JP2007335318A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】4.25V以上6.00V以下の高い充電電圧を有する二次電池において優れたサイクル特性を得る。
【解決手段】正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極と、電解質とを有する非水電解質電池において、正極および負極の完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下とし、正極活物質は、第1の正極活物質と、該第1の正極活物質よりD50粒径が小さい第2の正極活物質とを含有させる。また、第1の正極活物質にはD50粒径10μm以上50μm以下の正極材料を用い、第2の正極活物質にはD50粒径1μm以上9μm以下である正極材料を用いる。
【選択図】図1

Description

この発明は、非水電解質二次電池に関し、特に高い充電電圧でサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池に関する。
近年の携帯電子技術の目覚ましい発達により、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピューター等の電子機器は高度情報化社会を支える基盤技術と認知されてきた。さらに、これらの機器の高機能化に関する研究開発は精力的に進められており、それに比例して電子機器の消費電力も増加の一途を辿っている。その反面、これらの電子機器は長時間駆動が求められており、必然的に駆動電源である二次電池の高エネルギー密度化が望まれてきた。
電子機器に内蔵される電池の占有体積や重量等の観点より、電池のエネルギー密度は高いほど望ましい。そこで現在では、この要求に応えるべく、非水電解質電池、中でもリチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池が優れたエネルギー密度を有することから、殆どの機器に内蔵されるに至っている。
通常、リチウムイオン二次電池では、例えばコバルト酸リチウム等のリチウム複合酸化物を用いた正極活物質層が正極集電体上に形成された正極と、例えば炭素材料を用いた負極活物質層が負極集電体上に形成された負極が使用されており、作動電圧が2.50Vから4.20Vの範囲で用いられる。単電池において、端子電圧を4.20Vまで上げられるのは、非水電解質材料やセパレータ等の優れた電気化学的安定性によるところが大きい。
また、近年ではさらなる電池特性の向上が要求されている。例えば下記特許文献1では、正極活物質として異なる粒径を有するリチウム複合酸化物粒子を用いることにより、電池の初期容量およびサイクル特性を向上させる方法が記載されている。
特開2000−82466号公報
ところで、上述のような最大4.20Vで作動するリチウムイオン二次電池では、それに用いられるコバルト酸リチウム等の正極活物質は、その理論容量の全てが充放電に充分に活用されているとは言えず、6割程度の容量を活用しているに過ぎない。そこで、二次電池の電池特性をさらに向上させるために、以下の特許文献1には、リチウムイオン二次電池の充電終止電圧を4.25V以上とさらに高くした電池が記載されている。
国際公開03/0197131号パンフレット
上述のような電池は、充電時の電圧を4.25V以上とすることにより、炭素材料の層間にドープ・脱ドープするリチウム量が増大し、リチウムイオン二次電池の高容量化・高エネルギー密度化を図ることができることが知られている。
しかしながら、電池の充電電圧を4.25V以上に設定した場合は、正極から引き抜かれるリチウムイオンの量が増大するため、充放電に伴う正極の膨張・収縮が大きくなり、正極活物質と導電剤との接触が悪くなるという問題がある。その結果、インピーダンスが上昇して充放電効率が悪くなるため、サイクル特性が低下してしまう。特に、リチウムイオン二次電池の負極活物質として黒鉛を用いた場合、満充電状態での負極電位は約0.05〜0.10Vで、正極電位は4.30Vを超える高い電圧となることから、正極活物質の膨張はより大きくなるため、サイクル特性の低下は深刻な問題である。したがって、4.25V以上の高い充電電圧の二次電池において、サイクル特性の更なる向上が望まれている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、充電電圧が最大4.20Vで作動するリチウムイオン二次電池において初期容量およびサイクル特性を向上させる方法であるため、充電電圧4.25V以上のリチウムイオン二次電池においてはサイクル特性を充分に向上させることはできなかった。
したがって、この発明の目的は、一対の正極および負極あたりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下の非水電解質二次電池において、高いエネルギー密度を有し、かつサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供することにある。
上述の課題を解決するために、この発明は、正極活物質を少なくとも含有する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、一対の正極および負極の完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下であって、正極活物質は、第1の正極活物質と、第1の正極活物質よりD50粒径が小さい第2の正極活物質とを含有し、第1の正極活物質のD50粒径は10μm以上50μm以下であり、第2の正極活物質のD50粒径は1μm以上9μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池である。
また、上述の正極活物質において、第1の正極活物質の割合は80重量%以上95重量%以下であり、第2の正極活物質の割合は5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
