JP2012059528A - リチウムイオン電池用正極材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】タップ密度が改善され、体積当りの容量密度が大幅に向上してなるリチウムイオン電池用正極材料を提供する。
【解決手段】Li[Li1/3 2/3]OとLiMとの固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなる固溶体正極材料により達成できる。ここで、上記式中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が4価であり、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。
【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いたリチウムイオン電池に関する。本発明のリチウムイオン電池用正極材料及びこれを用いたリチウムイオン電池は、例えば、電気自動車、燃料電池車及びハイブリッド電気自動車等の車両のモータ等の駆動用電源として用いられる。
近年、地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。また、地下エネルギー資源(原油等)に乏しい我が国では、原油等の海外依存度が非常に高く、国際的なエネルギー資源の需要増加に伴う獲得競争等による価格高騰の影響を受けやいため、石油に代わるエネルギーの開発が望まれている。こうした環境・エネルギー問題の解決へ向けて、自動車業界では、種々の電気自動車の普及が期待されている。即ち、電気自動車やハイブリッド電気自動車の導入による二酸化炭素排出量の低減及びガソリンに代わるエネルギー利用に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用電池としては、比較的高い理論エネルギーを有するリチウムイオン電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
こうしたリチウムイオン電池を搭載した電気自動車が広く普及するためには、リチウムイオン電池を高性能にして、より安くする必要がある。また、電気自動車については、一充電あたりの走行距離をガソリンエンジン車の一給油あたりの走行距離に近づける必要があり、より高エネルギー密度の電池が望まれている。電池を高エネルギー密度にするためには、正極と負極の単位質量当たりに蓄えられる電気容量を大きくする必要がある。
この要請に応えられる可能性のある正極材料として、いわゆる固溶体系正極が検討されている。なかでも、電気化学的に不活性の層状のLiMnO(Li[Li1/3Mn2/3]O)と、電気化学的に活性な層状のLiMO(ここでMは、Co、Ni、Mn、Feなどの遷移金属)との固溶体は200mAh/gを超える大きな電気容量を示しうる高容量正極材料の候補として期待されている。例えば、下記特許文献1には、xLi[Mn1/2Ni1/2]O・yLiCoO・zLi[Li1/3Mn2/3]O(式中、x+y+z=1、0<x<1、0≦y<0.5、0<z<1)で表される擬三元系固溶体が開示されている。
特開2007−287445号公報
しかしながら、特許文献1などのLi[Li1/3Mn2/3]OとLiMOとの固溶体正極材料は、重量あたりの容量密度が高く且つ高耐久性能を有するが、充填密度(タップ密度)が低いため体積当りの容量密度が低いという問題があった。
そこで本発明は、タップ密度が改善され、体積当りの容量密度が向上してなるリチウムイオン電池用正極材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行なった。その結果、メディアン径の異なる複数の固溶体を混合することにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなる固溶体正極材料である。ここで、上記式(a)中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が4価であり、式(b)中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。
本発明によれば、重量あたりの容量密度が高く且つ高耐久性能を有するという固溶体正極材料の特性を損なうことなく、充填密度(タップ密度)が向上することにより体積当りの容量密度を向上することができる。
本発明の代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)の非双極型リチウムイオン二次電池の基本構成を示す概略図である。 Li[Li1/3 2/3]O(a)とLiM(b)との結晶構造の関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態である積層型電池の外観を模式的に表した斜視図である。 メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせることにより、充填密度が向上するイメージ図である。 メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比xと充填密度(タップ密度)の関係を表す図面である。 本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体A、B(共に組成が0.6Li[Li1/3Mn2/3]O・0.4Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)Oで共通で、メディアン径の異なる組み合わせ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、重量当りの容量密度の関係(実測値)を示す図面である。 本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体A、B(共に組成が0.6Li[Li1/3Mn2/3]O・0.4Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)Oで共通で、メディアン径の異なる組み合わせ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、電極密度の関係(実測値)を示す図面である。 本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体AとBのうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を示す図面である。詳しくは、第1に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.6で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を▲印で示すものである。第2に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.5で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を■印で示すものである。第3に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.7で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を●印で示すものである。 実施例、比較例で使用した固溶体A、Bの固溶体正極材料の組成を決定するために用いた3組成図である。図中の丸印は、実施例、比較例で使用した固溶体A、Bの固溶体正極材料の組成を示したものである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の代表的な一実施形態は、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなる固溶体正極材料である。ここで、上記式(a)中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が4価であり、式(b)中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。
