の切断面等に化成処理が施される。次に、重合により導電性高分子となるモノマーとして、たとえば、3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤溶液として、たとえば、p−トルエンスルホン酸第二鉄アルコール溶液との混合溶液をコンデンサ素子2に含浸させる。その後、熱化学重合させることにより、コンデンサ素子2に固体電解質として導電性高分子9(図3参照)を含浸させる。なお、電解質としては、この他に、たとえば、ポリピロール、ポリフラン、または、ポリアニリン等の導電性高分子材料、あるいは、TCNQ錯塩(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)を用いてもよい。
次に、コンデンサ素子2に封止用ゴムパッキング22(図3参照)を装着する。封止用ゴムパッキングには、陽(陰)極リードタブ端子10,13(図2参照)に対応した所定の位置に2つの開口部が形成されている。封止用ゴムパッキングは、陽(陰)極リードタブ端子10,13のリード線を、対応する開口部に挿通させることによってコンデンサ素子2に装着される。
次に、封止用ゴムパッキングが装着されたコンデンサ素子2を、所定の大きさの有底のアルミニウムケース20(図3参照)に収納する。次に、アルミニウムケース20の開口端側を横絞りとカールによって封止し、所定のエージング処理を施す。次に、アルミニウムケース20のカール面に、プラスチック製の座板24(図3参照)を取り付ける。
座板24には、陽(陰)極リードタブ端子10,13の位置に対応した2つの開口部24a(図3参照)が形成されている。座板24は、陽(陰)極リードタブ端子10,13のリード線を、対応する開口部24aに挿通させることによってコンデンサ素子2に装着される。その後、図3に示すように、座板24の開口部24aより突出した各リード線を電極端子として、プレス加工と折り曲げ加工を施すことにより、電解コンデンサ1が完成する。
上述した電解コンデンサでは、陽極体3として、アルミニウム線を編み込んだ編み込み体4とすることで、電解コンデンサの等価直列抵抗を大幅に低減することができる。このことについて説明する。図4は、陽極体3である編み込み体4を簡略化して示すとともに、巻回される陽極体3と陰極体6とを、説明の便宜上、延ばした状態で模式的に示す斜視図である。また、電解コンデンサでは、コンデンサ素子2に固体電解質として導電性高分子層(図示せず)を含浸させており、この場合、導電性高分子層は編み込み体4に保持されている。
図4に示すように、編み込み体4を構成する複数のアルミニウム線4aの表面には、誘電体部として酸化被膜5が形成されている。そのアルミニウム線4aには、陽極リードタブ端子10の平板部16bが、圧着あるいは溶接によって酸化被膜5を破るようにして電気的に接続されている。酸化被膜5は、陽極リードタブ端子10を接続する前にアルミニウム線4aの表面に形成されているため、陽極リードタブ端子10が接続されている部分以外のアルミニウム線4aの部分は、酸化被膜5によって覆われている。これにより、陽極リードタブ端子10に電気的に接続されている1本のアルミニウム線4aと陰極体6との間で1つのコンデンサが形成されることになる。
そうすると、まず、図1あるいは図4に示すように、陽極体3として、複数のアルミニウム線4aが編み込まれた編み込み体4が形成されていることで、ほぼ同じ寸法のアルミニウム箔からなる陽極体を有する電解コンデンサ(比較例1)と比べると、陽極体3の表面が増加して電解コンデンサとしての容量を増やすことができる。さらに、上述した電解コンデンサでは、図5に示すように、1本のアルミニウム線4aと陰極体6との間で形成される1つのコンデンサCが、およそアルミニウム線の本数に対応する数だけ並列に接続されていることになる。その結果、比較例1の電解コンデンサと比べると、等価直列抵抗(ESR)を大幅に下げることができる。
また、上述した電解コンデンサでは、導電性の繊維をプレスした状態で導電性の繊維に酸化被膜を形成した電解コンデンサの場合(比較例2:特開2009−176972号公報)と比べても、等価直列抵抗を下げることができる。