また、上述の正極活物質の粒度分布は、D50粒径9μm以下の範囲と、D50粒径10μm以上の範囲とにピークを有することが好ましい。
この発明では、正極活物質にD50粒径10μm以上50μm以下である正極活物質と、D50粒径1μm以上9μm以下である正極活物質とを組み合わせて用いることにより、充放電に伴う正極の膨張により生じる正極活物質と導電剤との接触不良を改善することができる。したがって、充電電圧が4.25V以上の高い充電電圧の非水電解質二次電池において、充放電サイクルの進行に伴うインピーダンスの上昇を抑制する。
この発明によれば、一対の正極および負極あたりの完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下の非水電解質二次電池において、高いエネルギー密度を有し、かつサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の一例の構成を示す。この非水電解質二次電池は、電池素子10を防湿性ラミネートフィルムからなる外装材1に収容し、電池素子10の周囲を溶着することにより封止してなる。電池素子10には、正極リード3および負極リード4が備えられ、これらのリードは、外装材1に挟まれて外部へと引き出される。正極リード3および負極リード4のそれぞれの両面には、外装材1との接着性を向上させるために樹脂片5および樹脂片6が被覆されている。
[外装材]
外装材1は、例えば、接着層、金属層、表面保護層を順次積層した積層構造を有する。接着層は高分子フィルムからなり、この高分子フィルムを構成する材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。金属層は金属箔からなり、この金属箔を構成する材料としては、例えばアルミニウム(Al)が挙げられる。また、金属箔を構成する材料としては、アルミニウム以外の金属を用いることも可能である。表面保護層を構成する材料としては、例えばナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。なお、接着層側の面が、電池素子10を収納する側の収納面となる。
[電池素子]
以下、電池素子10の構成について説明する。図2は、図1に示した電池素子10の一部を拡大して表すものである。この電池素子10は、例えば、図2に示すように、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の負極13と、セパレータ14と、両面にゲル電解質層15が設けられた帯状の正極12と、セパレータ14とを積層し、長手方向に巻回されてなる巻回型の電池素子10である。
[正極]
正極12は、帯状の正極集電体12Aと、この正極集電体12Aの両面に形成された正極活物質層12Bとからなる。
正極集電体12Aは、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔などの金属箔を用いることができる。
正極活物質層12Bは、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な1種または2種以上の正極活物質と、導電材と、結着剤とを含有して構成されている。
リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な正極活物質材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウムリン酸化物、リチウム硫化物などのリチウム含有遷移金属化合物が適当である。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有遷移金属酸化物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co)、Ni(ニッケル)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。このようなリチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、以下の化1に示した層状岩塩型の構造を有するリチウム含有遷移金属酸化物、化2に示したオリビン型の構造を有するリチウム複合リン酸塩等が挙げられ、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiNicCo1-c2(0<c<1)、LiMn24あるいはLiFePO4などが挙げられる。また、遷移金属元素は複数種類を用いることも可能であり、LiNi0.50Co0.502、LiNi0.50Co0.30Mn0.202、LiFe0.50Mn0.50PO4がその例として挙げられる。
[化1]LipNi(1-q-r)MnqM1r(2-y)z
式中、M1は、Ni,Mnを除く2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を、Xは酸素(O)以外の16族元素および17族元素のうち少なくとも1種を示す。p、q、y、zは0≦p≦1.5、0≦q≦1.0、0≦r≦1.0、−0.10≦y≦0.20、0≦z≦0.2の範囲内の値である。
[化2]LiaM2bPO4
式中、M2は、2族〜15族から選ばれる元素のうち少なくとも一種を示す。a、bは0≦a≦2.0、0.5≦b≦2.0の範囲内の値である。
正極活物質には、第1の正極活物質と、第1の正極活物質よりも粒径の小さい第2の正極活物質とを混合して用いる。ここで、第1の正極活物質としては、D50粒径が10μm以上50μm以下である正極活物質(以下、正極活物質1と適宜称する。)を用い、第2の正極活物質としては、D50粒径が1μm以上9μm以下である正極活物質(以下、正極活物質2と適宜称する。)を用いる。正極活物質1と正極活物質2とを混合して用いることにより、正極電極内の空隙が減少して正極活物質の充填密度が高くなるため、エネルギー密度が向上する。また、充放電サイクルの進行に伴う正極活物質と導電剤との接触不良が改善されることからサイクル特性の向上を図ることができる。また、正極活物質1のD50粒径が50μmよりも大きくなると、体積容量密度およびサイクル特性が低下し、正極活物質2のD50粒径が1μmよりも小さくなると、体積容量密度が低下してしまう。
