JP2012052460A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プランジャバレル31内を昇降することにより燃料油を圧送するプランジャ32と、プランジャ32の下端部に係合される下部バネ受け33と、下部バネ受け33と対向して配置され、プランジャバレル31に嵌装される上部バネ受け34と、下部バネ受け33及び上バネ受け34の間に介在され、プランジャ32を下降方向に付勢するプランジャバネ35と、下部バネ受け33を嵌合し、下部ハウジング10の貫通孔10aに昇降可能に嵌装されるタペット40と、下部ハウジング10に回転可能に支持されるとともにタペット40を介してプランジャ32を昇降するカム12と、を備える燃料噴射ポンプにおいて、上部バネ受け34の下側に、タペット40の上端壁よりも外周側へ延出する案内部50を設けた。
【選択図】図4
Description
特許文献1に記載の燃料噴射ポンプのハウジングの下側領域には、カム軸が架け渡される。ハウジングの下側領域は潤滑油によって潤滑される領域であり、床部によってハウジングの上側領域と区画されている。ハウジングの上側領域には、プランジャバレルが設けられる。プランジャバレル内には、プランジャが昇降可能に嵌装される。そして、プランジャの下端部には下部バネ受けが係合され、プランジャバレルの下端部には上部バネ受けが嵌装され、下部バネ受けと上部バネ受けとの間にはプランジャバネが介在される。
また、ハウジングの床部には、上側領域と下側領域とを連通するタペット孔が形成され、該タペット孔にはタペットが昇降可能に嵌装される。プランジャバネからの付勢力を下部バネ受けを介して受けることにより、プランジャの下端部がタペットの底部に押し付けられている。
潤滑油が加圧室内の燃料油に混入すると、燃料油が黒色化したり、燃料噴射ノズルにおいて噴射不良が生じたりするために、エンジンの性能の悪化を招くおそれがあった。
該プランジャの下端部に係合される下部バネ受けと、
該下部バネ受けと対向して配置され、前記プランジャバレルに嵌装される上部バネ受けと、
前記下部バネ受け及び前記上バネ受けの間に介在され、前記プランジャを下降方向に付勢するプランジャバネと、
前記下部バネ受けを嵌合し、ハウジングに形成された貫通孔に昇降可能に嵌装されるタペットと、
前記ハウジングの下部に回転可能に支持されるとともに前記タペットを介して前記プランジャを昇降するカムと、を備える燃料噴射ポンプにおいて、
前記上部バネ受けの下側に、前記タペットの上端壁よりも外周側へ延出する案内部を設けるものである。
一方、上部バネ受けと別体に設けた場合には、案内部を従前の燃料噴射ポンプに容易に付加することができる。また、案内部を、例えばプレス加工や樹脂成形等により単独の部材として製造することができ、容易に実現することができる。
以下では、本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1の全体的な構成について、図1及び図2を参照して説明する。
なお、本明細書中の説明においては、カム軸11の軸線方向を前後方向と規定するとともにカム12が配置される側を後方と規定し、プランジャ32の軸線方向を上下方向と規定するとともに加圧室31aが形成される側を上方と規定する。また、重力が作用する方向を鉛直下方と規定し、重力が作用する方向とは反対の方向を鉛直上方と規定する。
タペット40は、ローラ支持体40aを下方に向けた状態で、下部ハウジング10に形成された貫通孔10aに嵌装される。タペット40は、貫通孔10a内を昇降可能である。タペット40のローラ支持体40aには、ローラ42が回転可能に支持され、該ローラ42の外周面は、カム12の外周面と当接している。このような構成により、クランク軸の回転力は、カム12により昇降運動に変換されて、ローラ42を介してタペット40に伝達される。
プランジャバレル31の内周面と、プランジャ32の上面と、によって区画された空間は、燃料油を加圧するための加圧室31aを構成している。プランジャ32がプランジャバレル31内(前記円柱形状の空洞内)を昇降することにより、加圧室31aの体積が増減される。なお、燃料油は、プランジャバレル31に形成された吸入ポートから加圧室31a内に供給される。
また、プランジャ32は、プランジャバネ35から受ける付勢力により、下降方向に付勢されている。このような構成により、プランジャ32の下端部は、下部バネ受け33を介してタペット40の内側の底に押し付けられている。したがって、プランジャ32は、タペット40の昇降に連動して、プランジャバレル31内を昇降する。
すなわち、カム軸11が回転すると、タペット40が貫通孔10a内を昇降する。つまり、クランク軸の回転力がカム12を介してタペット40に上昇力として伝達される。これに伴って、プランジャ32がプランジャバレル31内を昇降する。
プランジャ32が下降方向に移動すると、加圧室31aの体積が増大し、加圧室31a内の圧力が低下する。プランジャ32が前記吸入ポートと加圧室31aとが連通する状態となるまで下降したとき、燃料油が加圧室31a内に供給される。
