JP2012049392A - 転位の出現深さを特定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層基板6に存在する転位には、表面から中間深さまで伸びている転位a、表面から基板との界面8まで伸びている転位b、表面から界面を越えて基板4にまで伸びている転位cが存在するところ、その出現深さを特定する方法が存在しない。転位の出現深さを特定できる技術を提供する。
【解決手段】 半導体層の表面からエッチングする。そのときに、エッチピットの内部に平坦底面fa,fbが出現するまでエッチングするか、あるいは、半導体層2を貫通する転位に沿って形成されるエッチピットが半導体層2を貫通する時間以上に亘ってエッチングする。その後にエッチピットの内部の出現した平坦底面fa,fbの深さを特定する。その深さが転位の出現深さに等しいことから、転位の出現深さが特定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体層に存在している転位の出現深さを特定する方法に関する。本発明はまた、結晶基板上に半導体層が結晶成長している積層基板に存在している転位の出現深さを特定する方法にも関する。
結晶成長させて半導体層を製造する際に、半導体層中に転位が形成されることがある。半導体層中に転位が形成されると、その半導体層を利用して製造する半導体装置の特性が低下する。高品質な半導体装置を製造するためには、半導体層に形成される転位の密度を減少させる必要がある。
半導体層に存在している転位には、半導体層の表面から半導体層の中間深さにまで伸びている転位と、半導体層の表面から裏面まで貫通している転位が存在する。結晶基板上に半導体層が結晶成長している場合には、半導体層の表面から結晶基板との界面まで伸びている転位と、界面を越えて結晶基板内にまで伸びている転位が存在する。本明細書では、転位の最深部を「転位の出現深さ」という。転位の出現深さを特定することができれば、転位の少ない半導体層が製造されるように対策することが可能となる。例えば、特定の中間深さで出現する転位が多く観察されれば、その深さにおける結晶成長条件を見直すことによって、転位の出現頻度を抑制することができる。界面で出現する転位が多く観察されれば、結晶基板の表面処理あるいは結晶成長の開始条件を見直すことによって、転位の出現頻度を抑制することができる。結晶基板から伸びている転位が多く観察されれば、結晶基板の処理を見直すことによって転位の出現頻度を抑制することができる。
半導体層の表面をエッチングすると、転位が表面に達している位置において半導体層が選択的にエッチングされ、エッチピットが形成される。エッチングすることで形成されるエッチピットの位置から、転位が表面に達している位置を特定することができる。
特許文献1に、表面にエッチピットが形成された半導体層を異方性エッチングして結晶基板を露出させる技術が開示されている。表面にエッチピットが形成された半導体層を異方性エッチングすると、露出した結晶基板の表面に、半導体層の表面に形成されたエッチピットの形状が転写される。露出した結晶基板の表面を再びエッチングすると、結晶基板内に存在している転位が結晶基板の表面に達している位置で新たなエッチピットが形成される。特許文献1の技術によると、露出した結晶基板の表面に、半導体層内の転位が半導体層の表面に達した位置を示すエッチピットと、結晶基板内の転位が結晶基板の表面に達した位置を示すエッチピットの両者が形成される。以下では、半導体層内の転位が半導体層の表面に達した位置を示すエッチピットを第1種類のエッチピットといい、結晶基板内の転位が結晶基板の表面に達した位置を示すエッチピットを第2種類のエッチピットという。
特許文献1の技術によって、第1種類のエッチピットと第2種類のエッチピットが対になって観察されれば、半導体層を貫通して結晶基板内に侵入している転位が存在することがわかる。第1種類のエッチピットが観察されて第2種類のエッチピットが観察されなければ、半導体層と結晶基板の界面から出現した転位が存在することがわかる。第2種類のエッチピットが観察されて第1種類のエッチピットが観察されなければ、結晶基板内だけを伸びている転位が存在することがわかる。
特開2008−28178号公報
特許文献1の技術は非常に有益なものであり、転位の形成原因を特定するのに有用な多くの情報が得られる。
