JP2009138896A - 転がり軸受およびその潤滑方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑性を向上させて高速化を図ることができると共に、潤滑油の摩擦抵抗による動力損失を低く抑えられる転がり軸受を提供する。
【解決手段】 転がり軸受1は、内輪2、複数の転動体4、および保持器5を備える。内輪2は、軌道面2aの少なくとも片側に外径側へ突出する外径部6を有する。転動体4は、内輪2の軌道面2aに転接し、保持器5のポケット10内に保持される。保持器5は、その内径面の一部である被案内面5aが内輪外径部6の外径面である案内面2bに対向して案内される。保持器5内径面における被案内面5aの軸方向外側に円周溝113を設ける。保持器5におけるポケット10間の柱部11およびその延長上の内径面に円周方向溝114を設ける。これら円周溝13および円周方向溝14を連通する軸方向溝15を、柱部11の内径面に設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械の主軸等の支持に使用される転がり軸受、およびその潤滑装置に関する。
工作機械の主軸に使用される軸受には、高い回転精度と剛性が必要である。また、最近では加工能率の向上のために主軸の高速化が図られており、軸受に対して高い高速対応性が要求されている。このような要求に対して、転動体に円筒ころを用いた円筒ころ軸受を、組込み後の軸受内部すきまをほとんど零に近い値まで小さくして使用することが行われている。円筒ころ軸受を高速運転するための潤滑方法として、運転中の動力損失を小さく抑えられるオイルミストあるいはエアオイル等による微量油潤滑が多く用いられる。
高速運転に適した代表的な潤滑方法であるエアオイル潤滑では、一般的に、例えば特許文献1で開示されているような技術が採用されている。この技術は、内輪外径面の軸方向両側に円筒ころを案内するつば部を有するN型円筒ころ軸受に適用され、保持器が外輪の内径面に案内される外輪案内方式とされている。上記N型円筒ころ軸受は、組込み作業性の良さから、工作機械主軸用の軸受に多く採用されている。特許文献1には、保持器を外輪案内方式とすることで、保持器の内径面と内輪つば部の外径面との間に比較的広いすきま部が確保でき、このすきま部に軸受の軸方向端部に設けたノズルよりエアオイルを噴射することで、潤滑油が軸受内に導入され、回転に伴う遠心力を利用して軌道面および保持器の案内面の潤滑がスムーズに行われるということが記載されている。
特開2002−323048号公報
円筒ころ軸受を高速運転するためには、潤滑油を必要とする箇所へ確実に供給すること、ならびに潤滑による運転中の動力損失を低減することが課題となる。潤滑油供給が必要な箇所としては、具体的に次の部位が挙げられる。
・内外輪の軌道面と円筒ころの転動面間
・内輪のつば部の側面と円筒ころの端面間
・保持器のポケット壁面と円筒ころの転動面間
・内外輪の保持器案内面と保持器の被案内面間
また、軸受の動力損失低減を図るためには、次のことを考慮する必要がある。
・内外輪の保持器案内面と保持器の被案内面間の摩擦低減
・軸受内に滞留する潤滑油による抵抗の低減
・運転中における内輪の熱膨張による予圧増加の抑制
これらの課題に対し、特許文献1では、保持器を外輪案内方式として保持器の内径側から給油することにより、軸受の回転による遠心力を利用してスムーズな潤滑ができる、としている。しかし、軸方向片側からだけの給油では、内外輪の軌道面と円筒ころの転動面間への潤滑油供給が難しい。また、ノズルのある側と反対側の内輪つば部と円筒ころ端面間への潤滑油供給も難しい。さらに、動力損失に関しては、以下の点で不利である。すなわち、内外輪および保持器間の保持器案内部には潤滑油が滞留して、その潤滑油の抵抗が発生するが、保持器が外輪案内方式であると、上記抵抗発生箇所が径方向に大きな位置にあるため、軸受の動力損失が大きくなるのである。
他の転がり軸受を高速運転する場合の課題および問題点も、上記円筒ころ軸受とほぼ同じである。
この発明の目的は、潤滑性を向上させて高速化を図ることができると共に、潤滑油の摩擦抵抗による動力損失を低く抑えられる転がり軸受、およびその転がり軸受の潤滑に適し、かつ運転時の内輪の熱膨張による予圧増加を抑制して動力損失を低く抑えられる潤滑方法を提供することである。
この発明の転がり軸受は、外径面に軌道面が形成され、この軌道面の少なくとも片側に外径側へ突出する内輪外径部を有する内輪と、この内輪の軌道面に転接する複数の転動体と、これら複数の転動体をポケット内に保持する保持器とを備え、前記保持器は、その内径面の一部である被案内面が前記内輪外径部の外径面である案内面に対向して案内されるものであり、保持器内径面における前記被案内面の軸方向外側に円周溝を設けると共に、保持器におけるポケット間の柱部の内径面に円周方向溝を設け、これら円周溝と円周方向溝を連通する軸方向溝を前記柱部およびその延長上の内径面に設けたことを特徴とする。
