JP5535009B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射装置に具備される燃料噴射ポンプに関し、より特定的には、潤滑油の燃料油への混入量を低減するための技術に関する。
従来、燃料油を加圧してエンジンの燃料噴射ノズルまで圧送する燃料噴射ポンプが広く知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。特許文献1に記載の燃料噴射ポンプのハウジングの下側領域には、カム軸が架け渡される。ハウジングの下側領域は潤滑油によって潤滑される領域であり、床部によってハウジングの上側領域と区画されている。ハウジングの上側領域には、プランジャバレルが設けられる。プランジャバレル内には、プランジャが昇降可能に嵌装される。そして、プランジャの下端部には下部バネ受けが係合され、プランジャバレルの下端部には上部バネ受けが嵌装され、下部バネ受けと上部バネ受けとの間にはプランジャバネが介在される。また、ハウジングの床部には、上側領域と下側領域とを連通するタペット孔が形成され、該タペット孔にはタペットが昇降可能に嵌装される。プランジャバネからの付勢力を下部バネ受けを介して受けることにより、プランジャの下端部がタペットの底部に押し付けられている。
このような構成により、プランジャには、プランジャバネからの下降力(プランジャを下降方向に押す力)が付与されるとともに、タペットからの上昇力(プランジャを上昇方向に押す力)が付与される。これらの力が付与されることにより、プランジャがプランジャバレル内を昇降運動し、プランジャバレル上部の加圧室内に供給された燃料油が加圧される。
ここで、ハウジングの下側領域内の潤滑油は、タペットとタペット孔との間の隙間等から、タペットの内側やハウジングの上側領域に浸入する場合があった。そして、浸入した潤滑油が、タペットの内側(底部)や上部バネ受けの内側等に溜まって油溜まりが生じると、潤滑油がプランジャの下部に付着し、プランジャの上下運動によりプランジャとプランジャバレルとの間の隙間を通過して、加圧室内に浸入するおそれがあった。潤滑油が加圧室内の燃料油に混入すると、燃料油が黒色化したり、燃料噴射ノズルにおいて噴射不良が生じたりするために、エンジンの性能の悪化を招くおそれがあった。
特開2002−70692号公報
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、飛沫状態で存在する潤滑油がタペットの内側及び上部バネ受けの内側に溜まることを抑制でき、ひいてはプランジャの下部への潤滑油の付着を抑制し、潤滑油の燃料油への混入量を低減することができる燃料噴射ポンプを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、プランジャバレル内を昇降することにより燃料油を圧送するプランジャと、該プランジャの下端部に係合される下部バネ受けと、該下部バネ受けと対向して配置され、前記プランジャバレルに嵌装される上部バネ受けと、前記下部バネ受け及び前記上バネ受けの間に介在され、前記プランジャを下降方向に付勢するプランジャバネと、前記下部バネ受けを嵌合し、ハウジングに形成された貫通孔に昇降可能に嵌装されるタペットと、前記ハウジングの下部に回転可能に支持されるとともに前記タペットを介して前記プランジャを昇降するカムと、を備える燃料噴射ポンプにおいて、前記上部バネ受けの下側に、前記タペットの上端壁よりも外周側へ延出する案内部を設けるものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料噴射ポンプであって、前記プランジャの軸線に対する前記案内部の内面の角度αは、鉛直方向に対する前記プランジャの軸線の取付角βよりも大きく構成したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側全周に設けられるものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側の、鉛直方向における最下端部に設けられるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記上部バネ受けの下端部の内側に、前記案内部へ潤滑油を案内する案内溝が形成されるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記ハウジングには、前記カムを収容するカム室と、該カム室の上方に配置されるとともに前記下部バネ受けや上部バネ受けやプランジャバネ等を収容するバネ室と、が形成され、前記案内部の下端下方位置における前記ハウジングのカム室とバネ室を隔てる床部に、上下方向に貫通する油落とし孔が形成されるものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端下方位置とタペットとの間に、前記ハウジングの床部より上方に延出される仕切りが形成されるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端部には、潤滑油の通路を成す管状または樋状の誘導部材が連結され、前記誘導部材の下端は、前記ハウジングに形成される油落とし孔に接続されるものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は前記上部バネ受けと一体または別体に設けたものである。
請求項1に記載の発明によれば、カムやタペット等を潤滑するための潤滑油が、タペットやプランジャや下部バネ受けの昇降により上昇したり、飛散したりして、上部バネ受けの内側に付着した場合、その潤滑油は案内部に案内されて、タペットの外側へ流れて滴り落ちる。