しかしながら、第1種類のエッチピットが観察されて第2種類のエッチピットが観察されなければ、半導体層と結晶基板との界面で出現した転位が存在すると判別してしまう。第1種類のエッチピットが観察されて第2種類のエッチピットが観察されない場合、実際には、半導体層と結晶基板との界面で転位が出現していることもあれば、半導体層の中間深さで転位が出現していることもある。従来の技術では両者を区別することができない。
本明細書では、半導体層と結晶基板の界面で出現した転位なのか、あるいは半導体層の中間深さで出現した転位なのかまで特定できる技術を提供する。さらに後者の場合には、転位が出現した深さまで特定できる技術を開示する。
本明細書では、転位が存在する深さまではエッチングが進行する一方において、転位が存在しない深さに達するとそれ以上にはエッチングが進行しないという知見を活用した技術を開示する。
その知見を活用した一つの方法は、半導体層の表面からエッチングする工程を備えている。そのエッチング工程では、エッチングすることで形成されるエッチピットの内部に平坦底面が出現するまでエッチングする。上記工程の後に、エッチング工程で形成されたエッチピットの内部の出現した平坦底面の深さを特定する工程と、その特定工程で特定された平坦底面の深さから半導体層に存在する転位の出現深さを特定する工程を実施する。
転位が存在する半導体層の表面をエッチングすると、転位が表面に達している位置において半導体層が選択的にエッチングされ、エッチピットが形成される。その転位が、半導体層の中間深さで出現して表面にまで達している場合、転位が出現した深さまではエッチングが深さ方向に進行するのに対し、転位が出現した深さまでエッチングが進行してしまうとそれ以上の深さにはエッチングが進行しない。しかしながら、転位が出現した深さまではエッチングが進行した後も、エッチピットの側壁ではエッチングが進行し、結果としてエッチピットの底に平坦底面が出現する。エッチピットの内部に平坦底面が出現するまでエッチングし、その平坦底面の深さを特定すれば、それが転位の出現深さであると特定することができる。
この方法は、半導体層が結晶基板の表面に積層されていない場合にも有効であり、エッチピットが半導体層を貫通する以前にエッチングを終了する場合にも有用である。平坦底面が出現するまでエッチングすれば、その平坦底面の深さが転位の出現深さであると特定することができる。
転位を解析するためにエッチピットを形成する手法が知られている。これらの手法は、半導体層の表面に現れるエッチピットの形状と位置に着目するものであり、短時間のエッチングに限定されていた。エッチングを長時間に亘って継続すると、半導体層の表面において隣接して位置するエッチピット同士が重なりあり、エッチピットの形状と位置の解析に不利であることから、長時間のエッチングは採用できないとされてきた。
本明細書に開示する技術では、エッチピットの底面に出現する平坦底面の深さに着目する。半導体層の表面において隣接するエッチピットの外形同士が重なりあっても、平坦底面の深さを特定することをさまたげない。エッチピットの底面に平坦底面が出現するまでエッチングを継続する方法の有用性と実用性は、上記知見が得られたことによって、初めて認められたものである。
多くの半導体装置は、結晶基板上に半導体層を結晶成長させた積層基板を用いて製造される。その場合、結晶成長した半導体層に存在する転位が、半導体層の結晶成長の途中で出現した転位(その転位は、半導体層の表面から中間深さまで伸びている)なのか、結晶成長の開始時に出現した転位(その転位は、半導体層の表面から結晶基板との界面まで伸びている)なのか、結晶基板に存在している転位が半導体層にまで連続した転位(その転位は、半導体層の表面から界面を越えて結晶基板にまで伸びている)なのかを判別したい場合がある。
上記知見は、上記判別にも有用であり、そのための方法は、結晶基板上に結晶成長した半導体層の表面からエッチングする工程を備えている。そのエッチング工程では、半導体層を貫通する転位に沿って形成されるエッチピットがその半導体層を貫通する時間以上に亘ってエッチングする。エッチピットが半導体層を貫通する深さまで形成される時間は、予め計測しておくことができる。エッチング工程後に、エッチング工程で形成されたエッチピットの内部の出現した平坦底面の深さを特定する工程と、その特定工程で特定された平坦底面の深さから半導体層に存在する転位の出現深さを特定する工程を実施する。
