JP7201646B2 - 経口組成物 - Google Patents
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Description
[2] (A)カロテノイドのヒト1日摂取量が0.01mg~1000mgである、[1]に記載の経口組成物。
[3] (A)カロテノイドが、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、メゾゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アンテラキサンチン、カプサンチン、ミキソキサントフィル、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、α-クリプトキサンチン、β-クリプトキサンチンまたはこれらの混合物である、[1]または[2]に記載の経口組成物。
[4] (B)イミダゾールジペプチドとして、魚類、両生類、爬虫類、鳥類または非ヒト哺乳類の肉、骨もしくは皮から得られたイミダゾールジペプチドを含有する動物由来エキスを含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の経口組成物。
[5] (B)イミダゾールジペプチドが、カルノシン、アンセリン、バレニン、またはこれらの混合物を含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の経口組成物。
[6] (A)カロテノイドおよび(B)イミダゾールジペプチドを、重量比0.002~1000:1で含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の経口組成物。
[7] 視機能を改善させるための、[1]~[6]のいずれかに記載の経口組成物。
本発明の経口組成物は、(A)カロテノイドおよび(B)イミダゾールジペプチドを含有する経口組成物である。
カロテノイドは、前記の通り、炭素と水素のみでできているカロテン類と、それ以外の元素を含むキサントフィル類とに分類される。カロテン類の化合物としては、例えば、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、リコペン等が挙げられる。キサントフィル類の化合物としては、例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、メゾゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アンテラキサンチン、カプサンチン、ミキソキサントフィル、ネオキサンチン、ビオラキサンチン、α-クリプトキサンチン、β-クリプトキサンチン等が挙げられる。
好ましいカロテノイドとしては、キサントフィル類の化合物が挙げられる。より好ましくは、ルテイン、ゼアキサンチン、メゾゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アンテラキサンチン、カプサンチン、ミキソキサントフィル、ネオキサンチン、ビオラキサンチン等が挙げられ、さらに好ましくは、ルテイン、ゼアキサンチン、メゾゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン等が挙げられ、特に好ましくは、ルテイン、ゼアキサンチン等が挙げられる。
本発明の経口組成物におけるカロテノイドの配合量としては、配合するカロテノイドの作用およびその作用のために必要な有効量に応じて変わるが、例えば、ヒト1日摂取量として0.01mg~1000mgが挙げられ、好ましくは0.1mg~200mgが挙げられ、より好ましくは1mg~100mgが挙げられ、特に好ましくは2mg~50mgが挙げられる。
イミダゾールジペプチドは、イミダゾールを含むアミノ酸が結合したジペプチドを表し、カルノシン、アンセリン、バレニン等が含まれる。好ましいイミダゾールジペプチドとしては、カルノシン、アンセリン等が挙げられ、より好ましくはカルノシン等が挙げられる。本発明において、イミダゾールジペプチドは、1種のみを、または複数を組み合わせて用いることができる。また、イミダゾールジペプチドは、塩酸、乳酸、酢酸、硫酸、リン酸、硝酸、プロピオン酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、シュウ酸、ステアリン酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸等との塩であってもよい。
イミダゾールジペプチドは、化学合成したもの、または市販のものを用いることができる。イミダゾールジペプチドは、魚類、両生類、爬虫類、鳥類または非ヒト哺乳類の肉、骨もしくは皮から得られた動物由来エキスに含まれているため、イミダゾールジペプチドとして、上記動物由来エキスを用いることもできる。例えば、鶏胸肉から抽出して調製したエキス等を、好適に用いることができる。
