JP2012062352A - 樹脂組成物及び多層成形体 - Google Patents

樹脂組成物及び多層成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂等との接着強度に優れ、且つ耐熱性を有する樹脂組成物を提供する。また、これらの樹脂層との接着強度に優れた積層体および該積層体の延伸フィルムを提供する。
【解決手段】 下記(a)成分を60〜99重量%、下記(b)成分を1〜40重量%含有することを特徴とする樹脂組成物。
(a)成分:融点が125℃以上の芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
(b)成分:二重結合及び/またはヘテロ原子を有する常温で固体の非晶性樹脂
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品包装材料等の種々の分野で幅広く必要とされている耐内容物遮蔽性(フレーバー性、保香性)、意匠性(表面光沢性、透明性)、機械的強度、収縮性等が改良された積層体を得るための樹脂組成物および多層成形体に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂(以下、PO樹脂という場合がある)は各種分野で幅広く利用されているが、PO樹脂は成形性、機械強度、耐薬品性やヒートシール性に優れるものの、成形手法や樹脂の種類によっては、表面光沢、透明性などの意匠性や機械強度が劣るという欠点を有している。これらの欠点の改良手法として、ポリエステル樹脂との多層成形体等が提案されている。しかし、PO樹脂は極性を有しない為、ポリエステル樹脂と直接積層しても、積層後の層間接着力が非常に低く実用に耐えない。
そこで、種々の接着剤を用い積層する手法が提案されている。例えば、PO樹脂層と、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂またはポリスチレン樹脂から選択される樹脂層との積層体用としては、PO樹脂と脂環族または芳香族の重合物との組成物を接着材として用いて積層する方法が提案されている(特許文献1)。また、最近ではポリエステル樹脂との耐熱接着性付与のため、ポリエステルエラストマーを不飽和カルボン酸等で変性した樹脂が提案されている(特許文献2)。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物等を無水マレイン酸で変性した各種変性樹脂を適用することも古くから提案されている。
しかしながら、ポリオレフィンをベースとした接着性樹脂では融点が低いために耐熱性が不足し、ボイルやレトルトなどの加熱殺菌処理を行った際には、層間剥離が起こる問題があった。また、特許文献2のようなポリエステルエラストマーの変性樹脂ではPO樹脂との接着性が不十分であるため、PO樹脂層との積層が困難であった。
特開平10−279774号公報 特開2002−155135号公報
かかる状況に鑑み、本発明は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等との接着強度に優れ、且つ耐熱性を有する樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、これらの樹脂からなる層間の接着強度に優れた多層成形体および該多層成形体の延伸体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し、粘着付与剤として特定の樹脂を含有する芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーとすることにより、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[5]を要旨とする。
[1] 下記(a)成分を60〜99重量%、下記(b)成分を1〜40重量%含有することを特徴とする樹脂組成物。
(a)成分:融点が125℃以上の芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
(b)成分:二重結合及び/またはヘテロ原子を有する常温で固体の非晶性樹脂
[2] [1]において、(b)成分が、ヘテロ原子を有する石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂またはそれらの水素添加物から選択される1種以上であることを特徴とする樹脂組成物。
[3] [1]または[2]において、(b)成分の軟化点が70〜190℃であることを特徴とする樹脂組成物。
[4] [1]〜[3]の何れかに記載の樹脂組成物を含有する接着層と、該接着層の少なくとも何れか一方の面にポリオレフィン樹脂層及び/またはポリエステル樹脂層を有する多層成形体。
[5] [4]に記載の多層成形体を1軸または2軸延伸してなる延伸成形体。
本発明によれば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等との接着強度に優れ、且つ耐熱性を有する樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、これらの樹脂からなる層間の接着強度に優れた多層成形体および該多層成形体の延伸フィルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物は、(a)成分:芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーと、(b)成分:二重結合及び/またはヘテロ原子を有する常温で固体の非晶性樹脂とを含有する。
<成分(a):芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー>
本発明で使用する成分(a)の芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーは、通常、芳香族ポリエステルを含有するハードセグメントと、ポリアルキレンエーテルグリコールまたは脂肪族ポリエステルを含有するソフトセグメントとからなる、飽和のブロック共重合体である。中でも、ソフトセグメントは、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメント又はこれを含有するセグメントであることが、得られる樹脂組成物の物性、特に、接着性を発現する上で好ましい。また、主鎖の炭素原子間に2重結合、又は3重結合を含む不飽和ポリエステル系エラストマーは、熱や光による着色が起こりやすい上、成形時にもゲルが発生しやすいことから、特に、フィルム状やシート状の複合積層体においては外観や機械強度の点で好ましくない。