平坦底面が半導体層の中間深さに観察されれば、その平坦底面の位置(平面視したときの位置)には、半導体層の結晶成長の途中で出現した転位(半導体層の表面から中間深さまで伸びている転位)が存在していたことがわかる。平坦底面が半導体層と結晶基板の界面の深さに観察されれば、その平坦底面の位置には、結晶成長の開始時に出現した転位(半導体層の表面から結晶基板との界面まで伸びている転位)が存在していたことがわかる。平坦底面が観察されなければ、そのエッチピットは界面を越えて結晶基板にまで達していることがわかる。すなわち、そのエッチピットの位置には、結晶基板に存在する転位が半導体層にまで連続した転位(半導体層の表面から界面を越えて結晶基板にまで伸びている転位)が存在していることがわかる。
本明細書に開示されている技術は、転位に沿ってエッチングが進行する半導体とエッチング手法の組み合わせ一般に有効である。なかでも、半導体層が炭化珪素単結晶層であり、半導体層の表面がSi面であり、溶融KOHを用いてエッチングする場合に特に有用である。炭化珪素単結晶層は物性に優れながらも転位が多く、転位を減少させる必要が特に強い。炭化珪素単結晶層に存在する転位の深さを特定することによって、炭化珪素単結晶層に存在する転位を減少させる技術が進展するものと期待できる。
炭化珪素の単結晶基板上に炭化珪素単結晶層を結晶成長させた場合には、とりわけ有用である。特許文献1の技術では、界面でエッチングストップすることが難しく、界面で出現した転位なのか、結晶基板に存在している転位が半導体層にまで連続して形成された転位なのかを正確に判別することが難しい。本明細書に開示されている技術によれば、確実に判別することができる。
本明細書に開示されている技術によって転位の出現深さを特定することが可能となる。特定の深さで多量の転位が出現することが判明すれば、その深さの結晶成長条件を解析することによって、多くの転位が出現する結晶成長条件を特定し、転位が出現しない結晶成長条件に改善することが可能となる。
結晶基板の表面に半導体層を結晶成長させた場合には、界面で出現した転位なのか、結晶基板中の転位が半導体層にまで連続した転位なのかの判別が可能となり、転位を減少させるための対策を的確に立案することが可能となる。
結晶基板と半導体層と転位とエッチピットの関係を模式的に一覧表示する断面図。 エッチング後の半導体層の表面のエッチピットの輪郭を模式的に一覧表示する図。 エッチング後の半導体層の表面の光学顕微鏡写真からエッチピットの輪郭をトレースした図。 転位の種類と、エッチピットの径の成長速度と、エッチピットの深さの成長速度を一覧表示する図。 半導体層の中間深さで出現する転位に沿って形成されるエッチピットの断面を示す図。 図5のエッチピットの径と深さと、エッチング時間の関係を示す図。 半導体層と結晶基板の界面で出現する転位に沿って形成されるエッチピットの断面と平面を示す図。 図7のエッチピットの径と深さと、エッチング時間の関係を示す図。 結晶基板から半導体層に伸びている転位に沿って形成されるエッチピットの断面を示す図。 図5,図7,図9のエッチピットの深さと、エッチング時間の関係を示す図。 半導体層の中間深さで出現する貫通刃状転位に沿って形成されるエッチピットの径と深さと、エッチング時間の関係を示す図。
下記の実施例に記載されている技術の主要な特徴を以下に例示する。
(特長1)半導体層をエッチングする時間を、出現深さを特定したい転位の種類に応じて設定する。
(特長2)エッチピットの内部に平坦底面が出現したか否かを、半導体層の表面の光学顕微鏡像から特定する。
(実施例)
図面を参照して、本実施例の転位出現深さ特定方法を説明する。図1は、炭化珪素の単結晶基板4上に、炭化珪素単結晶の半導体層2をエピタキシャル成長させた積層基板6の断面図を示している。図中a,b,cは、積層基板6に存在している転位を示しており、この場合はいずれも貫通らせん転位である場合を例示している。なお、図1は、模式図であり、厚さ方向を誇張して示している。縦横の寸法比は、実際のものと相違する。
(a1)に示す転位aは、結晶成長の途中で出現した転位を例示しており、半導体層2の表面から中間深さにまで伸びている。界面8には達していない。転位aの出現深さは、半導体層2内の中間深さである。
(b1)に示す転位bは、結晶成長の開始時に出現した転位を例示しており、半導体層2の表面から界面8にまで伸びている。結晶基板4内には、転位が存在しない。転位bの出現深さは、界面8の深さである。
(c1)に示す転位cは、結晶基板4内に存在していた転位が半導体層2内に延長された転位を示している。転位cの出現深さは、界面8よりも深く、結晶基板4内にある。
(a2)〜(c2)は、転位aの出現深さまでエッチングした状態での断面を示している。エッチングは、転位a,b,cに沿って深さ方向に進行する。この状態で形成されるエッチピットA2,B2,C2は、同一径であり、同一深さである。