この構成によると、軸方向両側から供給される潤滑油が、保持器内径面の円周溝から軸方向溝に流入する。この軸方向溝を流れる潤滑油により、内輪の保持器案内面と保持器の被案内面間が潤滑される。潤滑油は、軸方向溝から円周方向溝を経て、保持器と内輪との間の空間に流出する。この潤滑油が、保持器のポケット壁面および内輪の軌道面を潤滑する。転動体の回転により潤滑油が外輪側へ移動して、外輪の軌道面を潤滑する。また、潤滑油が内輪の軌道面に沿って外径部側へ伝わり、外径部の側面を潤滑する。
このように、保持器の内径面に設けた円周溝、軸方向溝、および円周方向溝により外部から供給される潤滑油を軸受内へ導くことにより、潤滑油を必要とする箇所へ確実に供給することができる。このため、高速運転が可能である。保持器を内外輪で案内する場合、保持器と内外輪間に介在する潤滑油による抵抗が発生するが、この発明の構成では、上記抵抗の発生箇所が内輪外径面であり、径方向位置が比較的小さい位置であるため、潤滑油の抵抗による動力損失が小さくてすむ。具体的には、保持器を外輪で案内する場合に比べ、動力損失が小さい。
この発明において、前記転動体をころとすることができる。
この発明はいずれの形式の転がり軸受にも適用できるが、転動体が玉である場合よりもころである場合の方が、発明の効果がより顕著に現れる。なぜなら、転動体がころである軸受は、構造的に、外部から供給される潤滑油が軌道面に浸入しにくいという傾向があるからである。
前記内輪外径面における軌道面の両側部は、前記案内面と、この案内面から軸方向外側へと続き軸方向外側が小径となるテーパ面とでなり、これら案内面とテーパ面の境界の軸方向位置が、前記円周溝の軸方向幅内に位置するのがよい。
この構成であると、潤滑油の流れが次のようになる。すなわち、外部から供給される潤滑油が内輪のテーパ面に付着すると、その潤滑油は、表面張力と内輪の回転に伴う遠心力により、付着した状態のままテーパ面の大径側へ移動する。テーパ面の最大径部まで移動した潤滑油は、そこで遠心力により外径方向へ飛散する。内輪の案内面とテーパ面の境界の軸方向位置は、保持器内径面の円周溝の軸方向幅内に位置するため、飛散した潤滑油の大半は、上記円周溝に受け止められる。そして、円周溝→軸方向溝→円周方向溝の経路を流れて、軸受各部を潤滑する。これにより、軸受の各部をバランス良く潤滑することができる。
前記テーパ面の角度α(deg)は、転動体配列のピッチ円直径をdm(mm)、軸受の仕様回転数をn(min−1)とした場合に、
α>0.053×dm×n×10−4−2.2
の関係が成り立つように設定するのがよい。
前述したように潤滑油を軸受内へ導くには、内輪テーパ面に付着した潤滑油が、付着したまま確実に最大径部まで移動する必要がある。それには、試験結果より、内輪のテーパ面の角度につき、上記関係が成り立つと良いことが判明した。
この発明の転がり軸受の潤滑方法は、上記転がり軸受に対する潤滑方法であって、潤滑油と空気を混合したエアオイルを外部から供給し、そのエアオイルをノズルにより前記内輪のテーパ面に向けて噴射することにより、軸受内部に潤滑油を導入することを特徴とする。
エアオイルの状態で潤滑油を外部から軸受内に導入することにより、少量の潤滑油で軸受の潤滑を行える。また、ノズルにより内輪のテーパ面に向けて噴射されたエアオイルは、空気の断熱膨張により低温化し、この低温化したエアオイルが内輪のテーパ面に付着することで、内輪を効果的に冷却する。そのため、運転中における内輪の熱膨張による予圧増加を抑制できる。
第1の発明の潤滑方法において、前記ノズルから前記内輪のテーパ面までの距離を6mm以下とするのがよい。
試験結果より、ノズルから内輪のテーパ面までの距離が6mm以下である場合に、前記エアオイルの断熱膨張による断熱冷却効果が最も大きいことが判明した。
この発明の転がり軸受は、外径面に軌道面が形成され、この軌道面の少なくとも片側に外径側へ突出する内輪外径部を有する内輪と、この内輪の軌道面に転接する複数の転動体と、これら複数の転動体をポケット内に保持する保持器とを備え、前記保持器は、その内径面の一部である被案内面が前記内輪外径部の外径面である案内面に対向して案内されるものであり、保持器内径面における前記被案内面の軸方向外側に円周溝を設けると共に、保持器におけるポケット間の柱部の内径面に円周方向溝を設け、これら円周溝と円周方向溝を連通する軸方向溝を前記柱部およびその延長上の内径面に設けたため、潤滑性を向上させて高速化を図ることができると共に、潤滑油の摩擦抵抗による動力損失を低く抑えられる。
