JP2012067906A - 軸受装置及び工作機械の主軸装置並びに工作機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸11は、定位置予圧が負荷された一対のアンギュラ玉軸受20、30によって前端が支持され、また後端が円筒ころ軸受40によって回転自在に支持されている。一対のアンギュラ玉軸受20、30の内輪22、32間に配設された内輪間座81の外周面には、被検出面の特性が円周方向に交互に変化するエンコーダ84が設けられている。エンコーダ84の被検出面は、円周方向に関して変化する特性のピッチが、軸方向に関して連続的に変化する部分を軸方向に単列で構成する。また、エンコーダ84の被検出面に対向配置されるセンサ82の検出部90は、被検出面の特性の変化を検出して回転軸11に作用するアキシャル荷重を測定する。
【選択図】図1
Description
(1) 静止部材に嵌合固定される静止側軌道輪、回転部材に嵌合固定される回転側軌道輪、及び、前記静止側軌道輪の静止側軌道及び前記回転側軌道輪の回転側軌道間に転動自在に配置された複数の転動体を備える軸受と、
前記回転側軌道輪の側方に配置されて前記回転側軌道輪と共に回転する回転側間座と、
被検出面の特性が円周方向に交互に変化するエンコーダ、及び、該エンコーダの前記被検出面に対向配置されて前記被検出面の前記特性の変化を検出するセンサからなるセンサユニットと、を備える軸受装置であって、
前記エンコーダは、前記回転側間座によって構成され、
前記エンコーダの被検出面は、円周方向に関して変化する前記特性のピッチが、軸方向に関して連続的に変化する部分を軸方向に単列で構成することを特徴とする軸受装置。
(2) 前記軸受は、前記回転部材の軸方向位置を位置決めするように配置された一対の軸受を備え、
前記エンコーダを構成する回転側間座は、前記一対の軸受の回転側軌道輪間に配置されることを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(3) 前記一対の軸受の静止側軌道論間には、静止側間座が配置されており、
前記センサは、該静止側間座に形成された貫通孔から延出して、前記エンコーダの前記被検出面に対向配置されることを特徴とする(2)に記載の軸受装置。
(4) 前記エンコーダの被検出面に、それぞれが他の部分とは特性が異なる1対の個性化部分より成る複数の被検出用組み合わせ部を、円周方向に亙り等間隔で配置しており、これら各被検出用組み合わせ部を構成する1対ずつの個性化部分同士の円周方向に関する間隔は、総ての被検出用組み合わせ部で軸方向に関して同じ方向に連続的に変化していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の軸受装置。
(5) 前記エンコーダの被検出面には、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、前記両被検出部の円周方向に関する幅のうち、第一被検出部の幅は軸方向一端側程広く、第二被検出部の幅は軸方向他端側程広いことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の軸受装置。(6) 前記エンコーダが磁性材製で、前記センサが前記エンコーダの被検出面の磁気特性の変化に対応して出力信号を変化させるものであり、前記エンコーダの軸方向両端部に、第一、第二両被検出部同士の回転方向に関するピッチが軸方向に関して変化しない平行部が存在することを特徴とする(5)に記載の軸受装置。
(7) 静止部材に嵌合固定される静止側軌道輪、回転部材に嵌合固定される回転側軌道輪、及び、前記静止側軌道輪の静止側軌道及び前記回転側軌道輪の回転側軌道間に転動自在に配置された複数の転動体を備える軸受と、
被検出面の特性が円周方向に交互に変化するエンコーダ、及び、該エンコーダの前記被検出面に対向配置されて前記被検出面の前記特性の変化を検出するセンサからなるセンサユニットと、を備える軸受装置であって、
前記エンコーダの被検出面は、円周方向に関して変化する前記特性のピッチが、軸方向に関して連続的に変化する部分を軸方向に単列で構成すると共に、
前記センサは、前記静止側軌道輪の側方に配置された静止側間座に形成された貫通孔から延出して、前記エンコーダの前記被検出面に対向配置されることを特徴とする軸受装置。
