JP2012056875A - ソフトコンタクトレンズ用眼科組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物において、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着を抑制できるソフトコンタクトレンズ用組成物、さらに、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法を提供する。
【解決手段】(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物、及びこの組成物におけるアズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法に関するものである。
ソフトコンタクトレンズを装着した場合、レンズ表面が乾燥し、外界からの花粉、汚染物質がレンズに付着しやすくなり、レンズを装着した眼に炎症が起こりやすくなる。このようなコンタクトレンズ装着時の眼の炎症を改善するため、以前より抗炎症成分であるアズレンスルホン酸やその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物の開発が望まれていた。
しかしながら、眼科製剤に使用される成分の中には、ソフトコンタクトレンズに吸着してレンズあるいは目に悪影響を及ぼす薬物があり、そのような薬物に対しては吸着抑制技術が検討されている。これまでに、ソフトコンタクトレンズへの薬物の吸着を抑える技術としては、脂溶性ビタミンの吸着を高分子化合物、非イオン界面活性剤で抑制する発明(特許文献1参照)、グリチルリチン酸二カリウムの吸着をアミノ酸等で抑制する発明(特許文献2参照)、アルギン酸の吸着をアミノ酸等で抑制する発明(特許文献3参照)、塩基性薬物の吸着を低pHとアミノ酸等で抑制する発明(特許文献4参照)、メントール等のテルペノイド化合物をポリオキシエチレンソルビタンエステル等の界面活性剤で抑制する発明(特許文献5、特許文献6)が提案されている。
特開2001−158734号公報 特開2001−2563号公報 特開2008−24701号公報 再表2007−077783号公報 特開平11−130667号公報 特開平11−180858号公報
本発明者らは、アズレンスルホン酸及び/又はその塩が、ソフトコンタクトレンズの中でも、特にピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズの表面に吸着しやすい性質を有することを知見した。従って、アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する製剤を前記ソフトコンタクトレンズに適用すると、涙液量や使用方法によっては、時間が経過するとアズレンスルホン酸及び/又はその塩がレンズの内部に蓄積してレンズの物性(外観)変化や装用時の使用感の低下、さらには副作用等の悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物において、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着を抑制でき、しかもそれによる眼刺激性が生じない吸着抑制技術を提供することを目的とする。即ち、ソフトコンタクトレンズ装用者の使用に適したアズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する眼科用製剤、さらに、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する組成物に、界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンヒマシ油を選択し配合することにより、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズへの吸着が抑制され、しかも眼刺激が生じないため、ソフトコンタクトレンズ装用者の使用に適した眼科製剤が得られることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記ソフトコンタクトレンズ用組成物及び吸着抑制方法を提供する。
[1](A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用組成物
[2](B)成分量が、3〜5W/V%であることを特徴とする[1]記載のソフトコンタクトレンズ用組成物
[3]ピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズ用であることを特徴とする[1]〜[2]記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
[4]コンタクトレンズ装着者用点眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ装着者用洗眼剤、コンタクトレンズ取外し液、又はコンタクトレンズケア剤である[1]〜[3]のいずれか1項記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
[5](B)ポリオキシエチレンヒマシ油の配合によって(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着量が低減されていることを特徴とする、[1]〜[4]記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
[6](A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する眼科用製剤に、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を3〜5W/V%となるように配合することを特徴とする、上記(A)成分のピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法
本発明によれば、アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物において、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズへの吸着を抑制することができ、かつ眼刺激性がないソフトコンタクトレンズ用組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を含有したソフトコンタクトレンズ用組成物である。
