JP2012061876A - カウルルーバー用遮熱板 - Google Patents

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Abstract

【課題】カウルルーバー用遮熱板の製造工程を簡素化することで、作業要員の省人化を可能とする。
【解決手段】自動車におけるエンジンフード10の内側とカウルルーバー14との間に配置され、エンジンルームからの熱が車室内に入り込むのを阻止するためのカウルルーバー用遮熱板であって、カウルルーバー14に結合されるベース部材22に対し、このベース部材とエンジンフード10との間の気密を保つシール部材24が直接成形によって互いに一体化されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車におけるエンジンルームで生じた熱が、通気ダクトを通って車室内に入り込むのを阻止するために、カウルルーバーに設けられる遮熱板に関する。
この種のカウルルーバー用遮熱板は、カウルルーバーに結合されるベース部材と、このベース部材とエンジンフードの内側面との間の気密を保つためのシール部材とを備えている。ベース部材は硬質の樹脂材で成形され、シール部材は柔軟に弾性変形する樹脂材で成形される。そして、個別に成形したベース部材とシール部材とを両面接着テープ等によって接着している。
なお、エンジンフードとカウルルーバーとの関連を示すものとしては、例えば特許文献1に開示された技術が公知である。
特開2010−6214号公報
従来のカウルルーバー用遮熱板は、そのベース部材とシール部材とを個別に成形し、これらを互いに接着して一体化するといった工程を経て完成品となることから、遮熱板の製造に多くの作業要員と時間とを要している。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、遮熱板の製造工程を簡素化して作業要員の省人化を可能とすることである。
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
第1の発明は、自動車におけるエンジンフードの内側とカウルルーバーとの間に配置され、エンジンルームからの熱が車室内に入り込むのを阻止するためのカウルルーバー用遮熱板であって、カウルルーバーに結合されるベース部材に対し、このベース部材とエンジンフードとの間の気密を保つシール部材が直接成形によって互いに一体化されている。
これにより、ベース部材とシール部材とを個別に成形した後、これらを接着によって一体化するのと比べ、遮熱板の製造工程が簡素化され、作業要員の省人化が可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、車種によって形状が異なるカウルルーバーおよびエンジンフードに対し、ベース部材が所定の形状で共通化され、シール部材が車種毎のカウルルーバーおよびエンジンフードの形状に合わせて成形されている。
このように、成形金型等の設備費がシール部材よりも高価なベース部材を共通化することにより、製造コストの削減を図ることができる。
カウルルーバーに組付けられた状態の遮熱板を表した側面図。 カウルルーバーに組付けられた状態の遮熱板を表した斜視図。 カウルルーバーに組付けられた状態の遮熱板を表した平断面図。 カウルルーバーに組付けられた状態の遮熱板を表した縦断面図。 遮熱板を表した分解斜視図。 遮熱板を車種毎に対応させる手段を表した説明図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1〜図4に示されているカウルルーバー14は、樹脂材による一体成形品であって、自動車のフロントガラス下部とエンジンルーム(いずれも図示省略)との境において、車体側およびフロントガラス下部に結合された状態で組付けられる。したがって、カウルルーバー14の全体形状は、所定の幅を有し、かつ、フロントガラス下部の形状に倣って車幅方向へ延びている。
カウルルーバー14には、格子状に並んだ多数の通気孔16が開けられている(図2)。また、カウルルーバー14は、その幅方向においてエンジンフード10から露出したフロントガラス側の領域と、エンジンフード10の内側に位置するエンジンルーム側の領域とに分かれている(図1)。このエンジンルーム側に位置する領域の端部には、シールを兼ねたクッション18がカウルルーバー14の長手方向(車幅方向)に沿って設けられている。このクッション18は、エンジンルームの熱が正面方向から流れてくるのを遮断し、かつエンジンで発せられる音を遮断する機能と、エンジンルーム内に対する止水機能とを果たす。
エンジンフード10の両サイドにおいて、該エンジンフード10のインナーパネル12とカウルルーバー14との間には遮熱板20が配置されている。この遮熱板20は、エンジンルーム内の熱が通気ダクト(図示省略)を通って車室内に入り込むのを阻止する機能を果たす。