したがって、潤滑油がタペットの内側及び上部バネ受けの内側に溜まることを抑制できる。その結果、潤滑油がプランジャとプランジャバレルとの間の隙間を通って燃料系統(加圧室等)に混入する量を低減できる。ひいては、燃料油の黒色化及びエンジン性能の悪化を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、案内部に案内される潤滑油は、タペットから離れる方向に流れて案内部から滴り落ちるため、確実に潤滑油をタペットの外側へ滴下することができる。
請求項3に記載の発明によれば、タペットやプランジャや下部バネ受けの昇降により上昇したり、飛散したりした潤滑油を、案内部の広い範囲で受け止めて収集することが可能となり、タペットの上方の全周で集めた潤滑油を、タペットの外側へ流し滴下することができる。
請求項4に記載の発明によれば、燃料噴射ポンプ(上部バネ受け)の構成の変更を最小限に抑えつつ、案内部を燃料噴射ポンプに効果的に適用することができる。
請求項5に記載の発明によれば、タペットやプランジャや下部バネ受けの昇降により上昇したり、飛散したりした潤滑油が上部バネ受けに付着すると、案内溝を伝って案内部へ流れ易くなる。したがって、効率良く潤滑油を収集してタペットの外側へ滴下することができる。
請求項6に記載の発明によれば、案内部より滴り落ちる潤滑油は、直接油落とし孔内に滴下され、周辺に飛散することなくカム室内に回収される。また、バネ室に溜まる潤滑油の量を低減することができ、潤滑油が飛散して燃料系統に混入することを抑制できる。
請求項7に記載の発明によれば、潤滑油が案内部から滴り落ちる箇所(落下地点)は、仕切りによりタペット側と分離されているので、潤滑油が跳ね返ってもタペットの内側に混入し難い。
請求項8に記載の発明によれば、案内部に付着した潤滑油は、誘導部材に沿ってハウジングの油落とし孔内へ誘導され、周辺に飛散することなく確実に油落とし孔からカム室に滴下される。
請求項9に記載の発明によれば、案内部を上部バネ受けと一体に設けた場合には、部品点数を増やすことなく案内部を燃料噴射ポンプに設けることができる。したがって、案内部を上部バネ受けに対して位置決めしたりする必要がなく、案内部を燃料噴射ポンプに容易に適用することができる。
一方、上部バネ受けと別体に設けた場合には、案内部を従前の燃料噴射ポンプに容易に付加することができる。また、案内部を、例えばプレス加工や樹脂成形等により単独の部材として製造することができ、容易に実現することができる。
本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの構成を示す左側面図である。 本発明の第一実施形態に係る燃焼噴射ポンプの構成を示す後面断面図である。 第一実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す斜視図である。 第一実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す後面断面図である。図中の太い点線で示した矢印は、潤滑油の流れかたを示している。 第一実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第一実施形態の変形例1に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第一実施形態の変形例2に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第二実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す後面断面図である。図中の太い点線で示した矢印は、潤滑油の流れかたを示している。 第二実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第二実施形態の変形例1に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第三実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す後面断面図である。図中の太い点線で示した矢印は、潤滑油の流れかたを示している。 第三実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第四実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す後面断面図である。 第四実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第五実施形態に係る上部バネ受け及び案内部の構成を示す後面断面図である。 第五実施形態に係る燃料噴射ポンプの下部ハウジングを上方から見たときの図であり、図中の点線で示した部材は、上部バネ受け及び案内部を示している。 第六実施形態に係る上部バネ受け、案内部、及び誘導部材の構成を示す後面断面図である。 第六実施形態に係る上部バネ受け、案内部、及び誘導部材の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。 第六実施形態の変形例1に係る上部バネ受け、案内部、及び誘導部材の構成を示す後面断面図である。 第六実施形態の変形例1に係る上部バネ受け、案内部、及び誘導部材の構成を示す拡大図であり、(a)は平面図、(b)は後面断面図である。
以下では、本発明の好適な実施形態について、添付図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
