JP2012051945A - カプセル剤、カプセル剤の製造方法およびカプセル皮膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生薬や不飽和脂肪酸、キノコ類などの充填内容物が、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを均一に含むことを特徴とするカプセル剤。ゼラチンと、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを均一に含むことを特徴とするカプセル皮膜。該カプセル皮膜を用いたカプセル剤。
【選択図】なし
Description
崩壊遅延防止法としては、例えば、ゼラチン皮膜にアミノ酸あるいは有機酸を配合してゼラチンの不溶化を防止する方法(特許文献1,2)、ゼラチン皮膜にプルランおよびポリペプチドを添加する方法(特許文献3)が開示されている。しかし、これらの方法による崩壊遅延防止効果は十分に満足できるものではない。
また、ゼラチンのアミノ基を有機酸で修飾したモデファイドゼラチンを皮膜とする方法(特許文献4)が開示されている。この方法では、不溶化をある程度改善することができるが、その効果は十分に満足できるものではない。また、このゼラチンは通常のゼラチンに比べて皮膜強度が劣り、かつ高価である。更に、このゼラチンは用途が医薬品に限定され、食品等に利用できない等の欠点がある。
また、内容物にトリプトファン、トコフェロール等の抗酸化剤を添加する方法(特許文献5)も報告されている。しかし、この方法による崩壊遅延防止効果も十分に満足できるものではない。
また、本発明の第2の態様は、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含む充填内容物を液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、カプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とするカプセル剤の製造方法である。
また、本発明の第3の態様は、ゼラチンと、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むことを特徴とするカプセル皮膜である。
また、本発明の第4の態様は、カプセル皮膜が、第3の態様のカプセル皮膜からなることを特徴とするカプセル剤である。
また、本発明の第5の態様は、充填内容物を、液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、ゼラチンと、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むカプセル皮膜で成型したカプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とするカプセル剤の製造方法である。
また、本発明のカプセル剤、カプセル剤の製造方法およびカプセル皮膜は、崩壊遅延を防止することが可能であり、特殊な製造工程を必要としないことから、医薬品から食品まで幅広く応用することができる。
≪第1の態様のカプセル剤≫
本発明の第1の態様のカプセル剤は、充填内容物が、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含むことを特徴とするものである。
本発明でいうカプセル剤とは、軟カプセル剤および硬カプセル剤を示す。
軟カプセル剤とは、医薬品等の主剤または該主剤に適当な賦形剤などの添加剤などを加えたものを、ゼラチンなど日本薬局方に収載されている適当なカプセル基剤にグリセリン又はソルビトールなどを加えて塑性を増したカプセル基剤で被包し、一定の形状に成型したものをいう。
硬カプセル剤とは、カプセルに医薬品等の主剤または該主剤に適当な賦形剤などの添加剤を均等に混和したもの、または、適当な方法で粒状としたもの、若しくは粒状としたものに適当なコーティング剤で剤皮を施したものを、そのまま、または軽く成型してカプセル内に充填したものをいう。
本発明のカプセル剤は、好ましくは軟カプセル剤である。
本発明で用いられるリン脂質としては、特に限定されず、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン(ケファリン)、カルジオリピン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンおよびこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ホスファチジルエタノールアミンおよびその誘導体が、本発明の効果が高く好ましい。なお、ホスファチジルエタノールアミンの誘導体としては、ジアシル型であるホスファチジルエタノールアミンのモノアシル型(リゾ型)、アルケニル型、アシル型、さらに塩基部分がメチル化されたN−メチル型、N,N−ジメチル型、N−アシル型等が挙げられる。