一方、プランジャ32が上昇方向に移動して、前記吸入ポートと加圧室31aとが連通されない状態になると、加圧室31aの体積が減少し、加圧室31a内の圧力が上昇する。こうして加圧された加圧室31a内の燃料油は、上部ハウジング30に形成された通路30aを通って分配機構38に供給される(図1参照)。そして、分配機構38に供給された燃料油はデリバリバルブ39を経由して各気筒の燃料噴射ノズルから噴射される。
本実施形態の案内部50は、上部バネ受け34の下側に、上部バネ受け34と一体的に設けられる。案内部50と上部バネ受け34とを合わせたものは、例えば、金属材料を鋳造等の方法を用いて成形することにより、製造することができる。
案内部50は、図3〜図5に示すように、取付部50a及び庇(ひさし)部50bを有する。
詳述すると、案内面50cは、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面50cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れる(遠ざかる)ように形成される(図4参照)。
図4に示すように、案内面50cは、円周壁部40bの上端の少なくとも一部を上方及び鉛直上方から覆っている。本実施形態における案内面50cは、円周壁部40bの上端と全周にわたって対向するように配置されていて、円周壁部40bの全周を上方から覆っている。したがって、タペット40の底部から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油は、案内面50cにより受け止められる(案内面50cに衝突する)。
従前の燃料噴射ポンプにおいては、カム室内の潤滑油が、タペットとタペット孔との間の隙間等を通って、タペットの内側やバネ室に浸入する場合があった。そして、潤滑油がプランジャを伝って上昇したり、バネ室内に飛散したりして、上部バネ受けの内側に付着する場合があった。これは、一般的に潤滑油は高い粘性を有し、上部バネ受けの内側に付着し易い性質を持つためである。上部バネ受けの内側に付着した潤滑油は、プランジャバネを伝って再びタペット内部に入るため、タペット内には潤滑油が溜まってしまう。タペットは上下運動をするため、その潤滑油は再び飛沫となりプランジャやプランジャバレルの下部に付着し、その隙間に滲んで(隙間を通って)燃料油中に混入するおそれがあった。
この点、本実施形態の燃料噴射ポンプ1においては、タペット40の内側(底部)から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油は、案内部50の案内面50cにより受け止められる。すなわち、案内面50cは、円周壁部40bの上端の少なくとも一部を上方から覆うように設けられているから、上部バネ受け34側に上昇してきた潤滑油の少なくとも一部は案内面50cに付着する。案内面50cに付着した潤滑油は、その重量(重力)により、案内面50cの上部バネ受け側(径方向内側)の縁部からタペット側(径方向外側)の縁部に向かって、案内面50cを伝って流れる。換言すれば、案内面50cは、付着した潤滑油が案内部50の径方向外側に流れるように案内(誘導)する。そして、径方向外側に流れてきた潤滑油は、案内面50cのタペット側の縁部(下端部)から下方に滴り落ちる(滴下される)。ここで、案内面50cのタペット側の縁部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側に配置されているから、案内部50より滴下された潤滑油は、タペット40の内側には混入し難い。つまり、潤滑油の落下地点がタペット40の外側となる。よって、タペット40の内側及び上部バネ受け34の内側に溜まる潤滑油の量を、極力少なく抑えることができる。
第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1においては、案内部50は上部バネ受け34と一体的に設けられるものとした。しかしながら、この構成に代えて、案内部を上部バネ受けとは別体で設ける構成としてもよい。すなわち、案内部と上部バネ受けとをそれぞれ単独の部材としてもよい。
図6に示す案内部150は、このような第一実施形態の変形例1に係る案内部の具体例である。案内部150は、例えば、フッ素樹脂等の樹脂材料により構成されるものであり、加工成形焼成法等の方法を用いて容易に製造することができる。図6(b)に示すように、案内部150は、上部バネ受け34の下端部に嵌合(外嵌)された状態で、上部バネ受け34に取り付けられる。なお、案内部150は、取付部150a及び庇部150bを有し、該庇部150bの内周面はテーパ状の案内面150cを成している。
案内部150を上部バネ受け34とは別体で設けることにより、従前の上部バネ受けに案内部150を後付けすることができ、設計変更を最小限に抑えることができる。