以下に、芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーの好ましい態様である、芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルグリコールセグメントとからなるブロック共重合体について詳細に説明する。
ソフトセグメントを構成するポリアルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2及び/又は1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。特に好ましいものは、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールである。また、これらのポリアルキレンエーテルグリコールを併用してもよい。
ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量は、通常400〜6,000、好ましくは600〜4,000、さらに好ましくは1,000〜3,000である。ポリアルキレンエーテルグリコールの数平均分子量が前記下限値未満では、十分な接着性を発現で
きない場合がある。一方、数平均分子量が前記上限値を超えると、芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー内での相分離が起きやすく、得られるポリマーの物性が低下したり、成分(b)との相溶性が低下したり、他の層との接着性が低下する場合がある。なお、ここでいう「数平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものである。GPCのキャリブレーションには、英国POLYMERLABORATORIES社のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用すればよい。
また、芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー中のポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量は、通常30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量が上記下限値未満では、成分(b)を添加しても接着性を発現しない傾向にあり、多層成形体が低温衝撃性に劣る傾向にある。また、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量が上記上限値を超えると、生成する樹脂組成物が十分な接着性を発現しない傾向にあり、高温雰囲気下での多層成形体の強度が劣る傾向にある。
芳香族ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、通常、i)炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールと、ii)芳香族ジカルボン酸又はそれらのアルキルエステル、及びiii)上記のポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールとしては、ポリエステルの原料として通常用いられるものが使用できる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオール、エチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは、一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好適である。また、芳香族ジカルボン酸とともに、他のジカルボン酸を併用することもできる。他のジカルボン酸として用いる原料は限定されないが、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸や、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、脂環式ジカルボン酸が好ましい。
また、これらのジカルボン酸は2種以上を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルを用いる場合は、上記のジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が用いられる。好ましいものは、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレートである。
また、上記の成分以外に3官能性のトリオールやトリカルボン酸又はそれらのエステルを少量共重合させてもよく、さらにオキシカルボン酸等も共重合成分として使用できる。
なお、本発明で使用する芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーは、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性されたグラフト共重合体であってもよい。不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性された芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーとすることにより、本発明の樹脂組成物を接着層とする多層体の剥離強度が向上する場合がある。
本発明で使用する成分(a)は、融点が125℃以上であり、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上である。成分(a)の融点が前記下限値未満であると、樹
脂組成物の耐熱性が劣るため好ましくない。なお、成分(a)の融点の上限は限定されないが、通常300℃以下、好ましくは260℃以下である。
