JP5510052B2 - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械の主軸装置に関する。
工作機械の主軸装置は、ハウジングに軸受を介して回転可能に支持される主軸などにより構成される。このような主軸装置を備える工作機械は、工具または工作物を主軸に取付けて加工を行う。そして、工作機械による加工において、加工精度の向上を図るためには適正な加工状態を維持する必要がある。そこで、例えば、特許文献1には、主軸装置に設けられた変位センサにより加工時に主軸に加えられる荷重を推定する装置が記載されている。この装置では、変位量から推定した荷重に応じて主軸の回転速度などを低減させ、軸受の損傷を防止できるものとされている。
ここで、金属製などのワークを加工する際には、工具の冷却や焼き付き防止を目的として加工箇所にクーラント(切削液など)が供給される。しかし、クーラントや加工により生じる切り粉などがハウジングと主軸の間に侵入すると、軸受が損傷するおそれがある。そこで、ハウジングと主軸の隙間に異物侵入を防止する種々のシール構造が用いられている。例えば、この隙間を迷路状に入り組んだ形状にしたラビリンスシール(特許文献1を参照)や、隙間に圧縮されたエアを流通させるエアシールなどのシール構造が知られている。
特開2009−61571号公報
ところで、上述した主軸装置に設けられた変位センサの検出箇所へのクーラントや切り粉などの異物が侵入することにより、変位センサの検出精度の低下や検出部の劣化などを招来するおそれがある。よって、変位センサにおいても軸受と同様に、異物侵入を防止する必要がある。また、変位センサは、ハウジングに対する主軸の変位をより確実に検出するために、主軸における刃具またはワークの取付端側に設けられる方が好適である。そうすると、変位センサとシール構造の位置関係によって、例えば、特許文献1の装置のようにラビリンスシールに変位センサを配置した位置関係では、変位センサに対する十分なシール効果を得られないおそれがある。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、変位センサの検出部への異物侵入を防止し、検出精度の低下および検出部の劣化を防止することが可能な工作機械の主軸装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、筒状からなり、エアの供給源に接続されるエア流路が形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される主軸と、前記ハウジングの所定位相に配置され、当該所定位相において前記ハウジングに対する前記主軸の変位を検出する変位センサと、を備え、前記ハウジングの内周面および前記主軸の外周面により形成される隙間において、供給されるエアを滞留する環状の滞留領域が形成され、前記滞留領域の形成面に前記エア流路の開口部が形成され、前記変位センサは、前記ハウジングの内部において前記開口部から供給されるエアの流通領域に配置され、前記開口部は、前記変位センサが配置された前記ハウジングの前記所定位相と同位相に位置することである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記開口部は、前記ハウジングに配置された前記変位センサに対して、前記主軸における刃具または工作物の取付端側に形成されることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または2において、前記主軸装置は、前記ハウジングに対する前記主軸の所定方向への変位を検出する複数の前記変位センサを備え、複数の前記変位センサは、前記ハウジングにおける異なる複数の前記所定位相にそれぞれ配置され、複数の前記変位センサが配置された前記ハウジングの複数の前記所定位相と同位相にそれぞれ位置するように、複数の前記変位センサに対応する複数の前記開口部が形成されることである。
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1〜3の何れか一項において、前記ハウジングは、前記主軸を回転可能に支持する主軸ハウジングと、前記主軸ハウジングに対して着脱可能な別体からなり、前記エア流路の前記開口部が形成されるとともに、前記変位センサが配置されるセンサベースと、を有することである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項4において、前記センサベースに複数の前記変位センサが配置され、複数の前記変位センサの各配線は、当該変位センサが位置する前記センサベースの軸方向位置において一箇所または複数箇所に集約されることである。
請求項6に係る発明の特徴は、請求項4または5において、前記センサベースに配置された前記変位センサの配線は、前記主軸ハウジングと前記センサベースが連結された際に、前記センサベースの軸方向に延びる状態で前記センサベースから前記主軸ハウジングに連絡されることである。
請求項1に係る発明によると、ハウジングに対する主軸の変位を検出する変位センサがエアシールによるエアの流通領域に配置される構成としている。そして、エアの滞留領域に形成されるエア流路の開口部は、変位センサが配置されたハウジングの所定位相と同位相に位置するように形成される。ここで、主軸装置におけるエアシールは、ハウジングおよび主軸の隙間に形成された環状の滞留領域に、圧縮されたエアを供給する。これにより主軸の全周に亘りエアが充填され、主として、主軸における刃具または工作物の取付端側にエアを流通させてシール効果を得ている。
また、エアの流通領域とは、上記の隙間により連通し開口部から供給されるエアが流通し得る領域である。よって、流通領域は、滞留領域に供給されるエアの圧力や上記の隙間の大きさ、各部材間のシール状態(密閉状態)などにより影響されるものである。そして、このようなエアシールでは、エアの滞留領域に形成されたエア流路の開口部からエアが供給されるため、特に開口部が形成された位相におけるシール効果が高い。そこで、上記構成とすることにより、変位センサが配置された所定位相と同位相に開口部が位置し、より確実に変位センサの検出部への異物侵入を防止することができる。これにより、異物侵入に起因した変位センサの誤検出および劣化を防止することができる。
上述した変位センサは、ラジアル方向(軸線の直交方向)の変位を検出する場合と、アキシャル方向(軸線の平行方向)の変位を検出する場合とがある。ラジアル方向の変位検出の場合に、変位センサは、ハウジングの内周面および主軸の外周面がラジアル方向に対向する部位に配置される。一方、アキシャル方向の変位検出の場合に、変位センサは、ハウジングの内周面および主軸の外周面がアキシャル方向に対向する部位に配置される。ここで、何れの場合において、本発明における変位センサと開口部が「同位相に位置する」とは、主軸の軸線方向から見て、変位センサの周方向幅と、エア流路の開口部の周方向幅とが少なくとも一部で重複している状態をいう。