すなわち、比較例2では、導電性の繊維としてのタンタルの繊維集合体のうち陽極体となる部分がプレスされて焼結されるため、プレスされたタンタルの繊維集合体の部分では、繊維同士が接触した状態で酸化被膜が形成されることになる。このため、プレスされた繊維集合体の部分では、導電性の繊維はいたるところで互いに電気的に繋がった状態になる。図6は、そのような状態の導電性の繊維104aを含む陽極体と、その陽極体に対向する陰極体106を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、このような電解コンデンサでは、導電性の繊維104aがいたることで互いに電気的に繋がっている格子状の陽極体が配置されていることになり、複数の容量の小さいコンデンサを並列接続させるような配置にはならず、等価直列抵抗(ESR)を下げることができない。
これに対して、上述した電解コンデンサ1では、アルミニウム線4aの表面に酸化被膜5を形成し、その酸化被膜5が形成されたアルミニウム線4aを編み込んで編み込み体4を形成することで、陽極リードタブ端子10が接続されている部分以外のアルミニウム線4aの部分は、酸化被膜5によって覆われていることになる。これにより、上述したように、容量の小さい複数のコンデンサが並列に接続されたことになって、等価直列抵抗(ESR)を大幅に下げることができる。この観点から、陽極リードタブ端子10の平板部16bは、編み込み体4をなすすべてのアルミニウム線4aに電気的に接続されていることが好ましい。陽極リードタブ端子10とアルミニウム線4aとの接続は、金属かしめ、抵抗溶接あるいはレーザ溶接等によって行われることが好ましい。
また、アルミニウム箔からなる陽極体を有する電解コンデンサでは、アルミニウム箔を裁断し加工する際にアルミニウム箔の切り口からバリが発生することがあるため、その切り口からリーク電流が生じたり電気的な短絡が生じたりするおそれがある。これに対して、上述した電解コンデンサでは、束ねられたアルミニウム線4aの両端部分に切り口が形成されて、その切り口に化成処理が施されることで、そのようなリーク電流や電気的短絡を抑制することができる。
さらに、陽極体3をアルミニウム線4aの編み込み体4とすることで、陰極体の一部となる導電性高分子9を保持しやすくなる。編み込み体4の編み方としては、たとえば、三つ編みや筒編み等が好ましい。また、編み込み体4のアルミニウム線4aの断面形状としては、角を有していない円形あるいは楕円形が好ましい。
変形例
上述した電解コンデンサでは、陽(陰)極リードタブ端子が1本の場合を例に挙げて説明した。陽(陰)極リードタブ端子の本数としては1本に限られず複数本でもよい。ここでは、陽(陰)極リードタブ端子が2本の場合について説明する。
上述した電解コンデンサでは、陽(陰)極リードタブ端子が1本の場合を例に挙げて説明した。陽(陰)極リードタブ端子の本数としては1本に限られず複数本でもよい。ここでは、陽(陰)極リードタブ端子が2本の場合について説明する。
まず、2本の陽極リードタブ端子をそれぞれ陽極体の長手方向の所定の位置に接続し、また、2本の陰極リードタブ端子をそれぞれ陰極体の長手方向の所定の位置に接続する。その後、図2および図3に示す工程と実質的に同じ工程を経て、電解コンデンサが完成する。
このような、2本の陽(陰)極リードタブ端子を備えた電解コンデンサにおいても、1本のアルミニウム線に2本の陽極リードタブ端子が接続されることで、1本のアルミニウム線と陰極体との間で2つのコンデンサが形成されて、およそアルミニウム線の本数の2倍に相当する数のコンデンサが並列接続されることになる。その結果、ほぼ同じ寸法のアルミニウム箔からなる陽極体を有する電解コンデンサ(比較例1)と比べると、容量の小さい、さらに多くのコンデンサが並列に接続されたことになり、電解コンデンサとしての容量を増やすことができるとともに、等価直列抵抗(ESR)をさらに下げることができる。
なお、変形例では、複数の陽(陰)極リードタブ端子の本数として2本を例に挙げたが、3本以上でもよい。
実施の形態2
ここでは、単板状の電解コンデンサについて説明する。単板状の電解コンデンサは、次のように形成される。まず、アルミニウム線を編み込むことにより編み込み体を形成する。次に、編み込み体に所定のエッチング処理を施すことによって、アルミニウム線の表面に均一な凹凸(ピット)を形成する。次に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いて、一定電圧のもとで電解化成処理を施すことによって、編み込み体をなすアルミニウム線の表面に誘電体部として酸化被膜5(図9参照)を形成する。