以下では、本発明の第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1の全体的な構成について、図1及び図2を参照して説明する。なお、本明細書中の説明においては、カム軸11の軸線方向を前後方向と規定するとともにカム12が配置される側を後方と規定し、プランジャ32の軸線方向を上下方向と規定するとともに加圧室31aが形成される側を上方と規定する。また、重力が作用する方向を鉛直下方と規定し、重力が作用する方向とは反対の方向を鉛直上方と規定する。
燃料噴射ポンプ1は、エンジンの燃料噴射装置に具備される装置であり、燃料油を分配機構38を介して各気筒の燃料噴射ノズルまで圧送するものである。本実施形態の燃料噴射ポンプ1は、上部を成す構造体である上部ハウジング30と、下部を成す構造体である下部ハウジング10と、を上下に接合して構成される。下部ハウジング10には、上側の領域と下側の領域とを概ね区画する床部10bが形成される。床部10bの下側の領域には、カム室110が形成される。床部10bの上側の領域には、バネ室130が形成される。
下部ハウジング10には、カム12と一体のカム軸11、及びタペット40等が組み付けられる。
カム軸11は、下部ハウジング10のカム室110に回転可能に架け渡される。カム軸11は、エンジンのクランク軸の回転力が伝達されることにより回転される。カム12は、カム軸11と一体的に回転する。
タペット40は、下端部を閉塞した円筒形状の部材である。より具体的には、タペット40は、カップ状に形成されたローラ支持体40aと、該ローラ支持体40aの外周から上方に突出した円周壁部40b(ガイド)と、を有する。タペット40は、ローラ支持体40aを下方に向けた状態で、下部ハウジング10に形成された貫通孔10aに嵌装される。タペット40は、貫通孔10a内を昇降可能である。タペット40のローラ支持体40aには、ローラ42が回転可能に支持され、該ローラ42の外周面は、カム12の外周面と当接している。このような構成により、クランク軸の回転力は、カム12により昇降運動に変換されて、ローラ42を介してタペット40に伝達される。
上部ハウジング30には、プランジャバレル31、プランジャ32、下部バネ受け33、上部バネ受け34、及びプランジャバネ35等が組み付けられる。
プランジャバレル31は、中央部に円柱形状の空洞が形成された概ね円筒形状の部材である。プランジャバレル31は、その下端部がバネ室130内に開放(開口)された状態で、上部ハウジング30に固定される。
プランジャ32は、概ね円柱形状の部材である。プランジャ32は、プランジャバレル31に嵌装された状態で、タペット40の上方に配置される。プランジャ32は、プランジャバレル31の内周面に沿って軸線方向にスライド可能である。換言すれば、プランジャ32はプランジャバレル31の円柱形状の空洞内を昇降可能である。プランジャバレル31の内周面と、プランジャ32の上面と、によって区画された空間は、燃料油を加圧するための加圧室31aを構成している。プランジャ32がプランジャバレル31内(前記円柱形状の空洞内)を昇降することにより、加圧室31aの体積が増減される。なお、燃料油は、プランジャバレル31に形成された吸入ポートから加圧室31a内に供給される。
下部バネ受け33は、概ね円盤形状の部材である。下部バネ受け33の上部に形成された係合溝には、プランジャ32の下端部が相対回転可能に係合される。下部バネ受け33は、タペット40に嵌合(内嵌)される。換言すれば、下部バネ受け33はタペット40の内側の底に収容される。
上部バネ受け34は、その内周に段差を有する概ね円筒形状の部材である。詳述すると、上部バネ受け34の軸線方向における中央部34a(上下中途部)の内周面は、その他の部分の内周面よりも径方向の寸法が小さく設定される(縮径されている)。上部バネ受け34は、コントロールスリーブ36を介してプランジャバレル31に嵌装(外嵌)される。このとき、上部バネ受け34の中央部34aの内周面と、コントロールスリーブ36の外周面と、が相互に接触した状態である。上部バネ受け34は、下部バネ受け33の上方に相当する位置に、下部バネ受け33と対向するように配置される。
上部バネ受け34の下側には、案内部50が設けられる。案内部50の上部バネ受け34とは反対側の端部(下端部)は、タペット40の円周壁部40bの上端(上端壁)よりも径方向外側(外周側)に延出される。案内部50を設けることにより、潤滑油がタペット40の内側及び上部バネ受け34の内側に溜まることを抑制できる。案内部50の構成及び機能については、後に詳述する。
プランジャバネ35は、プランジャ32の外周を取り囲むとともに、下部バネ受け33と上部バネ受け34との間に介在するように取り付けられる。プランジャバネ35の下端部は、タペット40の内側に嵌装された状態で、下部バネ受け33により支持されている。プランジャバネ35の上端部は、上部バネ受け34の下部(中央部34aの下側の背面視環形状の部分)に嵌装された状態で、上部バネ受け34により支持されている。上部バネ受け34は、プランジャバネ35から受ける付勢力により、上部ハウジング30及びプランジャバレル31の下端部に押し付けられている。また、プランジャ32は、プランジャバネ35から受ける付勢力により、下降方向に付勢されている。このような構成により、プランジャ32の下端部は、下部バネ受け33を介してタペット40の内側の底に押し付けられている。したがって、プランジャ32は、タペット40の昇降に連動して、プランジャバレル31内を昇降する。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ1は、以下のように作動する。すなわち、カム軸11が回転すると、タペット40が貫通孔10a内を昇降する。つまり、クランク軸の回転力がカム12を介してタペット40に上昇力として伝達される。これに伴って、プランジャ32がプランジャバレル31内を昇降する。プランジャ32が下降方向に移動すると、加圧室31aの体積が増大し、加圧室31a内の圧力が低下する。プランジャ32が前記吸入ポートと加圧室31aとが連通する状態となるまで下降したとき、燃料油が加圧室31a内に供給される。一方、プランジャ32が上昇方向に移動して、前記吸入ポートと加圧室31aとが連通されない状態になると、加圧室31aの体積が減少し、加圧室31a内の圧力が上昇する。こうして加圧された加圧室31a内の燃料油は、上部ハウジング30に形成された通路30aを通って分配機構38に供給される(図1参照)。そして、分配機構38に供給された燃料油はデリバリバルブ39を経由して各気筒の燃料噴射ノズルから噴射される。