請求項2に係る発明によると、開口部は、ハウジングに配置された変位センサに対して、主軸における刃具または工作物の取付端側に形成される構成としている。上述したように、エアシールは、供給されたエアを主として取付端側に流通させることによりシール効果を得ている。そのため、主軸装置において、エアを供給する開口部が変位センサよりも取付端側である主軸の軸線方向位置に形成されている方がより確実に変位センサの検出部への異物侵入を防止することができる。
請求項3に係る発明によると、主軸装置は、ハウジングにおける異なる複数の所定位相にそれぞれ配置される複数の変位センサと、これら複数の変位センサに対応する複数の開口部とを備える構成としている。ハウジングに対する主軸の所定方向への変位を複数の変位センサの検出値から求めることがある。これにより、加工による主軸装置への熱影響や検出誤差などを補正し、より高精度に変位を検出することができる。
また、複数の変位センサは、ハウジングにおける異なる複数の所定位相に配置されるものとしている。例えば、2つの変位センサにより主軸のX軸方向の変位を検出する場合に、位相を180(deg)だけずらしたX軸上の2点に変位センサを配置する。そして、異なる複数の所定位相と同位相にエア流路の開口部を形成することにより、各変位センサの検出部への異物侵入を防止することができる。
請求項4に係る発明によると、ハウジングは、主軸を回転可能に支持する主軸ハウジングと、主軸ハウジングに対して着脱可能な別体からなるセンサベースとを有する構成としている。また、センサベースの内周面および主軸の外周面により形成される隙間にエアの滞留領域が形成される。つまり、センサベースの内周面には、エアの滞留領域の形成面のうちハウジング側に位置する部位にエア流路の開口部が形成されている。さらに、センサベースには、複数または単数の変位センサを配置している。
このような構成により、変位センサと開口部の位置関係をセンサベースにおいて組付いた状態にすることができる。よって、主軸装置の組付けの際に、変位センサの配置された所定位相にエア流路の開口部の位相を調整することが不要にできる。従って、変位センサと開口部を容易に同位相にすることができるので、主軸装置の組付けを簡易化することができる。また、変位センサは、工作機械の誤操作による破損や経年劣化などに起因して交換が必要となることがある。このような場合に、主軸を支持する主軸ハウジングを取り外すことなく、センサベースのみの交換とすることができる。よって、主軸装置全体としてメンテナンス性を向上させることができる。
請求項5に係る発明によると、センサベースに複数の変位センサが配置され、複数の変位センサの各配線は、当該変位センサが位置するセンサベースの軸方向位置において一箇所または複数箇所に集約される構成としている。上述したように、ハウジングに対する主軸の所定方向への変位を複数の変位センサの検出値から求めることがある。これにより、加工による主軸装置への熱影響や検出誤差などを補正し、より高精度に変位を検出することができる。
しかし、各変位センサが制御装置とそれぞれの配線により別経路で接続すると、ハウジングに各配線が通るために複数の内部配管が必要となってしまう。ハウジングが複数の部材を一体固定して構成される場合に、別部材間で内部配管を連通させると、その部位についてもシール構造により異物侵入を防止する必要がある。つまり、ハウジングに形成する内部配管の数はなるべく少ない方が好適である。そこで、上記構成とすることにより、センサベースの外部に導出する各配線が集約され、集約した分だけの内部配管により各配線を通し、別部材間で必要となるシール構造の数を低減することができる。
請求項6に係る発明によると、センサベースに配置された変位センサの配線は、主軸ハウジングとセンサベースが連結された際に、センサベースの軸方向に延びる状態でセンサベースから主軸ハウジングに連絡される構成としている。例えば、変位センサの配線を主軸の径方向に向かって延ばし他部材と連絡させると、センサベースまたは他部材に配管用の切り欠きなどが必要となる。そうすると、その切り欠きについてもシール構造により異物侵入を防止する必要がある。そこで、上記構成とすることにより、センサベースの端面に設けられる簡易なシール部材により異物侵入を防止するシール構造を構成することができる。
第一実施形態における工作機械の主軸装置1の軸方向断面図である。 工作機械の主軸装置1の前側部分(刃具の取付端側)の拡大軸方向断面図である。 図2のA−A断面図である。 (a)エアシールと変位センサの位置関係を示す拡大軸方向断面図である。(b)滞留領域Taを示す拡大軸方向断面図である。 第二実施形態における工作機械の主軸装置101の前側部分(刃具の取付端側)の拡大軸方向断面図である。 図5のB−B断面図である。 (a)エアシールと変位センサの位置関係を示す拡大軸方向断面図である。(b)滞留領域Taを示す拡大軸方向断面図である。
以下、本発明の工作機械の主軸装置を具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。また、工作機械の主軸装置は、主軸装置に工具を取付けるマシニングセンタなどの工作機械、または主軸装置に工作物を取付ける旋盤などの工作機械に搭載される。実施形態においては、主軸装置に工具を取付けて加工を行う工作機械に本発明の主軸装置を適用したものとして説明する。
<第一実施形態>
(主軸装置1の構成)
第一実施形態において、本発明の工作機械の主軸装置1の機械構成部分について、図1〜図4を参照して説明する。本実施形態の工作機械の主軸装置1は、図1に示すように、主として、ハウジング10と、主軸40と、モータ50と、4つの変位センサ71〜74とから構成される。この主軸装置1は、工作機械に固定されたハウジング10の内周面15に第一軸受装置61、第二軸受装置62および第三軸受装置63を介して回転自在に主軸40を支持している。そして、工作機械は、主軸装置1の主軸40の先端側(図1の左側)に取付けられた刃具81を被加工物である工作物(ワーク)に対して相対移動させることにより加工を行う。
ハウジング10は、図1,2に示すように、全体形状として筒状からなり、主軸ハウジング20と、センサベース30とから構成される。このハウジング10は、図1,3に示すように、主軸ハウジング20およびセンサベース30に形成された4本のエア流路11〜14を有している。ハウジング10のエア流路11〜14は、エアの供給源であるポンプユニット(図示せず)に接続され、そのポンプユニットより所定の圧力に調整されたエアが供給される。ハウジング10の内周面15は、主軸ハウジング20およびセンサベース30により形成される面である。つまり、内周面15は、図4(b)の太線で示すように、主軸40の軸線に対して平行でない面を含むものである。
