JP2012069518A - 電極用炭素粒子、リチウムイオン二次電池用負極材料、及び、電極用炭素粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が、炭素からなるマトリックス中に内包されている電極用炭素粒子。
【選択図】 なし
Description
例えば、リチウムイオン二次電池においては、負極活物質として炭素材料を用い、電池の充電時にはリチウムをイオン状態で炭素材料中に吸蔵(インターカレーション)し、放電時にはイオンとして放出(デインターカレーション)させるという“ロッキングチェアー型”の電池構成を採用している。
以下に本発明を詳述する。
これにより、従来のケイ素材料や炭素−ケイ素複合材料を含有する電極用炭素粒子に比べて、高いリチウム吸蔵放出容量を有し、かつ、連続充放電を行ってもリチウム吸蔵放出容量の低下の少ない長寿命のリチウムイオン二次電池用負極材料を得ることができる。
この理由については明らかではないが、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成して酸化リチウム前駆体が分解して酸化リチウムが生成する際に、該酸化リチウムがケイ素又は酸化ケイ素と反応して一種の合金、例えばリチウムシリケート(Li4SiO4)等のケイ酸リチウムが形成され、このリチウムシリケート等のケイ酸リチウムが、充放電時のケイ素のリチウム吸蔵放出に伴う体積膨張収縮を緩和し、長寿命化に寄与しているものと考えられる。
上記酸化リチウム前駆体は、例えば、炭酸リチウム、酢酸リチウム、クエン酸リチウム、ポリアクリル酸リチウム、過酸化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム等が挙げられる。なかでも、加熱により分解して、酸化リチウムと無害な二酸化炭素とを生じることから、炭酸リチウムが好適である。
即ち、まず、シリコン屑ウェハ等のケイ素原料を遊星型ボールミル等により粗粉砕する。次いで、該粗粉砕ケイ素と酸化リチウム前駆体とを、イソプロピルアルコール等の適当な分散媒中に入れ、遊星型ボールミル等により充分に撹拌して、ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子の分散液を調製する。そして、得られた分散液を遠心分離機で分離することにより、ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を得ることができる。
市販の一酸化ケイ素粒子や二酸化ケイ素粒子等の酸化ケイ素粒子と酸化リチウム前駆体とを、イソプロピルアルコール等の適当な分散媒中に入れ、遊星型ボールミル等により充分に撹拌して、酸化ケイ素粒子と酸化リチウム前駆体との複合粒子の分散液を調製する。そして、得られた分散液を遠心分離機で分離することにより、酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を得ることができる。
上記顔料分散剤としては、例えば、高分子量ポリエステル酸のアマイドアミン塩、アクリル系重合物、脂肪族系多価カルボン酸、ポリエステルのアミン塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等が挙げられる。
なお、上記顔料分散剤は、上記ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子とともにモノマー混合物中に添加されてもよい。
上記複合金属酸化物粒子の含有量の上限は特に限定されない。上記複合金属酸化物粒子を大量に含有するほど、高いリチウム吸蔵放出容量を発揮できる。ただし、上記複合金属酸化物粒子の含有量が多くなりすぎると、連続充放電時の上記複合金属酸化物粒子の体積変化により、炭素材料が破損しやすくなることがある。上記複合金属酸化物粒子の含有量の好ましい上限は95重量%である。
上記炭素からなるマトリックスは、内部に空隙のない中実構造であってもよく、内部に空隙がある中空構造であってもよい。なかでも、上記炭素からなるマトリックスが、炭素からなる微細粒子が多数寄り集まって構成されるとともに、該微細粒子同士の間隙に互いに繋がった複数の孔が形成されて連胞中空構造を呈する場合には、軽量の電極用炭素粒子を得ることができるとともに、連続充放電を行ったときに、破損しにくくなりより長寿命とすることができるという優れた効果を発揮することができる。これは、連続充放電を行なったときに上記複合金属酸化物粒子の体積変化が発生した場合でも、上記空隙が該体積変化による応力を分散し吸収することができるため、破損するまでには至らないためと考えられる。更に、このような連胞中空構造を有する電極用炭素粒子は、高いBET比表面積を有し、ハイレート特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極材料に供することができる。