また、この発明にかかる転がり軸受の潤滑方法は、潤滑油と空気を混合したエアオイルを外部から供給し、そのエアオイルをノズルにより前記内輪のテーパ面に向けて噴射することにより、軸受内部に潤滑油を導入するため、上記転がり軸受の潤滑に適し、かつ運転時の内輪の熱膨張による予圧増加を抑制して動力損失を低く抑えられる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この転がり軸受1は円筒ころ軸受であり、内輪2と、外輪3と、これら内外輪2,3の軌道面2a,3a間に介在させた転動体としての複数の円筒ころ4と、各円筒ころ4を保持する環状の保持器5とを有する。内輪2は軌道面2aの両側に外径側へ突出する外径部としてのつば部6,6を有し、外輪3はつば無しである。この形式はN型と呼ばれる。内輪2の軸方向両側には内輪位置決め間座7が配置され、外輪3の軸方向両側には外輪位置決め間座8が配置される。
内輪2の外径面は、軸方向中央部に位置する前記軌道面2aと、前記つば部6の外径面である保持器案内用の案内面2bと、この案内面2bから軸方向外側へと続き軸方向外側が小径となるテーパ面2cとでなる。軌道面2aと案内面2bとを繋ぐ段面は、円筒ころ4の端面に対向するつば部側面6aになっている。外輪3の内径面は、軸方向中央部に位置する前記軌道面3aと、この軌道面3aから軸方向外側へと続き軸方向外側が小径となるテーパ面3bとでなる。前記テーパ面2cの角度α(deg)は、ころ配列のピッチ円直径をdm(mm)、軸受の仕様回転数をn(min−1)とした場合に、
α>0.053×dm×n×10−4−2.2 ・・・(式1)
の関係が成り立つように設定されている。その根拠は後で示す。
保持器5は、円周方向に所定間隔を隔てて設けられた複数のポケット10を有し、このポケット10内に各円筒ころ4が保持される。各ポケット10間の部分は柱部11である。保持器5の内径面の一部は、内輪2の案内面2bに対して僅かなすきまを持った状態で対向する被案内面5aとされ、内輪2の回転時に案内面2bに沿って被案内面5aが摺接することで内輪2により保持器5が案内される。すなわち、保持器5は内輪案内構造となっている。
保持器5の内径面には、軸方向両端部に円周溝13が、軸方向中央部に円周方向溝14がそれぞれ設けられている。円周溝13は、前記被案内面5aの軸方向外側に位置し、その軸方向幅内に、前記内輪2の案内面2bとテーパ面2cの境界の軸方向位置が位置するように設けられている。円周方向溝14は、各柱部11を断続的に結ぶように円周方向に設けられ、その軸方向位置が前記内輪軌道面2aの軸方向幅内に位置する。これらの円周溝13および円周方向溝14を連通する軸方向溝15が、前記柱部11およびその延長上の内径面に設けられている。図3に示すように、軸方向溝15は、溝底の形状が円弧状をしている。
外輪位置決め間座8は、転がり軸受1を軸受箱31(図13)に組み込む際の外輪3の位置決めと固定を行う役割と、外部にあるエアオイル供給装置70(図13)から供給されるエアオイルを軸受内に導入する役割とを有し、エアオイル吐出用のノズル17が円周方向の1箇所または複数箇所に形成されている。ノズル17は、軸方向内側かつ内径側を向くように傾斜しており、その吐出口の延長線上に内輪2のテーパ面2cが位置している。ノズル17からテーパ面2cまでの距離hは、6mm以下に設定してある(h<6mm)。その理由は、後で説明する。外輪位置決め間座8の外径面にはエアオイル供給口18が形成され、このエアオイル供給口18から内径側に向けて延びる給油路19の先にノズル17が繋がっている。
内輪位置決め間座7と外輪位置決め間座8とは僅かにすきまを持った状態で対向させてあり、両間座7,8と転がり軸受1との間に、ノズル17から噴射されたエアオイルが一時的に滞留する空間20が形成されている。外輪位置決め間座8の外輪3側の端部には、上記空間20内のエアオイルを外部に排出する排油孔21が、円周方向の複数箇所に形成されている。
この構成の転がり軸受1の潤滑方法について説明する。潤滑には、潤滑油を加圧空気で搬送して潤滑油と空気を混合させたエアオイルが用いられる。外部から供給されるエアオイルが、エアオイル供給口18および給油路19を経て、ノズル17から内輪2のテーパ面2cに向けて噴射される。そして、潤滑油がテーパ面2cに付着する。内輪2は回転しているため、テーパ面2cに付着した潤滑油には遠心力が作用する。潤滑油は、表面表力の作用でテーパ面2cに付着した状態のまま、テーパ面2cの大径側へ移動する。前記式1は、テーパ面2cに沿う潤滑油の移動を可能にするテーパ面2cの角度αを規定するものであり、試験により求められた。