また、これらのリン脂質を1種以上含有するリン脂質含有製品として、大豆リン脂質(大豆レシチン)、卵黄リン脂質(卵黄レシチン)等が市販されており、これらは、入手し易く、本発明の効果にも優れることから、本発明において好ましく用いられる。なお、これらは精製品であっても粗精製品であってもよい。また、それらの水素添加物等も用いることができる。また、これらを粉末化したものであってもよい。
これらのリン脂質は1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
キトサン誘導体としては、キトサンオリゴ糖、キチンを脱アセチル化したもの等が挙げられ、これらは低分子量及び高分子量のいずれも好適に用いられる。
イノシトールリン酸誘導体とは、一般式C6H12−n(H2PO4)n(ただし、n=1〜6)で表される化合物であり、イノシトール1リン酸(n=1)、イノシトール2リン酸(n=2)、イノシトール3リン酸(n=3)、イノシトール4リン酸(n=4)、イノシトール5リン酸(n=5)およびイノシトール6リン酸(n=6、フィチン酸)が挙げられる。本発明においては、好ましくはイノシトール6リン酸(フィチン酸)が挙げられる。
これらの有機酸は、充填内容物の総量に対して、0.05〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜10質量%配合されることが望ましい。
なかでも、主剤が、生薬類、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸残基を有する油脂で構成される油分、キノコ類およびこれらの組成物等である場合に本発明が特に有効である。
本発明で用いられる生薬として、より具体的には、アカメガシワ、アセンヤク、アロエ、イカリソウ、ウイキョウ、ウバイ、ウヤク、ウワウルシ、ウコン、エイジツ、エゾウコギ、エンゴサク、エンメイソウ、オウギ、オウゴン、オウセイ、オウバク、オウヒ、オウレン、オンジ、カイクジン、カイバ、カシュウ、ガジュツ、カッコン、カノコソウ、ガラナ、カンゾウ、キキョウ、キジツ、牛胆汁、キョウニン、クコシ、ケイガイ、ケイヒ、ケツメイシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウジン、コウボク、コウベイ、ゴオウ、ゴカヒ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴミシ、サイコ、サイシン、サイム、サルビア、サンキライ、サンザシ、サンシシ、サンシュユ、サンショウ、サンソウニン、サンヤク、ジオウ、シベット、シャクヤク、ジャショウシ、シャゼンソウ、ジュウヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ショウズク、ジョテイシ、ジリュウ、シンイ、セネガ、センキュウ、ゼンコ、センブリ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソヨウ、ダイオウ、タイソウ、タクシャ、チョウジ、チョウトウコウ、チンピ、トウガラシ、トウキ、トウジン、トウニン、トウヒ、トコン、トシシ、トチュウ、ナンテンジツ、ナンバンゲ、ニクジュヨウ、ニンニク、バクモンドウ、ハマボウフウ、ハンゲ、ハンピ、ビャクジュツ、ブクリョウ、ボウイ、炮附子、ホコツシ、ボタンピ、ホップ、マオウ、モクテンリョウ、ムイラプアマ、モッコウ、ヨクイニン、リュウガンニク、リュウタン、ロートコン、ロクジョウ、ブルーベリー、ビルベリー、エキナセア、キクカ、麦若葉、コウカ、サラシア、ローズマリー、ニンドウ、人参(朝鮮人参、田七人参等)、ヨモギ、緑茶、ハーブ類(例えば、イチョウ葉、セントジョーンズワート、カモミール、カバカバ、ノコギリヤシ、サラシアオブロンガ、ガルシニア、ローズマリー、シトラス、ヒメツルニチニチソウ等)、コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲン等の生薬末、その抽出物、流エキス若しくはチンキ、動物の肝臓、心臓又は胎盤等の臓器から抽出されたもの、もしくはこれらを酸、塩基又は酵素を用いて製造した加水分解物等の動植物のエキス、穀物、植物、海産物を麹菌、紅麹菌、乳酸菌、酢酸菌、納豆菌、酵母等で発酵させた発酵物のエキス、もろみ酢、プロポリス、あるいはこれらの生薬の組み合わせからなる漢方薬、具体的には葛根湯(カッコン、タイソウ、シャクヤク、ショウキョウ、マオウ、ケイヒ、カンゾウ)、当帰芍薬(トウキ、センキョウ、シャクヤク、ブクリョウ、ソウジュツ、タクシャ)、八味地黄(ジオウ、サンヤク、ブクリョウ、ケイヒ、サンシュユ、タクシャ、ボタンピ、炮附子)、小青竜湯(マオウ、ショウキョウ、ケイヒ、ゴミシ、シャクヤク、カンゾウ、サイシン、ハンゲ)、麦門冬湯(バクモンドウ、コウベイ、ニンジン、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ)、加味逍遥散(トウキ、ソウジュツ、サイコ、サンシシ、ショウキョウ、シャクヤク、ブクリョウ、ボタンピ、カンゾウ、ハッカ)等が挙げられる。これらの中でも、もろみ酢、ニンニク、プロポリス、人参、ローズマリー、シトラス、ヒメツルニチニチソウ、ブルーベリー、ビルベリー、葛根湯等が好ましい。
