JP2012064625A5 - - Google Patents
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しかしながら、一方で、電流によって書き込まれた情報を記憶しなければ不揮発性メモリとはなり得ない。つまり、記憶層の熱揺らぎに対する安定性(熱安定性)の確保が必要である。
スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子の場合、従来のMRAMと比較して、記憶層の体積が小さくなるので、単純に考えると熱安定性は低下する方向にある。
記憶層の熱安定性が確保されていないと、反転した磁化の向きが、熱により再反転してしまい、書き込みエラーとなってしまう。
そして、スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子の大容量化を進めた場合、記憶素子の体積は一層小さくなるので、熱安定性の確保は重要な課題となる。
そのため、スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子において、熱安定性は非常に重要な特性である。
スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子の場合、従来のMRAMと比較して、記憶層の体積が小さくなるので、単純に考えると熱安定性は低下する方向にある。
記憶層の熱安定性が確保されていないと、反転した磁化の向きが、熱により再反転してしまい、書き込みエラーとなってしまう。
そして、スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子の大容量化を進めた場合、記憶素子の体積は一層小さくなるので、熱安定性の確保は重要な課題となる。
そのため、スピン注入による磁化反転を利用する記憶素子において、熱安定性は非常に重要な特性である。
本発明の記憶素子は、膜面に垂直な磁化を有し、情報に対応して磁化の向きが変化される記憶層と、上記記憶層に記憶された情報の基準となる膜面に垂直な磁化を有する磁化固定層と、上記記憶層と上記磁化固定層の間に設けられる非磁性体による絶縁層とを有する層構造を備え、上記層構造の積層方向にスピン偏極した電子を注入することにより、上記記憶層の磁化の向きが変化して、上記記憶層に対して情報の記録が行われるとともに、上記記憶層が受ける、実効的な反磁界の大きさが、上記記憶層の飽和磁化量よりも小さいものとされる。そして上記記憶層に接する上記絶縁層と、該絶縁層とは反対側で上記記憶層が接する他方の層は、少なくとも上記記憶層と接する界面が酸化膜で形成されており、さらに上記記憶層は、Co−Fe−B磁性層に加え、非磁性金属と酸化物の一方又は両方が含まれている。
また上記絶縁層及び上記他方の層は、少なくとも上記記憶層と接する界面の層がMgO膜で構成される。
また上記記憶層に含まれる非磁性金属はTi、V、Nb、Zr、Ta、Hf、Yのいずれかである。
また上記記憶層に含まれる酸化物はMgO、SiO 2 、Al−Oのいずれかである。
また上記記憶層に接する上記他方の層としてのキャップ層が設けられている層構造である。いわゆるシングル構造の場合である
或いは上記記憶層に接する上記他方の層としての第2の絶縁層が設けられ、該第2の絶縁層を介して第2の磁化固定層が設けられている層構造、いわゆるデュアル構造である。
また上記絶縁層及び上記他方の層は、少なくとも上記記憶層と接する界面の層がMgO膜で構成される。
また上記記憶層に含まれる非磁性金属はTi、V、Nb、Zr、Ta、Hf、Yのいずれかである。
また上記記憶層に含まれる酸化物はMgO、SiO 2 、Al−Oのいずれかである。
また上記記憶層に接する上記他方の層としてのキャップ層が設けられている層構造である。いわゆるシングル構造の場合である
或いは上記記憶層に接する上記他方の層としての第2の絶縁層が設けられ、該第2の絶縁層を介して第2の磁化固定層が設けられている層構造、いわゆるデュアル構造である。
本実施の形態では、磁化状態により情報を保持することができる磁性層(記憶層17)と、磁化の向きが固定された磁化固定層15とを有する記憶素子を構成する。
メモリとして存在し得るためには、書き込まれた情報を保持することができなければならない。情報を保持する能力の指標として、熱安定性の指標Δ(=KuV/kBT)の値で判断される。このΔは、下記式(2)により表される。
