JP2012059919A - 冷却システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電算機ラックRごとに排気ダクトD1、連通ダクトD2、冷却パネルPおよび循環手段Fが設けられているので、小型の冷却パネルPや送風ファンF1であっても冷却効率を向上させることができ、大型の空気調和装置や二重床などが不要にできることから、電算機室の構築や冷却システム設置に要するイニシャルコストを低減させることができる。さらに、電算機ラックRの近傍に冷却パネルPおよび循環手段Fを設けたことで、これらの動力を小さくしてランニングコストを低減させることができるとともに、電算機ラックRごとの偏熱を防止して冷却効率を向上させ、冷却システムの省エネルギー化を図ることができる。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載の空調システムでは、電算機室の外に空気調和装置を設けておき、空気調和装置からの冷風を二重床と床スラブとの間に流入させるとともに、二重床から電算機室内に吹き出させることによって、機器に冷風を送り込むような方式が採用されている。機器を搭載したラックは、例えば、その前面から冷風を給気して背面などから排気する。このように機器を冷却して排気された空気は、ラックの上方の空間や天井裏を介して空気調和装置に吸引され、再び冷却されてから二重床下を介して電算機室に循環されるようになっている。
また、電算機ラックに対して個別に設けた排気ダクトや連通ダクト内を通し、循環手段によって空気を循環させつつ冷却手段で空気を冷却することで、冷却手段や循環手段に要する動力を小さくすることができ、冷却システム設置のランニングコストを低減させることができる。
さらに、電算機ラックごとに冷却手段で空気を冷却することで、電算機室内において複数の電算機ラックが設置された場合であっても、電算機ラックごとの偏熱を防止して冷却効率を向上させることができるとともに、各電算機ラックの稼働状況に応じて冷却手段や循環手段の運転を個別制御することも可能となり、これらの運転に要する動力を節約して省エネルギー化を図ることができる。
さらに、本発明の冷却システムでは、前記冷却パネルによって前記連通ダクトの上面壁、下面壁および側面壁のうちの少なくとも1つが構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、冷却パネルによって排気ダクトや連通ダクトの壁を構成することで、各ダクト内部を通過する空気を効率よく冷却することができ、冷却効率を高めてランニングコストをさらに低減させることができる。
このような構成によれば、上方に向かって内部空間が拡大するように排気ダクトを形成することで、電算機ラックからの排気量(風速)が徐々に大きくなる排気ダクト上部における空気の滞留を防止することができ、空気の流れをスムーズにして循環効率を高めることができる。
この際、前記集熱手段は、熱伝導性を有した板材からなる集熱板であって、前記排気ダクト内部には、前記電算機ラックの側面に沿って上下かつ他方側に延びる複数の前記集熱板が設けられていることが好ましい。
さらに、前記連通ダクト内部には、前記電算機ラックの上面に沿って上下かつ一方側から他方側に延びる複数の前記集熱板が設けられていることが好ましい。
また、さらに、前記排気ダクト内部の集熱板と前記連通ダクト内部の集熱板とが連続して設けられ、これらの集熱板で仕切られた複数の空間に各々前記循環手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、排気ダクトや連通ダクトの内部に集熱手段を設けて冷却手段に接続することで、冷却効率をさらに高めることができる。さらに、熱伝導性を有した板材からなる集熱板(フィン)で集熱手段を構成し、排気ダクトや連通ダクトの内部における空気の流れに沿って集熱板を配置したり、複数の集熱板で仕切られた複数の空間に各々循環手段を設けたりすることで、空気の流れをスムーズにして循環効率を高めることもでき、冷却手段や循環手段の運転に要する動力をさらに節約することができる。
このような構成によれば、電算機ラックの一方側側面に対向して可動式の気流制限手段を設けることで、給気開口から供給される冷却された空気を電算機ラックの一方側つまり給気側の側面に無駄なく送ることができ、電算機ラック内部の電算機を効果的に冷却することができる。また、可動式の気流制限手段を容易に移動させて電算機ラックのメンテナンスや電算機の設置、交換などを実施することができる。
また、冷却パネルによって排気ダクトや連通ダクトの壁を構成することで、各ダクト内部を通過する空気を効率よく冷却することができ、冷却効率を高めてランニングコストをさらに低減させることができる。さらに、上方に向かって内部空間が拡大するように排気ダクトを形成することで、排気ダクト上部における空気の滞留を防止して循環効率を高めることができる。
また、集熱板(フィン)等からなる集熱手段を冷却手段に接続することで、冷却効率をさらに高めることができるとともに、循環する空気の流れに沿って集熱板を配置したり、集熱板で仕切った空間の各々に循環手段を設けたりすることで、循環効率を高めることができ、冷却手段や循環手段の運転効率を高めることができる。さらに、気流制限手段によって電算機ラックの給気側に冷気を無駄なく送って効果的に冷却することができるとともに、気流制限手段を可動式とすることで、これを移動させて電算機ラックのメンテナンスを容易に実施することができる。