ここで、成分(a)の融点の測定方法は、示差走査熱量計を用い、昇温速度100℃/分で常温から250℃まで昇温して3分間保持し、その後−100℃まで冷却速度10℃/分で冷却した後、再び250℃まで昇温速度10℃/分で昇温させた時の融解ピークの温度である。
本発明に使用する成分(a)のMFR(JIS K7210準拠、230℃、荷重2.16kg)は、通常1〜100(g/10分)、好ましくは3〜80(g/10分)、さらに好ましくは、5〜60(g/10分)の範囲のものが好適である。MFRが上記の上限値を超える場合は、溶融張力が小さすぎて成形時にドローダウン等の問題がある場合がある。MFRが上記の下限値未満では流動性が不足して成形性が悪化する場合がある。
本発明で使用する成分(a)は、JIS−D硬度(JIS K6253に従い、デュロメータ、タイプDによる硬度)が10以上80以下、好ましくは15以上70以下、特に好ましくは20以上60以下の範囲のものが好適である。JIS−D硬度が、上記の下限値未満では耐熱性が劣る傾向となり、上記の上限値を超える場合には、ゴム弾性と接着性が劣る傾向となる。
以上のようなポリエステル系熱可塑性エラストマーの市販品としては、三菱化学株式会社製「プリマロイ」、東洋紡績株式会社製「ペルプレン」、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」等から該当するものを選択して使用することができる。
<成分(b):粘着付与剤>
本発明で用いる成分(b)は、二重結合及び/またはヘテロ原子を有する常温で固体の非晶性樹脂であり、成分(a)に対して粘着付与剤としての効果を奏する粘着付与剤である。ここで常温とは23℃を意味し、非晶性とは、示差走査熱量計で測定した場合に融解ピークをもたないものを意味する。ヘテロ原子は限定されないが、N、O、Sなどが挙げられ、中でもOが好ましい。
成分(b)は、上記の条件を満たすものであれば限定されないが、中でも、ヘテロ原子を含有する石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂またはそれらの水素添加物が好ましく、市販のものから適宜選択して用いることができる。
ヘテロ原子を有する石油樹脂としては、例えば、ヘテロ原子を含有する脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。石油樹脂の骨格としては、C5樹脂、C9樹脂、C5/C9共重合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。ヘテロ原子は限定されないが、N、O、Sなどが挙げられ、中でもOが好ましい。これらのうち、水酸基含有水素化石油樹脂は、石油ナフサ熱分解時の留分である芳香族オレフィン、脂肪族オレフィン、ジオレフィンなどの炭化水素をアルコール類、フェノール類などの存在下で重合して得られるアルコール変性ジシクロペンタジエン樹脂、アルコール変性C9−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂、フェノール変性C9石油樹脂などの水酸基含有石油樹脂や、これらを水素化したものである。具体的には、水酸基含有水素化石油樹脂、アルコン樹脂(以上、荒川化学工業社製)が挙げられる。
ロジン樹脂とはアビエチン酸を主成分とする天然樹脂であり、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;該天然ロジンから誘導される重合ロジン;前記天然ロジンや重合ロジンを不均化又は水素添加して得られる安定化ロジン;前記天
然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジン;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと天然ロジンとのエステル化物である天然ロジンエステル;該多価アルコールと水素化ロジン、不均化ロジン又は酸変性ロジン等の変性ロジンとのエステル化物である変性ロジンエステル、あるいは該多価アルコールと重合ロジン(特に重合天然ロジン)とのエステル化物である重合ロジンエステル等のロジンエステルなどが挙げられる。具体的には、市販品として、エステルガム、ペンセル、スーパーエステル、パインクリスタル(以上、荒川化学工業社製)、ハリエスター、ネオトール(以上、ハリマ化成社製)などが挙げられる。これらのロジン樹脂は、何れもヘテロ原子を有する樹脂であり、100%水素添加されていない場合は、二重結合をも有する樹脂である。
テルペン樹脂としては、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の芳香族テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂およびそれらの水素添加物が挙げられる。具体的には、YSレジンPX、YSポリスター、マイティエース、YSレジンTO、クリアロン(以上、ヤスハラケミカル社製)などが挙げられる。これらのテルペン樹脂は、何れも二重結合及び/またはヘテロ原子を有する樹脂である。
本発明の樹脂組成物の色相をできる限り白色または無色透明に近付け、黄色の着色を防止するためには、成分(b)としてはヘテロ原子を有する脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの共重合体が好ましく、特にそれらの水素添加物が好ましい。水素添加物の水素添加は限定されないが、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
成分(b)の軟化点が高い場合には、一般に接着力が良好となる傾向があるが、軟化点が高すぎると樹脂組成物に用いられるベースポリマーとの相溶性が低下し、低温から常温領域での接着力が低下する場合がある。よって、成分(b)の軟化点は、70〜190℃が好ましく、さらに好ましくは90〜180℃である。軟化点が前記下限値未満であるとタックが出やすくなり、樹脂組成物のペレットが取り扱いにくくなる。一方、軟化点が前記上限値を超えると分散状態が悪化して接着力が低下し、本発明の樹脂組成物を接着層とする多層体の剥離強度が低下する傾向にある。なお、本発明において、軟化点は、環球法(JIS K 5902)により測定される。