主軸ハウジング20は、図1に示すように、第一軸受装置61、第二軸受装置62および第三軸受装置63を介して主軸40を回転可能に支持する部材である。また、主軸ハウジング20は、スリーブ部材21と、前側ハウジング22と、中央ハウジング23と、後側ハウジング24と、ハウジングキャップ25と、カバー部材26とから構成される。それぞれの部材21〜26は、略円筒状に形成され、それらが一体に連結固定されることにより主軸ハウジング20を形成している。
スリーブ部材21は、軸方向中央部に径方向外方へ突出するリング状のフランジ部21aを有する。このスリーブ部材21のフランジ部21aが前側ハウジング22と中央ハウジング23との軸方向間に配置される。さらに、スリーブ部材21におけるフランジ部21aの軸方向両側にある円筒部分が、中央ハウジング23の前側(軸方向において、刃具81の取付端側、図1の左側)端部の内周と前側ハウジング22の内周に嵌合される。また、中央ハウジング23の後側(図1の右側)端部に後側ハウジング24が連結固定される。
ハウジングキャップ25は、図2に示すように、スリーブ部材21および前側ハウジング22の軸方向前側端に取付けられる。このハウジングキャップ25は、第一軸受装置61の外輪を、スリーブ部材21との軸方向間に挟んでいる。また、中央ハウジング23は、その内周面に軸方向に摺動可能に設けられたピストン部材を介して第二軸受装置62を支持している。後側ハウジング24は、その内周面に第三軸受装置63の外輪が固定され、当該第三軸受装置63を支持している。
また、このように複数の部材21〜26から構成される主軸ハウジング20は、ハウジング10のエア流路11〜14の一部が軸方向に延びるように形成されている。これにより、センサベース30および主軸40により構成されるエアシールに圧縮されたエアを供給可能としている。また、ハウジングキャップ25は、図2,3に示すように、軸方向前側端面に開口部を有する排気路25aおよび内部配管25bが形成されている。排気路25aは、エアが流通可能に形成され、上記のエアシールで流通したエアをドレンに導いて排出している。内部配管25bは、ハウジングキャップ25よりも軸方向前側に配置される複数の変位センサ71〜74の各配線71a〜74aが集約された後に挿通するための配管である。
カバー部材26は、ハウジング10の前側端部に位置する円盤状の部材である。このカバー部材26は、ハウジングキャップ25にセンサベース30が嵌合した状態で両部材に固定され、クーラント(切削液など)や切り粉などの異物が主軸装置1の内部に侵入することを防止している。また、カバー部材26は、その内周縁が主軸40の外周面41に形成された環状のラビリンスシール溝42との間に僅かな間隔をもって挿入される。これにより、カバー部材26とラビリンスシール溝42との隙間を迷路状に入り組んだ形状にしたラビリンスシールが形成される。
センサベース30は、主軸ハウジング20と別体に形成された略円筒状の部材である。このセンサベース30は、図4(a)に示すように、外周面に形成されたOリング用シール溝31と、内周面に形成された第一エアシール溝32とを有する。センサベース30は、主軸ハウジング20に対して着脱可能となっており、ハウジングキャップ25の内周に嵌合することにより心出しされる。Oリング用シール溝31は、弾性部材で形成されたOリング16が嵌装される環状溝である。そして、センサベース30が主軸ハウジング20に嵌合した際に、Oリング16がハウジングキャップ25の内周面およびOリング用シール溝の溝底面の両面から押圧された状態となる。これにより、Oリング16は、両部材25,30の間にクーラントなどが浸入することを防止している。
第一エアシール溝32は、主軸40の外周面41と対向するセンサベース30の内周面において形成された環状溝である。また、センサベース30の内周面に対向する主軸40の外周面41には、同一の軸方向位置に第二エアシール溝43が形成されている。このような構成により、図4(b)の斜線部で示すように、ハウジング10の内周面15および主軸40の外周面41により形成される隙間Apにおいて、供給されるエアを滞留する環状の滞留領域Taが形成される。つまり、第一エアシール溝32と第二エアシール溝43の各溝底面および各溝側面は、エアの滞留領域Taを形成する形成面である。
また、センサベース30は、ハウジング10に対する主軸40の変位を検出する4つの変位センサ71〜74が異なる所定位相にそれぞれ配置されている。本実施形態において、変位センサ71〜74は、主軸40のラジアル方向(主軸40の径方向)の変位を検出する。そのため、変位センサ71〜74は、その検出部71b〜74bが主軸40の外周面41に向けて配置される。この時、変位センサ71〜74の検出部71b〜74bと主軸40の外周面41とは、僅かに離間している。変位センサ71〜74が検出する変位における「ラジアル方向」は、本発明の「所定方向」に相当する。
4つの変位センサ71〜74は、図3に示すように、センサベース30の周方向に等間隔となるように、90(deg)間隔で配置される。これにより、主軸装置1は、Y軸上の正方向側に配置される変位センサ71と、Y軸上の負方向側に配置される変位センサ73とにより、主軸40のY軸方向への変位を検出している。同様に、主軸装置1は、X軸上の正方向側に配置される変位センサ72と、X軸上の負方向側に配置される変位センサ74とにより、主軸40のX軸方向への変位を検出している。このように、本実施形態の工作機械は、ハウジング10に対する主軸40のX軸方向およびY軸方向への変位を複数の変位センサ71〜74の検出値から求めている。これにより、加工による主軸装置1への熱影響や検出誤差などを補正し、変位検出の高精度化を図っている。
ここで、センサベース30は、主軸ハウジング20と同様に、ハウジング10のエア流路11〜14の一部が形成されている。つまり、ハウジング10のエア流路11〜14は、センサベース30が主軸ハウジング20に連結された状態で、ポンプユニットから供給されるエアを流通可能としている。そして、このセンサベース30の第一エアシール溝32の溝底面には、センサベース30の周方向に等間隔となるように、90(deg)間隔でエア流路11〜14の開口部11a〜14aが形成されている。これらのエア流路11〜14の開口部11a〜14aは、複数の変位センサ71〜74に対して、ハウジング10の前側(主軸40における刃具81の取付端側)に位置するように形成される。
上述したように、複数の変位センサ71〜74は、ハウジング10を構成するセンサベース30における異なる複数の所定位相にそれぞれ配置されている。ここで、複数の所定位相とは、本実施形態において、X軸に直交する位相(変位センサ71,73の所定位相)と、X軸に平行する位相(変位センサ72,74の所定位相)をいう。また、エア流路11〜14の開口部11a〜14aは、センサベース30の第一エアシール溝32の溝底面の4箇所に形成される。そして、開口部11a〜14aは、図3に示すように、複数の変位センサ71〜74が配置されたセンサベース30の異なる複数の所定位相と同位相にそれぞれ位置するように、複数の変位センサ71〜74に対応して形成されている。