(8) 前記静止側間座には、前記貫通孔と異なる円周方向位相にノズル穴が形成されており、該ノズル穴から給油ノズルが延出して配置されることを特徴とする(7)に記載の軸受装置。
(9) (1)〜(8)のいずれか1つに記載の軸受装置を備え、前記回転部材であるスピンドル軸のアキシャル荷重が測定可能であることを特徴とする工作機械の主軸装置。
(10) (9)に記載の主軸装置を備えたことを特徴とする工作機械。
即ち、アキシャル荷重を求めるためには、必ずしも相対変位量を求める必要はなく、演算部に、センサの出力信号に基づいて、アキシャル荷重の大きさを直接(上記相対変位量を求める過程を経る事なく)算出する機能を持たせることができる。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の工作機械の主軸装置10は、モータビルトイン方式であり、その中心部には、回転部材である中空状の回転軸(スピンドル軸)11が設けられている。回転軸11の軸方向端部(図1において左側)には、不図示の工具が保持されている。
図11は本発明の第2実施形態に係るエンコーダの斜視図である。第2実施形態のエンコーダ84は、磁性金属材からなる内輪間座81の外周面に、互いに異なる特性を有する第1被検出部である凸部93と第2被検出部である凹部94とが円周方向に関して交互に且つ等間隔に形成されている。凸部93及び凹部94は、台形若しくは倒立台形に形成されており、凸部93の幅は、軸方向一端(図11の下端)側程広く、凹部94の幅は、軸方向他端(図11の上端)側程広い。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
また、本実施形態において、エンコーダ84を永久磁石で構成し、S極に着磁した第1被検出部とN極に着磁した第2被検出部を、円周方向に交互に配置する構成としてもよい。
又、エンコーダ84と組み合わせるセンサ82の構造は、永久磁石を組み込んだものであれば、特にその型式を問わない。即ち、この永久磁石から出る磁束の流れを導くポールピースの周囲にコイルを巻回して成る、所謂パッシブ型のものであっても、磁束の密度に応じて特性を変化させる磁気検出素子を組み込んだ、所謂アクティブ型のものであっても使用できる。但し、図14に示す様に、センサ82の検出部がエンコーダ84の軸方向中間部に対向した状態で、このエンコーダ84の外周面に存在する各凸部93、93及び凹部94、94の、回転方向に関する長さ寸法の比率をセンシングする必要上、センサ82のスポット径は小さい方が、この比率を高精度で求める面から好ましい。
図15は、本発明に係る第3実施形態の主軸装置の要部断面図である。第3実施形態の内輪間座81は、第1実施形態の内輪間座81(図3)に対して、外周面の軸方向両端部に、軸方向幅La,Lb及び深さHa,Hbの溝部81a,81bを凹設したものである。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
図20は本発明の第4実施形態のセンサ取付穴の斜視図、図21はセンサ取付穴の平面図である。第4実施形態のセンサ取付穴68は、第1実施形態のセンサ取付穴68と同様に、センサ82の大径部82a(図5参照)が挿通される大径部68a、及びセンサ82の小径部82bが挿通される小径部68bを有し、更に大径部68aと小径部68bとの間に中径部68eが形成された3段の段付き穴である。中径部68eには、センサ82の配線83を配索するための第1配索穴70が連通して軸方向に設けられている。また、ハウジング50には、第1実施形態と同様に、センサを固定するためのU字溝68d、及び雌ねじ69が設けられる。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
図22は本発明の第5実施形態の主軸装置の要部断面図である。第5実施形態の主軸装置10には、円環状の冷却油溝58内にセンサ取付穴68と同心円状にリング溝95が形成されている。リング溝95には、Oリング96が装着された円筒状の蓋体97が嵌合している。この主軸装置10によれば、冷却油溝58とセンサ82とが蓋体97で分離され、Oリング96によってシールされているので、冷却油がセンサ82に付着することが防止される。また、センサ82の大径部82aにOリング溝87aを加工する必要がない。 なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