メモリとして存在し得るためには、書き込まれた情報を保持することができなければならない。情報を保持する能力の指標として、熱安定性の指標Δ(=KuV/kBT)の値で判断される。このΔは、下記式(2)により表される。
そこで、本願の発明者等が種々の検討を行った結果、記憶層17を構成する強磁性層として、例えばCo−Fe−Bの組成を選定することにより、記憶層17が受ける実効的な反磁界(Meffective)の大きさが、記憶層17の飽和磁化量Msよりも小さくなることを見出した。
上述の強磁性材料を用いることにより、記憶層17が受ける実効的な反磁界の大きさが、記憶層17の飽和磁化量Msよりも小さい構成となる。
これにより、記憶層17が受ける反磁界を小さくすることができるので、式(2)により表される熱安定性Δを損ねることなく、式(1)中により表される電流の閾値Icを低減する効果が得られる。
さらに、発明者らは、上記の選定されたCo−Fe−B組成の内、限られた組成範囲において、Co−Fe−Bが膜面垂直方向に磁化し、それにより、Gbitクラスの容量を実現可能な極微小記憶素子においても十分な熱安定性が確保可能であることを見出した。
従って、Gbitクラスのスピン注入型メモリにおいて熱安定性を保った状態で、低電流で情報の書き込みができる、という安定したメモリの形成を可能にする。
上述の強磁性材料を用いることにより、記憶層17が受ける実効的な反磁界の大きさが、記憶層17の飽和磁化量Msよりも小さい構成となる。
これにより、記憶層17が受ける反磁界を小さくすることができるので、式(2)により表される熱安定性Δを損ねることなく、式(1)中により表される電流の閾値Icを低減する効果が得られる。
さらに、発明者らは、上記の選定されたCo−Fe−B組成の内、限られた組成範囲において、Co−Fe−Bが膜面垂直方向に磁化し、それにより、Gbitクラスの容量を実現可能な極微小記憶素子においても十分な熱安定性が確保可能であることを見出した。
従って、Gbitクラスのスピン注入型メモリにおいて熱安定性を保った状態で、低電流で情報の書き込みができる、という安定したメモリの形成を可能にする。
また、記憶素子の膜構成は、記憶層17が磁化固定層15の下側に配置される構成でも、上側に配置される構成でも全く問題はない。さらには、磁化固定層15が記憶層17の上下に存在する、いわゆるデュアル構造でも全く問題ない。
記憶層17は、磁化M17の方向が膜面垂直方向に自由に変化する磁気モーメントを有する強磁性体から構成されている。磁化固定層15は、磁化M15が膜面垂直方向に固定された磁気モーメントを有する強磁性体から構成されている。
情報の記憶は一軸異方性を有する記憶層17の磁化の向きにより行う。書込みは、膜面垂直方向に電流を印加し、スピントルク磁化反転を起こすことにより行う。このように、スピン注入により磁化の向きが反転する記憶層17に対して、下層に磁化固定層15が設けられ、記憶層17の記憶情報(磁化方向)の基準とされる。
本実施の形態では、記憶層17、磁化固定層15としてはCo−Fe−Bを用いる。特に記憶層17については、Co−Fe−Bに非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された構造とされる。
情報の記憶は一軸異方性を有する記憶層17の磁化の向きにより行う。書込みは、膜面垂直方向に電流を印加し、スピントルク磁化反転を起こすことにより行う。このように、スピン注入により磁化の向きが反転する記憶層17に対して、下層に磁化固定層15が設けられ、記憶層17の記憶情報(磁化方向)の基準とされる。
本実施の形態では、記憶層17、磁化固定層15としてはCo−Fe−Bを用いる。特に記憶層17については、Co−Fe−Bに非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された構造とされる。
記憶素子3の各試料について、記憶層17のCo−Fe−B合金の組成と、飽和磁化量Ms及び実効的な反磁界の大きさMeffectiveの測定結果、さらに飽和磁化量と実効的な反磁界の大きさとの比Meffective/Msを表1に示す。ここで、表1に記載の記憶層17のCo−Fe−B合金のCo量xは原子%で示している。
反転電流値の測定結果を図4に示し、熱安定性の指標の測定結果を図5に示す。
図4は、記憶層17のCo−Fe−B合金のCo量x(CoFe中の含有量;原子%)と、反転電流値から求めた反転電流密度Jc0との関係を示している。
