JP2023082920A - 産業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行用及び荷役用の最大出力性能の不足を抑制しつつ、走行用及び荷役用の各電動機の小型化を図ることが可能となる産業車両を提供する。【解決手段】フォークリフトは、荷役装置を駆動する荷役モータ31と駆動輪10Tを駆動する走行モータ41とを備える。荷役モータ31と荷役用のオイルポンプ32との間に形成された荷役用出力経路34と、走行モータ41と駆動輪10Tとの間に形成された走行用出力経路44と、荷役モータ31又は走行モータ41をアシストするためのアシストモータ51と、アシストモータ51と荷役用出力経路34との間、及び、アシストモータ51と走行用出力経路44との間に形成されたアシスト動力経路57と、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介してオイルポンプ32又は駆動輪10Tの何れかに伝達させるか否かを切り替える荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、産業車両に関する。
従来、産業車両に関連する技術として、例えば特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1は、駆動輪を駆動するための走行用モータと、フォークを昇降するための電動油圧システム装置に備えられた荷役用モータと、が搭載されたバッテリフォークリフトを開示する。
特開2011-79637号公報
近年、例えば自動車の技術分野では、環境保護の観点から、内燃機関を搭載せず電動機のみで走行する電気自動車の普及が図られている。このような内燃機関から電動機への置換えは、フォークリフト等の産業車両の技術分野にも適用されることが検討されている。しかしながら、フォークリフト等の産業車両では走行用及び荷役用のそれぞれで求められる駆動源の出力特性が互いに異なる一方、内燃機関と電動機とでは単体の出力特性に相違がある。そのため、単純に1つの内燃機関を1つの電動機で置き換えるのでは、走行用及び荷役用として内燃機関と同等の性能を得るために電動機の大型化を招きやすく、非効率になり易い。
このような事情から、上記従来技術のように走行用及び荷役用のそれぞれに1つずつ独立に電動機を備える構成とすることが考えられる。しかしながら、このような構成において、例えば、走行用及び荷役用の両方ともで従来の内燃機関と同等の出力性能を得ようとすると、走行用及び荷役用のそれぞれの電動機1台ずつが当該同等の出力性能を有する必要があり、電動機1台の大型化及びコスト増大を招いてしまう。
本発明は、走行用及び荷役用の最大出力性能の不足を抑制しつつ、走行用及び荷役用の各電動機の小型化を図ることが可能となる産業車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る産業車両は、荷役装置を駆動する荷役用電動機と車輪を駆動する走行用電動機とを備える産業車両であって、荷役用電動機と荷役用のオイルポンプとの間に形成された荷役用出力経路と、走行用電動機と車輪との間に形成された走行用出力経路と、荷役用電動機又は走行用電動機をアシストするためのアシスト用電動機と、アシスト用電動機と荷役用出力経路との間、及び、アシスト用電動機と走行用出力経路との間に形成されたアシスト動力経路と、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介してオイルポンプ又は車輪の何れかに伝達させるか否かを切り替えるアシスト動力切替部と、を備える。
本発明の一態様に係る産業車両では、アシスト動力切替部によって、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介してオイルポンプに伝達させるように切り替えられた場合、アシスト用電動機は、荷役用電動機をアシストする。或いは、アシスト動力切替部によって、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介して車輪に伝達させるように切り替えられた場合、アシスト用電動機は、走行用電動機をアシストする。アシスト動力切替部の切り替えに応じて、各電動機単体と比べて、走行用及び荷役用の最大出力性能をアシスト用電動機のアシストによりそれぞれ向上することができる。その結果、走行用及び荷役用の各電動機として、より低出力な電動機を選択することが可能となるため、各電動機の小型化が可能となる。したがって、走行用及び荷役用の出力性能の不足を抑制しつつ、走行用及び荷役用の各電動機の小型化を図ることが可能となる。
一実施形態において、アシスト動力経路は、アシスト用電動機の出力軸と荷役用出力経路との間に設けられた第1歯車対と、アシスト用電動機の出力軸と走行用出力経路との間に設けられた第1遊星歯車機構と、を有し、第1遊星歯車機構は、固定された第1リングギアと、アシスト用電動機からの動力の入力部となる第1プラネタリーギアと、走行用出力経路への動力の出力部となる第1サンギアと、を有してもよい。この場合、アシスト用電動機からの動力を、第1遊星歯車機構で回転数を減速しつつ走行用出力経路へと出力することができる。
一実施形態において、アシスト動力経路は、アシスト用電動機の出力軸と荷役用出力経路との間、及び、アシスト用電動機の出力軸と走行用出力経路との間に設けられた第2遊星歯車機構と、第2遊星歯車機構と荷役用出力経路との間に設けられた第2歯車対と、を有し、第2遊星歯車機構は、固定された遊星キャリアに軸支される第2プラネタリーギアと、アシスト用電動機からの動力の入力部となる第2リングギアと、走行用出力経路への動力の出力部となる第2サンギアと、を有し、第2リングギアの外周面には、第2歯車対の荷役用出力経路側の歯車に噛み合う外歯が形成されていてもよい。この場合、アシスト用電動機からの動力を、第2遊星歯車機構で回転数を減速しつつ走行用出力経路へと出力することができる。また、第2歯車対の一方が第2リングギアの外周面に形成された外歯であるため、例えば第2歯車対の一方が別途設けられたギアである場合と比べて軸方向の寸法を抑えることができる。
一実施形態において、アシスト動力経路は、アシスト用電動機の出力軸と荷役用出力経路との間に設けられた第3歯車対と、アシスト用電動機の出力軸と走行用出力経路との間に設けられた第4歯車対と、を有してもよい。この場合、歯車対を2組用いることで、アシスト動力経路を容易に構成することができる。
一実施形態において、アシスト動力切替部は、アシスト動力経路と荷役用出力経路との間に設けられたハブスリーブと、アシスト動力経路と走行用出力経路との間に設けられたハブスリーブと、を有していてもよい。この場合、例えば、アシスト動力経路に含まれる歯車等と荷役用出力経路のハブスリーブとを係合させるか否かに応じて、アシスト用電動機からの動力をオイルポンプに伝達させるか否かを切り替えることができる。また、アシスト動力経路に含まれる歯車等と走行用出力経路のハブスリーブとを係合させるか否かに応じて、アシスト用電動機からの動力を車輪に伝達させるか否かを切り替えることができる。
一実施形態において、荷役用のリフトシリンダの圧力を取得する圧力取得部と、リフトシリンダの圧力に基づいて、アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、切替制御部は、リフトシリンダの圧力が所定の圧力閾値未満である場合に、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介して走行用出力経路に伝達させるようにアシスト動力切替部を制御してもよい。この場合、荷役用電動機へのアシストが不要である程度にリフトシリンダの圧力が小さい状態であることから、アシスト用電動機からの動力をオイルポンプに伝達させずに車輪に伝達させる状態とすることができる。
一実施形態において、車輪を駆動するホイールトルクを取得するトルク取得部と、ホイールトルクに基づいて、アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、切替制御部は、ホイールトルクが所定のトルク閾値以上である場合に、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介して走行用出力経路に伝達させるようにアシスト動力切替部を制御してもよい。この場合、走行用電動機へのアシストが必要である程度にホイールトルクが大きい状態であることから、アシスト用電動機からの動力をオイルポンプに伝達させずに車輪に伝達させる状態とすることができる。
一実施形態において、車輪の回転数を取得する回転数取得部と、車輪の回転数に基づいて、アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、切替制御部は、車輪の回転数が所定の回転数閾値以上である場合に、アシスト用電動機からの動力をアシスト動力経路を介して荷役用出力経路に伝達させないようにアシスト動力切替部を制御してもよい。この場合、産業車両が一定以上の車速で走行していることから、荷役用電動機へのアシストが必要である程度の荷役作業は行われにくい。そこで、アシスト用電動機からの動力をオイルポンプに伝達させない状態とすることができる。