図23は本発明の第6実施形態の主軸装置の要部断面図である。第6実施形態の主軸装置10では、センサ82の配線83を配索するため、工具側からセンサ取付穴68(小径部68b)に連通する配索穴98が加工されている。また、前側軸受外輪押え53に配索溝99が設けられると共に、ハウジング50の外周面には、配索溝99が開口する周方向位置を跨いで軸方向に延びる配線カバー100が固定されている。これにより、配索穴98から工具側に向けて導出された配線83は、前側軸受外輪押え53の配索溝99内を通り、配線カバー100で覆われて配索される。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態の主軸装置10と同様である。また、ハウジング50の外部環境によっては、配線カバー100を設けずに配線83が配策されてもよい。
図24は本発明の第7実施形態の主軸装置の要部断面図である。第7実施形態の主軸装置10では、前側軸受外輪押え53に形成される配索溝99が、ハウジング50の外周面まで開口せずに径方向に延びると共に、冷却ジャケット60には配索溝99に連通する配索穴101が形成されている。配索穴98から工具側に向けて導出された配線83は、前側軸受外輪押え53の配索溝99、及び冷却ジャケット60の配索穴101を通って配索される。これにより、第1実施形態と同様、別途配線用のカバーを設けることなく、加工時の切り屑や切削油等からコードを防護することができ、省スペース化が図られる。
なお、その他の構成及び作用については、第6実施形態のものと同様である。
図25は本発明の第8実施形態の主軸装置の要部断面図である。第8実施形態の主軸装置10は、冷却ジャケット60にセンサ82を取り付けるためのセンサ穴102が、ハウジング50のセンサ取付穴68と同心に形成されている。また、センサ82は、大径部82aの長さが長く形成されると共に、配線83が大径部82aの上面から導出されている。大径部82aには、センサ取付穴68、及びセンサ穴102に対応する位置に、それぞれOリング91a、91cが装着されている。
なお、その他の構成及び作用については、第6実施形態のものと同様である。
図26は本発明の第9実施形態の主軸装置の要部断面図である。第9実施形態の主軸装置10に組み込まれるセンサ103は、配線直付けタイプのセンサ82と異なり、小径部82bの側面に雌コネクタ104を備えるコネクタ接続タイプのセンサ103である。また、配線83の先端には、雌コネクタ104に嵌合可能な雄コネクタ105が設けられている。
なお、その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
図28は、本発明に係る第10実施形態の主軸装置の要部断面図である。本実施形態の主軸装置10に組み込まれるセンサ82(即ち、樹脂製のセンサケース)は、その大径部82aの外周面から軸方向両側に向かって延出するフランジ部82d,82dを有する。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
例えば、図29に示すように、本発明の主軸装置10は、冷却油溝を備えないハウジング50にも同様に適用することができ、この場合、センサ82の大径部82aに装着するOリングを省略することができる。
また、図30に示すように、配線83が大径部82aの上面から導出されるようにすることで、配索穴を設ける必要がなくなり、加工上有利となる。
さらに、本発明のエンコーダは、回転側間座によって構成されればよく、内輪が静止側軌道輪で、外輪が回転側軌道輪である場合には、回転側間座としての外輪間座に構成されてもよい。また、本発明の軸受装置は、工作機械の主軸装置の他、工作機械の円テーブルや、ボールねじ、鉄道車両、航空機、自動車等の回転部材が軸受によって支持され、該回転部材にアキシャル荷重が作用する箇所に適用可能である。
11 回転軸(回転部材、スピンドル軸)
20 アンギュラ玉軸受(前側軸受)
21 外輪(静止側軌道輪)
22 内輪(回転側軌道輪)
23 玉(転動体)
30 アンギュラ玉軸受(前側軸受)
31 外輪(静止側軌道論)
32 内輪(回転側軌道論)
33 玉(転動体)
50 ハウジング(静止部材)
54 外輪間座(静止側間座)