また、不飽和脂肪酸として、DHA、EPA等とリン脂質とが結合した不飽和脂肪酸、たとえばDHAがホスファチジルコリン(PC)と結合したPC−DHA、ホスファチジルセリン(PS)と結合したPS−DHAなども挙げられる。
このような不飽和脂肪酸残基を有する油脂で構成される油分としては、例えば、植物油脂(大豆油、ナタネ油、米ヌカ油、綿実油、ゴマ油、ヒマワリ油、カラシ油、サフラワー油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油等)および動物油脂(魚油、鯨油、牛脂、豚脂、乳脂等)などが挙げられる。これらの中でも、魚油が好ましい。
第2の態様の製造方法は、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含む充填内容物を液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、カプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とする。
カプセル皮膜としては、一般公知の材料が用いられ、例えば、後述する第3の態様において挙げたゼラチン等が挙げられる。カプセル皮膜には、必要に応じて着色剤、保存剤等を加えることができる。
本発明の第3の態様のカプセル皮膜は、ゼラチンと、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含むことを特徴とするものである。
ここで、酸処理ゼラチンとは、塩酸や硫酸などの酸によりコラーゲンを加水分解し抽出することにより得られるゼラチンを指し、化学修飾ゼラチンとは、ゼラチンのアミノ基をコハク酸やフタル酸と反応させることにより得られるゼラチンを指し、アルカリ処理ゼラチンとは、石灰などのアルカリによりコラーゲンを加水分解し抽出することにより得られるゼラチンを指し、両性処理ゼラチンとは、コラーゲンを酸およびアルカリ処理し抽出することにより得られるゼラチンを指す。
カプセル皮膜におけるリン脂質および/またはアミノ糖の配合量は、リン脂質およびアミノ糖の合計量として、ゼラチンに対して、0.005〜10質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%配合されることが望ましい。
カプセル皮膜における有機酸の配合量は、ゼラチンに対して、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%である。
本発明の第4の態様のカプセル剤は、カプセル皮膜が、上記第3の態様のカプセル皮膜からなることを特徴とするものである。
本態様において、充填内容物は、必ずしもリン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含む必要はないが、充填内容物が、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含んでいてもよい。
第5の態様の製造方法は、充填内容物を、液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、ゼラチンと、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを含むカプセル皮膜で成型したカプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とする。
本態様において、カプセル剤の製造例の一例を挙げれば、上記第2の態様と同様の手順で製造することができ、例えば、ゼラチン100質量部にグリセリン又はソルビトール20〜40質量部、リン脂質および/またはアミノ糖0.005〜10質量部、有機酸0.05〜10質量部および水100質量部を加えて80℃に加温し、攪拌溶解してゼラチン溶液を調製し、必要に応じてさらに着色の目的で色素や酸化チタンを1〜5質量部添加した後、ロータリー式軟カプセル充填機を用いて、調製したゼラチン溶液を厚さ0.8〜0.9mmの薄膜にして冷却することによりゼラチンシートを作成し、該ゼラチンシートを左右からロール金型に通して、打ちぬく直前にポンプで充填内容物の溶液を表面に噴射した該ゼラチンシートを打ちぬき成型し、乾燥することにより軟カプセル剤を製造することができる。
また、硬カプセル剤は、たとえば、ゼラチン粉末を70℃の温水に撹拌しながら溶解し、ゼラチン30質量%の溶液を調製し、この溶液に、ゼラチンに対して4質量%の有機酸、1質量%のリン脂質および/またはアミノ糖を添加してゼラチン混合溶液を調製した後、浸漬法等の常法により硬カプセルを製造し、該硬カプセルに充填内容物を充填することにより製造できる。