テーパ面2cの最大径部まで移動した潤滑油は、そこで遠心力により、図2に矢印Aで示すように外径方向へ飛散する。テーパ面2cの最大径部、すなわち内輪2の案内面2bとテーパ面2cの境界の軸方向位置は、保持器5の円周溝13の軸方向幅内に位置するため、飛散した潤滑油の大半は、上記円周溝13に受け止められる。そして、この円周溝13から軸方向溝15に流入する(矢印B)。軸方向溝15を流れる潤滑油により、内輪2の案内面2bと保持器5の被案内面5a間が潤滑される。軸方向溝15は、溝底の形状が円弧状であり、内輪2の案内面2bと対向する面積が広いため、上記潤滑を効率良く行える。また、軸方向溝15の底面と被案内面5aとが成す角度が鈍角であるため、内輪2と保持器5が相対回転する際に軸方向溝15の存在が障害になりにくい。
潤滑油は、軸方向溝15から軸方向中央部の円周方向溝14を経て、保持器5と内輪2との間の空間22に流出する(矢印C)。この潤滑油が、ポケット10の壁面10aと円筒ころ4の転動面4a間(図3)、および内輪2の軌道面2aと円筒ころ4の転動面4a間を潤滑する。円筒ころ4の回転により潤滑油が外輪3側へ移動して、外輪3の軌道面3aと円筒ころ4の転動面4a間も潤滑される。また、潤滑油が内輪2の軌道面2aに沿ってつば部6へ伝わり、つば部6の側面6aと円筒ころ4の端面4b間を潤滑する。
上記のように軸受各部の潤滑に供された潤滑油は、テーパ面2cに付着しなかった潤滑油や、テーパ面2cの最大径部から外径方向へ飛散したが円周溝13に受け止められなかった潤滑油と共に、排油孔21から外部へと排出される。
このように、保持器5の内径面に設けた円周溝13、軸方向溝15、および円周方向溝14により外部から供給される潤滑油を軸受内へ導くことにより、潤滑油を必要とする箇所へ確実に供給して、軸受の各部をバランス良く潤滑することができる。このため、高速運転が可能である。
一般に、保持器を内外輪で案内する場合、保持器と内外輪間に介在する潤滑油による抵抗が発生する。この実施形態の転がり軸受1は保持器5が内輪案内構造であるため、上記抵抗の発生箇所は、径方向位置が比較的小さい内輪2の外径面である。そのため、潤滑油の抵抗による動力損失が小さくてすむ。具体的には、保持器を外輪で案内する場合に比べ、動力損失が小さい。
また、この潤滑方法によると、ノズル17によりエアオイルを内輪2のテーパ面2cに向けて噴射することにより、内輪2を冷却する効果が得られる。すなわち、ノズル17から噴射されたエアオイルは空気の断熱膨張により低温化し、その低温化したエアオイルを内輪2のテーパ面2cに噴射することにより、内輪2を効果的に冷却することができる。それにより、運転中における内輪2の熱膨張による予圧増加を抑制でき、軸受の動力損失低減を図れる。
ノズル17から内輪2のテーパ面2cまでの距離hの適正値を求めるために、図5に示す方法で試験を行った。試験方法は、レギュレータ60、流量計61、圧力計62等により一定の流量および圧力に調整された加圧空気をノズル17から噴射させ、噴射前の空気温度T1と噴射後の空気温度T2を比較するというものである。噴射後の空気温度T2は、ノズル17に正対して設けた熱電対63で測定する。熱電対63は断熱材64により被覆してある。試験に用いたノズル17の口径は、φ1.4mm、加圧空気の圧力は0.4MPaとした。上記方法による温度差の測定を、ノズル17から熱電対63まで距離hを変えて行った。
図6は試験結果を示すグラフである。試験結果から、ノズル17から熱電対63までの距離hが6mm以下である場合に加圧空気の断熱膨張による断熱冷却効果が大きく、距離hが6mmを超えると断熱冷却効果が次第に低下することが判明した。そこで、ノズル17から内輪2のテーパ面2cまでの距離hを6mm以下とした。
図7ないし図10は、この発明の第2の実施形態を示す。この転がり軸受101はアンギュラ玉軸受であり、内輪102と、外輪103と、これら内外輪102,103の軌道面102a,103a間に介在させた転動体である複数の玉104と、各玉104を保持する環状の保持器105とを有する。内輪102は、軌道面102aよりも軸受正面側に外径側へ突出する外径部106を有し、外輪103は、軌道面103aよりも軸受背面側に内径側へ突出する小径部107を有する。内輪102の軸受正面側には、内輪位置決め間座7が配置され、外輪103の軸受正面側には、外輪位置決め間座8が配置される。なお、軸受正面側は図7の左方向である。
