JP2012051821A - 視機能予防・改善剤 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、安全性が高く、優れた視機能予防・改善効果を有する視機能予防・改善剤および該視機能予防・改善剤を含有する経口剤、点眼剤、経皮吸収剤を提供することにある。
【解決手段】
クリプトキサンチンを含有し、好ましくはクリプトキサンチン以外のカロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類からなる群から選択される1種類以上をさらに含有することにより、視機能予防・改善効果を有するため、例えば、VDT作業等における視機能低下の予防剤、該視機能低下後の視機能改善剤として有効であり、視機能予防・改善等を目的とする各種の経口剤、点眼剤、経皮吸収剤などに利用することができる。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)クリプトキサンチンを含有する視機能予防・改善剤。
(2)クリプトキサンチン以外のカロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類からなる群から選択される1種類以上を含む(1)記載の視機能予防・改善剤。
(3)(1)又は(2)に記載の視機能予防・改善剤を含有する経口剤。
(4)(1)又は(2)に記載の視機能予防・改善剤を含有する点眼剤。
(5)(1)又は(2)に記載の視機能予防・改善剤を含有する経皮吸収剤。
<測定方法>
(1)β−クリプトキサンチン
島津製作所製高速液体クロマトグラフィー(HPLC) LC−10Aを用い、ウォーターズ社製ResolveC18(φ3.9×150mm)カラムを接続し、水:メタノール(容量比)=50/50に試料を溶解させたものをInjectionした。移動相として、メタノール:酢酸エチル(容量比)=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで、試料中のクリプトキサンチン含有量を分析した。
製造例1
温州みかん搾汁残渣(みかんジュース粕、水分率約90%)1kgに食品加工用ペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製、セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温で8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して撹拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ナイフ式粉砕機(Retsch社、GM200)にて5分間粉砕後、300メッシュの篩を通過する粉砕物(組成物1)50gを得た。組成物1中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で1mg/gであった。
前記の組成物1の50gに対し500mlのエタノールを添加し、室温で2時間撹拌後に固形分をろ過・除去したろ液を濃縮し、20gの濃縮物を得た(組成物2)。組成物2中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で2.5mg/gであった。
前記の組成物1の50gに対し500mlのエタノールを添加し、室温で2時間撹拌後、ろ過してみかん抽出液480mlを得た。得られた抽出液100mlに100mlの10%(w/v)γ-シクロデキストリン水溶液と300mlの蒸留水を加えて室温で30分撹拌した後、凍結乾燥・粉砕して10gの組成物3を得た。組成物3にはβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で1.5mg/g含まれていた。
製造例4
次に示す製法により、本発明の飲食品の一態様であるソフトカプセルを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物1 50g
2)サフラワー油 50g
製法:1)と2)を均一に混合後、ゼラチン、蜜蝋などからなるソフトカプセル包材内に200mg/錠で充填した。製造物4には1錠あたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.1mg含有されていた。
次に示す製法により、本発明の飲食品の一態様であるソフトカプセルを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物1 50g
2)ビタミンE 10g
3)ビタミンC誘導体 5g
4)サフラワー油 35g
製法:1)から4)を均一に混合後、ゼラチン、蜜蝋などからなるソフトカプセル包材内に200mg/錠で充填した。製造物5には1錠あたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.1mg含有されていた。
次に示す製法により、本発明の飲食品の一態様である錠剤を製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物3 10g
2)マルチトール 50g
3)結晶セルロース 26g
4)ショ糖脂肪酸エステル 8g
5)ビタミンC 2g
6)マリーゴールド色素 1g
7)甘味料 適量
8)酸味料 適量
9)香料 適量
製法:1)から9)を混合し、更に全体の重量を結晶セルロースにより100gとした後に均一に混合し、常法により顆粒状にした後、0.5g/錠で打錠した。製造物6には1錠あたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.075mg含有されていた。
次に示す製法により、本発明の飲食品の一態様であるドリンク剤を製造した。
成分 配合量(100mL中)
1)組成物2 100mg
2)ハチミツ 320mg
3)環状オリゴ糖 600mg
4)ビルベリーエキス 100mg
5)ビタミンC 50mg
6)甘味料 適量
7)酸味料 適量
8)保存料 適量
9)香料 適量
10)水 残余
製法:10)に1)から9)を順次添加した。製造物7には100mlあたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.25mg含有されていた。