図1〜図4において、本実施形態の冷却システムは、電算機室などに複数列で並設される電算機ラックRの各々に設けられ、電算機ラックRに収容されるサーバ装置などのコンピュータ機器(電算機)を冷却するために利用される。電算機ラックRは、電算機室の床スラブS上に設置され、一方側側面であるラック前面R1と、他方側側面であるラック背面R2とを有するとともに、これらの側面の幅寸法(図3の左右方向寸法)が略600mm程度の箱状に形成されている。この電算機ラックRの内部には、通気ファンが設けられ、ラック前面R1に設けられた吸気口から取り込んだ空気を、ラック背面R2に設けられた排気口から排気することで、電算機ラックR内部のコンピュータ機器を空冷によって冷却するようになっている。すなわち、電算機ラックRのラック前面R1側の空間は、冷却用の空気を電算機ラックRに給気する給気空間S1とされている。
また、給気空間S1に供給した冷却空気の気流をカーテンCによって制限することで、電算機ラックRの内部に冷却空気を無駄なく送って効果的に冷却することができるとともに、このカーテンCを移動させたり変形させることでラック前面R1側から電算機ラックRのメンテナンスを容易に実施することができる。さらに、冷却空気が供給される給気空間S1の側から電算機ラックRをメンテナンスできるので、メンテナンス作業を快適に実施することができる。
例えば、前記実施形態では、1台の電算機ラックRごとに排気ダクトD1および連通ダクトD2が設けられていたが、複数台の電算機ラックRを組み合わせた組ごとに排気ダクトD1および連通ダクトD2を設けてもよい。
また、前記実施形態では、冷却手段を冷却パネルPで構成し、この冷却パネルPで排気ダクトD1や連通ダクトD2の壁(前面壁12、上面壁22)を構成するものとしたが、冷却手段は前記実施形態に限らず、排気ダクトD1や連通ダクトD2の壁とは別体で構成されたものでもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 電算機ラックに収容された電算機を冷却するための冷却システムであって、
前記電算機ラックの一方側に位置して当該電算機ラックに給気する給気空間と、
前記電算機ラックの他方側にて当該電算機ラックの側面を覆って設けられるとともに当該電算機ラックからの排気を回収する排気ダクトと、
前記排気ダクトに連通されるとともに前記電算機ラックの上方を通って前記一方側に延びる連通ダクトと、
前記連通ダクトの前記一方側端部に形成されて前記給気空間に開口する給気開口と、
前記排気ダクト内部および前記連通ダクト内部の少なくとも一方に設けられて前記電算機ラックから排気された空気を前記給気空間に循環させる循環手段と、
前記排気ダクトおよび前記連通ダクトの少なくとも一方に設けられて前記循環する空気を冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする冷却システム。 - 請求項1に記載の冷却システムにおいて、
前記冷却手段は、熱電素子を有するかまたは冷媒を循環させるコイルを有するとともに、パネル状に形成された冷却パネルで構成され、この冷却パネルによって前記排気ダクトの前面壁および側面壁の少なくとも一方が構成されていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項2に記載の冷却システムにおいて、
前記冷却パネルによって前記連通ダクトの上面壁、下面壁および側面壁のうちの少なくとも1つが構成されていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記排気ダクトは、下方から上方に向かうにしたがって前記電算機ラックの他方側側面からの距離が大きくなる内部空間を有して形成されていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記排気ダクト内部および前記連通ダクト内部のうち、少なくとも排気ダクト内部には、前記冷却手段に接続された集熱手段が設けられていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項5に記載の冷却システムにおいて、
前記集熱手段は、熱伝導性を有した板材からなる集熱板であって、
前記排気ダクト内部には、前記電算機ラックの側面に沿って上下かつ他方側に延びる複数の前記集熱板が設けられていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項6に記載の冷却システムにおいて、
前記連通ダクト内部には、前記電算機ラックの上面に沿って上下かつ一方側から他方側に延びる複数の前記集熱板が設けられていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項7に記載の冷却システムにおいて、
前記排気ダクト内部の集熱板と前記連通ダクト内部の集熱板とが連続して設けられ、これらの集熱板で仕切られた複数の空間に各々前記循環手段が設けられていることを特徴とする冷却システム。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の冷却システムにおいて、
前記給気開口は、前記電算機ラックの一方側側面に沿った下方に向かって開口して形成され、この給気開口に隣接するとともに前記電算機ラックの一方側側面の対向した位置には、当該給気開口から供給される空気の気流を制限する可動式の気流制限手段が設けられていることを特徴とする冷却システム。
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