内輪102の外径面は、軸方向中央部に位置する断面円弧状の軌道面102aと、外径部106の外径面である保持器案内用の案内面102bと、この案内面102bから軸受正面側へと続き軸受正面側が小径となるテーパ面102cと、軌道面102aの軸受背面側へ続くステップ面102dとでなる。第1の実施形態と同様、テーパ面102cの角度α(deg)は、玉配列のピッチ円直径をdm(mm)として、前記式1の関係が成り立つように設定されている。
保持器105は、円周方向に所定間隔を隔てて設けられた複数のポケット110を有し、このポケット110内に各玉104が保持されている。各ポケット110間の部分は柱部111である。保持器105の内径面の一部は、内輪102の案内面102bに対して僅かなすきまを持つ状態で対向する被案内面105aとされ、内輪102の回転時に案内面102bに沿って被案内面105aが摺接することで内輪102により保持器105が案内される。すなわち、保持器105は内輪案内構造となっている。
保持器105の内径面には、軸受正面側部に円周溝113が、軸方向中央部に円周方向溝114がそれぞれ設けられている。円周溝113は、前記被案内面105aの軸受正面側に位置し、その軸方向幅内に、前記内輪102の案内面102bとテーパ面102cの境界の軸方向位置が位置するように設けられている。円周方向溝114は、各柱部111を断続的に結ぶように円周方向に設けられ、その軸方向位置が前記内輪軌道面102aの軸方向幅内に位置する。これらの円周溝113,114を連通する軸方向溝115が、前記柱部111およびその延長上の内径面に設けられている。図9に示すように、軸方向溝115は、溝底の形状が円弧状をしている。
外輪位置決め間座8は、第1の実施形態のものと同じ構造であり、ノズル17の吐出口の延長線上に内輪102のテーパ面102cが位置している。この実施形態も、ノズル17からテーパ面102cまでの距離hを6mm以下に設定してある(h<6mm)。その理由は、第1の実施形態の場合と同様である。
この転がり軸受101の潤滑方法も、基本的には、第1の実施形態の転がり軸受1の潤滑方法と同じである。すなわち、外部から供給されるエアオイルが、ノズル17から内輪102のテーパ面102cに向けて噴射される。そして、潤滑油がテーパ面102cに付着する。内輪102は回転しているため、テーパ面102cに付着した潤滑油には遠心力が作用する。テーパ面102cの角度αを前記式1の関係が成り立つ値に設定したことにより、潤滑油は、表面表力の作用でテーパ面102cに付着した状態のまま、テーパ面102cの大径側へ移動する。
テーパ面102cの最大径部まで移動した潤滑油は、そこで遠心力により、図8に矢印Aで示すように外径方向へ飛散する。テーパ面102cの最大径部、すなわち内輪102の案内面102bとテーパ面102cの境界の軸方向位置は、保持器105の円周溝113の軸方向幅内に位置するため、飛散した潤滑油の大半は、上記円周溝113に受け止められる。そして、この円周溝113から軸方向溝115に流入する(矢印B)。軸方向溝115を流れる潤滑油により、内輪102の案内面102bと保持器105の被案内面105a間が潤滑される。軸方向溝115は、溝底の形状が円弧状であり、内輪102の案内面102bと対向する面積が広いため、上記潤滑を効率良く行える。また、軸方向溝115の底面と被案内面105aとが成す角度が鈍角であるため、内輪102と保持器105が相対回転する際に軸方向溝115の存在が障害になりにくい。
潤滑油は、軸方向溝115から円周方向溝114を経て、保持器105と内輪102との間の空間122に流出する(矢印C)。この潤滑油が、ポケット110の壁面110a、および内輪102の軌道面102aを潤滑する。玉104の回転により潤滑油が外輪103側へ移動して、外輪103の軌道面103aも潤滑される。
上記のように軸受各部の潤滑に供された潤滑油は、テーパ面102cに付着しなかった潤滑油や、テーパ面102cの最大径部から外径方向へ飛散したが円周溝113に受け止められなかった潤滑油と共に、排油孔21から外部へと排出される。
このように、保持器105の内径面に設けた円周溝113、軸方向溝115、および円周方向溝114により外部から供給される潤滑油を軸受内へ導くことにより、潤滑油を必要とする箇所へ確実に供給して、軸受の各部をバランス良く潤滑することができる。このため、高速運転が可能である。
一般に、保持器を内外輪で案内する場合、保持器と内外輪間に介在する潤滑油による抵抗が発生する。この転がり軸受101は保持器105が内輪案内構造であるため、上記抵抗の発生箇所は、径方向位置が比較的小さい内輪102の外径面である。そのため、潤滑油の抵抗による動力損失が小さくてすむ。具体的には、保持器を外輪で案内する場合に比べ、動力損失が小さい。