ここで、本実施形態において、変位センサ71と開口部11aが「同位相に位置する」とは、主軸40の軸線方向から見て、図3に示すように、変位センサ71の周方向幅であるセンサ幅Wsと、エア流路11の開口部11aの周方向幅である流路幅Wdとが少なくとも一部で重複している状態をいう。変位センサ71と異なる位相に配置された他の変位センサ72〜74と、これらに対応するエア流路12〜14の開口部12a〜14aについても同様である。
また、複数の変位センサ71〜74は、図2に示すように、同一の軸方向位置に配置されている。そして、複数の変位センサ71〜74の各配線71a〜74aは、図3に示すように、当該変位センサ71〜74が位置するセンサベース30の軸方向位置において一箇所に集約されている。本実施形態においては、各変位センサ71〜74の径方向外方に位置するセンサベース30の内周面に這わせるようにして各配線71a〜74aを配線集約位置Pgに集約している。
また、上述したように、ハウジングキャップ25には、軸方向前側端面に開口部を有する内部配管25bが形成されている。ハウジングキャップ25にセンサベース30が嵌合して連結された際に、配線集約位置Pgは、この内部配管25bの開口部と一致するように設定されている。そして、センサベース30に配置された複数の変位センサ71〜74の各配線71a〜74aは、センサベース30の軸方向に延びる状態で、センサベース30からハウジングキャップ25に連絡される。内部配管25bの開口部は、内部配管25bに各配線71a〜74aを通した後に、簡易なシール部材により異物侵入を防止される。
主軸40は、略円筒状に形成されており、ハウジング10の内周面15に第一軸受装置61、第二軸受装置62および第三軸受装置63を介して回転可能に支持されている。主軸40の中空内部には、刃具81が固定されたホルダ82をクランプするクランプユニット83や、クランプユニット83を作動させるプッシュロッド84およびドローバー85が収容されている。
また、主軸40の軸方向後側であって、後側ハウジング24の中空内部には、クランプユニット83を操作するためのシリンダ組立体86が配置されている。主軸40の外周の軸方向中央部には、ロータスリーブ87を介してモータ50のロータ51が固定されている。このロータ51の外周側には、中央ハウジング23の内周に嵌合固定されたモータ50のステータ52が設けられている。主軸40は、このモータ50により回転駆動されるようになっている。
また、主軸40は、図2,4に示すように、その外周面41において、ラビリンスシール溝42および第二エアシール溝43が形成されている。また、主軸40の外周面41は、図4(b)の太線で示すように、主軸40の軸線に対して平行でない面も含むものである。そして、主軸装置1における主軸40は、第一軸受装置61、第二軸受装置62および第三軸受装置63を介してハウジング10により支持されている。つまり、主軸40の外周面41は、各軸受装置61〜63によって支持されていない面においては、ハウジング10の内周面15と僅かな隙間Apをもって離間している。
ラビリンスシール溝42は、環状からなり、その溝底の外径がカバー部材26の内径よりも小径に形成されている。また、ラビリンスシール溝42の軸方向幅は、カバー部材26の軸方向幅よりも大きく形成されている。これにより、主軸装置1が組付けられた状態において、カバー部材26の内周縁とラビリンスシール溝42によりラビリンスシールが構成される。
第二エアシール溝43は、センサベース30の内周面と対向する主軸40の外周面41において形成された環状溝である。この第二エアシール溝43は、センサベース30に形成された第一エアシール溝32と同一の軸方向位置に形成されている。また、第二エアシール溝43の溝幅(軸方向幅)と第一エアシール溝32の溝幅は同じ大きさに設定されている。これにより、第二エアシール溝43は、第一エアシール溝32とともにエアの滞留領域Taを形成する。
第一軸受装置61および第二軸受装置62は、図1に示すように、それぞれ二対のアンギュラ玉軸受を備えて構成されている。第一軸受装置61は、モータ50の軸方向前側(刃具81の取付端側)であって、前側ハウジング22の内周面と主軸40の外周面との間に嵌合される。第二軸受装置62は、モータ50の軸方向前側であり、第一軸受装置61の軸方向後側(刃具81の取付端側とは反対側)に配置される。この第二軸受装置62は、スリーブ部材21の内周面に軸方向に摺動可能に設けられたピストン部材の内周面と主軸40の外周面との間に嵌合される。
第一軸受装置61のアンギュラ玉軸受の接触角と、第二軸受装置62のアンギュラ玉軸受の接触角は、軸直交平面に対して対称となるように設けられている。具体的には、第一軸受装置61の外輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向後側(第二軸受装置62側)に位置し、第二軸受装置62の外輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向前側(刃具81の取付端側)に位置する。また、第一軸受装置61の内輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向前側(刃具81の取付端側)に位置し、第二軸受装置62の内輪と転動体の接点は、当該転動体の中心よりも軸方向後側(モータ50側)に位置する。
第三軸受装置63は、図1に示すように、一個の円筒ころ軸受を備えて構成されている。第三軸受装置63は、モータ50の軸方向後側(刃具81の取付端側と反対側)であって、第一後側ハウジング13の内周面と主軸40の外周面との間に嵌合される。
このように構成される工作機械の主軸装置1において、工作機械の制御装置(図示せず)は、複数の変位センサ71〜74による出力値に基づいて、ハウジング10に対する主軸40のラジアル方向(径方向)の変位を検出する。そして、本実施形態において、制御装置は、検出された主軸40の変位に基づいて、加工時に主軸40に加えられるラジアル方向の荷重を算出し、算出された荷重と予め設定されている閾値とを比較する。これにより、制御装置により工作機械は、例えば、加工精度の低減を防止するために、オーバーライドにより工作物に対する刃具81の送り速度を低減させるように制御する。また、大きな負荷が主軸に加えられていると判定された場合に、制御装置により工作機械は、主軸を停止させるように制御する。