本発明において成分(b)の数平均分子量は限定されないが、通常300〜3000、好ましくは400〜2000である。成分(b)の数平均分子量が前期下限値未満では軟化点が低くタックが出やすくなる場合があり、一方、数平均分子量が前期上限値を越える場合は成分(a)との相溶性が劣り接着力がでない場合がある。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物における配合割合は、成分(a)および成分(b)の合計量に対し、成分(a)が通常60〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、および成分(b)が通常1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%である。
成分(b)の配合割合が前記下限値未満では各被着材への接着性が低下し、一方前記上限値を超えると流動性が高くなりすぎ成形性が悪化する。
本発明の樹脂組成物の製造方法は限定されないが、種々公知の手法、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて混合し、混合後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等で原料を溶融混練し、造粒あるいは粉砕する手法により調製することができる。
なお、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の成分(
a)及び成分(b)以外に添加剤や樹脂等を配合することができる。これらの成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用しても良い。
添加剤としては、具体的には、耐熱安定剤、耐候安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、難燃剤、触媒残渣の中和剤、顔料、染料、無機および/または有機フィラー等、一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の樹脂組成物に含有することのできる成分(a)及び成分(b)以外の樹脂としては、後述するA層を構成する熱可塑性樹脂等が挙げられる。
<多層成形体>
本発明の樹脂組成物は、後述する種々の熱可塑性樹脂との接着力に優れるので、該熱可塑性樹脂との多層成形体および該多層成形体を延伸して得られる延伸成形体として好適に使用することができる。
本発明の多層成形体は、上述した本発明の樹脂組成物からなる接着層を含む2層または3層以上に積層された多層成形体である。多層成形体の形状は限定されず、フィルムやシート、板状などの平面状や、パイプ状、袋状、不定形状など何れでもよい。
以下、本発明の樹脂組成物を含有する層(接着層)をB層とし、該B層とともに多層成形体を構成する層をA層とする。なお、A層のうち少なくとも1層は、B層の少なくとも何れか一方の面に隣接する。
また、本発明の多層成形体は、熱可塑性樹脂層以外に、アルミニウムなどの金属層や、紙の層などを有していてもよい。更には、金属薄膜が蒸着されていてもよい。
<熱可塑性樹脂層(A層)>
本発明においてA層を構成する熱可塑性樹脂は限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜4のα−オレフィンの単独あるいはこれらを主成分とする共重合体である。これらポリオレフィン樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン等の単独重合体に限らず、炭素数2〜4のα−オレフィンを主成分とする限り、他の炭素数2〜20のα−オレフィンあるいは酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等のビニル化合物との共重合体をも含むものである。更には、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸あるいはその誘導体でグラフト変性されたグラフト共重合体でもよい。さらにこれらのポリオレフィン樹脂は混合物であってもよい。
ポリオレフィン樹脂のうち、ポリエチレン系樹脂の具体例としては、たとえば高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。ここでポリエチレン系樹脂とは、原料モノマーとしてエチレンを主要成分とし、好ましくは50モル%以上含有する重合体を意味する。これらの中では、LDPE、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが透明性、低温ヒートシール性に優れるので好ましい。
ポリオレフィン樹脂のうち、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)としては、エチレン含有量が好ましくは15〜65モル%、さらに好ましくは25〜50モル%であることが望ましい。エチレン含有量が前記下限値未満の場合には、熱分解し易く、溶融成形が困難で、また延伸性にも劣り、かつ吸水し膨潤し易く耐水性が劣る。一方エチレン含有量が前記上限値を超過する場合には、耐ガス透過性が低下する傾向がある。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物の鹸化度は、好ましくは50%以上、さらに好ましくは90%以上であることが望ましい。鹸化度が前記下限値未満の場合には、耐ガス透過性が低下する傾向がある。
ポリオレフィン樹脂のうち、ポリプロピレン系樹脂の具体例としては、例えばポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体およびプロピレン−1−ブテンランダム共重合体などのプロピレンランダムコポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体などが挙げられる。ここでポリプロピレン系樹脂とは、原料モノマーとしてプロピレンを主要成分とし、好ましくは50モル%以上含有する重合体を意味する。これらの中ではホモポリマー、ランダムコポリマーが透明性で優れるので好ましい。