以下では、案内部50の構成について、図2〜図5を参照して詳細に説明する。本実施形態の案内部50は、上部バネ受け34の下側に、上部バネ受け34と一体的に設けられる。案内部50と上部バネ受け34とを合わせたものは、例えば、金属材料を鋳造等の方法を用いて成形することにより、製造することができる。案内部50は、図3〜図5に示すように、取付部50a及び庇(ひさし)部50bを有する。
取付部50aは、案内部50の上部を成す部分であり、円筒形状に形成される(図3及び図5参照)。取付部50aは、上部バネ受け34に固定される。より詳細には、取付部50aの内周面が、上部バネ受け34の下端部の外周面と連続して設けられる。
庇部50bは、案内部50の下部を成す部分である(図3及び図5(b)参照)。庇部50bは、円筒形状の部材の内周面をテーパ状に加工したような形状を有する。庇部50bの内周面(前記テーパ状の部分)は、案内面50cを成している。案内面50cは、本発明に係る案内部の「内面」の実施の一形態である。詳述すると、案内面50cは、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面50cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れる(遠ざかる)ように形成される(図4参照)。
案内面50cの上部バネ受け側(径方向内側)の縁部は、取付部50aの内周面の下端部と連続している。案内面50cのタペット側(径方向外側)の縁部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側に配置される。案内面50cの上部バネ受け側の縁部と、タペット側の縁部と、の間は、テーパ状の滑らかな曲面により繋がれている。図4に示すように、案内面50cは、円周壁部40bの上端の少なくとも一部を上方及び鉛直上方から覆っている。本実施形態における案内面50cは、円周壁部40bの上端と全周にわたって対向するように配置されていて、円周壁部40bの全周を上方から覆っている。したがって、タペット40の底部から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油は、案内面50cにより受け止められる(案内面50cに衝突する)。
ここで本実施形態では、図4に示すように、上下方向(プランジャ32の軸線Lの方向)に対する案内面50cの傾き(角度α)は、鉛直方向に対する上下方向(プランジャ32の軸線Lの方向)の傾き(角度β)よりも大きく設定されている(α>β)。つまり、案内面50cは、鉛直下方に対して若干外側に広がっていて、末広がりに形成されている。よって、案内面50cにより受け止められた潤滑油の液滴は、案内面50cに沿ってプランジャ32の軸線に対して外下方に流れることとなる。なお、「角度β」は燃料噴射ポンプ1のポンプ取付角度に相当する。
このような構成の燃料噴射ポンプ1において、下部ハウジング10のカム室110内には、カム12の少なくとも一部が浸かる程度の潤滑油が供給されている。潤滑油は、カム12とローラ42との当接部、タペット40と貫通孔10aとの接触面(摺動面)等において、部材間のすべり運動により生じる摩擦力や摩耗を低減させる役割を果たす。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ1は、以下に示す効果及び利点を奏する。従前の燃料噴射ポンプにおいては、カム室内の潤滑油が、タペットとタペット孔との間の隙間等を通って、タペットの内側やバネ室に浸入する場合があった。そして、潤滑油がプランジャを伝って上昇したり、バネ室内に飛散したりして、上部バネ受けの内側に付着する場合があった。これは、一般的に潤滑油は高い粘性を有し、上部バネ受けの内側に付着し易い性質を持つためである。上部バネ受けの内側に付着した潤滑油は、プランジャバネを伝って再びタペット内部に入るため、タペット内には潤滑油が溜まってしまう。タペットは上下運動をするため、その潤滑油は再び飛沫となりプランジャやプランジャバレルの下部に付着し、その隙間に滲んで(隙間を通って)燃料油中に混入するおそれがあった。この点、本実施形態の燃料噴射ポンプ1においては、タペット40の内側(底部)から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油は、案内部50の案内面50cにより受け止められる。すなわち、案内面50cは、円周壁部40bの上端の少なくとも一部を上方から覆うように設けられているから、上部バネ受け34側に上昇してきた潤滑油の少なくとも一部は案内面50cに付着する。案内面50cに付着した潤滑油は、その重量(重力)により、案内面50cの上部バネ受け側(径方向内側)の縁部からタペット側(径方向外側)の縁部に向かって、案内面50cを伝って流れる。換言すれば、案内面50cは、付着した潤滑油が案内部50の径方向外側に流れるように案内(誘導)する。そして、径方向外側に流れてきた潤滑油は、案内面50cのタペット側の縁部(下端部)から下方に滴り落ちる(滴下される)。ここで、案内面50cのタペット側の縁部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側に配置されているから、案内部50より滴下された潤滑油は、タペット40の内側には混入し難い。つまり、潤滑油の落下地点がタペット40の外側となる。よって、タペット40の内側及び上部バネ受け34の内側に溜まる潤滑油の量を、極力少なく抑えることができる。
