JP6464775B2 - エアシール構造、及びエアシール構造が適用された主軸装置 - Google Patents

エアシール構造、及びエアシール構造が適用された主軸装置 Download PDF

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Description

本発明は、エアシール構造、及び、該エアシール構造が適用された主軸装置に関する。
工作機械の主軸装置においては、その主軸となる回転軸部材の先端に、ワークを加工するための工具が取付けられている。そして、この工具にてワークが加工される際、これらの工具およびワークには、ワークの加工精度等を向上させるためのクーラントがかけられている。このクーラントが回転軸部材とそのハウジングとの間の隙間に入り込んで回転軸部材の軸受まで浸入し、クーラントが回転軸部材と軸受との隙間に充填されると、クーラントは潤滑剤ではないので回転軸部材と軸受との摩擦による熱等にて軸受が焼きついてしまう恐れがある。それを防止するために、ハウジングと回転軸部材との間にエアシールを形成するのが一般的である。エアシールは、回転軸部材を例えば静圧支持する軸受油の油漏れの防止にも利用されている。
従来においては(図6,7)、ハウジング200の内周面と回転軸部材220の外周面との間のエアシール用隙間230に対して、複数個所の供給孔210から圧縮エア(以下、エアと記す)を供給する(図6,7の矢印参照)ことで、該隙間230にエアシールを形成していた。なお、特許文献1には、一箇所の供給孔からのエアによってハウジングと回転軸部材との間にエアシールを形成する技術が開示されている。
特開2000−18395号公報
加工負荷に起因するハウジング200と回転軸部材220との接触をさけるため、エアシール用隙間230は大きめにとる必要がある。この結果、図6の矢印で示すように、エアシール用隙間230に供給されたエアは、回転軸部材220の軸線LX方向に流れやすく、回転軸部材220の円周方向(図7)に行き渡りにくい。結果として、回転軸部材220の円周方向でエアシールが不十分になりやすい。なお、エアシール用隙間230の全周に亘ってエアシールを形成できるようにエアの供給孔210を増やすことは、エアの消費流量を増やすとともに、例えば回転軸部材220の径が大きい場合には加工工数が増えることから、コストアップを招く。
本発明はこのような問題を解決しようとするものであり、その課題は、エアシール用隙間へのエアの消費流量を増やすことなく、エアシール用隙間の全周にエアを供給して、該全周に亘ってエアシールのシール機能を向上させることである。
上記課題を解決するため、本発明はつぎの手段をとる。
本発明の第1の発明は、貫通孔を有するハウジングにおける内周面と、前記ハウジングの前記貫通孔内において回転可能に支持される回転軸部材の外周面と、の間にエアシールを形成するエアシール構造であって、前記ハウジングの内周面と前記回転軸部材の外周面との間には、エアシール用隙間が設けられ、前記ハウジングの内周面には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記エアシール用隙間にエアを吐出する環状エア吐出溝が形成され、前記ハウジングの内部において前記環状エア吐出溝の外周には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記環状エア吐出溝にエアを供給する環状供給溝が形成され、前記ハウジングの内部には、前記環状供給溝にエアを供給するエア流路が形成され、前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の外周面に対向している開口面の前記回転軸部材の軸線方向の幅である開口幅は、前記エアシール用隙間よりも狭い寸法に設定され、前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である吐出溝幅は、前記環状供給溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である供給溝幅よりも狭い寸法に設定されているエアシール構造である。