本発明によれば、走行用及び荷役用の最大出力性能の不足を抑制しつつ、走行用及び荷役用の各電動機の小型化を図ることが可能となる。
一実施形態に係る産業車両の概略構成を示すブロック図である。 図1の産業車両の駆動系の一例を示す概略構成図である。 図2の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。 図2の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。 図2の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。 ホイール回転数に対するホイールトルクの関係の一例を示す図である。 図6における産業車両の所定の走行を説明するための図である。 オイルポンプの流量に対する吐出圧力の関係の一例を示す図である。 図1の制御装置による演算処理の一例を示すフローチャートである。 産業車両の駆動系の変形例を示す概略構成図である。 図10の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。 図10の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。 図10の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。 産業車両の駆動系の他の変形例を示す概略構成図である。 図14の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。 図14の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。 図14の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る産業車両の概略構成を示すブロック図である。図1には、産業車両の一例として、フォークリフト10が示されている。フォークリフト10は、モータで走行する電動車として構成されている。モータの電源は、例えば、機台(車体)に搭載されたバッテリである。フォークリフト10は、特に限定されないが、例えば比較的大型の4輪車タイプである。フォークリフト10は、従来であれば内燃機関が搭載される機台に、内燃機関に代えてモータが搭載された形式であってもよい。
フォークリフト10は、例えば、前方に設けられた一対の前輪(車輪)と、後方に設けられた一対の後輪と、を備えている。ここでの前輪は、駆動輪10T(図2参照)であり、図示しない後輪は操舵輪である。
フォークリフト10は、荷役装置を備えている。荷役装置は、運転席から見て前方に設けられていてもよい。荷役装置は、マスト、リフトシリンダ10L、ティルトシリンダ、及びフォークを有している。
フォークリフト10は、運転席を備えていてもよい。運転席には、例えば、荷役操作のための荷役操作レバー11と、前後進操作のためのアクセルペダル12と、操舵操作のためのステアリング13と、が設けられている。荷役操作レバー11は、リフトレバー及びティルトレバーを含んでもよい。リフトレバーは、フォークを上下方向に移動させるリフト動作を操作するためのレバーである。ティルトレバーは、荷役装置を傾斜させるティルト動作を操作するためのレバーである。リフトレバー操作時には、リフトシリンダが伸縮駆動することによりマストが上下方向にスライド伸縮し、これに連動してフォークが昇降する。ティルトレバー操作時には、ティルトシリンダが伸縮駆動することによりマストの下部が前後方向に移動し、荷役装置の傾斜角が調整される。
フォークリフト10は、駆動系20を備えている。駆動系20は、モータにおいて発生した動力を車輪等に伝えるための装置である。駆動系20は、荷役駆動系30と、走行駆動系40と、アシスト駆動系50と、を有している。
荷役駆動系30は、荷役装置を作動させるための駆動力を発生するパワートレインである。荷役駆動系30は、リフトシリンダ及びティルトシリンダへ作動油を供給することで、リフトシリンダ及びティルトシリンダをそれぞれ駆動する。荷役駆動系30は、荷役装置を駆動するための駆動源である荷役モータ(荷役用電動機)31と、リフトシリンダ及びティルトシリンダのそれぞれへ作動油を圧送する荷役用のオイルポンプ32と、を含む。
オイルポンプ32は、供給先及び供給量をコントロールするバルブ部を介して、リフトシリンダ及びティルトシリンダへ作動油を供給する。例えば、運転者がリフトレバーを操作した場合、バルブ部のうちのリフトシリンダに対応するバルブが操作量に応じた開度で開き、その他のバルブは閉じる。荷役モータ31は操作量に応じた回転数で回転し、作動油を圧送する。圧送された作動油は、開かれたバルブを介してリフトシリンダに供給される。
リフトシリンダ10Lには、油圧センサ(圧力取得部)14が設けられている。油圧センサ14は、リフトシリンダ10Lの圧力を検出する。リフトシリンダ10Lの圧力は、フォークリフトの負荷に相当し、フォークリフト10に積まれる荷の重量に相当する。
走行駆動系40は、フォークリフト10を走行させるために駆動輪10Tを駆動する駆動力を発生するパワートレインである。走行駆動系40は、駆動輪10Tへ回転力を伝達することで、駆動輪10Tを駆動する。走行駆動系40は、駆動輪10Tを駆動するための駆動源である走行モータ(走行用電動機)41を含む。
運転者がアクセルペダル12を操作した場合、走行モータ41は、アクセルペダル12の操作量に応じた回転数で回転する。なお、走行駆動系40は、ステアリング13の操作に基づいて、後輪を操舵する操舵機構も備えている。
アシスト駆動系50は、荷役モータ31又は走行モータ41をアシストモータ(アシスト用電動機)51でアシストするためのパワートレインである。アシスト駆動系50は、アシストモータ51と、荷役アシスト切替部(アシスト出力切替部)52と、走行アシスト切替部(アシスト出力切替部)53と、を含む。アシストモータ51は、荷役モータ31又は走行モータ41をアシストするための駆動源である。アシストモータ51は、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53の状態に応じて、オイルポンプ32又は駆動輪10Tのいずれか一方を駆動する。或いは、アシストモータ51は、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53の状態に応じて、オイルポンプ32及び駆動輪10Tのいずれも駆動しない。
図2は、図1の産業車両の駆動系の一例を示す概略構成図である。図2に示されるように、駆動系20は、ギヤボックス21を有している。一例として、ギヤボックス21は、ケース22と、を有している。ギヤボックス21は、荷役モータ31から入力された動力をオイルポンプ32に伝達する。ギヤボックス21は、アシストモータ51から入力された動力を、オイルポンプ32又は駆動輪10Tの何れに伝達するか又は何れにも伝達しないかを切り替える。
ギヤボックス21には、荷役モータ31の出力軸に連結された荷役軸33と、走行モータ41の出力軸に連結された被アシスト軸42と、アシストモータ51の出力軸に連結されたアシスト軸54と、が設けられている。荷役軸33、被アシスト軸42、及び、アシスト軸54のそれぞれは、例えばギヤボックス21のケース22に固定されたベアリング等により軸支されている。
一例として、被アシスト軸42は、荷役軸33に隣り合って配置されている。ここでの被アシスト軸42は、荷役軸33に隣接して平行に並ぶように配置されている。荷役モータ31及び走行モータ41は、互いに隣り合ってギヤボックス21に取り付けられている。ギヤボックス21には、荷役モータ31及び走行モータ41からの駆動トルクがそれぞれ独立して入力され得る。
アシスト軸54は、荷役軸33に隣り合って配置されている。ここでのアシスト軸54は、荷役軸33に隣接して平行に並ぶように配置されている。アシスト軸54は、例えば、被アシスト軸42と同軸となるように被アシスト軸42の延長線上に配置されている。荷役モータ31及びオイルポンプ32は、互いに隣り合ってギヤボックス21に取り付けられている。ギヤボックス21には、アシストモータ51からの動力(以下、単に「アシスト動力」とも記す)が、荷役モータ31及び走行モータ41とは独立して入力され得る。
荷役モータ31とオイルポンプ32との間には、荷役用出力経路34が形成されている。荷役軸33は、例えば、荷役モータ31の出力軸と共に回転可能となるように荷役モータ31の出力軸に連結されている。荷役軸33は、オイルポンプ32の入力軸と共に回転可能となるようにオイルポンプ32の入力軸に連結されている。荷役モータ31の回転及びトルクは、荷役軸33を介してオイルポンプ32に伝達される。すなわち、荷役モータ31とオイルポンプ32との間には、荷役軸33を含む荷役用出力経路34が形成されている。