図5は、記憶層17のCo−Fe−B合金のCo量(CoFe中の含有量;原子%)と、熱安定性の指標Δ(KuV/kBT)との関係を示している。
図4は、記憶層17のCo−Fe−B合金のCo量x(CoFe中の含有量;原子%)と、反転電流値から求めた反転電流密度Jc0との関係を示している。
図5は、記憶層17のCo−Fe−B合金のCo量(CoFe中の含有量;原子%)と、熱安定性の指標Δ(KuV/kBT)との関係を示している。
図5より、Co量xが小さくなるにつれて、熱安定性の指標Δ(=KuV/kBT)が大きくなっていき、Co量xがある程度以上小さくなると熱安定性の指標Δが大きい値で安定することが分かる。
これは、表1に示した飽和磁化量Msの測定結果と、式(2)より熱安定性の指標Δが飽和磁化量Msに比例することとから予想される変化とよく一致している。
これは、表1に示した飽和磁化量Msの測定結果と、式(2)より熱安定性の指標Δが飽和磁化量Msに比例することとから予想される変化とよく一致している。
[実験2]
上記の[実験1]により、(CoxFe100-x)80B20の場合、Co量xが70%以下の組成で高い熱安定性を有したまま、反転電流値Jc0を低減できることがわかった。
そこで、[実験2]において(Co70Fe30)80Bz、および(Co80Fe20)80Bz組成の記憶層17を用いて、B量zがCoとFeの比とMeffective/Msにどのような影響を与えるかを調べた。試料の詳細は[実験1]と同様である。
上記の[実験1]により、(CoxFe100-x)80B20の場合、Co量xが70%以下の組成で高い熱安定性を有したまま、反転電流値Jc0を低減できることがわかった。
そこで、[実験2]において(Co70Fe30)80Bz、および(Co80Fe20)80Bz組成の記憶層17を用いて、B量zがCoとFeの比とMeffective/Msにどのような影響を与えるかを調べた。試料の詳細は[実験1]と同様である。
表2の結果より、(Co70Fe30)100-zBzのようにCoとFeの比を70/30で固定した場合、B量z=40原子%以外の組成では実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより小さくなっていることが確認できる。
表3の結果より、(Co80Fe20)100-zBzのようにCoとFeの比を80/20で固定した場合、いずれの組成においても実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより大きくなっていることが確認できる。
上述の表1〜3の結果より、B量zが30原子%以下の範囲であれば、飽和磁化量Msと実効的な反磁界Meffectiveの大小関係はCoとFeの比で決定されることが明らかになった。
従って、記憶層17の実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより小さくなるCo−Fe−B合金の組成は、
0≦Cox≦70、
30≦Fey≦100、
0<Bz≦30において、
(Cox−Fey)100-z−Bzである。
従って、記憶層17の実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより小さくなるCo−Fe−B合金の組成は、
0≦Cox≦70、
30≦Fey≦100、
0<Bz≦30において、
(Cox−Fey)100-z−Bzである。
[実験3]
Gbitクラスのスピン注入型メモリでは、記憶素子のサイズが100nmφ以下になることが想定される。そこで、[実験3]において、50nmφのサイズの記憶素子を用いて、熱安定性を評価した。
Co−Fe−B合金の組成は、CoFeとBとの組成比(原子%)を80:20に固定して、CoFe中のCoの組成比x(原子%)を、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、0%と変化させた。
素子サイズ以外の試料の詳細は[実験1]と同様である。
Gbitクラスのスピン注入型メモリでは、記憶素子のサイズが100nmφ以下になることが想定される。そこで、[実験3]において、50nmφのサイズの記憶素子を用いて、熱安定性を評価した。
Co−Fe−B合金の組成は、CoFeとBとの組成比(原子%)を80:20に固定して、CoFe中のCoの組成比x(原子%)を、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、0%と変化させた。