この第1の発明においては、環状エア吐出溝の溝幅が環状供給溝の溝幅よりも狭いことから、環状供給溝では環状エア吐出溝よりも流体抵抗が小さい。そのため、環状供給溝に供給されたエアが、まず、環状供給溝の全周に均一圧力で行き渡り、その後このエアが行き場を失って環状エア吐出溝に流れ込み環状エア吐出溝に行き渡ることで、環状エア吐出溝の全周からエアシール用隙間に均一圧力のエアが供給される。また、第1の発明においては、環状エア吐出溝の開口幅がエアシール用隙間より狭いことから、該開口部分がエアシール用隙間に対するエアの絞りとして機能して、エアシール用隙間には速い流速のエアが供給される。したがって、エアシール用隙間へのエアの消費流量を増やすことなく、均一圧力かつ速い流速のエアがエアシール用隙間の全周に供給され、該全周に亘ってエアシールのシール機能を向上させることができる。
本発明の第2の発明は、貫通孔を有するハウジングにおける内周面と、前記ハウジングの前記貫通孔内において回転可能に支持される回転軸部材の外周面と、の間にエアシールを形成するエアシール構造であって、前記ハウジングの内周面と前記回転軸部材の外周面との間には、エアシール用隙間が設けられ、前記ハウジングの内周面には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記エアシール用隙間にエアを吐出する環状エア吐出溝が形成され、前記ハウジングの内部において前記環状エア吐出溝の外周には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記環状エア吐出溝にエアを供給する環状供給溝が形成され、前記ハウジングの内部には、前記環状供給溝にエアを供給するエア流路が形成され、前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の外周面に対向している開口面の前記回転軸部材の軸線方向の幅である開口幅は、前記エアシール用隙間よりも狭い寸法に設定され、前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である吐出溝幅は、前記環状供給溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である供給溝幅よりも狭い寸法に設定されており、前記環状エア吐出溝は、前記回転軸部材の一端側に設けられる工具取付部と、前記回転軸部材の軸線方向に関して前記工具取付部より他端寄りに位置する軸受と、の間に設けられた工具取付部側エア吐出溝と軸受側エア吐出溝とを有し、前記ハウジングに形成された前記工具取付部側エア吐出溝と前記軸受側エア吐出溝との間には、前記エアシール用隙間と前記ハウジングの外部とを連通する排出路が形成されており、前記環状供給溝は、前記軸受側エア吐出溝に連続する軸受側供給溝と、前記工具取付部側エア吐出溝に連続する工具取付部側供給溝と、を有し、前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられる蓋ハウジングと、を有しており、前記蓋ハウジングは、第1蓋ハウジングと、第2蓋ハウジングと、第3蓋ハウジングと、を有しており、前記第1蓋ハウジングは、前記ハウジング本体における前記一端側に取り付けられており、前記第2蓋ハウジングは、前記第1蓋ハウジングにおける前記一端側に取り付けられており、前記第3蓋ハウジングは、前記第2蓋ハウジングにおける前記一端側に取り付けられており、前記軸受側供給溝と前記軸受側エア吐出溝は、前記第1蓋ハウジングと前記第2蓋ハウジングとの間に設けられており、前記工具取付部側供給溝と前記工具取付部側エア吐出溝は、前記第2蓋ハウジングと前記第3蓋ハウジングとの間に設けられており、前記排出路は、前記第2蓋ハウジングに設けられており、前記エア流路は、前記軸線方向に沿って形成された第1エア流路と、前記軸線方向に沿って前記第1エア流路よりも外周側に形成された第2エア流路と、を有し、前記工具取付部側供給溝は、前記軸受側供給溝よりも外周側に延ばされており、前記軸受側供給溝は、前記第1エア流路に連通されており、前記工具取付部側供給溝は、前記第2エア流路に連通されている、エアシール構造である。
この第2の発明においては、回転軸部材の一端側に設けられる工具取付部と該工具取付部より他端寄りに位置する軸受との間に工具取付部側エア吐出溝と軸受側エア吐出溝とが設けられていることから、工具取付部側エア吐出溝からのエアによって、工具取付部から軸受側へ回転軸部材を伝うクーラントや異物に対するシール性を高めることができ、また、軸受側エア吐出溝からのエアによって、軸受から工具取付部側へ回転軸部材を伝う軸受油に対するシール性を高めることができる。さらに、第2の発明においては、工具取付部側エア吐出溝と軸受側エア吐出溝との間に、エアシール用隙間とハウジングの外部とを連通する排出路が形成されていることから、万一、クーラントや異物および軸受油が上述のシール機能に抗して両エア吐出溝の間となる位置まで伝った場合であっても、両エア吐出溝の間の排出路によってこれらのクーラントや異物および軸受油を排出できる。したがって、クーラントや異物の軸受への侵入と、軸受油の工具取付部側への油漏れと、の防止機能が向上される。