走行モータ41と駆動輪10Tとの間には、走行用出力経路44が形成されている。ここでの走行モータ41は、一例として両軸モータである。走行モータ41は、ギヤボックス21側と駆動輪10T側との双方に延びる出力軸を有している。ここでは、ギヤボックス21側の被アシスト軸42と、駆動輪10T側の走行軸43とは、走行モータ41の出力軸と共に回転可能となるように走行モータ41の出力軸に連結されている。走行軸43は、駆動輪10Tと共に回転可能となるように駆動輪10Tの駆動軸に連結されている。すなわち、走行モータ41と駆動輪10Tとの間には、走行軸43を含む走行用出力経路44が形成されている。なお、ギヤボックス21側の被アシスト軸42も、走行モータ41の出力軸と共に回転可能であるため、走行用出力経路44の一部と捉えることができる。
荷役軸33とアシスト軸54との間には、アシスト用歯車対(第1歯車対)55が設けられている。アシスト用歯車対55は、例えば、所定の変速比となる径寸法を有し、常時噛み合い式の一対のギヤ55a,55bである。ギヤ55aは、アシスト軸54に固定されており、アシスト軸54と共に回転する。ギヤ55bは、荷役軸33に対して相対回転可能に軸支され、荷役軸33とは別個独立に回転可能である。
アシスト用歯車対55には、荷役アシスト切替部52としてのハブスリーブ56が設けられている。ハブスリーブ56は、例えば荷役軸33にスプラインにより嵌合されており、荷役軸33と共に回転する。ハブスリーブ56は、荷役軸33に沿ってアシスト用歯車対55のギヤ55bに対して接近又は離間可能とされている。ハブスリーブ56のギヤ55b側には、ギヤ55bの側面に設けられた複数の凹凸と対応するように、複数の突起が形成されている。ハブスリーブ56は、ギヤ55bの側面と係合することができる。
アシスト軸54の回転及びトルクは、ギヤ55aがギヤ55bを回転させることでギヤ55bに伝達され、ハブスリーブ56がギヤ55bの側面と係合している状態においてハブスリーブ56を介して荷役軸33に伝達される。すなわち、アシストモータ51と荷役用出力経路34との間には、アシスト軸54、アシスト用歯車対55(ギヤ55a,55b)、ハブスリーブ56、及び、荷役軸33を含むアシスト動力経路57が形成されている。
ハブスリーブ56は、ギヤ55bから離れるように移動してギヤ55bの側面と係合しなくなった場合、アシスト軸54から荷役軸33へ回転及びトルクを伝達しない。つまり、ハブスリーブ56がギヤ55bの側面と係合しないことで、アシストモータ51からの動力がアシスト動力経路57を介してオイルポンプ32に伝達しない状態に切り替えられる。すなわち、ここでのハブスリーブ56は、アシスト動力経路57と荷役用出力経路34との間に設けられ、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介してオイルポンプ32に伝達させるか否かを切り替える荷役アシスト切替部(アシスト動力切替部)52として機能する。
アシスト軸54と被アシスト軸42との間には、遊星歯車機構(第1遊星歯車機構)58が設けられている。遊星歯車機構58は、リングギア(第1リングギア)58aと、プラネタリーギア(第1プラネタリーギア)58bと、サンギア(第1サンギア)58cと、を有している。
リングギア58aは、プラネタリーギア58bと噛み合う内歯が形成された内歯歯車である。ここでのリングギア58aは、ギヤボックス21のケース22に固定されている。
プラネタリーギア58bは、サンギア58cを取り囲むように複数個設けられている。プラネタリーギア58bは、遊星キャリアによって回転可能に軸支され、リングギア58a及びサンギア58cと噛み合っている。遊星キャリアは、サンギア58cに対して回転可能に設けられている。図2の鉤形状の太線で示されるように、ここでの遊星キャリアは、アシスト軸54と連結されている。遊星キャリアは、アシスト用歯車対55のギヤ55aを介してアシスト軸54と連結されていてもよい。これにより、プラネタリーギア58bは、アシストモータ51からの動力の入力部となっており、遊星歯車機構58には、遊星キャリアを介してアシストモータ51からの動力が入力される。
サンギア58cは、被アシスト軸42に対して相対回転可能に軸支され、被アシスト軸42とは別個独立に回転可能である。サンギア58cは、遊星歯車機構58から走行用出力経路44への動力の出力部となっており、プラネタリーギア58bから伝達されたアシストモータ51からの動力を走行用出力経路44の被アシスト軸42へと出力する。
サンギア58cには、走行アシスト切替部53としてのハブスリーブ59が設けられている。ハブスリーブ59は、例えば被アシスト軸42にスプラインにより嵌合されており、被アシスト軸42と共に回転する。ハブスリーブ59は、被アシスト軸42に沿ってサンギア58cに対して接近又は離間可能とされている。ハブスリーブ59のサンギア58c側には、サンギア58cの側面に設けられた複数の凹凸と対応するように、複数の突起が形成されている。ハブスリーブ59は、サンギア58cの側面と係合することができる。
アシスト軸54の回転及びトルクは、遊星キャリアを介してプラネタリーギア58bに伝達され、プラネタリーギア58bがサンギア58cを回転させることでサンギア58cに伝達される。アシスト軸54の回転及びトルクは、ハブスリーブ59がサンギア58cの側面と係合している状態においてハブスリーブ59を介して被アシスト軸42に伝達される。被アシスト軸42に伝達されたアシスト軸54の回転及びトルクは、両軸モータである走行モータ41の出力軸を介して、駆動輪10T側の走行軸43に伝達される。すなわち、アシストモータ51の出力軸と走行用出力経路44との間には、アシスト軸54、遊星歯車機構58(プラネタリーギア58b,サンギア58c)、ハブスリーブ59、及び、被アシスト軸42を含むアシスト動力経路57が形成されている。
ハブスリーブ59は、サンギア58cから離れるように移動してサンギア58cの側面と係合しなくなった場合、アシスト軸54から被アシスト軸42へ回転及びトルクを伝達しない。つまり、ハブスリーブ59がサンギア58cの側面と係合しないことで、アシストモータ51からの動力がアシスト動力経路57を介して駆動輪10Tに伝達しない状態に切り替えられる。すなわち、ここでのハブスリーブ59は、アシスト動力経路57と走行用出力経路44との間に設けられ、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して駆動輪10Tに伝達させるか否かを切り替える走行アシスト切替部(アシスト動力切替部)53として機能する。
図3~図5を参照して、上述のように構成された駆動系20の動作を説明する。図3は、図2の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。図3の例では、ハブスリーブ56はギヤ55bの側面と係合しておらず、ハブスリーブ59はサンギア58cの側面と係合していない。したがって、アシスト動力経路57は、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達しないように切り替えられており、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tに伝達しないように切り替えられている。
この場合、荷役用出力経路34と走行用出力経路44とは、アシストモータ51のアシストなしで動作する。具体的には、荷役モータ31の出力は、アシストモータ51のアシストなしで、荷役軸33を介してオイルポンプ32に伝達される。走行モータ41の出力は、被アシスト軸42からのアシストモータ51のアシストなしで、走行軸43を介して駆動輪10Tへと伝達される。
図4は、図2の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。図4の例では、ハブスリーブ56はギヤ55bの側面と係合していない。一方、ハブスリーブ59はサンギア58cの側面と係合している。アシスト動力経路57は、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tには伝達するように切り替えられている。
この場合、走行用出力経路44とアシスト動力経路57とが接続され、アシストモータ51は走行モータ41をアシストする。具体的には、走行モータ41の出力は、図3の例と同様にして走行軸43を介して駆動輪10Tへと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト軸54及びアシスト用歯車対55のギヤ55aを介して、遊星歯車機構58の遊星キャリアに伝達される。アシストモータ51の動力は、遊星キャリアを介してプラネタリーギア58bに伝達され、プラネタリーギア58bがサンギア58cを回転させることでサンギア58cに伝達される。アシストモータ51の動力は、サンギア58cに係合するハブスリーブ59を介して被アシスト軸42に伝達され、走行用出力経路44に伝達される。