また、この潤滑方法によると、ノズル17によりエアオイルを内輪102のテーパ面102cに向けて噴射することにより、内輪102を冷却する効果が得られる。すなわち、ノズル17から噴射されたエアオイルは空気の断熱膨張により低温化し、その低温化したエアオイルを内輪102のテーパ面102cに噴射することにより、内輪102を効果的に冷却することができる。それにより、運転中における内輪102の熱膨張による予圧増加を抑制でき、軸受の動力損失低減を図れる。
第1の実施形態では、ころ軸受の一種である円筒ころ軸受に本発明を適用した例を示し、第2の実施形態では、玉軸受の一種であるアンギュラ玉軸受に本発明を適用した例を示したが、この発明は上記以外の軸受にも適用できる。
図11は第3の実施形態を示し、この実施形態は、この発明を円すいころ軸受に適用したものである。繰り返しになる説明は省略し、円筒ころ軸受である転がり軸受1(第1の実施形態)と異なる点についてだけ記す。この円すいころ軸受である転がり軸受201は、内輪202の外周に形成された円すい面からなる軌道面202aと、外輪203の内周に形成された円すい面からなる軌道面203a間に、転動体である円すいころ204が介在している。内輪202は、軌道面202aの両側に、外径部としての大つば部206および小つば部207をそれぞれ有する。これら大つば部206および小つば部207の外径面は、それぞれ保持器205案内用の案内面202bである。大つば部206の案内面202bから円すいころ大径側へ続く面は、円すいころ大径側が小径となるテーパ面202cとされている。このテーパ面202cの角度α(deg)も、ころ配列のピッチ円直径をdm(mm)として、前記式1の関係が成り立つように設定されている。
保持器205は内輪案内構造であり、保持器205の内径面の一部は、内輪202の案内面202bに対して僅かなすきまを持つ状態で対向する被案内面205aとされている。また、保持器205の内径面には、円すいころ大径側の円周溝213と、それよりも小径側の円周方向溝214と、これらの円周溝213および円周方向溝214を連通する軸方向溝215とが設けられている。円周方向溝214の円すいころ中心軸方向の位置は、内輪軌道面202aの中心とほぼ一致する。軸方向溝215は、保持器205の柱部(図示せず)およびその延長上の内径面に設けられている。
内輪202の円すいころ大径側には、内輪位置決め間座7が配置され、外輪203の円すいころ大径側には、外輪位置決め間座8が配置される。外輪位置決め間座8のノズル17の吐出口の延長線上に内輪202のテーパ面202cが位置している。ノズル17からテーパ面202cまでの距離hは6mm以下に設定してある(h<6mm)。
円すいころ軸受と円筒ころ軸受とを比べた場合、円すいころ軸受は、円すいころ204の小径側から潤滑油が内輪軌道面202aに入りやすい。そのため、この円すいころ軸受である転がり軸受201の場合、内輪202のテーパ面202c、および保持器205の円周溝213を円すいころ204の大径側にだけ設けて、大径側からのみ潤滑油を軸受内部に強制導入するようにしている。それに伴い、エアオイルを軸受内に導入する外輪位置決め間座8は、円すいころ204の大径側にだけ配置されている。内輪202のテーパ面202c、および保持器205の円周溝213を円すいころ204の大径側にだけでなく小径側にも設けて、両側から潤滑油を軸受内部に強制導入するようにしてもよい。
図12は第4の実施形態を示し、この実施形態は、この発明を深溝玉軸受に適用したものである。繰り返しになる説明は省略し、アンギュラ玉軸受である転がり軸受101(第2の実施形態)と異なる点についてだけ記す。この深溝玉軸受である転がり軸受301は、内輪302の外周に形成された軌道面302aと、外輪303の内周に形成された軌道面303a間に、転動体である玉304が介在している。内輪302は、軌道面302aの両側に外径側へ突出する外径部306をそれぞれ有する。これら外径部306の外径面は、それぞれ保持器305案内用の案内面302bである。案内面302bから軸方向外側へ続く面は、外側が小径となるテーパ面302cとされている。このテーパ面302cの角度α(deg)も、玉配列のピッチ円直径をdm(mm)として、前記式1の関係が成り立つように設定されている。
保持器305は内輪案内構造であり、保持器305の内径面の一部は、内輪302の案内面302bに対して僅かなすきまを持つ状態で対向する被案内面305aとされている。また、保持器305の内径面には、軸方向両端部の円周溝313と、軸方向中央部の円周方向溝314と、これらの円周溝313および円周方向溝314を連通する軸方向溝315とが設けられている。軸方向溝315は、保持器305の柱部(図示せず)およびその延長上の内径面に設けられている。