<第一実施形態の変形例1>
第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1においては、案内部50は上部バネ受け34と一体的に設けられるものとした。しかしながら、この構成に代えて、案内部を上部バネ受けとは別体で設ける構成としてもよい。すなわち、案内部と上部バネ受けとをそれぞれ単独の部材としてもよい。図6に示す案内部150は、このような第一実施形態の変形例1に係る案内部の具体例である。案内部150は、例えば、フッ素樹脂等の樹脂材料により構成されるものであり、加工成形焼成法等の方法を用いて容易に製造することができる。図6(b)に示すように、案内部150は、上部バネ受け34の下端部に嵌合(外嵌)された状態で、上部バネ受け34に取り付けられる。なお、案内部150は、取付部150a及び庇部150bを有し、該庇部150bの内周面はテーパ状の案内面150cを成している。案内部150を上部バネ受け34とは別体で設けることにより、従前の上部バネ受けに案内部150を後付けすることができ、設計変更を最小限に抑えることができる。
<第一実施形態の変形例2>
また、図7に示す案内部250は、このような第一実施形態の変形例2に係る案内部の具体例である。案内部250は、板金状の部材であり、例えば、金属材料をプレス加工等の方法を用いて塑性加工することにより、容易に製造することができる。案内部250は、上部バネ受け34の下端部の外周に形成した係合溝34f(図7(b)参照)に係合された状態で、上部バネ受け34に取り付けられる。なお、案内部250は、取付部250a及び庇部250bを有し、該庇部250bの内周面はテーパ状の案内面250cを成している。取付部250aの上端部(上部バネ受け側の端部)は径方向内側に屈曲されており、当該屈曲された部分がリング状(環形状)の係合溝34fに係合される。
<第二実施形態>
以下では、本発明の第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2の構成について、図8及び図9を参照して説明する。燃料噴射ポンプ2は、案内部50に代えて案内部60を具備する点で、第一実施形態に係る燃料噴射ポンプ1と相違する。なお、以下の説明においては、燃料噴射ポンプ2を構成する部材のうち、燃料噴射ポンプ1に具備されていた部材と形状、材質、及び機能の点で概ね同様の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。以降で説明する各実施形態の燃料噴射ポンプに関しても、同様に説明を適宜省略する。
以下では、案内部60の構成について、図8及び図9を参照して詳細に説明する。図8に示すように、本実施形態の案内部60は、上部バネ受け34の下側(下端部)のうち、最も鉛直下方となる部分に設けられる。換言すれば、案内部60は、上部バネ受け34の鉛直方向における最下端部(最下点)に相当する位置に設けられる。案内部60の上部バネ受け34とは反対側の端部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側(外周側)に延出される。本実施形態の案内部60は、上部バネ受け34と一体的に設けられる(図9参照)。
案内部60は、嘴(くちばし)状に形成される。案内部60の径方向内側の端部は、上部バネ受け34の最下端部と連続して設けられる。図9(a)に示すように、案内部60の径方向外側の端部は、先端部に向かうに従って幅が狭くなるように(先細り形状に)形成される。
図9(b)に示すように、案内部60の内側の面(内面)は、案内面60cを成している。案内面60cは、本発明に係る案内部の「内面」の実施の一形態である。詳述すると、案内面60cは、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面60cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。
案内面60cの上部バネ受け側(径方向内側)の縁部は、上部バネ受け34の内周面の下端部と連続している。案内面60cのタペット側(径方向外側)の縁部は、タペット40の円周壁部40bの上端よりも径方向外側に配置される。案内面60cの上部バネ受け側の縁部と、タペット側の縁部と、の間は、滑らかな曲面により繋がれている。案内面60cは、円周壁部40bの上端の一部を上方から覆っている。本実施形態の案内面60cは、円周壁部40bの上端のうち、最も鉛直下方に配置される部分と対向するように形成されていて、タペット40の上端壁を上方から部分的に覆っている。したがって、タペット40の底部から上部バネ受け側に上昇してきた潤滑油の少なくとも一部は、案内面60cにより受け止められる(案内面60cに衝突する)。
図8に示すように、本実施形態に係る燃料噴射ポンプ2のプランジャ32の軸線L(図4参照)は鉛直方向に対して傾いているので、タペット40の円周壁部40bの上端のうち案内部60cと対向している部分は、円周壁部40bの上端のその他の部分と比べて、カム室110内の潤滑油の液面に近い位置に配置されている。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ2は、以下に示す効果及び利点を奏する。すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ2においては、潤滑油が上昇してくる可能性が比較的高い部分、すなわちカム室110の潤滑油の液面と近い部分に限定して、案内部60を適用している。したがって、燃料噴射ポンプ2(上部バネ受け34)の構成の変更を最小限に抑えつつ、案内部60を燃料噴射ポンプ2に効果的に適用することができる。