また、正極活物質における正極活物質1の割合は80重量%以上95重量%以下であり、正極活物質2の割合は5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。正極活物質1と正極活物質2との割合を上記範囲内にすることにより、最適な充填密度を達成できるため、エネルギー密度およびサイクル特性をより向上させることが可能となるからである。
ここで、正極活物質のD50粒径とは、レーザ回折法(JIS Z8825−1)により測定された粒径の中位径(粒度分布の中間値50%に一致している粒径)である。この発明において用いられる正極活物質をレーザ回折法によって測定すると、その粒度分布において、D50粒径9μm以下の範囲と、D50粒径10μm以上の範囲とにピークを有する。なお、粒度分布とは各粒子径に対する頻度分布のことをいい、ピークとは粒径の中位径に該当する。
導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等を用いることができる。特に、針状形状の導電材を用いると、正極活物質が膨張・収縮を繰り返すことによって正極の密度が低下しても、正極活物質と導電材とが接触しやすく、インピーダンスの上昇を抑制することができるため好ましい。結着剤としては、通常この種の電池の正極合剤に用いられている公知の結着剤を用いることができるが、好ましくはポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂が用いられる。
[負極]
負極13は、帯状の負極集電体13Aと、この負極集電体13Aの両面に形成された負極活物質層13Bとからなる。
負極集電体13Aは、例えば、銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス箔(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層13Bは、例えばリチウムをドープ・脱ドープすることが可能な1種または2種以上の負極活物質を含有しており、必要に応じて導電剤および決着剤を含有して構成されている。
なお、この一実施の形態で用いる非水電解質二次電池は、その充電電圧が、例えば4.25V以上6.00V以下、または4.25V以上4.5V以下という高い電圧になるよう設計されている。充電電圧を従来の4.20Vと比較して高くすることにより、これまで活用されなかった正極活物質の容量を活用することができる。すなわち、正極活物質の単位質量あたりのリチウム放出量が増大して、負極活物質にドープされるため、高容量化・高エネルギー密度化が可能となる。
リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。
これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、容量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、リチウムと合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、リチウム金属、またはリチウムと合金を形成可能な金属、半金属、合金および化合物を用いることができる。このような負極材料を構成可能な金属あるいは半金属としては、スズ(Sn)、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ケイ素(Si)、インジウム(In)、ジルコニウム(Zr)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、アンチモン(Sb)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ヒ素(As)、ハフニウム(Hf)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)等が挙げられる。
中でも、この負極材料として短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体またはこれらを構成元素として含む合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高エネルギー密度を得ることができる。
スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素(Si)の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(
Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズ(Sn)の化合物あるいはケイ素(Si)の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。例えば、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)と、炭素(C)との合金等が挙げられる。上述の炭素材料とともに用いることにより、高エネルギー密度かつ安定したサイクル特性を得ることができるため、好ましい。
また、リチウムをドープ・脱ドープすることが可能な負極材料として、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、NiS、MoSなどの硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物が挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレンなどが挙げられる。