54a 貫通孔
80 センサユニット
81 内輪間座(回転側間座)
82 センサ
84 エンコーダ
85 被検出用組み合わせ部
86 個性化部分
93 凸部(第1被検出部)
94 凹部(第2被検出部)
90 磁気センサ(検出部)
103 センサ
111 無線式センサ(センサ)
Claims (10)
- 静止部材に嵌合固定される静止側軌道輪、回転部材に嵌合固定される回転側軌道輪、及び、前記静止側軌道輪の静止側軌道及び前記回転側軌道輪の回転側軌道間に転動自在に配置された複数の転動体を備える軸受と、
前記回転側軌道輪の側方に配置されて前記回転側軌道輪と共に回転する回転側間座と、
被検出面の特性が円周方向に交互に変化するエンコーダ、及び、該エンコーダの前記被検出面に対向配置されて前記被検出面の前記特性の変化を検出するセンサからなるセンサユニットと、を備える軸受装置であって、
前記エンコーダは、前記回転側間座によって構成され、
前記エンコーダの被検出面は、円周方向に関して変化する前記特性のピッチが、軸方向に関して連続的に変化する部分を軸方向に単列で構成することを特徴とする軸受装置。 - 前記軸受は、前記回転部材の軸方向位置を位置決めするように配置された一対の軸受を備え、
前記エンコーダを構成する回転側間座は、前記一対の軸受の回転側軌道輪間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 - 前記一対の軸受の静止側軌道論間には、静止側間座が配置されており、
前記センサは、該静止側間座に形成された貫通孔から延出して、前記エンコーダの前記被検出面に対向配置されることを特徴とする請求項2に記載の軸受装置。 - 前記エンコーダの被検出面に、それぞれが他の部分とは特性が異なる1対の個性化部分より成る複数の被検出用組み合わせ部を、円周方向に亙り等間隔で配置しており、これら各被検出用組み合わせ部を構成する1対ずつの個性化部分同士の円周方向に関する間隔は、総ての被検出用組み合わせ部で軸方向に関して同じ方向に連続的に変化していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
- 前記エンコーダの被検出面には、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、前記両被検出部の円周方向に関する幅のうち、第一被検出部の幅は軸方向一端側程広く、第二被検出部の幅は軸方向他端側程広いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受装置。
- 前記エンコーダが磁性材製で、前記センサが前記エンコーダの被検出面の磁気特性の変化に対応して出力信号を変化させるものであり、前記エンコーダの軸方向両端部に、第一、第二両被検出部同士の回転方向に関するピッチが軸方向に関して変化しない平行部が存在することを特徴とする請求項5に記載の軸受装置。
- 静止部材に嵌合固定される静止側軌道輪、回転部材に嵌合固定される回転側軌道輪、及び、前記静止側軌道輪の静止側軌道及び前記回転側軌道輪の回転側軌道間に転動自在に配置された複数の転動体を備える軸受と、
被検出面の特性が円周方向に交互に変化するエンコーダ、及び、該エンコーダの前記被検出面に対向配置されて前記被検出面の前記特性の変化を検出するセンサからなるセンサユニットと、を備える軸受装置であって、
前記エンコーダの被検出面は、円周方向に関して変化する前記特性のピッチが、軸方向に関して連続的に変化する部分を軸方向に単列で構成すると共に、
前記センサは、前記静止側軌道輪の側方に配置された静止側間座に形成された貫通孔から延出して、前記エンコーダの前記被検出面に対向配置されることを特徴とする軸受装置。 - 前記静止側間座には、前記貫通孔と異なる円周方向位相にノズル穴が形成されており、該ノズル穴から給油ノズルが延出して配置されることを特徴とする請求項7に記載の軸受装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の軸受装置を備え、前記回転部材であるスピンドル軸のアキシャル荷重が測定可能であることを特徴とする工作機械の主軸装置。
- 請求項9に記載の主軸装置を備えたことを特徴とする工作機械。
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