(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩
アズレンスルホン酸及び/又はその塩は抗炎症成分である。アズレンスルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜0.1W/V%(質量/容量%(g/100mL)、以下同様)が好ましく、0.003〜0.05W/V%がより好ましく、0.004〜0.025W/V%がさらに好ましい。含有量が0.001W/V%未満だと、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の抗炎症効果が不十分となるおそれがあり、0.1W/V%を超えると、組成物の紫色が濃くなり、点眼後、目からあふれ出した場合、衣類が汚れる可能性があり、著しく上限を外れると眼刺激を感じることがある。
(B)ポリオキシエチレンヒマシ油
本発明においては、ポリオキシエチレンヒマシ油を配合することにより、アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着を顕著に抑制することができる。これらは市販のものを用いることができ、BASF(株)製、日油(株)製を用いることが好ましい。また、非イオン性界面活性剤として、(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などを用いた場合、吸着抑制効果は認められるが、眼刺激を感じる場合がある。
上記(B)成分の含有量は、眼科用組成物中3〜5W/V%が好ましく、より好ましくは3.5〜5W/V%、さらに好ましくは4〜5W/V%である。配合量が少なすぎるとアズレンスルホン酸ナトリウムの吸着抑制効果が不十分であり、5W/V%を超えると眼刺激を感じる場合がある。ポリオキシエチレンヒマシ油のエチレンオキシド付加モル数は、3〜60が好ましく、より好ましくは6〜50、さらに好ましくは10〜40である。エチレンオキシド付加モル数が少ないと水への溶解性が低下する傾向があり、多すぎる場合、吸着抑制効果が低下することがある。
なお、非イオン性界面活性剤として、本発明の(B)成分に代えて他の非イオン性界面活性剤、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などを用いた場合は、吸着抑制と低刺激の両効果を満足することはできない。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物には、眼科用組成物に用いられる各種成分を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。好ましい配合成分としては、薬物、緩衝剤、安定化剤、粘稠化剤、等張化剤、溶解補助剤、抗酸化剤、防腐剤、清涼化剤等が挙げられる。
薬物(薬学的有効成分)としては、例えば、他のビタミン類(例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、)、充血除去剤(例えば、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エフェドリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリン等)、消炎・収斂剤(例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、グリチルレチン酸)、抗ヒスタミン剤(例えば塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミンマレイン酸クロルフェニラミン等)、アミノ酸(例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等)、サルファ剤(例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール等)、抗アレルギー剤(例えば、クロモグリク酸ナトリウム等)を適宜配合することができる。
薬物の含有量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、眼刺激性、組成物の安定性等の点から、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜5W/V%の範囲であることが好ましい。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸水素ナトリウムを使用することが好ましい。このなかでも、クエン酸、ホウ酸、ホウ砂、トロメタモールが好ましい。緩衝剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.003〜4W/V%の範囲であることが好ましい。
安定化剤としては、例えばエデト酸ナトリウム、エデト酸、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられる。エデト酸類は系の安定性を維持する効果を奏し、シクロデキストリン類は、ソフトコンタクトレンズに吸着し易い成分(例えば塩化ベンザルコニウム等)の吸着抑制効果を有する。安定化剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.003〜2W/V%の範囲であることが好ましい。
粘稠化剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子化合物、ポビドン、ポリビニルアルコール等のポリビニル系高分子化合物、流動パラフィン、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等が挙げられる。粘稠化剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.003〜3W/V%の範囲であることが好ましい。
等張化剤としては、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、グリセリン等が挙げられる。等張化剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜3W/V%の範囲であることが好ましい。