導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム等が用いられる。
[ゲル電解質]
ゲル電解質層15は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル電解質層15は高いイオン伝導率を得ることができるとともに、電池の漏液を防止できるので好ましい。
電解液としては、非水溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。特に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを混合して含むようにすれば、よりサイクル特性を向上させることができるので好ましい。非水溶媒としては、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートまたはメチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステルの中から、少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性をより向上させることができるからである。
非水溶媒としては、さらに、2,4−ジフルオロアニソールおよびビニレンカーボネートのうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を改善することができ、ビニレンカーボネートはサイクル特性をより向上させることができるからである。特に、これらを混合して含んでいれば、放電容量およびサイクル特性を共に向上させることができるのでより好ましい。
非水溶媒としては、さらに、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、これら化合物の水素基の一部または全部をフッ素基で置換したもの、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチル等のいずれか1種または2種以上を含んでいてもよい。
組み合わせる電極によっては、上記非水溶媒群に含まれる物質の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものを用いることにより、電極反応の可逆性が向上する場合がある。したがって、これらの物質を適宜用いることも可能である。
電解質塩であるリチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiB(C654、LiCH3SO3、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6、LiCl、LiBF2(OX)、LiBOB、あるいはLiBrが適当であり、これらのうちのいずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、LiPF6は、高いイオン伝導性を得ることができるとともに、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンあるいはポリカーボネートを挙げることができる。特に電気化学的な安定性の点からは、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
[セパレータ]
セパレータ14としては、従来の電池に使用されてきたものを利用することが可能である。そのなかでも、ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上が可能なポリオレフィン製微孔性フィルムを使用することが特に好ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
さらに、セパレータ14としては、シャットダウン温度がより低いポリエチレンと耐酸化性に優れるポリプロピレンを積層または混合したものを用いることが、シャットダウン性能とフロート特性の両立が図れる点から、より好ましい。ポリエチレンとポリプロピレンとを積層したものとしては、具体的には、例えばポリプロピレンと、ポリエチレンと、ポリプロピレンとを順次に積層した3層セパレータを挙げることができる
上述のように構成された非水電解質二次電池は、例えば以下のようにして作製することができる。
[正極作製工程]
上述の正極活物質、結着材、導電材を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させて正極合剤スラリーとする。なお、正極活物質は、正極活物質1と正極活物質2とを混合したものが用いられる。次に、この正極合剤スラリーを例えばドクターブレード法等により塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばすことにより正極活物質層12Bが形成される。なお、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。
正極12は、正極集電体12Aの一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された正極リード3を有している。この正極リード3は金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。正極リード3の材料としては、例えばアルミニウム等が挙げられる。
[負極作製工程]
上述の負極活物質、導電材、結着材を均一に混合して負極合剤とし、溶剤中に分散させて負極合剤スラリーとする。次に、この負極合剤スラリーを正極と同様の方法により負極集電体上に均一に塗布する。さらに、高温で乾燥させて溶剤を飛ばすことにより負極活物質層13Bが形成される。