図5は、図2の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。図5の例では、ハブスリーブ59はサンギア58cの側面と係合していない。一方、ハブスリーブ56はギヤ55bの側面と係合している。アシスト動力経路57は、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tに伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32には伝達するように切り替えられている。
この場合、荷役用出力経路34とアシスト動力経路57とが接続され、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストする。具体的には、荷役モータ31の出力は、図3の例と同様にして荷役軸33を介してオイルポンプ32へと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57を介して荷役用出力経路34に伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト軸54及びアシスト用歯車対55を介して、ギヤ55aがギヤ55bを回転させることでギヤ55bに伝達される。アシストモータ51の動力は、ギヤ55bに係合するハブスリーブ56を介して荷役軸33に伝達され、荷役用出力経路34に伝達される。
図1に戻り、フォークリフト10は、駆動系20を制御する制御装置60を有している。制御装置60は、フォークリフト10の運転制御を行うための装置である。制御装置60は、荷役操作レバー11及びアクセルペダル12の操作に基づいて、駆動系20を制御する。
制御装置60は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。制御装置60では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。なお、制御装置60は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
制御装置60は、荷役操作レバー11、アクセルペダル12、及び、ステアリング13に電気的に接続されており、これらの運転指令を受信する。制御装置60は、油圧センサ14に電気的に接続されており、油圧センサ14から送信されたリフトシリンダの油圧の検出信号を受信する。制御装置60は、駆動系20と電気的に接続されており、駆動系20を制御するための制御信号を送信する。
次に、制御装置60の機能的構成について説明する。制御装置60は、荷役状態取得部(圧力取得部)61、走行状態取得部(トルク取得部、回転数取得部)62、及び、出力制御部(切替制御部)63を有している。
荷役状態取得部61は、荷役装置の状態(荷重)を取得する。荷役装置の状態は、リフトシリンダ10Lの圧力によって得られる。荷役状態取得部61は、例えば、油圧センサ14の検出結果に基づいて、リフトシリンダ10Lの圧力を取得する。
走行状態取得部62は、フォークリフト10の走行状態として駆動輪10Tの状態を取得する。駆動輪10Tの状態には、ホイールトルクと、ホイール回転数とが含まれる。走行状態取得部62は、例えば、アクセルペダル12の踏み込み量に基づいて、公知の換算式等を用いて、駆動輪10Tを駆動するホイールトルクを算出することができる。ホイールトルクは、駆動輪10Tの駆動力に相当するトルクの推定値である。ホイールトルクの値は、実際の駆動輪10Tの駆動トルクよりも先行して変化してもよく、駆動輪10Tの駆動力の目標値を意味してもよい。走行状態取得部62は、例えば、走行モータ41に設けられた回転数センサの検出結果に基づいて、公知の換算式等を用いて、ホイール回転数を算出することができる。
出力制御部63は、取得した荷役装置の状態と駆動輪10Tの状態と荷役操作レバー11及びアクセルペダル12の操作量とに基づいて、荷役モータ31の出力(力行)、走行モータ41の出力(力行)、及び、アシストモータ51の出力(力行)を含む駆動系20の状態を制御する。出力制御部63は、例えば、荷役モータ31に制御信号を送信することで、荷役操作レバー11の操作量に応じた回転数となるように荷役モータ31を制御する。出力制御部63は、例えば、走行モータ41に制御信号を送信することで、アクセルペダル12の踏み込み量に応じた回転数となるように走行モータ41を制御する。
出力制御部63は、駆動系20に制御信号を送信することで荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御して、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介してオイルポンプ32又は駆動輪10Tの何れかに伝達させるか否かを切り替える。出力制御部63は、例えばアシストモータ51がオイルポンプ32又は駆動輪10Tのいずれか一方を駆動可能である場合、アシストモータ51に制御信号を送信することで、荷役モータ31又は走行モータ41をアシストするように、アシストモータ51の回転数及びトルクを制御する。
[ホイールトルクに基づくアシストモータによる走行モータのアシスト]
出力制御部63は、ホイールトルクに基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御することができる。
図6は、ホイール回転数に対するホイールトルクの関係の一例を示す図である。図6の横軸はホイール回転数であり、フォークリフト10の車速に相当する。図6の縦軸はホイールトルクであり、駆動輪10Tの駆動力の目標値に相当し、本実施例では、アクセルペダル12の踏み込み量から算出したトルク目標値である。図6の実線L1Bは、走行モータ41の出力特性を示している。図6の破線L1Aは、アシストモータ51の走行軸43上の出力特性を示している。図6の実線L1Cは、走行モータ41の出力にアシストモータ51の出力を加えた場合の出力特性を示している。図6の各プロットは、フォークリフト10が所定の走行をする際の駆動輪10Tの状態の軌跡である。走行モータ41の出力特性は、フォークリフト10の設計上の想定される走行抵抗に抗して走行可能となるように、例えば図6の高車速側のプロットを含むような出力特性とされている。
図7は、図6における産業車両の所定の走行を説明するための図である。一例として、所定の走行は、空荷のフォークリフト10が停車又は徐行状態で荷役装置を用いて荷物を持ち上げて、荷物を持ち上げた状態で発進し、車速を増加していく運転パターンを想定する。
所定の走行のうち、空荷のフォークリフト10が停車又は徐行状態で荷役装置を用いて荷物を持ち上げようとしているとき、フォークリフト10では、荷役装置と駆動輪10Tとの両方を駆動することが要される。このような場面では、一点鎖線で囲まれる領域DR1に駆動輪10Tの状態の軌跡(プロット)が存在し易い。一点鎖線で囲まれる領域DR1は、ホイール回転数が所定値未満であり、且つ、ホイールトルクが所定値未満である領域に相当する。ホイールトルクの所定値は、例えば、走行モータ41の低車速側で取り得る上限トルク値である。低車速側とは、例えば、図6の座標系に合わせた荷役モータ31の最大車速(破線L1Aの右端の車速)よりも低い車速であってもよい。
出力制御部63は、ホイールトルクが所定のトルク閾値未満である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達させないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。所定のトルク閾値は、アシストモータ51が走行モータ41をアシストするか否かを判定するためのホイールトルクの閾値である。トルク閾値は、例えば、図6の実線L1Bとして示される値に設定される。トルク閾値は、図7の破線Th1として示される値に設定されてもよい。このようなトルク閾値に設定することにより、一点鎖線で囲まれる領域DR1がトルク閾値以下の領域に含まれることとなる。
図7の一点鎖線DR2は、フォークリフト10が走行を開始して車速を増加していく運転パターンにおける駆動輪10Tの状態の軌跡の一例である。一点鎖線DR2のうち、ホイール回転数が0の点から立ち上がる部分である一点鎖線DR2aが、フォークリフト10が走行を開始するときに対応している。
荷役装置を用いて荷物を持ち上げたフォークリフト10が走行を開始するとき、フォークリフト10が走行するために要する駆動輪10Tの駆動力は、荷物の重量に応じて増加し易い。このような場面では、一点鎖線DR2aで示されるように、ホイールトルク(駆動力の目標値)がトルク閾値以上となる場合がある。そこで、出力制御部63は、ホイールトルクが上述のトルク閾値以上である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達させるように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。これにより、駆動系20は、図4に示されるように、アシストモータ51が走行モータ41をアシストする状態に設定される。アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達されるため、駆動輪10Tの駆動力は、走行モータ41の出力にアシストモータ51の動力を上乗せした分だけ実現可能となる。図6及び図7の例では、駆動輪10Tの駆動力は、実線L1Cを上限とする範囲で実現可能となる。