その他に、制御装置は、上記主軸40の変位に加えて、回転速度センサにより検出した主軸40の回転速度(回転数)などを元情報として、FFT解析などの周波数解析を行うものとしてもよい。これにより、加工時における主軸のびびり振動が解析され、びびり振動の周波数、径方向の位相および振幅が算出される。そして、制御装置は、この解析結果に基づいて、例えば、ハウジング10に対する主軸40のラジアル方向の減衰係数を調整するユニットを制御し、びびり振動の低減を図るものとしてもよい。このように、制御装置は、工作機械による加工における適正な加工状態を維持し、加工精度の向上を図っている。
ここで、上述したように種々の用途に使用される主軸装置1の変位センサ71〜74は、加工において主軸40に加えられる負荷による主軸40の変位を検出するものである。よって、変位センサ71〜74は、変位をより確実に検出するためには、主軸40における刃具81の取付端側に設けられる方が好適である。また、変位センサ71〜74は、各検出部71b〜74bが変位を検出する主軸40の外周面41の検出箇所へ異物が侵入すると、検出精度の低下や検出部71b〜74bの劣化などを招来するおそれがある。
しかし、変位センサ71〜74を主軸装置1における軸方向前側に配置すると、加工時にクーラントを供給され切り粉を生じる加工箇所に変位センサ71〜74が近接し、異物が侵入しやすくなることがある。そこで、本発明の工作機械の主軸装置1は、上記のような構成により、変位センサ71〜74の配置される位置に関わらず、各検出部71b〜74bへの異物侵入を防止している。
(主軸装置1のエアシール)
ここで、主軸装置1のエアシールについて説明する。主軸装置1のエアシールは、カバー部材26および主軸40により形成されるラビリンスシールよりも軸方向後側に位置し、且つ複数の変位センサ71〜74よりも軸方向前側に位置し、主軸装置1の内部への異物侵入を防止するシール構造である。このエアシールは、上述したように、ハウジング10のエア流路11〜14と、ハウジング10の内周面15および主軸40の外周面41により形成される隙間Apと、この隙間Apにおいて第一エアシール溝32および第二エアシール溝43により形成されるエアの滞留領域Taと、ドレンに連結されるハウジングキャップ25の排気路25aとから構成される。
また、エアの供給源であるポンプユニットには、圧縮されたエアを流通可能な外部配管を接続される。そして、外部配管を4本の枝管に分岐した後、ハウジング10のエア流路11〜14の端部にそれぞれ形成されたコネクタにそれぞれの枝管が連結される。つまり、エア流路11〜14は、外部配管を介してポンプユニットに接続されることになる。そして、上記のような構成からなるエアシールは、先ず、ポンプユニットにより供給されるエアをエア流路11〜14を介して滞留領域Taに圧送する。これにより、供給されたエアは、滞留領域Taに一時的に充填されることになる。
次に、ハウジング10の内周面15および主軸40の外周面41により形成される隙間Apに、滞留領域Taから滞留していたエアの一部が流通する。この時、エアは、図4(b)の矢印で示すように、主に滞留領域Taから軸方向前側に向かって流通する。ここで、ハウジング10の内部において、隙間Apにより連通し開口部から滞留領域Taに供給されるエアが流通し得る領域をエアの流通領域Rvとしている(図4(b)を参照)。このエアの流通領域Rvは、滞留領域Taに供給されるエアの圧力や隙間Apの大きさ、各部材間のシール状態または密閉状態などにより変動するものである。本実施形態において、主軸装置1の変位センサ71〜74は、少なくとも変位センサ71〜74の検出部71b〜74bが流通領域Rvの内部に位置するように配置される。
続いて、隙間Apを軸方向前側に抜けたエアは、センサベース30の軸方向前側端面およびカバー部材26の軸方向後側端面との間を径方向外方に流通する。そして、エアは、ハウジングキャップ25の軸方向前側端面に開口部を有する排気路25aから排気され、ドレンに排出される。このようなエアの流通により、エアシールは、カバー部材26よりも内側(軸方向後側)にクーラントや切り粉などが侵入した場合に、隙間Apからエアを流出し隙間Apへの異物侵入を防止している。さらに、エアシールは、エアを隙間Apからハウジングキャップ25の排気路25aへ流通させることにより、カバー部材26よりも内側に侵入した異物をドレンに排出している。このように、主軸装置1のエアシールは、異物侵入を防止するシール構造を構成している。
上述したように、主軸装置1のエアシールは、隙間Apへの異物侵入を防止することで、各軸受装置61〜63や変位センサ71〜74の検出部71b〜74bへの異物侵入を防止するものである。ここで、このエアシールにおけるエアの滞留領域Taは、エア流路11〜14を介してエアポンプから圧縮されたエアが供給される。この時、開口部11a〜14aから環状の滞留領域Taにエアが流入する。そのため、滞留領域Taの形成面(第一エアシール溝32)において開口部11a〜14aが形成された位相における内圧は、他の位相における内圧と比較して高い状態となっている。
即ち、開口部11a〜14aが形成された位相は、他の位相と比較してシール効果が高いことになる。そこで、本発明の工作機械の主軸装置1では、変位センサ71〜74が配置された位相におけるシール効果を高める構成としている。具体的には、複数の変位センサ71〜74に対応する複数の開口部11a〜14aは、複数の変位センサ71〜74が配置されたハウジング10の複数の所定位相と同位相にそれぞれ位置するよう形成される構成としている。
(主軸装置1による効果)
本発明の工作機械の主軸装置1によると、滞留領域Taに形成されるエア流路11〜14の開口部11a〜14aは、エアの流通領域Rvにおいて変位センサ71〜74が配置されたハウジング10の所定位置と同位相に位置するように形成される構成としている。主軸装置1のエアシールは、エアの滞留領域Taに圧縮されたエアを供給し、ハウジング10および主軸40の隙間Apにエアを流通させてシール効果を得ている。
そして、上述したように、エアの滞留領域Taに形成されたエア流路11〜14の開口部11a〜14aからエアが供給されるため、特に開口部11a〜14aが形成された位相におけるシール効果が高い。そこで、上記構成とすることにより、変位センサ71〜74は、シール効果が比較的高い開口部11a〜14aと同位相となり、より確実に変位センサ71〜74の検出部71b〜74bへの異物侵入を防止することができる。これにより、異物侵入に起因した変位センサ71〜74の誤検出および劣化を防止することができる。
また、エア流路11〜14の開口部11a〜14aは、ハウジング10に配置された変位センサ71〜74に対して、軸方向前側(主軸40における刃具81の取付端側)に形成される構成としている。上述したように、エアシールは、供給されたエアを主として取付端側に流通させることによりシール効果を得ている。そのため、主軸装置1において、エアを供給する開口部11a〜14aが変位センサ71〜74よりも取付端側である主軸40の軸線方向位置に形成されている方がより確実に変位センサ71〜74の検出部71b〜74bへの異物侵入を防止することができる。