(a3)〜(c3)は、転位b,cに沿って界面8までエッチングした状態での断面を示している。エッチピットB3は転位bに沿って界面8にまで達する。エッチピットC3は転位cに沿って界面8にまで達する。
(a2)と(a3)を比較すると明らかに、エッチピットA3の深さはエッチピットA2の深さに等しい。転位aの出現深さまでエッチングが進行すると(その状態が(a2)に示されている)、それよりも深部には転位が存在しないので、それよりも深部にはエッチングが進行しない。その反面、エッチピットの側面ではエッチングが進行する。エッチピットA3,B3,C3の表面における径は同一である。
結果として、エッチピットA3の内部には、平坦底面faが出現する。エッチピットA3の深さ(平坦底面faの深さ)は、エッチピットA2の深さに等しく、エッチピットB3,C3の深さよりも浅い。平坦底面faの深さは、転位aの出現深さを示している。平坦底面faの深さを特定すれば(レーザ顕微鏡で観察できる。段差膜厚計で観察することもできる)、転位aの出現深さを特定することができる。
(a4)〜(c4)は、(a3)〜(c3)後もエッチングを継続した後の断面を示している。エッチピットC4は転位cに沿って結晶基板4内に進入する。エッチピットC4は界面8を越えてさらに深くまで進入する。エッチピットが半導体層2を貫通する時間を越えてエッチングした後も平坦底面が観察されなければ、そのエッチピットの位置にある転位は、結晶基板4内の転位が半導体層2内にまで延長してきている転位であると特定することができる。
(b3)と(b4)を比較すると明らかに、エッチピットB3が界面8に達すると、それよりも深部の結晶基板4には転位が存在しないので、それよりも深部の結晶基板4内にまではエッチングが進行しない。その反面、エッチピットの側面ではエッチングが進行する。エッチピットB4,C4の表面における径は同一である。
結果として、エッチピットB4の内部には、平坦底面fbが出現する。エッチピットB4の深さ(平坦底面fbの深さ)は、界面8の深さに等しい。平坦底面fbの深さが界面8の深さに等しければ、そのエッチピットの位置にある転位は、界面8で出現した転位であると特定することができる。
(a2)と(a3)と(a4)を比較すると明らかに、転位aの出現深さまでエッチングが進行すると(その状態が(a2)に示されている)、それよりも深部には転位が存在しないので、それよりも深部にはエッチングが進行しない。エッチピットA3の平坦底面faの深さと、エッチピットA4の平坦底面faの深さは同じである。なお、エッチピットの側面ではエッチングが進行する。エッチピットA4,B4,C4の表面における径は同一である。
図2は、エッチピットA4,B4,C4の平面図を示している。エッチピット内に平坦底面があれば、観察することができた。
以上のことから、以下のことがわかる。エッチピットが半導体層2を貫通する時間以上に亘ってエッチングを継続((a4)〜(c4)に示される)したときに、
1)平坦底面が観察され、その深さが半導体層2の中間深さにあれば、その平坦底面内に半導体層2の結晶成長の途中で出現した転位があった。
2)平坦底面が観察され、その深さが界面8の深さにあれば、その平坦底面内に半導体層2の結晶成長開始時に出現した転位があった。
3)平坦底面が観察さなければ、そのエッチピット内に結晶基板4内の転位から延長してきた転位があった。
(a3)の工程でエッチングを終了しても有用な結果が得られる。すなわち、(a3)に例示する平坦底面faが観察されれば、それによって転位aの出現深さが特定される。半導体層内の中間深さで出現している転位の出現深さを特定する場合には、エッチピットが半導体層を貫通する時間以上に亘ってエッチングを継続する必要もなければ、半導体層が結晶基板上に結晶成長している必要もない。
以下ではさらに詳細に説明する。
(結晶基板4)結晶基板4には、厚さ350μmの炭化珪素単結晶基板を用いた。不純物濃度は、1×1019cm-3であった。
(半導体層2)結晶基板4の表面上に、13μmの炭化珪素単結晶層をエピタキシャル成長させた。不純物濃度は、5×1015cm-3であった。表面は、Si面であった。半導体層2内には、貫通らせん転位、貫通刃状転位、基底面内転位が存在していた。結晶欠陥の密度は、103〜104cm-2であった。
(エッチッグ剤)エッチング剤には、KOHを500℃に加熱して溶融させた溶融KOHを用いた。
(エッチング処理)溶融KOHを収容しているろつぼに、積層基板6を浸漬して積層基板6の表面からエッチングした。