本実施形態では、上記式(a)と式(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなることを特徴とする。上記式(a)と式(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料は、高容量材料として期待されるが、充填密度(タップ密度)が低く、体積あたりの容量密度が低いという問題があった。これに対し、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせることによって、タップ密度が改善し、体積当りの容量密度が大幅に向上したものである。その結果、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。これは、例えば、メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせる場合、図4に示すように、メディアン径の大きい固溶体A粒子の間隙にメディアン径の小さい固溶体B粒子が入り込む形をとることによって充填密度を向上させたものと考えている。なお、メディアン径の異なる3種以上の固溶体を組み合わせる場合でも、2種の場合と同様の作用効果を奏するほか、計算上、2種の場合に比べ、数%タップ密度が向上させることができる。ここで、図4は、メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせることにより、充填密度が向上するイメージ図である。このように固溶体特有の問題を上記の方法によって解決できた点が、本発明の大きな特徴である。以下、本発明の構成要件につき、詳しく説明する。
(1)メディアン径比xについて
本実施形態の固溶体正極材料において、メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比x(=固溶体Bのメディアン径/固溶体Aのメディアン径)が、0<x≦0.44の範囲であるのが好ましい。より好ましくは0.30≦x≦0.44である。これはメディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bの各粒子が分布を持たない場合において、計算上、この範囲でタップ密度が向上するためである(図4、5参照)。このようにタップ密度が向上することにより、リチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。
ここで、図5は、メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比xと、充填密度(タップ密度)との関係を表す図面である。詳しくは、図4に示すようにメディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bの各粒子が分布を持たない場合につき、計算したものである。この際、図4に示すようにメディアン径の大きい固溶体A粒子の間隙にメディアン径の小さい固溶体B粒子が入り込む形をとることによって充填密度を向上させたものと考えて、メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比xと、充填密度との関係を算出した結果が図5に示すグラフである。図5より、メディアン径比xが上記範囲であれば、充填密度(タップ密度)が向上することが計算上確認できる。但し、メディアン径比xが上記範囲を外れても、本発明の作用効果を有効に発現し得るものであれば、本発明の技術的範囲に含まれるものである。特に、上記範囲は、上記した計算モデルによって算出された結果に基づくものであり、実際には上記範囲を外れる場合であっても、本発明の作用効果を有効に発現し得ることは十分にあり得るためである。
なお、本明細書中において、「粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用いて観察される観察面の活物質(固溶体Aと固溶体B粒子)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。固溶体Aと固溶体Bの各粒子の「メディアン径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の中央値として算出される値を採用するものとする。他の構成成分の粒子径やメディアン径も同様に定義することができる。この他にも、固溶体Aと固溶体Bの各メディアン径は、レーザ回折式粒度分布測定(レーザ回折散乱法)により測定された値を採用してもよい。
(2)固溶体Aと固溶体Bの割合について
本実施形態の固溶体正極材料において、メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bの割合(質量比)は、0/100<B/A<100/0であればよく、好ましくは10/90≦B/A≦90/10、より好ましくは10/90≦B/A≦80/20、さらに好ましくは20/80≦B/A≦80/20、特に好ましくは25/75≦B/A≦75/25である。即ち、固溶体Aと固溶体Bの合計量に対するメディアン径の大きい固溶体Aの割合(wt%)が、0wt%超〜100wt%未満、好ましくは10〜90wt%、より好ましくは20〜90wt%、さらに好ましくは20〜80wt%、特に好ましくは25〜75wt%である(図8参照)。また固溶体Aと固溶体Bの合計量に対するメディアン径の小さい固溶体Bの割合(wt%)が、0wt%超〜100wt%未満、好ましくは10〜90wt%、より好ましくは10〜80wt%、さらに好ましくは20〜80wt%、特に好ましくは25〜75wt%である(図8参照)。これは、各固溶体のみの状態を含まない混合状態の範囲全てにおいて、耐久性を向上した上で体積当りの容量密度が改善されているためである(図8参照のこと)。このように固溶体Aと固溶体Bを上記割合で用いることにより、耐久性を向上した上で体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。
メディアン径の異なる固溶体Aと固溶体B(特に固溶体Aと固溶体Bが同じ組成の場合)の判別方法としては、X線回折(XRD)測定、粒度測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定及びエネルギー分散X線分光法(EDX)測定により判別できる。これはメディアン径の異なる3種以上の固溶体(A、B、C、・・)の場合においても同様にして判別することができる。
また、メディアン径の異なる固溶体Aと固溶体Bは、固溶体Aと固溶体Bが同じ組成の場合には同じ性能(特に優れた性能)を顕著に発現させることができる利点がある。一方、固溶体Aと固溶体Bが異なる組成の場合には、互いに悪いところを補える(相互補完作用を有効に発現できる)利点がある。これはメディアン径の異なる3種以上の固溶体(固溶体A、B、C、・・)の場合においても同様のことが言える。
(3)固溶体Aと固溶体Bのメディアン径d1、d2について
本実施形態の固溶体正極材料において、メディアン径の大きい固溶体Aのメディアン径d1は、100nm≦d1≦30μm、好ましくは1μm≦d1≦30μm、より好ましくは、5μm≦d1≦10μmであるのが望ましい。メディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径d2は、50nm≦d2≦12μm、好ましくは500nm≦d2≦12μm、より好ましくは2μm≦d2≦4μmであるのが望ましい。これは、固溶体A、Bのメディアン径d1、d2のそれぞれの範囲の最大値は、経験的に電気化学的な特性を示すための有効メディアン径であり、最小値は経験的に合成可能な最小メディアン径であるためである。また、電極の作りやすさの観点からも、メディアン径の大きい固溶体Aのメディアン径d1は上記範囲が望ましい。またメディアン径比xの好適な0<x≦0.44の範囲へのコントロールのしやすさの観点からも、メディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径d2は上記範囲が望ましい。これらのことから、固溶体A、Bのメディアン径d1、d2がそれぞれ上記範囲内であれば、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。但し、固溶体Aと固溶体B粒子のメディアン径d1、d2が上記範囲を外れても、本発明の作用効果を有効に発現し得るものであれば、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
(4)固溶体正極材料について
本実施形態の固溶体正極材料としては、下記一般式(1):
で表されるLi[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料であるのが望ましい。ここで、上記式中、aは0.4≦a≦0.9であり、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が4価であり、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。上記一般式(1)で表される固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせることで、タップ密度が改善し、体積当りの容量密度が大幅に向上することができるものである。その結果、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。
(4−1)上記式中のaについて