ポリオレフィン樹脂のうち、ポリ−1−ブテン系樹脂の具体例としては、例えば1−ブテン単独重合体、1−ブテン−エチレン共重合体、1−ブテン−プロピレン共重合体、1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体が挙げられる。ここでポリ−1−ブテン系樹脂とは、原料モノマーとして1−ブテンを主要成分とし、好ましくは50モル%以上含有する重合体を意味する。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるポリエステル樹脂とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−または2,6−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などのジカルボン酸の酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオールなどのグリコール成分との重縮合物であり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、共重合PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシンテレフタレート等が挙げられる。また、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−β−ヒドロキシブチレート、ポリ−β−ヒドロキシバリレート、ポリ−γ−ブチロラクトン、ポリ−δ−バレロラクトン、ポリ−ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸の重縮合物も挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、PETおよび共重合PETである。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるポリアミド樹脂としては、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンなどのジアミン類と、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸類との重縮合によって得られるポリアミド;ε−アミノカプロン酸などのアミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド;ε−カプロラクタムなどのラクタムから得られるポリアミドあるいはこれらの成分からなる共重合ポリアミドが例示される。具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66共重合体、ナイロン66/610共重合体、ナイロン6/11共重合体などが挙げられる。これらの中では、融点、剛性などが優れるナイロン6、ナイロン66が好ましい。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるスチレン樹脂とは、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレートなどの共重合体あるいはそれらのゴム変性物等のスチレンを主体とした樹脂であり、より具体的には、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(ゴム配合ポリスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合ゴム(ABS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるアクリル樹脂とは、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート−ブタジエン共重合体等を例示することができる。中でもポリアクリロニトリルが好ましい。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるポリカーボネート樹脂とは、ジヒドロキシ化合物とホスゲンまたはジフェニルカーボネートとを公知の方法で反応させて得られる種々のポリカーボネートである。ジヒドロキシ化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−n−ブタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシジクロロジフェニル−2,2−プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−1,1−シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエチルフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が用いられる。このうち4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノールA)を用いたポリカーボネートが機械的性能、透明性に優れているので好ましい。
熱可塑性樹脂層(A層)に用いるポリ塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体または共重合体が挙げられる。さらに、塩化ビニリデンの単独重合体または共重合体も包含される。塩化ビニル樹脂として共重合体可能なモノマーは限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸またはそのエステル、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル等が挙げられる。また、ポリ塩化ビニル樹脂のポリマーブレンド物、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂とポリ塩化ビニリデンからなるポリマーブレンド物を用いてもよい。
本発明においてA層を構成する熱可塑性樹脂は、上記に示した樹脂を複数混合した樹脂組成物であってもよい。更には、熱可塑性樹脂中に各種添加剤を配合することができ、これらの成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用しても良い。添加剤等としては、具体的には、耐熱安定剤、耐候安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、帯電防止剤、難燃剤、触媒残渣の中和剤、顔料、染料、無機および/または有機フィラー等、一般的に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