本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係るエアシール構造の前記ハウジングと前記回転軸部材とを備えた主軸装置である。
この第3の発明においては、第1の発明または第2の発明のエアシール構造のハウジングと回転軸部材とを備えていることから、この第3の発明の主軸装置においては、エアシール用隙間へのエアの消費流量を増やすことなく、強い流速を持ったエアがエアシール用隙間の全周に供給され、該全周に亘ってエアシールのシール機能を向上させることができる。

本発明のエアシール構造によれば、エアシール用隙間へのエアの消費流量を増やすことなく、エアシール用隙間の全周にエアを供給して、該全周に亘ってエアシールのシール機能を向上させることができる。
本発明のエアシール構造が適用された主軸装置を有する研削盤の全体構成を示す平面図である。 図1に示す研削盤の側面図である。 図1に示す研削盤が有する主軸装置の一部を表した断面図である。 図3のIV-IV矢視方向の断面図である。 図3の仮想線Vで示す領域を拡大して表した断面図である。 従来技術におけるエアシール構造を表した断面図である。 図6のVII-VII矢視方向の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。本実施形態は、工作機械の一例としての研削盤が有する主軸装置を取り上げて、該主軸装置に適用されたエアシール構造について説明する。
図1,2に示す研削盤10において、基台110上にはZ軸方向スライドテーブル112が設けられている。このZ軸方向スライドテーブル112は、Z軸方向送りねじ113の回転動作で駆動されてZ軸方向ガイドレール111上をスライド可能である。このZ軸方向送りねじ113の回転動作はZ軸方向駆動モータ114で駆動され、該駆動モータ114の動作は制御手段180(NC制御装置等)に制御される。なお、制御手段180は、Z軸方向位置検出手段115にてZ軸方向スライドテーブル112のスライド位置を検出可能であり、その位置情報に基づいて該スライドテーブル112をZ軸方向にスライドさせる。
Z軸方向スライドテーブル112上にはX軸方向スライドテーブル122が設けられている(図1,2)。このX軸方向スライドテーブル122は、X軸方向送りねじ123の回転動作で駆動されてX軸方向ガイドドレール121上をスライド可能である。このX軸方向送りねじ123の回転動作はX軸方向駆動モータ124で駆動され、該駆動モータ124の動作は制御手段180に制御される。なお、制御手段180は、X軸方向位置検出手段125にてX軸方向スライドテーブル122のスライド位置を検出可能であり、その位置情報に基づいて該スライドテーブル122をX軸方向にスライドさせる。
X軸方向スライドテーブル112上には、主軸装置130と砥石駆動モータ126とが設けられている(図1,2)。主軸装置130においては、そのハウジング30の内部で回転軸部材32がZ軸方向の軸線L1まわりに回転可能に支持されている。回転軸部材32の一端部には砥石34が取付けられ、他端部には従動プーリ128が取付けられている。この従動プーリ128と、砥石駆動モータ126の出力軸に取付けられた駆動プーリ127と、にはベルト129が掛けられている。これにより、砥石駆動モータ126の出力軸の回転力がベルト129を介して回転軸部材32に伝達される。
基台110上には、2つのワーク保持装置140がZ軸方向に離れて設けられている(図1,2)。両ワーク保持装置140においては、保持台141に対して保持軸ハウジング142がZ軸方向に往復移動可能に設けられている。そして、この保持軸ハウジング142によって、保持軸部材143がZ軸方向の軸線L2まわりに回転可能に支持されている。両ワーク保持装置140の保持軸部材143は、それらの個々の先端部のセンタ部材144によって両保持軸部材143の軸線L2上に軸状のワークWを保持し、かつ、該軸線L2上にてワークWを回転させる。一方のワーク保持装置140には、ツルーイング装置160が取付けられており、該ツルーイング装置160のツルア177はZ軸方向の軸線L3まわりに回転可能である。