なお、図7の一点鎖線DR2のうち、頂点から高車速側の部分一点鎖線DR2bは、例えば、荷役装置を用いて荷物を持ち上げた状態のフォークリフト10の車速が高くなり加速度が走行開始時よりも緩やかとなる状況に対応している。そのため、図7の例では、走行に要するホイールトルクが漸減している。例えば駆動輪10Tの駆動力を走行モータ41の出力で賄えるようになった場合、アシストモータ51による走行モータ41のアシストが解除される。駆動系20は、図3に示されるように、荷役用出力経路34と走行用出力経路44とがアシストモータ51のアシストなしで動作する状態に設定される。なお、仮に走行中にアシストモータ51による走行モータ41のアシストが解除されると急激な減速を伴うことがあるため、アシストモータ51による走行モータ41のアシストの解除は、ホイールトルクがトルク閾値未満となる場合に限定されることが望ましい。
[リフトシリンダの油圧に基づくアシストモータによる荷役モータのアシスト]
出力制御部63は、リフトシリンダの油圧(以下、単に「圧力」と記すことがある)に基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御することができる。
図8は、オイルポンプの流量に対する吐出圧力の関係の一例を示す図である。図8の横軸はオイルポンプ32の吐出流量であり、オイルポンプ32の回転数に応じて増減する。図8の縦軸はオイルポンプ32の吐出圧力であり、荷役装置に供給される作動油の圧力の目標値に相当する。図8の実線L2Aは、荷役モータ31によるオイルポンプ32の出力特性を示している。図8の破線L2Bは、アシストモータ51によるオイルポンプ32の出力特性を示している。図8の実線L2Cは、荷役モータ31の出力にアシストモータ51の出力を加えた場合のオイルポンプ32の出力特性を示している。実線L2A、破線L2Bは、フォークリフト10に搭載される荷役モータ31、アシストモータ51、オイルポンプ32の特性によって決定される。図8の各プロットは、フォークリフト10が所定の荷役作業をする際のオイルポンプ32の吐出圧力の軌跡である。一例として、所定の荷役作業は、フォークリフト10の作業パターンを想定している。各プロットは、オイルポンプ32の出力に対して、荷物あり又は空荷でのリフト動作及び又はティルト動作の動作点がどの位置にあるかを示している。領域LD1は、最大負荷でリフト動作を行った場合を示す。領域LD2は、空荷でリフト動作を行った場合を示す。領域LD3は、最大負荷および空荷でティルト動作のみを行った場合を示す。
図8においては、空荷状態の領域LD2から負荷を増加させていくと、最大負荷状態のLD1との間に、荷役モータ31のみでは出力が不足する境界が存在する。この境界が、荷役モータ31のみでオイルポンプ32を駆動した場合の上限圧力値であり、図8の実線L2Aに対応する。
そこで、出力制御部63は、実線L2Aとなるような荷重に相当するリフトシリンダ10Lの圧力を圧力閾値として設定する。出力制御部63は、リフトシリンダ10Lの圧力が所定の圧力閾値以上である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して荷役用出力経路34に伝達させるように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。所定の圧力閾値は、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストするか否かを判定するための圧力の閾値である。このような圧力閾値に設定することにより、リフトシリンダ10Lを高負荷で駆動する際の吐出圧力の各プロット(例えば領域LD1)が、実線L2Cを上限とする範囲に含まれることとなる。
これにより、駆動系20は、図5に示されるように、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストする状態に設定される。アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57を介して荷役用出力経路34に伝達されるため、オイルポンプ32の吐出圧力は、荷役モータ31の出力にアシストモータ51の出力を上乗せした分だけ実現可能となる。図8の例では、オイルポンプ32の吐出圧力は、実線L2Cを上限とする範囲で実現可能となる。
圧力閾値以上のリフトシリンダ10Lの圧力が不要となった場合、アシストモータ51による荷役モータ31のアシストが解除される。駆動系20は、図3に示されるように、荷役用出力経路34と走行用出力経路44とがアシストモータ51のアシストなしで動作する状態に設定される。
なお、図8の一点鎖線で囲まれる領域LD2は、例えば、空荷でリフトシリンダ10Lを駆動する際のオイルポンプ32の吐出圧力のプロットを含む。図8の一点鎖線で囲まれる領域LD3は、フォークを傾斜させるようにティルトシリンダのみを駆動する際のオイルポンプ32の吐出圧力のプロットを含む。出力制御部63は、リフトシリンダ10Lの圧力が所定の圧力閾値未満である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達させないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。これにより、駆動系20は、図3に示されるように、荷役用出力経路34と走行用出力経路44とがアシストモータ51のアシストなしで動作する状態に設定される。
[ホイール回転数に基づくアシストモータによる荷役モータのアシスト制限]
出力制御部63は、ホイール回転数に基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御することができる。
図7の一点鎖線DR2のうち、頂点から高車速側の部分では、フォークリフト10の車速が高くなると、ホイール回転数が所定値Th2以上となる。このようにフォークリフト10が所定車速以上で走行している場合、最大負荷でリフト動作を行うような荷役作業(リフトした状態の維持ではなく、リフトアップするリフト動作を行う荷役作業)は行われにくい。よって、吐出圧力が領域LD1に含まれることは生じにくい。
そこで、出力制御部63は、ホイール回転数が所定の回転数閾値以上である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して荷役用出力経路34に伝達させないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。所定の回転数閾値は、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストするか否かを判定するためのホイール回転数の閾値であり、例えば上記の所定値Th2であってもよい。このような回転数閾値に設定することにより、フォークリフト10が回転数閾値に対応する所定車速以上で走行している場合、アシストモータ51によって荷役モータ31がアシストがされない状態(荷役制限の状態)とすることができる。
[制御装置60による演算処理の一例]
次に、制御装置60による演算処理の一例について説明する。図9は、図1の制御装置による演算処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示される処理は、例えばフォークリフト10の運転中に実行される。図9に示されるように、制御装置60は、S01において、荷役状態取得部61により、リフトシリンダ10Lの圧力の取得を行う。制御装置60は、S02において、出力制御部63により、例えば図8の実線L2Aとして示される吐出圧力に相当するリフトシリンダ10Lの荷重をリフトシリンダ10Lの圧力閾値として決定する。
制御装置60は、S03において、走行状態取得部62により、ホイールトルクの算出(取得)を行う。ホイールトルクの算出では、フォークリフト10の車速及び荷の重量が加味されてもよい。制御装置60は、S04において、出力制御部63により、例えば、走行モータ41およびギヤ要件(例えば変速比等)から決定される特性に基づき、図6の実線L1Bとして示されるように、トルク閾値の決定を行う。或いは、制御装置60は、S04において、出力制御部63により、例えば図7の破線Th1として示されるように、トルク閾値の決定を行ってもよい。
制御装置60は、S05において、走行状態取得部62により、例えば走行モータ41に設けられた回転数センサの検出結果に基づいて、ホイール回転数の算出を行う。制御装置60は、S06において、出力制御部63により、例えば図7の破線として示される所定値Th2に相当するホイール回転数を回転数閾値として決定する。