炭素からなる微細粒子が多数寄り集まって構成されるとともに、該微細粒子同士の間隙に互いに繋がった複数の孔が形成されて連胞中空構造を呈する炭素粒子に、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が含有されている電極用炭素粒子(以下、「複合金属酸化物粒子含有連胞中空炭素粒子」ともいう。)もまた、本発明の1つである。
図1は、複合金属酸化物粒子含有連胞中空炭素粒子において、複合金属酸化物粒子が空隙部分に含有されている例である。複合金属酸化物粒子含有連胞中空炭素粒子1は、微細なグレイン(炭素からなるマトリックス)11が多数寄せ集まって形成されており、該グレイン11同士の間隙に互いに繋がった複数の孔12が形成されている。そして、互いに繋がった複数の孔12の内側に、微細なグレイン(炭素からなるマトリックス)11に接触するようにして複合金属酸化物粒子13が含有されている。
上記複合金属酸化物粒子含有連胞中空炭素粒子の製造方法を例にして、本発明の電極用炭素粒子の製造方法をより詳細に説明する。
本明細書において「得られるポリマーとの相溶性の低い」とは、モノマー又は有機溶剤の溶解性パラメータ(SP値)とポリマーの溶解性パラメータ(SP値)との差が1.5以上あることを意味する。
また、本明細書において溶解性パラメータ(SP値)とは、Fedorsの式により算出される値を意味する。
上記相溶性の低い有機溶剤は、上記相溶性の低いモノマーにあわせて適当な有機溶剤を選択する。例えば、上記相溶性の低いモノマーとしてジビニルベンゼンを用いる場合には、n−ヘプタン等の直鎖状炭化水素や、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ系化合物、金属イオンレドックス開始剤、光重合開始剤、過硫酸塩等の従来公知の重合開始剤を用いることができる。
上記モノマー含有混合物中の上記重合開始剤は必要量が配合されればよい。ただし、重合開始剤が少なすぎると上記モノマーが充分に重合せずに粒子が形成されないことがあり、過剰に配合されると分子量が上がらず、得られる電極用炭素粒子の後処理に支障が出ることがある。
上記水相を構成する水系媒体としては、例えば、水、アルコール、ケトン類等が挙げられる。
上記水系媒体は、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、不溶性無機微粒子、高分子界面活性剤等の分散剤を含有することが好ましい。
上記油相には、上記ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子が含有されている。このうち酸化リチウム前駆体は、僅かながら水相に溶出するおそれがあり、水相がアルカリ性である場合には、上記ケイ素粒子又は酸化ケイ素粒子と反応し、表面がアルカリエッチングされ、水素ガスが発生する。そこで水相にも予め酸化リチウム前駆体を加えることにより上記油相からの酸化リチウム前駆体の溶出を防止するとともに、クエン酸等のバッファーでpHを調整することにより、上記ケイ素粒子又は酸化ケイ素粒子がアルカリで劣化することが防止できる。
上記撹拌の条件により懸濁液中のモノマー含有混合物の油滴の大きさを制御することにより、得られる電極用炭素粒子の粒子径を調整することができる。
上記油滴を重合させて樹脂粒子を調製する際の重合条件は、例えば、上記懸濁液を窒素気流下、30〜95℃、1〜50時間程度撹拌する方法等が挙げられる。
得られた樹脂粒子は、懸濁液から分離され、水洗、乾燥、分級等の操作を経てその後の工程に供される。
上記焼成の条件は、樹脂粒子により適宜選択すればよい。
焼成温度は、1000℃以下、1000〜2500℃、2500℃以上の場合が考えられる。
焼成温度を1000℃以下とすると、得られる電極用炭素粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料に用いた場合に、極めて高いリチウム吸蔵放出容量を発揮することができ、高い出力を得ることができる。ただし、リチウムイオン二次電池の出力が不安定となることがある。
焼成温度を1000〜2500℃とすると、得られる電極用炭素粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料に用いた場合に、安定した出力特性とサイクル寿命とを発揮することができる。ただし、リチウム吸蔵放出容量は低くなり、高い出力のリチウムイオン二次電池は得られないことがある。
焼成温度を2500℃以上とすると、得られる電極用炭素粒子をリチウムイオン二次電池用負極材料に用いた場合に、極めて高いリチウム吸蔵放出容量を発揮することができ、高い出力を得ることができる。
本発明の電極用炭素粒子とバインダー樹脂とを含有するリチウムイオン二次電池用負極材料もまた、本発明の1つである。
上記バインダー樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素含有樹脂や、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