この研削盤10(図1,2)においては、ワークWもしくはツルア177に対して砥石34をZ軸方向およびX軸方向に相対移動させることで、ワークWの研削を行うことができ、また、ツルア177によって適宜砥石34を型直しできる。
つづいて、主軸装置130について詳しく説明する。図3に示すように、主軸装置130のベースとなるハウジング30は、主ハウジング30Aと、第1蓋ハウジング30Bと、第2蓋ハウジング30Cと、外端蓋ハウジング30D等を含んで構成されている。具体的には、Z軸方向に関して主軸装置130の内方側から順番に、主ハウジング30A、第1蓋ハウジング30B、第2蓋ハウジング30C、外端蓋ハウジング30Dが配置されている。各ハウジング30A,30B,30C,30Dの中心部分には、回転軸部材32を挿通可能な貫通孔が形成されており、この貫通孔に回転軸部材32が挿通されている。なお、この貫通孔から外方に突出した回転軸部材32の端部は工具取付部32aとなっており、この工具取付部32aに略円盤状の砥石34が取付けられている。この砥石34にてワークW(図1)が研削される際、砥石34およびワークWには、図示しないクーラント噴出装置からクーラントがかけられる。なお、以下の記載においては、主ハウジング30Aと各蓋ハウジング30B,30C,30Dとを総称してハウジング30と記す。
回転軸部材32は、ハウジング30に対して嵌め込まれた略円環状の軸受70によって回転可能に支持されている(図3)。軸受70は、その内部に供給される軸受油Bを自身と回転軸部材32との間に放出し、該軸受油Bで回転軸部材32を静圧支持している。なお、軸受油Bは図示しない油供給源から油路72を通じて供給されている。軸受70は、Z軸方向に複数個設けられているが、図3においては回転軸部材32の工具取付部32aに隣接した位置にあるもののみが示されている。以下、Z軸方向に関して、回転軸部材32の工具取付部32aと該工具取付部32aに隣接した位置(近い位置)にある軸受70との間の領域を、Z軸方向所定領域Aと記す。
Z軸方向所定領域Aには、以下に説明するエアシール構造が適用されている。Z軸方向所定領域Aにおいて、ハウジング30の内周面と回転軸部材32の外周面との間には、エアシールを形成するためのエアシール用隙間40が設けられている(図3〜5)。このエアシール用隙間40の隙間幅S1は、軸受70と回転軸部材32との間の隙間幅S2よりも広く設定されている。詳述すると、エアシール用隙間40の隙間幅S1は、ワークW(図1)の研削中に砥石34に荷重がかかって回転軸部材32の回転がその軸線L1まわりにブレた場合であっても、該回転軸部材32がハウジング30の内周面に接触しない寸法に設定されている。
Z軸方向所定領域Aにおいて、ハウジング30の内周面には、エアシール用隙間40にエアを吐出する環状エア吐出溝50が形成されている(図3〜5)。環状エア吐出溝50は、回転軸部材32の工具取付部32a側に位置する工具取付部側エア吐出溝50Aと、工具取付部32aに対して回転軸部材32の他端寄りとなる軸受70側に位置する軸受側エア吐出溝50Bとを有している。これら2個の環状エア吐出溝50を説明するとき、それらの個々については工具取付部側エア吐出溝50Aと軸受側エア吐出溝50Bとして区別し、これらを総称するときには環状エア吐出溝50と記す。両エア吐出溝50A,50Bの構成は同じである。
環状エア吐出溝50は、ハウジング30の内周面においてその円周方向の全周に亘って連続している。環状エア吐出溝50における回転軸部材32の外周面に対向している開口面51(図5)の開口幅Cは、エアシール用隙間40の隙間幅S1よりも狭い寸法に設定されている。なお、環状エア吐出溝50の溝幅である吐出溝幅M1は、環状エア吐出溝50の深さ方向(回転軸部材32の径方向)に一定であり、吐出溝幅M1と上述の開口幅Cとは寸法が一致している。環状エア吐出溝の溝深さFは、例えばエアシール用隙間40の隙間幅S1よりも大きく設定されている。環状エア吐出溝50が、エアシール用隙間40の隙間幅S1よりも狭く設定された一定の吐出溝幅M1で所定の溝深さFを有していることから、この溝深さFに対応して、エアシール用隙間40に放出されるエアの絞り機能が向上し、エアの消費流量が抑えられる。
環状エア吐出溝50の外周には、環状エア吐出溝50にエアを供給する環状供給溝52が形成されている(図3〜5)。環状供給溝52は、工具取付部側エア吐出溝50Aに連続する工具取付部側供給溝52Aと、軸受側エア吐出溝50Bに連続する軸受側供給溝52Bとを有している。これら2個の環状供給溝52を説明するとき、それらの個々については工具取付部側供給溝52Aと軸受側供給溝52Bとして区別し、これらを総称するときには環状供給溝52と記す。両供給溝52A,52Bの構成は同じである。