次に示す製法により、本発明の一態様である点眼剤を製造した。
成分 配合量(100mL中)
1)組成物2 2.00g
2)酢酸トコフェロール 0.05g
3)ヒアルロン酸ナトリウム 0.02g
4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 0.50g
5)エデト酸ナトリウム 0.01g
6)ホウ酸 0.50g
7)ホウ砂 0.10g
8)塩化ナトリウム 0.60g
製法:80mlの精製水に1)から8)を順次添加・混合したのち、希塩酸にてpHを7.0に調整した。これに精製水を加えて体積を100mlとした後、フィルター滅菌し、滅菌済みの容器に分注した。製造物8には1mlあたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.05mg含有されていた。
次に示す製法により、本発明の経皮吸収剤の一態様であるアイマスクを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物2 2.00g
2)白色ワセリン(日本薬局方) 80.00g
3)パラオキシ安息香酸ブチル 0.05g
4)流動パラフィン 17.95g
製法:上記1)〜4)を均一に混合し、厚手の不織布に1平方センチ当たり1gとなるよう均一に塗布し、更に局方ガーゼを重ねた。製造物9には1平方センチあたりβ−クリプトキサンチンがフリー体換算で0.05mg含有されていた。
製造例4の成分のうち、組成物1を下記クリプトキサンチン以外のカロテノイドに置き換えた以外は、製造例4と同様にしてソフトカプセルを得た。ソフトカプセル1錠中に配合したクリプトキサンチン以外のカロテノイド(フリー体換算)を以下に示す。
1)β−カロテン 0.05mg
2)ルテイン 0.05mg
3)ゼアキサンチン 0.01mg
4)リコペン 0.02mg
製造例6の成分のうち、組成物3をポリフェノール(アントシアニン類を含む)であるブルーベリーエキス10gに置き換えた以外は、製造例6と同様にしてソフトカプセルを得た。
製造例7の成分のうち、組成物2をカロテノイド(アスタキサンチン)を含むヘマトコッカス藻色素100mgに置き換えた以外は、製造例7と同様にしてソフトカプセルを得た。
製造例8の成分のうち、組成物2をビタミンB群0.50gに置き換えた以外は、製造例8と同様にして点眼剤を得た。
製造例9の成分のうち、組成物2をメントール0.10gに置き換えた以外は、製造例9と同様にしてアイマスクを得た。
試験例1
ウズラ(メス)に飼料100g当たり組成物1を5g添加したものを与えて飼育した。2週間後にウズラを屠殺して眼を摘出し、構造体ごとに分けてβ−クリプトキサンチン及びルテイン、ゼアキサンチンを定量した。得られた結果を表1に示す。
試験例2
製造例4、5と比較物1記載のソフトカプセルを用い、健康な成人男女30名を3群(各10名)に分割して二重盲検試験を実施した。被験者は午後3時から3時間、継続的にVDT作業を行った後、眼の疲れ・かすみと肩こり・頭痛の程度を、10cmのビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて、疲労度を0cm(感じない)から10cm(極度の疲労/痛み)で自己評価させた。この試験の翌日から1週間、製造例4、5または比較物1の組成物を毎日3錠摂取させた後に同様のVDT作業と疲労度の評価を行い、試験食摂取の有無による疲労度の変化を比較した。
製造例6と比較物2記載の錠剤を用い、健康な成人男女20名を2群(各10名)に分割し、試験例1と同様のVASによる二重盲検試験を実施した。なお、摂取量はそれぞれを毎日4錠で行った。
製造例7と比較物3記載の錠剤を用い、試験例2と同様の試験を実施した。なお、摂取量はそれぞれを毎日1本で行った。
製造例8と比較物4記載の点眼剤を用い、健康な成人男女20名を2群(各10名)に分割して二重盲検試験を実施した。被験者は午後1時から2.5時間、継続的にVDT作業を行った後、眼の疲れ・かすみと肩こり・頭痛の程度を、10cmのビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて、疲労度を0cm(感じない)から10cm(極度の疲労/痛み)で自己評価させた。VAS評価後、製造例7または比較物4の点眼剤を投与し、15分間目を閉じて休憩した後に同様のVDT作業と疲労度の評価を行い、点眼剤の違いによる疲労度の変化を比較した。
製造例9と比較物5記載のアイマスクを用い、健康な成人男女20名を2群(各10名)に分割して二重盲検試験を実施した。被験者は午後1時から2.5時間、継続的にVDT作業を行った後、眼の疲れ・かすみと肩こり・頭痛の程度を、10cmのビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて、疲労度を0cm(感じない)から10cm(極度の疲労/痛み)で自己評価させた。VAS評価後、眼を閉じて製造例8または比較物5のアイマスクをし、30分間の休憩の後に同様のVDT作業と疲労度の評価を行い、点眼剤の違いによる疲労度の変化を比較した。
試験例3、4において、クリプトキサンチンに、クリプトキサンチン以外のカロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類を併用する製造例6、7は、視機能の改善効果が既に報告されているクリプトキサンチン以外のカロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類を含む比較物2、3に比べ、これらを凌ぐVAS改善が認められた。また、試験例5、6において、点眼剤、経皮吸収剤の剤型である製造例8、9においても優れた視機能予防・改善効果が認められた。
Claims (5)
- クリプトキサンチンを含有する視機能予防・改善剤。
- クリプトキサンチン以外のカロテノイド、ポリフェノール、ビタミン類からなる群から選択される1種類以上を含む請求項1記載の視機能予防・改善剤。
- 請求項1又は2に記載の視機能予防・改善剤を含有する経口剤。
- 請求項1又は2に記載の視機能予防・改善剤を含有する点眼剤。
- 請求項1又は2に記載の視機能予防・改善剤を含有する経皮吸収剤。
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