内輪302の軸方向両側には、内輪位置決め間座7が配置され、外輪303の軸方向両側には、外輪位置決め間座8が配置される。外輪位置決め間座8のノズル17の吐出口の延長線上に内輪302のテーパ面302cが位置している。ノズル17からテーパ面302cまでの距離hは6mm以下に設定してある(h<6mm)。
深溝玉軸受は、内輪軌道面302aの軸方向両側に外径部306があるため、アンギュラ玉軸受と比べて、軸方向のいずれからも潤滑油が内輪軌道面302aに入りにくい。そのため、内輪302のテーパ面302c、および保持器305の円周溝313を軸方向両側に設けて、軸方向両側から潤滑油を軸受内部に強制導入するようにしている。それに伴い、エアオイルを軸受内に導入する外輪位置決め間座8は、転がり軸受301の軸方向両側に配置されている。転がり軸受301が組み込まれる装置の状態等によって、内輪302のテーパ面302c、および保持器305の円周溝313を軸方向片側だけに設けて、片側からだけ潤滑油を軸受内部に強制導入するようにしてもよい。
このように、この発明はいずれの形式の転がり軸受にも適用できるが、転動体が玉である場合よりもころである場合の方が、発明の効果がより顕著に現れる。なぜなら、転動体がころである軸受は、構造的に、外部から供給される潤滑油が軌道面に浸入しにくいという傾向があるからである。さらに付け加えると、円すいころ軸受と円筒ころ軸受を比べた場合、円すいころ軸受は、円すいころの小径側から潤滑油が軌道面に入りやすいので、円筒ころよりも潤滑性がよいと言える。したがって、この発明の潤滑構造を採用するのに最も適するのは円筒ころ軸受であると考えられる。
図13は、第1および第2の実施形態にかかる転がり軸受1,101を備えた高速スピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置30は工作機械に応用されるものであり、主軸25の前側(加工側)端部に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向に離れた複数の転がり軸受1,101により支持されている。ここでは、主軸25の後側端部が、図1〜図4に示した円筒ころ軸受からなる転がり軸受1により、主軸25の前側端部が、図7〜図10に示したアンギュラ玉軸受からなる2個1組の転がり軸受101により、それぞれ支持されている。
各転がり軸受1,101の内輪2,102は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3,103は軸受箱31の内径面に嵌合している。転がり軸受1は、両側に配置した内輪位置決め間座7および外輪位置決め間座8により位置決めされている。2個の転がり軸受101も、両側に配置した内輪位置決め間座7および外輪位置決め間座8により位置決めされている。転がり軸受1の前側に位置する内輪位置決め間座7と、転がり軸受101の後側に位置する内輪位置決め間座7との間には、内輪間座部材36が介在している。また、転がり軸受1の前側に位置する外輪位置決め間座8と、転がり軸受101の後側に位置する外輪位置決め間座8との間には、軸受箱31の小径部31aが介在している。転がり軸受1およびその両側の内、外輪位置決め間座7,8は、主軸25の後端部に螺着した固定ナット37と押さえ蓋33Bとにより、軸受箱31内に固定されている。2個1組の転がり軸受101およびその外側の内、外輪位置決め間座7,8は、主軸25の段面25aと押さえ蓋33Aとにより、軸受箱31内に固定されている。
軸受箱31は、内周軸受箱31Aと外周軸受箱31Bの二重構造とされ、内外の軸受箱31A,31B間に冷却溝40が形成されている。前記押さえ蓋33A,33Bには、転がり軸受1,101をエアオイル潤滑する潤滑油供給源であるエアオイル供給装置70から潤滑油を導入するエアオイル導入孔42がそれぞれ設けられている。これらエアオイル導入孔42は、内周軸受箱31Aに設けられた供給路43に連通し、この供給路43が外輪位置決め間座8のエアオイル供給口18(図1、図7)に連通している。また、冷却油供給装置41から供給される冷却油が、給油路45を経て、外周軸受箱31Bの冷却油導入孔44から軸受箱31内に導入される。冷却油導入孔44は、軸受箱31内の前記冷却溝40に連通している。
軸受箱31内の冷却溝40に供給されて軸受箱31の冷却に使用された油は、外周軸受箱31Bの油導出孔49から冷却油供給装置41へと循環して回収される。また、押さえ蓋33A,33Bにはエアオイル排出孔50が設けられ、これらエアオイル排出孔50は内周軸受箱31Aに設けられた排出路51から外輪位置決め間座8の排油孔21に連通しており、転がり軸受1,101から出た空気と油が、排油孔21および排油路51を通り、排油孔50から外部に排出される。