<第二実施形態の変形例1>
第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2においては、案内部60は、上部バネ受け34の下側のうち、最も鉛直下方となる部分に設けるものとした。しかしながら、この構成に代えて、案内部を上部バネ受けの全周にわたって形成し、そのうちの最も鉛直下方に相当する部分だけをさらに径方向外側に延出するものとしてもよい。図10に示す案内部160は、このような第二実施形態の変形例1に係る案内部の具体例である。案内部160には、テーパ状の案内面160aを有する部分と、該案内面160aから径方向外側に部分的に延出する延出面160bと、が形成される。案内面160aと延出面160bとは連続して設けられる(図10(b)参照)。このように構成することにより、案内面160aに付着した潤滑油は、該案内面160aを伝って延出面160bまで流れ、該延出面160bの先端部から下方に滴り落ちる。
<第三実施形態>
以下では、本発明の第三実施形態に係る燃料噴射ポンプ3の構成について、図11及び図12を参照して説明する。燃料噴射ポンプ3は、上部バネ受け34に代えて上部バネ受け334を具備する点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
以下では、上部バネ受け334の構成について、図12を参照して説明する。上部バネ受け334は、内周面に案内溝334c(図11及び図12(b)参照)が形成されている点で、第二実施形態に係る上部バネ受け34と相違する。
上部バネ受け334は、その内周に段差を有する概ね円筒形状の部材である。詳述すると、上部バネ受け334の軸線方向における中央部334a(上下中途部)の内周面は、その他の部分の内周面よりも径方向の寸法が小さく設定される。上部バネ受け334は、コントロールスリーブ36を介してプランジャバレル31に嵌装(外嵌)される。このとき、上部バネ受け334の中央部334aの内周面と、コントロールスリーブ36の外周面と、が接触した状態である。上部バネ受け334は、下部バネ受け33と対向するように配置される。上部バネ受け334の下側には、案内部60が設けられる。案内部60の上部バネ受け334とは反対側の端部は、タペット40の円周壁部40bよりも径方向外側(外周側)に延出される。案内部60の内側の面(内面)は、案内面60cを成している。
図12(b)に示すように、案内溝334cは、上部バネ受け334の内側(内周面)における下端部にリング状(環形状)に形成される。本実施形態の案内溝334cは、上部バネ受け334の下端内側の縁(角部)を全周にわたって切削することにより形成される。上部バネ受け334の下部の内周面と、案内面60cと、は案内溝334cにより繋がれている。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ3は、以下に示す効果及び利点を奏する。すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ3においては、上部バネ受け334の内側(中央部334aの下側の底面視環形状の部分)に溜まった潤滑油は、案内溝334cを伝って案内面60cに案内(誘導)される。すなわち、上部バネ受け334の下端内側の縁(角部)に案内溝334cを形成することにより、潤滑油が上部バネ受け334の内側から案内面60cに移行し易くなる(容易に流れる)。よって、上部バネ受け334の内側に付着した潤滑油を効率よくタペット40の外側に滴下することが可能である。
<第四実施形態>
以下では、本発明の第四実施形態に係る燃料噴射ポンプ4の構成について、図13及び図14を参照して説明する。燃料噴射ポンプ4は、案内部60に代えて案内部70を具備する点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
案内部70は嘴状に形成される。図13に示すように、案内部70の径方向内側の端部は、上部バネ受け34の最下端部と連続して設けられる。図14(a)に示すように、案内部70の径方向外側の端部は、先端部に向かうに従って幅が狭くなるように(先細り形状に)形成される。図14(b)に示すように、案内部70の径方向外側の先端部は、所望の位置まで延出される。本実施形態においては、案内部70の径方向外側の先端部は、下部ハウジング10の左側壁に当接している(図13参照)。下部ハウジング10の床部10bの上面の一部は、案内部70により上方から覆われている。
案内部70の内側の面(内面)は、案内面70cを成している。案内面70cは、本発明に係る案内部の「内面」の実施の一形態である。詳述すると、案内面70cは、滑らかな曲面であり、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面70cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ4は、以下に示す効果及び利点を奏する。すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ4においては、案内部70の最下端部が下部ハウジング10の左側壁に当接しているから、案内部70の径方向外側の先端部から滴下される潤滑油は、下部ハウジング10の左側壁を伝って床部10bに滴り落ちる。したがって、床部10bに滴下された(落下した)潤滑油が跳ね返ってバネ室130内に飛散することを防止できる。