制御装置60は、S07において、出力制御部63により、ホイール回転数が回転数閾値以上であるか否かの判定を行う。制御装置60は、ホイール回転数が回転数閾値以上であると出力制御部63により判定された場合(S07:YES)、S08において、出力制御部63により、アシストモータ51によって荷役モータ31及び走行モータ41をアシストしないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53が制御される。なお、S08の処理は、フォークリフト10が回転数閾値に対応する所定車速以上で走行しているときの荷役制限の状態に相当する。その後、制御装置60は、図9の処理を終了し、所定演算周期後に図9の処理を繰り返す。
一方、制御装置60は、ホイール回転数が回転数閾値以上ではない(ホイール回転数が回転数閾値未満である)と出力制御部63により判定された場合(S07:NO)、S09において、出力制御部63により、リフトシリンダ10Lの圧力が圧力閾値以上であるか否かの判定を行う。制御装置60は、リフトシリンダ10Lの圧力が圧力閾値以上であると出力制御部63により判定された場合(S09:YES)、S10において、出力制御部63により、アシストモータ51によって荷役モータ31をアシストするように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53が制御される。その後、制御装置60は、図9の処理を終了し、所定演算周期後に図9の処理を繰り返す。
制御装置60は、リフトシリンダ10Lの圧力が圧力閾値以上ではない(リフトシリンダ10Lの圧力が圧力閾値未満である)と出力制御部63により判定された場合(S09:NO)、S11において、出力制御部63により、ホイールトルクがトルク閾値以上であるか否かの判定を行う。制御装置60は、ホイールトルクがトルク閾値以上であると出力制御部63により判定された場合(S11:YES)、S12において、出力制御部63により、アシストモータ51によって走行モータ41をアシストするように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53が制御される。その後、制御装置60は、図9の処理を終了し、所定演算周期後に図9の処理を繰り返す。
一方、制御装置60は、ホイールトルクがトルク閾値以上ではない(ホイールトルクがトルク閾値未満である)と出力制御部63により判定された場合(S11:NO)、S08において、出力制御部63により、アシストモータ51によって荷役モータ31及び走行モータ41をアシストしないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53が制御される。その後、制御装置60は、図9の処理を終了し、所定演算周期後に図9の処理を繰り返す。
[作用及び効果]
以上、本実施形態に係るフォークリフト10では、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53によって、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介してオイルポンプ32に伝達させるように切り替えられた場合、アシストモータ51は、荷役モータ31をアシストする。或いは、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して駆動輪10Tに伝達させるように切り替えられた場合、アシストモータ51は、走行モータ41をアシストする。荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53の切り替えに応じて、荷役モータ31及び走行モータ41単体と比べて、走行用及び荷役用の最大出力性能をアシストモータ51のアシストによりそれぞれ向上することができる。その結果、走行用の走行モータ41及び荷役用の荷役モータ31として、より低出力な電動機を選択することが可能となるため、荷役モータ31及び走行モータ41の小型化が可能となる。したがって、走行用及び荷役用の出力性能の不足を抑制しつつ、走行用の走行モータ41及び荷役用の荷役モータ31の小型化を図ることが可能となる。
フォークリフト10では、アシスト動力経路57は、アシストモータ51の出力軸と荷役用出力経路34との間に設けられた常時噛み合い式のアシスト用歯車対55と、アシストモータ51の出力軸と走行用出力経路44との間に設けられた遊星歯車機構58と、を有している。遊星歯車機構58は、固定されたリングギア58aと、アシストモータ51からの動力の入力部となるプラネタリーギア58bと、走行用出力経路44への動力の出力部となるサンギア58cと、を有している。この構成によれば、アシストモータ51からの動力を、遊星歯車機構58で回転数を減速しつつ走行用出力経路44へと出力することができる。
フォークリフト10では、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53は、アシスト動力経路57と荷役用出力経路34との間に設けられたハブスリーブ56と、アシスト動力経路57と走行用出力経路44との間に設けられたハブスリーブ59と、を有している。この構成によれば、アシスト用歯車対55と荷役用出力経路34のハブスリーブ56とを係合させるか否かに応じて、アシストモータ51からの動力をオイルポンプ32に伝達させるか否かを切り替えることができる。また、遊星歯車機構58と走行用出力経路44のハブスリーブ59とを係合させるか否かに応じて、アシストモータ51からの動力を駆動輪10Tに伝達させるか否かを切り替えることができる。
フォークリフト10では、荷役用のリフトシリンダ10Lの圧力を取得する荷役状態取得部61と、リフトシリンダ10Lの圧力に基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する出力制御部63と、を備えている。出力制御部63は、リフトシリンダ10Lの圧力が所定の圧力閾値未満である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達させるように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する。この構成によれば、荷役モータ31へのアシストが不要である程度にリフトシリンダ10Lの圧力が小さい状態であることから、アシストモータ51からの動力をオイルポンプ32に伝達させずに駆動輪10Tに伝達させる状態とすることができる。
フォークリフト10では、駆動輪10Tを駆動するホイールトルクを取得する走行状態取得部62と、ホイールトルクに基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する出力制御部63と、を備えている。出力制御部63は、ホイールトルクが所定のトルク閾値以上である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して走行用出力経路44に伝達させるように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する。この構成によれば、走行モータ41へのアシストが必要である程度にホイールトルクが大きい状態であることから、アシストモータ51からの動力をオイルポンプ32に伝達させずに駆動輪10Tに伝達させる状態とすることができる。
フォークリフト10では、駆動輪10Tの回転数を取得する走行状態取得部62と、駆動輪10Tの回転数に基づいて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する出力制御部63と、を備えている。出力制御部63は、駆動輪10Tの回転数が所定の回転数閾値以上である場合に、アシストモータ51からの動力をアシスト動力経路57を介して荷役用出力経路34に伝達させないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御する。この構成によれば、フォークリフト10が一定以上の車速で走行していることから、荷役モータ31へのアシストを要するような荷役作業は行われにくい。そこで、アシストモータ51からの動力をオイルポンプ32に伝達させない状態(荷役制限の状態)とすることができる。
[変形例]
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、アシスト軸54が被アシスト軸42と同軸となるように配置された平行2軸で遊星歯車機構58を用いる構成を例示したが、この例に限定されない。
例えば、図10~図13に示されるように、駆動系20Aは、遊星歯車機構を用いない平行3軸の構成とすることができる。図10の例では、アシスト動力経路57Aは、アシストモータ51の出力軸と荷役用出力経路34との間に設けられたアシスト用歯車対(第3歯車対)55Aと、アシストモータ51の出力軸と走行用出力経路44Aとの間に設けられたアシスト用歯車対(第4歯車対)58Aと、を有している。アシスト用歯車対55Aには、荷役アシスト切替部52としてのハブスリーブ56Aが設けられている。アシスト用歯車対58Aには、走行アシスト切替部53としてのハブスリーブ59Aが設けられている。