このように構成されたスピンドル装置30は、主軸25を支持する軸受として、潤滑油を必要とする箇所へ確実に供給でき、潤滑による運転中の動力損失を低減でき、運転中における内輪の熱膨張による予圧増加を抑制できる転がり軸受1,101が使用されているため、主軸25の高速運転が可能である。
このスピンドル装置30は、円筒ころ軸受である転がり軸受1およびアンギュラ玉軸受である転がり軸受101を併用しているが、いずれか一方の転がり軸受だけを用いた構成としてもよい。また、円筒ころ軸受である転がり軸受1およびアンギュラ玉軸受である転がり軸受101に代えて、円すいころ軸受である転がり軸受201および深溝玉軸受である転がり軸受301を用いてもよい。
上記実施形態の転がり軸受1,101,201,301は外輪3,103,203,303を有するが、外輪が無く軸受箱に直接組み込まれる軸受にも本発明を適用できる。その場合、内輪のテーパ面にエアオイルを噴射するノズルを、外輪間座以外の別の部材または軸受箱に設ければよい。
この発明の第1の実施形態にかかる転がり軸受の断面図である。 図1の部分拡大図である。 図2のIII−III断面図である。 同転がり軸受の保持器を内径側から見た部分展開図である。 エアオイルの断熱冷却効果を測定する試験の方法を示す説明図である。 同試験の結果を示すグラフである。 この発明の第2の実施形態にかかる転がり軸受の断面図である。 図7の部分拡大図である。 図8のIX−IX断面図である。 同転がり軸受の保持器を内径側から見た部分展開図である。 この発明の第3の実施形態にかかる転がり軸受の断面図である。 この発明の第4の実施形態にかかる転がり軸受の断面図である。 この発明の転がり軸受を備えたスピンドル装置の構成図である。
符号の説明
1,101,201,301…転がり軸受
2,102,202,302…内輪
2a,102a,202a,302a…内輪軌道面
2b,102b,202b,302b…案内面
2c,102c,202c,302c…テーパ面
3,103,203,303…外輪
4…円筒ころ(転動体)
5,105,205,305…保持器
5a,105a,205a,305a…被案内面
6…つば部(外径部)
8…外輪位置決め間座
10,110…ポケット
11,111…柱部
13,113,213,313…円周溝
14,114,214,314…円周方向溝
15,115,215,315…軸方向溝
17…ノズル
104,304…玉(転動体)
106…外径部
204…円すいころ(転動体)
206…大つば部(外径部)
207…小つば部(外径部)

Claims (6)

  1. 外径面に軌道面が形成され、この軌道面の少なくとも片側に外径側へ突出する内輪外径部を有する内輪と、この内輪の軌道面に転接する複数の転動体と、これら複数の転動体をポケット内に保持する保持器とを備え、前記保持器は、その内径面の一部である被案内面が前記内輪外径部の外径面である案内面に対向して案内されるものであり、保持器内径面における前記被案内面の軸方向外側に円周溝を設けると共に、保持器におけるポケット間の柱部の内径面に円周方向溝を設け、これら円周溝と円周方向溝を連通する軸方向溝を前記柱部およびその延長上の内径面に設けたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 請求項1において、前記転動体がころである転がり軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記内輪外径面における軌道面の両側部は、前記案内面と、この案内面から軸方向外側へと続き軸方向外側が小径となるテーパ面とでなり、これら案内面とテーパ面の境界の軸方向位置が、前記円周溝の軸方向幅内に位置する転がり軸受。
  4. 請求項3において、前記テーパ面の角度をα(deg)、転動体配列のピッチ円直径をdm(mm)、軸受の仕様回転数をn(min−1)とした場合に、
    α>0.053×dm×n×10−4−2.2
    の関係が成り立つ転がり軸受。
  5. 請求項3または請求項4に記載の転がり軸受の潤滑方法であって、潤滑油と空気を混合したエアオイルを外部から供給し、そのエアオイルをノズルにより前記内輪のテーパ面に向けて噴射することにより、軸受内部に潤滑油を導入することを特徴とする転がり軸受の潤滑方法。
  6. 請求項5において、前記ノズルから前記内輪のテーパ面までの距離を6mm以下とした転がり軸受の潤滑方法。
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