本発明の経口組成物における油脂の配合量としては、ヒト1日摂取量で表せば、例えば、1mg~2000mgが挙げられ、好ましくは10mg~1000mgが挙げられ、より好ましくは100mg~500mgが挙げられる。
本発明の経口組成物における脂溶性抗酸化剤の配合量としては、ヒト1日摂取量で表せば、例えば、0.01mg~200mgが挙げられ、好ましくは0.1mg~10mgが挙げられ、より好ましくは0.5mg~2mgが挙げられる。
本発明の経口組成物が液剤又はゼリー剤である場合、必要に応じて、濾過及び殺菌処理し、容器に充填することもできる。なお、該液剤又はゼリー剤にはソフトカプセルに充填される液剤等も含まれる。充填するための容器は、プラスチック素材、ガラス素材、及び金属素材等の当該分野で一般的な容器に使用することができる素材を用いたものであればよく、これらは目的、用途に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明の経口組成物が液剤又はゼリー剤の場合、経口組成物の25℃における粘度は、例えば、回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター:1°34’×R24)で、0.1~1000mPa・sが好ましく、0.5~100mPa・sがより好ましく、1~10mPa・sがさらに好ましい。
本発明の経口組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、食品等に幅広く利用することができる任意の製剤、例えば、機能性表示食品、医薬製剤、医薬部外品製剤、又は特定保健用食品、栄養機能食品、老人用食品、特別用途食品、機能性食品、健康補助食品(サプリメント)、もしくは製菓錠剤等の食品用製剤を含むものである。
本発明の経口組成物は、配合するカロテノイドの作用等に応じて様々な用途に用いられる。前記の通り、カロテノイドには、例えば、抗酸化作用、抗腫瘍作用、免疫賦活作用、白内障の治療、黄班変性症発生の減少、フリーラジカルによる損傷からの防護作用、動脈硬化症の治療等の作用がある。例えば、ルテイン、ゼアキサンチンおよびメゾゼアキサンチンには、網膜神経細胞に蓄積する酸化ストレスの抑制、神経細胞の生存と視機能への貢献、過剰な光照射による細胞の活動の異常亢進と網膜視細胞の酸化ストレスの蓄積とDNA傷害による細胞死の抑制、加齢性黄斑変性の発症リスク低下、白内障の発症リスク低下、高グレア環境下での薄明視におけるコントラスト感度の向上、低照明下での視機能の改善等の作用がある。また、イミダゾールジペプチドには、例えば、抗酸化作用、疲労改善効果、水晶体白内障の回復、酸化ストレスにより誘発される損傷からの水晶体の防護、眼精疲労感の改善等の作用がある。
ルテイン:フローラGLOルテイン20%懸濁液(DSM社製)
イミダゾールジペプチド:チキンエキスパウダー イミダ15(イミダゾールジペプチド15%含有:日本ハム社製)
サフラワー油:サフラワーサラダ油(サミット精油社製)
ルテインおよびイミダゾールジペプチドは、使用した試料に含まれるそれぞれの含有量を、下記の表に表示した。
ルテインの凝集抑制効果
[試験方法]
実施例1~4および比較例1の経口組成物を各10mg採取後、容量30mLガラス瓶(スクリューキャップ)に充填し、サフラワー油10mLを加えて分散させた。冷却遠心機(EX-126:トミー精工社製)を用いて遠心分離(3100rpm;10分間)を行い、その上清を1mL採取した。さらに各試料を測定可能な吸光度域になるように希釈し、マイクロプレートリーダー(UV-2600:島津製作所製)を用いて、各試料の350~550nmにおける吸光度を測定した。ルテインは350~550nmにおいて吸収波長を有するため、吸光度曲線下面積値(AUC)を算出し、ルテイン量とした。下記式1を用いて、各試料の凝集抑制率(%)を算出した。
<式1>
ルテイン凝集抑制率=(遠心分離後のAUC)/(遠心分離前のAUC)×100
試験結果を表4および表5に示す。
比較例1の経口組成物を遠心分離したところ、ルテインが凝集して沈降し、均一に分散していなかった。そこで、ルテイン凝集抑制率が低い数値になった。実施例1~4の経口組成物では、遠心分離後にルテインが凝集しておらず、良好な分散性を維持しており、ルテイン凝集抑制率が高い数値を示した。
本試験結果から、イミダゾールジペプチドはルテインの凝集を抑制する作用があることが確認された。
ルテインの熱安定性改善効果
[試験方法]
ルテインの熱に対する影響について評価した。実施例1および比較例1の経口組成物を各1gずつ、容量30mLガラス瓶(スクリューキャップ)に充填し、50℃に加温した恒温層に10日間保管した。その後、試験例1と同様にAUCを測定し、下記式2を用いて、ルテインの熱安定率(%)を算出した。
<式2>