(1)充填内容物の調製
表1に示した各成分をホモジナイザー(10000rpm、5分間)で均一になるまで攪拌し、液状(溶液状または懸濁液状)の充填内容物(M−1)〜(M−11)を調製した。
なお、表1中、%は質量%であり、フィチン酸は、イノシトール6リン酸である。
ゼラチン45質量%、グリセリン15質量%及び水40質量%からなるゼラチン溶液を80℃で溶解、脱泡した後、約10時間静置してロータリー式ソフトカプセル充填機(オバール6型)を用いてカプセル皮膜を調製し、(1)で調製した充填内容物(M−1)〜(M−11)を各々360mg充填した。充填後、カプセル皮膜を、温度27℃、湿度50%以下で、皮膜水分8%まで乾燥し、ソフトカプセル剤を製造した。
充填内容物(M−1)〜(M−5)のソフトカプセル剤はそれぞれ比較例1〜5であり、充填内容物(M−6)〜(M−11)のソフトカプセル剤はそれぞれ実施例1〜6である。
精製水100gにゼラチン100g、グリセリン35gを加えて吸水膨潤させた後、約80℃で攪拌溶解し、減圧下で脱泡した。
このゼラチン溶液をTLCプレート板に流し込み、厚さ約1mmに均一に広げ、30℃で24時間乾燥して含水率約9%のゼラチン皮膜シートを得た。
次いで、比較例1〜5、実施例1〜6の(1)で調製した充填内容物(M−1)〜(M−11)を、それぞれ10gずつスクリュウー管(容量15mL)にとり、その中に、上記で調製したゼラチン皮膜シートの小片(1×1cm)を浸漬して50℃で保存した。
このゼラチン皮膜シート片を、経時的に取出し、付着した充填内容物を拭き取った後、60℃の温水200mlに入れてスターラーで2分間攪拌した後、静置して目視で不溶物の有無を確認することにより不溶化抑制効果を評価した。その結果を表2に示す。
なお、不溶化抑制効果は以下の6段階で評価した。
ゼラチン皮膜片が完全に溶解し、不溶物が全く認められない場合:(−)
ゼラチン皮膜片は溶解するが、不溶物が僅かに認められる場合:(±)
ゼラチン皮膜片は溶解するが、不溶性の膜が少量認められる場合:(+)
ゼラチン皮膜片は溶解するが、不溶性の膜が中程度認められる場合:(++)
ゼラチン皮膜片は溶解するが、不溶性の膜が多量に認められる場合:(+++)
ゼラチン皮膜片が全く溶解せず、完全に不溶化した場合:(++++)
なお、本試験は50℃保存下で行う苛酷試験であり、室温保存(25℃)での、ソフトカプセル剤のゼラチン皮膜の、充填内容物の影響による不溶化現象を短時間で評価するものであり、本試験で得られた不溶化に要する数日差は、長期間の室温保存条件を反映する。
ゼラチン45質量%、グリセリン15質量%および水40質量%からなるゼラチン溶液を80℃で溶解、脱泡した後、約10時間静置してロータリー式ソフトカプセル充填機(オバール6型)を用いてカプセル皮膜を調製し、表3に示した処方の充填内容物(A−1)又は(A−2)を各々360mg充填した。充填後、カプセル皮膜を、温度27℃、湿度50%以下で、皮膜水分8%まで乾燥し、ソフトカプセル剤を製造した。
なお、表3中、%は質量%であり、フィチン酸は、イノシトール6リン酸である。
充填内容物(A−1)のソフトカプセル剤は比較例6であり、充填内容物(A−2)のソフトカプセル剤は実施例7である。
比較例6および実施例7で得られたソフトカプセル剤をそれぞれガラス瓶にいれ、金属キャップ(ゴムライナー付パッキン)で密栓し、40℃、湿度75%に1週間保存して崩壊時間を比較した。崩壊時間は崩壊試験機を用いて測定した。その結果を表4に示す。
(1) 充填内容物の調製
表5に示した各成分をホモジナイザー(10000rpm、5分間)で均一になるまで攪拌し、液状(溶液状または懸濁液状)の充填内容物(S−1)〜(S−5)を調製した。
ゼラチン45質量%、グリセリン15質量%及び水40質量%からなるゼラチン溶液を80℃で溶解、脱泡した後、約10時間静置してロータリー式ソフトカプセル充填機(オバール6型)を用いてを用いてカプセル皮膜を調製し、上記(1)で調製した充填内容物(S−1)〜(S−5)を各々360mg充填した。充填後、該カプセル皮膜を、温度27℃、湿度50%以下で、皮膜水分8%まで乾燥し、ソフトカプセル剤を製造した。
充填内容物(S−1)〜(S−2)のソフトカプセル剤はそれぞれ比較例7〜8であり、充填内容物(S−3)〜(S−5)のソフトカプセル剤はそれぞれ実施例8〜10である。
精製水100gにゼラチン100g、グリセリン35gを加えて吸水膨潤させた後、約80℃で攪拌溶解し、減圧下で脱泡した。このゼラチン溶液をTLCプレート板に流し込み、厚さ約1mmに均一に広げ、30℃で24時間乾燥して含水率約9%のゼラチン皮膜シートを得た。