(検証実験)エッチング時間を、2分、6分、10分、15分、20分、30分、45分に設定し、各エッチング時間の終了時点で得られた半導体層2の表面を光学顕微鏡で観察し、エッチピットの表面における開口径、平坦底面の有無、ならびに平坦底面の径を観察した。平坦底面が観察される場合には、レーザ顕微鏡で平坦底面の深さを観察した。段差膜厚計、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡で、平坦底面(平坦底面が観察されない場合にはエッチピットの最深部)の深さを観察することもできる。
図3は、エッチング時間を30分とした場合の半導体層2の表面の光学顕微鏡像から、エッチピットの輪郭をトレースした図を示しており、隣接するエッチピットが重なり合う現象が観察されるものの、エッチピット毎に、平坦底面が存在するか否かが判別可能であった。図中32は平坦底面であり、図中34は結晶基板4内に進入したエッチピットであった。
(転位の種類判別)特願2009−67215号に添付されている明細書と図面に開示されている技術を用いて、エッチピット毎に、そのエッチピットに対応する転位が、貫通らせん転位であるのか、貫通刃状転位であるのか、基底面内転位であるのかを判別した。
(エッチング速度の解析)上記によって、転位の種類毎に、エッチング時間(t)―エッチピットの表面における径(W)―エッチピットの深さ(D)―エッチピットの平坦底面の径(B)の関係が判明した。
その結果から、転位の種類毎に、半導体層2の表面における開口径Wの成長速度と、深さDの成長速度が判明した。図4が、その結果を集約したものである。
1)貫通らせん転位に沿って進行するエッチピットの場合、表面開口径Wの成長速度は、1.8μm/分であった。エッチピットの最深部が半導体層2内に留まっている間の深さDの成長速度は0.7μm/分であり、エッチピットの最深部が結晶基板4内に進入した後の深さDの成長速度は0.5μm/分であった。なお、転位が存在しない深さでは、エッチピットが進行しない。転位が存在しない深さでは、深さDの成長速度はゼロとなる。
2)貫通刃状転位または基底面内転位に沿って進行するエッチピットの場合、表面開口径Wの成長速度は、1.0μm/分であった。エッチピットの深さDの成長速度は、0.2μm/分であった。なお、転位が存在しない深さでは、エッチピットが進行しない。転位が存在しない深さでは、深さDの成長速度はゼロとなる。
半導体層2の厚みは13μmであり、貫通らせん転位に沿って形成されるエッチピットの深さ方向への成長速度が0.7μm/分であることから、貫通らせん転位が界面8よりも深くまで伸びているか否かを判定するためには、20分以上エッチングすればよいことがわかった。
図5の(a2)は、エッチング時間が10分の場合に観察されたエッチピットの一つの断面を示している。(a4)は、エッチング時間が45分の場合の観察された同一エッチピットの断面を示している。
図6(1)は、図5のエッチピットで観察されたエッチング時間とエッチピットの深さ(平坦底面が観察された場合は平坦平面)の関係を示しており、図6(2)のWは、エッチング時間とエッチピットの表面における開口径Wの関係を示しており、図6(2)のBは、エッチング時間とエッチピットの平坦底面の径Bの関係を示している。
明らかに、エッチピットの深さ方向への進行は7μmの深さで停止、その後は、半導体層2の表面に平行な方向にのみエッチングが進行し、その結果、平坦底面が形成されたことを示している。このことは、そのエッチピットが形成された位置には、半導体層2の表面から7μmの深さで出現した貫通らせん転位が存在していたことを示す。
図7の(1)は、エッチング時間が2分の場合に観察されたエッチピットの一つの断面を示している。図7の(2)〜(5)は、エッチング時間が6,10,20,30分の場合に観察された同一エッチピットの断面を示している。図7の右側には、エッチピットの平面図が示されている。
図8の(1)は、エッチング時間とエッチピットの深さ(図7の(5)以降は平坦底面の深さ)の関係を示しており、図8の(2)のWは、エッチング時間とエッチピットの表面における開口径Wの関係を示しており、図8の(2)のBは、エッチング時間とエッチピットの平坦底面の径Bの関係を示している。
明らかに、エッチピットの深さ方向への進行は13μmの深さで停止、その後は、半導体層2の表面に平行な方向にのみエッチングが進行し、その結果、平坦底面が形成されたことを示している。このことは、半導体層2の表面から13μmの深さ(界面8の深さに等しい)で出現した貫通らせん転位が存在していたことを示す。この場合は、結晶基板4には転位が存在せず、結晶成長の開始時点で出現した転位が存在していたことがわかる。