なお、上記導電助剤をある程度以上配合すると、電極用粒子同士を結合させる結着剤の役割を発揮することもできる。上記導電助剤が結着剤の役割を発揮する場合には、結合樹脂の配合量を低減させることができ、より高い導電性を発揮することができる。
上記混合物は、容易に成型できるように、有機溶剤を含有してもよい。
上記有機溶剤は、電極用粒子中に含有される上記結合樹脂に対する貧溶媒であって、上記バインダー樹脂を溶解可能な溶媒であれば特に限定されず、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
(1)ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子の調製
シリコン屑ウェハ(信越半導体)150g、φ20mmジルコニアボールを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、P−6)で400rpm、30分の条件でシリコン屑ウェハを粗粉砕した。
得られた粗粉砕シリコン50g、炭酸リチウム(和光純薬工業社製)50g、イソプロピルアルコール120g、φ1mmジルコニアビーズを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、P−6)で400rpm、120分の条件で混合し、平均粒径約100nmのケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を得た。
得られたケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を遠心分離機で分離、回収し、ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子(イソプロパノールのウェットケーキ:固形分66%)を得た。
油相成分として、モノマーであるジビニルベンゼン70重量部と、中空剤であるノルマルヘプタン30重量部、ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子21重量部、顔料分散剤(楠本化成社製、DA−7301)10.5重量部を混合し、超音波分散した後、更に重合開始剤として有機過酸化物0.7重量部を添加し、モノマー混合物を調製した。
一方、水相成分として、純水500重量部、分散剤としてポリビニルアルコール5重量部、炭酸リチウム6.4重量部、クエン酸5重量部を混合した。
得られた樹脂粒子を、大気雰囲気下、300℃で3時間熱処理した後、アルゴン雰囲気下、1000℃で3時間焼成して電極用炭素粒子を得た。
得られた電極用炭素粒子は、平均粒子径が10μm、粒子径のCv値が40%であった。なお、平均粒子径及びCv値は、電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製、S−4300SE/N)を用いて任意の粒子約100個について観測することにより求めた。
ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子における炭酸リチウムの配合量(仕込み量、重量%)、電極用炭素粒子中における複合金属酸化物粒子の含有量を表1のようにした以外は実施例1と同様にして電極用炭素粒子を得た。
(1)一酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子の調製
一酸化ケイ素(大阪チタニウムテクノロジーズ社製、平均粒子径45μm以下)70g、炭酸リチウム(和光純薬工業社製)30g、イソプロピルアルコール120g、φ1mmジルコニアビーズを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、P−6)で400rpm、120分の条件で粉砕し、平均粒径約100nmの一酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を得た。
得られた一酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を遠心分離機で分離、回収し、一酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子(イソプロパノールのウェットケーキ、固形分66%)を得た。
油相成分として、モノマーであるジビニルベンゼン70重量部と、中空剤であるノルマルヘプタン30重量部、一酸化ケイ素粒子と炭酸リチウムとの複合粒子21重量部、顔料分散剤(楠本化成社製、DA−7301)10.5重量部を混合し、超音波分散した後、更に重合開始剤として有機過酸化物0.7重量部を添加し、モノマー混合物を調製した。
一方、水相成分として、純水500重量部、分散剤としてポリビニルアルコール5重量部、炭酸リチウム6.4重量部、クエン酸5重量部を混合した。