図11~図13を参照して、このように構成された駆動系20Aの動作を説明する。図11は、図10の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。図11の例では、ハブスリーブ56Aはアシスト用歯車対55Aのギヤ55Abの側面と係合しておらず、ハブスリーブ59Aはアシスト用歯車対58Aのギヤ58Aaの側面と係合していない。したがって、アシスト動力経路57Aは、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達しないように切り替えられており、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tに伝達しないように切り替えられている。
この場合、荷役用出力経路34と走行用出力経路44Aとは、アシストモータ51のアシストなしで動作する。具体的には、荷役モータ31の出力は、アシストモータ51のアシストなしで、荷役軸33を介してオイルポンプ32に伝達される。走行モータ41の出力は、アシストモータ51のアシストなしで、走行軸43Aを介して駆動輪10Tへと伝達される。
図12は、図10の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。図12の例では、ハブスリーブ56Aはアシスト用歯車対55Aのギヤ55Abの側面と係合していない。一方、ハブスリーブ59Aはアシスト用歯車対58Aのギヤ58Aaの側面と係合している。したがって、アシスト動力経路57Aは、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tには伝達するように切り替えられている。
この場合、走行用出力経路44Aとアシスト動力経路57Aとが接続され、アシストモータ51が走行モータ41をアシストする。具体的には、走行モータ41の出力は、図11の例と同様にして走行軸43Aを介して駆動輪10Tへと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57Aを介して走行用出力経路44Aに伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト用歯車対58Aのギヤ58Aaに係合するハブスリーブ59Aを介して走行軸43Aに伝達され、走行用出力経路44Aに伝達される。
図13は、図10の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。図13の例では、ハブスリーブ59Aはアシスト用歯車対58Aのギヤ58Aaの側面と係合していない。一方、ハブスリーブ56Aはアシスト用歯車対55Aのギヤ55Abの側面と係合している。したがって、アシスト動力経路57Aは、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tには伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達するように切り替えられている。
この場合、荷役用出力経路34とアシスト動力経路57Aとが接続され、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストする。具体的には、荷役モータ31の出力は、図11の例と同様にして荷役軸33を介してオイルポンプ32へと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57Aを介して荷役用出力経路34に伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト用歯車対55Aのギヤ55Abに係合するハブスリーブ56Aを介して荷役軸33に伝達され、荷役用出力経路34に伝達される。
以上、図10~図13の変形例の構成によれば、歯車対を2組用いることで、アシスト動力経路57Aを容易に構成することができる。
或いは、例えば図14~図17に示されるように、駆動系20Bは、駆動系20におけるアシスト用歯車対55のギヤ55aを用いない構成とすることができる。図14に示されるように、アシスト動力経路57Bは、アシストモータ51の出力軸と荷役用出力経路34との間、及び、アシストモータ51の出力軸と走行用出力経路44Bとの間に設けられた遊星歯車機構(第2遊星歯車機構)58Bと、遊星歯車機構58Bと荷役用出力経路34との間に設けられたアシスト用歯車対(第2歯車対)55Bと、を有している。遊星歯車機構58Bは、リングギア(第2リングギア)58Baと、プラネタリーギア(第2プラネタリーギア)58Bbと、サンギア(第2サンギア)58Bcと、を有している。プラネタリーギア58Bbの遊星キャリアは、例えばギヤボックス21のケース22に固定されている。つまり、プラネタリーギア58Bbは、固定された遊星キャリアに軸支されている。図14の鉤形状の太線で示されるように、ここでは、リングギア58Baがアシスト軸54Bと連結されている。リングギア58Baは、アシストモータ51からの動力の入力部となっており、遊星歯車機構58Bには、リングギア58Baを介してアシストモータ51からの動力が入力される。リングギア58Baの外周面には、アシスト用歯車対55Bの荷役用出力経路34側のギヤ55Bbに噛み合う外歯55Baが形成されている。すなわち、アシスト用歯車対55Bは、リングギア58Baの外歯55Baと、荷役用出力経路34側のギヤ55Bbと、が常時噛み合う歯車対をなしている。アシスト用歯車対55Bの荷役用出力経路34側のギヤ55Bbには、荷役アシスト切替部52としてのハブスリーブ56Bが設けられている。サンギア58Bcには、走行アシスト切替部53としてのハブスリーブ59Bが設けられている。
図15~図17を参照して、このように構成された駆動系20Aの動作を説明する。図15は、図14の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプ又は車輪の何れにも伝達されない状態を示す図である。図15の例では、上記実施形態の図3の例と同様にして、荷役モータ31の出力は、アシストモータ51のアシストなしで、荷役軸33を介してオイルポンプ32に伝達される。走行モータ41の出力は、アシストモータ51のアシストなしで、走行軸43を介して駆動輪10Tへと伝達される。
図16は、図14の駆動系において、アシスト動力が車輪に伝達される状態を示す図である。図16の例では、基本的には上記実施形態の図4の例と同様にして、アシスト動力経路57Bは、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32に伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tには伝達するように切り替えられている。
この場合、走行用出力経路44Bとアシスト動力経路57Bとが接続され、アシストモータ51が走行モータ41をアシストする。具体的には、走行モータ41の出力は、上記実施形態の図3の例と同様にして走行軸43を介して駆動輪10Tへと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57Bを介して走行用出力経路44Bに伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト軸54Bを介して、遊星歯車機構58Bのリングギア58Baに伝達される。アシストモータ51の動力は、リングギア58Baがプラネタリーギア58Bbを介してサンギア58Bcを回転させることでサンギア58Bcに伝達される。アシストモータ51の動力は、サンギア58Bcに係合するハブスリーブ59Bを介して被アシスト軸42に伝達され、走行用出力経路44Bに伝達される。
図17は、図14の駆動系において、アシスト動力がオイルポンプに伝達される状態を示す図である。図17の例では、基本的には上記実施形態の図5の例と同様にして、アシスト動力経路57Bは、アシストモータ51からの動力が駆動輪10Tに伝達しないように切り替えられている一方、アシストモータ51からの動力がオイルポンプ32には伝達するように切り替えられている。
この場合、荷役用出力経路34とアシスト動力経路57Bとが接続され、アシストモータ51が荷役モータ31をアシストする。具体的には、荷役モータ31の出力は、上記実施形態の図3の例と同様にして荷役軸33を介してオイルポンプ32へと伝達される。ここで、更に、アシストモータ51の動力がアシスト動力経路57Bを介して荷役用出力経路34に伝達される。アシストモータ51の動力は、アシスト軸54Bを介してリングギア58Baに伝達され、リングギア58Baの外周面に形成された外歯55Baが荷役用出力経路34側のギヤ55Bbを回転させることでギヤ55Bbに伝達される。アシストモータ51の動力は、ギヤ55Bbに係合するハブスリーブ56Bを介して荷役軸33に伝達され、荷役用出力経路34に伝達される。
以上、図14~図17の変形例の構成によれば、アシストモータ51からの動力を、遊星歯車機構58Bで回転数を減速しつつ走行用出力経路44Bへと出力することができる。また、アシスト用歯車対55Bの一方がリングギア58Baの外周面に形成された外歯55Baであるため、例えばアシスト用歯車対55Bの一方が別途設けられたギアである場合と比べて軸方向の寸法を抑えることができる。