溶解補助剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロクサマー類等の界面活性剤が挙げられる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60以外にも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100等を使用することができる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)以外にも、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)等を使用することができる。溶解補助剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜3W/V%の範囲であることが好ましい。
抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ヒドロキノン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。抗酸化剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜1W/V%の範囲であることが好ましい。
防腐剤としては、例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロロブタノール、パラオキシ安香酸エステル等のパラベン類が挙げられる。防腐剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.001〜0.5W/V%の範囲であることが好ましい。
前記防腐剤を使用する他、トロメタモール、ホウ酸、及びエデト酸を必須とする防腐組成によって防腐効力を上げることも可能であり、本発明において好ましい。
清涼化剤としては、例えばカンフル、クールミントNo.71212、ゲラニオール、ハッカ水、メントール、ボルネオール、ユーカリ油、ウイキョウ油、ベルガモット油、リナロール、N―エチル−p−メンタン−カルボキシアミド(例えばWS−3、高砂香料工業(株))等が挙げられる。清涼化剤の含有量は、ソフトコンタクトレンズ用組成物中0.0001〜0.1W/V%の範囲であることが好ましい。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、例えば、残部を水とし、公知の製造方法で製造することができる。例えば上記各成分を滅菌精製水、イオン交換水等の水、あるいはエタノール等のアルコールとの混合溶媒等に溶解させた後、pHを調整し、さらに必要に応じて浸透圧等をpH調整剤、等張化剤により適宜調整することによって得ることができる。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物のpH(20℃)は、眼科用組成物に許容される範囲であれば特に制限はないが、好ましくは3.5〜8.0であり、より好ましくは、5.0〜7.5、さらに好ましくは6.0〜7.3である。前記範囲内で、眼刺激感が特に低くなり良好である。なお、pHの測定は、20℃でpH浸透圧計(HSMO−1、東亜ディーケーケー(株))を用いて行う。pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸等が好ましい。
得られた組成物は、公知のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製容器(紫外線防止剤あるいは色素を含有するものが内容物の安定性上好ましい)に充填し、フィルム包装等の包装を施して、水性眼科製剤して提供することができる。
本件発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、点眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ洗眼剤、コンタクトレンズ取外し液、又はコンタクトレンズケア剤等として用いることができる。具体的には、ソフトコンタクトレンズ装着中に使用されるソフトコンタクトレンズ使用者用点眼剤、ソフトコンタクトレンズ装着時に使用されるソフトコンタクトレンズ装着液、ソフトコンタクトレンズ装着中に使用される洗眼剤、ソフトコンタクトレンズを外す際に使用されるソフトコンタクトレンズ取外し液、ソフトコンタクトレンズケア剤(洗浄液、すすぎ液、消毒液、保存液等、及び洗浄、すすぎ、消毒及び保存等が同時にできるソフトコンタクトレンズ用MPS)とすることが好ましい。この中でも、コンタクトレンズ装用者用点眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ装用者用洗眼剤、又はコンタクトレンズ取外し液として好適である。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物が適応できるソフトコンタクトレンズの種類については特に制限されるものではなく、繰り返し使用されるソフトコンタクトレンズの他、1日使い捨てソフトコンタクトレンズ、1週間使い捨てソフトコンタクトレンズ、2週間使い捨てソフトコンタクトレンズのいずれのレンズにも使用することができる。また、米国食品医薬品局(FDA)による4分類すべてのソフトコンタクトレンズに使用できるだけでなく、シリコーンハイドロゲルレンズにも使用することができる。
ソフトコンタクトレンズは、多くの化学合成素材から製造されている。ソフトコンタクトレンズを構成するモノマーとしては、アルキルメタクリレート類のヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等、非イオン性水溶性モノマーとして、ポリビニルアルコール、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド等、イオン性モノマーとしてメタクリル酸等がある。