本実施形態の固溶体正極材料は、上記式中のaが、0.4≦a≦0.9であり、好ましくは0.5≦a≦0.8であり、より好ましくは0.55≦a≦0.8、さらに好ましくは0.6≦a≦0.75の範囲である。aの値が0.4以上であれば、結晶内でのLi[Li1/3 2/3]O=Liの成分の比率が大きくなり、大きな容量を発現でき、実質的に固溶体を単独で使用した従来の固溶体正極材料を超える性能(特に大きな容量)を有効に発揮することができる。また、aの値が0.9以下であれば、電気化学活性であり、十分な反応性が得られ、大きな容量が得られためである。その結果、上記式中のaが上記範囲、特に好適な範囲であれば、体積当りの容量密度を大幅に改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。
なお、本実施形態の固溶体正極材料の充放電反応メカニズムがまだ解明されているとはいえないので、リチウム量をどこまで使用できるかはまだ確実にはわからない。しかしながら、結晶内でLi[Li1/3 2/3]O=Li(a)成分が多いと大きな容量を期待できる理由は、もし結晶内のLi層のリチウムがすべて可逆容量に寄与できるとすると344mAh/gの容量となる。さらに組成式内のLiがすべて可逆容量に寄与できるとすると459mAh/gという大きな値になるからである。これに比べてLiM(b)では、理論容量でも275mAh/g程度である。
(4−2)上記式中のMについて
上記式中のMの金属元素種としては、平均価数が4価である1種以上の金属元素が好ましく、より好ましくはLi、Ni、Co、Al、Mn、Fe及びTiよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の金属元素からなり、且つ平均価数が4価であるものである。これはMとして平均価数が4価となるように上記金属元素の1種以上が固溶体正極材料中に含まれていることで、固溶体正極材料において高容量・高耐久性を有するためである。その結果、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。Mの金属元素種として特に好ましくは、上記した性能に優れることから、Mn、Tiからなり、且つ平均価数が4価であるものが望ましい。なお、1つの金属元素単独(例えば、Li等)では4価にならないものは、他の金属元素と併用して使用すればよい。
(4−3)上記式中のMについて
上記式中のMの金属元素種としては、平均価数が3価である1種以上の金属元素が好ましく、より好ましくはLi、Ni、Co、Al、Mn、Fe及びTiよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の金属元素からなり、且つ平均価数が3価であるものである。これは、Mとして平均価数が3価となるように上記金属元素の1種以上が固溶体正極材料中に含まれていることで、固溶体正極材料において高性能を示すためである。その結果、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができる。Mの金属元素種として特に好ましくは、上記した性能に優れることから、Ni、Co、Al、Mnからなり、且つ平均価数が3価であるものが望ましい。なお、1つの金属元素単独(例えば、Li等)では3価にならないものは、他の金属元素と併用して使用すればよい。
即ち、上記M、Mの「平均価数」とは、M、Mを構成する金属元素の平均の価数を示し、構成金属のモル量と原子価とから算出される。例えば、Mが、モル基準で50%のNi(II)と50%のMn(IV)から構成される場合には、Mの平均価数は、(0.5)・(+2)+(0.5)・(+4)=+3となり、平均価数3となる。
なお、Li[Li1/3 2/3]OはLiとも表記できる。そのため、本明細書では、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を、Li−LiM系固溶体と称することもある。この場合、好適な態様である一般式(1):aLi[Li1/3 2/3]O・(1−a)LiMで表されるLi[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体も、Li−LiM系固溶体に含まれる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態のみには制限されない。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
まず、本実施形態の固溶体正極材料を使用したリチウム電池の基本的な構成を、図面を用いて説明する。
[電池の全体構造]
本発明において、リチウムイオン電池は、本実施形態のリチウムイオン電池用の固溶体正極材料を用いてなるものであればよく、他の構成要件に関しては特に制限されない。本実施形態の固溶体正極材料を用いてなることによって、タップ密度が改善し、体積当りの容量密度が大幅に向上するため、体積当りの容量密度を改善してなるリチウムイオン電池用正極およびチウムイオン電池を提供することができるものである。
例えば、リチウムイオン電池の使用形態としては、リチウムイオン一次電池およびリチウムイオン二次電池のいずれに用いてもよい。好ましくは高サイクル耐久性にも優れることから、リチウムイオン二次電池として車両の駆動電源用等や携帯電話などの携帯機器向け等に利用するのが望ましい。
また、上記リチウムイオン電池を形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
また、リチウムイオン電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、非双極型(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。ここで、非双極型電池では、バインダなどを用いて正極活物質または負極活物質等を正極用集電体または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極(正極または負極)を構成する。双極型の電池の場合には、集電体の一方の面に正極活物質等を塗布して正極活物質層を、反対側の面に負極活物質等を塗布して負極活物質層を積層して双極型電極を構成する。
以下の説明では、代表的な実施形態として、リチウムイオン電池用正極材料を用いてなる非双極型(内部並列接続タイプ)リチウムイオン二次電池である場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
図1は、本発明の一実施形態である、扁平型(積層型)の非双極型リチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の基本構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の積層型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、負極集電体11の両面に負極活物質層13が配置された負極と、電解質層17と、正極集電体12の両面に正極活物質層15が配置された正極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの負極活物質層13とこれに隣接する正極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する負極、電解質層および正極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、本実施形態の積層型電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層負極集電体には、いずれも片面のみに負極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層正極集電体が位置するようにし、該最外層正極集電体の片面または両面に正極活物質層が配置されているようにしてもよい。
負極集電体11および正極集電体12は、各電極(負極および正極)と導通される負極集電板25および正極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。負極集電板25および正極集電板27はそれぞれ、必要に応じて負極リードおよび正極リード(図示せず)を介して、各電極の負極集電体11および正極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
以下、本実施形態の電池を構成する部材について、詳細に説明する。
(リチウムイオン電池用の固溶体正極材料)
本実施形態では、正極活物質層の主要な活物質が、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料において、メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなる固溶体正極材料であることを特徴とする。
