JP2012051673A - フォークリフト - Google Patents

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Abstract

【課題】走行性能や作業性能を損なうことなく車体外形寸法の大型化を抑えて機動性を確保すること。
【解決手段】エンジン1によって駆動される走行用油圧ポンプ10及び作業機用油圧ポンプ50と、走行用油圧ポンプ10から供給される油によって動作する油圧モータ20とを備え、油圧モータ20の動力をフロントアクスル2に伝達することによって走行するフォークリフトにおいて、エンジン1の出力軸にPTOユニット40を付設し、PTOユニット40を介してそれぞれの油圧ポンプ10,50に動力を伝達するとともに、エンジン1の出力軸に対してポンプ入力軸をオフセットさせた状態で走行用油圧ポンプ10を配置することにより、油圧モータ20と走行用油圧ポンプ10とを互いに並設させた。
【選択図】図3

Description

本発明は、フォークリフトに関するもので、特に、油圧モータの駆動によって走行するフォークリフトに関するものである。
フォークリフトには、油圧モータの駆動によって走行するようにしたものが提供されている。このフォークリフトでは、駆動輪となる前車輪にそれぞれ左右個別の油圧モータを連結し、走行用油圧ポンプから個々の油圧モータに油を供給することによって走行するようにしている。油圧モータは、駆動軸が車体の左右方向に沿った姿勢で車体に搭載されている。走行用油圧ポンプは、エンジンによって駆動されるもので、エンジンの出力軸の延長上に配設されている。エンジンは、出力軸が車体の前後方向に沿う状態で搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、フォークリフトにおいては、フォークを上下動させるマストシリンダが、駆動アクスルを収容するアクスルケースに取り付けられているのが一般的である。上記のように、前車輪に油圧モータを連結したものにあっては、油圧モータのないものに比べてアクスルケースが大径化するため、駆動アクスルに対してマストシリンダの位置が前方側に移動する。マストシリンダを前方側に移動させた場合には、荷役中の安定性を確保するためにカウンターウェイトの重量を大きく設定する必要があり、取り扱う荷の最大重量が同じものであっても、従前のものと比べて車体の外形寸法が長大化し、旋回半径が増大する等、その機動性に多大な影響を及ぼすことになる。
こうした問題を解決するには、油圧モータの動力を左右の前車輪に分配して伝達するように構成することが考えられる。具体的には、左右の駆動アクスルと油圧モータとの間にデファレンシャルギヤを介在させ、デファレンシャルギヤを介して油圧モータの動力を左右の前車輪に伝達させるように構成すれば良い。このフォークリフトによれば、デファレンシャルギヤから前車輪までの間に駆動アクスルを配設するだけで良いため、アクスルケースが大径化しない。これにより、駆動輪とマストシリンダとの距離も従前のものと同等に設定することができ、カウンターウェイトを増大化することなく油圧モータの駆動によって走行させることが可能になる。
特開2000−318994号公報
しかしながら、エンジンと駆動アクスルとの間には、油圧モータに油を供給するための走行用油圧ポンプばかりでなく、マストシリンダやチルトシリンダに油を供給するための作業機用油圧ポンプが配設されている。従って、車体の外形寸法を長大化することなく、エンジンと駆動アクスルとの間に油圧モータを配設するには、走行用油圧ポンプや作業機用油圧ポンプを小型化せざるを得ず、走行性能や作業性能の点で不利となる恐れがある。因に、走行用油圧ポンプに対して油圧モータを車体の左右や上下に並設させることにより、走行用油圧ポンプや作業機用油圧ポンプに所望の容量を確保することも考えられる。しかしながら、重量物である油圧モータが車体の中心線から、大きくずれた位置に配置されることになり、重量バランスの点で好ましいとはいえず、機動性に影響を与える恐れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、走行性能や作業性能を損なうことなく車体外形寸法の大型化を抑えて機動性を確保した油圧モータ駆動のフォークリフトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るフォークリフトは、出力軸が車体の前後方向に沿う状態で搭載されたエンジンと、エンジンによって駆動される走行用油圧ポンプ及び作業機用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプから供給される油によって動作する油圧モータとを備え、前記油圧モータの動力を駆動アクスルに伝達することによって走行するフォークリフトにおいて、前記エンジンの出力軸にPTOユニットを付設し、前記PTOユニットを介してそれぞれの油圧ポンプに動力を伝達するとともに、前記エンジンの出力軸に対して入力軸をオフセットさせた状態で前記走行用油圧ポンプを配置することにより、前記油圧モータと前記走行用油圧ポンプとを互いに並設させたことを特徴とする。