得られた樹脂粒子を、大気雰囲気下、300℃で3時間熱処理した後、アルゴン雰囲気下、1000℃で3時間焼成して電極用炭素粒子を得た。
得られた電極用炭素粒子は、平均粒子径が10μm、粒子径のCv値が40%であった。なお、平均粒子径及びCv値は、電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製、S−4300SE/N)を用いて任意の粒子約100個について観測することにより求めた。
二酸化ケイ素(ナカライテスク社製)70g、炭酸リチウム(和光純薬工業社製)30g、イソプロピルアルコール120g、φ1mmジルコニアビーズを専用ジルコニア容器に入れ、遊星型ボールミル(FRITSCH社製、P−6)で400rpm、120分の条件で粉砕し、平均粒径約100nmの二酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を得た。
得られた二酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子のイソプロピルアルコール分散液を遠心分離機で分離、回収し、二酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子(イソプロパノールのウェットケーキ、固形分66%)を得た。
得られた二酸化ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子を用いた以外は、実施例4と同様にして電極用粒子を得た。
ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子を配合しなかった以外は実施例1と同様にして電極用粒子を得た。
ケイ素と炭酸リチウムとの複合粒子に代えて、ケイ素(アルドリッチ社製、シリコンナノパウダー)を用いたこと以外は実施例1と同様にして電極用粒子を得た。
電極用粒子として黒鉛(和光純薬社製、平均粒子径20μm、粒子径のCv値50%)を用いた。
電極用粒子として活性炭(日本ノリット社製、Norit SX Plus、平均粒子径160μm、粒子径のCv値120%)を用いた。
電極用粒子としてケイ素(アルドリッチ社製、シリコンナノパウダー)を用いた。
中空剤であるノルマルヘプタンを加えない以外は、比較例2と同様にして、電極用粒子を得た。
電極用粒子としてメソカーボンマイクロビーズ(MCMB粒子、Ningbo Shanshan New Material Tech社製、G15)を用いた。
電極用粒子としてハードカーボン粒子(クレハ社製、カーボトロンP(J))を用いた。
実施例及び比較例で得られた電極用粒子について、下記のように評価を行った。ただし、比較例5は、評価を行おうとしたが、測定不能であった。
結果を表1及び表2に示した。
下述する(4)リチウムイオン二次電池のハーフセル評価の100サイクルのうちの最大放電容量を、電極用粒子の活物質容量とした。
測定装置として、自動比表面積測定装置(BET、島津製作所社製、Gemini2375)を用い、吸着ガスをN2、測定平衡圧を1〜15kPa(相対圧を0.005〜0.5)の条件で測定を行った。
加熱真空乾燥した試料管を計量し、これに試料を適量投入して室温にて1時間真空乾燥した後、80℃にて1時間真空乾燥を行った。室温まで冷却してから計量し、試料管の重量を差し引いて試料重量とした。次いで、試料管内に窒素ガス送り込んで、BETプロットを得て比表面積に換算した。
(3−1)リチウムイオン二次電池の作製
電極用粒子100重量部に対して、導電助剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、♯3230B)10重量部、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン10重量部、有機溶剤としてN−メチルピロリドンを混合して混合液を調製した。
得られた混合液を、1.5mAh/cm2以上となるように厚さ18μmのCu箔の片面に塗布し、乾燥した後、プレスロールで加圧成形してリチウムイオン二次電池用負極材料を得て、これを直径16mmの円盤状に打抜き負極シートを作製した。
即ち、得られた直径16mmの負極シートと直径16mmの対極リチウム金属とをセパレータを介して積層した。セパレータに電解液を含浸した後、これらを上部缶と下部缶によりガスケットを介してかしめ付けた。上部缶と下部缶には、負極電極及び正極電極がそれぞれ接触して導通がとられるようにした。
なお、セパレータとしては、厚さ25μm、直径24mmのポリエチレン製微孔膜を用い、電解液としては、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒に、電解質としてLiPF6を濃度1mol/Lとなるように溶解した溶液を用いた。
得られた、コイン型モデルセルの理論容量は3.0mAhとなり、フルセル評価の電池(放電)容量はmAhで表す。