なお、本実施形態における案内部70は、下部ハウジング10の左側壁に当接する位置まで延出されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、案内部の径方向外側の先端部(最下端部)を、潤滑油の落下地点としたい所望の位置(望ましくはタペットから離れた位置)まで延出する構成とすることが可能である。
また、本実施形態の構成に代えて、燃料噴射ポンプ2における案内部60に、別途製造した断面視U字形状のへら状の延長部を取り付ける構成としてもよい。具体的には、案内部60の最下端部に前記延長部の上端部を溶接により固定し、該延長部の下端部をタペットから離れた位置まで延出(延長)する構成とすることができる。このように構成することにより、案内部60の構成の変更を最小限に抑えつつ、案内部60の径方向外側の先端部を所望の位置まで延長することができる。
<第五実施形態>
以下では、本発明の第五実施形態に係る燃料噴射ポンプ5の構成について、図15及び図16を参照して説明する。燃料噴射ポンプ5は、(1)案内部60に代えて案内部80を具備し、かつ、(2)床部10bに油落とし孔10c及び仕切り10dが形成されている点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
下部ハウジング10の床部10bには、一つの油落とし孔10cと、一つの仕切り10dと、が形成される。なお、油落とし孔及び仕切り部を下部ハウジングの複数箇所に形成する構成としてもよい。図15に示すように、油落とし孔10cは、床部10bを上下方向に貫通するように形成された孔である。油落とし孔10cは、床部10bの上側の領域(バネ室130)と、床部10bの下側の領域(カム室110)と、を連通する。
仕切り10dは、床部10bから上方に突出(延出)する板状の部分(片)である。図16に示すように、本実施形態の仕切り10dは、平面視において油落とし孔10cの外周に沿った円弧状の形状を有し、油落とし孔10cの外周を取り囲んでいる。平面視において、床部10bの油落とし孔10cの周辺の領域と、貫通孔10aの周辺の領域と、は仕切り10dにより区画されている(隔てられている)。なお、本発明に係る仕切り10dの形状は、本実施形態の如き平面視円弧形状のものに限るものではなく、例えば長方形状に構成してもよい。あるいは、貫通孔10aの外縁部から立設する円筒形状の部材として構成してもよい。
案内部80は嘴状に形成される。案内部80の径方向内側の端部は、上部バネ受け34の最下端部と連続して設けられる。案内部80の径方向外側の端部は、先端部に向かうに従って幅が狭くなるように形成される。本実施形態の案内部80の径方向外側の先端部であって、鉛直方向における最下端部(最下点)に相当する部分は、仕切り10dを越えて油落とし孔10cの鉛直上方まで延出される。また、本実施形態においては、案内部80の径方向外側の先端部は、仕切り10dの上端よりも下方に配置される。下部ハウジング10の床部10bの上面の一部は、案内部80により上方から覆われている。
案内部80の内側の面(内面)は、案内面80cを成している。案内面80cは、本発明に係る案内部の「内面」の実施の一形態である。詳述すると、案内面80cは、滑らかな曲面であり、タペット側(下方)に向かうに従って次第に径方向外側に張り出すように形成される。換言すれば、案内面80cの下部は、下方に向かうに従ってタペット40の円周壁部40bから離れるように形成される。案内面80cは、油落とし孔10cの少なくとも一部を鉛直上方から覆っている。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ5は、以下に示す効果及び利点を奏する。すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ5においては、床部10bに油落とし孔10cが形成されているから、床部10bに滴り落ちた潤滑油は油落とし孔10cを通ってカム室110内に回収される。したがって、バネ室130(床部10bの上面)に溜まる潤滑油の量を低減することができ、ひいては潤滑油が燃料系統に混入することを抑制できる。また、本実施形態の燃料噴射ポンプ5においては、案内部80の最下端部が油落とし孔10cの鉛直上方に配置されているから、案内部80の径方向外側の先端部から滴下された潤滑油は、直接油落とし孔10c内に滴下されるか、或いは、床部10bの上面を伝って油落とし孔10cに滴下されることとなる。また、床部10bの上面のうち潤滑油が落下する領域は、案内部80により上方から覆われているので、潤滑油が周辺に飛散し難い。よって、潤滑油が床部10bにおいて跳ね返ってバネ室130内に飛散することを極力防止しつつ、潤滑油を油落とし孔10cに回収することができる。
<第六実施形態>
以下では、本発明の第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ6の構成について、図17及び図18を参照して説明する。燃料噴射ポンプ6は、案内部80(第二実施形態における案内部60に相当する部材)にさらに誘導部材81が設けられている点で、第二実施形態に係る燃料噴射ポンプ2と相違する。
本実施形態の誘導部材81は、管状に形成された部材である。図18(b)に示すように、誘導部材81の上端部は、案内部80の最下端部と連続して設けられる。図17に示すように、誘導部材81の下端部は、油落とし孔10cに接続される。換言すれば、誘導部材81の案内部80とは反対側の先端部は、油落とし孔10c内に収容される。誘導部材81の内側は、潤滑油が流れる通路を成している。誘導部材81の内周面と、案内部80の案内面80cと、は滑らかな曲面により繋がれている(図18(b)参照)。