また、本発明は、上述したフォークリフトにおいて、互いの入力軸をオフセットさせた状態で前記走行用油圧ポンプ及び前記作業機用油圧ポンプを配置したことを特徴とする。
また、本発明は、上述したフォークリフトにおいて、前記PTOユニットにおいて前記油圧モータに対向する第1の面に前記走行用油圧ポンプを取り付ける一方、前記エンジンが取り付けられた第2の面に前記作業機用油圧ポンプを取り付けたことを特徴とする。
また、本発明は、上述したフォークリフトにおいて、内部に駆動アクスルを収容するアクスルケースを備え、駆動軸が前記エンジンの出力軸に沿って配置された状態で前記油圧モータを前記アクスルケースに取り付けたことを特徴とする。
また、本発明は、上述したフォークリフトにおいて、前記駆動軸が前記エンジンの出力軸及び前記走行用油圧ポンプの入力軸に対してそれぞれオフセットした状態で前記油圧モータを配置したことを特徴とする。
また、本発明は、上述したフォークリフトにおいて、前記走行用油圧ポンプ及び前記油圧モータは、それぞれ可変容量型のものであり、互いの間を油圧閉回路で接続することにより、HSTを構成することを特徴とする。
本発明によれば、エンジンの出力軸に対して入力軸をオフセットさせた状態で走行用油圧ポンプを配置しているため、重量バランスを崩すことなく走行用油圧ポンプと油圧モータとを並設することが可能となる。従って、走行性能や作業性能を損なうことなく車体外形寸法の大型化を抑えて機動性を確保することができるようになる。
図1は、本発明の実施の形態であるフォークリフトを概念的に示す側面図である。 図2は、図1に示したフォークリフトのエンジンから駆動アクスルに至るパワートレインの配置を概念的に示す平面図である。 図3は、図1に示したフォークリフトのエンジンから駆動アクスルに至るパワートレインの配置を概念的に示す底面図である。 図4は、図2におけるA−A線断面図である。 図5は、図2におけるB−B線断面図である。 図6は、図2におけるC−C線断面図である。 図7は、図1に示したフォークリフトのエンジンから駆動アクスルに至るパワートレインのスケルトン図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るフォークリフトの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態であるフォークリフトを示したものである。ここで例示するフォークリフトは、前車輪FWを駆動輪、後車輪RWを操舵輪として走行し、車体BDの前方に設けたフォークFによって荷物の上げ下ろしや運搬を行うものである。フォークFは、上下方向に沿って設けたマストMに支持させてあり、マストMとの間に設けたマストシリンダMCの駆動によって上下方向に移動することが可能である。マストMは、図には明示していないが、その下端部が車体BDに対して左右方向に沿った水平軸回りに回転可能に支持させてあり、車体BDとの間に設けたチルトシリンダTCの駆動により、前傾姿勢や後傾姿勢をとることが可能である。このフォークリフトには、車体BDに搭載したエンジン1と、駆動アクスルであるフロントアクスル2を収容したアクスルケース3との間に走行用油圧ポンプ10、油圧モータ20、トランスファ装置30が配設してある。
エンジン1は、ガソリンや軽油等の燃料を燃焼させて駆動する内燃機関であり、図2及び図3に示すように、エンジン1の出力軸1aが車体BDの前後に沿い、かつ車体BDの左右方向のほぼ中央においてエンジン1の出力軸1aの先端が前方に向いた状態で車体BDに搭載してある。