ハウジング10は、主軸40を回転可能に支持する主軸ハウジング20と、主軸ハウジング20に対して着脱可能な別体からなるセンサベース30とを有する構成としている。また、センサベース30の内周面15および主軸40の外周面41により形成される隙間Apにエアの滞留領域Taが形成される。つまり、センサベース30の内周面15には、エアの滞留領域Taの形成面のうちハウジング10側に位置する部位にエア流路11〜14の開口部11a〜14aが形成されている。さらに、センサベース30には、複数の変位センサ71〜74を配置している。
このような構成により、変位センサ71〜74と開口部11a〜14aの位置関係をセンサベース30において組付いた状態にすることができる。よって、主軸装置1の組付けの際に、変位センサ71〜74の配置された所定位相にエア流路11〜14の開口部11a〜14aの位相を調整することが不要にできる。従って、変位センサ71〜74と開口部11a〜14aを容易に同位相にすることができるので、主軸装置1の組付けを簡易化することができる。また、変位センサ71〜74は、工作機械の誤操作による破損や経年劣化などに起因して交換が必要となることがある。このような場合に、主軸40を支持する主軸ハウジング20を取り外すことなく、センサベース30のみの交換とすることができる。よって、主軸装置1全体としてメンテナンス性を向上させることができる。
センサベース30に複数の変位センサ71〜74が配置され、複数の変位センサ71〜74の各配線71a〜74aは、当該変位センサ71〜74が位置するセンサベース30の軸方向位置において一箇所に集約される構成としている。本実施形態では、ハウジング10に対する主軸40のX軸方向およびY軸方向への変位を複数の変位センサ71〜74の検出値から求めるものとした。これにより、加工による主軸装置1への熱影響や検出誤差などを補正し、より高精度に変位を検出することができる。
しかし、各変位センサ71〜74が制御装置とそれぞれの配線71a〜74aにより別経路で接続すると、ハウジング10に各配線71a〜74aが通るために複数の内部配管が必要となってしまう。ハウジング10が複数の部材を一体固定して構成される場合に、別部材間で内部配管を連通させると、その部位についてもシール構造により異物侵入を防止する必要がある。つまり、ハウジング10に形成する内部配管の数はなるべく少ない方が好適である。そこで、上記構成とすることにより、センサベース30の外部に導出する各配線71a〜74aが集約され、集約した分だけの内部配管により各配線71a〜74aを通し、別部材間で必要となるシール構造の数を低減することができる。
センサベース30に配置された変位センサ71〜74の配線71a〜74aは、主軸ハウジング20とセンサベース30が連結された際に、センサベース30の軸方向に延びる状態でセンサベース30から主軸ハウジング20に連絡される構成としている。例えば、変位センサ71〜74の配線71a〜74aを主軸40の径方向に向かって延ばし他部材と連絡させると、センサベース30または他部材に配管用の切り欠きなどが必要となる。そうすると、その切り欠きについてもシール構造により異物侵入を防止する必要がある。そこで、上記構成とすることにより、センサベース30の端面に設けられる簡易なシール部材により異物侵入を防止するシール構造を構成することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態において、本発明の工作機械の主軸装置101の機械構成部分について、図5〜図7を参照して説明する。ここで、第二実施形態の構成は、主に、第一実施形態における複数の変位センサ71〜74が検出対象とする変位方向がラジアル方向であったのに対して、アキシャル方向とした点が相違する。なお、その他の構成については、第一実施形態と同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。
(主軸装置101の構成)
本実施形態の工作機械の主軸装置101は、主として、ハウジング110と、主軸40と、モータ50と、2つの変位センサ171,172とから構成される。この主軸装置101は、工作機械に固定されたハウジング110の内周面15に第一軸受装置61、第二軸受装置62および第三軸受装置63を介して回転自在に主軸40を支持している。
ハウジング110は、主軸ハウジング120と、センサベース130とから構成される。このハウジング110は、図6に示すように、主軸ハウジング120およびセンサベース130に形成された2本のエア流路111,112を有している。ハウジング110のエア流路111,112は、エアの供給源であるポンプユニット(図示せず)に接続され、そのポンプユニットより所定の圧力に調整されたエアが供給される。ハウジング110の内周面15は、主軸ハウジング120およびセンサベース130により形成される面である。つまり、内周面15は、図7の太線で示すように、主軸40の軸線に対して平行でない面を含むものである。
また、主軸ハウジング120は、ハウジング110のエア流路111,112の一部が軸方向に延びるように形成されている。これにより、センサベース130および主軸40により構成されるエアシールに圧縮されたエアを供給可能としている。また、ハウジングキャップ25は、軸方向前側端面に開口部を有する内部配管25bが形成されている。この内部配管25bは、ハウジングキャップ25よりも軸方向前側に配置される複数の変位センサ171,172の各配線171a,172aが集約された後に挿通するための配管である。
センサベース130は、主軸ハウジング120と別体に形成された略円筒状の部材である。このセンサベース130は、図7(a)に示すように、外周面に形成されたOリング用シール溝31と、内周面に形成された第一エアシール溝32とを有する。センサベース130は、主軸ハウジング120に対して着脱可能となっており、ハウジングキャップ25の内周に嵌合することにより心出しされる。また、センサベース130の内周面に対向する主軸40の外周面41には、同一の軸方向位置に第二エアシール溝43が形成されている。このような構成により、図7(b)に示すように、ハウジング110の内周面15および主軸40の外周面41により形成される隙間Apにおいて、供給されるエアを滞留する環状の滞留領域Taが形成される。
また、センサベース130は、ハウジング110に対する主軸40の変位を検出する2つの変位センサ171,172が異なる所定位相にそれぞれ配置されている。本実施形態において、変位センサ171,172は、主軸40のアキシャル方向(主軸40の軸方向)の変位を検出する。そのため、変位センサ171,172は、その検出部171b,172bが主軸40の外周面41に向けて配置される。この時、変位センサ171,172の検出部171b,172bと主軸40の外周面41とは、僅かに離間している。変位センサ171,172が検出する変位における「アキシャル方向」は、本発明の「所定方向」に相当する。