以上の如く構成される燃料噴射ポンプ6は、以下に示す効果及び利点を奏する。すなわち、本実施形態の燃料噴射ポンプ6においては、上部バネ受け34の内側に溜まった潤滑油は、案内面80cを伝って誘導部材81の上端部(上部バネ受け側の端部)に案内される。そして、誘導部材81の上端部に到達した潤滑油は、誘導部材81の内側(管の内周面)を伝って誘導部材81の下端部まで流れる。こうして、潤滑油が誘導部材81の下端部から油落とし孔10c内に滴下される。したがって、潤滑油が床部10bに落下することなく油落とし孔10cに直接滴下されるから、潤滑油が床部10bにおいて跳ね返ってバネ室130内に飛散することを極力防止しつつ、潤滑油をカム室110内に速やかに回収することができる。
<第六実施形態の変形例1>
第六実施形態に係る燃料噴射ポンプ6においては、誘導部材81は管状の形状を有するものとした。しかしながら、この構成に代えて、誘導部材を樋(とい)状の形状を有する構成としてもよい。図19及び図20に示す誘導部材181は、このような第六実施形態の変形例1に係る誘導部材の具体例である。誘導部材181は、断面視がU字形状の樋状に形成された部材である。換言すれば、誘導部材181は溝状の部材である。図19に示すように、誘導部材181の下端部は、油落し孔10cに接続される。換言すれば、誘導部材181の案内部80とは反対側の先端部は、油落とし孔10c内に収容される。誘導部材181の内側は、潤滑油が流れる溝(通路)を成している。誘導部材181の内周面と、案内部80の案内面80cと、は滑らかな曲面により繋がれている(図20(b)参照)。このように構成することにより、潤滑油が床部10bに落下することを極力防止して、より多くの潤滑油を油落とし孔10c内に直接滴下することができる。また、案内面80cにて受け止めることにより広範囲において集めた潤滑油を、誘導部材181により一つの箇所に集約し、所望の位置に集中的に滴下することができる。
以上に本発明の好適な実施形態及びその変形例を示したが、上記の実施形態に代えて以下の構成とすることも可能である。
上記の実施形態では、プランジャ32の軸線方向が鉛直方向に対して傾いている。しかしながら、この構成に代えて、プランジャ32の軸線方向と、鉛直方向と、が平行となる構成としてもよい。斯かる場合、案内部(及び延長部)を上部バネ受けの下側全周に設けることが望ましい。
1 燃料噴射ポンプ
10 下部ハウジング(ハウジング)
12 カム
31 プランジャバレル
32 プランジャ
33 下部バネ受け
34 上部バネ受け
35 プランジャバネ
40 タペット
50 案内部
50c 案内面(案内部の内面)
L (プランジャの)軸線

Claims (9)

  1. プランジャバレル内を昇降することにより燃料油を圧送するプランジャと、
    該プランジャの下端部に係合される下部バネ受けと、
    該下部バネ受けと対向して配置され、前記プランジャバレルに嵌装される上部バネ受けと、
    前記下部バネ受け及び前記上バネ受けの間に介在され、前記プランジャを下降方向に付勢するプランジャバネと、
    前記下部バネ受けを嵌合し、ハウジングに形成された貫通孔に昇降可能に嵌装されるタペットと、
    前記ハウジングの下部に回転可能に支持されるとともに、前記タペットを介して前記プランジャを昇降するカムと、を備える燃料噴射ポンプにおいて、
    前記上部バネ受けの下側に、前記タペットの上端壁よりも外周側へ延出する案内部を設ける、ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射ポンプであって、前記プランジャの軸線に対する前記案内部の内面の角度αは、鉛直方向に対する前記プランジャの軸線の取付角βよりも大きく構成した、ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側全周に設けられる、燃料噴射ポンプ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部は、前記上部バネ受けの下側の、鉛直方向における最下端部に設けられる、燃料噴射ポンプ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記上部バネ受けの下端部の内側に、前記案内部へ潤滑油を案内する案内溝が形成される、燃料噴射ポンプ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記ハウジングには、前記カムを収容するカム室と、該カム室の上方に配置されるとともに前記下部バネ受けや上部バネ受けやプランジャバネ等を収容するバネ室と、が形成され、前記案内部の下端下方位置における前記ハウジングのカム室とバネ室を隔てる床部に、上下方向に貫通する油落とし孔が形成される、燃料噴射ポンプ。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端下方位置とタペットとの間に、前記ハウジングの床部より上方に延出される仕切りが形成される、燃料噴射ポンプ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の燃料噴射ポンプであって、前記案内部の下端部には、潤滑油の通路を成す管状または樋状の誘導部材が連結され、前記誘導部材の下端は、前記ハウジングに形成される油落とし孔に接続される、燃料噴射ポンプ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の燃焼噴射ポンプであって、前記案内部は前記上部バネ受けと一体または別体に設けた、燃料噴射ポンプ。
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