上記実施形態では、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53として、ハブスリーブが設けられていたが、この例に限定されない。例えば、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53は、ハブスリーブに代えて、回転及びトルクを断切可能な湿式多板クラッチであってもよい。また、ハブスリーブの側面と、ギヤ55b等の側面との間には、乗用車等で用いられるトランスミッションのシンクロナイザリングが介在していてもよい。或いは、ハブスリーブは、シンクロナイザリングが介在していないドグクラッチ式であってもよい。
上記実施形態では、出力制御部63は、図9に示されるように、ホイール回転数と回転数閾値との比較、リフトシリンダ10Lの圧力と圧力閾値との比較、及び、ホイールトルクとトルク閾値との比較をすることで、自動的に荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御したが、これに限定されない。ホイール回転数と回転数閾値との比較、リフトシリンダ10Lの圧力と圧力閾値との比較、及び、ホイールトルクとトルク閾値との比較の少なくとも何れかを省いてもよい。また、ホイール回転数と回転数閾値との比較に代えて、車速閾値を決定し、車速センサによって得られる車速が車速閾値以上である場合に、荷役モータ31のアシストを行わないように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。また、図9のフローチャートにおいて、S02,S04,S06の処理(閾値の決定)は、フォークリフト10の運転中に行わなくてもよい。圧力閾値の決定、トルク閾値の決定、及び、回転数閾値(車速閾値)の決定は、フォークリフト10の設計段階で予め決定しておき、制御装置60に記憶させていてもよい。なお、例えば運転者の手動操作によってハブスリーブを移動させるワイヤを用いて、荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を手動操作してもよい。例えば、ホイール回転数と回転数閾値との比較、リフトシリンダ10Lの圧力と圧力閾値との比較、及び、ホイールトルクとトルク閾値との比較の少なくとも1つの比較結果が得られた場合であっても、当該比較結果によらずに荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を手動操作してもよい。この場合、運転者の手動操作によって、アシストモータ51からの動力をオイルポンプ32又は駆動輪10Tの何れかに伝達させるか否かを任意に切り替えることができる。
ちなみに、ホイール回転数が回転数閾値以上であっても、荷役モータ31のアシストを行うように荷役アシスト切替部52及び走行アシスト切替部53を制御してもよい。例えば、図7において、ホイール回転数が所定値Th2以上であって実線L1Bの最大回転数未満の領域を中速域と高速域とに分割すると考えて、中速域で荷役モータ31のアシストを行ってもよい。中速域の範囲の上限は、所定値Th2よりも大きい回転数であって図7の実線L1Bの最大回転数未満の回転数であれば特に限定されない。
なお、アシスト用歯車対55,55A,55B,58Aは、常時噛み合い式に限定されない。
上記実施形態では、フォークリフト10を産業車両として例示したが、これに限定されない。産業車両は、荷役装置を駆動する荷役用電動機と車輪を駆動する走行用電動機とを備えるものであればよい。
以上に記載された実施形態及び種々の変形例の少なくとも一部が任意に組み合わせられてもよい。
10…フォークリフト(産業車両)、10L…リフトシリンダ、14…油圧センサ(圧力取得部)、31…荷役モータ(荷役用電動機)、32…オイルポンプ、34…荷役用出力経路、41…走行モータ(走行用電動機)、44,44A,44B…走行用出力経路、51…アシストモータ(アシスト用電動機)、52…荷役アシスト切替部(アシスト動力切替部)、53…走行アシスト切替部(アシスト動力切替部)、55…アシスト用歯車対(第1歯車対)、55A…アシスト用歯車対(第3歯車対)、55B…アシスト用歯車対(第2歯車対)、55Ba…外歯、56,56A,56B,59,59A,59B…ハブスリーブ、57,57A,57B…アシスト動力経路、58…遊星歯車機構(第1遊星歯車機構)、58A…アシスト用歯車対(第4歯車対)、58a…リングギア(第1リングギア)、58B…遊星歯車機構(第2遊星歯車機構)、58b…プラネタリーギア(第1プラネタリーギア)、58Ba…リングギア(第2リングギア)、58Bb…プラネタリーギア(第2プラネタリーギア)、58Bc…サンギア(第2サンギア)、58c…サンギア(第1サンギア)、61…荷役状態取得部(圧力取得部)、63…出力制御部(切替制御部)。

Claims (8)

  1. 荷役装置を駆動する荷役用電動機と車輪を駆動する走行用電動機とを備える産業車両であって、
    前記荷役用電動機と荷役用のオイルポンプとの間に形成された荷役用出力経路と、
    前記走行用電動機と前記車輪との間に形成された走行用出力経路と、
    前記荷役用電動機又は前記走行用電動機をアシストするためのアシスト用電動機と、
    前記アシスト用電動機と前記荷役用出力経路との間、及び、前記アシスト用電動機と前記走行用出力経路との間に形成されたアシスト動力経路と、
    前記アシスト用電動機からの動力を前記アシスト動力経路を介して前記オイルポンプ又は前記車輪の何れかに伝達させるか否かを切り替えるアシスト動力切替部と、を備える、産業車両。
  2. 前記アシスト動力経路は、前記アシスト用電動機の出力軸と前記荷役用出力経路との間に設けられた第1歯車対と、前記アシスト用電動機の出力軸と前記走行用出力経路との間に設けられた第1遊星歯車機構と、を有し、
    前記第1遊星歯車機構は、固定された第1リングギアと、前記アシスト用電動機からの動力の入力部となる第1プラネタリーギアと、前記走行用出力経路への動力の出力部となる第1サンギアと、を有する、請求項1に記載の産業車両。
  3. 前記アシスト動力経路は、前記アシスト用電動機の出力軸と前記荷役用出力経路との間、及び、前記アシスト用電動機の出力軸と前記走行用出力経路との間に設けられた第2遊星歯車機構と、前記第2遊星歯車機構と前記荷役用出力経路との間に設けられた第2歯車対と、を有し、
    前記第2遊星歯車機構は、固定された遊星キャリアに軸支される第2プラネタリーギアと、前記アシスト用電動機からの動力の入力部となる第2リングギアと、前記走行用出力経路への動力の出力部となる第2サンギアと、を有し、
    前記第2リングギアの外周面には、前記第2歯車対の前記荷役用出力経路側の歯車に噛み合う外歯が形成されている、請求項1に記載の産業車両。
  4. 前記アシスト動力経路は、前記アシスト用電動機の出力軸と前記荷役用出力経路との間に設けられた第3歯車対と、前記アシスト用電動機の出力軸と前記走行用出力経路との間に設けられた第4歯車対と、を有する、請求項1に記載の産業車両。
  5. 前記アシスト動力切替部は、前記アシスト動力経路と前記荷役用出力経路との間に設けられたハブスリーブと、前記アシスト動力経路と前記走行用出力経路との間に設けられたハブスリーブと、を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の産業車両。
  6. 荷役用のリフトシリンダの圧力を取得する圧力取得部と、
    前記圧力に基づいて、前記アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、
    前記切替制御部は、前記圧力が所定の圧力閾値未満である場合に、前記アシスト用電動機からの動力を前記アシスト動力経路を介して前記走行用出力経路に伝達させるように前記アシスト動力切替部を制御する、請求項1~5のいずれか一項に記載の産業車両。
  7. 前記車輪を駆動するホイールトルクを取得するトルク取得部と、
    前記ホイールトルクに基づいて、前記アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、
    前記切替制御部は、前記ホイールトルクが所定のトルク閾値以上である場合に、前記アシスト用電動機からの動力を前記アシスト動力経路を介して前記走行用出力経路に伝達させるように前記アシスト動力切替部を制御する、請求項1~6のいずれか一項に記載の産業車両。
  8. 前記車輪の回転数を取得する回転数取得部と、
    前記回転数に基づいて、前記アシスト動力切替部を制御する切替制御部と、を備え、
    前記切替制御部は、前記回転数が所定の回転数閾値以上である場合に、前記アシスト用電動機からの動力を前記アシスト動力経路を介して前記荷役用出力経路に伝達させないように前記アシスト動力切替部を制御する、請求項1~7のいずれか一項に記載の産業車両。
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