<多層成形体の製造方法>
本発明の多層成形体を製造する方法としては、従来より公知の種々手法を採用することができる。例えば、共押出し手法によるインフレーションフィルム、T−ダイフィルムやパイプ、溶融した個々の樹脂を同一金型内にタイムラグを付け射出成形する、共インジェクション成形により未延伸状態試験管状のパリソン等の共押出積層を行うものである。
本発明の延伸フィルムを製造する方法としては、従来より公知の種々の方法を採用する
ことができる。例えば、上記で得られた未延伸の多層成形体を冷却固化後、各成形品をインライン、またはアウトラインで60〜160℃の延伸温度まで再加熱し、テンター、プラグおよび圧縮空気等を用い一軸方向、あるいは二軸方向に少なくとも面積比で1.5倍以上延伸を行い、一軸または二軸延伸成形したフィルム、カップ、ボトル等の成形体を得る方法が挙げられる。
具体的には、インフレーションフィルムの場合、インフレーション同時二軸延伸法、Tダイフィルムの場合テンター同時二軸延伸法、ロールおよびテンターによる逐次二軸延伸法等、カップの場合、金型内で圧縮空気等のみによる圧空成形、プラグと圧縮空気を併用するSPPF成形等、ボトルの場合、積層パイプを縦に延伸後、金型内で圧縮空気等で横に延伸するパイプ延伸法、インジェクション成形により試験管状の有底パリソンを成形し、有底パリソンを金型内でロッドにより縦方向に延伸後、圧縮空気等により横方向に延伸する有底パリソン延伸法等が一般的に用いられる。
本発明の延伸成形体は、上記の通り延伸した後には、熱固定を行ってもよいし、熱固定をせずに製品としてもよい。熱固定を行わない場合は、その後に延伸成形体を加熱することによって応力が開放され、収縮する性質をもつためシュリンクフィルムとして用いることができる。
本発明の多層成形体の各層の厚みは、層構成、用途や要求される物性等により任意に設定できるが、通常、未延伸状態で1〜1000μm、好ましくは3〜200μm、より好ましくは5〜100μm、更に好ましくは10〜50μmである。また、延伸成形体の厚みも任意であるが、通常0.1〜100μm、好ましくは0.3〜30μm、より好ましくは0.5〜20μmである。
本発明に係る樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等との接着強度に優れ、且つ優れた耐熱性を有する。このため、本発明の樹脂組成物を接着層として有する多層成形体は、層間剥離が起こらずに優れた接着強度特性を示し、強度、耐熱性に優れる。従って、本発明の多層成形体は、各層を構成する樹脂がもつ優れた特性を維持することが出来るため、耐内容物遮蔽性(フレーバー性、保香性)、意匠性(表面光沢性、透明性)、機械的強度、収縮性等が改良され、ガソリンタンク、食用油のボトルやハム等の畜肉包装フィルムなどの一般食品包装用材料、意匠包装やラベル等に好適に使用することができる。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した原料は次のとおりである。
<成分(a)>
(a−1)芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールをソフトセグメントとするポリエステルポリエーテルブロック共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコールの含有量が60重量%、密度1.12g/cm、示差走査熱量計による融解ピーク温度166℃、MFR(230℃、荷重2.16kg)25g/10分、JIS−D硬度36)
(a−2)芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールをソフトセグメントとするポリエステルポリエーテルブロック共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコールの含有量が65重量%、密度1.09g/cm、示差走査熱量計による融解ピーク温度185℃、MFR(230℃、荷重2.16kg)25g/10分、JIS−D硬度34)
(a−3)変性芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−1)100重量部に対し、無水マレイン酸(和光純薬工業社製試薬特級)0.5重量部、およびm−トルオイルパーオキサイド/ベンゾイルパーオキサイド混合物(日油株式会社製「ナイパーBMT−K40」)0.05重量部を混合し、これを株式会社池貝製「PCM−45型二軸押出機」(D=44mmφ)中で190〜220℃で溶融混練した後、ペレタイザーを通してペレット化することにより変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー(示差走査熱量計による融解ピーク温度183℃、MFR(230℃、荷重2.16kg)24g/10分)を製造した。
<成分(b)>
(b−1)ヘテロ原子を有する石油樹脂
荒川化学社製、KR−1842、水酸基グラフト脂環族系石油樹脂、軟化点120℃、分子量650、水酸基価140KOHmg/g
(b−2)ヘテロ原子を有する石油樹脂
荒川化学社製、KR−1840、水酸基グラフト脂環族系石油樹脂、軟化点100℃
(b−3)水添ロジンエステル
荒川化学社製、パインクリスタルKE−359、軟化点94〜104℃、水酸基価38〜47KOHmg/g
(b−4)テルペンフェノール樹脂
ヤスハラケミカル社製、YSポリスターU130、軟化点130℃、ヘテロ原子および二重結合を有する。
(b−5)ヘテロ原子・二重結合いずれも有しない粘着付与剤(比較例用)
荒川化学社製、アルコンP115、軟化点115℃
<その他成分>
(c−1)スチレン系エラストマー(クレイトン社製:G1641H)
(c−2)ポリエチレン(日本ポリエチレン製、ノバテックPE、SF240)
(実施例1)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−1)85重量%、及び粘着付与剤として(b−1)15重量%の配合割合で事前に100Lのヘンシェルミキサーで2分間混合した。これを、二軸押出機PCM30(池貝鉄工社製、D=30mmφ、L/D=32)を用い、温度180℃、スクリュー回転数200rpm、押出し量10kg/時で溶融混練し、紐状に押し出し、冷却後カッティングして樹脂組成物ペレットを得た。得られた樹脂組成物の耐熱性を以下の手法にて評価した結果を表−1に示す。また、この樹脂組成物を接着性樹脂として用い、下記の方法で成形を行いフィルムを得た。