ここでは、単板状の電解コンデンサについて説明する。単板状の電解コンデンサは、次のように形成される。まず、アルミニウム線を編み込むことにより編み込み体を形成する。次に、編み込み体に所定のエッチング処理を施すことによって、アルミニウム線の表面に均一な凹凸(ピット)を形成する。次に、アジピン酸アンモニウム水溶液を用いて、一定電圧のもとで電解化成処理を施すことによって、編み込み体をなすアルミニウム線の表面に誘電体部として酸化被膜5(図9参照)を形成する。
次に、酸化被膜が形成されたアルミニウム線の編み込み体を所定の寸法に裁断することによって、板状(平板状)の陽極体を形成する。なお、編み込み体を裁断する場合、当初、所定の寸法よりも大きく裁断しておき、後述するリードフレームに搭載する際に所定の寸法に裁断するようにしてもよい。
次に、所定の寸法に裁断された陽極体(編み込み体)の切断面等に化成処理が施される。次に、陽極体における所定の部分に樹脂層41(図7参照)を形成する。次に、重合により導電性高分子となるモノマーとして、たとえば、3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤溶液として、たとえば、p−トルエンスルホン酸第二鉄アルコール溶液との混合溶液をコンデンサ素子に含浸させる。その後、熱化学重合させることにより、陽極体の表面に固体電解質として導電性高分子(層)9(図7参照)を形成する。
次に、導電性高分子(層)9の表面に接触するようにカーボン層43を形成する。次に、図7に示すように、カーボン層43の表面に接触するように銀層44を形成する。この時点で、露出した陽極体3の部分が陽極部45となり、銀層44によって覆われた部分が陰極部46となるコンデンサ素子2が形成される。
次に、コンデンサ素子を所定のリードフレーム(図示せず)に搭載する。コンデンサ素子の陽極部を、陽極端子となる部分に抵抗溶接あるいはレーザ溶接等によって接続する。このとき、陽極部に露出した編み込み体の各アルミニウム線が陽極端子となる部分に電気的に接続されることが好ましい。また、コンデンサ素子の陰極部を陰極端子となる部分に銀接着材48(図8参照)によって接続する。
次に、所定の外装樹脂によってコンデンサ素子を封止する。外装樹脂によって封止されたコンデンサ素子をリードフレームから切り離し、残された陽極端子となる部分と陰極端子となる部分を外装樹脂に沿って折り曲げることで、図8に示すように、陽極端子50および陰極端子51を備えた電解コンデンサ1が完成する。
上述した電解コンデンサでは、陽極体3として、アルミニウム線4aを編み込んだ編み込み体4とすることで、電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)を大幅に低減することができる。図9は、陽極体3である編み込み体4を簡略化して示すとともに、その露出した陽極部45と、編み込み体4を覆うように形成された陰極部46とを模式的に示す斜視図である。
図9に示すように、編み込み体4を構成する複数のアルミニウム線4aの表面には、誘電体部として酸化被膜5が形成されている。そのアルミニウム線4aには、陽極端子50が溶接等によって酸化被膜5を破るようにして電気的に接続されている。酸化被膜5は、陽極端子50を接続する前にアルミニウム線4aの表面に形成されているため、陽極端子50が接続されている部分以外のアルミニウム線4aの部分は、酸化被膜5によって覆われている。これにより、陽極端子50に電気的に接続されている1本のアルミニウム線4aと陰極部46との間で1つのコンデンサCが形成されることになる。
そうすると、まず、図9に示すように、陽極体3として、複数のアルミニウム線4aが編み込まれた編み込み体4が形成されていることで、ほぼ同じ寸法のアルミニウム箔からなる陽極体を有する電解コンデンサ(比較例1)と比べると、陽極体3の表面が増加して電解コンデンサとしての容量を増やすことができる。さらに、上述した電解コンデンサでは、図9に示すように、1本のアルミニウム線4aと陰極部46との間で形成される1つのコンデンサCが、およそアルミニウム線の本数に対応する数だけ並列に接続されていることになる。その結果、比較例1の電解コンデンサと比べると、等価直列抵抗(ESR)を大幅に下げることができる。
また、すでに説明したように、導電性の繊維をプレスした状態で導電性の繊維に酸化被膜を形成した電解コンデンサの場合(比較例2:特開2009−176972号公報)と比べても、等価直列抵抗を下げることができる。
なお、上述した電解コンデンサでは、一つのコンデンサ素子を封止した電解コンデンサを例に挙げて説明した。コンデンサ素子の数としては一つに限られず、図10に示すように、複数のコンデンサ素子を積層させた電解コンデンサにも適用することができる。