素子サイズ以外の試料の詳細は[実験1]と同様である。
記憶素子3のサイズが50nmφの場合のCo−Fe−B合金のCo量(CoFe中の含有量;原子%)と熱安定性の指標Δ(KuV/kBT)の関係を図6に示す。
図6より、素子サイズが50nmφになったことにより、熱安定性指数ΔのCo−Fe−B合金組成依存性が、図5に示した短軸0.09μm×長軸0.18μmの楕円形状記憶素子で得られたΔのCo−Fe−B合金組成依存性から大きく変化したことが分かる。
図6によると、Feが60原子%以上存在するCo−Fe−B合金組成の場合にのみ、高い熱安定性が保持されている。
種々の検討を行った結果、Feが60原子%以上存在するCo−Fe−B合金が極微小な記憶素子において高い熱安定性Δを示す理由は、Co−Fe−B合金の磁化が膜面面直方向を向いていることに起因していることが明らかになった。
Co−Fe−B合金の磁化が膜面面直方向になっている理由は、実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより著しく小さい組成であることに起因していると思われる。
また、垂直磁化膜になると極微小素子においても熱安定性が保たれる理由は、式(2)中のHk[実効的な異方性磁界]に関係しており、垂直磁化膜のHkは一般的に面内磁化膜よりも遥かに大きな値になる。つまり、垂直磁化膜では、大きなHkの効果により、面内磁化膜では十分な熱安定性Δを確保できない極微小な素子においても高い熱安定性Δを保つことが出来る。
上記の実験結果から、(CoxFe100-x)80B20という組成のCo−Fe−B合金では、Fe100-xが60以上になる場合、Gbitクラスのスピン注入を利用したメモリ装置に好適となるといえる。
種々の検討を行った結果、Feが60原子%以上存在するCo−Fe−B合金が極微小な記憶素子において高い熱安定性Δを示す理由は、Co−Fe−B合金の磁化が膜面面直方向を向いていることに起因していることが明らかになった。
Co−Fe−B合金の磁化が膜面面直方向になっている理由は、実効的な反磁界Meffectiveが飽和磁化量Msより著しく小さい組成であることに起因していると思われる。
また、垂直磁化膜になると極微小素子においても熱安定性が保たれる理由は、式(2)中のHk[実効的な異方性磁界]に関係しており、垂直磁化膜のHkは一般的に面内磁化膜よりも遥かに大きな値になる。つまり、垂直磁化膜では、大きなHkの効果により、面内磁化膜では十分な熱安定性Δを確保できない極微小な素子においても高い熱安定性Δを保つことが出来る。
上記の実験結果から、(CoxFe100-x)80B20という組成のCo−Fe−B合金では、Fe100-xが60以上になる場合、Gbitクラスのスピン注入を利用したメモリ装置に好適となるといえる。
[実験4]
上記[実験3]において、(CoxFe100-x)80B20という組成のCo−Fe−B合金では、Fe量が60以上になる場合、Gbitクラスのスピン注入を利用したメモリ装置に好適となることを示した。[実験4]では、さらに、B量を5〜30原子%の範囲のCo−Fe−B合金で50nmφのサイズの記憶素子を作製し、熱安定性を評価した。
素子サイズ以外の試料の詳細は[実験1]と同様である。
上記[実験3]において、(CoxFe100-x)80B20という組成のCo−Fe−B合金では、Fe量が60以上になる場合、Gbitクラスのスピン注入を利用したメモリ装置に好適となることを示した。[実験4]では、さらに、B量を5〜30原子%の範囲のCo−Fe−B合金で50nmφのサイズの記憶素子を作製し、熱安定性を評価した。
素子サイズ以外の試料の詳細は[実験1]と同様である。
Co量x=50、40、30、20、10、0およびB量z=5、10、20、30という範囲における(CoxFe100-x)100-zBzという組成のCo−Fe−B合金と熱安定性の指標Δ(KuV/kBT)の関係を表4に示す。
つまり、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた試料では、記憶層17の上下に酸化物が存在し、かつ添加物の体積比率が一定値以下の場合に保磁力が得られる。