負極13も正極12と同様に、負極集電体の一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された負極リード4を有しており、この負極リード4は電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極リード4の材料としては、例えば銅、ニッケル等が挙げられる。
なお、正極リード3および負極リード4は同じ方向から導出されていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、どの方向から導出されていても問題はない。また、正極リード3および負極リード4の接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば取り付ける場所、取り付ける方法は上記の例に限られない。
[電池組み立て工程]
上述のような正極12と負極13の表面にゲル電解質層15を形成した後、セパレータ14を介して積層して巻回し、電池素子10が作製される。この電池素子10は、外装材8を折り返すようにして外装され、電池素子10の周辺部を熱融着することにより封止される。これにより、非水電解質二次電池が作製される。このような非水電解質二次電池は、4.25V以上に充電することにより、開回路電圧が従来と比して高い電池となるが、正極活物質にD50粒径10μm以上50μm以下である正極活物質1と、D50粒径1μm以上9μm以下である正極活物質2とを混合して用いることにより、充放電サイクルの進行に伴う正極活物質と導電剤との接触不良を改善し、インピーダンスの上昇を抑制することができる。したがって、高いエネルギー密度を有するとともに、優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池を得ることができる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
実施例1では、D50粒径の異なる正極活物質を以下のように組み合わせて非水電解質二次電池を作製し、体積容量密度および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表1を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
<実施例1−1>
[正極の作製]
まず、第1の正極活物質としてD50粒径10μmであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)90重量%と、第2の正極活物質としてD50粒径1μmであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)10重量%とを均一に混合して、粒度分布において粒径10μ未満の範囲と、粒径10μ以上の範囲とにピークを有する正極活物質を作製した。次に、この正極活物質91重量%と、導電材として粉状黒鉛6重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%とを均一に混合して正極合剤を調製し、これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーとした。この正極合剤スラリーを、正極集電体となるアルミニウム(Al)箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを縦50mm、横350mmのサイズに切り出して正極とし、活物質の不塗布部分にアルミニウム製のリードを溶接することにより、正極を作製した。
[負極の作製]
負極活物質として人造黒鉛90重量%と、結着材として粉状ポリフッ化ビニリデン10重量%とを均一に混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次に、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを縦52mm、横370mmのサイズに切り出して負極とし、活物質の不塗布部分にニッケル製のリードを溶接することにより、負極を作製した。
[ゲル状電解質の作製]
ヘキサフルオロプロピレンが6.9%の割合で共重合されたポリフッ化ビニリデンと、非水電解液と、希釈溶剤のジメチルカーボネート(DMC)とを混合し、撹拌、溶解させてゾル状の電解質溶液を得た。非水電解液は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを1:1の体積比で混合し、電解質塩として0.6mol/kgのLiPF6を溶解して作製した。次いで、得られたゾル状の電解質溶液を正極および負極の両面に均一に塗布し、その後、乾燥させて溶剤を除去した。このようにして、正極および負極の両面にゲル状電解質層を形成した。
[電池組み立て工程]
上述のようにして作製された、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の正極と、両面にゲル状電解質層が形成された帯状の負極とを、ポリエチレン延伸フィルムからなるセパレータを介して積層し、長手方向に巻回することにより電池素子を作製した。次に、この電池素子をラミネートフィルムにて外装し、電池素子の周囲を封止した。以上により、実施例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−2>
第1の正極活物質としてD50粒径25μmであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い、第2の正極活物質としてD50粒径5μmであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例1−3>
第1の正極活物質としてD50粒径50μmであるコバルト酸リチウムとを用い、第2の正極活物質としてD50粒径9μmであるコバルト酸リチウムを用いた以外は実施例1−1と同様にして、実施例1−3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−1>