2つの変位センサ171,172は、図6に示すように、センサベース130の周方向に等間隔となるように、180(deg)間隔で配置される。これにより、主軸装置101は、Y軸正方向に配置される変位センサ171と、Y軸負方向に配置される変位センサ172とにより、主軸40のZ軸方向への変位を検出している。このように、本実施形態の工作機械は、ハウジング110に対する主軸40のZ軸方向への変位を複数の変位センサ171,172の検出値から求めている。これにより、加工による主軸装置101への熱影響や検出誤差などを補正し、変位検出の高精度化を図っている。
ここで、センサベース130は、主軸ハウジング120と同様に、ハウジング110のエア流路111,112の一部が形成されている。つまり、ハウジング110のエア流路111,112は、センサベース130が主軸ハウジング120に連結された状態で、ポンプユニットから供給されるエアを流通可能としている。そして、このセンサベース130の第一エアシール溝32の溝底面には、センサベース130の周方向に等間隔となるように、180(deg)間隔でエア流路111,112の開口部111a,112aが形成されている。これらのエア流路111,112の開口部111a,112aは、複数の変位センサ171,172に対して、ハウジング110の前側(主軸40における刃具81の取付端側)に位置するように形成される。
上述したように、複数の変位センサ171,172は、ハウジング110を構成するセンサベース130における異なる複数の所定位相にそれぞれ配置されている。ここで、複数の所定位相とは、本実施形態において、X軸に直交する位相(変位センサ171,172の所定位相)をいう。また、エア流路111,112の開口部111a,112aは、センサベース130の第一エアシール溝32の溝底面の2箇所に形成される。そして、開口部111a,112aは、図6に示すように、複数の変位センサ171,172が配置されたセンサベース130の異なる複数の所定位相と同位相にそれぞれ位置するように、複数の変位センサ171,172に対応して形成されている。
ここで、本実施形態において、変位センサ171と開口部111aが「同位相に位置する」とは、主軸40の軸線方向から見て、図6に示すように、変位センサ171の周方向幅であるセンサ幅Wsと、エア流路111の開口部111aの周方向幅である流路幅Wdとが少なくとも一部で重複している状態をいう。変位センサ171と異なる位相に配置された他の変位センサ172と、これらに対応するエア流路112の開口部112aについても同様である。
また、複数の変位センサ171,172は、図5に示すように、同一の軸方向位置に配置されている。そして、複数の変位センサ171,172の各配線171a,172aは、図6に示すように、当該変位センサ171,172が位置するセンサベース130の軸方向位置において一箇所に集約されている。本実施形態においては、各変位センサ171,172の径方向外方に位置するセンサベース130の内周面に這わせるようにして各配線171a,172aを配線集約位置Pgに集約している。そして、集約された各配線171a,172aは、センサベース130の軸方向に延びる状態で、センサベース130からハウジングキャップ25に連絡される。内部配管25bの開口部は、内部配管25bに各配線171a,172aを通した後に、簡易なシール部材により異物侵入を防止される。
また、主軸40は、図5,7に示すように、その外周面41において、ラビリンスシール溝42および第二エアシール溝43が形成されている。また、主軸40の外周面41は、図7(b)の太線で示すように、主軸40の軸線に対して平行でない面も含むものである。つまり、主軸40の外周面41は、各軸受装置61〜63によって支持されていない面においては、ハウジング110の内周面15と僅かな隙間Apをもって離間している。
主軸40の第二エアシール溝43は、センサベース130の内周面と対向する主軸40の外周面41において形成された環状溝である。この第二エアシール溝43は、センサベース130に形成された第一エアシール溝32と同一の軸方向位置に形成されている。また、第二エアシール溝43の溝幅(軸方向幅)と第一エアシール溝32の溝幅は同じ大きさに設定されている。これにより、第二エアシール溝43は、第一エアシール溝32とともにエアの滞留領域Taを形成する。
このように構成される工作機械の主軸装置101において、工作機械の制御装置(図示せず)は、複数の変位センサ171,172による出力値に基づいて、ハウジング110に対する主軸40のアキシャル方向(軸方向)の変位を検出する。そして、本実施形態において、制御装置は、検出された主軸40の変位に基づいて、加工時に主軸に加えられるアキシャル方向の荷重を算出する。この算出した荷重に基づく制御装置による工作機械の制御については、第一実施形態と同様なので説明を省略する。また、制御装置は、上記の制御により加工における適正な加工状態を維持し、加工精度の向上を図っている。本実施形態の主軸装置101のエアシールについては、第一実施形態と実質的に同一であるため詳細な説明を省略する。
(主軸装置101による効果)
本発明の工作機械の主軸装置101によると、第一実施形態の主軸装置1と同様の効果を奏する。即ち、本実施形態の主軸装置101において、滞留領域Taに形成されるエア流路111,112の開口部111a,112aは、エアの流通領域Rvにおいて変位センサ171,172が配置されたハウジング110の所定位置と同位相に位置するように形成される構成としている。主軸装置101のエアシールは、エアの滞留領域Taに圧縮されたエアを供給し、ハウジング110および主軸40の隙間Apにエアを流通させてシール効果を得ている。
そして、上述したように、エアの滞留領域Taに形成されたエア流路111,112の開口部111a,112aからエアが供給されるため、特に開口部111a,112aが形成された位相におけるシール効果が高い。そこで、上記構成とすることにより、変位センサ171,172は、シール効果が比較的高い開口部111a,112aと同位相となり、より確実に変位センサ171,172の検出部171b,172bへの異物侵入を防止することができる。これにより、異物侵入に起因した変位センサ171,172の誤検出および劣化を防止することができる。その他の第一実施形態の主軸装置1による効果についても同様である。
<第一、第二実施形態の変形態様>
第一、第二実施形態の主軸装置1,101において、エア流路11〜14,111,112の開口部11a〜14a,111a,112aは、変位センサ71〜74,171,172が配置されたハウジング10,110の所定位置と同位相に位置するように形成される構成とした。このように、変位センサは、エア流路の開口部と同位相で配置される位置関係であれば、エアの流通領域Rvの内部で配置される位置を適宜変更してもよい。