本実施形態において、好ましくは上記一般式(1)で表される、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体は、例えば、複合炭酸塩法を用いて作製した場合、少なくとも初期状態での空間群がR3Mに帰属できる。さらに活物質の電子線回折あるいはX線回折から2θで20−23°に超格子構造を示す回折線が現れることが確認できる。
図2は、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体の結晶構造の関係を示す模式図である。図2(a)および図2(b)のそれぞれについて、右側の図は左側の構造を矢印の方向から見た原子の配置およびこれに隣接する格子の原子の配置を記載した図である。図2(a)に示すように、Li[Li1/3 2/3]O(a)の結晶構造は、Mおよびリチウム(Li)からなる金属層を含む。金属層においては、リチウム(Li)がa軸方向およびb軸方向に3つおきに規則配列して二次元平面を形成している(下式参照)。
この金属層中に規則配列したリチウム(Li)は、[Li1/3 2/3]OのLi1/3に起因するものである。かようなリチウムの周期配列構造は、電子線回折データから確認することができる。
一方、LiM(b)の結晶構造においては、金属層内のリチウムの3倍周期の配列は生じない。
次に、固溶体正極材料として用いる、Li[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体の作製方法としては、特に制限されず、従来公知の作製方法を適宜利用して行うことができる。例えば、後述する実施例に示すように、炭酸塩法、固相法(固相反応法)などを用いて以下のように行うことができる。但し、以下に説明する作製方法に何ら制限されるものではない。例えば、メディアン径の大きい固溶体Aの作製方法として好ましくは、固相法(固相反応法)、共沈法などが利用できる。一方、メディアン径の小さい固溶体Bの作製方法として好ましくは、炭酸塩法、有機酸塩法、PVA(ポリビニルアルコール)法などの溶液法が利用できる。但し、メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bとで、その作製方法を変えずに同じ作製方法で、メディアン径の異なる2種の固溶体を作製することもできる。また、メディアン径の異なる3種以上の固溶体を用いる場合にも、上記した作製方法を適当に組み合わせて行うことができる。
(1)メディアン径の大きい固溶体Aの作製方法;固相法(固相反応法)
出発物質には、炭酸リチウム(LiCO)およびMまたはMの金属元素種(Li、Ni、Co、Al、Mn、Fe、Tiなど)の酸化物を使用し(例えば、LiCO、NiO、Co、MnOを使用し)、所定の比になるよう秤量する。秤量した出発物質を乳鉢などの混合装置を用いて混合する。混合は、20分〜1時間程度行えばよいが、かかる範囲に制限されるものではない。ここで、M、Mの酸化物としては、LiO、NiO、Ni、CoO、Co、Co、MnO、MnO、Al、FeO、Fe、Fe、TiO等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。得られた混合物を焼成する事で、好ましくは上記式(1)で表される、上記式(a)、式(b)からなるメディアン径の大きい固溶体A(固溶体正極材料)を作製することができる。焼成条件としては、700〜1000℃の範囲で(例えば、800℃、850℃、900℃と順次温度を上げて)、3〜20時間程度(例えば、800℃、850℃、900℃の焼成温度ごとに4時間ずつ、合計12時間)焼成すればよい。但し、かかる範囲(焼成条件)に制限されるものではない。
(2)メディアン径の小さい固溶体Bの作製方法;炭酸塩法(複合炭酸塩法)
出発物質として上記式(a)、式(b)中のLi、MまたはMの金属元素種(Li、Ni、Co、Al、Mn、Fe、Tiなど)の各硫酸(金属)塩、硝酸(金属)塩、酢酸(金属)塩などを使用し、所定の量を秤量し、これらの混合溶液を調製する。Li、M、Mの各硫酸(金属)塩、酢酸(金属)塩、硝酸(金属)塩としては、例えば、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、硫酸鉄、硫酸チタン、硫酸アルミニウム、硫酸リチウム、酢酸リチウム、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸マンガン、酢酸チタン、酢酸ジルコニウム、硝酸アルミニウム、硝酸ガリウム、硝酸インジウム、ボロンニトラート(boron nitrate)などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
次に、この混合溶液にアンモニア水をpH7になるまで滴下して、さらにNaCO溶液を滴下して、MまたはMの複合炭酸塩を沈殿させる(NaCO溶液を滴下している間、アンモニア水でpH7を保持する)。例えば、MまたはMとしてNi、Co、Mnを用いる場合には、Ni−Co−Mnの複合炭酸塩が沈殿される。その後、吸引ろ過し、水洗して、乾燥し、仮焼成する。乾燥条件としては、大気下で、100〜150℃で2〜10時間程度(例えば120℃にて5時間)乾燥すればよいが、かかる範囲に制限されるものではない。仮焼成条件としては、大気下で、360〜600℃で3〜10時間(例えば、500℃にて5時間)仮焼成すればよいが、かかる範囲に制限されるものではない。次に、仮焼成したものに、任意で小過剰のLiOH・HOを加えて、例えば、自動乳鉢などの混合装置を用いて混合する。小過剰のLiOH・HOは化学量論量が1.2であるのに対し、1.2超〜1.4程度の範囲で小過剰となるようにすればよいが、かかる範囲に制限されるものではない。混合は、20分〜1時間程度(例えば、30分間)行えばよいが、かかる範囲に制限されるものではない。このあと本焼成する事で、好ましくは上記式(1)で表される、上記式(a)、式(b)からなるメディアン径の小さい固溶体B(固溶体正極材料)を作製することができる。好ましくは本焼成してから、液体窒素を用いて急速冷却する。本焼成後、液体窒素等を用いて急冷(クエンチ)するのが、反応性及びサイクル安定性のために好ましいためである。本焼成としては、700〜1000℃(例えば、800ないし900℃)の焼成温度にて3〜20時間程度(例えば、12時間)、大気下で本焼成すればよいが、かかる範囲に制限されるものではない。
なお、上記したメディアン径の異なる複数の固溶体(固溶体A、Bなど)の同定は、電子線回折、X線回折(XRD)、誘導結合プラズマ(ICP)元素分析を用いて分析することができる。
上記リチウムイオン電池用の固溶体正極材料は、酸化処理が施されているのが望ましい。酸化処理の方法としては、特に制限されるものではない。
例えば、
(1)所定の電位範囲での充電あるいは、充放電、詳しくは固溶体正極結晶構造の大幅な変化を最初から引き起こすことのない低い電位領域での充電あるいは充放電;
(2)充電に対応する酸化剤(例えば、臭素、塩素などのハロゲン)での酸化;
(3)レドックスメディエーターを用いての酸化;などの酸化処理を挙げることができる。
ここで、上記(1)の酸化処理方法としては、特に制限されるものではないが、電池を構成した状態、または電極または電極相当の構成にて、所定の最高電位を超えないようにして、充電あるいは充放電をすること(=電位を規制した充放電前処理)が有効である。これにより、高容量で、なおかつサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極材料、ひいては該正極材料を用いた高エネルギー密度の電池を製造できるためである。
電位を規制した充放電前処理法として、リチウム金属対極に対する所定の電位範囲の最高の電位(リチウム金属またはリチウム金属に換算した充放電の上限電位)が、3.9V以上4.6V未満となる条件下で充放電を1〜30サイクル行うことが望ましい。より好ましくは4.4V以上4.6V未満となる条件下で充放電を1〜30サイクル行うことが望ましい。上記範囲内で充放電による酸化処理を行うことにより、高容量でサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極、ひいては高エネルギー密度の電池を製造できる。特に、上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)後に高容量とすべく、最高の電位を4.8V程度として充電あるいは充放電を行う場合に、特に顕著なサイクル耐久性等の効果を有効に発現することができる。さらに、この場合には初期の所定上限電位にて充放電のあと、上限電位を徐々に(段階的に)上げていくことが耐久性向上の点で好ましい。なお、上記リチウム金属またはリチウム金属に換算した電位は、リチウムイオンが1モル溶解した電解液中でリチウム金属が示す電位を基準とした電位に相当する。