第1の正極活物質としてD50粒径10μmであるコバルト酸リチウムを用い、第2の正極活物質としてD50粒径0.9μmであるコバルト酸リチウムを用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−2>
第1の正極活物質としてD50粒径60μmであるコバルト酸リチウムを用い、第2の正極活物質としてD50粒径5μmであるコバルト酸リチウムを用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−2の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例1−3>
第1の正極活物質としてD50粒径60μmであるコバルト酸リチウムを用い、第2の正極活物質としてD50粒径10μmであるコバルト酸リチウムを用いた以外は実施例1−1と同様にして、比較例1−3の非水電解質二次電池を作製した。
以上のようにして作製した非水電解質二次電池について、それぞれ以下の方法で体積容量密度を求めて初期特性を評価した。また、以下の方法で500サイクル後の容量維持率を求めてサイクル特性を評価した。
(a)体積容量密度
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、0.1Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.40Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が12時間に達するまで充電を行った。次に、0.2Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了して初期放電容量を測定した。続いて、以下の式1により体積容量密度を求めた。
(式1)
体積容量密度[mAh/cm3]=初期放電容量[mAh]/電池体積[cm3
(b)500サイクル後の容量維持率
上述の実施例および比較例の非水電解質二次電池のそれぞれについて、1.0Cで定電流充電を行い、充電電圧が4.40Vに達した時点で定電圧充電に切り替え、総充電時間が2.5時間に達するまで充電を行った。次に、1.0Cでの放電を行い、電圧が3.0Vとなった時点で放電を終了し、このときの放電容量を測定した。このような充放電サイクルを500サイクル行い、500サイクル目の放電容量を測定した。続いて、以下の式2により500サイクル後の容量維持率を求めた。
(式2)
500サイクル後の容量維持率[%]={(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100}[%]
以下の表1に、実施例1−1〜実施例1−3および比較例1−1〜比較例1−3の体積容量密度および500サイクル後容量維持率を示す。
Figure 2007335318
実施例1−1〜実施例1−3および比較例1−3から分かるように、第1の正極活物質としてD50粒径が10μm以上50μm以下の正極材料を用い、第2の正極活物質としてD50粒径が1μm以上9μm以下の正極材料を用いた場合、体積容量密度および500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができた。比較例1−3では、D50粒径の異なる正極活物質を混合して用いたが、第1の正極活物質が50μmよりも大きく、また第2の正極活物質も10μm以上の大きさであるため、正極活物質間の空隙部分が増加して体積容量密度が低下し、また正極活物質の膨張・収縮が大きくなり、容量維持率が低下したと考えられる。
また、実施例1−1〜実施例1−3および比較例1−2の結果から分かるように、第1の正極活物質のD50粒径が10μm以上50μm以下の範囲では、体積容量密度および500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができたが、第1の正極活物質のD50粒径が10μm以上50μm以下の範囲から外れると、体積容量密度および容量維持率が低下することが分かった。
また、実施例1−1〜実施例1−3および比較例1−1の結果から分かるように、第2の正極活物質のD50粒径が1μm以上9μm以下の範囲では体積容量密度および500サイクル後の容量維持率が向上するが、第2の正極活物質のD50粒径が1μm以上9μm以下の範囲から外れると、体積容量密度が低下することが分かった。
上述の結果より、第1の正極活物質としてD50粒径が10μm以上50μm以下である正極活物質と、第2の正極活物質としてD50粒径が1μm以上9μm以下である正極活物質とを混合して用いることにより、充電電圧が4.25V以上6.00V以下である高い充電電圧の非水電解質二次電池においても、体積容量密度および容量維持率の低下を抑制できることが分かった。
実施例2
実施例2では、第1の正極活物質および第2の正極活物質の配合比を以下の表2のように変化させて非水電解質二次電池を作製し、実施例1と同様に体積容量密度および500サイクル後の容量維持率を求めた。以下、表2を参照して実施例および比較例を詳細に説明する。
<実施例2−1>
第1の正極活物質としてD50粒径20μmであるコバルト酸リチウムを用い、第2の正極活物質としてD50粒径5μmであるコバルト酸リチウムを用い、第1の正極活物質80重量%と第2の正極活物質20重量%とを均一に混合した正極活物質を用いたこと以外は実施例1−1と同様にして、実施例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2−2>
第1の正極活物質90重量%と、第2の正極活物質10重量%とを均一に混合した正極活物質を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
<実施例2−3>