環状供給溝52は、環状エア吐出溝50の外周の全周に亘って連続している。環状供給溝52の溝幅である供給溝幅M2(図5)は、環状エア吐出溝50の吐出溝幅M1よりも大きい寸法に設定されており、該環状供給溝52は、環状エア吐出溝50に対するエアのサージタンクとして機能する。なお、図5から明らかなように、環状供給溝52の供給溝幅M2、また、環状エア吐出溝50の吐出溝幅M1および開口幅Cは、すべて回転軸部材32の軸線L1に対応するZ軸方向の幅である。
工具取付部側供給溝52Aと軸受側供給溝52Bとのそれぞれには、ハウジング30の内部を走る個別のエア流路54が連通されている(図3〜5)。そして、これらのエア流路54を通じて、図示しないエア供給源からエアが供給される。以下、図3〜5の矢印で示すエアの流れを詳しく説明する。
既に述べたように、環状エア吐出溝50の吐出溝幅M1は環状供給溝52の供給溝幅M2よりも狭い。このことから、環状供給溝52では環状エア吐出溝50よりも流体抵抗が小さい。そのため、環状供給溝52に供給されたエアは、まず、環状供給溝52の全周に均一圧力で行き渡り、その後、エアは、行き場を失って環状エア吐出溝50に流れ込む。なお、環状供給溝52が環状エア吐出溝50の外周の全周に亘って設けられていることから、エア流路54を通じて環状供給溝52にエアを供給し続けることで、環状エア吐出溝50にはその全周に亘って継続的に均一圧力のエアが供給される。
この後、環状エア吐出溝50に流れ込んだ均一圧力のエアは、該環状エア吐出溝50に行き渡り、該環状エア吐出溝50からエアシール用隙間40に供給される。環状エア吐出溝50がハウジング30の内周面の全周に亘って設けられていることから、エアシール用隙間40にはその全周に亘って均一圧力のエアが供給される。なお、環状エア吐出溝50の開口幅Cがエアシール用隙間40より狭いことから、該開口部分がエアシール用隙間40に対するエアの絞りとして機能して、エアシール用隙間40には速い流速のエアが供給される。環状エア吐出溝50によるエアの絞り機能は、既に述べたように、該環状エア吐出溝50の溝深さFに対応して向上されている。以上のようにエアが流れることで、エアシール用隙間40へのエアの消費流量を増やすことなく、均一圧力かつ速い流速のエアがエアシール用隙間40の全周に供給され、該全周が強固にエアシールされる。
エアシールを形成するエアは、エアシール用隙間40を回転軸部材32の軸線L1方向に流れる。工具取付部側エア吐出溝50Aから流出するエアは、回転軸部材32の工具取付部側32aからのクーラントおよび異物の浸入を防止する。また、軸受側エア吐出溝50Bから流出するエアは、軸受油Bの該工具取付部32a側への油漏れを防止する。
図3に示すように、環状エア吐出溝50および環状供給溝52は、第1蓋ハウジング30Bと第2蓋ハウジング30Cとに個々に形成されたこれらの各溝50,52に対応する凹部が、別の蓋ハウジングの端面で覆われることで形成されている。
また、図3に示すように、ハウジング30に形成された工具取付部側エア吐出溝50Aと軸受側エア吐出溝50Bとの間には、エアシール用隙間40に侵入してきた流体及び異物を排出する排出路60が形成されている。この排出路60は、回転軸部材32の径方向にハウジング30を貫通して設けられ、エアシール用隙間40とハウジング30の外部とを連通している。この排出路60により、万一、クーラントや異物および軸受油Bが両エア吐出溝50A,50Bからのエアによるエアシールに抗して両エア吐出溝50A,50Bの間となる位置まで伝った場合であっても、該排出路60によってこれらのクーラントや異物および軸受油を排出できる。したがって、クーラントや異物の軸受70への侵入と、軸受油Bの工具取付部32a側への油漏れと、が防止される。
以上は本発明を実施するための一実施の形態を図面に関連して説明したが、本発明は他の実施形態でも実施可能である。上述の実施形態においては、研削盤10の主軸装置130に本発明のエアシール構造が適用されていた。しかし、該エアシール構造は他の工作機械の主軸装置に適用されてもよい。また、エアシール構造が適用される主軸装置は、砥石が取付けられたものに限定されるものではなく、上述の実施形態と同様、ベースとなるハウジングと該ハウジング内で回転可能に支持される回転軸部材とを備えて、該ハウジングと該回転軸部材との間の隙間にエアシールを形成する構成の主軸装置であれば、どのようなものでもよい。また、環状エア吐出溝50の溝深さFは、自由に設計変更可能である。この溝深さFを深く設定することで、エアシール用隙間40に対するエアの絞り機能が向上し、エアの消費流量が抑えられる。回転軸部材32を回転可能に支持する軸受は、静圧軸受に限定されるものではなく、動圧軸受と静圧軸受とを組み合わせたものでもよい。また、回転軸部材32を回転可能に支持する軸受は、転がり軸受でもよい。