<耐熱性>
耐熱性は、得られた樹脂組成物のペレット5mgを切り取り、アルミパンに入れ、示差走査熱量計(DSC、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC6220)を用い、昇温速度100℃/分で常温から250℃まで昇温して3分間保持し、その後−100℃まで冷却速度10℃/分で冷却した後、再び250℃まで昇温速度10℃/分で昇温させた時の融解ピーク温度を読み取り、耐熱温度とした。
<フィルム成形>
プラコー社製、3種3層共押出Tダイ成形機にて多層フィルムを得た。層構成は冷却ロール面に接する側(内層)から外層に向かって、ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン社製、ポリエチレン、ノバテックPE・SF240)/接着層/ポリエステル樹脂(イーストマンケミカル社製、PET−G・GN−001)とし、各層の厚さは、それぞれ40μm/10μm/30μmとし、総厚みを80μmとした。共押出の温度は、ポリオレフィン樹脂:220℃、ポリエステル樹脂:220℃、接着層樹脂:220℃とし、成形速
度は6m/分とした。得られたフィルムについて、剥離強度を以下の手法にて評価した。
<剥離強度>
積層体の接着強度(g/15mm)は、フィルムを15mm幅の短冊形に切り取り、JIS K−6854に準拠して、23℃、300mm/分の速度でTピール剥離試験を行った。結果を表−1に示す。
(実施例2)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−1)を70重量%、その他成分として(c−1)15重量%、及び粘着付与剤として(b−1)15重量%に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例3)
粘着付与剤を(b−2)15重量%に変更した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例4)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーを(a−2)に変更した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例5)
粘着付与剤を(b−3)15重量%に変更した以外は実施例4と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例6)
実施例5で得た樹脂組成物を用いて、フィルムを成形する際に内層のポリオレフィン樹脂をポリプロピレン(日本ポリプロ社製、ノバテックPP・FW4B)に変更した以外は実施例5と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例7)
粘着付与剤を(b−4)15重量%に変更した以外は実施例6と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(実施例8)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーを変性芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマーである(a−3)に変更した以外は実施例6と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(比較例1)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−1)のみを接着性樹脂として用い、実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(比較例2)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−2)のみを接着性樹脂として用い、実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(比較例3)
粘着付与剤を(b−5)15重量%に変更した以外は実施例2と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(比較例4)
芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー(a−1)の代わりにその他成分である(c−2)を85重量%とし、粘着付与剤を(b−3)15重量に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
(比較例5)
粘着付与剤を(b−5)15重量%に変更した以外は比較例4と同様にして樹脂組成物及びフィルムを得た。実施例1と同様にして測定した樹脂組成物の耐熱性及びフィルムの剥離強度を表−1に示す。
Figure 2012062352

Claims (5)

  1. 下記(a)成分を60〜99重量%、下記(b)成分を1〜40重量%含有することを特徴とする樹脂組成物。
    (a)成分:融点が125℃以上の芳香族ポリエステル熱可塑性エラストマー
    (b)成分:二重結合及び/またはヘテロ原子を有する常温で固体の非晶性樹脂
  2. (b)成分が、ヘテロ原子を有する石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂またはそれらの水素添加物から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (b)成分の軟化点が70〜190℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の樹脂組成物を含有する接着層と、該接着層の少なくとも何れか一方の面にポリオレフィン樹脂層及び/またはポリエステル樹脂層を有する多層成形体。
  5. 請求項4に記載の多層成形体を1軸または2軸延伸してなる延伸成形体。

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