また、図7に示す案内部250は、このような第一実施形態の変形例2に係る案内部の具体例である。案内部250は、板金状の部材であり、例えば、金属材料をプレス加工等の方法を用いて塑性加工することにより、容易に製造することができる。案内部250は、上部バネ受け34の下端部の外周に形成した係合溝34f(図7(b)参照)に係合された状態で、上部バネ受け34に取り付けられる。なお、案内部250は、取付部250a及び庇部250bを有し、該庇部250bの内周面はテーパ状の案内面250cを成している。取付部250aの上端部(上部バネ受け側の端部)は径方向内側に屈曲されており、当該屈曲された部分がリング状(環形状)の係合溝34fに係合される。
以下では、本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2の構成について、図8及び図9を参照して説明する。燃料噴射ポンプ2は、案内部50に代えて案内部60を具備する点で、第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1と相違する。
なお、以下の説明においては、燃料噴射ポンプ2を構成する部材のうち、燃料噴射ポンプ1に具備されていた部材と形状、材質、及び機能の点で概ね同様の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。以降で説明する各実施形態の燃料噴射ポンプに関しても、同様に説明を適宜省略する。
図8に示すように、本実施形態の案内部60は、上部バネ受け34の下側(下端部)のうち、最も鉛直下方となる部分に設けられる。換言すれば、案内部60は、上部バネ受け34の鉛直方向における最下端部(最下点)に相当する位置に設けられる。案内部60の上部バネ受け34とは反対側の端部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側(外周側)に延出される。本実施形態の案内部60は、上部バネ受け34と一体的に設けられる(図9参照)。
詳述すると、案内面60cは、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面60cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。
案内面60cは、円周壁部40bの上端の一部を上方から覆っている。本実施形態の案内面60cは、円周壁部40bの上端のうち、最も鉛直下方に配置される部分と対向するように形成されていて、タペット40の上端壁を上方から部分的に覆っている。したがって、タペット40の底部から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油の少なくとも一部は、案内面60cにより受け止められる(案内面60cに衝突する)。
すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ2においては、潤滑油が上昇してくる可能性が比較的高い部分、すなわちカム室110の潤滑油の液面と近い部分に限定して、案内部60を適用している。したがって、燃料噴射ポンプ2(上部バネ受け34)の構成の変更を最小限に抑えつつ、案内部60を燃料噴射ポンプ2に効果的に適用することができる。
第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2においては、案内部60は、上部バネ受け34の下側のうち、最も鉛直下方となる部分に設けるものとした。しかしながら、この構成に代えて、案内部を上部バネ受けの全周にわたって形成し、そのうちの最も鉛直下方に相当する部分だけをさらに径方向外側に延出するものとしてもよい。
図10に示す案内部160は、このような第二実施形態の変形例1に係る案内部の具体例である。案内部160には、テーパ状の案内面160aを有する部分と、該案内面160aから径方向外側に部分的に延出する延出面160bと、が形成される。案内面160aと延出面160bとは連続して設けられる(図10(b)参照)。このように構成することにより、案内面160aに付着した潤滑油は、該案内面160aを伝って延出面160bまで流れ、該延出面160bの先端部から下方に滴り落ちる。
以下では、本発明の第三実施形態に係る燃料噴射ポンプ3の構成について、図11及び図12を参照して説明する。燃料噴射ポンプ3は、上部バネ受け34に代えて上部バネ受け334を具備する点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
上部バネ受け334は、内周面に案内溝334c(図11及び図12(b)参照)が形成されている点で、第二実施形態に係る上部バネ受け34と相違する。
上部バネ受け334の下側には、案内部60が設けられる。案内部60の上部バネ受け334とは反対側の端部は、タペット40の円周壁部40bよりも径方向外側(外周側)に延出される。案内部60の内側の面(内面)は、案内面60cを成している。
すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ3においては、上部バネ受け334の内側(中央部334aの下側の底面視環形状の部分)に溜まった潤滑油は、案内溝334cを伝って案内面60cに案内(誘導)される。すなわち、上部バネ受け334の下端内側の縁(角部)に案内溝334cを形成することにより、潤滑油が上部バネ受け334の内側から案内面60cに移行し易くなる(容易に流れる)。よって、上部バネ受け334の内側に付着した潤滑油を効率よくタペット40の外側に滴下することが可能である。
以下では、本発明の第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ4の構成について、図13及び図14を参照して説明する。燃料噴射ポンプ4は、案内部60に代えて案内部70を具備する点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
詳述すると、案内面70cは、滑らかな曲面であり、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面70cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。
すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ4においては、案内部70の最下端部が下部ハウジング10の左側壁に当接しているから、案内部70の径方向外側の先端部から滴下される潤滑油は、下部ハウジング10の左側壁を伝って床部10bに滴り落ちる。したがって、床部10bに滴下された(落下した)潤滑油が跳ね返ってバネ室130内に飛散することを防止できる。
以下では、本発明の第五実施形態に係る燃料噴射ポンプ5の構成について、図15及び図16を参照して説明する。燃料噴射ポンプ5は、(1)案内部60に代えて案内部80を具備し、かつ、(2)床部10bに油落とし孔10c及び仕切り10dが形成されている点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
図15に示すように、油落とし孔10cは、床部10bを上下方向に貫通するように形成された孔である。油落とし孔10cは、床部10bの上側の領域(バネ室130)と、床部10bの下側の領域(カム室110)と、を連通する。
なお、本発明に係る仕切り10dの形状は、本実施形態の如き平面視円弧形状のものに限るものではなく、例えば長方形状に構成してもよい。あるいは、貫通孔10aの外縁部から立設する円筒形状の部材として構成してもよい。
詳述すると、案内面80cは、滑らかな曲面であり、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面80cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。案内面80cは、油落とし孔10cの少なくとも一部を鉛直上方から覆っている。
すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ5においては、床部10bに油落とし孔10cが形成されているから、床部10bに滴り落ちた潤滑油は油落とし孔10cを通ってカム室110内に回収される。したがって、バネ室130(床部10bの上面)に溜まる潤滑油の量を低減することができ、ひいては潤滑油が燃料系統に混入することを抑制できる。
また、本実施形態の燃料噴射ポンプ5においては、案内部80の最下端部が油落とし孔10cの鉛直上方に配置されているから、案内部80の径方向外側の先端部から滴下された潤滑油は、直接油落とし孔10c内に滴下されるか、或いは、床部10bの上面を伝って油落とし孔10cに滴下されることとなる。また、床部10bの上面のうち潤滑油が落下する領域は、案内部80により上方から覆われているので、潤滑油が周辺に飛散し難い。よって、潤滑油が床部10bにおいて跳ね返ってバネ室130内に飛散することを極力防止しつつ、潤滑油を油落とし孔10cに回収することができる。
以下では、本発明の第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ6の構成について、図17及び図18を参照して説明する。燃料噴射ポンプ6は、案内部80(第二実施形態における案内部60に相当する部材)にさらに誘導部材81が設けられている点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ6においては、上部バネ受け34の内側に溜まった潤滑油は、案内面80cを伝って誘導部材81の上端部(上部バネ受け側の端部)に案内される。そして、誘導部材81の上端部に到達した潤滑油は、誘導部材81の内側(管の内周面)を伝って誘導部材81の下端部まで流れる。こうして、潤滑油が誘導部材81の下端部から油落とし孔10c内に滴下される。したがって、潤滑油が床部10bに落下することなく油落とし孔10cに直接滴下されるから、潤滑油が床部10bにおいて跳ね返ってバネ室130内に飛散することを極力防止しつつ、潤滑油をカム室110内に速やかに回収することができる。