10 研削盤
30 ハウジング
32 回転軸部材
32a 工具取付部
40 エアシール用隙間
50 環状エア吐出溝
50A 工具取付部側エア吐出溝
50B 軸受側エア吐出溝
51 開口面
52 環状供給溝
52A 工具取付部側供給溝
52B 軸受側供給溝
54 エア流路
60 排出路
C 開口幅
M1 吐出溝幅
M2 供給溝幅
S1 隙間幅

Claims (2)

  1. 貫通孔を有するハウジングにおける内周面と、前記ハウジングの前記貫通孔内において回転可能に支持される回転軸部材の外周面と、の間にエアシールを形成するエアシール構造であって、
    前記ハウジングの内周面と前記回転軸部材の外周面との間には、エアシール用隙間が設けられ、
    前記ハウジングの内周面には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記エアシール用隙間にエアを吐出する環状エア吐出溝が形成され、
    前記ハウジングの内部において前記環状エア吐出溝の外周には、円周方向の全周に亘って連続して設けられて前記環状エア吐出溝にエアを供給する環状供給溝が形成され、
    前記ハウジングの内部には、前記環状供給溝にエアを供給するエア流路が形成され、
    前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の外周面に対向している開口面の前記回転軸部材の軸線方向の幅である開口幅は、前記エアシール用隙間よりも狭い寸法に設定され、
    前記環状エア吐出溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である吐出溝幅は、前記環状供給溝における前記回転軸部材の軸線方向の幅である供給溝幅よりも狭い寸法に設定されており、
    前記環状エア吐出溝は、前記回転軸部材の一端側に設けられる工具取付部と、前記回転軸部材の軸線方向に関して前記工具取付部より他端寄りに位置する軸受と、の間に設けられた工具取付部側エア吐出溝と軸受側エア吐出溝とを有し、
    前記ハウジングに形成された前記工具取付部側エア吐出溝と前記軸受側エア吐出溝との間には、前記エアシール用隙間と前記ハウジングの外部とを連通する排出路が形成されており、
    前記環状供給溝は、前記軸受側エア吐出溝に連続する軸受側供給溝と、前記工具取付部側エア吐出溝に連続する工具取付部側供給溝と、を有し、
    前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられる蓋ハウジングと、を有しており、
    前記蓋ハウジングは、第1蓋ハウジングと、第2蓋ハウジングと、第3蓋ハウジングと、を有しており、
    前記第1蓋ハウジングは、前記ハウジング本体における前記一端側に取り付けられており、
    前記第2蓋ハウジングは、前記第1蓋ハウジングにおける前記一端側に取り付けられており、
    前記第3蓋ハウジングは、前記第2蓋ハウジングにおける前記一端側に取り付けられており、
    前記軸受側供給溝と前記軸受側エア吐出溝は、前記第1蓋ハウジングと前記第2蓋ハウジングとの間に設けられており、
    前記工具取付部側供給溝と前記工具取付部側エア吐出溝は、前記第2蓋ハウジングと前記第3蓋ハウジングとの間に設けられており、
    前記排出路は、前記第2蓋ハウジングに設けられており、
    前記エア流路は、前記軸線方向に沿って形成された第1エア流路と、前記軸線方向に沿って前記第1エア流路よりも外周側に形成された第2エア流路と、を有し、
    前記工具取付部側供給溝は、前記軸受側供給溝よりも外周側に延ばされており、
    前記軸受側供給溝は、前記第1エア流路に連通されており、
    前記工具取付部側供給溝は、前記第2エア流路に連通されている、
    エアシール構造。
  2. 請求項1に記載のエアシール構造の前記ハウジングと前記回転軸部材とを備えた主軸装置。
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