走行用油圧ポンプ10は、押しのけ容積を任意に変更することが可能な可変容量型のもので、ポンプ入力軸10aが車体BDの前後に沿い、かつポンプ入力軸10aの先端が車体BDの後方に向いた状態でPTOユニット40のユニットケース41に取り付けてある。PTOユニット40は、エンジン1の動力を外部出力するための構造体であり、エンジン1の出力軸1aを覆うユニットケース41の内部に構成してある。具体的には、図4に示すように、エンジン1の出力軸1aに設けた駆動ギヤ42にアイドラギヤ43を介して第1ポンプギヤ44及び第2ポンプギヤ45が歯合した構成であり、エンジン1が駆動した場合に駆動ギヤ42及びアイドラギヤ43を介して第1ポンプギヤ44及び第2ポンプギヤ45に動力を伝達することが可能である。第1ポンプギヤ44及び第2ポンプギヤ45は、それぞれの軸心がエンジン1の出力軸1aからオフセットした位置において車体BDの前後に沿うように設けてある。より詳細には、エンジン1の出力軸1aに対してアイドラギヤ43が車体BDの右側にオフセットした位置に設けてある。第1ポンプギヤ44は、エンジン1の出力軸1aに対して車体BDの右上方に位置しており、その下部周面がアイドラギヤ43の上部周面に歯合している。第2ポンプギヤ45は、エンジン1の出力軸1aに対して車体BDの右下方に位置しており、その上部周面がアイドラギヤ43の下部周面に歯合している。
本実施の形態では、第1ポンプギヤ44が走行用油圧ポンプ10のポンプ入力軸10aに設けてあり、第2ポンプギヤ45が作業機用油圧ポンプ50のポンプ入力軸50aに設けてある。走行用油圧ポンプ10は、ユニットケース41においてアクスルケース3に対向する前面に取り付けてある。作業機用油圧ポンプ50は、マストシリンダMCやチルトシリンダTCに対して油を供給するためのもので、図2〜図5に示すように、ユニットケース41においてエンジン1が取り付けられた後面に、エンジン1に並設した状態で取り付けてある。
油圧モータ20は、押しのけ容積を任意に変更することが可能な可変容量型のもので、図2及び図3に示すように、駆動軸20aが車体BDの前後に沿い、かつ駆動軸20aの先端が車体BDの前方に向いた状態でアクスルケース3の後面に取り付けてある。油圧モータ20の駆動軸20aは、図6に示すように、油圧モータ20が走行用油圧ポンプ10と相互に接触することがないように、ポンプ入力軸10aに対して車体BDの左下方にオフセットして配置してある。この油圧モータ20は、図7に示すように、走行用油圧ポンプ10との間を油圧閉回路15で接続することにより、HST(Hydro−Static Transmission)と称される油圧変速機構を構成するもので、走行用油圧ポンプ10から供給される油によって駆動される。
トランスファ装置30は、油圧モータ20の駆動軸20aを入力として構成し、駆動軸20aからの動力を左右のフロントアクスル2に分配して伝達するもので、メイン入力軸31、デフ入力軸32、差動機構33、アイドル軸34を備えている。
メイン入力軸31は、基端部にメイン入力ギヤ31aを有する一方、先端部外周にスプライン31bを有したもので、トランスファケース35に回転可能に支持させてある。このメイン入力軸31は、先端を車体BDの後方に向け、先端部のスプライン31bを介して油圧モータ20の駆動軸20aにスプライン31b結合してあり、駆動軸20aと同一の軸心上に配置してある。デフ入力軸32は、基端部にデフ入力ギヤ32aを有する一方、先端部にトランスファギヤ32bを有したもので、基端を車体BDの前方に向け、トランスファギヤ32bをメイン入力軸31のメイン入力ギヤ31aに歯合させた状態でトランスファケース35に回転可能に支持させてある。デフ入力軸32のデフ入力ギヤ32aには、差動機構33のリングギヤ33aが歯合している。差動機構33は、従前から用いられているものと同様の構成を有し、デフ入力ギヤ32aの回転を左右のフロントアクスル2に伝達するものである。アイドル軸34は、基端部にアイドル入力ギヤ34aを備え、かつ先端に駐車ブレーキユニット60を構成したもので、アイドル入力ギヤ34aをトランスファギヤ32bに歯合させ、先端を車体BDの後方に向けた状態でトランスファケース35に回転可能に支持させてある。図6に示すように、アイドル軸34は、デフ入力軸32に対して車体BDの右下方にオフセットすることにより、走行用油圧ポンプ10のほぼ真下に配置してある。駐車ブレーキユニット60は、図には明示していないが、アイドル軸34と一体に回転するドラムに対して、トランスファケース35に取り付けブレーキシューを押し付けることにより制動力を得るようにした、いわゆるドラム式のものである。デフ入力軸32に対してアイドル軸34を車体BDの右下方にオフセットしてあるため、油圧モータ20や走行用油圧ポンプ10が駐車ブレーキユニット60に接触することはない。
上記のように構成したフォークリフトでは、エンジン1が運転されると、PTOユニット40を介して作業機用油圧ポンプ50が駆動し、マストシリンダMC及びチルトシリンダTCに対して油を供給することができる。これにより、マストシリンダMCを動作させることによってマストMに対してフォークFを上下方向に沿って移動させることができ、またチルトシリンダTCを動作させることによって車体BDに対してマストMを前傾姿勢や後傾姿勢にすることができる。