ルテイン熱安定率=(熱負荷後のAUC)/(熱負荷前の上清のAUC)×100
[試験結果]
試験結果を表6に示す。
比較例1の経口組成物に熱負荷を加えたところ、ルテインが凝集して、ルテイン熱安定率が低い数値を示した。実施例1の経口組成物では、熱負荷後でもルテインが凝集および沈殿をしておらず、ルテイン熱安定性が高い数値を示した。なお、スタート時における実施例1の経口組成物、および50℃10日後の実施例1の経口組成物は、良好な分散性を示しており、濃い黄橙色をしているが、50℃10日後の比較例1の経口組成物では、ルテインが凝集して沈降していることが視覚的にも確認でき、均一に分散していなかった。
本試験結果から、イミダゾールジペプチドはルテインの熱安定性を改善する作用を有することが確認された。
ルテインの味改善効果
[試験方法]
ルテインの味覚改善効果について評価した。試験例1で調製した、実施例1および比較例1の経口組成物について、5名の味判定員によって、各経口組成物をスパーテルで約50mg取って服用した直後に感じられる味を評価した。味スコアは、「服用に耐えられない」を15とし、「服用することができる」を0として、0~15までの段階で評価を行い、5名の数値の平均を取った。
[試験結果]
その試験結果を表7に示す。
比較例1の経口組成物では、ルテインによる非常に不快な味によって、服用に対するコンプライアンスが非常に悪いことが確認された。実施例1の経口組成物では、味覚スコアは改善され、その結果、使用感が向上することが確認された。
比較例3の経口組成物では、服用に対するコンプライアンスが非常に悪いが、実施例5の経口組成物では、味覚スコアは改善され、その結果、使用感が向上することが確認された。
以上の試験結果から、イミダゾールジペプチドはルテインの不快な味を改善する作用を有することが確認された。
イミダゾールジペプチドの臭い改善効果
[試験方法]
イミダゾールジペプチドには鶏肉臭がある。その臭いのルテインによる改善効果について評価した。実施例1および比較例2の経口組成物を各1gずつ、10mLのガラス瓶(スクリューキャップ)に充填し、70℃の恒温層に24時間保管した。その後、経口組成物をスパーテル上に取り出し、5名の臭気判定員により、臭いの改善を評価した。臭気スコアは、「生臭い」を15、「生臭くない」を0として、0~15の段階で評価を行い、5名の数値の平均を取った。
[試験結果]
その試験結果を表9に示す。
比較例2の経口組成物では、イミダゾールジペプチドが熱によって不快な臭気を発生することが確認された。実施例1の経口組成物では、臭気スコアが改善されることが確認された。
本試験結果から、ルテインはイミダゾールジペプチドの不快な臭いを改善する作用を有することが確認された。
ルテインの臭い改善効果
ルテインには絵具臭と似た臭いがある。その臭いのイミダゾールペプチドによる改善効果について、実施例5および比較例3の経口組成物を用いて評価した。調製後の経口組成物をスパーテル上に取り出し、5名の臭気判定員により、臭いの改善を評価した。臭気スコアは、「絵具臭い」を15、「絵具臭くない」を0として、0~15の段階で評価を行い、5名の数値の平均を取った。
その試験結果を表10に示す。
比較例3の経口組成物では、ルテインの臭気スコアが15であったが、実施例5の経口組成物では、臭気スコアが改善されることが確認された。
本試験結果から、イミダゾールジペプチドはルテインの不快な臭いを改善する作用を有することが確認された。
Claims (3)
- (A)ルテインと、(B)魚類、両生類、爬虫類、鳥類または非ヒト哺乳類の肉、骨もしくは皮から得られたイミダゾールジペプチドを含有する動物由来エキスと、を含有し、
ルテインのヒト1日摂取量が1mg~100mgであり、
ルテインおよびイミダゾールペプチドを、重量比0.05:1~100:1で含有する、
ヒト用の経口組成物を用いて、
ルテインの凝集を抑制する方法。 - (A)ルテインと、(B)魚類、両生類、爬虫類、鳥類または非ヒト哺乳類の肉、骨もしくは皮から得られたイミダゾールジペプチドを含有する動物由来エキスと、を含有し、
ルテインのヒト1日摂取量が1mg~100mgであり、
ルテインおよびイミダゾールペプチドを、重量比0.05:1~100:1で含有する、
ヒト用の経口組成物を用いて、
ルテインの熱安定性を改善する方法。 - (A)ルテインと、(B)魚類、両生類、爬虫類、鳥類または非ヒト哺乳類の肉、骨もしくは皮から得られたイミダゾールジペプチドを含有する動物由来エキスと、を含有し、
ルテインのヒト1日摂取量が1mg~100mgであり、
ルテインおよびイミダゾールペプチドを、重量比0.05:1~100:1で含有する、
ヒト用の経口組成物を用いて、
ルテイン及び/又はイミダゾールジペプチドの臭い、並びに/又はルテインの味覚を改善する方法。
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