本発明のソフトコンタクトレンズ用組成物は、N−ビニルピロリドンなどのピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズ用として特に好適である。前記ポリマーには、アルキルメタクリレート、メタクリル酸、ケイ素またはフッ素を含むモノマー、ポリビニルアルコール等を構成単位として有してもよい。N−ビニルピロリドンの割合は特に限定されないが、重合性モノマー全量100質量部に対して1〜90質量部が好ましい。N−ビニルピロリドンを構成単位として有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズとしては、プレシジョンUV:チバビジョン(株)、メニコンソフトS:(株)メニコン、ブレスオー:東レ(株)、ボシュロムメダリストプレミア:ボシュロムジャパン(株))等が挙げられる。
本発明の(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩のピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法は、(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有するソフトコンタクトレンズ用組成物に、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を配合するものであり、好ましくは3〜5W/V%となるように配合するものである。その他の好適な成分、含有量等は上記眼科用組成物と同様である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜14、比較例1〜3]
表1〜3に示すように、各配合成分を定法に準じて滅菌精製水に溶解した後、各溶液を無菌ろ過して、ソフトコンタクトレンズ用組成物を調製した。得られた各製剤について、pH(20℃)を測定し、下記ソフトコンタクトレンズに対するアズレンスルホン酸ナトリウム吸着試験を行った。また、下記方法で点眼後の眼刺激性を評価した。なお、点眼剤は各液を無菌ろ過して調製した。結果を表中に併記した。
[ソフトコンタクトレンズに対するアズレンスルホン酸ナトリウム吸着試験:n=3]
ソフトコンタクトレンズは、ピロリドン基を有するポリマーを含むプレシジョンUV(チバビジョン(株))とボシュロムメダリストプレミア(ボシュロムジャパン(株))の2種を用いた。また、それぞれのレンズ素材は次のとおりである。
プレシジョンUV:N−ビニルピロリドン、メチルメタクリレート
ボシュロムメダリストプレミア:N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチルシロキサシメタクロキシプロピルシランの誘導体
ソフトコンタクトレンズ用組成物5mLに1枚のレンズを37℃で7日間浸透後、残渣のアズレンスルホン酸ナトリウム量を液体クロマトグラフィーで定量した。レンズを浸漬させないソフトコンタクトレンズ用組成物をコントロールとし同様に定量し、コントロールのアズレンスルホン酸ナトリウム量に対する比率から、下記式に基づいて、2種レンズに対するアズレンスルホン酸ナトリウムのレンズ吸着率(%)を計算した。
アズレンスルホン酸ナトリウムのレンズ吸着率(%)=〔(コントロールのアズレンスルホン酸ナトリウム量−残液のアズレンスルホン酸ナトリウム量)/コントロールのアズレンスルホン酸ナトリウム量×100〕
1つのソフトコンタクトレンズ用組成物に対して、2種類のレンズ毎に3回測定を行った。レンズ種類毎に平均吸着率(%)を算出し、平均吸着率から、ソフトコンタクトレンズに対する吸着抑制効果の結果を、下記評価基準に基づいて示した。
<ソフトコンタクトレンズに対する吸着抑制評価基準>
A:アズレンスルホン酸ナトリウムの平均吸着率が5%未満
B:アズレンスルホン酸ナトリウムの平均吸着率が5%以上7.5%未満
C:アズレンスルホン酸ナトリウムの平均吸着率が7.5%以上10%未満
D:アズレンスルホン酸ナトリウムの平均吸着率が10%以上12.5%未満
E:アズレンスルホン酸ナトリウムの平均吸着率が12.5%以上
実施例及び比較例の結果によれば、ポリオキシエチレンヒマシ油を3〜5W/V%配合した組成物は、ソフトコンタクトレンズへのアズレンスルホン酸ナトリウムの吸着を抑制し、さらに眼刺激がないことが認められた。
[眼刺激性評価]
ソフトコンタクトレンズ使用者3名にソフトコンタクトレンズ装用中にソフトコンタクトレンズ用組成物を3滴点眼し、点眼後の眼刺激性を下記評価基準に基づいて評価した。
<眼刺激性評価基準>
○:刺激を感じない
△:刺激をやや感じる
×:刺激を感じる
Figure 2012056875
Figure 2012056875

Figure 2012056875


Claims (6)

  1. (A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用組成物
  2. (B)成分量が、3〜5W/V%であることを特徴とする請求項1記載のソフトコンタクトレンズ用組成物
  3. ピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズ用であることを特徴とする請求項1〜2記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
  4. コンタクトレンズ装着者用点眼剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ装着者用洗眼剤、コンタクトレンズ取外し液、又はコンタクトレンズケア剤である請求項1〜3のいずれか1項記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
  5. (B)ポリオキシエチレンヒマシ油の配合によって(A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩のソフトコンタクトレンズへの吸着量が低減されていることを特徴とする、請求項1〜4記載のソフトコンタクトレンズ用組成物。
  6. (A)アズレンスルホン酸及び/又はその塩を含有する眼科用製剤に、(B)ポリオキシエチレンヒマシ油を3〜5W/V%となるように配合することを特徴とする、上記(A)成分の
    ピロリドン基を有するポリマーを含むソフトコンタクトレンズへの吸着抑制方法


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