図9の(c3)は、エッチング時間が20分の場合に観察されたエッチピットの一つの断面を示している。(c4)は、エッチング時間が45分の場合の観察された同一エッチピットの断面を示している。
図10の丸印は、図9のエッチピットで観察されたエッチング時間とエッチピットの深さ(この場合には平坦底面が観察されない)の関係を示している。なお、図10には、図6の(1)と図8(1)の図も重ね表示されている。
明らかに、図9のエッチピットは、界面8を越えて深さ方向に進行する。ただし、図4に示すように、エッチピットの最深部が結晶基板4内に進入する以前では、深さDの成長速度が0.7μm/分であるものが、結晶基板4内に進入すると0.5μm/分の成長速度に減速する。エッチピットの最深部が界面8で停止せず、平坦底面が形成されないままに結晶基板4内に進入するエッチピットが形成される位置では、結晶基板4内の転位から半導体層2内にまで連続して伸びた転位が存在していることがわかる。
図11(1)は、一つのエッチピットで観察されたエッチング時間とエッチピットの深さの関係を示しており、図11の(2)のWは、エッチング時間とエッチピットの表面における開口径Wの関係を示しており、図11の(2)のBは、エッチング時間とエッチピットの平坦底面の径Bの関係を示している。
深さDの成長速度と開口Wの成長速度の比(エッチピットの側面の傾斜角を決定する)から、そのエッチピットは、貫通刃状転位または基底面内転位に沿って進行した転位であることがわかる。
また、平坦底面が観察され、その深さが7μmであることから、そのエッチピットが形成された位置には、半導体層2の表面から7μmの深さで出現した貫通刃状転位または基底面内転位が存在していたことがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施例では、炭化珪素の半導体層2を解析対象としている。しかしながら、転位が形成され易い他の種類の半導体層を利用する場合にも、上記の実施例の技術を適用することができる。例えば、六方晶系の材料によって形成される他の半導体層(珪素、窒化ガリウム、砒化ガリウム)を利用する場合にも、上記の技術を適用することができる。
(2)上記実施例では、KOHを500℃に加熱して溶融させた溶融KOHをエッチング剤に用いた。エッチング剤はそれに限定されない。Cl2ガスを用いたドライエッチングを採用することも可能であるし、NaOHのアルカリ溶液を用いたウエットエッチングを用いることも可能である。
(3)上記の実施例では、結晶構造と半導体層の表面がなす角度(オフ角)がゼロの場合を説明している。オフ角を考慮することによって、オフ角がゼロ以外の場合にも対応可能である。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:半導体層
4:結晶基板
6:積層基板
8:界面
a:半導体層2の中間深さで出現する転位
b:界面8で出現する転位
c:結晶基板4から半導体層2まで伸びている転位
A:転位aに沿って形成されるエッチピット
B:転位bに沿って形成されるエッチピット
C:転位cに沿って形成されるエッチピット
W:エッチピットの表面における開口部の径
D:エッチピットの深さ(平坦底面の深さ)
B:平坦底面の径
t:エッチング時間

Claims (3)

  1. 半導体層の表面からエッチピットの内部に平坦底面が出現するまでエッチングする工程と、
    前記工程でエッチピットの内部の出現した平坦底面の深さを特定する工程と、
    前記工程で特定された平坦底面の深さから前記半導体層に存在する転位の出現深さを特定する工程と、
    を備えている転位の出現深さの特定方法。
  2. 結晶基板上に結晶成長した半導体層の表面からエッチングする工程であり、その半導体層を貫通する転位に沿って形成されるエッチピットがその半導体層を貫通する時間以上に亘ってエッチングする工程と、
    前記工程でエッチピットの内部の出現した平坦底面の深さを特定する工程と、
    前記工程で特定された平坦底面の深さから前記半導体層に存在する転位の出現深さを特定する工程と、
    を備えている転位の出現深さの特定方法。
  3. 前記半導体層が炭化珪素単結晶層であり、
    前記半導体層の表面がSi面であり、
    溶融KOHを用いてエッチングすることを特徴とする請求項1または2に記載の転位の出現深さの特定方法。
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