また、コンデンサ素子をリードフレームに搭載する際に、陽極部に露出した編み込み体の各アルミニウム線が陽極端子となる部分に電気的に接続されることを説明したが、この陽極端子となる部分に電気的に接続される部分以外に、編み込み体の各アルミニウム線を互いに電気的に接続する部分を別途設けるようにしてもよい。
さらに、前述した電解コンデンサの場合と同様に、陽極体3をアルミニウム線4aの編み込み体4とすることで、陰極体の一部となる導電性高分子層9を保持しやすくなる。また、陽極部45では、束ねられたアルミニウム線4aの両端部分に形成される切り口のうち一端側の切り口が位置し、その切り口に化成処理が施されることで、リーク電流や電気的短絡を抑制することができる。さらに、編み込み体4の編み方としては、たとえば、三つ編みや筒編み等が好ましく、また、編み込み体4のアルミニウム線4aの断面形状としては、角を有していない円形あるいは楕円形が好ましい。
また、上記各実施の形態では、陽極体をなす編み込み体の金属線としてアルミニウム線を例に挙げて説明したが、弁金属であれば、アルミニウム線に限られず、たとえば、ニオブ線、タンタル線あるいはチタン線等を用いてもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、巻回式の電解コンデンサおよび単板状の電解コンデンサ等に有効に利用される。
1 電解コンデンサ、2 コンデンサ素子、3 陽極体、4 編み込み体、4a アルミニウム線、5 酸化被膜、6 陰極体、7 セパレータ紙、8 セパレータ紙、9 導電性高分子、10 陽極リードタブ端子、13 陰極リードタブ端子、16a ボス部、16b 平板部、16c リード線、20 アルミニウムケース、24 座板、41 樹脂層、42 導電性高分子層、43 カーボン層、44 銀層、45 陽極部、46 陰極部、48 銀接着材、49 外装樹脂、50 陽極端子、51 陰極端子。
Claims (7)
- 複数の金属線を束ねた陽極体と、
前記陽極体に電気的に接続された陽極端子部と、
前記陽極体と対向するように配置された陰極体と、
前記陰極体に電気的に接続された陰極端子部と
前記陽極体と前記陰極体との間に位置する誘電体部と
を有するコンデンサ素子を備え、
前記コンデンサ素子では、前記陽極端子部が接続されている部分以外の前記陽極体の前記金属線の部分が前記誘電体部によって覆われて、前記金属線と前記陰極体との間で形成されるコンデンサが並列に接続されている、電解コンデンサ。 - 前記陽極体は、前記金属線を編み込んだ編み込み体である、請求項1記載の電解コンデンサ。
- 前記金属線の表面には、所定のエッチング処理を施すことによって凹凸が形成された、請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
- 複数の前記金属線のそれぞれは、一本の線として、前記陽極体において互いに対向する一端から他端へ延在するように配置された、請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子は固体電解質を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサ。
- 前記陽極体および前記陰極体が巻回された、請求項1〜5のいずれかに記載の電解コンデンサ。
- 前記陽極体は平板状とされた、請求項1〜5のいずれかに記載の電解コンデンサ。
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Cited By (1)
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WO2019058535A1 (ja) * | 2017-09-23 | 2019-03-28 | 株式会社村田製作所 | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
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2010
- 2010-09-22 JP JP2010211851A patent/JP2012069631A/ja not_active Withdrawn
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