また、リチウム金属対極に対する上記所定の電位範囲の充放電を1〜30サイクル行ったあとさらに、充放電の所定の電位範囲の最高の電位を段階的に上げていくのが望ましい。特に、4.7V、4.8Vvs.Liという高電位の容量分まで使用(高容量使用)する場合において、酸化処理での充放電電位の最高電位を段階的に上げていくことで、短時間の酸化処理(上記充放電前処理)でも電極の耐久性を改善することができる。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の各段階の充放電に必要なサイクル回数は特に制限されないが、1〜10回の範囲が効果的である。また、充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の酸化処理工程における総充放電サイクル回数(各段階の充放電に必要なサイクル回数を足し合わせた回数)は特に制限されないが、4回〜20回の範囲が効果的である。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の各段階の電位の上げ幅(上げ代)は特に制限されないが、0.05V〜0.1Vが効果的である。
充放電の所定の電位範囲の最高電位(上限電位)を段階的に上げていく際の最終的な最高電位(終止最高電位)は、4.6V〜4.9Vとするのが効果的である。ただし、上記範囲に制限されるものではなく、上記効果を奏することができるものであれば、より高い終止最高電位まで酸化処理(電位を規制した充放電前処理)を行ってもよい。
所定の電位範囲の最低の電位は特に制限されず、リチウム金属対極に対して2V以上3.5V未満、より好ましくは2V以上3V未満である。上記範囲内で充電あるいは充放電による酸化処理(電位を規制した充放電前処理)を行うことにより、高容量でサイクル耐久性がよいリチウムイオン電池用正極、及び高エネルギー密度の電池を製造できる。なお、上記充放電の電位(V)は、単電池(単セル)当たりの電位を指すものとする。
上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)として充放電する電極(材料)の温度としては、本発明の作用効果を損なわない範囲内であれば、任意に設定することができる。経済性の観点からは、特段の加熱冷却を要しない室温下で行うのが望ましい。一方、より大きな容量を発現でき、なおかつ短時間の充放電処理によりサイクル耐久性が向上し得る点からは、室温より高い温度で行うのが望ましい。
上記酸化処理(電位を規制した充放電前処理)方法を適用する工程(時期)としては、特に制限されるものではない。例えば、かかる酸化処理は、上記したように、電池を構成した状態、または電極または電極相当の構成にて、行うことができる。すなわち、正極活物質粉体の状態での適用、電極を構成しての適用、負極とあわせて電池を組んでからの適用のいずれであってもよい。電池への適用に際しては、組み合わせる負極の電気容量の電位プロファイルを考えて、酸化処理条件(電位を規制した充放電前処理条件)を適用することによって実施できる。ここで、電池を構成した状態の場合には、個々の電極または電極相当の構成ごとに行うよりも、一度にまとめて多くの電極の酸化処理が行える点で優れている。一方、個々の電極または電極相当の構成ごとに行う場合には、電池を構成した状態よりも、酸化電位等の条件の制御が容易であるほか、個々の電極への酸化の度合いのバラツキが生じにくい点で優れている。
上記(2)の酸化処理方法で用いられる酸化剤としては、特に制限されるものではなく、例えば、臭素、塩素などのハロゲンなどを用いることができる。これらの酸化剤は単独であるいは併用で使用しても良い。酸化剤による酸化は、例えば、固溶体の正極材料が溶解しない溶媒に固溶体微粒子を分散させて、その分散溶液に酸化剤を吹き込んで溶解させて徐々に酸化させることができる。
以上が、本実施形態のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件に関する説明であり、他の構成要件に関しては特に制限されるものではない。よって、以下では、本発明のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件以外の他の構成要件に関し、上記した積層型電池10の各構成要件を中心に、以下説明する。ただし、積層型電池以外の電池、例えば双極型電池の各構成要件に関しても、同様の構成要件を適宜利用して構成することができることは言うまでもない。
[集電体]
集電体(負極集電体11、正極集電体12)としては、いずれも電池用の集電体材料として従来用いられている部材が適宜採用されうる。一例を挙げると、正極集電体および負極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼(SUS)、チタンまたは銅が挙げられる。中でも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、正極集電体としてはアルミニウムが好ましく、負極集電体としては銅が好ましい。集電体の一般的な厚さは、10〜20μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。電極集電板についても、集電体と同様の材料で形成することができる。また、集電体の形態は、箔の形態であってもよいし、メッシュ形態、エキスパンドグリッド形態など、従来公知の形態を適宜利することができる。
[活物質層]
活物質層(負極活物質層13、正極活物質層15)は活物質(負極活物質、正極活物質、参照極活物質)を含んで構成される。さらに、これらの活物質層は、必要に応じてバインダ、電気伝導性を高めるための導電助剤、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などを含む。
(a)活物質
正極活物質および負極活物質の材料(材質)としては、本発明のリチウムイオン電池の特徴的な構成要件を具備するものであればよく、特に制限されるものではなく、電池の種類に応じて適宜選択すればよい。
具体的には、正極活物質としては、本実施形態のリチウムイオン電池用の固溶体正極材料を正極の主要な活物質として用いる。正極活物質としては、上述の固溶体正極材料を単独で使用してもよいほか、さらに必要に応じて、従来公知の他の正極活物質を併用してもよい。本発明の効果を顕著に発揮するために、上述の固溶体正極材料を活物質中に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含み、特に好ましくは100質量%である。
負極活物質はリチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されず、従来公知の負極活物質をいずれも使用できる。例えば、高結晶性カーボンであるグラファイト(天然グラファイト、人造グラファイト等)、低結晶性カーボン(ソフトカーボン、ハードカーボン)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等)、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリルなどの炭素材料;Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等のリチウムと合金化する元素の単体、およびこれらの元素を含む酸化物(一酸化ケイ素(SiO)、SiO(0<x<2)、二酸化スズ(SnO)、SnO(0<x<2)、SnSiOなど)および炭化物(炭化ケイ素(SiC)など)等;リチウム金属等の金属材料;リチウム−チタン複合酸化物(チタン酸リチウム:LiTi12)等のリチウム−遷移金属複合酸化物;ならびにその他の従来公知の負極活物質が使用可能である。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。高容量電池を作製する上で特に好ましい負極材料の例としては、たとえば高結晶性で配向性が高く充放電容量が理論容量の372mAh/gに近く、初期の不可逆容量が小さい種類の黒鉛がある。
各活物質層(13、15)に含まれるそれぞれの活物質のメディアン径は特に制限されないが、高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点から、通常は0.1〜100μm程度であり、好ましくは1〜20μmである。なお、正極活物質層15の主要活物質の固溶体正極材料において、メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせてなる場合の固溶体Aのメディアン径d1及び固溶体Bのメディアン径d2については、上記した通りである。よって、ここでの説明は省略する。