遮熱板20は、カウルルーバー14に結合されるベース部材22、このベース部材22とエンジンフード10のインナーパネル12との間の気密を保つシール部材24、およびカウルルーバー14とベース部材22との間での振動を遮断する不織布等の防振部材26によって構成されている(図1、図2および図4)。ベース部材22はポリプロピレン(PP)などの硬質の樹脂材で成形され、シール部材24はエラストマー(TPE)などの柔軟に弾性変形する樹脂材で成形される。
ベース部材22の輪郭は、エンジンフード10のインナーパネル12の表面形状およびエンジンフード10の内側に位置するカウルルーバー14の表面形状に対応した形状になっている。ベース部材22の片側面には、そこから一体に側方へ延びるアーム部22aが設けられ、このアーム部22aの先端にはクリップ部22bが設けられている(図3〜図5)。このクリップ部22bを、図4で示すようにカウルルーバー14に開けられている取付け孔15に差し込んで結合することにより、ベース部材22(遮熱板20)がカウルルーバー14に結合される。
ベース部材22は、その前後の両側面から突出した複数個(4個)の当てリブ22cを備えている。これらの当てリブ22cは、ベース部材22をカウルルーバー14に結合するに際し、カウルルーバー14に設けられている各係合片17の間に位置してベース部材22を位置決めする(図3)。
また、ベース部材22には、その一側面において前後方向へ連続して設けられた補強リブ22eと、両側面にわたって貫通した貫通孔22dとが設けられている(図5)。これらの役割については、後で説明する。
シール部材24は、ベース部材22におけるエンジンフード10のインナーパネル12と対向する側の縁に沿って設けられている。このシール部材24は、インナーパネル12に接触するシール面24aを有し、実質的には該シール面24aの形状がインナーパネル12の表面形状に対応している。また、シール部材24の両側には、その気密性ならびに補強性を高めるためのフランジ部24bが設けられている。
なお、周知のように遮熱板20を構成するベース部材22およびシール部材24の形状は、車種によって多岐にわたっており、図1〜図5ではその中の一例が示されている。
つぎに、遮熱板20の製造について説明すると、まずベース部材22をPPなどの樹脂材によって成形する。その後、このベース部材22に対してシール部材24をTPEなどによって直接成形し、ベース部材22とシール部材24とを一体化させる。なお、シール部材24の成形と同時あるいは併行して、ベース部材22の下側縁に防振部材26を成形し、この防振部材26をベース部材22と一体化させる。
このように、ベース部材22に対してシール部材24および防振部材26を直接成形することにより、従来のように多工程を要するものと異なり、遮熱板20の製造工程が簡素化され、作業性の向上ならびに省人化が可能となる。
また、シール部材24の成形時にあっては、ベース部材22の貫通孔22dにTPEなどが入り込み、このベース部材22の両側に成形される部分のシール部材24が貫通孔22dを通じて結合される。これにより、ベース部材22とシール部材24との一体化が強化されることになる。さらに、ベース部材22に補強リブ22eを設けたことにより、シール部材24の直接成形時における熱影響でベース部材22に変形が生じるのを防止することができる。
既に述べたように遮熱板20の形状や構造は車種によって多岐にわたっており、それは車種毎にエンジンフード10のインナーパネル12あるいはカウルルーバー14の表面形状が異なるためである。
そこで、例えば図4の(A)(B)で示す二車種の遮熱板20において、それぞれのベース部材22は所定の形状で共通化し、シール部材24を個々のインナーパネル12およびカウルルーバー14の表面形状に合わせる。すなわち、成形金型等の設備費が高価とされているベース部材22を共通化することにより、遮熱板20の製造コストを削減することができる。
10 エンジンフード
14 カウルルーバー
20 遮熱板
22 ベース部材
24 シール部材

Claims (2)

  1. 自動車におけるエンジンフードの内側とカウルルーバーとの間に配置され、エンジンルームからの熱が車室内に入り込むのを阻止するためのカウルルーバー用遮熱板であって、
    カウルルーバーに結合されるベース部材に対し、このベース部材とエンジンフードとの間の気密を保つシール部材が直接成形によって互いに一体化されているカウルルーバー用遮熱板。
  2. 請求項1に記載されたカウルルーバー用遮熱板であって、
    車種によって形状が異なるカウルルーバーおよびエンジンフードに対し、ベース部材が所定の形状で共通化され、シール部材が車種毎のカウルルーバーおよびエンジンフードの形状に合わせて成形されているカウルルーバー用遮熱板。
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