比較例7〜8、実施例8〜10の(1)で調製した(S−1)〜(S−5)の各種充填内容物をそれぞれ10gずつスクリュウー管(容量15mL)にとり、その中に、上記で調製したゼラチン皮膜シートの小片(1×1cm)を浸漬して50℃で保存した。このゼラチン皮膜シート片を、経時的に取出し、付着した充填内容物を拭き取った後、60℃の温水200mlに入れてスターラーで2分間攪拌した後、静置して目視で不溶物の有無を確認することにより不溶化抑制効果を評価した。その結果を表6に示す。なお、不溶化抑制効果は、試験例1と同様に、6段階で評価した。
精製水100gに、ゼラチン100g、リン脂質および/またはアミノ糖として大豆レシチン3g、有機酸としてフィチン酸5g、およびグリセリン35gを加えて吸水膨潤させた後、約80℃で攪拌溶解し、減圧下で脱泡した。このゼラチン溶液をTLCプレート板に流し込み、厚さ約1mmに均一に広げ、30℃で24時間乾燥しソフトカプセル皮膜(B−1)を得た。
また、リン脂質および/またはアミノ糖と、有機酸とを表7記載のものとし、さらに表7に記載の添加物を加えた以外は上記と同様にして、ソフトカプセル皮膜(B−2)〜(B−10)を得た。ただし、各処方中、リン脂質およびアミノ糖の合計の配合量は3g、有機酸の配合量は5gとした。
なお、表7中、リン脂質/アミノ糖における()内の数字は配合量の比率(質量比)を示す。
製造例1〜10と同様にして調製したゼラチン溶液を、約10時間静置してロータリー式ソフトカプセル充填機(オバール6型)を用いてを用いてカプセル皮膜を調製し、それぞれのカプセル皮膜に、上記実施例2の(1)で調製した充填内容物(M−2)を360mg充填した。充填後、該カプセル皮膜を、温度27℃、湿度50%以下で、皮膜水分8%まで乾燥し、ソフトカプセル剤を製造した。
処方(B−1)〜(B−10)のソフトカプセル剤はそれぞれ実施例11〜20である。
ゼラチン45質量%、グリセリン15質量%、および水40質量%からなるゼラチン溶液を80℃で溶解、脱泡した後、約10時間静置してロータリー式ソフトカプセル充填機(オバール6型)を用いてカプセル皮膜を調製し、このカプセル皮膜内に、表8に示す処方(C−1)〜(C−5)の充填内容物を各々360mg充填した。充填後、該カプセル皮膜を、温度27℃、湿度50%以下で、皮膜水分8%まで乾燥し、ソフトカプセル剤を製造した。
なお、表8中、各種生薬エキスにおける()内の数字は、配合量の比率(質量比)を示す。
処方(C−1)〜(C−5)の充填内容物のソフトカプセル剤はそれぞれ実施例21〜25である。
Claims (11)
- 充填内容物が、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むことを特徴とするカプセル剤。
- 充填内容物が、さらに、もろみ酢、ニンニク、プロポリス、人参、ローズマリー、シトラス、ヒメツルニチニチソウ、ブルーベリー、ビルベリー、葛根湯、DHA、EPAおよびキノコ類からなる群から選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項1記載のカプセル剤。
- レシチンを、充填内容物の総量に対して0.005〜20質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカプセル剤。
- クエン酸又はフィチン酸を、充填内容物の総量に対して0.05〜20質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカプセル剤。
- 軟カプセル剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカプセル剤。
- レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含む充填内容物を液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、カプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とするカプセル剤の製造方法。
- ゼラチンと、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むことを特徴とするカプセル皮膜。
- レシチンを、ゼラチンに対して0.005〜10質量%含むことを特徴とする請求項7記載のカプセル皮膜。
- クエン酸又はフィチン酸を、ゼラチンに対して0.05〜10質量%含むことを特徴とする請求項7または8記載のカプセル皮膜。
- カプセル皮膜が、請求項7〜9のいずれか一項に記載のカプセル皮膜からなることを特徴とするカプセル剤。
- 充填内容物を、液状、懸濁状、のり状、粉末状又は顆粒状とし、該充填内容物を、ゼラチンと、レシチンと、クエン酸又はフィチン酸と、を均一に含むカプセル皮膜で成型したカプセルに充填するか又はカプセル皮膜で被包成型することを特徴とするカプセル剤の製造方法。
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