これと同時に、エンジン1が駆動すると、PTOユニット40を介して走行用油圧ポンプ10が駆動し、油圧モータ20に対して走行用油圧ポンプ10から油が供給されることとなる。
駐車ブレーキユニット60が解除状態にある場合には、走行用油圧ポンプ10から油が供給された油圧モータ20が回転することになり、駆動軸20aの回転がメイン入力軸31、メイン入力ギヤ31a、トランスファギヤ32b、デフ入力ギヤ32aを介して差動機構33に伝達され、2つのフロントアクスル2が回転して、例えばフォークリフトが前進することになる。油圧モータ20が逆方向に回転すれば、フロントアクスル2も逆方向に回転し、フォークリフトが後退する。
一方、駐車ブレーキユニット60によってトランスファケース35に対するアイドル軸34の回転が阻止された場合には、トランスファギヤ32bを介してアイドル入力ギヤ34aに歯合するデフ入力軸32、さらにはメイン入力ギヤ31aを介してトランスファギヤ32bに歯合するメイン入力軸31のいずれもがトランスファケース35に対して回転できる状態にない。従って、2つのフロントアクスル2が同方向に向けて回転できないため、フォークリフトが駐車した状態に維持される。
ここで、上述したフォークリフトでは、油圧モータ20の動力を左右の前車輪FWに分配して伝達するように構成しているため、アクスルケース3が大径化しない。これにより、マストシリンダMCの位置をアクスルケース3に近接させることができ、カウンターウェイトCW(図1参照)を増大化することなく油圧モータ20駆動のフォークリフトを構成することが可能になる。
しかも、エンジン1の出力軸1aに対してポンプ入力軸10aをオフセットさせた状態で走行用油圧ポンプ10を配置しているため、重量バランスを崩すことなく走行用油圧ポンプ10と油圧モータ20とを並設することが可能となる。従って、走行性能や作業性能を損なうことなく車体BD外形寸法の大型化を抑えて機動性を確保することができるようになる。
1 エンジン
1a 出力軸
2 フロントアクスル
3 アクスルケース
10 走行用油圧ポンプ
10a ポンプ入力軸
20 油圧モータ
20a 駆動軸
40 PTOユニット
50 作業機用油圧ポンプ
50a ポンプ入力軸
BD 車体

Claims (6)

  1. 出力軸が車体の前後方向に沿う状態で搭載されたエンジンと、
    エンジンによって駆動される走行用油圧ポンプ及び作業機用油圧ポンプと、
    前記走行用油圧ポンプから供給される油によって動作する油圧モータと
    を備え、前記油圧モータの動力を駆動アクスルに伝達することによって走行するフォークリフトにおいて、
    前記エンジンの出力軸にPTOユニットを付設し、前記PTOユニットを介してそれぞれの油圧ポンプに動力を伝達するとともに、前記エンジンの出力軸に対して入力軸をオフセットさせた状態で前記走行用油圧ポンプを配置することにより、前記油圧モータと前記走行用油圧ポンプとを互いに並設させたことを特徴とするフォークリフト。
  2. 互いの入力軸をオフセットさせた状態で前記走行用油圧ポンプ及び前記作業機用油圧ポンプを配置したことを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。
  3. 前記PTOユニットにおいて前記油圧モータに対向する第1の面に前記走行用油圧ポンプを取り付ける一方、前記エンジンが取り付けられた第2の面に前記作業機用油圧ポンプを取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォークリフト。
  4. 内部に駆動アクスルを収容するアクスルケースを備え、
    駆動軸が前記エンジンの出力軸に沿って配置された状態で前記油圧モータを前記アクスルケースに取り付けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のフォークリフト。
  5. 前記駆動軸が前記エンジンの出力軸及び前記走行用油圧ポンプの入力軸に対してそれぞれオフセットした状態で前記油圧モータを配置したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のフォークリフト。
  6. 前記走行用油圧ポンプ及び前記油圧モータは、それぞれ可変容量型のものであり、互いの間を油圧閉回路で接続することにより、HSTを構成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載のフォークリフト。
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