各活物質層(13、15)中に含まれる成分の配合比は特に限定されず、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオン電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。なお、正極活物質層15の主要活物質の固溶体正極材料において、メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせてなる場合の固溶体Aと固溶体Bの割合については、上記した通りである。よって、ここでの説明は省略する。
また、各活物質層(13、15)の厚さ(集電体の片面に形成される活物質層の厚さ)についても特に制限はなく、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオン電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層(13、15)の厚さは、いずれも2〜100μm程度である。
(b)バインダ
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。
かようなバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリアクリロニトリル(PAN)などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、およびユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにスチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム系材料が挙げられる。
(c)導電助剤
導電助剤(導電剤とも称する)とは、導電性を向上させるために配合される導電性の添加物をいう。本実施形態で使用しうる導電助剤は特に制限されず、従来公知のものを利用することができる。例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上、電解液の保液性の向上による信頼性向上に寄与しうる。
(d)電解質
電解質としては、後述する[電解質層]の項で説明する液体電解質、ゲルポリマー電解質、および真性ポリマー電解質を特に制限なく用いることができる。液体電解質、ゲルポリマー電解質、および真性ポリマー電解質の具体的な形態については、後述する(電解質層)の項で説明するため、詳細はここでは省略する。これらの電解質は1種単独であってもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、後述する電解質層に用いた電解質と異なる電解質を用いてもよいし、同一の電解質を用いてもよい。
[電解質層]
電解質層は、非水電解質を含む層である。電解質層に含まれる非水電解質(具体的には、リチウム塩)は、充放電時に正負極間を移動するリチウムイオンのキャリアーとしての機能を有する。非水電解質としてはかような機能を発揮できるものであれば特に限定されないが、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、有機溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート類が例示される。また、リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiAsF、LiTaF、LiClO、LiCFSO等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲルポリマー電解質(ゲル電解質)と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲルポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマー(ホストポリマー)に、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる点で優れている。マトリックスポリマー(ホストポリマー)として用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、特に限定されない。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF−HFP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。ここで、上記のイオン伝導性ポリマーは、活物質層において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。電解液(リチウム塩および有機溶媒)の種類は特に制限されず、上記で例示したリチウム塩などの電解質塩およびカーボネート類などの有機溶媒が用いられうる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーにリチウム塩が溶解してなる構成を有し、有機溶媒を含まない。従って、電解質として真性ポリマー電解質を用いることで電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲルポリマー電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
これらの電解質層に含まれる非水電解質は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、電解質層が液体電解質やゲルポリマー電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いる。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
電解質層の厚さは、内部抵抗を低減させるには薄ければ薄いほどよいといえる。電解質層の厚さは、通常1〜100μm、好ましくは5〜50μm、とするのがよい。
[外装体]
リチウムイオン二次電池では、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、発電要素全体を外装体に収容するのが望ましい。外装体としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができほか、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた発電要素を覆うことができる袋状のケースを用いることができる。ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。
[電池の外観]
図3は、本発明の一実施形態である積層型電池の外観を模式的に表した斜視図である。図3に示すように、積層型電池10は、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための負極集電板25、正極集電板27が引き出されている。発電要素21は、電池10の外装体29によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素21は負極集電板25および正極集電板27を引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素21は、図1に示す積層型電池10の発電要素21に相当し、負極(負極集電体11+負極活物質層13)、電解質層17および正極(正極集電体12+正極活物質層15)で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、図1に示すような扁平な形状(積層型)のものに制限されるわけではない。例えば、巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよい。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートシートを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよく、特に制限はない。
また、図3に示す電極集電板25、27の取り出しに関しても、特に制限されず、負極集電板25と正極集電板27とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、負極集電板25と正極集電板27をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出すようにしてもよい。また、巻回型の双極型二次電池では、電極集電板に代えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
本実施形態によれば、重量あたりの容量密度が高く且つ高耐久性能を有するという固溶体系正極材料の特性を損なうことなく、充填密度(タップ密度)が向上することにより体積当りの容量密度を大幅に向上してなるリチウムイオン電池が提供されうる。本実施形態のリチウムイオン電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