第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ6においては、誘導部材81は管状の形状を有するものとした。しかしながら、この構成に代えて、誘導部材を樋(とい)状の形状を有する構成としてもよい。
図19及び図20に示す誘導部材181は、このような第六実施形態の変形例1に係る誘導部材の具体例である。誘導部材181は、断面視がU字形状の樋状に形成された部材である。換言すれば、誘導部材181は溝状の部材である。図19に示すように、誘導部材181の下端部は、油落し孔10cに接続される。換言すれば、誘導部材181の案内部80とは反対側の先端部は、油落とし孔10c内に収容される。誘導部材181の内側は、潤滑油が流れる溝(通路)を成している。誘導部材181の内周面と、案内部80の案内面80cと、は滑らかな曲面により繋がれている(図20(b)参照)。
このように構成することにより、潤滑油が床部10bに落下することを極力防止して、より多くの潤滑油を油落とし孔10c内に直接滴下することができる。また、案内面80cにて受け止めることにより広範囲において集めた潤滑油を、誘導部材181により一つの箇所に集約し、所望の位置に集中的に滴下することができる。
10 下部ハウジング(ハウジング)
12 カム
31 プランジャバレル
32 プランジャ
33 下部バネ受け
34 上部バネ受け
35 プランジャバネ
40 タペット
50 案内部
50c 案内面(案内部の内面)
L (プランジャの)軸線
Claims (10)
- プランジャバレル内を昇降することにより燃料油を圧送するプランジャと、
該プランジャの下端部に係合される下部バネ受けと、
該下部バネ受けと対向して配置され、前記プランジャバレルに嵌装される上部バネ受けと、
前記下部バネ受け及び前記上バネ受けの間に介在され、前記プランジャを下降方向に付勢するプランジャバネと、
前記下部バネ受けを嵌合し、ハウジングに形成された貫通孔に昇降可能に嵌装されるタペットと、
前記ハウジングの下部に回転可能に支持されるとともに前記タペットを介して前記プランジャを昇降するカムと、を備える燃料噴射ポンプにおいて、
前記上部バネ受けの下側に、前記タペットの上端壁よりも外周側へ延出する案内部を設ける、ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。 - 請求項1に記載の燃料噴射ポンプであって、前記プランジャの軸線に対する前記案内部の内面の角度αは、鉛直方向に対する前記プランジャの軸線の角度(取付角)βよりも大きく構成した、ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
- 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側全周に設けられる、燃料噴射ポンプ。
- 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側の、鉛直方向における最下端部に設けられる、燃料噴射ポンプ。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記上部バネ受けの下端部の内側に、前記案内部へ潤滑油を案内する案内溝が形成される、燃料噴射ポンプ。
- 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記ハウジングには、前記カムを収容するカム室と、該カム室の上方に配置されるとともに前記下部バネ受けや上部バネ受けやプランジャバネ等を収容するバネ室と、が形成され、前記案内部の下端下方位置における前記ハウジングのカム室とバネ室を隔てる床部に、上下方向に貫通する油落とし孔が形成される、燃料噴射ポンプ。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端下方位置とタペットとの間に、前記ハウジングの床部より上方に延出される仕切りが形成される、燃料噴射ポンプ。
- 請求項4から請求項7までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、
前記案内部の下側には、下方の所望の位置まで延出される延長部が形成される、燃料噴射ポンプ。 - 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端部には、潤滑油の通路を成す管状または樋状の誘導部材が連結され、前記誘導部材の下端は、前記ハウジングに形成される油落とし孔に接続される、燃料噴射ポンプ。
- 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の燃焼噴射ポンプであって、前記案内部は前記上部バネ受けと一体または別体に設けた、燃料噴射ポンプ。
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