第1の正極活物質95重量%と、第2の正極活物質5重量%とを均一に混合した正極活物質を用いた以外は実施例2−1と同様にして、実施例2−3の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2−1>
第1の正極活物質75重量%と、第2の正極活物質25重量%とを均一に混合した正極活物質を用いた以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−1の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2−2>
第2の正極活物質を用いず、第1の正極活物質のみを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−2の非水電解質二次電池を作製した。
<比較例2−3>
第2の正極活物質を用いず、第1の正極活物質のみを用いたこと以外は実施例2−1と同様にして、比較例2−3の非水電解質二次電池を作製した。
実施例2−1〜実施例2−3、比較例2−1および比較例2−2の非水電解質二次電池について、それぞれ実施例1と同様にして、(a)体積容量密度および(b)500サイクル後の容量維持率を求めた。
比較例2−3の非水電解質二次電池については、充電電圧4.2Vで定電圧充電を行った以外は実施例1と同様にして、(a)体積容量密度および(b)500サイクル後の容量維持率を求めた。
以下の表2に、実施例2−1〜実施例2−3および比較例2−1〜比較例2−3における体積容量密度および500サイクル後容量維持率を示す。
Figure 2007335318
実施例2−1〜実施例2−3と比較例2−1および比較例2−2とを比較して分かるように、第1の正極活物質の配合比が80重量%以上95重量%以下、第2の正極活物質の配合比が5重量%以上20重量%以下の範囲においては、体積容量密度および500サイクル後の容量維持率が向上した。比較例2−1および比較例2−2のように、第1の正極活物質と第2の正極活物質との配合比が上記範囲から外れた場合、正極活物質間の空隙部分が増加し、正極の体積効率が低下するため、体積容量密度および容量維持率が低下したと考えられる。
また、比較例2−2と比較例2−3とを比較して分かるように、充電電圧が4.20Vである比較例2−3の場合は、充電電圧が他の実施例や比較例の非水電解質二次電池よりも低いため体積容量密度が低下したが、500サイクル後の容量維持率の結果には影響を及ぼさなかった。したがって、充電電圧が4.25V以上6.00V以下の高充電電圧の非水電解質二次電池において、第1の正極活物質と第2の正極活物質とを組み合わせることにより、サイクル特性を向上させる効果を得られることが分かった。
上述の結果より、完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下の非水電解質二次電池の正極活物質において、第1の正極活物質の配合比を80重量%以上95重量%以下、第2の正極活物質の配合比を5重量%以上20重量%以下とすることで、高い体積容量密度が得られ、かつ500サイクル後の容量維持率の低下を抑制することができることがわかった。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の一実施形態では、巻回構造を有する非水電解質二次電池に対してこの発明を適用した場合について説明したが、他の二次電池にも適用することができる。例えば、巻回構造を有する円筒型、楕円型あるいは多角形型の二次電池、または正極および負極を折り畳んだ構造あるいは積み重ねた構造を有する二次電池についても適用することができる。
また、例えば、一実施形態では、ゲル状電解質を有する非水電解質二次電池について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば、液系の非水電解質二次電池についてもこの発明は適用可能である。
この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の一例の構成を示す斜視図である。 この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の電池素子の一部を拡大した略線図である。
符号の説明
1・・・・外装材
2・・・・凹部
3・・・・正極リード
4・・・・負極リード
5・・・・樹脂片
6・・・・樹脂片
10・・・電池素子
12・・・正極
12A・・正極集電体
12B・・正極活物質層
13・・・負極
13A・・負極集電体
13B・・負極活物質層
14・・・セパレータ
15・・・ゲル電解質層

Claims (3)

  1. 正極活物質を少なくとも含有する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、
    一対の上記正極および上記負極の完全充電状態における開回路電圧が4.25V以上6.00V以下であって、
    上記正極活物質は、第1の正極活物質と、該第1の正極活物質よりD50粒径が小さい第2の正極活物質とを含有し、
    上記第1の正極活物質のD50粒径は10μm以上50μm以下であり、
    上記第2の正極活物質のD50粒径は1μm以上9μm以下である
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記正極活物質において、上記第1の正極活物質の割合は80重量%以上95重量%以下であり、
    上記第2の正極活物質の割合は5重量%以上20重量%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記正極活物質の粒度分布は、D50粒径9μm以下の範囲と、D50粒径10μm以上の範囲とにピークを有することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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