本実施形態の作用効果としては、以下の通りである。
本実施形態によれば、高容量材料として期待されるが、タップ密度が低く、体積あたりの容量密度が低いというLi−LiM系固溶体の問題を解消することができる。
即ち、本実施形態によれば、重量あたりの容量密度が高く且つ高耐久性能を有するというLi−LiM系固溶体の特性を損なうことなく、タップ密度を改善し、体積当たりの容量を向上させることができる(図8参照)。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.固溶体正極材料の合成
(1)メディアン径の小さい固溶体(小粒径の固溶体ともいう)正極材料の合成
試料(メディアン径の小さい固溶体B)の合成は、複合炭酸塩法を用い以下のように行った。
出発物質として、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンを所定量秤量し、これらの混合溶液を調製した。この混合溶液にアンモニア水をpH7になるまで滴下して、さらにNaCO溶液を滴下して、Ni−Co−Mnの複合炭酸塩を沈殿させた(NaCO溶液を滴下している間、アンモニア水でpH7を保持した)。その後、吸引ろ過し、水洗して、120℃にて5時間乾燥した。この乾燥物を500℃にて5時間仮焼成した。この仮焼成物に任意で小過剰のLiOH・HOを加えて、例えば、自動乳鉢で30分間混合した。このあと以下の焼成温度で12時間本焼成してから、液体窒素を用い急速冷却した。得られた目的の試料は、XRDとIPCによる元素分析により同定した。合成した試料は空間群R3Mに帰属でき、20〜23°に超格子構造を示す回折線が現れていた。なお、上記焼成温度は800℃、900℃と順次温度を上げて焼成した。小過剰のLiOH・HOは化学量論量が1.2であるのに対し、1.2、1.25、1.3と順次添加量を増加させ、小過剰になるように調製して行った。目的の試料(メディアン径の小さい固溶体B)の組成は、図9に示す通りであり、Li〔Ni0.183Li0.200Co0.034Mn0.583〕O=0.6Li[Li1/3Mn2/3]O・0.4Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体B、または一般式(1)のa=0.6の固溶体Bという)であった。また、目的の試料(メディアン径の小さい固溶体B)のメディアン径d2は、2μmであった。
出発物質としての硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンの配合量を変えた以外は、上記固溶体Bの作製と同様にして、目的の試料(メディアン径の小さい固溶体B)の組成が、0.5Li[Li1/3Mn2/3]O・0.5Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体B、または一般式(1)のa=0.5の固溶体Bという)と、0.7Li[Li1/3Mn2/3]O・0.3Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体B、または一般式(1)のa=0.7の固溶体Bという)のものを作製した。また、目的の試料(メディアン径の小さい固溶体B)のメディアン径d2は、2μmであった。同様に、目的の試料(メディアン径の小さい固溶体B)のメディアン径d2は、2μmであった。
(2)メディアン径の大きい固溶体(大粒子の固溶体)正極材料の合成
試料(メディアン径の大きい固溶体A)の合成は、固相反応法を用いて以下のように行った。
出発物質として、LiCO、NiO、Co、MnOを使用し、所定の比になるよう秤量し、乳鉢を用いて混合した。得られた混合物を800℃、850℃、900℃と順次温度を上げて焼成し、目的の試料を得た。目的の試料(メディアン径の大きい固溶体A)の組成は、図9に示す通りであり、Li〔Ni0.183Li0.200Co0.034Mn0.583〕O=0.6Li[Li1/3Mn2/3]O・0.4Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体A、または一般式(1)のa=0.6の固溶体Aという)であった。また、目的の試料(メディアン径の大きい固溶体A)のメディアン径d1は、7.5μmであった。これにより、当該(2)で作製したメディアン径の大きい固溶体Aと上記(1)で作製したメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比x=2/7.5≒0.3であった。
出発物質として、LiCO、NiO、Co、MnOを使用し、所定の比を変えた以外は、上記と同様にして、目的の試料(メディアン径の大きい固溶体A)の組成が、0.5Li[Li1/3Mn2/3]O・0.5Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体A、または一般式(1)のa=0.5の固溶体Aという)と、0.7Li[Li1/3Mn2/3]O・0.3Li(Ni0.4575Co0.085Mn0.4575)O(=固溶体A、または一般式(1)のa=0.7の固溶体Aという)のものを作製した。また、目的の試料(メディアン径の大きい固溶体A)のメディアン径d1は、7.5μmであった。同様に、目的の試料(メディアン径の大きい固溶体A)のメディアン径d1は、7.5μmであった。よって、当該(2)で作製したメディアン径の大きい固溶体Aと上記(1)で作製したメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比x=2/7.5≒0.3であった。同様に、当該(2)で作製したメディアン径の大きい固溶体Aと上記(1)で作製したメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比x=2/7.5≒0.3であった。
2.電極と電池の作製
負極(負極活物質層+負極集電体がいわば一体構造の負極)には金属Li(正極性能を調べるため、正極の理論容量よりも負極の理論容量の方が過剰量となるように調製したもの)を用いた。導電結着材としてTAB−2(アセチレンブラック導電助剤:PTFEバインダ=1:1(質量比))を用いた。正極集電体には、φ15mmのAl箔(厚さ20μm)を用いた。電解液としては、1M LiPFのEC:DEC=1:2(体積比)(ここで、ECはエチレンカーボネート、DECはジエチルカーボネートである。)を用いた。
(1)正極の作製
正極の作製は、電極組成比が正極活物質:導電助剤:バインダ=60:20:20(質量比)とし、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)により希釈しスラリーを調整した。得られたスラリーはAl箔上に塗布し目的の電極を得た。正極活物質には、上記で合成したメディアン径の異なる固溶体Aと固溶体B(更に後述する図8の評価実験では、メディアン径の異なる固溶体Aと固溶体B及び固溶体Aと固溶体B)を表1に示す所定の比率で混合し調整を行った固溶体正極材料(実施例1〜5)及び固溶体A(更に後述する図8の評価実験では、固溶体A、A)単独、固溶体B(更に後述する図8の評価実験では、固溶体B、B)単独の正極材料(比較例1〜2)をそれぞれ用いた。単位面積あたりの正極活物質量は、いずれも10mg/1cm程度とした。また、電極(正極及び負極)はいずれもφ15mmの大きさのものを使用した。
(2)電池の作製
上記で作製した正極を120℃の乾燥機にて4時間乾燥して用い、正極と負極の間に、厚さ20μmのポリプロピレンの多孔質膜2枚を介し、正負極を対向させ、コインセルの底部の上に重ねあわせ、正負極間の絶縁性を保つためにガスケットを装着した。その後、シリンジを用いることにより電解液を注液して、スプリング及びスペーサーを積層後、コインセルの上部を重ね合わせかしめを行って電池とした。
3.リチウムイオン電池の評価
リチウムイオン電池の評価は、上記2(2)で作製したリチウムイオン電池につき、最高電圧が4.8Vとなるまで充電して、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで放電する方法で、定電流レート(1/12Cレート)にて充放電を行った。実施例及び比較例の結果を図6〜8、下記表1に示す。ここで、図6は、本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体A、Bのうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、重量当りの容量密度との関係(実測値)を示す図面である。図7は、本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体A、Bのうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、電極密度との関係(実測値)を示す図面である。図8は、本実施形態の固溶体正極材料を用いた電池において、メディアン径の異なる固溶体AとBのうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を示す図面である。詳しくは、第1に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.6で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を▲印で示すものである。第2に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.5で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を■印で示すものである。第3に、メディアン径の異なる固溶体AとB(共に組成が下記一般式(1)のa=0.7で共通し、メディアン径のみが異なる組合せ)のうち、メディアン径の大きな固溶体Aの割合と、体積当りの容量密度の関係(実測値)を●印で示すものである。