例えば、主軸装置は、変位センサをエアの滞留領域Taの内部に配置、または滞留領域Taよりも軸方向前側に配置してもよい。このような構成においても同様の効果を奏する。さらに、変位センサが第一、第二実施形態で例示した位置よりも軸方向前側に配置されるため、変位をより確実に検出することができる。但し、変位センサに対して十分なシール効果を得るためには、変位センサをエアの滞留領域Taよりも軸方向後側に配置する構成が好適である。
この滞留領域Taは、隙間Apにおいて第一エアシール溝32および第二エアシール溝43の対向する2つの溝により形成されるものとした。これに対して、滞留領域Taは、何れか一方のエアシール溝により形成されるものとしてもよい。つまり、例えば、第二エアシール溝43が形成されていない一様な主軸40の外周面41の一部と、第一エアシール溝32とにより環状の滞留領域Taを形成してもよい。または、第一エアシール溝32を形成しない一様なハウジング10の内周面15の一部と、第二エアシール溝43とにより環状の滞留領域Taを形成してもよい。このような構成においても同様の効果を奏する。また、一方部材の加工のみで済むことから製造コストを低減することができる。
また、第一、第二実施形態において、複数の変位センサ71〜74,171,172により、ラジアル方向またはアキシャル方向(X,Y軸方向またはZ軸方向)を所定方向として、その変位を検出するものとした。これに対して、各方向の変位は、単数の変位センサにより検出するものとしてもよい。変位検出の高精度化の観点からは複数の変位センサを配置することが望ましいが、十分な検出値を得られる場合には単数の変位センサを配置することによりコストを低減することができる。また、変位センサは、ラジアル方向およびアキシャル方向の両方向の変位を検出するように複数配置する構成としてもよい。
さらに、第一、第二実施形態において、主軸装置1,101は、変位センサ71〜74,171,172の配線71a〜74a,171a,172aを一箇所の配線集約位置Pgに集約するものとした。これに対して、主軸装置が3以上の複数の変位センサを備える場合に、その変位センサの配線は、複数箇所に集約する構成としてもよい。配線の集約については、ハウジングに配置される変位センサの数よりも設定される配線集約位置の数が少なければ効果を得られる。そこで、例えば、第一実施形態のように主軸装置1が4つの変位センサ71〜74を備える場合には、軸対称位置の2箇所に各配線71a〜74aを集約する。このような構成においても同様の効果を奏するものである。
1,101:主軸装置
10,110:ハウジング、 11〜14,111,112:エア流路
11a〜14a,111a,112a:開口部、 15:内周面、 16:Oリング
20,120:主軸ハウジング、 21:スリーブ部材、 21a:フランジ部
22:前側ハウジング、 23:中央ハウジング、 24:後側ハウジング
25:ハウジングキャップ、 25a:排気路、 25b:内部配管
26:カバー部材
30,130:センサベース、 31:Oリング用シール溝
32:第一エアシール溝
40:主軸、 41:外周面、 42:ラビリンスシール溝
43:第二エアシール溝
50:モータ、 51:ロータ、 52:ステータ
61:第一軸受装置、 62:第二軸受装置、63:第三軸受装置
71〜74,171,172:変位センサ
71a〜74a,171a,172a:配線
71b〜74b,171b,172b:検出部
81:刃具、 82:ホルダ、 83:クランプユニット、 84:プッシュロッド
85:ドローバー、 86:シリンダ組立体、 87:ロータスリーブ
Ta:滞留領域、 Rv:流通領域、 Ws:センサ幅、 Wd:流路幅
Pg:配線集約位置、 Ap:隙間

Claims (6)

  1. 筒状からなり、エアの供給源に接続されるエア流路が形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支持される主軸と、
    前記ハウジングの所定位相に配置され、当該所定位相において前記ハウジングに対する前記主軸の変位を検出する変位センサと、
    を備え、
    前記ハウジングの内周面および前記主軸の外周面により形成される隙間において、供給されるエアを滞留する環状の滞留領域が形成され、
    前記滞留領域の形成面に前記エア流路の開口部が形成され、
    前記変位センサは、前記ハウジングの内部において前記開口部から供給されるエアの流通領域に配置され、
    前記開口部は、前記変位センサが配置された前記ハウジングの前記所定位相と同位相に位置することを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 請求項1において、
    前記開口部は、前記ハウジングに配置された前記変位センサに対して、前記主軸における刃具または工作物の取付端側に形成されることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記主軸装置は、前記ハウジングに対する前記主軸の所定方向への変位を検出する複数の前記変位センサを備え、
    複数の前記変位センサは、前記ハウジングにおける異なる複数の前記所定位相にそれぞれ配置され、
    複数の前記変位センサが配置された前記ハウジングの複数の前記所定位相と同位相にそれぞれ位置するように、複数の前記変位センサに対応する複数の前記開口部が形成されることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項において、
    前記ハウジングは、
    前記主軸を回転可能に支持する主軸ハウジングと、
    前記主軸ハウジングに対して着脱可能な別体からなり、前記エア流路の前記開口部が形成されるとともに、前記変位センサが配置されるセンサベースと、
    を有することを特徴とする工作機械の主軸装置。
  5. 請求項4において、
    前記センサベースに複数の前記変位センサが配置され、
    複数の前記変位センサの各配線は、当該変位センサが位置する前記センサベースの軸方向位置において一箇所または複数箇所に集約されることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  6. 請求項4または5において、
    前記センサベースに配置された前記変位センサの配線は、前記主軸ハウジングと前記センサベースが連結された際に、前記センサベースの軸方向に延びる状態で前記センサベースから前記主軸ハウジングに連絡されることを特徴とする工作機械の主軸装置。
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