充放電条件は、電流0で4時間休止後、1Cに相当する電流で0.002Vまで電圧が降下した後、0.5時間保持し、充電した。10分間休止した後、電流1Cで電圧が3Vになるまで放電した。10分間休止した後、この放充電を繰り返した。その間の通電量から充放電容量を求めた。
また、下記式から初期充放電効率(%)及び2サイクル目の充放電効率(%)を計算した。なお、この試験では、リチウムを負極材料へ吸蔵する過程を充電、離脱する過程を放電とした。
初期充放電効率(%)
=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)×100
2サイクル目の充放電効率(%)
=(第2サイクルの放電容量/第2サイクルの充電容量)×100
10サイクル目の充放電効率(%)
=(第10サイクルの放電容量/第10サイクルの充電容量)×100
20サイクル目の充放電効率(%)
=(第20サイクルの放電容量/第20サイクルの充電容量)×100
100サイクル目の充放電効率(%)
=(第100サイクルの放電容量/第100サイクルの充電容量)×100
2サイクル目から10サイクル目の容量維持率(%)
=(第10サイクルにおける放電容量/第2サイクルにおける放電容量)×100
2サイクル目から20サイクル目の容量維持率(%)
=(第20サイクルにおける放電容量/第2サイクルにおける放電容量)×100
2サイクル目から100サイクル目の容量維持率(%)
=(第100サイクルにおける放電容量/第2サイクルにおける放電容量)×100
11 微細なグレイン(炭素からなるマトリックス)
12 互いに繋がった複数の孔
13 複合金属酸化物粒子
Claims (8)
- ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が、炭素からなるマトリックス中に内包されていることを特徴とする電極用炭素粒子。
- 炭素からなる微細粒子が多数寄り集まって構成されるとともに、該微細粒子同士の間隙に互いに繋がった複数の孔が形成されて連胞中空構造を呈する炭素粒子に、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が含有されていることを特徴とする電極用炭素粒子。
- 酸化リチウム前駆体は、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の電極用炭素粒子。
- 請求項1、2又は3記載の電極用炭素粒子とバインダー樹脂とを含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
- 黒鉛、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン及びフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種の導電助剤が配合されていることを特徴とする請求項4記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
- ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が、炭素からなるマトリックス中に内包されている電極用炭素粒子を製造する方法であって、
モノマーと、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子とを混合してモノマー含有混合物を調製する工程と、前記モノマー含有混合物を水相に分散して、モノマー含有混合物の油滴が分散した懸濁液を調製する工程と、前記懸濁液中の油滴を重合させて樹脂粒子を調製する工程と、前記樹脂粒子を焼成する工程とを有する
ことを特徴とする電極用炭素粒子の製造方法。 - 炭素からなる微細粒子が多数寄り集まって構成されるとともに、該微細粒子同士の間隙に互いに繋がった複数の孔が形成されて連胞中空構造を呈する炭素粒子に、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を焼成してなる複合金属酸化物粒子が含有されている電極用炭素粒子を製造する方法であって、
得られるポリマーとの相溶性の低いモノマー、得られるポリマーとの相溶性の低い有機溶剤、及び、ケイ素又は酸化ケイ素と酸化リチウム前駆体との複合粒子を混合してモノマー含有混合物を調製する工程と、前記モノマー含有混合物を水相に分散して、モノマー含有混合物の油滴が分散した懸濁液を調製する工程と、前記懸濁液中の油滴を重合させて樹脂粒子を調製する工程と、前記樹脂粒子を焼成する工程とを有する
ことを特徴とする電極用炭素粒子の製造方法。 - 酸化リチウム前駆体は、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項6又は7記載の電極用炭素粒子の製造方法。
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