上記表1及び図8から明確にわかるように、本発明の実施例1〜5によれば、メディアン径の異なる固溶体Aと固溶体B、固溶体Aと固溶体B、固溶体Aと固溶体Bをそれぞれ混合する(組み合わせる)ことによって、体積当りの容量密度を改善させることができることが示された。
また、一般式(1)のaの値で比較した場合、aの値が0.5、0.6、0.7の順に、体積当りの容量密度の改善効果がより顕著になることが確認できた。
さらに、固溶体Aと固溶体Bの割合(B/A)で比較した場合、一般式(1)のa=0.6〜0.7の場合、比較例1〜2に対し、実施例1〜5の全てにおいて体積当りの容量密度の改善効果が見られ、特に実施例2〜4の25/75≦B/A≦75/25の範囲で特に体積当りの容量密度の改善効果がより顕著になり、40/60≦B/A≦60/40近辺で体積当りの容量密度の改善効果がピーク(最大)になることが確認できた。同様に、一般式(1)のa=0.5の場合、比較例1〜2に対し、実施例1〜4において体積当りの容量密度の改善効果が見られ、特に実施例2〜4の25/75≦B/A≦75/25の範囲で特に体積当りの容量密度の改善効果がより顕著になり、40/60≦B/A≦60/40近辺で体積当りの容量密度の改善効果がピーク(最大)になることが確認できた。
また、上記表1及び図7から、実施例1〜5によれば、メディアン径の異なる固溶体Aと固溶体Bを混合する(組み合わせる)ことによって、固溶体A単独のときよりも電極密度を高めることが確認できた。さらに実施例2〜5では、固溶体A単独及び固溶体B1単独のいずれの場合よりも電極密度を高めることが確認できた。
また、上記表1及び図6から、図4のメディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせることにより、充填密度が向上するイメージ図の通りに、メディアン径の大きな固溶体Aの割合の増加に比例して、重量当たりに容量密度が減少すること、言い換えれば、メディアン径の小さな固溶体Bの割合の増加に比例して、重量当たりに容量密度も増加することが確認できた。
なお、今回、固溶体正極材料として使用した固溶体A、Bの組成は、図9に示す3組成図から決定し、使用した組成を丸印で示した。なお、固溶体正極材料として使用した固溶体A、Bの組成は、共に同じ組成のものであったため、図9では、使用した固溶体A、Bの組成として1点のみを丸印で示している。なお、固溶体A、A、B、Bについては、上記にその組成を示している為、図9への図示は省略した。
また、上記2(2)で作製した実施例のリチウムイオン電池につき、上記3のリチウムイオン電池の評価を行う前に、正極の充放電前処理を次のように行なったものについても、上記3のリチウムイオン電池の評価を行った。その結果、容量は変わらず、上記実施例1〜5と同様の結果が得られることが確認できた。なお、正極の充放電前処理は、耐久性向上効果を奏するものであり、上記3のリチウムイオン電池の評価は、タップ密度が改善され、体積当りの容量密度が向上する効果の確認試験であるため、耐久性向上効果までは確認できなかった。そこで、上記3のリチウムイオン電池の評価試験の充放電サイクルを50サイクル以上行う耐久性試験を行うことで、上記実施例1〜5のものよりも正極の充放電前処理を行った電池の方が、より耐久性が向上することが確認できる。
ここで、正極の充放電前処理としては、上記2(2)で作製した実施例のリチウムイオン電池を充放電装置に接続して、この電位差が4.5Vとなるまで電流レートを1/12Cとして定電流充電してから、この電位差が2Vとなるまで定電流放電を行なった。これら一連の操作を2回繰り返した。更にこの電位差を4.6V、4.7V更に4.8Vに変えて同様にして充放電を各2回ずつ行なった。
10 積層型電池、
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層(負極)、
15 正極活物質層(正極)、
17 電解質層、
19 単電池層(単セル)、
21 発電要素、
25 負極集電板、
27 正極集電板、
29 外装体(ラミネートシート)。

Claims (9)

  1. Li[Li1/3 2/3]O(a)(式中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が4価である。)と、LiM(b)(式中、Mは1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。)との固溶体を用いた固溶体正極材料において、
    メディアン径の異なる複数の固溶体を組み合わせてなる固溶体正極材料。
  2. メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせてなるものであって、
    メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bの割合が、10/90≦B/A≦80/20であることを特徴とする請求項1に記載の固溶体正極材料。
  3. メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせてなるものであって、
    メディアン径の大きい固溶体Aとメディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径比x(固溶体Bのメディアン径/固溶体Aのメディアン径)が、0<x≦0.44の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の固溶体正極材料。
  4. メディアン径の異なる固溶体A及び固溶体Bを組み合わせてなるものであって、
    メディアン径の大きい固溶体Aのメディアン径d1が、100nm≦d1≦30μmであり、
    メディアン径の小さい固溶体Bのメディアン径d2が、50nm≦d2≦12μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固溶体正極材料。
  5. 下記一般式(1):
    (式中、aは、0.4≦a≦0.9であり、Mは、1種以上の金属元素であって平均価数が4価であり、Mは、1種以上の金属元素であって平均価数が3価である。)で表されるLi[Li1/3 2/3]O(a)と、LiM(b)との固溶体を用いた固溶体正極材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固溶体正極材料。
  6. 前記固溶体正極材料におけるLi[Li1/3 2/3]O(a)の組成割合をa、LiM(b)の組成割合を1−aとした場合のaの値、若しくは前記一般式(1)中のaの値が、0.55≦a≦0.8であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固溶体正極材料。
  7. 前記固溶体正極材料における上記式中のMの金属元素種が、Li、Ni、Co、Al、Mn、Fe及びTiよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種からなり、且つ平均価数が4価であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固溶体正極材料。
  8. 前記固溶体正極材料における上記式中のMの金属元素種が、Li、Ni、Co、Al、Mn、Fe及びTiよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種からなり、且つ平均価数が3価であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固溶体正極材料。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の固溶体正極材料を使用したリチウムイオン電池。
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