ここで、CoFeB単層の記憶層17を用いた試料(24)と、保磁力が得られた非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた試料(1)〜試料(3)、試料(16)〜試料(21)、試料(5)〜試料(8)、試料(12)〜試料(14)、試料(22)、試料(23)の保磁力およびKuV/kBTを比較すると、保磁力が得られる条件を満たした場合、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた記憶素子3の方が明確に大きな保磁力、KuV/kBTになっていることが分かる。
ここで、CoFeB単層の記憶層17を用いた試料(24)と、保磁力が得られた非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた試料(1)〜試料(3)、試料(16)〜試料(21)、試料(5)〜試料(8)、試料(12)〜試料(14)、試料(22)、試料(23)の保磁力およびKuV/kBTを比較すると、保磁力が得られる条件を満たした場合、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた記憶素子3の方が明確に大きな保磁力、KuV/kBTになっていることが分かる。
このことから本実施の形態の構成、すなわち、上下に酸化物が存在し、かつ、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた記憶素子3は垂直磁気異方性が強化され、高い保磁力、KuV/kBTを実現するのに好適な構成といえる。
[実験6]
次に、上記表5中の試料(1)〜試料(3)、試料(5)〜試料(8)、試料(12)〜試料(14)の記憶層17材料を用いて、図2(b)に示した記憶素子3のように記憶層17の上下に磁化固定層(15U、15L)が存在するデュアルMTJ構造試料を作製した。
上部磁化固定層15Uには膜厚2nmのCoFeBと膜厚15nmのTbFeCo層の積層膜を用いた。
2つの絶縁層16U、16Lは膜厚に差がつけてあり、トータルのRAは30Ωμm2になるように調整してある。
基本的な素子作製プロセス、諸測定は上記[実験5]と同様である
次に、上記表5中の試料(1)〜試料(3)、試料(5)〜試料(8)、試料(12)〜試料(14)の記憶層17材料を用いて、図2(b)に示した記憶素子3のように記憶層17の上下に磁化固定層(15U、15L)が存在するデュアルMTJ構造試料を作製した。
上部磁化固定層15Uには膜厚2nmのCoFeBと膜厚15nmのTbFeCo層の積層膜を用いた。
2つの絶縁層16U、16Lは膜厚に差がつけてあり、トータルのRAは30Ωμm2になるように調整してある。
基本的な素子作製プロセス、諸測定は上記[実験5]と同様である
デュアル構造の場合も、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた試料では高い保磁力およびKuV/kBTになっている。
ここで、重要なことは、垂直磁気異方性は記憶層17および近接する材料に大きく依存することから、デュアルMTJを作製する場合、2枚の酸化物に挟まれることになる記憶層17の材料には、2枚の酸化物で挟まれたときに保磁力が大きくなる材料を用いたほうが、より良好なKuV/kBTを得ることが出来る点である。
その観点から言って、表6に示した各試料の構成、すなわち、上下に酸化物が存在し、かつ、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた記憶素子3はデュアルMTJにおいて垂直磁気異方性が強化され、高い保磁力、KuV/kBTを実現するのに好適な構成といえる。
ここで、重要なことは、垂直磁気異方性は記憶層17および近接する材料に大きく依存することから、デュアルMTJを作製する場合、2枚の酸化物に挟まれることになる記憶層17の材料には、2枚の酸化物で挟まれたときに保磁力が大きくなる材料を用いたほうが、より良好なKuV/kBTを得ることが出来る点である。
その観点から言って、表6に示した各試料の構成、すなわち、上下に酸化物が存在し、かつ、非磁性金属、酸化物の両方もしくは一方が添加された記憶層17を用いた記憶素子3はデュアルMTJにおいて垂直磁気異方性が強化され、高い保磁力、KuV/kBTを実現するのに好適な構成といえる。
Claims (1)
- 上記記憶層に含まれる酸化物はMgO、SiO 2 、Al−Oのいずれかである請求項2に記載の記憶素子。
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